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シーズン5 第20話
The One with the Ride-Along (まさかの臨死体験!?)
原題は「車に一緒に乗る話」
マルガリータを作ろうとしたレイチェルですが、モニカがブレンダー(ミキサー)をロスに貸しているというので、そのブレンダーを取りにロスの部屋にやってきます。
[Scene: Ross's apartment, Rachel is just entering. She takes off her coat and heads for the kitchen. As she does, she knocks something off of a bookcase next to the kitchen door with her coat and it breaks.]
ロスのアパートメント。レイチェルがちょうど入ってきたところ。レイチェルはコートを脱ぎ、キッチンに向かう。その時、台所のドアの隣にある本棚の上に置いてある何かを、脱いだコートで当てて落としてしまい、その何かが壊れる。
レイチェル: Ohh, please don't be from a real dinosaur! Please! Please! Please! Please! Please! Please! Please! Please! (She picks up the 2 pieces and looks at the stand.) "Made in Mexico." Yes!! Ugh, who would buy this? (Looks for a place to hide it and finds a wall sconce and drops the pieces into it and heads into the kitchen as the phone rings.) (あー、お願い、どうか本物の恐竜のものじゃありませんように! お願い、お願い、お願い…。 [レイチェルは2つの破片を拾い上げて、スタンドを見る] 「メイド・イン・メキシコ(メキシコ製)」。やった! あー、一体、こんなの誰が買うの?[こんなの誰も買わないわ] [その壊したものを隠す場所を探す。壁の突き出し燭台式電灯を見つけ、その中に破片を入れ、キッチンに向かう。その時、電話が鳴る])
モニカ: (on the answering machine) Rach, it's me. Pick up! (留守電の声で) レイチェル、私よ。電話を取って!)
(Rachel runs over and answers the phone with the blender in hand.)
レイチェルは走って行って、腕にブレンダーを抱えた状態で電話に出る。
レイチェル: Hey! What's up? (はーい。どうしたの?)
モニカ: I need a few more things to make the margaritas. Uhh, I need some salt, some margarita mix and tequila. (マルガリータを作るのに、もう2つ3つ必要なものがあるの。あのー、塩とマルガリータ・ミックスとテキーラよ。)
レイチェル: So all we had was ice? (それじゃあ、うちにあったのはアイスだけだったのね?)
モニカ: See if he has ice. (ロスのところにアイスがあるかどうかも確認して。)
レイチェル: Okay. (わかったわ。)
ト書きの knock A off of B は、「A を B から叩き落とす、A に当てて・ぶつけて B から落とす」という感覚ですね。
コートを歩きながら脱いだ拍子に、コートが何かに当たってしまい、それを本棚から落としてしまった、ということです。
Please don't be from a real dinosaur! について。
Don't+動詞の原形は「命令文の否定形」です。
動詞が動作動詞なら、「…しないで」になりますし、今回のような be動詞なら、「…であるという状態はやめて」みたいな感覚になるでしょう。
Don't be a stranger. なら「見知らぬ人であるという状態はやめて」ということから、「他人行儀はやめてよ、よしてよ」という決まり文句になります。
今回は否定の命令文に please がついていますので、「どうかお願いだから…という状態はやめて」と懇願するニュアンスになります。
be from の from は「由来、起源」ですね。
直訳すると、「本物の恐竜が起源ではありませんように」ということで、壊したものが恐竜の化石などの「本物」じゃありませんように、と願っていることになります。
おもちゃやレプリカならいいけれど…という感覚ですね。
その化石らしきものがくっついていたスタンドを見たレイチェルは、Made in Mexico と書いてあるのを読んで安堵の声を上げています。
メキシコで作られた、つまり、本物の化石の標本とかではなくて、市販されているレプリカの置物だとわかったからですね。
安心したレイチェルは、その後、Ugh という、うんざりしたような声を出して、who would buy this? と言っています。
この Who would buy this? は、「こんなもの、(一体)誰が買おうとするだろうか? (誰もこんなもの買わない)」という修辞疑問文(rhetorical question)、つまり、反語のニュアンスですね。
Who knows? 「誰が知っているだろうか?→誰も知らない、誰にもわからない」
Who cares? 「誰が気にするのか?→誰も気にしない、かまうもんか」
などと同じタイプの反語で、「誰が…するか?」という、「who を主語にした疑問文の形」にして問いかけることで、「いや、そんなことをする人は誰もいない」ということをより強調するテクニックとなります。
Who knows? や、Who cares? は「現在形」が使われていますが、今回のセリフは、would が使われているのもポイントですね。
この would は「…しようとする」というような「意志」のニュアンスが感じられる気がします。
英辞郎では以下のように説明されています。
who would=【1】誰が〜するものか◆【用法】そんなことをする人はいるはずがないとの前提に立って「誰もするわけない。誰がする?」と修辞的に尋ねる
例) Who'd buy it? 「誰が買うかよ、そんなの。/誰も買わないって。」
上の英辞郎の例文は、今回のレイチェルのセリフに非常によく似ていますよね。
趣味の悪い品物の購入(笑)という行為が、「誰がそんなことする? そんなこと誰もしないよ」と言いたい場合の例として一番わかりやすい、ということでしょう。
実は今回のエピソードでは、この Who would...? を使ったセリフが後の方にも登場します。
その時もまた説明したいと思っていますが、まずは典型的な例として、レイチェルのセリフを取り上げてみました。
こういう would の感覚を日本語で説明するのはなかなか難しいものがあるのですが、話の流れを理解しながら、そのセリフを発した話者の気持ちを考えつつ、そのセリフを受け止めてみると、こういう難しい would のニュアンスも、わかってくる気がします。
ドラマのような「生きた英語」に触れているとよく感じるのですが、would という単語は本当に奥が深いです。
Would you...? 「…してくれますか?」という依頼文や、I would like to 「私は…したいです」という want to の丁寧な形などは、参考書で学べば使えるようになりますが、今回の Who would buy this? のように、「ここに would を持って来れる感覚」というのは、なかなか参考書だけでは身につかない気がするのですね。
本当に英語ができる人、本当の英語の達人というのは、こういう would のニュアンスをよく理解した上で、それをネイティブ並みに使いこなせる人だと私は思っています。
その人の書く英文、その人の話す英文に、そういう would がどんな具合に盛り込まれているかを見ることで、その人が生きた英語にどれだけ触れてきたかがわかる…という感じです。
壊した置物を隠すのに、レイチェルはお皿のような形のライトの中に破片を放り込んでいます。
ト書きにある、sconce は「壁の突き出し燭台式電灯」のこと。
重要単語ではありませんが(笑)、参考までに英英辞典の語義を載せておきます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
sconce : an object that is attached to a wall and holds CANDLEs or electric lights
つまり、「壁に取り付けられていて、キャンドルや電灯を支える物体」
レイチェルがロスの台所でブレンダーを発見した後、モニカから電話がかかってきます。
ブレンダー以外に、もう2、3個必要なものがある、と言っていますね。
モニカの挙げるものを聞いていると、マルガリータに必要なもの全部を言っている感じで、結局はブレンダーがないだけではなく、マルガリータを作るための材料が、モニカのうちには全然なかったことがモニカのセリフからわかります。
その後、レイチェルは、So all we had was ice? と言っていますね。
all we had was は、「私たちが持っていたものすべては…であった」ということで、つまりは、「私たちが持っていたのは…だけだった」という意味。
そんなにあれもこれも必要なの、って言うのなら、私たちの家にあったのはアイスだけだったってことなのね?、うちにはアイスしかなかったわけね、と言ってレイチェルは笑っているわけです。
それを聞いたモニカは、See if he has ice. 「ロスがアイスを持っているかどうか見て」、つまり、「ロスのうちにアイスがあるかどうか確認して」と言っています。
「アイス以外は何もなかったのね」と言ってレイチェルは笑ったのですが、「そのアイスすらなかった」ことがわかるオチになっているわけですね。
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2011年04月25日
2011年04月22日
だからあなたに貸さないのよ フレンズ5-19その6
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レイチェルがなくしたイヤリングを、自分がなくしたということにして、フィービーはモニカに謝ります。
モニカは「なくしてしまったものはしょうがないわ。わざとじゃないんだし」と言って、フィービーの謝罪をすんなり受け入れ、二人はハグし、さらに友情を深めたようになっています。
それを不満そうに見ていたレイチェルは…
レイチェル: Okay, wait a minute. Wait a minute, I-I-I, I can't do this. Listen, honey, this is, it's not Phoebe's fault. She lent me the earrings. I lost it. I'm so sorry, honey. I feel terrible too. (Holds out her arms for a hug.) (いいわ、ちょっと待って、ちょっと待って。私、私にはこんなことはできないわ。聞いて、ハニー、これは、フィービーのせいじゃないのよ。フィービーは私にイヤリングを貸してくれたの。私がなくしたのよ。本当にごめんなさい、ハニー。私もすっごく申し訳なく思ってるわ。[ハグのために腕を伸ばす])
モニカ: (angrily) That is exactly why I do not lend you stuff! (Rachel looks over at Phoebe in resignation.) Okay? I mean, first it's my jewelry! And if it's not my jewelry, it's-it's my blue sweater! And if it's not my blue sweater, it's my sunglasses! ([怒って] それがまさに、私があなたにものを貸さない理由よ! [レイチェルはあきらめの表情でフィービーの方を見る] いい? つまり、まずこのアクセサリーでしょ! そして、アクセサリーじゃなかったら、私の青いセーターでしょ? そして、青いセーターじゃなかったら、私のサングラスよ!)
レイチェル: Your sunglasses?! (あなたのサングラスなの?)
モニカ: Yes! (そうよ!)
フィービー: Oh, right! (Hands Monica back her sunglasses.) (あぁ、そうね! [サングラスをモニカに手渡す])
I can't do this. は、「私にはこんなことはできないわ」ですね。
this が何を指すかは、その後に述べる内容でわかりますが、「本当は自分がなくしたのにそれをフィービーのせいにする、というひどいこと」を指しています。
最初に、「こんなことできないわ」と言っておいて、本当のことを告白する、白状する、という流れになります。
フィービーが謝ったのと同じように、I'm so sorry. や、I feel terrible. という表現を使って反省を示し、「さあ、私も正直に謝ったから、さっきのフィービーと同じようにハグして」という感じで、腕を前に伸ばして、ハグを求めるしぐさまでしています。
フィービー同様にあっさり許してくれると思っていたレイチェルですが、モニカは急に怒り出します。
That is exactly why I do not lend you stuff! は、why の前に the reason があると考えるとわかりやすいですね。
「それ(そういうレイチェルの行い、貸したものをすぐなくすこと)が、私があなたにものを貸さない、まさにその理由よ」という感じになります。
日本語らしく言い換えると、「そんなんだから(そんな調子だから)、私はあなたにものを貸さないのよ!」になるでしょうか。
don't という短縮形ではなく、はっきり do not と言っているのも、「貸さない」という not の部分を強調するためですね。
また、do not という現在形は、習慣を表し、「私が普段からあなたにものを貸さないのは(そういう理由よ)」という感覚になります。
怒ったモニカが言う、first it's my jewelry. And if it's not my jewelry... というセリフは、なかなか面白いなぁと思いました。
first は、「まず、まずは」という感覚でしょう。
my jewelry は、「私の宝石類」で、つまりは、今回レイチェルがなくしたイヤリングを指しています。
And if it's not my jewelry, it's-it's my blue sweater! を直訳すると、「そして、私の宝石じゃないなら、私の青いセーターよ!」みたいな感じ。
レイチェルが人から借りたものをよくなくす、ということを語るために、「まずは今回のイヤリング、そのイヤリングのことがなかったとしても、その前には私の青いセーターをなくしてるし…」みたいに言っているのですね。
「青いセーターのことがなかったとしても、その前のサングラスもあるわ!」と、レイチェルの前科を暴露するような形で、「イヤリングにセーターにサングラス…あなたはどんだけ人のものをなくすのよ、こんな調子だから、あなたにものを貸さないのよ、わかった?」みたいに言っているわけですね。
これがなくても、それがあるし、それがなくても、あれがあるし…みたいな感じで、今、起こっている件から、どんどん昔にさかのぼっていく感覚を、このセリフから感じていただけたらと思います。
こんな感じで怒るのは、日本語にもある感覚ですね。
こういう風に言いたい場合、英語ではどう言えばいいんだろう?と思っても、こういう表現は、辞書や参考書、フレーズ集ではなかなか見つけられない気がします。
まさに「ドラマなどでこういう場面に出くわすことで学べる」表現の典型的な例のように思います。
「私のサングラス」と聞いて、「あなたのサングラス?」と聞き返すレイチェル。
実はサングラスは、この少し前のシーンですでに登場していました。
その時のやり取りは以下の通り。
昨日、チャンドラーたちの部屋に行ってたから、そこでイヤリングを落としたのかもしれないと、彼らの部屋に探しに行ったレイチェルが戻ってきて、
フィービー: Did you find it? (イヤリングは見つかった?)
レイチェル: The earring? No. But look, I found my sunglasses under the couch. I've been looking for these since like last summer. (Puts 'em on.) (イヤリング? いいえ(見つからなかったわ)。でも、見て、カウチの下に私のサングラスを見つけたのよ。去年の夏ぐらいから、私、これをずーっと探してたのよ。[サングラスをかける])
フィービー: Okay, those are my sunglasses. You borrowed them from me. (いいわ、それは私のサングラスよ。あなたが私からそれを借りたのよ。)
レイチェル: Okay. Calm down. Here they are. (Gives back the sunglasses.) (わかったわ。落ち着いて。はいどうぞ。[そのサングラスを返す])
イヤリングは見つからなかったけど、ずっと探してたサングラスが見つかったのよー!と喜んでいたレイチェルに、「それは私のよ」と言って、フィービーは返してもらっていました。
ですが、上のモニカのセリフで、それはフィービーのものではなくて、元々はモニカのものであったことが判明したのですね。
ですから、レイチェルは「フィービーのものだと思っていたのに、モニカのだったの?」と驚き、フィービーはそれを持ち主に返す、という流れになっているわけで、話の中でそれとなく登場していたサングラスが、しばらく経ってからここでオチに使われている、ということですね。
去年の夏から探していたという発言から、今日のイヤリング、そして(多分)冬のセーター、そして去年の夏のサングラス…のように、現在、冬、夏とさかのぼる様子もよくわかりますし、なくされたものをしっかり覚えているところもまたモニカらしいなぁ、と思います。
ちなみに、上のサングラスにまつわるやり取りでは、サングラスは、glasses 「眼鏡」と同様に、sunglasses という複数形で使われるため、指示代名詞がすべて、those, them, they のように複数形になっていることにも注目しましょう。
ところで、フィービーの謝罪をモニカがあっさり受け入れ、その後、レイチェルが真実を告げると激昂した、という流れについて。
フィービーに対してと、レイチェルに対しての態度が全然違いますが、これはレイチェルに期待させておいて、やっぱりレイチェルに対してはいつものモニカ通り激怒した、という緩急をつけるための演出なのでしょう。
普段のモニカなら、大事なイヤリングをなくされて、こんなにあっさり引き下がるとは思えないのですが(笑)、「えらくすんなり受け入れたわね、ハグまでしちゃって友情を深めちゃってさぁ〜、そんなのずるい、それなら私も…」とレイチェルに思わせておいて、思い切り落とす、という面白さですね。
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モニカは「なくしてしまったものはしょうがないわ。わざとじゃないんだし」と言って、フィービーの謝罪をすんなり受け入れ、二人はハグし、さらに友情を深めたようになっています。
それを不満そうに見ていたレイチェルは…
レイチェル: Okay, wait a minute. Wait a minute, I-I-I, I can't do this. Listen, honey, this is, it's not Phoebe's fault. She lent me the earrings. I lost it. I'm so sorry, honey. I feel terrible too. (Holds out her arms for a hug.) (いいわ、ちょっと待って、ちょっと待って。私、私にはこんなことはできないわ。聞いて、ハニー、これは、フィービーのせいじゃないのよ。フィービーは私にイヤリングを貸してくれたの。私がなくしたのよ。本当にごめんなさい、ハニー。私もすっごく申し訳なく思ってるわ。[ハグのために腕を伸ばす])
モニカ: (angrily) That is exactly why I do not lend you stuff! (Rachel looks over at Phoebe in resignation.) Okay? I mean, first it's my jewelry! And if it's not my jewelry, it's-it's my blue sweater! And if it's not my blue sweater, it's my sunglasses! ([怒って] それがまさに、私があなたにものを貸さない理由よ! [レイチェルはあきらめの表情でフィービーの方を見る] いい? つまり、まずこのアクセサリーでしょ! そして、アクセサリーじゃなかったら、私の青いセーターでしょ? そして、青いセーターじゃなかったら、私のサングラスよ!)
レイチェル: Your sunglasses?! (あなたのサングラスなの?)
モニカ: Yes! (そうよ!)
フィービー: Oh, right! (Hands Monica back her sunglasses.) (あぁ、そうね! [サングラスをモニカに手渡す])
I can't do this. は、「私にはこんなことはできないわ」ですね。
this が何を指すかは、その後に述べる内容でわかりますが、「本当は自分がなくしたのにそれをフィービーのせいにする、というひどいこと」を指しています。
最初に、「こんなことできないわ」と言っておいて、本当のことを告白する、白状する、という流れになります。
フィービーが謝ったのと同じように、I'm so sorry. や、I feel terrible. という表現を使って反省を示し、「さあ、私も正直に謝ったから、さっきのフィービーと同じようにハグして」という感じで、腕を前に伸ばして、ハグを求めるしぐさまでしています。
フィービー同様にあっさり許してくれると思っていたレイチェルですが、モニカは急に怒り出します。
That is exactly why I do not lend you stuff! は、why の前に the reason があると考えるとわかりやすいですね。
「それ(そういうレイチェルの行い、貸したものをすぐなくすこと)が、私があなたにものを貸さない、まさにその理由よ」という感じになります。
日本語らしく言い換えると、「そんなんだから(そんな調子だから)、私はあなたにものを貸さないのよ!」になるでしょうか。
don't という短縮形ではなく、はっきり do not と言っているのも、「貸さない」という not の部分を強調するためですね。
また、do not という現在形は、習慣を表し、「私が普段からあなたにものを貸さないのは(そういう理由よ)」という感覚になります。
怒ったモニカが言う、first it's my jewelry. And if it's not my jewelry... というセリフは、なかなか面白いなぁと思いました。
first は、「まず、まずは」という感覚でしょう。
my jewelry は、「私の宝石類」で、つまりは、今回レイチェルがなくしたイヤリングを指しています。
And if it's not my jewelry, it's-it's my blue sweater! を直訳すると、「そして、私の宝石じゃないなら、私の青いセーターよ!」みたいな感じ。
レイチェルが人から借りたものをよくなくす、ということを語るために、「まずは今回のイヤリング、そのイヤリングのことがなかったとしても、その前には私の青いセーターをなくしてるし…」みたいに言っているのですね。
「青いセーターのことがなかったとしても、その前のサングラスもあるわ!」と、レイチェルの前科を暴露するような形で、「イヤリングにセーターにサングラス…あなたはどんだけ人のものをなくすのよ、こんな調子だから、あなたにものを貸さないのよ、わかった?」みたいに言っているわけですね。
これがなくても、それがあるし、それがなくても、あれがあるし…みたいな感じで、今、起こっている件から、どんどん昔にさかのぼっていく感覚を、このセリフから感じていただけたらと思います。
こんな感じで怒るのは、日本語にもある感覚ですね。
こういう風に言いたい場合、英語ではどう言えばいいんだろう?と思っても、こういう表現は、辞書や参考書、フレーズ集ではなかなか見つけられない気がします。
まさに「ドラマなどでこういう場面に出くわすことで学べる」表現の典型的な例のように思います。
「私のサングラス」と聞いて、「あなたのサングラス?」と聞き返すレイチェル。
実はサングラスは、この少し前のシーンですでに登場していました。
その時のやり取りは以下の通り。
昨日、チャンドラーたちの部屋に行ってたから、そこでイヤリングを落としたのかもしれないと、彼らの部屋に探しに行ったレイチェルが戻ってきて、
フィービー: Did you find it? (イヤリングは見つかった?)
レイチェル: The earring? No. But look, I found my sunglasses under the couch. I've been looking for these since like last summer. (Puts 'em on.) (イヤリング? いいえ(見つからなかったわ)。でも、見て、カウチの下に私のサングラスを見つけたのよ。去年の夏ぐらいから、私、これをずーっと探してたのよ。[サングラスをかける])
フィービー: Okay, those are my sunglasses. You borrowed them from me. (いいわ、それは私のサングラスよ。あなたが私からそれを借りたのよ。)
レイチェル: Okay. Calm down. Here they are. (Gives back the sunglasses.) (わかったわ。落ち着いて。はいどうぞ。[そのサングラスを返す])
イヤリングは見つからなかったけど、ずっと探してたサングラスが見つかったのよー!と喜んでいたレイチェルに、「それは私のよ」と言って、フィービーは返してもらっていました。
ですが、上のモニカのセリフで、それはフィービーのものではなくて、元々はモニカのものであったことが判明したのですね。
ですから、レイチェルは「フィービーのものだと思っていたのに、モニカのだったの?」と驚き、フィービーはそれを持ち主に返す、という流れになっているわけで、話の中でそれとなく登場していたサングラスが、しばらく経ってからここでオチに使われている、ということですね。
去年の夏から探していたという発言から、今日のイヤリング、そして(多分)冬のセーター、そして去年の夏のサングラス…のように、現在、冬、夏とさかのぼる様子もよくわかりますし、なくされたものをしっかり覚えているところもまたモニカらしいなぁ、と思います。
ちなみに、上のサングラスにまつわるやり取りでは、サングラスは、glasses 「眼鏡」と同様に、sunglasses という複数形で使われるため、指示代名詞がすべて、those, them, they のように複数形になっていることにも注目しましょう。
ところで、フィービーの謝罪をモニカがあっさり受け入れ、その後、レイチェルが真実を告げると激昂した、という流れについて。
フィービーに対してと、レイチェルに対しての態度が全然違いますが、これはレイチェルに期待させておいて、やっぱりレイチェルに対してはいつものモニカ通り激怒した、という緩急をつけるための演出なのでしょう。
普段のモニカなら、大事なイヤリングをなくされて、こんなにあっさり引き下がるとは思えないのですが(笑)、「えらくすんなり受け入れたわね、ハグまでしちゃって友情を深めちゃってさぁ〜、そんなのずるい、それなら私も…」とレイチェルに思わせておいて、思い切り落とす、という面白さですね。
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2011年04月20日
なくしたものはしょうがない フレンズ5-19その5
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フィービーが、モニカから借りたイヤリングをレイチェルに又貸ししたところ、レイチェルがイヤリングの片方をなくしてしまいます。
モニカは今日の記念日デートにそのイヤリングをつける予定でした。フィービーは、自分がなくしたということにして、モニカにこれから謝るところ。
フィービー: Mon, can I talk to you for a sec? (モニカ、少しの時間、話せる?)
モニカ: Yeah. What is it? (ええ、なあに?)
フィービー: Umm, I lost one of your earrings. I'm sorry. I am so, so sorry. (あのー、私、あなたのイヤリングの片方をなくしたの。ごめんなさい。ほんとにほんとにごめんなさい。)
モニカ: (shocked) Wow! All right, well, I mean, what can you do? If you lost it, you lost it. ([ショックを受けて] まあ! いいわ、その、ほら、(それ以上)あなたに何ができるっていうの? もしあなたがそれをなくしたんなら、なくしたということよ[なくした事実は変えられないわ])
フィービー: I'll replace it. I promise. I feel so terrible. (弁償するわ。約束する。すっごく申し訳ないって気持ちよ。)
モニカ: All right, sweetie, that's fine. You didn't do it on purpose. (わかったわ、ハニー、それはいいのよ。あなたはわざとなくしたんじゃないんだから。)
フィービー: No. (ええ、わざとじゃないわ。)
モニカ: Look at you. Come here. (They hug.) You feel better? (もう、何て顔してるの。こっちに来て。[二人はハグする] 気分は良くなった?)
フィービー: Yeah. You're the best. (ええ。あなたって最高よ。)
レイチェルに貸した自分のせいでもあるから…と、レイチェルのことは言わずにモニカに謝るフィービー。
片方だけ行方不明なので、one of your earrings の形になっていることも注目しましょう。
大事なイヤリングをなくしたと聞いて、モニカはショックを受けた表情をしていますが、その後、いつものように激昂することなく(笑)、落ち着いた調子でフィービーに語りかけています。
What can you do? を直訳すると、「あなたには何ができるの?」ですが、この場合は、「今のあなたに一体他に何ができるって言うの? 何もできないわ」という反語のニュアンスになります。
フィービーの能力うんぬんの話ではなく、「なくしてしまったという事実を取り消すことはできない、しょうがないわ」と言っていることになります。
英辞郎に、
What can you do?=どうしようもないな。
と出ていますが、まさにそういうニュアンスだと思います。
その後に続くセリフ、 If you lost it, you lost it. も、それと同じようなニュアンスですね。
これも直訳すると、「もしあなたがイヤリングをなくしたなら、あなたはイヤリングをなくしたの」みたいな感じになるでしょうか。
「イヤリングをなくしたっていうのなら、それはやっぱりなくしたのよ。なくしたものはなくしたもの、なくしたっていうその事実を変えることはできないわ」という気持ちでしょう。
こういう言い回しは、なかなか参考書で学べるものではないですね。
話の流れの中に出てきて初めて、ニュアンスがわかるタイプの文章だと思います。
フィービーは、replace する、と言っています。
replace は「取り替える、置き換える」と訳されることが多いですが、この場合は、元々のイヤリングが行方不明になっているので、「取り換える」と訳すと、ちょっと違和感がありますね。
そのイヤリングがあった場所に、新しいものを持ってくる、みたいな感覚で、なくしたイヤリングの穴を埋める形で、同じようなものを買って埋め合わせするわ、というニュアンスになるでしょう。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
replace : to get something new to put in the place of something that is broken, stolen, too old etc.
つまり、「壊れたり、盗まれたり、古くなりすぎたなどのものの場所・位置に新しい何かを置く・入れること」。
直訳しすぎてわかりにくいですが、要は「盗まれたりしたものの代わりに新しいものを用意する」」という感覚ですよね。
今回のように、自分がなくした、と言っている場合は、同様の品を買って弁償する、みたいなことになるでしょう。
feel terrible は、terrible な気持ちがする、ということですが、この場合は、本当に申し訳なくて、ひどいつらい気持ちでいっぱいなのよ、という感覚。
You didn't do it on purpose. の on purpose は「故意に、わざと」。
あなたは私を困らせようとして、わざとなくしたわけじゃないんだから、と、なくしたことを悔やんでいるフィービーを慰める優しいセリフになります。
その後のフィービーの、No. ですが、これを反射的に「いいえ」と訳すと妙な感じに聞こえます。
「あなたはわざとなくしたんじゃない」「いいえ」という日本語のやり取りだと、何だか「いいえ、実はあなたを困らせようと、わざとなくしたのよ」みたいに聞こえてしまいますね。
フィービーの、No. は、No, I didn't do it on purpose. ということで、モニカが言った否定文を、そのまま認めた返事になります。
だからもし、日本語で一言訳すとすると、「ええ」のように、モニカの言った内容を肯定するような返事として訳すのがふさわしいということになるでしょう。
フィービーに対して言っている Look at you. は、フィービーが本当に申し訳なさそうな顔をしているために、「まぁ、自分の顔を見てみてよ。なんて顔をしてるのかしら」と言っているのですね。
それで、「そんな顔してないで、こっちに来て。私は全然怒ってないんだから」という感じで、優しくハグすることになります。
この後、better と best が使われたセリフが続きますが、それはただの偶然…ではなく、やはり、better という言葉からの連想なのかなぁ、と思います。
別にダジャレとかではないのですが、比較級を使った相手に、最上級を使ったセリフで返す、みたいな、ちょっとしゃれた感覚、と言いますか。
気分は良くなった?と聞かれて、Yeah. と答えているのは、Yeah, I feel better now. みたいな感覚ですね。
あなたのおかげで、I feel better なの。だからあなたは the best だわ、友達思いの最高の人だわ、と感謝しているニュアンスになるだろうと思います。
(Rach からのお詫び)
いただいたコメントへのお返事は、もうしばらくお待ち下さいませ。
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フィービーが、モニカから借りたイヤリングをレイチェルに又貸ししたところ、レイチェルがイヤリングの片方をなくしてしまいます。
モニカは今日の記念日デートにそのイヤリングをつける予定でした。フィービーは、自分がなくしたということにして、モニカにこれから謝るところ。
フィービー: Mon, can I talk to you for a sec? (モニカ、少しの時間、話せる?)
モニカ: Yeah. What is it? (ええ、なあに?)
フィービー: Umm, I lost one of your earrings. I'm sorry. I am so, so sorry. (あのー、私、あなたのイヤリングの片方をなくしたの。ごめんなさい。ほんとにほんとにごめんなさい。)
モニカ: (shocked) Wow! All right, well, I mean, what can you do? If you lost it, you lost it. ([ショックを受けて] まあ! いいわ、その、ほら、(それ以上)あなたに何ができるっていうの? もしあなたがそれをなくしたんなら、なくしたということよ[なくした事実は変えられないわ])
フィービー: I'll replace it. I promise. I feel so terrible. (弁償するわ。約束する。すっごく申し訳ないって気持ちよ。)
モニカ: All right, sweetie, that's fine. You didn't do it on purpose. (わかったわ、ハニー、それはいいのよ。あなたはわざとなくしたんじゃないんだから。)
フィービー: No. (ええ、わざとじゃないわ。)
モニカ: Look at you. Come here. (They hug.) You feel better? (もう、何て顔してるの。こっちに来て。[二人はハグする] 気分は良くなった?)
フィービー: Yeah. You're the best. (ええ。あなたって最高よ。)
レイチェルに貸した自分のせいでもあるから…と、レイチェルのことは言わずにモニカに謝るフィービー。
片方だけ行方不明なので、one of your earrings の形になっていることも注目しましょう。
大事なイヤリングをなくしたと聞いて、モニカはショックを受けた表情をしていますが、その後、いつものように激昂することなく(笑)、落ち着いた調子でフィービーに語りかけています。
What can you do? を直訳すると、「あなたには何ができるの?」ですが、この場合は、「今のあなたに一体他に何ができるって言うの? 何もできないわ」という反語のニュアンスになります。
フィービーの能力うんぬんの話ではなく、「なくしてしまったという事実を取り消すことはできない、しょうがないわ」と言っていることになります。
英辞郎に、
What can you do?=どうしようもないな。
と出ていますが、まさにそういうニュアンスだと思います。
その後に続くセリフ、 If you lost it, you lost it. も、それと同じようなニュアンスですね。
これも直訳すると、「もしあなたがイヤリングをなくしたなら、あなたはイヤリングをなくしたの」みたいな感じになるでしょうか。
「イヤリングをなくしたっていうのなら、それはやっぱりなくしたのよ。なくしたものはなくしたもの、なくしたっていうその事実を変えることはできないわ」という気持ちでしょう。
こういう言い回しは、なかなか参考書で学べるものではないですね。
話の流れの中に出てきて初めて、ニュアンスがわかるタイプの文章だと思います。
フィービーは、replace する、と言っています。
replace は「取り替える、置き換える」と訳されることが多いですが、この場合は、元々のイヤリングが行方不明になっているので、「取り換える」と訳すと、ちょっと違和感がありますね。
そのイヤリングがあった場所に、新しいものを持ってくる、みたいな感覚で、なくしたイヤリングの穴を埋める形で、同じようなものを買って埋め合わせするわ、というニュアンスになるでしょう。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
replace : to get something new to put in the place of something that is broken, stolen, too old etc.
つまり、「壊れたり、盗まれたり、古くなりすぎたなどのものの場所・位置に新しい何かを置く・入れること」。
直訳しすぎてわかりにくいですが、要は「盗まれたりしたものの代わりに新しいものを用意する」」という感覚ですよね。
今回のように、自分がなくした、と言っている場合は、同様の品を買って弁償する、みたいなことになるでしょう。
feel terrible は、terrible な気持ちがする、ということですが、この場合は、本当に申し訳なくて、ひどいつらい気持ちでいっぱいなのよ、という感覚。
You didn't do it on purpose. の on purpose は「故意に、わざと」。
あなたは私を困らせようとして、わざとなくしたわけじゃないんだから、と、なくしたことを悔やんでいるフィービーを慰める優しいセリフになります。
その後のフィービーの、No. ですが、これを反射的に「いいえ」と訳すと妙な感じに聞こえます。
「あなたはわざとなくしたんじゃない」「いいえ」という日本語のやり取りだと、何だか「いいえ、実はあなたを困らせようと、わざとなくしたのよ」みたいに聞こえてしまいますね。
フィービーの、No. は、No, I didn't do it on purpose. ということで、モニカが言った否定文を、そのまま認めた返事になります。
だからもし、日本語で一言訳すとすると、「ええ」のように、モニカの言った内容を肯定するような返事として訳すのがふさわしいということになるでしょう。
フィービーに対して言っている Look at you. は、フィービーが本当に申し訳なさそうな顔をしているために、「まぁ、自分の顔を見てみてよ。なんて顔をしてるのかしら」と言っているのですね。
それで、「そんな顔してないで、こっちに来て。私は全然怒ってないんだから」という感じで、優しくハグすることになります。
この後、better と best が使われたセリフが続きますが、それはただの偶然…ではなく、やはり、better という言葉からの連想なのかなぁ、と思います。
別にダジャレとかではないのですが、比較級を使った相手に、最上級を使ったセリフで返す、みたいな、ちょっとしゃれた感覚、と言いますか。
気分は良くなった?と聞かれて、Yeah. と答えているのは、Yeah, I feel better now. みたいな感覚ですね。
あなたのおかげで、I feel better なの。だからあなたは the best だわ、友達思いの最高の人だわ、と感謝しているニュアンスになるだろうと思います。
(Rach からのお詫び)
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2011年04月18日
地球の裏側の男が起き出す フレンズ5-19その4
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モニカが「私も他の男性と flirt してる(面白半分にいちゃついたりしてる)」と言ったことにまだこだわっているチャンドラーは、テレビドラマを見ながら、またその話題を持ち出します。
モニカ: Okay, let me get this straight. It's okay for you to flirt, but not for me. (わかったわ。この件についてはっきりさせて。あなたがいちゃつくのはオッケーで、でも、私がそうするのはダメなのね。)
チャンドラー: Oh, I'm so glad we cleared that up. Look, I'm sorry, some things are different for men and for women. (あぁ、そのことをはっきりできて嬉しいよ。ねぇ、悪いけど、男と女じゃ、違うことがあるんだよ。)
モニカ: Go on, teach me something about men and women. (話を続けて。男と女について教えてよ。)
チャンドラー: Okay, I've already taught you so much already, but whatever. See, when you flirt with a guy, you think, "I'm just flirting. No big deal." But the guy is thinking, "Finally! Somebody who wants to sleep with me." (よし、俺はすでに君にすごくたくさん教えてきたけど、でも、何でもいいさ。いいか、君が男といちゃつくと、君は思う、「私はただ面白半分にやってるだけよ。大したことじゃないわ」と。でも、その相手の男はこう思ってる、「ついに! 俺と寝たいと思ってる人間が(現われた)!」)
モニカ: No way! (まさか!)
チャンドラー: It's true. (真実だ。)
モニカ: Well, that's pathetic. (そう、それって哀れ[みじめ]だわ。)
チャンドラー: Again, true. (それまた、真実だ。)
モニカ: And this goes for all guys? (それで、このことは全ての男に当てはまるの?)
チャンドラー: All guys that are awake. Then we go to sleep. And all guys from the other end of the world wake up and behave the exact same way. (目を覚ましてる男は全部ね。それから俺たちは眠りに入る。そして、世界の反対側の男たちがみんな目覚めて、全く同じ行動をするんだよ。)
Let me get this straight. は決まり文句で、「このことをはっきりさせて、整理させて」。
straight は「まっすぐな」「整理整頓した、きちんとした」「間違いがない」というような意味がありますので、「私に、この件をきちんと整理し、はっきりさせて」というニュアンスになります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
get something straight : to understand the facts about a situation and be able to tell them correctly
つまり、「ある状況に関する事実を理解し、それを正しく言うことができること」
「つまりはこういうことよね?」と言ってから、自分の理解した内容を語ることで、事実を明白にする感覚だと思います。
ちょっと私に整理させてね、とか、こういう理解で良いわけね?と相手に確認したいニュアンスになるでしょう。
but not for me の省略されている部分を補うと、It's not okay for me to flirt. 「私が flirt するのはオーケーではない」になります。
clear up は「きれいにする、片づける、整頓する」、または「明白にする」「(問題・疑問)を解く、解決する」という意味もあります。
何かごちゃごちゃしていたものを、すっかりクリアーにする、というようなニュアンスになるでしょうね。
LAAD では、
clear up (phrasal verb) :
clear something up / clear up something : to explain something or make it easier to understand
つまり、「何かを説明する、または、それがよりわかりやすいようにする」。
今回のチャンドラーのセリフ、I'm so glad we cleared that up. は、俺たち、つまりモニカと俺(チャンドラー)が、clear up 「した」(過去形)ことを、俺はとても嬉しく思っている、という意味ですよね。
これは恐らく、モニカが言った「男は flirt してもよいが、女はダメ」ということが、まさに俺が言いたかったことだよ、それをはっきりと文章にして「明白にしてくれて」ありがとう、君と僕との間でそのことがはっきりして、明白になって良かったよ、と言っている感覚だと思います。
モニカは「あなたはこう言いたいわけ?」と言って、その言葉を言っているわけですから、モニカ自身はその内容が納得できないわけですよね。
男はいいけど、女はダメって、そんなの筋が通らないわ、という気持ちでしょう。
モニカがそう言いたいことはチャンドラーにもわかっているので、「今モニカがそのことをはっきりさせてくれて良かった。(不公平だと思ってる)モニカには悪いけど、男と女じゃ違うんだよ」という流れになっているのでしょう。
男と女について教えてよ、と言うモニカに、チャンドラーは「これまですでにたくさん教えてきたけど」と現在完了形を使って答えています。
already が2回登場していますが、これはタイポではなく、実際の音声でも2回 already と言っています。
元々の脚本にもそう書いてあったのかどうかはわかりませんが、already を2度も使ったチャンドラーの気持ちとしては、「聞かせて、って言うけど、”もうすでに、とっくの昔に”そのことについては教えただろ?」と言いたいわけでしょう。
男女の違いはすでに教えた、というのは何とも漠然とした表現ですが、二人はもう10ヶ月も付き合っていて、深い関係にもなっているので、身体や心の違いなど、男と女はこうも違う、ということは、もういやというほどわかってるんじゃないのか?みたいなことが言いたいのだと思います。
but whatever は、「もうたくさん男女の違いを教えてきたはずだと思うけど、とりあえず今はそんなことはどうでもいいや」みたいな感じ。
男女の違いを語り出したら長くなるからと思ったチャンドラーは、whatever と言って今まで教えてきたことは切り上げ、今は flirt の件だけ説明しようと思い、その後、男女の受け止め方の違いを語っています。
女性のモニカは「ただのお遊びで大したことじゃない」と思うだろうけど、相手の男は違うぞ、相手はモニカがちょっかいかけてきたのを見て、「この女は、俺とエッチしたがってる」と思うもんだ、みたいなことをチャンドラーは言っています。
No way! は、「まさか!」や「絶対にいやだ!」などの意味がありますが、この場合はそのチャンドラーの説明が信じられないというニュアンスの「まさか!」ですね。
この No way! It's true. Well, that's pathetic. Again, true. というテンポの良いやり取りには笑ってしまいます。特に、Again, true. には吹き出してしまいました。
つまり、「まさか!」「本当だ」「それって哀れ・みじめね」「それも本当だ」みたいなことですね。
モニカとしては、面白半分にちょっかいかけたくらいでそこまで考える男性の気持ちが信じられず、さらにはそれを pathetic とまで言っています。
女性の方にはそんなつもりがないのに、男性が勝手にそこまで考えてしまうことを「哀れ、みじめ」だと言っているのですね。
チャンドラーはその発言を怒ることなく「それが哀れなのも事実だ」と認めているわけで、「え?反論しないの?」という面白さもあります。
女の子がちょっと自分にかまってきたら、「この子は俺に気がある? この子を落とせるかも? エッチできちゃうかも?」と思ってしまう、女性はそれをみじめだと言うかもしれないけど、それが男ってもんだよ、男の悲しい性(さが)なんだよ、みたいな感じでしょう。
go for は「適用される、当てはまる」のような感覚。
世の男性はみんなそうなわけ?というモニカの疑問ですね。
それに対して、「世の中の男は全部そうだ」と答えるのなら、まぁ、ありがちな返事になるわけですが、答えを何かひねらずにはいられないチャンドラーは、「起きてる、目を覚ましてる男はみんなそうだ」と言っています。
寝てる時は意識がないから、そこまで考えないかもしれないけど、少なくとも起きて意識のある間は、男はみんなそう考えるもんさ、ということです。
そして、その「起きている」と「寝ている」の区分けの話はまだ続き、「その起きてた男たちが眠ると、今度は世界の反対側の男が目を覚まし、同じように行動する」とも言っていますね。
世界中の男性を、昼側と夜側の2つに分けて語っているのが何とも大袈裟ですが、起きてる時の男性の思考は全部そうさ、男はみんなそういうものだよ、と言いたいわけですね。
それを説明するのに、「そういう考えの男たちが眠りについていなくなったと思ったら、また同じ考えを持った男が起き出してくる」みたいな表現を使っているのが、チャンドラーらしいなと思いました。
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モニカが「私も他の男性と flirt してる(面白半分にいちゃついたりしてる)」と言ったことにまだこだわっているチャンドラーは、テレビドラマを見ながら、またその話題を持ち出します。
モニカ: Okay, let me get this straight. It's okay for you to flirt, but not for me. (わかったわ。この件についてはっきりさせて。あなたがいちゃつくのはオッケーで、でも、私がそうするのはダメなのね。)
チャンドラー: Oh, I'm so glad we cleared that up. Look, I'm sorry, some things are different for men and for women. (あぁ、そのことをはっきりできて嬉しいよ。ねぇ、悪いけど、男と女じゃ、違うことがあるんだよ。)
モニカ: Go on, teach me something about men and women. (話を続けて。男と女について教えてよ。)
チャンドラー: Okay, I've already taught you so much already, but whatever. See, when you flirt with a guy, you think, "I'm just flirting. No big deal." But the guy is thinking, "Finally! Somebody who wants to sleep with me." (よし、俺はすでに君にすごくたくさん教えてきたけど、でも、何でもいいさ。いいか、君が男といちゃつくと、君は思う、「私はただ面白半分にやってるだけよ。大したことじゃないわ」と。でも、その相手の男はこう思ってる、「ついに! 俺と寝たいと思ってる人間が(現われた)!」)
モニカ: No way! (まさか!)
チャンドラー: It's true. (真実だ。)
モニカ: Well, that's pathetic. (そう、それって哀れ[みじめ]だわ。)
チャンドラー: Again, true. (それまた、真実だ。)
モニカ: And this goes for all guys? (それで、このことは全ての男に当てはまるの?)
チャンドラー: All guys that are awake. Then we go to sleep. And all guys from the other end of the world wake up and behave the exact same way. (目を覚ましてる男は全部ね。それから俺たちは眠りに入る。そして、世界の反対側の男たちがみんな目覚めて、全く同じ行動をするんだよ。)
Let me get this straight. は決まり文句で、「このことをはっきりさせて、整理させて」。
straight は「まっすぐな」「整理整頓した、きちんとした」「間違いがない」というような意味がありますので、「私に、この件をきちんと整理し、はっきりさせて」というニュアンスになります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
get something straight : to understand the facts about a situation and be able to tell them correctly
つまり、「ある状況に関する事実を理解し、それを正しく言うことができること」
「つまりはこういうことよね?」と言ってから、自分の理解した内容を語ることで、事実を明白にする感覚だと思います。
ちょっと私に整理させてね、とか、こういう理解で良いわけね?と相手に確認したいニュアンスになるでしょう。
but not for me の省略されている部分を補うと、It's not okay for me to flirt. 「私が flirt するのはオーケーではない」になります。
clear up は「きれいにする、片づける、整頓する」、または「明白にする」「(問題・疑問)を解く、解決する」という意味もあります。
何かごちゃごちゃしていたものを、すっかりクリアーにする、というようなニュアンスになるでしょうね。
LAAD では、
clear up (phrasal verb) :
clear something up / clear up something : to explain something or make it easier to understand
つまり、「何かを説明する、または、それがよりわかりやすいようにする」。
今回のチャンドラーのセリフ、I'm so glad we cleared that up. は、俺たち、つまりモニカと俺(チャンドラー)が、clear up 「した」(過去形)ことを、俺はとても嬉しく思っている、という意味ですよね。
これは恐らく、モニカが言った「男は flirt してもよいが、女はダメ」ということが、まさに俺が言いたかったことだよ、それをはっきりと文章にして「明白にしてくれて」ありがとう、君と僕との間でそのことがはっきりして、明白になって良かったよ、と言っている感覚だと思います。
モニカは「あなたはこう言いたいわけ?」と言って、その言葉を言っているわけですから、モニカ自身はその内容が納得できないわけですよね。
男はいいけど、女はダメって、そんなの筋が通らないわ、という気持ちでしょう。
モニカがそう言いたいことはチャンドラーにもわかっているので、「今モニカがそのことをはっきりさせてくれて良かった。(不公平だと思ってる)モニカには悪いけど、男と女じゃ違うんだよ」という流れになっているのでしょう。
男と女について教えてよ、と言うモニカに、チャンドラーは「これまですでにたくさん教えてきたけど」と現在完了形を使って答えています。
already が2回登場していますが、これはタイポではなく、実際の音声でも2回 already と言っています。
元々の脚本にもそう書いてあったのかどうかはわかりませんが、already を2度も使ったチャンドラーの気持ちとしては、「聞かせて、って言うけど、”もうすでに、とっくの昔に”そのことについては教えただろ?」と言いたいわけでしょう。
男女の違いはすでに教えた、というのは何とも漠然とした表現ですが、二人はもう10ヶ月も付き合っていて、深い関係にもなっているので、身体や心の違いなど、男と女はこうも違う、ということは、もういやというほどわかってるんじゃないのか?みたいなことが言いたいのだと思います。
but whatever は、「もうたくさん男女の違いを教えてきたはずだと思うけど、とりあえず今はそんなことはどうでもいいや」みたいな感じ。
男女の違いを語り出したら長くなるからと思ったチャンドラーは、whatever と言って今まで教えてきたことは切り上げ、今は flirt の件だけ説明しようと思い、その後、男女の受け止め方の違いを語っています。
女性のモニカは「ただのお遊びで大したことじゃない」と思うだろうけど、相手の男は違うぞ、相手はモニカがちょっかいかけてきたのを見て、「この女は、俺とエッチしたがってる」と思うもんだ、みたいなことをチャンドラーは言っています。
No way! は、「まさか!」や「絶対にいやだ!」などの意味がありますが、この場合はそのチャンドラーの説明が信じられないというニュアンスの「まさか!」ですね。
この No way! It's true. Well, that's pathetic. Again, true. というテンポの良いやり取りには笑ってしまいます。特に、Again, true. には吹き出してしまいました。
つまり、「まさか!」「本当だ」「それって哀れ・みじめね」「それも本当だ」みたいなことですね。
モニカとしては、面白半分にちょっかいかけたくらいでそこまで考える男性の気持ちが信じられず、さらにはそれを pathetic とまで言っています。
女性の方にはそんなつもりがないのに、男性が勝手にそこまで考えてしまうことを「哀れ、みじめ」だと言っているのですね。
チャンドラーはその発言を怒ることなく「それが哀れなのも事実だ」と認めているわけで、「え?反論しないの?」という面白さもあります。
女の子がちょっと自分にかまってきたら、「この子は俺に気がある? この子を落とせるかも? エッチできちゃうかも?」と思ってしまう、女性はそれをみじめだと言うかもしれないけど、それが男ってもんだよ、男の悲しい性(さが)なんだよ、みたいな感じでしょう。
go for は「適用される、当てはまる」のような感覚。
世の男性はみんなそうなわけ?というモニカの疑問ですね。
それに対して、「世の中の男は全部そうだ」と答えるのなら、まぁ、ありがちな返事になるわけですが、答えを何かひねらずにはいられないチャンドラーは、「起きてる、目を覚ましてる男はみんなそうだ」と言っています。
寝てる時は意識がないから、そこまで考えないかもしれないけど、少なくとも起きて意識のある間は、男はみんなそう考えるもんさ、ということです。
そして、その「起きている」と「寝ている」の区分けの話はまだ続き、「その起きてた男たちが眠ると、今度は世界の反対側の男が目を覚まし、同じように行動する」とも言っていますね。
世界中の男性を、昼側と夜側の2つに分けて語っているのが何とも大袈裟ですが、起きてる時の男性の思考は全部そうさ、男はみんなそういうものだよ、と言いたいわけですね。
それを説明するのに、「そういう考えの男たちが眠りについていなくなったと思ったら、また同じ考えを持った男が起き出してくる」みたいな表現を使っているのが、チャンドラーらしいなと思いました。
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2011年04月15日
メニューに載ってる番号じゃなくて フレンズ5-19その3
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ピザの配達ガール、ケイトリンをナンパしようとして失敗し、チャンドラーに助けられてしまったロスは、「チャンドラーはケイトリンにちょっかいかけてた」とモニカにバラします。
それを知っても全く動じないモニカにほっとしたチャンドラーでしたが、モニカが「私も男性といつもそういうことをしてるもの」と言ったので、今度は逆にチャンドラーが、そのことでモニカに詰め寄ることになってしまいます。
モニカ: Chandler, this actually bothers you? (チャンドラー、このこと[私が他の男性と面白半分にいちゃついたりすること]が実際にあなたを悩ませるわけ?)
チャンドラー: Yes, it does bother me! And I think it would bother a lot of people. Rachel, when you were going out with Ross, did it bother you when he flirted with other women? (そうだね、まさに俺を悩ませるね! それに(俺だけじゃなくて)多くの人を悩ませると思うよ。レイチェル、君がロスと付き合っていた時、ロスが他の女性といちゃついてたら、嫌な気持ちがしただろ?)
レイチェル: Uhh, no, no, it bothered me when he slept with other women. (あー、いえいえ(そんなことでは嫌な気持ちにならなかったわ)。私を悩ませたのは、ロスが他の女と寝た時ね。)
ロス: And thank you for that. ([皮肉っぽく] そんなこと言ってくれてありがとう。)
レイチェル: But y'know, I never really had anything to worry about. Ross was never very good at the flirting thing. (でも、ほら、私は何も心配することなかったわ。ロスはそういう「ナンパする」ってことがあんまり得意じゃなかったから。)
ロス: What? (Mumbles) What-what, what are talking about? It-it worked with you. (何だって? [ぶつぶつ言う] 何、何、何言ってるの? 君にはうまくいったじゃないか。)
レイチェル: Oh! Y'know what? You're right! We met, you flirted and then bam! Nine years later, you had me! (ああ! そうよね、あなたは正しいわ! 私たちは出会って、あなたが口説いて、それから、バン! 9年後に、あなたは私をモノにしたのよね!)
ロス: All right, all right. You-you-you know what I'm going to do? I am going to order another pizza and when Caitlin gets here, you-you-- I will show you how well I flirt. Yeah! I will, I will get her phone number! (To Chandler) And not the one on the menu! (いいよ、いいよ。僕が何をしようとしてるかわかる? 僕はもう1枚ピザを頼むつもりだよ。そして、ケイトリンがここに来たら、君は…。君に、僕がどれほど上手にナンパするかを見せてあげるよ。そうさ! 僕は彼女の電話番号をゲットするぞ! [チャンドラーに] それから、その番号はメニューに載ってるやつじゃないぞ!)
bother は「(人など)を悩ませる、嫌な思いをさせる」。
ですから、this bothers you? は、「このことがあなたを悩ませる?」、つまりは、「あなたはこのことで悩んで嫌な思いをする?」ということになります。
this は、モニカがその前に言っていた、「私も他の男性と、いちゃいちゃしたり面白半分に口説いたりする」ということを指します。
「そんなことくらいで悩んだりしないでしょ?」という気持ちがあるために、モニカは、actually 「本当に、実際に」という言葉を使っていて、それに対してチャンドラーも、does を使って強調して、it does bother me 「本当に嫌な思いがするよ」と答えています。
さらには、自分だけではなくて、自分の恋人がそんなことをしたら、多くの人が嫌な気持ちになるよ、という意味で、I think it would bother a lot of people. とも言っていますね。
そして、他の人の意見を聞くために、「レイチェルがロスと付き合ってる時、ロスが他の女とふざけあってたら、嫌な気持ちがしなかった?」みたいに尋ねています。
ここで改めて、今回のエピソードのキーワードとなっている、flirt という単語について見てみます。
flirt は「(異性と)ふざける、もてあそぶ、いちゃつく、面白半分に口説く、ナンパする」というような意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
flirt [verb] [intransitive] : to behave toward and talk to someone as though you are sexually attracted to them, but not in a very serious way.
例) We flirted a little but that's all.
with
例) The waitress was flirting with a customer.
つまり、「まるで性的な魅力を感じているかのように、しかし、それほど真剣な様子ではなく、誰かに向かって行動する、または誰かと話すこと」。
例文は、「俺たちは(面白半分に)いちゃついてたけど、それだけだ。」
flirt with の形の例文は、「そのウェイトレスは客の一人とふざけ合っていた。」
つまり、「相手が異性であることを意識して、まるで恋愛感情を持っているかのように、いちゃついたりふざけあったりする、でも、あくまでも面白半分にやっていることで、真剣ではない」というニュアンスですね。
恋人じゃないのに、男女間でふざけ合い、思わせぶりなことを言ってからかったりするような感じです。
「ロスが他の女と flirt したら、いやだったろ?」と聞かれたレイチェルは、「そうね、いやだったわね」と普通なら答えそうなところを、no, no. と否定して、「ロスが flirt しても、別に嫌な気持ちはしなかった」と答えています。
が、その後、it bothered me when... と続けて、「私がいやだったのはこの時よ」と言いながら、flirt 「いちゃつく」じゃなくて、slept 「(他の女と)寝た」時の話をしています。
ロスとレイチェルが別れる原因となった、コピー屋の女の子クロエと寝た話を皮肉っぽく持ち出しているわけです。
レイチェルは、be good at 「…が得意である」という表現を使って、「私は心配することなんかなかった。ロスはそういう「ナンパ」的なことは得意じゃないから」と言っています。
それを聞いて、ロスは、「は? 何だって?」という感じで、耳に手を当て、「今の君の発言、よく聞こえなかったんだけど」みたいな顔をしています。
It worked with you. は、「君とのことでは、うまくいった、うまく機能した、ききめがあった」みたいなニュアンス。
僕が flirt が苦手みたいに君は言うけど、実際、君は僕の恋人だったわけだから、僕の口説きに落ちたってことだろ?と言いたいのですね。
それを聞いて、レイチェルは大袈裟に、「あなたは正しいわ!」と言いながら、二人が出会い、付き合うことになった様子を説明しています。
We met, you flirted and then bam! Nine years later, you had me! について。
bam! は、大きな音のイメージ。「ドーン、ババーン、ジャーン」みたいな感覚でしょう。
「私たちは出会って、あなたが(私を)口説いて、そして、バーン!」みたいに言っているのは、「そしたら、ほら、ババーン!と結果はこういうことになったのよ」みたいな感覚なのかなぁ、と思います。
フレンズでは、これまでにも同様の bam が何度か登場しました。
フレンズ1-5 では、男性と女性の違いを話していて、女性のここがすごい!とロスが語っているセリフ。
ロス: Not that big a deal? It's amazing. Ok, you just reach in there, there's one little maneuver, and bam, a bra right out the sleeve. All right, as far as I'm concerned, there is nothing a guy can do that even comes close. Am I right? (そんなに大したことじゃないって? すごいことだよ。ほら、君ら女性は、そこに手を入れて、ちょっと巧みに操る。すると、バン! ブラが袖から出てくるんだ。僕の知る限りは、男性のできることで、それと似たようなものはないよ。僕は正しいだろ?)
フレンズ1-11 では、ベストセラー作家である、チャンドラーのママ、ノーラ・ビングに「私も作家になりたいんです」とレイチェルが言うと、
ミセス・ビング(チャンドラーのママ): Oh, please, honey. Listen, if I can do it, anybody can. You just start with half a dozen European cities, throw in 30 euphemisms for male genitalia, and bam! You have got yourself a book! (まぁ、ハニー。ねぇ、もし私ができるなら、誰にだってできるわ。ヨーロッパの6つの都市から始めて、男性器の婉曲表現を30個放り込めば、バン! あなたにも本ができちゃうわよ!)
なかなか、この bam の感覚を日本語で説明するのは難しいのですが、今回のセリフを含めて、3つのセリフを並べてみると、何となくイメージがわかっていただけるかな、と思います。
you had me は「あなたは私を持った」、つまり、まさに日本語の「あなたは私をモノにした」という感覚ですね。
あなたの言う通り、あなたが私をナンパして、私はあなたのものになったのよ、ただし、それは9年も経った後だったけどね!という皮肉ですね。
ロスは学生の頃からずっとレイチェルに片想いしていたのですが、「ロスなりに口説いたりしてたつもりでしょうけど、私がそれに心を動かされたのはずっとずっと後のことよ」と、やはりロスはナンパが上手くない、ということを言いたいのです。
ナンパが下手で、私を口説き落とすのに9年もかかったくせに、と言われたロスは、そんなに言うなら見てろよ! とばかり、電話でピザを頼んで、ケイトリンをここに呼び寄せ、そこで、自分のナンパがどれほどうまいか(how well)を見せようとします。
I will get her phone number! And not the one on the menu! について。
「彼女の電話番号をゲットするぞ!」と言った後、小声でチャンドラーに、And not the one on the menu! と付け足しています。
これは、文の要素をくどいくらいに付け加えると、And the phone number I'm going to get is not the phone number on the menu! ということになるでしょうか。
つまり、「僕がこれからゲットしようとしている電話番号は、(ピザの)メニューに載っている電話番号じゃないんだぞ」みたいなことが言いたいのだろうと思います。
今、ちょうど、ロスは電話をかけてピザを注文しているわけですが、そういう出前のメニューにはピザ屋さんの番号が載っていますよね。
それは彼女の職場の番号でもあり、そこにかければ彼女に繋がるということで、her phone number だとも言えるかもしれないけど、僕がゲットするって言ってるのは、そんな店や仕事の番号じゃなくて、彼女のプライベートな自宅の番号だからな!と宣言している感じだと思いました。
ピザ屋の店員と客、という関係を超えて、男女として電話番号を教えてもらうからな、と言っているわけでしょう。
ピザは電話で注文するものなので、電話番号はすでに知っている、だから、「電話番号って言っても、メニューに載ってる番号じゃないぞ」というセリフを言うことで、ピザ屋さん勤務の女の子を口説こうとしている話ならではのジョークになっている、ということですね。
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ピザの配達ガール、ケイトリンをナンパしようとして失敗し、チャンドラーに助けられてしまったロスは、「チャンドラーはケイトリンにちょっかいかけてた」とモニカにバラします。
それを知っても全く動じないモニカにほっとしたチャンドラーでしたが、モニカが「私も男性といつもそういうことをしてるもの」と言ったので、今度は逆にチャンドラーが、そのことでモニカに詰め寄ることになってしまいます。
モニカ: Chandler, this actually bothers you? (チャンドラー、このこと[私が他の男性と面白半分にいちゃついたりすること]が実際にあなたを悩ませるわけ?)
チャンドラー: Yes, it does bother me! And I think it would bother a lot of people. Rachel, when you were going out with Ross, did it bother you when he flirted with other women? (そうだね、まさに俺を悩ませるね! それに(俺だけじゃなくて)多くの人を悩ませると思うよ。レイチェル、君がロスと付き合っていた時、ロスが他の女性といちゃついてたら、嫌な気持ちがしただろ?)
レイチェル: Uhh, no, no, it bothered me when he slept with other women. (あー、いえいえ(そんなことでは嫌な気持ちにならなかったわ)。私を悩ませたのは、ロスが他の女と寝た時ね。)
ロス: And thank you for that. ([皮肉っぽく] そんなこと言ってくれてありがとう。)
レイチェル: But y'know, I never really had anything to worry about. Ross was never very good at the flirting thing. (でも、ほら、私は何も心配することなかったわ。ロスはそういう「ナンパする」ってことがあんまり得意じゃなかったから。)
ロス: What? (Mumbles) What-what, what are talking about? It-it worked with you. (何だって? [ぶつぶつ言う] 何、何、何言ってるの? 君にはうまくいったじゃないか。)
レイチェル: Oh! Y'know what? You're right! We met, you flirted and then bam! Nine years later, you had me! (ああ! そうよね、あなたは正しいわ! 私たちは出会って、あなたが口説いて、それから、バン! 9年後に、あなたは私をモノにしたのよね!)
ロス: All right, all right. You-you-you know what I'm going to do? I am going to order another pizza and when Caitlin gets here, you-you-- I will show you how well I flirt. Yeah! I will, I will get her phone number! (To Chandler) And not the one on the menu! (いいよ、いいよ。僕が何をしようとしてるかわかる? 僕はもう1枚ピザを頼むつもりだよ。そして、ケイトリンがここに来たら、君は…。君に、僕がどれほど上手にナンパするかを見せてあげるよ。そうさ! 僕は彼女の電話番号をゲットするぞ! [チャンドラーに] それから、その番号はメニューに載ってるやつじゃないぞ!)
bother は「(人など)を悩ませる、嫌な思いをさせる」。
ですから、this bothers you? は、「このことがあなたを悩ませる?」、つまりは、「あなたはこのことで悩んで嫌な思いをする?」ということになります。
this は、モニカがその前に言っていた、「私も他の男性と、いちゃいちゃしたり面白半分に口説いたりする」ということを指します。
「そんなことくらいで悩んだりしないでしょ?」という気持ちがあるために、モニカは、actually 「本当に、実際に」という言葉を使っていて、それに対してチャンドラーも、does を使って強調して、it does bother me 「本当に嫌な思いがするよ」と答えています。
さらには、自分だけではなくて、自分の恋人がそんなことをしたら、多くの人が嫌な気持ちになるよ、という意味で、I think it would bother a lot of people. とも言っていますね。
そして、他の人の意見を聞くために、「レイチェルがロスと付き合ってる時、ロスが他の女とふざけあってたら、嫌な気持ちがしなかった?」みたいに尋ねています。
ここで改めて、今回のエピソードのキーワードとなっている、flirt という単語について見てみます。
flirt は「(異性と)ふざける、もてあそぶ、いちゃつく、面白半分に口説く、ナンパする」というような意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
flirt [verb] [intransitive] : to behave toward and talk to someone as though you are sexually attracted to them, but not in a very serious way.
例) We flirted a little but that's all.
with
例) The waitress was flirting with a customer.
つまり、「まるで性的な魅力を感じているかのように、しかし、それほど真剣な様子ではなく、誰かに向かって行動する、または誰かと話すこと」。
例文は、「俺たちは(面白半分に)いちゃついてたけど、それだけだ。」
flirt with の形の例文は、「そのウェイトレスは客の一人とふざけ合っていた。」
つまり、「相手が異性であることを意識して、まるで恋愛感情を持っているかのように、いちゃついたりふざけあったりする、でも、あくまでも面白半分にやっていることで、真剣ではない」というニュアンスですね。
恋人じゃないのに、男女間でふざけ合い、思わせぶりなことを言ってからかったりするような感じです。
「ロスが他の女と flirt したら、いやだったろ?」と聞かれたレイチェルは、「そうね、いやだったわね」と普通なら答えそうなところを、no, no. と否定して、「ロスが flirt しても、別に嫌な気持ちはしなかった」と答えています。
が、その後、it bothered me when... と続けて、「私がいやだったのはこの時よ」と言いながら、flirt 「いちゃつく」じゃなくて、slept 「(他の女と)寝た」時の話をしています。
ロスとレイチェルが別れる原因となった、コピー屋の女の子クロエと寝た話を皮肉っぽく持ち出しているわけです。
レイチェルは、be good at 「…が得意である」という表現を使って、「私は心配することなんかなかった。ロスはそういう「ナンパ」的なことは得意じゃないから」と言っています。
それを聞いて、ロスは、「は? 何だって?」という感じで、耳に手を当て、「今の君の発言、よく聞こえなかったんだけど」みたいな顔をしています。
It worked with you. は、「君とのことでは、うまくいった、うまく機能した、ききめがあった」みたいなニュアンス。
僕が flirt が苦手みたいに君は言うけど、実際、君は僕の恋人だったわけだから、僕の口説きに落ちたってことだろ?と言いたいのですね。
それを聞いて、レイチェルは大袈裟に、「あなたは正しいわ!」と言いながら、二人が出会い、付き合うことになった様子を説明しています。
We met, you flirted and then bam! Nine years later, you had me! について。
bam! は、大きな音のイメージ。「ドーン、ババーン、ジャーン」みたいな感覚でしょう。
「私たちは出会って、あなたが(私を)口説いて、そして、バーン!」みたいに言っているのは、「そしたら、ほら、ババーン!と結果はこういうことになったのよ」みたいな感覚なのかなぁ、と思います。
フレンズでは、これまでにも同様の bam が何度か登場しました。
フレンズ1-5 では、男性と女性の違いを話していて、女性のここがすごい!とロスが語っているセリフ。
ロス: Not that big a deal? It's amazing. Ok, you just reach in there, there's one little maneuver, and bam, a bra right out the sleeve. All right, as far as I'm concerned, there is nothing a guy can do that even comes close. Am I right? (そんなに大したことじゃないって? すごいことだよ。ほら、君ら女性は、そこに手を入れて、ちょっと巧みに操る。すると、バン! ブラが袖から出てくるんだ。僕の知る限りは、男性のできることで、それと似たようなものはないよ。僕は正しいだろ?)
フレンズ1-11 では、ベストセラー作家である、チャンドラーのママ、ノーラ・ビングに「私も作家になりたいんです」とレイチェルが言うと、
ミセス・ビング(チャンドラーのママ): Oh, please, honey. Listen, if I can do it, anybody can. You just start with half a dozen European cities, throw in 30 euphemisms for male genitalia, and bam! You have got yourself a book! (まぁ、ハニー。ねぇ、もし私ができるなら、誰にだってできるわ。ヨーロッパの6つの都市から始めて、男性器の婉曲表現を30個放り込めば、バン! あなたにも本ができちゃうわよ!)
なかなか、この bam の感覚を日本語で説明するのは難しいのですが、今回のセリフを含めて、3つのセリフを並べてみると、何となくイメージがわかっていただけるかな、と思います。
you had me は「あなたは私を持った」、つまり、まさに日本語の「あなたは私をモノにした」という感覚ですね。
あなたの言う通り、あなたが私をナンパして、私はあなたのものになったのよ、ただし、それは9年も経った後だったけどね!という皮肉ですね。
ロスは学生の頃からずっとレイチェルに片想いしていたのですが、「ロスなりに口説いたりしてたつもりでしょうけど、私がそれに心を動かされたのはずっとずっと後のことよ」と、やはりロスはナンパが上手くない、ということを言いたいのです。
ナンパが下手で、私を口説き落とすのに9年もかかったくせに、と言われたロスは、そんなに言うなら見てろよ! とばかり、電話でピザを頼んで、ケイトリンをここに呼び寄せ、そこで、自分のナンパがどれほどうまいか(how well)を見せようとします。
I will get her phone number! And not the one on the menu! について。
「彼女の電話番号をゲットするぞ!」と言った後、小声でチャンドラーに、And not the one on the menu! と付け足しています。
これは、文の要素をくどいくらいに付け加えると、And the phone number I'm going to get is not the phone number on the menu! ということになるでしょうか。
つまり、「僕がこれからゲットしようとしている電話番号は、(ピザの)メニューに載っている電話番号じゃないんだぞ」みたいなことが言いたいのだろうと思います。
今、ちょうど、ロスは電話をかけてピザを注文しているわけですが、そういう出前のメニューにはピザ屋さんの番号が載っていますよね。
それは彼女の職場の番号でもあり、そこにかければ彼女に繋がるということで、her phone number だとも言えるかもしれないけど、僕がゲットするって言ってるのは、そんな店や仕事の番号じゃなくて、彼女のプライベートな自宅の番号だからな!と宣言している感じだと思いました。
ピザ屋の店員と客、という関係を超えて、男女として電話番号を教えてもらうからな、と言っているわけでしょう。
ピザは電話で注文するものなので、電話番号はすでに知っている、だから、「電話番号って言っても、メニューに載ってる番号じゃないぞ」というセリフを言うことで、ピザ屋さん勤務の女の子を口説こうとしている話ならではのジョークになっている、ということですね。
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2011年04月14日
英語を話せます、話します フレンズ5-19その2
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モニカ: (entering from the bathroom) Hey! Happy Anniversary! ([バスルームからリビングに入って(戻って)きて] はーい! 記念日おめでとう!)
チャンドラー: Happy Anniversary, 10 months! (They kiss.) (記念日おめでとう、10ヵ月だね! [二人はキスする])
モニカ: So umm, when I was in the shower I was thinking about our first night in London.... (それで、あの、シャワーを浴びてる時、ロンドンでの私たちの最初の夜のことを考えてたの…)
チャンドラー: Uhh, Joey's grandmother's right there. (Points) (あぁ、ジョーイのおばあちゃんが、すぐそこにいるんだ。[指さす])
モニカ: Is that the one who speaks English or the one that doesn't? (あのおばあちゃんは、英語を話す方(ほう)? それとも話さない方?)
チャンドラー: The one who doesn't. (話さない方だ。)
モニカ: That was some hot love you gave me! I'm gonna go get ready. (あれは、あなたがくれた、すっごくホットな愛だったわ! 私は(出かける)準備しに行くわね。)
チャンドラー: Hey, why don't you wear those earrings I got you? (ねぇ、俺が君にあげたあのイヤリングをしたらどう?)
モニカ: Oh, that's a great idea. I was saving them for something special. (あぁ、それは素敵な考えね。あのイヤリングは特別なことのためにとっておいたのよ。)
チャンドラー: Okay. (オッケー。)
モニカ: (runs over to Phoebe) You've got to go home! ([フィービーのところに走って行って] あなたは家に帰らないといけないわ!)
フィービー: But I like it here! (でも、私はここが好きなの!)
モニカ: You gotta go home and get the earrings that you borrowed from me, okay? Chandler wants me to wear them tonight. (あなたは家に帰って、あなたが私から借りたイヤリングを持ってこないといけないのよ、いい? チャンドラーは、今夜、私にそれをつけて欲しいと思ってるのよ。)
フィービー: Okay, well, I think they're in my purse. Why don't you go get dressed and I'll look for them. (いいわ。えーっと、私のバッグに入ってると思うから。モニカは着替えに行ったら? 私はイヤリングを探すから。)
モニカ: Great! (わかったわ。)
フィービー: Okay! (Walks over to Rachel) Rach, hi, I need those earrings you borrowed. (オッケー。[レイチェルのところに歩いて行って] レイチェル、はーい。あなたが借りたあのイヤリングが必要なの。)
レイチェル: Oh, umm, okay, yeah, I'll be, yeah I'll be right back. (Goes to her room.) (あぁ、うーんと、オッケー。いいわ。そうよ、すぐに戻るわ。[自分の部屋に行く])
交際10ヵ月の記念日ということで、お互い、Happy Anniversary! と言い合っている二人。
モニカのセリフから、バスルームから出てきたのはシャワーを浴びていたからだ、ということもわかります。
ロンドンでの最初の夜を思い出してた…と言いかけるモニカですが、チャンドラーはすぐそばにジョーイのおばあちゃんがいることを知らせます。
Is that the one who speaks English or the one that doesn't? を直訳すると、「あの人[そこに座っているおばあちゃん]は、英語を話す人? それとも英語を話さない人?」ということで、その質問に対して、「英語を話さない人だ」とチャンドラーは答えています。
ジョーイには父方、母方のおばあちゃんが2人いて、片方は英語を話し、もう片方は話さない、だから、今回来ているのはどっちの方?と尋ねていることになります。
過去記事、フレンズ3-11その35 に登場していたジョーイのおばあちゃんは、英語を話していました。
その 3-11 のおばあちゃんが、The one who speaks English. 「英語を話す人、英語を話すほうのおばあちゃん」だということですね。
ジョーイはイタリア系なので、どちらかのおばあちゃんはイタリア語しか話せない、という設定のようです。(…というか、「英語がわからないおばあちゃん」という設定にすることによって、コメディーの脚本が書きやすい、という脚本家の都合と言いますか…笑)
ちなみに日本語だと、「英語を話せる、しゃべれる人?」みたいに「話すことができる」的な可能のニュアンスで表現するかもしれませんが、今回のセリフでは、who can/can't speak English のように can は使われていませんね。
この文脈では、「話せるかどうか」という個人の能力が話題になっているのではなく、その人が普段、どんな言葉を話しているか、という「習慣」の話なので「現在形」が使われている、と考えればよいでしょう。
医療ドラマ「ER」の 1-3 で、患者として来ていた中国系の女性について説明する時に、
Doesn't speak English, but her son does. (彼女は英語を話しませんが、彼女の息子は英語を話します。)
というセリフがありました。
中国からの移民で英語が話せない、という設定なわけですが、やはりこういう場合でも、can ではなく、現在形を用いる、ということがこのセリフからもわかります。
ですから、誰かに「英語が話せるかどうか?」を尋ねたい場合でも、Can you speak English? ではなく、Do you speak English? と尋ねる方が適切だという気がします。
can を使ってしまうと、「あなたには英語を話す”能力”があるのかどうか」を尋ねている感じがして、失礼なのではないかと思うのです。
「できるか、できないか」という、まさに「相手の能力を問う」場合は別にして、「英語を話すか話さないか」を問うのであれば、現在形になる、という理解で良いでしょう。
日本語で言うと、「あなたは英語を話せますか?」と言うよりも、「あなたは英語を話しますか?」と尋ねる方が失礼ではない、というのと似た感覚だと思います。
英語を話さないほうのおばあちゃん、だと聞いて、モニカは、ロンドンの夜の話を続けます。
もし英語がわかる人なら、相手は高齢でもあるので、「人前でそんな話をして、はしたない」みたいに言われる可能性もあったけれど、英語がわからない人なら大丈夫と判断したからですね。
That was some hot love you gave me! を直訳すると、「あれ(ロンドンでの夜のことを指す)は、あなたが私にくれた、素晴らしい、ホットラブだったわ」みたいになるでしょうか。
hot は「熱い」「ホットな」、または「セクシーな」「興奮させる、みだらな」という性的なニュアンスもあります。
some は「たいした、なかなかの、素晴らしい」みたいな感覚ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
some [determiner] :
4. (spoken, informal) very good, bad, impressive, or extreme
例) That was some party last night!
つまり、「(限定詞。口語、インフォーマル) とても良い、とても悪い、印象的、または極端な」。
例文は、「昨夜はなかなかのパーティーだったね!」
構造通りに直訳すると、あまりピンと来ませんが、要は、「あなたがあの時くれた、情熱的な愛は、かなりのものだったわよ、すごく素敵だったわよ」みたいに言っていることになるでしょう。
チャンドラーは、why don't you...? を使って、「俺がプレゼントしたイヤリングをつけたらどう?」と提案します。
save A for B は「A を B のためにとっておく」。
チャンドラーが去った後、モニカは慌ててフィービーのところに行き、You've got to go home! と言います。You have to go home! ということで、「あなたは家に帰らないといけない、すぐに家に帰って」という感覚ですね。
それに対してのフィービーの返事、But I like it here! がフィービーらしくズレた感じで面白いです。
普通は、いきなり、「あなたは家に帰らないといけない」みたいに言われると、What? Why? 「何ですって? どうして?」みたいに返す人が多いでしょうか。
フィービーは「帰って」と言われて、理由も尋ねずに、「帰りたくないわ、だって私はここが好きなんだもん」と主張しているわけで、その受け答えが何だかトンチンカンな感じですね。
モニカが理由を説明せずいきなり「帰って」と言っているのは、すぐ後のセリフでわかりますが、自分が今すぐ必要なイヤリングをフィービーが借りたままで返してくれてない、そのことに対する苛立ちと怒りで、最初にガツンとそう言っている、という感覚だと思います。
普通はそう怒鳴ると、「どうして?」と相手が返してくるので、「だって、あなたが私の大事なイヤリングをずっと借りたままで返してくれないからよ! 早く帰って取ってきてよ!」と、理由を述べつつ、自分が怒っていることも示せる、という流れになりますよね。
明らかにモニカは怒った調子で「帰って」と言っているのに、「だって私はここが好きだから」と答えるボケた感じが、いかにもフィービーらしいなと思えます。
モニカが想定した返事がフィービーから返ってこなかったので、モニカは、You gotta go home and get... のように、また you gotta go home を繰り返した後、私から借りたイヤリングを取ってきて、と言います。
自分のバッグに入ってると思う、と言ったフィービーでしたが、モニカを着替えに行かせた後、すぐにレイチェルのところに飛んできて、「イヤリング返して」というのも楽しいですね。
「フィービーはそのイヤリングをさらにレイチェルに貸してたのか!」とわかる面白さです。
ところで、フィービーが言っていた、I like it here. について。
今、自分がいる場所が好きなの、というニュアンスで、日本語では「私はここが好き」といったりしますが、それを英語にすると、I like it here. のように、it が必要となります。
here は「ここに、ここで」という「副詞」ですから、「…が好き」という他動詞の目的語になり得ない、だから、仮の目的語として、it が必要となってくる、という感覚だと思います。
it は「状況」を指すと考えたら良いでしょうか。
あえて直訳すると、「私はここにいるという状況が好き」みたいになるかなぁ、と。
it という短い単語なので、それほど目くじらを立てることでもないかもしれませんが、多分、ネイティブはこの it が抜けていると、何だか落ち着かない感じがするだろうと思います。
どうしてこの it が必要か?の問いには、「like は他動詞で目的語が必要、here は副詞だから目的語にならない」と説明することになりますが、そういう感覚を知るために「文法知識」が必要になってくるのですね。
私が、I like it here. というフレーズを初めて聞いたのは、多分、「アリー my Love」だったと思います。
ここに it が入るんだぁ、というのに気づいて、「へぇ、そうかぁ〜」と妙に感心したことを覚えています。
その it に気づいたことは、私にとっては、難しい法廷用語の単語を知ることよりも、ずっと意味があることだったと思っていますし、これが「英語の感覚を掴む」ということなんだな、と言える気がします。
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モニカ: So umm, when I was in the shower I was thinking about our first night in London.... (それで、あの、シャワーを浴びてる時、ロンドンでの私たちの最初の夜のことを考えてたの…)
チャンドラー: Uhh, Joey's grandmother's right there. (Points) (あぁ、ジョーイのおばあちゃんが、すぐそこにいるんだ。[指さす])
モニカ: Is that the one who speaks English or the one that doesn't? (あのおばあちゃんは、英語を話す方(ほう)? それとも話さない方?)
チャンドラー: The one who doesn't. (話さない方だ。)
モニカ: That was some hot love you gave me! I'm gonna go get ready. (あれは、あなたがくれた、すっごくホットな愛だったわ! 私は(出かける)準備しに行くわね。)
チャンドラー: Hey, why don't you wear those earrings I got you? (ねぇ、俺が君にあげたあのイヤリングをしたらどう?)
モニカ: Oh, that's a great idea. I was saving them for something special. (あぁ、それは素敵な考えね。あのイヤリングは特別なことのためにとっておいたのよ。)
チャンドラー: Okay. (オッケー。)
モニカ: (runs over to Phoebe) You've got to go home! ([フィービーのところに走って行って] あなたは家に帰らないといけないわ!)
フィービー: But I like it here! (でも、私はここが好きなの!)
モニカ: You gotta go home and get the earrings that you borrowed from me, okay? Chandler wants me to wear them tonight. (あなたは家に帰って、あなたが私から借りたイヤリングを持ってこないといけないのよ、いい? チャンドラーは、今夜、私にそれをつけて欲しいと思ってるのよ。)
フィービー: Okay, well, I think they're in my purse. Why don't you go get dressed and I'll look for them. (いいわ。えーっと、私のバッグに入ってると思うから。モニカは着替えに行ったら? 私はイヤリングを探すから。)
モニカ: Great! (わかったわ。)
フィービー: Okay! (Walks over to Rachel) Rach, hi, I need those earrings you borrowed. (オッケー。[レイチェルのところに歩いて行って] レイチェル、はーい。あなたが借りたあのイヤリングが必要なの。)
レイチェル: Oh, umm, okay, yeah, I'll be, yeah I'll be right back. (Goes to her room.) (あぁ、うーんと、オッケー。いいわ。そうよ、すぐに戻るわ。[自分の部屋に行く])
交際10ヵ月の記念日ということで、お互い、Happy Anniversary! と言い合っている二人。
モニカのセリフから、バスルームから出てきたのはシャワーを浴びていたからだ、ということもわかります。
ロンドンでの最初の夜を思い出してた…と言いかけるモニカですが、チャンドラーはすぐそばにジョーイのおばあちゃんがいることを知らせます。
Is that the one who speaks English or the one that doesn't? を直訳すると、「あの人[そこに座っているおばあちゃん]は、英語を話す人? それとも英語を話さない人?」ということで、その質問に対して、「英語を話さない人だ」とチャンドラーは答えています。
ジョーイには父方、母方のおばあちゃんが2人いて、片方は英語を話し、もう片方は話さない、だから、今回来ているのはどっちの方?と尋ねていることになります。
過去記事、フレンズ3-11その35 に登場していたジョーイのおばあちゃんは、英語を話していました。
その 3-11 のおばあちゃんが、The one who speaks English. 「英語を話す人、英語を話すほうのおばあちゃん」だということですね。
ジョーイはイタリア系なので、どちらかのおばあちゃんはイタリア語しか話せない、という設定のようです。(…というか、「英語がわからないおばあちゃん」という設定にすることによって、コメディーの脚本が書きやすい、という脚本家の都合と言いますか…笑)
ちなみに日本語だと、「英語を話せる、しゃべれる人?」みたいに「話すことができる」的な可能のニュアンスで表現するかもしれませんが、今回のセリフでは、who can/can't speak English のように can は使われていませんね。
この文脈では、「話せるかどうか」という個人の能力が話題になっているのではなく、その人が普段、どんな言葉を話しているか、という「習慣」の話なので「現在形」が使われている、と考えればよいでしょう。
医療ドラマ「ER」の 1-3 で、患者として来ていた中国系の女性について説明する時に、
Doesn't speak English, but her son does. (彼女は英語を話しませんが、彼女の息子は英語を話します。)
というセリフがありました。
中国からの移民で英語が話せない、という設定なわけですが、やはりこういう場合でも、can ではなく、現在形を用いる、ということがこのセリフからもわかります。
ですから、誰かに「英語が話せるかどうか?」を尋ねたい場合でも、Can you speak English? ではなく、Do you speak English? と尋ねる方が適切だという気がします。
can を使ってしまうと、「あなたには英語を話す”能力”があるのかどうか」を尋ねている感じがして、失礼なのではないかと思うのです。
「できるか、できないか」という、まさに「相手の能力を問う」場合は別にして、「英語を話すか話さないか」を問うのであれば、現在形になる、という理解で良いでしょう。
日本語で言うと、「あなたは英語を話せますか?」と言うよりも、「あなたは英語を話しますか?」と尋ねる方が失礼ではない、というのと似た感覚だと思います。
英語を話さないほうのおばあちゃん、だと聞いて、モニカは、ロンドンの夜の話を続けます。
もし英語がわかる人なら、相手は高齢でもあるので、「人前でそんな話をして、はしたない」みたいに言われる可能性もあったけれど、英語がわからない人なら大丈夫と判断したからですね。
That was some hot love you gave me! を直訳すると、「あれ(ロンドンでの夜のことを指す)は、あなたが私にくれた、素晴らしい、ホットラブだったわ」みたいになるでしょうか。
hot は「熱い」「ホットな」、または「セクシーな」「興奮させる、みだらな」という性的なニュアンスもあります。
some は「たいした、なかなかの、素晴らしい」みたいな感覚ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
some [determiner] :
4. (spoken, informal) very good, bad, impressive, or extreme
例) That was some party last night!
つまり、「(限定詞。口語、インフォーマル) とても良い、とても悪い、印象的、または極端な」。
例文は、「昨夜はなかなかのパーティーだったね!」
構造通りに直訳すると、あまりピンと来ませんが、要は、「あなたがあの時くれた、情熱的な愛は、かなりのものだったわよ、すごく素敵だったわよ」みたいに言っていることになるでしょう。
チャンドラーは、why don't you...? を使って、「俺がプレゼントしたイヤリングをつけたらどう?」と提案します。
save A for B は「A を B のためにとっておく」。
チャンドラーが去った後、モニカは慌ててフィービーのところに行き、You've got to go home! と言います。You have to go home! ということで、「あなたは家に帰らないといけない、すぐに家に帰って」という感覚ですね。
それに対してのフィービーの返事、But I like it here! がフィービーらしくズレた感じで面白いです。
普通は、いきなり、「あなたは家に帰らないといけない」みたいに言われると、What? Why? 「何ですって? どうして?」みたいに返す人が多いでしょうか。
フィービーは「帰って」と言われて、理由も尋ねずに、「帰りたくないわ、だって私はここが好きなんだもん」と主張しているわけで、その受け答えが何だかトンチンカンな感じですね。
モニカが理由を説明せずいきなり「帰って」と言っているのは、すぐ後のセリフでわかりますが、自分が今すぐ必要なイヤリングをフィービーが借りたままで返してくれてない、そのことに対する苛立ちと怒りで、最初にガツンとそう言っている、という感覚だと思います。
普通はそう怒鳴ると、「どうして?」と相手が返してくるので、「だって、あなたが私の大事なイヤリングをずっと借りたままで返してくれないからよ! 早く帰って取ってきてよ!」と、理由を述べつつ、自分が怒っていることも示せる、という流れになりますよね。
明らかにモニカは怒った調子で「帰って」と言っているのに、「だって私はここが好きだから」と答えるボケた感じが、いかにもフィービーらしいなと思えます。
モニカが想定した返事がフィービーから返ってこなかったので、モニカは、You gotta go home and get... のように、また you gotta go home を繰り返した後、私から借りたイヤリングを取ってきて、と言います。
自分のバッグに入ってると思う、と言ったフィービーでしたが、モニカを着替えに行かせた後、すぐにレイチェルのところに飛んできて、「イヤリング返して」というのも楽しいですね。
「フィービーはそのイヤリングをさらにレイチェルに貸してたのか!」とわかる面白さです。
ところで、フィービーが言っていた、I like it here. について。
今、自分がいる場所が好きなの、というニュアンスで、日本語では「私はここが好き」といったりしますが、それを英語にすると、I like it here. のように、it が必要となります。
here は「ここに、ここで」という「副詞」ですから、「…が好き」という他動詞の目的語になり得ない、だから、仮の目的語として、it が必要となってくる、という感覚だと思います。
it は「状況」を指すと考えたら良いでしょうか。
あえて直訳すると、「私はここにいるという状況が好き」みたいになるかなぁ、と。
it という短い単語なので、それほど目くじらを立てることでもないかもしれませんが、多分、ネイティブはこの it が抜けていると、何だか落ち着かない感じがするだろうと思います。
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2011年04月12日
卵が先かニワトリが先か? フレンズ5-19その1
昨日(4/11)から今朝にかけて、ブログ(LOVELOG)のメンテナンスのため、このブログが閲覧不可状態になっていました。わざわざお越し下さった方、ごめんなさい。
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シーズン5 第19話
The One Where Ross Can't Flirt (ロスのナンパ必勝テク)
原題は「ロスがナンパできない話」
チャンドラーとジョーイの部屋。今日はモニカとの交際10ヶ月の記念日なんだ、とチャンドラーはロスに嬉しそうに話しています。
(There's a knock on the door and Chandler answers it. It's the pizza delivery girl.)
ドアにノックがあり、チャンドラーはそれに応対する。ピザ配達の女の子である。
配達の女の子(Delivery Girl): Hi, Chandler! (はーい、チャンドラー!)
チャンドラー: Hey, Caitlin! Somebody got a haircut. (やあ、ケイトリン! 誰かさんは髪を切ったんだね。)
ケイトリン: Ugh, I hate it! I look like an eight-year-old boy. (あー、いやなのよ! 私、8歳の男の子みたいに見えるもの。)
チャンドラー: Yeah, if that was true, gym class would've been a lot more interesting. (そうだね、もしそれが本当なら、体育の授業はずっともっと面白かっただろうに。)
ケイトリン: It's uh, 27 dollars even. (ちょうど27ドルよ。)
チャンドラー: Oh, okay. (Hands her the money.) Here you go. (あぁ、オッケー。[ケイトリンにお金を渡す] どうぞ。)
(The duck starts quacking.)
(チャンドラーたちの部屋にいる)アヒルがクワックワッと鳴く。
ケイトリン: Hey, where's the chicken? (ねぇ、あのニワトリはどこ?)
チャンドラー: Oh, he's in the back. The duck pissed him off. He said that eggs came first. (あぁ、彼は奥にいるよ。そのアヒルがニワトリを怒らせたんだ。アヒルは、「卵が先だ」と言ったんでね。)
髪の毛の短い配達ガールを見て、チャンドラーは、Somebody got a haircut. と言っています。
もちろん、somebody というのは、目の前にいるケイトリンのことですが、You とは言わず、わざと somebody 「誰かさん」と言っているわけですね。
日本語でも、「おやぁ? 誰かさんは髪の毛切ったみたいだねぇ」と茶化す感じで言ったりしますので、その感覚は同じですね。
Ugh は、「あー」に濁点がついたみたいな音で、いらいらした時、いやな時に発する音。
チャンドラーが髪の毛のことに言及したので、「その髪型が、私は気に入らないのよね」と言っています。
短く切りすぎちゃって8歳の少年みたいに見えるもの、とも言っています。
それを聞いたチャンドラーは、もしそれが本当なら、つまり、「もし君が本当に8歳の少年なら」、体育の授業(gym class)は、もっとずっと楽しかっただろうにね、と返します。
8歳の時、一緒に授業を受けている同級生の男子が、今の君みたいな人だったら、もっとわくわくできて楽しかったのに、と言いたいわけです。
体育の授業だと、身体が接するチャンスも多いから…でしょうね。
君みたいな魅力的でセクシーな女性が同級生なら嬉しかったのに、と言って、ボーイッシュな髪型になっても、女性としての魅力は変わらないよ、と褒めているニュアンスになるでしょう。
アヒルが鳴いているのを見て、いつも一緒にいるニワトリがいないことに気づいたケイトリン。
チャンドラーは、ニワトリは奥にいる、アヒルがニワトリを怒らせたから、と言っています。
piss off は「(人)を怒らせる、うんざりさせる」という俗語ですね。
元々、piss は「小便(をする)」という卑語ですから、piss off という言葉もあまり上品とは言えないでしょう。
He said that eggs came first. について。
これは、Which came first, the chicken or the egg? 「ニワトリが先か、卵が先か?」という有名な命題を踏まえて言っているセリフですね。
どちらが最初にこの世に存在したか?という話で、ニワトリは卵から生まれるのだから卵が先? でも、その卵を産むのはニワトリだから…と考えていくと、どちらが先か決められなくなる、というものですね。
また、この命題から来た言葉で、
a chicken-and-egg problem/question/dilemma 「どちらとも決められない、因果関係のわからない問題/ジレンマ」
という言葉もあります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
Which came first, the chicken or the egg? : used to say that it is difficult or impossible to decide which of two things happened first, or which action is the cause and which is the effect
つまり、「2つのうちのどちらが先に起こったか、または、どちらの行動が原因で、どちらの行動が結果か、を決めるのが困難または不可能なことを言うために用いられる」。
内容はほぼ同じになりますが、a chicken and egg problem も以下のように説明されています。
a chicken and egg situation/problem/thing etc. : a situation in which it is impossible to decide which of two things happned first, or which action is the cause of the other
また、come first は、「先に来る」という意味から、「1番になる、1着になる」という意味もありますし、「何よりも優先である、一番大切である」という意味にもなります。
Profits come first. は「利益優先」という決まり文句ですね。
LAAD では、first の項目に、以下の意味と例文が載っていました。
first : 6. used to show what is most important to someone
例) Work always came first, and family came second.
つまり、「誰かにとって何が一番重要であるかを示すために用いられる」。
例文は、「いつも仕事が優先で、家族は二の次だった。」
ですから、このチャンドラーのセリフは、有名な「卵とニワトリ」の話をもじって、アヒルがニワトリに「卵が1番、1着だ(ニワトリは2番、2着)」と言ったとも解釈できますし、「卵を優先させる、卵の方が大事だ(ニワトリは卵より優先順位が低い)」と言ったと捉えることも可能でしょう。
到着順位か、優先順位か、そのどちらにしても、卵に比べてニワトリは次点である、と言って、ニワトリが卵より何かしら「劣る」ことを言っている「悪口」になるわけですね。
ニワトリがいない→怒って奥にこもっちゃった→「ニワトリより卵が先」って言われたから、という流れですが、「卵が先かニワトリが先か?」という言葉が有名であるために、eggs came first だけでその話だなとピンと来る仕組みです。
この言葉は、日本語でも使われますので、日本人にもわかりやすいジョークだった気がしますね。
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シーズン5 第19話
The One Where Ross Can't Flirt (ロスのナンパ必勝テク)
原題は「ロスがナンパできない話」
チャンドラーとジョーイの部屋。今日はモニカとの交際10ヶ月の記念日なんだ、とチャンドラーはロスに嬉しそうに話しています。
(There's a knock on the door and Chandler answers it. It's the pizza delivery girl.)
ドアにノックがあり、チャンドラーはそれに応対する。ピザ配達の女の子である。
配達の女の子(Delivery Girl): Hi, Chandler! (はーい、チャンドラー!)
チャンドラー: Hey, Caitlin! Somebody got a haircut. (やあ、ケイトリン! 誰かさんは髪を切ったんだね。)
ケイトリン: Ugh, I hate it! I look like an eight-year-old boy. (あー、いやなのよ! 私、8歳の男の子みたいに見えるもの。)
チャンドラー: Yeah, if that was true, gym class would've been a lot more interesting. (そうだね、もしそれが本当なら、体育の授業はずっともっと面白かっただろうに。)
ケイトリン: It's uh, 27 dollars even. (ちょうど27ドルよ。)
チャンドラー: Oh, okay. (Hands her the money.) Here you go. (あぁ、オッケー。[ケイトリンにお金を渡す] どうぞ。)
(The duck starts quacking.)
(チャンドラーたちの部屋にいる)アヒルがクワックワッと鳴く。
ケイトリン: Hey, where's the chicken? (ねぇ、あのニワトリはどこ?)
チャンドラー: Oh, he's in the back. The duck pissed him off. He said that eggs came first. (あぁ、彼は奥にいるよ。そのアヒルがニワトリを怒らせたんだ。アヒルは、「卵が先だ」と言ったんでね。)
髪の毛の短い配達ガールを見て、チャンドラーは、Somebody got a haircut. と言っています。
もちろん、somebody というのは、目の前にいるケイトリンのことですが、You とは言わず、わざと somebody 「誰かさん」と言っているわけですね。
日本語でも、「おやぁ? 誰かさんは髪の毛切ったみたいだねぇ」と茶化す感じで言ったりしますので、その感覚は同じですね。
Ugh は、「あー」に濁点がついたみたいな音で、いらいらした時、いやな時に発する音。
チャンドラーが髪の毛のことに言及したので、「その髪型が、私は気に入らないのよね」と言っています。
短く切りすぎちゃって8歳の少年みたいに見えるもの、とも言っています。
それを聞いたチャンドラーは、もしそれが本当なら、つまり、「もし君が本当に8歳の少年なら」、体育の授業(gym class)は、もっとずっと楽しかっただろうにね、と返します。
8歳の時、一緒に授業を受けている同級生の男子が、今の君みたいな人だったら、もっとわくわくできて楽しかったのに、と言いたいわけです。
体育の授業だと、身体が接するチャンスも多いから…でしょうね。
君みたいな魅力的でセクシーな女性が同級生なら嬉しかったのに、と言って、ボーイッシュな髪型になっても、女性としての魅力は変わらないよ、と褒めているニュアンスになるでしょう。
アヒルが鳴いているのを見て、いつも一緒にいるニワトリがいないことに気づいたケイトリン。
チャンドラーは、ニワトリは奥にいる、アヒルがニワトリを怒らせたから、と言っています。
piss off は「(人)を怒らせる、うんざりさせる」という俗語ですね。
元々、piss は「小便(をする)」という卑語ですから、piss off という言葉もあまり上品とは言えないでしょう。
He said that eggs came first. について。
これは、Which came first, the chicken or the egg? 「ニワトリが先か、卵が先か?」という有名な命題を踏まえて言っているセリフですね。
どちらが最初にこの世に存在したか?という話で、ニワトリは卵から生まれるのだから卵が先? でも、その卵を産むのはニワトリだから…と考えていくと、どちらが先か決められなくなる、というものですね。
また、この命題から来た言葉で、
a chicken-and-egg problem/question/dilemma 「どちらとも決められない、因果関係のわからない問題/ジレンマ」
という言葉もあります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
Which came first, the chicken or the egg? : used to say that it is difficult or impossible to decide which of two things happened first, or which action is the cause and which is the effect
つまり、「2つのうちのどちらが先に起こったか、または、どちらの行動が原因で、どちらの行動が結果か、を決めるのが困難または不可能なことを言うために用いられる」。
内容はほぼ同じになりますが、a chicken and egg problem も以下のように説明されています。
a chicken and egg situation/problem/thing etc. : a situation in which it is impossible to decide which of two things happned first, or which action is the cause of the other
また、come first は、「先に来る」という意味から、「1番になる、1着になる」という意味もありますし、「何よりも優先である、一番大切である」という意味にもなります。
Profits come first. は「利益優先」という決まり文句ですね。
LAAD では、first の項目に、以下の意味と例文が載っていました。
first : 6. used to show what is most important to someone
例) Work always came first, and family came second.
つまり、「誰かにとって何が一番重要であるかを示すために用いられる」。
例文は、「いつも仕事が優先で、家族は二の次だった。」
ですから、このチャンドラーのセリフは、有名な「卵とニワトリ」の話をもじって、アヒルがニワトリに「卵が1番、1着だ(ニワトリは2番、2着)」と言ったとも解釈できますし、「卵を優先させる、卵の方が大事だ(ニワトリは卵より優先順位が低い)」と言ったと捉えることも可能でしょう。
到着順位か、優先順位か、そのどちらにしても、卵に比べてニワトリは次点である、と言って、ニワトリが卵より何かしら「劣る」ことを言っている「悪口」になるわけですね。
ニワトリがいない→怒って奥にこもっちゃった→「ニワトリより卵が先」って言われたから、という流れですが、「卵が先かニワトリが先か?」という言葉が有名であるために、eggs came first だけでその話だなとピンと来る仕組みです。
この言葉は、日本語でも使われますので、日本人にもわかりやすいジョークだった気がしますね。
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2011年04月09日
かき氷でお腹がいっぱい フレンズ5-18その6
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レイチェルの誕生日のサプライズ・パーティーを、モニカとフィービーが企画することになったものの、またいつもの調子でモニカが何もかも決めてしまい、怒るフィービー。
そこで、モニカは、「フィービーには、アイスとカップを担当してもらうわ」と言います。
[Scene: Monica and Rachel's, Rachel's surprise party. The apartment is festooned with cups. There are cups everywhere! Cup centerpiece, cup garland, etc., etc]
モニカとレイチェルの部屋。レイチェルの(誕生日の)サプライズ・パーティー。そのアパートメントの部屋は、カップが花綱(はなづな)状に飾られている。あらゆる場所にカップがある! カップのセンターピース、カップの花輪、などなど。
フィービー: (To Chandler) Hey, check it out! Cup hat! (Points to her hat.) Cup banner! Cup chandelier! And the thing that started it all. The cup! (Holds up one.) ([チャンドラーに] ねぇ、見て! カップの帽子よ! [自分の帽子を指差す] カップの垂れ幕! カップのシャンデリア! そして、その全ての始まりとなっているものは、カップよ! [カップを掲げる])
チャンドラー: Great job with the cups, Pheebs! (カップでいい仕事したね、フィービー!)
モニカ: (overhearing that) Why don't you just go out with her? ([それを立ち聞きして] フィービーと付き合ったらどう?)
(Chandler starts to follow her into the kitchen.)
チャンドラーはモニカの後をついて、キッチンに行こうとする。
フィービー: (following him) And did you notice the ice? (Gestures to 3 huge buckets of ice on the table.) Look! We have it all! We have crushed, cubed and dry! Watch! (Pours some water onto the dry ice, causing it to evaporate/smoke.) Ahhh! Mystical! ([チャンドラーを追いかけてきて] それに、アイスにも気づいてくれた? [テーブルの巨大な3つの氷のバケツを示すしぐさをする] 見て! 全部あるのよ! 砕いた氷! 角氷! それにドライアイス! 見て! [ドライアイスに水をかけて、気化させ煙を出す] あー! 神秘的ね!)
チャンドラー: Awesome! (すごいね!)
モニカ: Chandler! No one's eating my Tuscan finger food 'cause they're all filling up on Phoebe's snow cones! (チャンドラー! 誰も私のトスカナ風おつまみを食べないの、みんな、フィービーのかき氷でお腹がいっぱいなんだもん。)
チャンドラー: There are snow cones? (Monica glares at him.) Snow cones! Yuck! (かき氷があるの? [モニカはチャンドラーをにらみつける] かき氷! うへっ!)
モニカ: Y'know... go! Go! Right there! (Points) (ねぇ…行って! 行って! あっちよ! [(かき氷のある方向を)指さす])
チャンドラー: Thank you! Thank you! (Runs to the snow cone machine.) (ありがとう! ありがとう! [かき氷器に走っていく])
パーティーの段取りを何もかも決めてしまったことを責められたモニカは、苦し紛れに、「フィービーにもやってもらうことはあるわよ。フィービーはアイスとカップを担当して」と言うのですが、フィービーはそれを最大限に利用して、パーティーの飾り付けを全てカップで作っています。
それを嬉しそうにチャンドラーにも説明していますね。
ト書きの、festoon は「花綱(はなづな)で飾る」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
festoon [verb] [transitive usually passive] : to cover something with flowers, long pieces of material etc., especially as a decoration
be festooned with something
例) The steps of the courthouse were festooned with banners and flags.
つまり、「(他動詞。たいていは受動態で) 何かを花や長い素材などで覆うこと、特に、装飾(デコレーション)として」。
be festooned with something の形で使われて、
例文は、「裁判所の階段は垂れ幕や旗で(花綱状に)飾られていた。」
And the thing that started it all. The cup! を直訳すると、「(カップの旗やら、カップのシャンデリアやら)、そういうもの全部の始まりとなっているもの。(それが)カップよ!」みたいな感じになるでしょうか
パーティーのあらゆる飾り付け、その全ての始まりは、このカップなのよ! この1つのカップが、こんな素晴らしい飾り付けに生まれ変わったのよ、みたいなことですね。
そうやって誇らしげに自慢するフィービーに、「いい仕事したね」と褒めるチャンドラー。
そんな会話をしている二人の後ろにそっと近づいてきたモニカは、チャンドラーに、Why don't you just go out with her? と言っています。
go out with は恋愛の頻出表現で、「デートする、付き合う、交際する」ですね。
今回のパーティーは、モニカとフィービーが担当で、恋人モニカの仕事よりも、フィービーの仕事ぶりを褒めたので、「そんなにフィービーのしたことが素晴らしいと思うんなら、私じゃなくて、フィービーと付き合えばいいんじゃないの?」と言っているわけですね。
その後、フィービーは、もう一つの担当の氷(アイス)のことも説明しています。
We have it all! は、「氷の全種類を揃えてるの」みたいな感覚でしょうか。
crushed, cubed and dry は、crushed ice, cubed ice, dry ice を指しています。
crush は「砕く」ですから、crushed ice は、「砕かれた氷」、つまり「砕いた氷」のこと。
cubed ice は、ice cube のことで、冷蔵庫の製氷機で作るような角型の氷、dry ice は日本語にもなっているドライアイスです。
フィービーは、ドライアイスに水をかけ、気化させることでスモークを出して、神秘的〜!と言っていますね。
これはもっぱら、そういう雰囲気作りのために用意した、ということでしょう。
カップに次いで、氷まで褒めるチャンドラーに、モニカは愚痴を言っています。
finger food は「指でつまんで食べられる食べ物」で、おつまみ状のものですね。
fill up は、他動詞だと「いっぱいに満たす」、自動詞だと「いっぱいになる」。
今回は on の後に食べ物がきていますので、fill up on は「(食べ物)で満腹になる」というニュアンスになります。
LAAD では、
fill yourself up : to eat so much food that you cannot eat any more
on
例) Toddlers may fill up on juice, and not eat a balanced diet.
つまり、「食べ過ぎてそれ以上食べられないこと」。
例文は、「幼児はジュースでお腹がいっぱいになり、バランスのとれた食事を食べない可能性がある。」
他動詞として使う Fill her up. だと、「(自動車のガソリンを)満タンにしてくれ」という意味になります。
ちなみに、自動車を指す時は、このように her という女性名詞を使うことが多いですね。船も女性名詞で表されます。
snow cone は「(紙コップに入れた)かき氷」。
お祭りの屋台などで売っているような、コップ入りのかき氷で、後にそれを食べているシーンも出てきます。
かき氷と聞いて、「え? かき氷があるの?」と嬉しそうな声を上げるチャンドラーですが、モニカに睨まれて、「俺、ちっとも喜んでなんかいないよ。あんなの、全然おいしくない!」みたいに、ウヘ、ウエ、と言いながら舌を出して、そんなまずそうなもの…みたいな顔をして見せています。
モニカを怒らせないようにそう言っただけだとわかっているモニカは、「食べたきゃ、食べてきたら? あっちにあるわよ」と場所を教えていますが、喜んで素直に飛んでいくチャンドラーも楽しいですね。
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レイチェルの誕生日のサプライズ・パーティーを、モニカとフィービーが企画することになったものの、またいつもの調子でモニカが何もかも決めてしまい、怒るフィービー。
そこで、モニカは、「フィービーには、アイスとカップを担当してもらうわ」と言います。
[Scene: Monica and Rachel's, Rachel's surprise party. The apartment is festooned with cups. There are cups everywhere! Cup centerpiece, cup garland, etc., etc]
モニカとレイチェルの部屋。レイチェルの(誕生日の)サプライズ・パーティー。そのアパートメントの部屋は、カップが花綱(はなづな)状に飾られている。あらゆる場所にカップがある! カップのセンターピース、カップの花輪、などなど。
フィービー: (To Chandler) Hey, check it out! Cup hat! (Points to her hat.) Cup banner! Cup chandelier! And the thing that started it all. The cup! (Holds up one.) ([チャンドラーに] ねぇ、見て! カップの帽子よ! [自分の帽子を指差す] カップの垂れ幕! カップのシャンデリア! そして、その全ての始まりとなっているものは、カップよ! [カップを掲げる])
チャンドラー: Great job with the cups, Pheebs! (カップでいい仕事したね、フィービー!)
モニカ: (overhearing that) Why don't you just go out with her? ([それを立ち聞きして] フィービーと付き合ったらどう?)
(Chandler starts to follow her into the kitchen.)
チャンドラーはモニカの後をついて、キッチンに行こうとする。
フィービー: (following him) And did you notice the ice? (Gestures to 3 huge buckets of ice on the table.) Look! We have it all! We have crushed, cubed and dry! Watch! (Pours some water onto the dry ice, causing it to evaporate/smoke.) Ahhh! Mystical! ([チャンドラーを追いかけてきて] それに、アイスにも気づいてくれた? [テーブルの巨大な3つの氷のバケツを示すしぐさをする] 見て! 全部あるのよ! 砕いた氷! 角氷! それにドライアイス! 見て! [ドライアイスに水をかけて、気化させ煙を出す] あー! 神秘的ね!)
チャンドラー: Awesome! (すごいね!)
モニカ: Chandler! No one's eating my Tuscan finger food 'cause they're all filling up on Phoebe's snow cones! (チャンドラー! 誰も私のトスカナ風おつまみを食べないの、みんな、フィービーのかき氷でお腹がいっぱいなんだもん。)
チャンドラー: There are snow cones? (Monica glares at him.) Snow cones! Yuck! (かき氷があるの? [モニカはチャンドラーをにらみつける] かき氷! うへっ!)
モニカ: Y'know... go! Go! Right there! (Points) (ねぇ…行って! 行って! あっちよ! [(かき氷のある方向を)指さす])
チャンドラー: Thank you! Thank you! (Runs to the snow cone machine.) (ありがとう! ありがとう! [かき氷器に走っていく])
パーティーの段取りを何もかも決めてしまったことを責められたモニカは、苦し紛れに、「フィービーにもやってもらうことはあるわよ。フィービーはアイスとカップを担当して」と言うのですが、フィービーはそれを最大限に利用して、パーティーの飾り付けを全てカップで作っています。
それを嬉しそうにチャンドラーにも説明していますね。
ト書きの、festoon は「花綱(はなづな)で飾る」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
festoon [verb] [transitive usually passive] : to cover something with flowers, long pieces of material etc., especially as a decoration
be festooned with something
例) The steps of the courthouse were festooned with banners and flags.
つまり、「(他動詞。たいていは受動態で) 何かを花や長い素材などで覆うこと、特に、装飾(デコレーション)として」。
be festooned with something の形で使われて、
例文は、「裁判所の階段は垂れ幕や旗で(花綱状に)飾られていた。」
And the thing that started it all. The cup! を直訳すると、「(カップの旗やら、カップのシャンデリアやら)、そういうもの全部の始まりとなっているもの。(それが)カップよ!」みたいな感じになるでしょうか
パーティーのあらゆる飾り付け、その全ての始まりは、このカップなのよ! この1つのカップが、こんな素晴らしい飾り付けに生まれ変わったのよ、みたいなことですね。
そうやって誇らしげに自慢するフィービーに、「いい仕事したね」と褒めるチャンドラー。
そんな会話をしている二人の後ろにそっと近づいてきたモニカは、チャンドラーに、Why don't you just go out with her? と言っています。
go out with は恋愛の頻出表現で、「デートする、付き合う、交際する」ですね。
今回のパーティーは、モニカとフィービーが担当で、恋人モニカの仕事よりも、フィービーの仕事ぶりを褒めたので、「そんなにフィービーのしたことが素晴らしいと思うんなら、私じゃなくて、フィービーと付き合えばいいんじゃないの?」と言っているわけですね。
その後、フィービーは、もう一つの担当の氷(アイス)のことも説明しています。
We have it all! は、「氷の全種類を揃えてるの」みたいな感覚でしょうか。
crushed, cubed and dry は、crushed ice, cubed ice, dry ice を指しています。
crush は「砕く」ですから、crushed ice は、「砕かれた氷」、つまり「砕いた氷」のこと。
cubed ice は、ice cube のことで、冷蔵庫の製氷機で作るような角型の氷、dry ice は日本語にもなっているドライアイスです。
フィービーは、ドライアイスに水をかけ、気化させることでスモークを出して、神秘的〜!と言っていますね。
これはもっぱら、そういう雰囲気作りのために用意した、ということでしょう。
カップに次いで、氷まで褒めるチャンドラーに、モニカは愚痴を言っています。
finger food は「指でつまんで食べられる食べ物」で、おつまみ状のものですね。
fill up は、他動詞だと「いっぱいに満たす」、自動詞だと「いっぱいになる」。
今回は on の後に食べ物がきていますので、fill up on は「(食べ物)で満腹になる」というニュアンスになります。
LAAD では、
fill yourself up : to eat so much food that you cannot eat any more
on
例) Toddlers may fill up on juice, and not eat a balanced diet.
つまり、「食べ過ぎてそれ以上食べられないこと」。
例文は、「幼児はジュースでお腹がいっぱいになり、バランスのとれた食事を食べない可能性がある。」
他動詞として使う Fill her up. だと、「(自動車のガソリンを)満タンにしてくれ」という意味になります。
ちなみに、自動車を指す時は、このように her という女性名詞を使うことが多いですね。船も女性名詞で表されます。
snow cone は「(紙コップに入れた)かき氷」。
お祭りの屋台などで売っているような、コップ入りのかき氷で、後にそれを食べているシーンも出てきます。
かき氷と聞いて、「え? かき氷があるの?」と嬉しそうな声を上げるチャンドラーですが、モニカに睨まれて、「俺、ちっとも喜んでなんかいないよ。あんなの、全然おいしくない!」みたいに、ウヘ、ウエ、と言いながら舌を出して、そんなまずそうなもの…みたいな顔をして見せています。
モニカを怒らせないようにそう言っただけだとわかっているモニカは、「食べたきゃ、食べてきたら? あっちにあるわよ」と場所を教えていますが、喜んで素直に飛んでいくチャンドラーも楽しいですね。
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2011年04月06日
テルミーアバウトイット フレンズ5-18その5
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上司や同僚が自分のいないところでタバコを吸いながら、大事な仕事の件を全部決めてしまう、と怒っていたレイチェルですが、仕事の話に加わるため、ついにレイチェルもタバコを吸い始めてしまいます。
[Scene: The smoker's balcony, Rachel, Kim, and Nancy are all puffing away on their cancer sticks.]
喫煙者のバルコニー(注:私にはバルコニーではなく、屋外に見えるのですが…)。レイチェル、キム、ナンシーは全員、タバコをスパスパ吸っているところ。
キム: So we're decided. No on plaid, yes on pink. (それで、私たちの意見は決まったわね。格子縞(こうしじま)はノー(ダメ)で、ピンクがイエス(オッケー)ね。)
ナンシー: Absolutely. (全くその通りです。)
レイチェル: I'm so onboard! (She throws away her recently lit cigarette.) (私も全く賛成です! [レイチェルはさっき火をつけたばかりのタバコを捨てる])
キム: Rachel, didn't you just light that? (レイチェル、あなた、それに火をつけたばかりじゃなかった?)
レイチェル: Yeah. But y'know what? I'm just really, really trying to cut back, y'know? (Laughs) Good luck, Rach. (ええ。でも、こういうことなんです。私はただ本当に本当に(タバコを)減らしたいんですよ。[笑って] 頑張れ、レイチェル。)
ナンシー: I've actually been thinking about quitting lately. (本当のところ、私、禁煙することを最近ずっと考えてるのよ。)
キム: Oh, well, sure, every Sunday night, I tell myself I'm quitting. Every Monday morning, it's like.... (Mimics chain smoking.) (あぁ、そうね、ほんと、毎週日曜日の晩に、禁煙するわ、って自分自身に言うの。(そして)毎週月曜日の朝には、こんな感じで… [タバコを立て続けに吸う真似をする])
ナンシー: Tell me about it! (わかります!)
レイチェル: Well then let's just quit! We'll just quit! Let's all quit! (それなら、禁煙しましょうよ! 私たちは禁煙しましょう! みんなでやめましょう!)
キム: It does sound appealing. (それは確かに魅力的に聞こえるけど。)
ナンシー: Oh, I never could do it. (あぁ、私にはできそうにないわ。)
レイチェル: Oh, but you could. You can. Absolutely. We can help each other out! You know, we can get... what are those... those patches! We could be like the Patch Sisters! (あぁ、でも、あなたにもできると思う。できるわ。絶対に。私たちはお互いを助け合えるもの! ほら、私たちにはあれがあるもの、えーっと何だっけ…あのパッチが! 私たちは「パッチ・シスターズ」みたいになれるわよ。)
キム: Oh y'know, we really should quit. Okay, let's quit! (あぁ、ねぇ、私たちほんとに禁煙すべきだわ。いいわ、禁煙しましょう!)
レイチェル: Yes! Great! Give me those cigs! Come on! Give it! Give it! Out. Done. Quit. (She grabs their cigarettes and lighters and throws them in the trash.) (そうですよ! 最高! そのタバコを下さい! さあ、ちょうだい、ちょうだい。終わり。おしまい。やめ。[レイチェルは二人のタバコとライターを掴み、それをゴミ箱に捨てる]
キム: My late husband gave me that lighter. (Rachel laughs.) I'm not kidding. (私の亡き夫がそのライターをくれたの。[レイチェルは笑う] 冗談を言ってるんじゃないわ。)
レイチェル: Okay, then! (She starts rummaging through the trash to find Kim's lighter.) (わかりました、そういうことなら! [レイチェルはキムのライターを探すために、ゴミをかき回し始める])
最初のト書きで、cancer stick という言葉が出ていますが、これはタバコのことですね。
直訳すると、「癌(がん)の棒」ということですから、吸うと肺がんの恐れのあるタバコをそのように表現している俗語ですね。
英辞郎にも、研究社 新英和中辞典にも載っていましたので、よく使われる俗語のようです。
I'm so onboard! について。
過去記事、フレンズ3-16その7 に、
ジョーイ: Ross, look, I'm onboard about the total-honesty thing.
というセリフが出てきたことがありました。
その時に私は、「ロス、いいか。完全に正直であること、については、全く賛成だよ。」と訳したのですが、今回のレイチェルのセリフもそれと同じ「賛成である」というニュアンスだと思います。
手持ちの辞書を(英英を含めて)見てみても、be onboard に「賛成である、同意する」というような意味は載っていないのですが、be on board だと「台の上にいる・乗っている、船上にいる」というような意味があるので、そのニュアンスで、「同じ場所に乗っている」→「同調する、同意見である」という意味だと考えたのですね。前後の文脈を考えても、それがしっくりくると思えましたし。
今回、改めてネットで検索してみたところ、Dictionary.com というサイトにそれらしい意味が載っていました。
On-board : Define On-board at Dictionary.com
Main Entry: on-board 2
Part of Speech: adj
Definition: ready and willing to participate; also written onboard
つまり、「参加する(加わる)準備がある、つもりがある」という意味ですね。
日本語の「(その話に)乗ります」という言葉には、participate の意味も、on board の意味も感じられるので、まさに、be onboard は「(話に)乗る」というニュアンスである気がしました。
レイチェルが火をつけたばかりのタバコを捨てたので、キムはそれを指摘しています。
cut back は「…を減らす、削減する、減少させる」なので、この場合は、タバコの本数を減らすことを言っているようです。
Good luck, Rach. は、自分自身に向かって、「幸運を。頑張れ」と言っている感覚。
レイチェルは他の二人に合わせていやいや吸っているだけですが、それをさも頑張って禁煙しようとしているように見せるため、「上手く減らせるといいわね、レイチェル」と自分自身に言ってみせているわけです。
次のナンシーのセリフの actually は、「本数を減らそうとしている」というレイチェルの話を聞いて、「実は、ほんとのところ、実際」自分もそれを考えてるの、と言う感覚ですね。
キムもその話に同意して、毎週日曜日の晩、つまり、出勤する前の晩には、禁煙しようと自分に言うけれど、出勤した月曜日の朝にはいつもこうなっちゃうのよね、と言いながら、両手のタバコを休みなしにスパスパ吸う真似をしています。
chain smoking はそのように「休みなしにひっきりなしにタバコを吸うこと」で、チェーン・スモーカーは日本語になっていますよね。
Tell me about it. は、相手の発言に納得して「わかります」というニュアンスで使われたり、また「言われなくてもわかっている」という意味で使われることもあります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
tell me about it : used to say that you already know how bad something is, especially because you have experienced it yourself.
例) "I'm totally sick of my boss." "Yeah, tell me about it."
つまり、「何かがどれほど悪いかをすでに知っている、特にそれを自分自身で経験したから知っていると言うために使われる」。
例文は、「全く俺の上司にはうんざりだよ」「そうだね、よくわかるよ」
Macmillan Dictonary では、
tell me about it : used for saying that you already know about something unpleasant that someone has just described because you have experienced it yourself
つまり、「誰かがたった今述べた不愉快なことについて、自分でそれを経験したことがあるのですでにそれを知っている、と言うために使われる」。
それぞれの語義に how bad something is, something unpleasant とあるように、何かネガティブな話に対して「知ってる、わかる」と言いたい場合に使われるようですね。
今回の場合も、「日曜日の晩にやめようと決心しても、月曜日には吸いまくってる」という「どうしてもやめられない」感覚がナンシーにもよくわかるので、「そうなんですよねぇ〜、よーくわかります」と同意しているニュアンスになっています。
二人が本当は禁煙したがっていると知って、レイチェルは「それなら禁煙しましょう!」と提案します。
キムの It does sound appealing. について。
appeal は日本語で「人にアピールする」みたいな形で使われることもありますが、「…が人の心に訴える、魅力がある、興味をそそる」のような意味。
それに -ing がついた形容詞の appealing は「人の心を引き付けるような、魅力的な」という意味になります。
sound appealing は、そのレイチェルの提案が「魅力的に聞こえる」ということですね。
sound という動詞を does で強調していますが、これは、sound 「…のように聞こえる」ということを強調しているように感じました。
つまり、「確かに魅力的には”聞こえる”けど、それを実行に移すのは難しい」という気持ちが込められているような気がした、ということなのですが…。
この時点ではまだ、キムはレイチェルの提案に全面的に賛成しているわけではなく、どちらかと言うとまだ否定的な立場であることを述べたセリフかなと思います。
ニュアンス的には、It does sound appealing, but.... と言いたい感じかな、と思ったのですが、実際には but はありませんので、正直、確信はありません。
ナンシーも「自分にはできそうにない」と否定する中、レイチェルは、お互い助け合えるわ、と言って、we can get... 「私たちは…を手に入れることができるもの、私たちには…があるもの」と言います。
その後、what are those とも言っていますが、これは、get の目的語に当たる言葉がパッと思いつかなくて、「えーっと、あれは何だっけ…?」のように一瞬考えた際に出た言葉だと思われます。
英辞郎に、
what-is-it=【代名】その何とかいうもの、あれ◆名前を思い出せない[出したくない]ものの代用語として使われる。
という言葉が載っていますが、今回の場合はそれを複数形にしたものとも考えられます。
その場合だと、厳密に言うと、what-are-those という「代名詞」として使われていることになるでしょうか。
そのような「代名詞」と捉えるか、"What are those?" と自問する文が挿入されたニュアンスだと捉えるかのどちらかになると思いますが、いずれにしても、その後の (those) patches 「(禁煙)パッチ」という言葉が一瞬出てこなかったための時間稼ぎのような挿入語であることは間違いないですね。
みんなでパッチをつけて、「パッチ・シスターズ、パッチ姉妹」になれるわ!と言うレイチェルに、キムもとうとう、禁煙を頑張ろうと決心します。
嬉しくなったレイチェルは、二人のタバコとライターを集め、目の前のゴミ箱に捨ててしまいます。
手を叩いて大喜びの表情のレイチェルですが、上司のキムは、「今、あなたが捨てたライターは、my late husband がくれたものよ」と言っていますね。
late は「亡くなった、今は亡き、故〜」という意味なので、「亡くなった、私の夫がくれたもの」と言っていることになります。
my ex-husband だと、「別れた、離婚した元夫(もと・おっと)」ですが、キムの場合は離婚ではなく死別であったことがわかりますね。
つまりは「死んだ夫がくれた形見の大事なライターなの」と言っているわけです。
レイチェルは、「またまたぁ〜、ボスったら冗談を言って私をからかってぇ〜」みたいな顔をしていますが、キムは真顔で、「私は冗談を言ってるんじゃないわ」と言います。
そこで、それが本当の話だとわかったレイチェルは、自分が捨てたライターを慌てて探し始めることになります。
今回のエピソードの フレンズ5-18その2 で、何かびっくり発言をするたびに、I'm kidding. 「冗談よ」と否定する会話が交わされていましたので、また同じパターンだと思ったら、今回だけはマジだった、ということです。
そういう話の流れが伏線となっているわけですね。
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上司や同僚が自分のいないところでタバコを吸いながら、大事な仕事の件を全部決めてしまう、と怒っていたレイチェルですが、仕事の話に加わるため、ついにレイチェルもタバコを吸い始めてしまいます。
[Scene: The smoker's balcony, Rachel, Kim, and Nancy are all puffing away on their cancer sticks.]
喫煙者のバルコニー(注:私にはバルコニーではなく、屋外に見えるのですが…)。レイチェル、キム、ナンシーは全員、タバコをスパスパ吸っているところ。
キム: So we're decided. No on plaid, yes on pink. (それで、私たちの意見は決まったわね。格子縞(こうしじま)はノー(ダメ)で、ピンクがイエス(オッケー)ね。)
ナンシー: Absolutely. (全くその通りです。)
レイチェル: I'm so onboard! (She throws away her recently lit cigarette.) (私も全く賛成です! [レイチェルはさっき火をつけたばかりのタバコを捨てる])
キム: Rachel, didn't you just light that? (レイチェル、あなた、それに火をつけたばかりじゃなかった?)
レイチェル: Yeah. But y'know what? I'm just really, really trying to cut back, y'know? (Laughs) Good luck, Rach. (ええ。でも、こういうことなんです。私はただ本当に本当に(タバコを)減らしたいんですよ。[笑って] 頑張れ、レイチェル。)
ナンシー: I've actually been thinking about quitting lately. (本当のところ、私、禁煙することを最近ずっと考えてるのよ。)
キム: Oh, well, sure, every Sunday night, I tell myself I'm quitting. Every Monday morning, it's like.... (Mimics chain smoking.) (あぁ、そうね、ほんと、毎週日曜日の晩に、禁煙するわ、って自分自身に言うの。(そして)毎週月曜日の朝には、こんな感じで… [タバコを立て続けに吸う真似をする])
ナンシー: Tell me about it! (わかります!)
レイチェル: Well then let's just quit! We'll just quit! Let's all quit! (それなら、禁煙しましょうよ! 私たちは禁煙しましょう! みんなでやめましょう!)
キム: It does sound appealing. (それは確かに魅力的に聞こえるけど。)
ナンシー: Oh, I never could do it. (あぁ、私にはできそうにないわ。)
レイチェル: Oh, but you could. You can. Absolutely. We can help each other out! You know, we can get... what are those... those patches! We could be like the Patch Sisters! (あぁ、でも、あなたにもできると思う。できるわ。絶対に。私たちはお互いを助け合えるもの! ほら、私たちにはあれがあるもの、えーっと何だっけ…あのパッチが! 私たちは「パッチ・シスターズ」みたいになれるわよ。)
キム: Oh y'know, we really should quit. Okay, let's quit! (あぁ、ねぇ、私たちほんとに禁煙すべきだわ。いいわ、禁煙しましょう!)
レイチェル: Yes! Great! Give me those cigs! Come on! Give it! Give it! Out. Done. Quit. (She grabs their cigarettes and lighters and throws them in the trash.) (そうですよ! 最高! そのタバコを下さい! さあ、ちょうだい、ちょうだい。終わり。おしまい。やめ。[レイチェルは二人のタバコとライターを掴み、それをゴミ箱に捨てる]
キム: My late husband gave me that lighter. (Rachel laughs.) I'm not kidding. (私の亡き夫がそのライターをくれたの。[レイチェルは笑う] 冗談を言ってるんじゃないわ。)
レイチェル: Okay, then! (She starts rummaging through the trash to find Kim's lighter.) (わかりました、そういうことなら! [レイチェルはキムのライターを探すために、ゴミをかき回し始める])
最初のト書きで、cancer stick という言葉が出ていますが、これはタバコのことですね。
直訳すると、「癌(がん)の棒」ということですから、吸うと肺がんの恐れのあるタバコをそのように表現している俗語ですね。
英辞郎にも、研究社 新英和中辞典にも載っていましたので、よく使われる俗語のようです。
I'm so onboard! について。
過去記事、フレンズ3-16その7 に、
ジョーイ: Ross, look, I'm onboard about the total-honesty thing.
というセリフが出てきたことがありました。
その時に私は、「ロス、いいか。完全に正直であること、については、全く賛成だよ。」と訳したのですが、今回のレイチェルのセリフもそれと同じ「賛成である」というニュアンスだと思います。
手持ちの辞書を(英英を含めて)見てみても、be onboard に「賛成である、同意する」というような意味は載っていないのですが、be on board だと「台の上にいる・乗っている、船上にいる」というような意味があるので、そのニュアンスで、「同じ場所に乗っている」→「同調する、同意見である」という意味だと考えたのですね。前後の文脈を考えても、それがしっくりくると思えましたし。
今回、改めてネットで検索してみたところ、Dictionary.com というサイトにそれらしい意味が載っていました。
On-board : Define On-board at Dictionary.com
Main Entry: on-board 2
Part of Speech: adj
Definition: ready and willing to participate; also written onboard
つまり、「参加する(加わる)準備がある、つもりがある」という意味ですね。
日本語の「(その話に)乗ります」という言葉には、participate の意味も、on board の意味も感じられるので、まさに、be onboard は「(話に)乗る」というニュアンスである気がしました。
レイチェルが火をつけたばかりのタバコを捨てたので、キムはそれを指摘しています。
cut back は「…を減らす、削減する、減少させる」なので、この場合は、タバコの本数を減らすことを言っているようです。
Good luck, Rach. は、自分自身に向かって、「幸運を。頑張れ」と言っている感覚。
レイチェルは他の二人に合わせていやいや吸っているだけですが、それをさも頑張って禁煙しようとしているように見せるため、「上手く減らせるといいわね、レイチェル」と自分自身に言ってみせているわけです。
次のナンシーのセリフの actually は、「本数を減らそうとしている」というレイチェルの話を聞いて、「実は、ほんとのところ、実際」自分もそれを考えてるの、と言う感覚ですね。
キムもその話に同意して、毎週日曜日の晩、つまり、出勤する前の晩には、禁煙しようと自分に言うけれど、出勤した月曜日の朝にはいつもこうなっちゃうのよね、と言いながら、両手のタバコを休みなしにスパスパ吸う真似をしています。
chain smoking はそのように「休みなしにひっきりなしにタバコを吸うこと」で、チェーン・スモーカーは日本語になっていますよね。
Tell me about it. は、相手の発言に納得して「わかります」というニュアンスで使われたり、また「言われなくてもわかっている」という意味で使われることもあります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
tell me about it : used to say that you already know how bad something is, especially because you have experienced it yourself.
例) "I'm totally sick of my boss." "Yeah, tell me about it."
つまり、「何かがどれほど悪いかをすでに知っている、特にそれを自分自身で経験したから知っていると言うために使われる」。
例文は、「全く俺の上司にはうんざりだよ」「そうだね、よくわかるよ」
Macmillan Dictonary では、
tell me about it : used for saying that you already know about something unpleasant that someone has just described because you have experienced it yourself
つまり、「誰かがたった今述べた不愉快なことについて、自分でそれを経験したことがあるのですでにそれを知っている、と言うために使われる」。
それぞれの語義に how bad something is, something unpleasant とあるように、何かネガティブな話に対して「知ってる、わかる」と言いたい場合に使われるようですね。
今回の場合も、「日曜日の晩にやめようと決心しても、月曜日には吸いまくってる」という「どうしてもやめられない」感覚がナンシーにもよくわかるので、「そうなんですよねぇ〜、よーくわかります」と同意しているニュアンスになっています。
二人が本当は禁煙したがっていると知って、レイチェルは「それなら禁煙しましょう!」と提案します。
キムの It does sound appealing. について。
appeal は日本語で「人にアピールする」みたいな形で使われることもありますが、「…が人の心に訴える、魅力がある、興味をそそる」のような意味。
それに -ing がついた形容詞の appealing は「人の心を引き付けるような、魅力的な」という意味になります。
sound appealing は、そのレイチェルの提案が「魅力的に聞こえる」ということですね。
sound という動詞を does で強調していますが、これは、sound 「…のように聞こえる」ということを強調しているように感じました。
つまり、「確かに魅力的には”聞こえる”けど、それを実行に移すのは難しい」という気持ちが込められているような気がした、ということなのですが…。
この時点ではまだ、キムはレイチェルの提案に全面的に賛成しているわけではなく、どちらかと言うとまだ否定的な立場であることを述べたセリフかなと思います。
ニュアンス的には、It does sound appealing, but.... と言いたい感じかな、と思ったのですが、実際には but はありませんので、正直、確信はありません。
ナンシーも「自分にはできそうにない」と否定する中、レイチェルは、お互い助け合えるわ、と言って、we can get... 「私たちは…を手に入れることができるもの、私たちには…があるもの」と言います。
その後、what are those とも言っていますが、これは、get の目的語に当たる言葉がパッと思いつかなくて、「えーっと、あれは何だっけ…?」のように一瞬考えた際に出た言葉だと思われます。
英辞郎に、
what-is-it=【代名】その何とかいうもの、あれ◆名前を思い出せない[出したくない]ものの代用語として使われる。
という言葉が載っていますが、今回の場合はそれを複数形にしたものとも考えられます。
その場合だと、厳密に言うと、what-are-those という「代名詞」として使われていることになるでしょうか。
そのような「代名詞」と捉えるか、"What are those?" と自問する文が挿入されたニュアンスだと捉えるかのどちらかになると思いますが、いずれにしても、その後の (those) patches 「(禁煙)パッチ」という言葉が一瞬出てこなかったための時間稼ぎのような挿入語であることは間違いないですね。
みんなでパッチをつけて、「パッチ・シスターズ、パッチ姉妹」になれるわ!と言うレイチェルに、キムもとうとう、禁煙を頑張ろうと決心します。
嬉しくなったレイチェルは、二人のタバコとライターを集め、目の前のゴミ箱に捨ててしまいます。
手を叩いて大喜びの表情のレイチェルですが、上司のキムは、「今、あなたが捨てたライターは、my late husband がくれたものよ」と言っていますね。
late は「亡くなった、今は亡き、故〜」という意味なので、「亡くなった、私の夫がくれたもの」と言っていることになります。
my ex-husband だと、「別れた、離婚した元夫(もと・おっと)」ですが、キムの場合は離婚ではなく死別であったことがわかりますね。
つまりは「死んだ夫がくれた形見の大事なライターなの」と言っているわけです。
レイチェルは、「またまたぁ〜、ボスったら冗談を言って私をからかってぇ〜」みたいな顔をしていますが、キムは真顔で、「私は冗談を言ってるんじゃないわ」と言います。
そこで、それが本当の話だとわかったレイチェルは、自分が捨てたライターを慌てて探し始めることになります。
今回のエピソードの フレンズ5-18その2 で、何かびっくり発言をするたびに、I'm kidding. 「冗談よ」と否定する会話が交わされていましたので、また同じパターンだと思ったら、今回だけはマジだった、ということです。
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2011年04月04日
誰かが身を引くべきだとしたら フレンズ5-18その4
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ロスの息子ベンは、公園でスカウトされ、コマーシャルのオーディションを受けることになります。
父親役もあると聞いたジョーイは、それに便乗する形で、そのオーディションに参加します。
ですが、ベンとジョーイは似ていないということで、それぞれ別の人とのペアで親子を演じることになり、ベンとジョーイは、オーディションでライバル関係になってしまいました。
チャンドラーとジョーイの部屋に、ジョーイが帰ってきます。
ジョーイ: Ross, good, I'm uh glad you're here. I wanna talk to you about something. (ロス、良かった。お前がここにいてくれて嬉しいよ。俺はお前に話したいことがあるんだ。)
ロス: What's up? (どうしたの?)
ジョーイ: Well, I've been thinking about this whole commercial thing, y'know, me going up against Ben. The two of us competing, and that can't lead to anything good. So, I think I'm just gonna step aside. I'm gonna tell them that I won't audition. (えーっと、このコマーシャルのことを俺はずーっと考えてたんだ。ほら、俺がベンとぶつかるってことだよ。俺たち二人が競争するってことで、それは何も良い結果にはならない。だから、俺は思うんだ、俺がただ身を引くことにしよう、って。俺はオーディションを受けない、って彼ら[オーディション担当者たち]に言うつもりにしてるんだ。)
ロス: Wow, uh, Joey, that's-that's great. Thanks, man. (わぁ。そのー、ジョーイ、それって、それってすごいよ。ありがとうね。)
そう言った後、何事もなかったかのように、またピザを食べ始める。
ジョーイ: That's it? You're-you're gonna let me do this? This-this is my career we're talking about here! (それだけ? お前は、お前は俺にこんなことをさせるつもりなのか? これは、これは俺のキャリアなんだぞ、俺たちがここで今話してるのは!)
ロス: But you just-- (でも、君は今…)
ジョーイ: I just said that so you wouldn't let Ben do it! Look, Ross, if anyone should step aside, it should be Ben! (俺がそう言えば、お前はベンにオーディションを受けさせないだろうって思ったんだ。なぁ、ロス、もし誰かが身を引くべきだとしたら、それはベンであるべきだ!)
ロス: What?! (何だって?)
ジョーイ: What? Chandler! Tell him! (何だよ? チャンドラー、ロスに言ってやれよ!)
チャンドラー: (shocked) Well, I mean, let me get the door first. (Goes and opens the door.) Oh, hi, no one! (Exits.) ([ショックを受けて] あのー、まずドアに応対させてくれ。[行って、ドアを開ける] あぁ、はーい、「いない人」! [部屋を出て行く])
ジョーイは継続を表す現在完了進行形を使って、ずーっとこのコマーシャルのことを考えてた、と言っています。
whole は「全体の」で、このコマーシャルの件に関する一連のことをあれやこれや考えていた、みたいな感覚でしょう。
me going up against Ben について。
go up against は「(敵)と戦う、ぶつかる」というニュアンス。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、go up against の形では載っていませんでしたが、be up against が載っています。
be up against something/somebody : to have to deal with a difficult situation or fight an opponent
つまり、「難しい状況に対処しなければならない、または敵と戦わなければならないこと」。
going という -ing 形は「動名詞」で、me はその動名詞の主語になります。
書き言葉では、動名詞の主語は所有格の形(my going)になりますが、話し言葉の口語では上のセリフのように、動名詞の主語が「目的格」になる場合が多いです。(フレンズのセリフでも、ほとんどが目的格になっています)
ですから、ジョーイのセリフの意味は、「俺がベンとぶつかること、戦うこと」になります。
次の The two of us competing も動名詞の形で、「俺たち二人が競争すること」。
lead to は「(道路などが)…に通じる、至る」という意味があり、そこから、「(結果として)…となる」という意味にもなります。
All roads lead to Rome. は、「すべての道はローマに通ず」ですね。
one thing led to another 「1つのことが別のことにつながって、いろんなことが重なって」という表現もあります。
that can't lead to anything good の that は、その前の The two of us competing を指しており、「俺たち二人(ベンと俺)が競争することが、何か良い結果になるはずがない、何も良い結果にはつながらない」と言っていることになります。
step aside は「脇に寄る」ことから、「(人に譲るために)身を引く、候補を下りる」。
何も良い結果に結びつかないから、「俺が身を引くことにしようと思うんだ」と決意を述べているわけですね。
I'm gonna tell は、「これから…を言うつもりだ」という感覚。
audition は、「オーディション」という名詞で使われることが多いですが、この場合は、won't (= will not) の直後であることから、動詞として使われていることがわかります。
実際、audition には動詞で「オーディションを行う、オーディションを受ける」の意味があります。
them は漠然としていますが、「オーディションを受けないと言う」相手ですから、オーディション関係者だということですね。
ベンと争ってもいいことはないから、俺が身を引くことにするよ、というジョーイの発言に、ロスは感謝の気持ちを述べますが、その後、すぐにジョーイに背を向け、またピザを食べ始めます。
それを見て、That's it? 「それだけ?」と怒り出すジョーイ。
俺が話しているこの件は、俺のキャリアに関することなんだぞ!とも言っています。
俳優の俺が、オーディションから身を引く、と言うことが、どれくらい大きなことかわかるか?と言いたいようです。
ロスの But you just-- は、「だって、今君が自分で、身を引くことにする、って言ったんじゃないか、そう言ったのは君自身だろ」という気持ちですね。
I just said that so you wouldn't let Ben do it. は、「俺はただそう言っただけだよ、そうすれば(そんな風に言えば)、お前はベンにそれをさせないだろうと思ったから」というようなニュアンスでしょう。
あるいは、「お前がベンにそれをさせないように、俺はそう言っただけだ」でもいいでしょう。
do it は、オーディションを受けることを指していると思います。
これがもし、you wouldn't let me do it. なら、「(俺が身を引くって言っても)お前がそれを俺にさせないだろう、俺に身を引かせるようなことはしないだろう」という意味になると思います。
つまりジョーイは、本心からそう言ったわけではなくて、俳優の俺の方が身を引く、と言ったら、「それはジョーイの大切なキャリアだから、素人のベンの方が身を引くよ、父親としてオーディションはやめさせるよ、だからジョーイは遠慮せずにオーディションを受けてくれ」と、ロスが言うと予想していた、ということですね。
それなのに、ジョーイがオーディションをあきらめる申し出があっさり受け入れられてしまい、それで話が終わってしまったようになったので、「あっさりそれを受け入れるなんておかしいだろっ?!」とジョーイは怒っているわけです。
「誰かが身を引くべきだとしたら、それはベンであるべきだ」とも言っています。
「身を引くべき人間がいるとしたら、それはベンだ」みたいな言い回しは日本語でも存在しますので、それを英語で言うと、上のようなセリフになる、ということですね。
ジョーイとロスは喧嘩になってしまい、ジョーイはチャンドラーに「ロスに何か言ってやれ。俺の方が正しいって言ってやれ」みたいなことを言います。
どちらも友達だし、どちらにとってもオーディションが大切なことをわかっているチャンドラーは、どちらの側につくこともできずに困ってしまいます。
そこで、let me get the door first と言っていますね。
「まずはそのドアに応対させてくれ」という意味で、この件について俺が何か言う前に、ドアのところに誰かいるみたいだから、まずはその相手をさせてくれ、と言っていることになります。
ドアのチャイムが聞こえたり、誰かのノックする音が聞こえたりすると、I'll get it. 「俺が出るよ」と言うことがありますが、その get と同じ感覚ですね。
特にノックの音がしたわけでもないのに、チャンドラーはそう言ってドアを開けます。
案の定、廊下には誰もいないのですが、誰もいない状態を見て、チャンドラーは、Oh, hi, no one! と挨拶し、そのまま、部屋を出て行ってしまいます。
誰かに応対したふりをして、そのまま逃げたかったわけですね。
no one は「誰も…ない」という代名詞(pronoun)。
Hi, everyone. 「はーい、みんな」と人に呼びかけるニュアンスで、Hi, no one. 「はーい、いない人」のように呼びかけている感覚です。
名詞を否定する単語なので、無理やり日本語にすると「無人」みたいになるのかもしれませんが、日本語の無人は「人がいないこと」という「状態」を指す言葉なので、「はーい、無人」では、この英語のニュアンスは出ない気がします。
日本語では、「誰もいない、人がいない、人が…しない」のように、動詞「いる、する」に否定語の「ない」を付けることで表現しますが、英語の場合は、動詞はそのままで、名詞そのものに、no- をつけることで表現することが可能で、no one, nothing などの名詞の否定形が主語になることもありますね。
今回の、Hi, no one. も、動詞がない状態の「名詞の否定形」であり、それを呼び掛け語として使っているのが、非常に英語らしいなと思いました。
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ロスの息子ベンは、公園でスカウトされ、コマーシャルのオーディションを受けることになります。
父親役もあると聞いたジョーイは、それに便乗する形で、そのオーディションに参加します。
ですが、ベンとジョーイは似ていないということで、それぞれ別の人とのペアで親子を演じることになり、ベンとジョーイは、オーディションでライバル関係になってしまいました。
チャンドラーとジョーイの部屋に、ジョーイが帰ってきます。
ジョーイ: Ross, good, I'm uh glad you're here. I wanna talk to you about something. (ロス、良かった。お前がここにいてくれて嬉しいよ。俺はお前に話したいことがあるんだ。)
ロス: What's up? (どうしたの?)
ジョーイ: Well, I've been thinking about this whole commercial thing, y'know, me going up against Ben. The two of us competing, and that can't lead to anything good. So, I think I'm just gonna step aside. I'm gonna tell them that I won't audition. (えーっと、このコマーシャルのことを俺はずーっと考えてたんだ。ほら、俺がベンとぶつかるってことだよ。俺たち二人が競争するってことで、それは何も良い結果にはならない。だから、俺は思うんだ、俺がただ身を引くことにしよう、って。俺はオーディションを受けない、って彼ら[オーディション担当者たち]に言うつもりにしてるんだ。)
ロス: Wow, uh, Joey, that's-that's great. Thanks, man. (わぁ。そのー、ジョーイ、それって、それってすごいよ。ありがとうね。)
そう言った後、何事もなかったかのように、またピザを食べ始める。
ジョーイ: That's it? You're-you're gonna let me do this? This-this is my career we're talking about here! (それだけ? お前は、お前は俺にこんなことをさせるつもりなのか? これは、これは俺のキャリアなんだぞ、俺たちがここで今話してるのは!)
ロス: But you just-- (でも、君は今…)
ジョーイ: I just said that so you wouldn't let Ben do it! Look, Ross, if anyone should step aside, it should be Ben! (俺がそう言えば、お前はベンにオーディションを受けさせないだろうって思ったんだ。なぁ、ロス、もし誰かが身を引くべきだとしたら、それはベンであるべきだ!)
ロス: What?! (何だって?)
ジョーイ: What? Chandler! Tell him! (何だよ? チャンドラー、ロスに言ってやれよ!)
チャンドラー: (shocked) Well, I mean, let me get the door first. (Goes and opens the door.) Oh, hi, no one! (Exits.) ([ショックを受けて] あのー、まずドアに応対させてくれ。[行って、ドアを開ける] あぁ、はーい、「いない人」! [部屋を出て行く])
ジョーイは継続を表す現在完了進行形を使って、ずーっとこのコマーシャルのことを考えてた、と言っています。
whole は「全体の」で、このコマーシャルの件に関する一連のことをあれやこれや考えていた、みたいな感覚でしょう。
me going up against Ben について。
go up against は「(敵)と戦う、ぶつかる」というニュアンス。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、go up against の形では載っていませんでしたが、be up against が載っています。
be up against something/somebody : to have to deal with a difficult situation or fight an opponent
つまり、「難しい状況に対処しなければならない、または敵と戦わなければならないこと」。
going という -ing 形は「動名詞」で、me はその動名詞の主語になります。
書き言葉では、動名詞の主語は所有格の形(my going)になりますが、話し言葉の口語では上のセリフのように、動名詞の主語が「目的格」になる場合が多いです。(フレンズのセリフでも、ほとんどが目的格になっています)
ですから、ジョーイのセリフの意味は、「俺がベンとぶつかること、戦うこと」になります。
次の The two of us competing も動名詞の形で、「俺たち二人が競争すること」。
lead to は「(道路などが)…に通じる、至る」という意味があり、そこから、「(結果として)…となる」という意味にもなります。
All roads lead to Rome. は、「すべての道はローマに通ず」ですね。
one thing led to another 「1つのことが別のことにつながって、いろんなことが重なって」という表現もあります。
that can't lead to anything good の that は、その前の The two of us competing を指しており、「俺たち二人(ベンと俺)が競争することが、何か良い結果になるはずがない、何も良い結果にはつながらない」と言っていることになります。
step aside は「脇に寄る」ことから、「(人に譲るために)身を引く、候補を下りる」。
何も良い結果に結びつかないから、「俺が身を引くことにしようと思うんだ」と決意を述べているわけですね。
I'm gonna tell は、「これから…を言うつもりだ」という感覚。
audition は、「オーディション」という名詞で使われることが多いですが、この場合は、won't (= will not) の直後であることから、動詞として使われていることがわかります。
実際、audition には動詞で「オーディションを行う、オーディションを受ける」の意味があります。
them は漠然としていますが、「オーディションを受けないと言う」相手ですから、オーディション関係者だということですね。
ベンと争ってもいいことはないから、俺が身を引くことにするよ、というジョーイの発言に、ロスは感謝の気持ちを述べますが、その後、すぐにジョーイに背を向け、またピザを食べ始めます。
それを見て、That's it? 「それだけ?」と怒り出すジョーイ。
俺が話しているこの件は、俺のキャリアに関することなんだぞ!とも言っています。
俳優の俺が、オーディションから身を引く、と言うことが、どれくらい大きなことかわかるか?と言いたいようです。
ロスの But you just-- は、「だって、今君が自分で、身を引くことにする、って言ったんじゃないか、そう言ったのは君自身だろ」という気持ちですね。
I just said that so you wouldn't let Ben do it. は、「俺はただそう言っただけだよ、そうすれば(そんな風に言えば)、お前はベンにそれをさせないだろうと思ったから」というようなニュアンスでしょう。
あるいは、「お前がベンにそれをさせないように、俺はそう言っただけだ」でもいいでしょう。
do it は、オーディションを受けることを指していると思います。
これがもし、you wouldn't let me do it. なら、「(俺が身を引くって言っても)お前がそれを俺にさせないだろう、俺に身を引かせるようなことはしないだろう」という意味になると思います。
つまりジョーイは、本心からそう言ったわけではなくて、俳優の俺の方が身を引く、と言ったら、「それはジョーイの大切なキャリアだから、素人のベンの方が身を引くよ、父親としてオーディションはやめさせるよ、だからジョーイは遠慮せずにオーディションを受けてくれ」と、ロスが言うと予想していた、ということですね。
それなのに、ジョーイがオーディションをあきらめる申し出があっさり受け入れられてしまい、それで話が終わってしまったようになったので、「あっさりそれを受け入れるなんておかしいだろっ?!」とジョーイは怒っているわけです。
「誰かが身を引くべきだとしたら、それはベンであるべきだ」とも言っています。
「身を引くべき人間がいるとしたら、それはベンだ」みたいな言い回しは日本語でも存在しますので、それを英語で言うと、上のようなセリフになる、ということですね。
ジョーイとロスは喧嘩になってしまい、ジョーイはチャンドラーに「ロスに何か言ってやれ。俺の方が正しいって言ってやれ」みたいなことを言います。
どちらも友達だし、どちらにとってもオーディションが大切なことをわかっているチャンドラーは、どちらの側につくこともできずに困ってしまいます。
そこで、let me get the door first と言っていますね。
「まずはそのドアに応対させてくれ」という意味で、この件について俺が何か言う前に、ドアのところに誰かいるみたいだから、まずはその相手をさせてくれ、と言っていることになります。
ドアのチャイムが聞こえたり、誰かのノックする音が聞こえたりすると、I'll get it. 「俺が出るよ」と言うことがありますが、その get と同じ感覚ですね。
特にノックの音がしたわけでもないのに、チャンドラーはそう言ってドアを開けます。
案の定、廊下には誰もいないのですが、誰もいない状態を見て、チャンドラーは、Oh, hi, no one! と挨拶し、そのまま、部屋を出て行ってしまいます。
誰かに応対したふりをして、そのまま逃げたかったわけですね。
no one は「誰も…ない」という代名詞(pronoun)。
Hi, everyone. 「はーい、みんな」と人に呼びかけるニュアンスで、Hi, no one. 「はーい、いない人」のように呼びかけている感覚です。
名詞を否定する単語なので、無理やり日本語にすると「無人」みたいになるのかもしれませんが、日本語の無人は「人がいないこと」という「状態」を指す言葉なので、「はーい、無人」では、この英語のニュアンスは出ない気がします。
日本語では、「誰もいない、人がいない、人が…しない」のように、動詞「いる、する」に否定語の「ない」を付けることで表現しますが、英語の場合は、動詞はそのままで、名詞そのものに、no- をつけることで表現することが可能で、no one, nothing などの名詞の否定形が主語になることもありますね。
今回の、Hi, no one. も、動詞がない状態の「名詞の否定形」であり、それを呼び掛け語として使っているのが、非常に英語らしいなと思いました。
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