2012年07月04日

人に教えられるもんじゃない フレンズ6-21その5

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テレビドラマ「マック&チーズ」に主演する予定だったジョーイですが、ロボット「チーズ」の開発者及び操縦者である男性ウェインを怒らせてしまい、ジョーイは主役をクビになってしまいます。
着替え室で荷物を整理しているジョーイを、そのウェインが訪ねてきます。
ウェイン: Joey, Joey, I-I-I'll g-get you your job back if you help me out. (ジョーイ、ジョーイ、ぼ、僕は君に君の仕事を取り戻してあげるよ、もし君が僕を助けてくれるなら。)
ジョーイ: (incredulous) Why should I help you out?! ([懐疑的な様子で] どうして俺が君を助けてやらないといけないんだ?)
チャンドラー: (whispering in Joey's ear) The reason he just said. ([ジョーイの耳にささやいて] 彼が今言った理由だよ。)
ジョーイ: (happily) What do you need? ([幸せそうに] 何が望みだ?)
ウェイン: I-I-I saw you on stage talking to that beautiful woman, y'know Sarah? (ぼ、僕は君が現場であのきれいな女性、ほら、サラって子と、話してるのを見たんだ。)
ジョーイ: Yeah? (そうだけど?)
ウェイン: I wish I could talk to her. (僕も彼女と話せたらいいのに、と思って。)
ジョーイ: What, are you in love with her or something? (何だよ、彼女が好き[彼女に惚れてる]とか、そんなのなのか?)
ウェイン: Yeah. Her. All of them. Anyone. (そうなんだ。彼女が(好きなんだ)[彼女に(惚れてるんだ)]。全員が。誰もが(彼女に夢中なんだ)。)
チャンドラー: Yeah. I've been there, my friend. (ああ、俺にもそういう経験ある、友よ。)
ウェイン: Listen, I-I guarantee you keep your job if you can teach me how to talk to women like you do. (ねぇ、僕は君が仕事をキープできるように保証する、もし君みたいに女性に話しかける方法を君が僕に教えてくれたら。)
ジョーイ: Oh wow Wayne, it's not really something you can teach, y'know? It's pretty much something you're born with if you-- (Off Chandler's look) -You-you can teach it! I'll show you right how to do it. (あぁ、ウェイン。そういうのは、あんまり、人が教えられるようなことじゃないんだよな、だろ? そういうのは、だいたい、生まれつき持ってるもので、もし… [チャンドラーの視線から目をそらして] (もちろん)教えられるよ! 俺が君にまさにその方法を教えてやるよ。)

自分をクビにした張本人ウェインが訪ねてきたので、ジョーイは不機嫌そうな顔で応対しています。
ウェインは、「君が僕を助けてくれるなら、君の仕事を取り戻してあげる」と申し出ています。
ジョーイは不満そうな顔のままで、「なぜ、俺が君を助けないといけないんだ?」と言っていますね。
それを聞いたチャンドラーが、The reason he just said. と言っていますが、これは、「ウェインがたった今言った、その理由」という感覚。
「なぜ、ジョーイがウェインを助けないといけないかの理由は、今、ウェインが言ったろ?」ということです。
ウェインの話によると、「ウェインを助けたら、クビになったマック役が戻ってくる」、だから、ジョーイはウェインを助けるべき、助けないといけないんだ、ということですね。

自分を不幸に突き落とした相手が頼みごとをしてきた場合に、「何で(お前にひどいことをされた)この俺がお前を助けなきゃいけないんだ?!」みたいに言うのはよくあるパターンなので、ジョーイは深く考えることなく、反射的に、Why should I help you out?! と言ったのでしょう。
ウェインの申し出が、ジョーイにとって、とてもありがたい話だったことに言われた瞬間は気付かなかったということで、他のフレンズに比べて何かに気づくのがワンテンポ遅れるジョーイらしいシーンだな、と思います。

「今、ウェインが理由を言ってたじゃないか」と言われて、さすがにその意味に気づいたジョーイは、嬉しそうにニコーッと満面の笑みを浮かべて、「で、望みはなんだ?」みたいに聞いています。
ウェインは、口下手な感じで言いにくそうに、「君が撮影現場であのきれいな女性、ほら、サラって女性と話してるのを見たんだ」と説明します。

I wish I could talk to her. は典型的な「仮定法過去」ですね。
「彼女と話せたら、彼女に話しかけられたらいいのに(実際にはできない)」という感覚です。
ウェインは見るからに、女性と話すのが得意そうではない男性なので、「そうできたらいいんだけど、僕にはそんなことできないんだよなぁ」という意味で「現実とは反対の仮定」である「仮定法過去」を使っているのですね。
それを聞いてジョーイは、「彼女に惚れてるとか、そんなのなのか?」と尋ねます。

次のウェインの返事、Yeah. Her. All of them. Anyone. について。

Her は、I'm in love with her. ということですね。
恋愛下手な感じのウェインですから、自分で be in love with というフレーズを言うのもためらわれて、ただ、with の後に続く her だけを繰り返すのが精一杯だった、という感じでしょうか。

その次の、All of them. ですが、all という言葉があることから、「彼女の全て(が好き)」ということかと一瞬思ったのですが、それだと、All of her. になりそうですよね。
例えば、like という言葉を使って、「彼女の全てが好き」と言いたい場合には、I like all of her. とか、I like everything about her. のように表現する気がします。
ここでは、her ではなくて、them が使われているので、これは、撮影現場にいる男性スタッフのみんながサラに惚れている、みたいな意味の主語(主格)かな、と私は思いました。
次の anyone は「誰でも、誰もが」という意味ですよね。
つまり、「撮影現場の男性はみんな、誰もが、サラに惚れている」というのが、Her. All of them. Anyone. の意味ではないかと私は考えたということです。
「彼女に」(目的格)、「全員が」(主格)、「誰もが」(主格)ということだろうと。
自分がサラを好き、というだけではなくて、他のみんなもサラに憧れてるんだよ、と言いたいセリフだと私は解釈しました。

(2012.7.6 追記)
ウェインのセリフ、"Yeah. Her. All of them. Anyone." について、下のコメント欄でご意見をいただきました。
私は最初に投稿した記事で、
「彼女に(惚れてるんだ)。全員が。誰もが(彼女に夢中なんだ)」のように、
「彼女に」(目的格)、「全員が」(主格)、「誰もが」(主格)
と解釈したのですが、これは、コメント欄でご指摘いただいたように、
「彼女に(憧れている)。(というか)女性全般に、女性なら誰にでも(憧れている)」のような、
Her. All of them. Anyone. の3つ全てが、I'm in love with... に続く「目的格」であると解釈した方が自然だと思いました。
下のコメント欄に訂正と追加説明がありますので、詳しくはそちらをご覧下さい。
(追記はここまで)

ウェインの想いを聞いて、チャンドラーは、Yeah. I've been there, my friend. と言っていますね。
I've been there. は、「俺もそこにいたことがある」という感覚から、「俺にも経験ある」ということ。
「みんなが憧れるマドンナに、熱烈に恋しちゃうってこと、俺にも経験あるよ」みたいに言っているようです。
「お前の気持ち、よーくわかるぞっ」という気持ちから、my friend とも言っているわけですね。

guarantee は「保証する、請け合う」。
ジョーイがその仕事(主役マックの仕事)をキープするのを保証する、と言って、もし君みたいに女性に話しかける方法を君が教えてくれるなら、とウェインは条件をつけています。
ここで、ウェインの「僕を助けて欲しい」の内容がわかったわけですね。
「全員がサラに憧れているんだ」と言っていた(らしい)ことからも、「みんなが憧れているが簡単には手を出せない、そのサラに、ジョーイが簡単に声をかけて話していたこと」に感銘を受けたことがわかりますね。
「その極意を師匠に教えてもらいたい」というような気持ちで、気まずいのを承知でやって来たのでしょう。

「話しかけ方を教えてくれたら、君にマック役を戻す」とのせっかくのオファーなのに、ジョーイはいかにもプレイボーイ的な返答をしています。
it's not really something you can teach は、「それ(女性に話しかける方法)は、教えられるようなものじゃない」という感覚。
このセリフの you は、ジョーイが話している相手の「あなた、君」であるウェインのことではなく、「一般の人」を表す you 、もしくは、ジョーイ自身のこと(I=私)を語っている感覚になります。
ジョーイに言わせると、「女性への声のかけ方、ナンパのしかた」なんてものは、人が(誰かに)教えられるようなものじゃないんだよ、ということですね。
それはつまり、「俺がそれを君に教えることなんかできない」と言っていることにもなるわけです。
そういうコツは、俺を含めて、どんな人でも、他人に教えることなんかできる類のものじゃないんだ、みたいなことになります。
次の、It's pretty much something you're born with も、「そういうのは、だいたい、人が持って生まれてくるようなものだ」というニュアンスになります。
「女性に話しかけるコツなんてものは、人が教えられるもんじゃなくて、持って生まれた才能なんだよなぁ…」と言いたいわけですね。

そう言いながら、チャンドラーが同意してくれるのを期待して、後ろを振り向いたジョーイですが、チャンドラーが「せっかくのチャンスを無駄にする気か?」みたいな顔をしているのに気づいて、急に気が変わった風に、慌てて、You-you can teach it! I'll show you right how to do it. と言い直すのが面白いです。

この you も「(自分を含めた)一般の人」を表すニュアンスですね。
「そんなの教えられない」と言ったけど、いやいや、やっぱり、「人はそういうことを教えることができるよ」と言い直して、俺がそのやり方を教えてやるよ!と申し出ている感覚になります。

このウェインとジョーイのやり取りで、
ウェイン: if you can teach me...
ジョーイ: it's not really something you can teach...
ジョーイ: you can teach it! I'll show you...
の you に注目していると、最初のウェインのセリフの you 以外は、「あなた」という意味で使われていないことは明白ですね。
ウェインが「君(ジョーイ)が教えてくれるなら」と言っているのに、ジョーイが「君(ウェイン)が教えることができる」と言うのは、話の流れとして明らかにおかしいからです。
こういう部分は、ただ、音だけでセリフを聞いていると、何となく話の流れがつかめてしまって気づけない部分でもあるでしょう。
字幕などで文字として確認することで、ウェインが you can teach と言ったのに、ジョーイも、you can teach と同じ you を使っていることに気づけるわけです。
これまでのフレンズにも、こういう you は何度も出てきましたので、いったんそれを学んだ方は、「あぁ、またあの you ね」と瞬時に納得できて、こういう you の経験がさらに積み重なり、知識がさらに確実なものになって行きます。
そのように「経験から学んで行く」ためにも、やはり学びの段階のどこかで、「こういう you が存在する」ことをあらかじめ知識として頭に入れておく必要がある、ということになるでしょうね。


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posted by Rach at 16:32| Comment(4) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月02日

インコースは有利な立場 フレンズ6-21その4

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ジョーイを捜して、彼の部屋にやってきたロスは、その部屋のカウチで抱き合ってキスしている、レイチェルとポール(ロスの彼女エリザベスの父)を発見します。
一人動揺するロスは、見て見ぬふりをするのですが、レイチェルとポールはまったく気にしていない様子。
「また電話するよ」と言ってポールが立ち去った後、
ロス: What-what-what the−how da-how did-what the-how did-what?! (何、何が、どうして、どうして…何が!?)
レイチェル: Well, y'know, he lost his keys. So he was looking for them.... (ほら、ポールは鍵をなくしたの。それで彼は鍵を捜していて…)
ロス: (incredulous) In your mouth?! ([懐疑的な様子で] 君の口の中で(捜していたのか)?)
レイチェル: No! Downstairs! And we got to talking y'know, for like two hours, and I really liked him. So I invited him up here for a cup of coffee. (いいえ! 下の階でよ! そして私たちは話し始めたの、2時間くらい(話したわ)。それで私はすごく彼を気に入ったの。だから、コーヒーでも、って彼をここに誘ったのよ。)
ロス: You were at the coffee house! (君(たち)はコーヒーハウスにいたのに!)
レイチェル: Ross, what's the big deal? So I kissed the guy! (ロス、何がそんなに大ごとなの? 私は彼にキスしただけよ。)
ロス: He is my girlfriend's father, okay? It's-it's, it's weird! (ポールは僕の彼女の父親だぞ、いいか? それって、それって変だよ!)
レイチェル: Wh−You dated my sister! (何、あなたは私の妹とデートしたでしょ!)
ロス: That was different! (あれは(今回のこととは)違ってたよ。)
レイチェル: What? Why?! (何が? どうして?!)
ロス: This is weird for me! (今回のことは、僕にとって変なんだ!)
レイチェル: Ross, look, look. This is good for you. Okay? Let's face it. So far the guy's not lovin' ya! But I can turn that around! I got the inside track. We can all go out to dinner, y'know? And I can talk you up! Plus the guy is a very, very successful lawyer! (ロス、ねえ。これはあなたにとって良いことなのよ、でしょ? 現実を見て。これまでのところ、その男性(ポール)はあなたのことを愛してない! でも私がそれを逆転させることができるのよ! 私は有利な立場にいるわ。私たち(4人)全員で夕食に行きましょうよ。そしてあなたを良いように話すこともできるわ! プラス、あの人はとってもとっても成功した弁護士なのよ!)
ロス: How is that important? (それがどんな風に重要なんだよ?)
レイチェル: Oh, it's important! (あぁ、(ほんとに)重要なのよ!)

レイチェルがポールとキスする現場を見てしまい、動揺しているロスは、what, how を連発して、文章にならない言葉を発しています。
レイチェルは落ち着いた様子で、「彼が鍵をなくして、彼はその鍵を捜していたの…」と冷静に状況を説明しています。
鍵はたいてい、2個以上の鍵をキーホルダーにつけた形で持ち歩くことが多いので、そういうものを指す場合には、当然、keys と複数形になります。
レイチェルのセリフでも、keys が使われており、代名詞も them と複数形になっていることに注意しておきましょう。

「ポールは鍵を捜していたの」というレイチェルのセリフに、ロスは懐疑的な様子で、"In your mouth?" と叫んでいます。
「鍵を捜してた、って言うけど、ポールは君の口の中で鍵を捜してたのか?」という意味ですね。
ロスは二人がキスしている現場を見てしまったので、「鍵を捜すことがどうしてキスに繋がるんだ? 口の中に鍵があってそれを捜してたとでも言うつもりか?」と言いたいわけです。

レイチェルは軽く否定して、鍵を捜してたのは下の階での話よ、と言った後、2時間ほど話したとも言っています。
get to talking は「話し始める」というニュアンス。
通常、get to do something という get to+動詞の原形の形で、「〜するようになる」「〜できるようになる、〜するチャンスを得る」という意味で使われますが、今回の get to doing は「〜し始める」という感覚になります。

Macmillan Dictionary では、
get to doing something : to start doing something
例) He got to thinking that it was all his fault.

つまり、「何かをし始めること」。例文は、「すべて自分のせいだったと彼は思い始めた」。

彼と話し始めて、結局2時間くらい話して、私は彼がとても好きになった、とレイチェルは言います。
それで彼にコーヒーでも、ってここに誘ったのよ、と説明しています。

You were at the coffee house! の you は、君(レイチェル)、もしくは君たち(レイチェルとポールの二人)のどちらともとれますが、「君たち二人は」とした方がこの場合はふさわしいように思います。
彼をコーヒーに誘ったって言うけど、君らはその時、まさにコーヒーを出すコーヒーハウスにいたんだろ?と言っているわけですね。
コーヒーハウスにいたくせに、どうしてわざわざ自分の部屋まで上がってくる必要があるんだよ、と言いたいわけです。

ロスが一人で大騒ぎしているので、レイチェルは、「何がそんなに大ごとなの?」とあきれた様子で言っています。
お茶に誘って、キスしただけなのに、という感じですね。
それでもロスは、「ポールは僕の彼女の父親だ。それって変だよ、妙だよ」と言っています。
それに対してレイチェルも、「あなただって、私の妹とデートしたくせに」と返します。
That was different! は「それは・あれは、今回のこの話とは違う、違ってた」という感覚。
それとこれとは別だよ、という気持ちです。
「何が違うのよ?」みたいに問うレイチェルに、ロスは、This is weird for me! と言っています。
つまり、「今回の件は僕にとって weird なんだ、その点が前回とは違う」ということ。
お互い、複雑な関係の人とデートをしたわけだけど、前回は君にとっては奇妙で居心地悪かっただけで、僕にとっては「気に入った女性とデートした」という意味では、別に奇妙でも何でもなく普通のことだった、今回は僕が気持ち悪い、変な感じがする、という意味で、前回とは違うんだよ、ということですね。
他者の目から客観的に見れば、どちらも同じように「奇妙な関係」になりますが、ロスは「自分の立場から主観的に見て、今回は weird だ」と力説していることになります。
こういう自己中な発言が、いかにもロスっぽいです。

「僕の彼女の父親と付き合うなんておかしいよ!」と主張するロスに対して、レイチェルは「あなたにとってもいいことなのよ」と言って、これまでのところ、ポールはあなたのことを好いていないけれど、私がそれを逆転させるわ、とも言っています。

I got the inside track. の the inside track は「インサイド・トラック」、つまり、「(陸上競技の)トラックのインコース(内側のコース)」のこと。
このセリフの got は、I've got つまり、have got = have の意味で、have the inside track は「インコースを走る」ことから、「有利な立場にある」という意味になります。

LAAD では、
inside track : a position that gives someone an advantage over the people they are competing against
例) Another newspaper has the inside track on the story.

つまり、「競っている相手よりも有利な点を与える立場」。
例文は、「この話については、もう1つ別の新聞が有利な立場にある」。

レイチェルにしてみれば、彼は私に夢中みたいだから、私が状況を思い通りに動かせる、と言いたいようです。
全員で食事に行って、talk you up することもできる、とも言っています。
talk ... up は、「…が良いものであるように話す」というニュアンス。
日本語で言うと、「…を持ち上げるように話す」という感覚に近いでしょうか。
イメージをアップさせる方向で話す、という感じですね。

LAAD では、
talk somebody/something up [phrasal verb] : to talk about someone or something in a way that makes them seem successful, interesting, good etc. (OPP: talk down)
例) The administration has been eager to talk up the deal.

つまり、「誰かや何かが成功している、興味深い、良いなどに見えるような方法で、誰かや何かについて話すこと」。例文は、「政権はその政策を良いものであると話すことに(ずっと)意欲的だった」。

レイチェルは、Plus と言って、「さらにまだこういうこともあるわ」と言っています。
ポールはすっごく成功した弁護士なの!とレイチェルは言うのですが、ロスにはそれがどういう関係があるのかわからないので、「それが何か重要なわけ?」みたいに尋ねます。
ロスが「そんなこと、ちっとも重要じゃない。彼が成功した弁護士だろうが何だろうが、僕には関係ないことだ」と思っていることがそのセリフからわかりますが、レイチェルは、Oh, it's important! 「ええ、重要なのよ!」と答えます。
レイチェル的には、「自分が付き合っている人が、社会的地位があり、お金持ちかどうか」は非常に重要なことなので(笑)、important だと断言しているわけですね。
そういう意味ではこのセリフは、さきほどのロスの「僕にとっては変じゃない」というのと同様の自己中発言、自分の主観のみからの発言となるでしょう。
そこでちょっと思ったのですが、このセリフも、Oh, it's important for me/to me! みたいに「私にとっては重要なのよ、重要なことなのよ!」と言った方が、ロスのセリフとの対比として、今度はレイチェルが同じような自己中発言をしたことがよりはっきりして、面白いような気がするのですが、いかがでしょう??


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posted by Rach at 17:19| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月30日

落ちたものを何個も食べられない フレンズ6-21その3

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モニカ、チャンドラー、フィービーの家にジョーイが入ってきます。
モニカ: How was your first day? ((ドラマの)初日はどうだった?)
ジョーイ: Pretty great! Except I did get a little attitude from the robot. (かなり良かったよ! ロボットから、ちょっとした(無礼な)態度をもらったってこと以外はね。)
チャンドラー: Damn those robots. They're supposed to be our faithful servants! (あのロボットめ! あいつらは我々(人間)の忠実なしもべであるはずなのに!)
ジョーイ: Anyway, it wasn't the robot, it was the guy who controls him. Yeah, he doesn't like me. He had C.H.E.E.S.E. knock over the sandwich table right when I was reaching for one! Ohh! (とにかく、(問題なのは)ロボットじゃなくて、(ロボットの)彼をコントロールする男なんだ。そうさ、彼は俺のことが好きじゃないんだよ。彼は(ロボットの)チーズにサンドイッチのテーブルをひっくり返させたんだ、ちょうど俺がサンドイッチに手を伸ばそうとした時にだぜ! ああ!)
フィービー: Well, why don't you just get him fired? (ふーん、ただ彼をクビにさせたらどうなの?)
ジョーイ: I may have to. I hate to do it. But I'm the star! Y'know? There's a limit to how many sandwiches I can eat off the floor. (そうしなくちゃいけないかもしれないな。それをするのはいやだけど。でも、俺はスターだ、だろ? 何個のサンドイッチを床から食べられるかには限度があるよ。)

ジョーイが、自分が出演するドラマ「マック&チーズ」のために出掛けていたことを知っているので、モニカはジョーイが帰ると、「初日はどうだった?」と尋ねています。
How was your first day? は、初仕事の日はどうだったかを尋ねる定番表現ですね。

ジョーイは、Pretty great! 「かなりグレイトだったよ!」と答えるのですが、その後、Except を付け足して、「…ということ以外はね」と言っています。
フレンズにはこういう except の使い方がよく登場しますね。
先に全般的な感想を言っておいて、後から付け足しのように、「ただし…ということを除いてはね」と言っている感覚になります。
ジョーイのこのセリフも、Except が聞こえた時点で、「何かグレイトとは言い切れない出来事があったんだな」ということがわかるわけです。

attitude は「態度」ですから、I did get a little attitude from the robot. を直訳すると、「俺は例のロボット(=相棒役のチーズ)から、ちょっとした態度をもらった」と言っていることになります。
a little attitude と言っているだけで、それが、good なものなのか、bad なものなのかがわかりませんが、そのように bad などの形容詞がつかない形でも、「無礼な態度」というニュアンスを出すことができます。

Macmillan Dictionary では、
attitude : (informal) a proud confident way of behaving that some people consider rude
つまり、「(インフォーマル) 無礼・傲慢だと見なす人もいるような、高慢・尊大で自信に溢れたふるまい方」。

rude という言葉が使われていることからもわかるように、この語義のポイントは、「自信満々の態度で、それを無礼だと見なす人もいる」というところですね。
今回のジョーイのセリフも、「ジョーイにとっては無礼に感じられた尊大な態度」を言っていることになるでしょう。

ロボットが俺に無礼な態度を取った、という意味と呼応するように、チャンドラーも、Damn those robots. と吐き捨てるように言っています。
このような、Damn は、日本語だと「〜め!」と憎々しげに言う感覚が近いですね。

They're supposed to be our faithful servants! の be supposed to (be) は(今回のエピソードでは、何度も出てくるフレーズですが)、「〜するはずである、〜であるということになっている」という感覚。
faithful servants は「忠実なしもべ」なので、「彼らロボットは、我々人間の忠実なしもべであるはずだ」と言っていることになります。
これはもちろん、チャンドラーが本気でロボットに怒っているわけではなく、SFなどでよく使われる「ロボット工学三原則」(Three Laws of Robotics)の第二条(の前半部分)、
「ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない(A robot must obey the orders given to it by human beings)」
という原則を持ち出して、ジョークにしているわけですね。

ロボット工学三原則については、以下のウィキペディアで。

Wikipedia 日本語版: ロボット工学三原則
Wikipedia 英語版: Three Laws of Robotics

ジョーイは、そのチャンドラーのジョークを anyway と軽く流して(笑)、it wasn't the robot, it was the guy who... と言っています。
この it wasn't A, it was B の形は、「問題となっているのは、A ではなくて、B だった」という感覚。
ロボットからそういう無礼な態度をもらったけど、実際はロボットが問題なんじゃなくて、ロボットを操る男が問題なんだよ、ということです。
(ジョーイがチーズのあまりのチープさを見て、バカにしたような発言をしたので、発明者であり操縦者の彼はジョーイを嫌っているのです。)

He had C.H.E.E.S.E. knock over の had は使役動詞で、チーズに knock over させた、ということですね。
同じ使役動詞でも、let は「許可して・許して〜させる」、make は「強制的に・むりやり〜させる」というニュアンスがありますが、この have は「許可」でも「強制」でもない中立な感覚があります。
操縦者の彼がロボットを操作しているので、make でも良いようにも思いますが、このロボット自身に自我があるわけではないので、「何らかの意思に反して〜させる」というニュアンスを出す必要もないために、中立的な have を使っているのかな、と思います。

knock over は「ひっくり返す」。
right when I was reaching for... は「…に手を伸ばそうとしたまさにその時に」という感覚ですね。
日本語だと、「サンドイッチに手を伸ばそうとした時に、テーブルをひっくり返されたんだ」という語順が自然な流れになるでしょうが、英語ではこのように、時を表す副詞節は後ろに来ることも多いですね。
その英語の語順の感覚を出して訳すと、上のような訳になるわけで、日本語だと倒置にして強調したように聞こえる感覚になるでしょうか。

Why don't you just get him fired? の get him fired は「その男をクビにされた状態にする」という感覚。
fire という他動詞は「(人)をクビにする」という意味ですが、ジョーイ自身は、彼をクビにする権限を持っていないので、Why don't you just fire him? とは表現できないわけですね。
そういう権限のある人に話して、クビにさせたら?というのが、フィービーのセリフのニュアンスになります。
ジョーイは、「そうしないといけないかもしれないな。そうするのはいやだけど」と言っています。
自分のことを嫌っているし、嫌がらせもされたわけですが、彼をクビにすることには躊躇の気持ちもあるようですね。
それでも、「でも俺はスターだ、だろ?」と言って、ロボットを使っての嫌がらせに黙ってるわけにはいかない、みたいにも言っています。
「俺にもスターとしてのプライドってもんがあるんだ!」みたいな強気な発言に聞こえるのですが、その後のセリフで、「それでもスターか?!」とツッコミたくなるような発言が出てくるところが、ここのオチになっています。

そのオチの、There's a limit to how many sandwiches I can eat off the floor. について。
There's a limit to... は「…には限界・限度がある」。
何に対して限界・限度があると言っているかと言うと、how many sandwiches I can eat off the floor、つまり、「何個のサンドイッチを、床から食べることができるか」ということになります。
eat off の off は「分離」のイメージ。床にあるものを床から取って食べる、という感覚になります。
さきほど、ロボットのチーズがサンドイッチのテーブルをひっくり返した、と言っていることからも連想されるように、その時にサンドイッチが床に落ちてしまった、その床に落ちたサンドイッチを何個食べれるかにも限界があるだろ、と言っていることがわかります。

「何個食べられるかにも限界がある」と言っていることから、「何個かは食べた」ことがわかりますね。
「俺はスターなんだ、バカにされてたまるか!」みたいな流れから、「そのスターの俺が、床に落ちたサンドイッチなんか食べられるかよ!」と言うならまだしも、「床に落ちたサンドイッチを、そう何個も何個も食べられるもんじゃないだろ(今回は(いくつか)食べたけどさ)」と言っている、その「スターらしからぬ、みみっちぃ話」が、ジョーイっぽいオチになっているわけですね。
実際のところ、本当のスターであれば、スタッフが嫌がらせをしたことを怒ったとしても、「落ちたサンドイッチ」のことをそんなにしつこく話題にはしないでしょう。

フレンズ6-20その6 では、チャンドラーがジョーイを捜すために、サンドイッチを出すあらゆる店に行った、というセリフもありました。
また、フレンズ6-18 では、以下のような、床に食べ物を落とすシーンが出てきました(残念ながら、解説では飛ばしてしまった部分ですが…)。

ジョーイの家に住むようになったレイチェルが床にスパゲティを落とした時、ジョーイは「気にすんなよ。ここはジョーイん家だぜ」と言って一緒にスパゲティを落としたりしています。
ですが、面白がってたくさんのスパゲティを床に落としたレイチェルに、
ジョーイ: All right, don't waste it. I mean, its still food. (He picks it up and eats it.) (よし、(もう)無駄にしちゃだめだ。だって、それはやっぱり(まだ)食べ物なんだから。 [ジョーイは落ちたスパゲティを拾い上げ、それを食べる])

こういう過去のエピソードから、「ジョーイはサンドイッチが大好物」で「落ちたものでも食べる」ことが視聴者にはわかっているので、「床に落ちたサンドイッチを食べる話」をするジョーイのセリフが、余計に面白く感じられるわけです。
シリーズ物ならではの「お約束」ジョークだということですね。


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posted by Rach at 10:18| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月28日

なぜ自分の年頃の彼女を選ばない フレンズ6-21その2

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ロスは今、自分が教えている大学の学生エリザベスと付き合っているのですが、そのエリザベスのパパがロスに会うため、セントラルパークにやって来ます。
エリザベス: This is my father, Paul Stevens. Dad, this is Ross Geller. (これが私の父、ポール・スティーブンズよ。パパ、こちらが、ロス・ゲラー。)
ロス: It-it's great to meet you, Paul. (お目にかかれて光栄です、ポール。)
ポール: I usually prefer Elizabeth's boyfriends to address me as Mr. Stevens. (私は通常、エリザベスの彼氏には、私をミスター・スティーブンズと呼んでもらう方を好むんだが。)
ロス: Of course, of course, Mr. Stevens. (もちろん、もちろんです、ミスター・スティーブンズ。)
ポール: So, Ross, what's your problem? (それで、ロス、君は何が問題なんだ?)
ロス: Eh-wh−Excuse me? (えー、あの、何ですって?)
ポール: Why can't you get a girlfriend your own age? (なぜ君は自分の年頃の彼女をゲットできないんだ[持たないんだ・選ばないんだ]?)
ロス: That's funny. Umm.... (Pause, then serious) It's not funny. (それは面白いですねぇ。あー [間があって、その後、真剣になり] 面白くはありませんね。)
ポール: I don't like you going out with my daughter, Ross. (君が私の娘とデートするのは好きじゃない[嬉しくない]んだが、ロス。)
ロス: Okay. I can, I can see that. Umm, but I think if you give me umm, one chance, I can, I can change your mind. (はい、わかります。あー、でも、僕が思うに、もし僕に一度チャンスを下さったら、あなたの心を変えることができます[変えてみせます]。)
ポール: Okay. (わかった。)
ロス: What? (何ですって?)
ポール: Okay. I'll give you one chance to change my mind. (Ross laughs in relief) You got one minute. (Ross suddenly gets worried.) (わかった、私の気持ちを変えるためのチャンスを一度、君に与えるよ。[ロスは安心したように笑う] 1分やろう。)
エリザベス: Daddy! (パパ!)
ポール: Fine! Two minutes. Go. (わかったよ。2分だ。さあ始めて。)
ロス: This is-you- (Ross starts laughing.) (これは…あなたが… [ロスは笑い始める])
ポール: (laughs then checking his watch) 1 minute 50 seconds. ([笑って、それから自分の腕時計を見て] 1分50秒だ。)

今回の フレンズ6-21 の日本語タイトルが「彼女のパパはブルース・ウィリス」となっていることからもわかるように、ロスの彼女エリザベスのパパを演じているのは、「ダイ・ハード」でジョン・マクレーン刑事を演じた、あの、ブルース・ウィリスです。
ブルース・ウィリスは、最近も「ダイハツ ミライース」のCMに出演したりして、見かける機会がますます増えましたね。

彼のような大物俳優のゲスト出演はフレンズではよくあることですが、今回のゲスト出演は、映画「隣のヒットマン」(原題: The Whole Nine Yards)で、チャンドラー役のマシュー・ペリーと共演したことがきっかけとなったようです。

IMDb : The Whole Nine Yards : Trivia
には以下のような情報が書いてあります。

As a result of a bet lost on the set, Bruce Willis agreed to do a guest appearance on Friends for free. He was already planning to do the guest spot, but the terms of the bet led to him giving his pay for the episode to charity.

つまり、「(映画の)撮影現場で負けた賭けの結果、ブルース・ウィリスは、無償でフレンズへのゲスト出演をすることに同意した。ブルースはすでにゲスト出演を計画していたが、賭けの条件のために、ブルースがエピソードに対する支払いをチャリティーとして差し出すことになった」。

つまり、この映画の撮影中にはすでに、ブルースがフレンズにゲスト出演する予定は決まっていたようですが、マシューとの賭けに負けたブルースが、その支払いの代わりに、フレンズに無償で出演することになった、ということのようです。
ブルースは、このフレンズへのゲスト出演で、エミー賞ゲスト男優賞コメディ部門を受賞(win an Emmy Award in the Outstanding Guest Actor category)していますが、確かに、その受賞もうなずけるようなコミカルな彼の演技は見ものです。

ブルース・ウィルスと言えばやはり「ダイ・ハード」ですが、過去記事、なかなか死なぬダイハード フレンズ4-21その2 では、ジョーイとチャンドラーが、「ダイ・ハード」のビデオを借りるぞー!と盛り上がるセリフが出てきましたし、この先のフレンズ7-6 でも、フレンズ男性陣がダイ・ハードのビデオを見るシーンが出てきます。
そんな風に「男子が大好きな映画」の代名詞ともなっている「ダイ・ハード」の主演俳優が、一般人の役として、今回さらっと登場しているのが面白いですね。
あの映画、何回も見てるのに、「マクレーン刑事に似てるなぁ」とか思わないのかよっ!とツッコミたいところです(笑)。

エリザベスは、自分の父と恋人ロスをそれぞれに紹介しています。
ロスは、「お目にかかれて光栄です」の後に、パパのファーストネーム、ポールで呼びかけていますね。
その後のポールのセリフから、娘の恋人にファーストネームで呼ばれたことに不満を持っていることがわかります。
I usually prefer は、「私は通常・通例、…の方を好む」。
何を好むかと言うと、「娘の恋人にはミスター・スティーブンズと呼んで・呼びかけてもらうこと」をより好むと言っていることになります。
このように動詞 address は、address someone as... の形で、「人を…と呼ぶ」という意味になります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
address : to use a particular title or name when speaking or writing to someone
address somebody as something
例) You should address him as "Mr. President."


つまり、「誰かに話しかけたり、文章を書いたりしている時に、ある称号・肩書きや名前を使うこと」。
例文は、「彼を「ミスター・プレジデント」と呼ぶべきだ」。

ロスは、自分がエリザベスよりかなり年上であることから、そのパパに対して「世代が少し下な程度」のような気さくな感じを出すために、そうやってファーストネームで呼びかけてみたのでしょう。
それが、パパの癇に障(さわ)ってしまったわけですね。
ロスも慌てて、Mr. Stevens と訂正しています。

ポールはいきなりロスに、「君の問題は何だ? 君は何が問題なんだ?」と尋ねています。
ロスが「え?」みたいに聞き返したように、そのポールのセリフには、「君には何か問題があるようだが、それは何かな?」→「君ってどっかおかしいんじゃないか?」のようなニュアンスが感じられます。
質問の意図がわからず口ごもるロスに、ポールは、Why can't you get a girlfriend your own age? と言います。
your own age は「君の年頃」なので、a girlfriend your own age は「君の年頃の彼女」、つまり、ロスと同年代の彼女、恋人ということになります。
「同じ年頃の彼女」と言いたい場合には、a girlfriend of your own age のように、of が必要な気がするのですが、of なしの形でも使えるようですね。

研究社 新英和中辞典には、以下のように出ています。

age 【名詞】
[叙述形容詞的に用いて] …の年齢で[の] (注:of one's age の of を略した形)
He's just my age. 彼は私と同じ年です。
when I was your age 私が君の年齢のときに(は)
a girl your age 君の年ごろの少女


用例の、a girl your age 「君の年ごろの少女」がまさに、ロスのセリフの a girlfriend your own age と同じ感覚で、「君の年ごろの彼女」という意味になるわけです。
過去記事、レイア姫の金のビキニの話 フレンズ3-1その8 では、
フィービー: Yeah, oh, Princess Leia and the gold bikini? Every guy our age loved that. (えぇ、レイア姫と金のビキニでしょ? 同世代の男はみんなあれが大好きだったのよ。)
というセリフもありました。
これも、every guy our age 「同世代の[同い年の]男性はすべて」ということですね。

若すぎる女の子を彼女にしていることをポールに指摘されて、ロスは「その冗談、面白いですね」のように、笑い話で流そうとするのですが、父ポールの顔が真剣なので「いえ、それは笑いごとではありませんね」のようにロスも真顔になっています。

「君が娘と付き合う・デートするのは嬉しくない」とはっきり言われたので、ロスは「僕にチャンスを下されば、あなたの心を変えてみせます」と宣言します。
Okay. とあっさりそれを受け入れたポールに拍子抜けしたようなロスでしたが、ポールは「チャンスをやろう」と言って、You got one minute. と言います。
ネットスクリプトでは、You got one minute. 字幕では、You've got one minutes. と書いてありますが、この got/have got は、have の意味ですね。
「君は1分持っている、君には(時間が)1分ある」→「君に1分間の時間をやろう」と言っていることになります。
娘のエリザベスが「そんなのひどいわ!」と言わんばかりに、Daddy! と叫んだので、ポールは、「わかった。(じゃあ)2分だ。Go. 」と言います。
チャンスをくれると言っても、1分や2分でどうしろっていうんだ、というところですが、Go. と言いながら、「さあ、始めて」みたいに、ロスに「どうぞ」のような指差しサインを出すのが何ともコミカルです。
ロスが、にやけながら口ごもっていると、ポールはちらっと腕時計を見て、「1分50秒」と言っています。
君が何もできないで無言でいる間に、もう10秒過ぎちゃったぞ、と言っているわけです。
ロスを受け入れるつもりが全くないのがその様子からもよくわかりますね。


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posted by Rach at 16:45| Comment(6) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月25日

ぜひ知りたいと言うのなら フレンズ6-21その1

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シーズン6 第21話
The One Where Ross Meets Elizabeth's Dad (彼女のパパはブルース・ウィリス)
原題は「ロスがエリザベスのパパに会う話」


[Scene: Central Perk, time lapse. Phoebe is now looking at the covers of two different books.]
セントラルパーク。(オープニングシーンから)時間が経過している。フィービーは今、2つの違う本の表紙を見ているところ。
チャンドラー: Are you judging them by their covers? Because you're really not supposed to do that. (表紙で本を判断してるの? だって、ほんとうにそんなことはしちゃいけないことになってるだろ。)
フィービー: No, I'm just deciding which one to use. I'm gonna start writing another book! (いいえ、ただどっちを使おうか決めてるところなの。私、別の本を書き始めようとしてるのよ。)
レイチェル: Be-because the last one was such a big seller? (最新の本がすごく売れたから?)
フィービー: Well, if you must know, I have written 14 books. And as I am the only one who has read them, I can tell you that they all have been very well received. (そうねぇ、是非知りたいと言うなら(教えてあげるけど)、私はこれまでに14冊の本を書いたのよ。そして私はそれらの本を読んだ唯一の人間だから、私はあなたたちにこう言えるのよ、その本は全部、好意的に受け止められたって。)

チャンドラーは Are you judging them by their covers? とフィービーに言っています。
cover は本の表紙のことですね。
この「表紙で本を判断する」というフレーズは慣用句になります。
外側の表紙だけを見て、中身を判断する、ということですから、「ものを見かけや外見だけで判断する」という意味になるのですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
don't judge a book by its cover : used to say that you should not form an opinion based only on the way someone or something looks
つまり、don't judge a book by its cover は、「誰かや何かがそう見える様子だけに基づいて、意見を形成すべきではないと言う時に用いられる」。

つまり、「人やものを見かけで判断しちゃいけないよ」と言う時のフレーズが、Don't judge a book by its cover. なのですね。
フィービーが、2つの本の表紙を見比べているので、「(慣用句にあるように、文字通り)君は表紙で本の中身を判断しようとしてるのか?」と言っていることになります。

Because you're really not supposed to do that. の Because は「なぜなら…だから」で、「どうして俺が”表紙で本を判断してるの?”と言ったかというと、以下の理由からだ」みたいな感覚。

be supposed to do は「〜することになっている」で、それを否定文にした be not supposed to do は「〜してはいけないことになっている」になります。
not の前に really がついて、not を強調しているので、「本当にそんなことはしてはいけないことになっている」という感覚になるのですね。
「本当にそんなことしちゃいけないんだよ」というのは、慣用句でそういう表現があるけど、ただの慣用句じゃなくて、実際、ほんとにそんなことしちゃだめなんだ、表紙で本の中身は判断できないんだよ、と言っているわけですね。

フィービーは No と否定した後、「私はただ、どっちの方を使おうか決めようとしているだけ」だと言っています。
その後、another book を書き始めるつもりなの、とも言っていますね。
another 「もう1つの」と言ったことから、それが初めての本ではなく、過去にも本を書いたかのような口振り(くちぶり)なので、レイチェルは「なぜなら、最新の本が、とってもビッグセラーだったから?」のように聞き返しています。
seller は「よく売れるもの」ですから、such a big seller は「とてもよく売れたもの」になります。
「どうして次の本を書こうとしてるかって言うと、それは、前の本がバカ売れしたからかしら?」みたいな聞き方をしているわけですね。
そこには「フィービーが書いた本が売れたって話は聞かないし、そもそも、フィービーが本を書いたってことすら知らないんだけど」みたいに、からかいの気持ちで言っているのがわかります。

そういうレイチェルの意図を察したらしいフィービーは、Well, if you must know, I have written 14 books. と言っています。
直訳すると、「そうねぇ、もしあなたが知らなければいけないのなら、私は(これまでに)14冊の本を書いたのよ」ということになるでしょう。
この if you must know というフレーズは、研究社 新英和中辞典では、以下のように説明されています。
must=[主張を表わして] ぜひ…ねばならない (注:must が通例強く発音される)
例) Talk to him yourself if you must. 「ぜひにというなら自分で彼と話してみるんだな」


つまり、「どうしても君が…しなければならないと言うのなら」という感覚ですね。

このフレーズについては、英英辞典の説明は以下のようになっています。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
if you must (do something) : used to tell someone that they are allowed to do something, but that you do not approve or agree with it
例1) All right, come with us, if you must.
例2) "Who was that girl?" "Well, if you must know, her name is Mabel."


つまり、「ある人がそれをすることを許されているが、自分はそのことを承認したり同意したりしていないことをその人に言う時に用いられる」。
例文1は、「わかったよ、俺たちと一緒に来いよ、君がぜひにと言うなら」。
例文2は、「あの女の子は誰だったの?」「うーん、君がぜひ知りたいと言うのなら、彼女の名前はマーベルだ」。

Macmillan Dictionary では、
if you must know : (spoken) used for answering someone in an annoyed way
例) He's not my boyfriend any more, if you must know.


つまり、「いらいらした様子で誰かに答えるのに用いられる」。
例文は、「彼はもう私の恋人(彼氏)じゃないわ、ぜひ知りたいって言うんなら(教えるけど)」。

if you must という形以外だと、if you must know のように know と一緒に使われるパターンが多いことが、ロングマン、マクミランを見てもわかります。
ロングマンもマクミランも、「君がぜひとも、どうしても知りたいって言うんなら、教えてあげないこともないけど(自分としては率先して進んで教えたいわけではない)」というようなニュアンスが感じられますね。

フィービーのセリフも、レイチェルがからかったようにそう言ったことに対して、「私の本のことをどうしても知りたいって言うんなら、(渋々ながら)教えてあげるけど」というようなニュアンスが感じられる気がします。
「本なんか書いてるの?」って言いたいようだけど、実際にちゃんと本を14冊も書いたんですからね、みたいなことですね。

as I am the only one who... の as は「理由を表す接続詞」。
because ほどの明白な理由のニュアンスを出さずに、軽く理由を述べたい時に使われる接続詞です。
as は「〜として」という前置詞としても用いられますが、その場合は後ろに名詞が続きますね。
「その14冊の本を読んだ唯一の人間として」と言いたいのであれば、as the only one who... のようになるでしょう。
フィービーのセリフは、「私がその14冊の本を読んだ唯一の人間だから、あなたたちに(that 以下のこと)を言うことができる」という構造になります。

have been received は、現在完了形+受動態の形。
直訳すると、「受け取られてきた」ということですね。
very well に受け取られた、ということですから、「よく・好意的に受け止められた」というような「評判が良かった」という意味になるでしょう。

LAAD では、
receive : REACTION TO SOMETHING [usually passive] to react in a particular way to a suggestion, idea, performance etc.
例) Hawke's first novel was well received by many critics.


つまり、「提案、考え、業績などに対してある様子で反応すること」。
例文は、「ホークの最初の小説は、多くの批評家に好意的に受け止められた」。
usually passive 「たいていは受動態で」とあるように、be well received の形で用いられることが多いようです。
ロングマンの例文とフィービーのセリフには非常に似たニュアンスがありますので、このような形で使われるのが一般的だということがよくわかりますね。


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posted by Rach at 19:20| Comment(4) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月22日

面白いってことになってるのか? フレンズ6-20その6

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[Scene: Joey and Rachel's apartment, Joey is entering to find Chandler waiting patiently for him.]
ジョーイとレイチェルの部屋。ジョーイが入ってきて、チャンドラーが辛抱強くジョーイを待っているのを見る。
ジョーイ: Hey! (やあ!)
チャンドラー: Please tell me you got the message! (お願いだから、メッセージを受け取ったって言ってくれ!)
ジョーイ: What message? (何のメッセージ?)
チャンドラー: The actor playing Mac couldn't do it. They needed to see you at 2 o'clock. (マックを演じる予定の例の俳優はダメだったんだ。(オーディション)関係者はお前に2時に会う必要があったんだ[会いたいと言ってたんだ]。)
ジョーイ: What?! It's 6 o'clock! (何だって? (今は)6時だぞ!)
チャンドラー: Du-du-I wrote it, I wrote it on the board! I wrote it on the board, then I went all over New York City looking for ya! I went to Ross's! I went to the coffee house! I went to any place that they make sandwiches! (ほら、ほら、俺はそれを書いたぞ、そのことをボードに書いたんだ! ボードに書いて、それからお前を捜してニューヨーク中あちこち行ったんだぞ! ロスの家にも行った! コーヒーハウスも行った! サンドイッチを作っているあらゆる場所にも行ったんだ!)
ジョーイ: I can't believe this, Chandler! (こんなの信じられないよ、チャンドラー!)
チャンドラー: Sorry! I-I-I don't know what to say. (ごめんよ! 何て言えばいいかわからないよ。)
ジョーイ: Well, you-you-you-you might say congratulations! I saw the board, I went to the audition, I got the part! (じゃあ、お前はこう言えばいいんじゃないか、おめでとう!って。 俺はボードを見た! オーディションに行った! 役をゲットしたんだ!)
チャンドラー: (angrily) Is that supposed to be funny? I was really worried over here! ([怒って] それは面白いってことになってるのか? 俺はほんとにここで心配してたのに。)

ジョーイが部屋に戻ってきたのを見て、チャンドラーは「お願いだから、どうかメッセージを見たって言ってくれよ!」と言っています。
オーディションの時間が変更になったことを、お絵かきボードに書いたチャンドラーでしたが、それをジョーイが見たのかどうか不安でしょうがない、だから「頼むから、メッセージを見た・受け取ったって言ってくれ!」と言っているのですね。
日本語でも「なぁ、頼むからこれは嘘だと言ってくれよ」みたいな、Please tell me... と同じニュアンスが存在しますよね。
自分が願っていることを、相手の口からはっきり聞くことで確認したい、というような感覚です。

「ああ、もちろん見たよ、ありがとな」と言ってくれるかと思ったら、ジョーイは「何のメッセージ?」と返しています。
焦ったチャンドラーは、マック役の俳優がダメになったこと、オーディションが2時になったことを説明しています。
The actor playing Mac couldn't do it. の playing Mac は「マック役を演じる(予定の)」その俳優、のように、後ろから the actor を修飾しています。
couldn't do it は「それをすることができなかった」ということですから、マック役を演じるということができなかった、ということですね。
They needed to see you の they は、ドラマ製作者などのオーディション関係者を指しています。

2時という時刻を聞いて、ジョーイは「何だって? (今は)6時だぞ!」と言っています。
その言葉から、ジョーイは2時にあるはずのオーディションのことを知らなかったことがわかりますね。
パニクっているチャンドラーは、「俺はそれをボードに書いたんだ!」と主張しています。
it は、「オーディションが2時にある」という内容のメッセージを指しています。
最初に Du-du- と書いてありますが、これはDVD英語字幕では、Look! と表記されています。
「ほら、見てみろよ、俺はちゃんとボードにメッセージを書いたんだぞ!」という意味で、Look! と言いたかったのが、声にならなくて、ドゥ、ドゥ…みたいな音になってしまった感じです。

「俺はメッセージをボードに書いて、それから…」と、その後にした自分の行動を説明するチャンドラー。
I went all over New York City looking for ya! の all over は「あちこち、至るところ、そこらじゅう」という感覚。
お前を捜して、ニューヨーク中をくまなく歩き回ったんだ、というニュアンスになります。
Ross's は、Ross's place 、すなわち、「ロスのところ、ロスの家」。
the coffee house は、the で特定されていますので、いつもみんながたむろしている「セントラル・パーク」を指すでしょう。

I went to any place that they make sandwiches. について。
I went to any place は「どんな場所にも行った」という感覚。
that 以下で場所の内容を詳しく説明しています。
they make sandwiches は「人がサンドイッチを作る」ですから、つまりは、「サンドイッチを作るところ、サンドイッチをメニューとして出している、どんな店にも行った」と言っていることになります。
ジョーイはピザも好きですが、サンドイッチも大好きなんですよね。
だから、「ジョーイがいそうな場所と言えば、サンドイッチを出す店だ!」と思ったチャンドラーが、サンドイッチのある店をくまなく捜したと言っていることになるわけです。
「NY中を捜し回った」の後に、1.ロスの家、2.コーヒーハウス、3.サンドイッチを出すあらゆる店、みたいに言っているのが、3段オチっぽくて面白いなと思いました。
「サンドイッチあるところに、ジョーイあり」みたいに言っているわけですね。

俺は必死になってお前を捜したんだ、と言うのですが、ジョーイはまだむっとした顔で「こんなの信じられないよ」と言っています。
I don't know what to say. は文字通り、「何を言うべきかわからない」ですが、これは嬉しくて感激して感謝の言葉もない場合にも使いますし、今回のように何と言って謝ればいいのかわからない、謝っても謝りきれない場合にも使います。

「何て言ったらいいかわからない」というチャンドラーに、ジョーイは、you might say... と言って、言うべき言葉を自ら教えています。
congratulations 以下のセリフで、怒っていたように見えていたジョーイでしたが、実はちゃんとメッセージを受け取っていたことがわかる仕組みになっています。
I saw the board! 以下の3つの文は、間を置かずに連続する感じになっていて、「ボードを見た! オーディションに行った! 役をゲットした!」とリズミカルな発言になっています。
それまで嘘をついていたジョーイでしたが、ここで一気にネタばらし!という感じですね。

その嬉しいニュースを聞いて、一緒に喜ぶはずのチャンドラーが、今度は逆にすねてしまっています。
is supposed to (be) は「…(である)ことになっている、〜(である)はずである」なので、Is that supposed to be funny? は、「それ(今のジョーイの発言)は、面白いってことになってるの? 面白いはずなの?」みたいな感覚になります。
俺はここで、こっちで、すごく心配してたのに、とも言っていますね。
「俺、怒ってるみたいに見えてただろうけど、実は役をゲットできちゃったんだよ〜ん」みたいにジョーイがおちゃらけて言ったのを、「それって面白い冗談のつもりか? 俺にそれで笑えってか?」みたいに返したわけです。
俺はジョーイと連絡がつかないから、あちこち探し回って、すっごく心配してたのに、全く笑いごとじゃないよ!と怒っているのですね。

フレンズ5-8その1 でも、七面鳥をマスクのように頭にかぶったジョーイを見て、
モニカ: What, what are you doing? Is this supposed to be funny? (何、何をやってるの? これは面白いつもりなの?)
というセリフがありました。
ここは笑うべきところ? フレンズ3-14その10 では、
ロス: Is that funny? Am I supposed to be laughing? (それって面白いの? 僕は(今ここで)笑うことになってるの?[ここは僕が笑うべきところ?])
というセリフもありましたが、"Is that supposed to be funny?" と、"Is that funny? Am I supposed to be laughing?" には非常によく似たニュアンスがありますね。
それらと同様に、今回も、「面白い冗談か何かのつもり?」というニュアンスで、「君は面白がって言ってるんだろうけど、こちらとしては全然笑えないね」という気持ちをよく表していると思います。


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posted by Rach at 18:36| Comment(4) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月20日

伝言メモで省略される単語 フレンズ6-20その5

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[Scene: Joey and Rachel's apartment, Chandler is entering with a peace offering of a Joey Special, two pizzas.]
ジョーイとレイチェルの部屋。チャンドラーは仲直りの贈り物である「ジョーイ・スペシャル」、すなわち2つのピザを持って部屋に入ってくる。
チャンドラー: Joey? Got you the Joey special! Two pizzas! Joe? (The phone rings and he answers it) (On phone) Hello? (Takes the phone away from his mouth when he realizes what he just did and yells.) Damnit! (Back on phone.) Hello? (Listens.) No, Joey's not here right now, but I can take a message. I think. (Listens) He's still got a chance for the part?! Oh, that's great news! (Listens) Well, no, obviously not for the actor who was mauled by his dog. (Listens) Oh well, that's great. I will give Joey the message. Thank you! (Hangs up and goes to write the message on the Magna-Doodle.) Yes! (Reading what he's writing) Okay. Mac audition at 2:00. Allergy actor attacked. (Pause) By dog not flowers. (ジョーイ? お前にジョーイ・スペシャルを買ってきたぞ! 2枚のピザだ! ジョーイ? [電話が鳴って、チャンドラーはそれに出る] [電話で] もしもし! [自分が今したことに気づいて、電話を口から離して叫ぶ] くそっ! [電話に戻って] もしもし? [電話を聞いて] いいえ、ジョーイは今はここにいませんが、私がメッセージを受け取れます…と思います。 [電話を聞いて] 彼にまだ役のチャンスがあるんですか? あぁ、それは素晴らしいニュースだ! [聞いて] うーん、いいえ、明らかに、自分の犬に怪我させられた俳優にとっては、素晴らしいニュースじゃないですけどね。[聞いて] ああ、それは素晴らしい。ジョーイにそのメッセージを伝えます。ありがとう! [電話を切って、マグナ・ドゥードル(磁気お絵かきボード)にメッセージを書きに行く] よし! [自分が書いているものを読みながら] よし。マックのオーディションは2時。アレルギー俳優、襲われる。[間を置いて] 犬に、花じゃなくて。)

チャンドラーが嬉しそうな顔で、ピザを2枚持って部屋に入ってきます。
Got you the Joey special! は、主語の I が省略されていますが、「俺はお前に(お前のために)ジョーイ・スペシャルをゲットしてきた、買ってきた」というニュアンス。
ト書きでも、チャンドラーのセリフでも言及されているように、the Joey special とは、two pizzas 「ピザ2枚」のことなんですね。
「ジョーイ・スペシャル」という名前なので、ジョーイの好きなトッピングがいっぱい入っているのか?と思いきや、ただ「ピザ2枚」をそう呼んでいるところに笑ってしまいます。
ジョーイは大食漢でピザが大好きですから、「ピザ2枚」が「ジョーイ仕様」なわけですね。

最初のト書きでは、peace offering という言葉が使われています。文字通り、peace 「平和、和平」を offer するということで、「和平・和解の贈り物」という意味になります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
peace offering [noun, countable] : something you give to someone to show them that you are sorry and want to be friendly, after you have annoyed or upset them
例) Mike brought in some doughnuts - I think they were a sort of peace offering.

つまり、「自分が人を困らせたり、怒らせたりした後で、自分が申し訳ないと思っている、または友好的になりたいとと思っていることを相手に示すために、その人に渡す何か」。
例文は、「マイクはドーナツを持ってきた。それは一種の和解の贈り物だと思う」。

にこにこしながらピザ2枚を持って入ってきたのは、これでも食べて仲直りしようよ、という気持ちだということですね。
ジョーイの名前を呼ぶも返事はなく、その時、電話がなります。
反射的に電話を取ってしまったチャンドラー。
前にもこうやって電話を取ってしまい、その伝言をし忘れたことで、ジョーイはいまだに怒っているわけですから、「俺は電話を取っちゃいけなかったのに、また取っちまった!」みたいな感じで、Damnit! と言っているのですね。

「ジョーイは今ここにはいません、でも、自分がメッセージを取り次げます」みたいに言った後、おまけのように、I think と付け加えるのが面白いですね。
「メッセージ、俺が受け取れます…と思います、多分」みたいな感じで、前に一度メッセージを伝え損ねたことがあるので、絶対とは言えませんけど、多分、伝えられると自分では思ってます、みたいな感覚です。

電話を聞いていたチャンドラーは、「ジョーイにはまだ役のチャンスがあるんですか?」と驚きの声を上げています。

obviously not for the actor who was mauled by his dog について。
まず、見慣れない単語 maul (発音は「モール」)は、「(獣などが)…を傷つける」という意味。
LAAD では、
maul [verb, transitive] : if an animal mauls someone, it injures them badly by tearing their flesh
例) A six-year-old boy was mauled by a mountain lion.

つまり、「動物が人を maul するとは、肉を切り裂くことで人にひどい怪我をさせること」。
例文は、「6歳の少年が、マウンテン・ライオン(アメリカライオン、クーガー)にひどい怪我をさせられた(ひどく傷つけられた)」。

no, obviously not と言っていますが、これはその前の文、Oh, that's great news. を受けての否定文でしょう。
Obviously, that's not great news for the actor who was mauled by his dog. ということですね。
Oh, that's great news! Well, no, obviously not for him. 「それは素晴らしいニュースだ。いや、彼にとっては明らかにそうじゃないですけどね」みたいな感覚です。
そのように、for him と言えばいいところを、セリフで him = the actor を詳しく説明させることで、その彼がどういう状況かがわかるという仕組みです。
obviously 以下を前から順番にイメージしていくと、
「明らかに、それは良いニュースではない、自分の犬に怪我させられた俳優にとって」
という感じになるでしょう。
そのチャンドラーのセリフから、アレルギーCMの俳優が役を降りることになったのは、自分の犬に襲われたからだ、ということがわかるわけですね。
LAAD の語義にあったように、maul は、"injures them badly by tearing their flesh" というような、かなりひどい怪我を指しますから、自分の犬に襲われて大怪我をしたために、ドラマへの出演が不可能になったということになります。

嬉しいニュースを聞いたチャンドラーは、「メッセージをジョーイに伝えます」と言って電話を切り、ドアにかけてあるボードにメッセージを書き始めます。
ト書きには、Magna-Doodle とありますが、Magna-Doodle で、Google 画像検索すれば、それがどんなものかすぐにわかります。
詳しい説明は以下のウィキペディアで。
Wikipedia 英語版: Magna Doodle

そのウィキペディアの説明を以下に引用させていただくと、
Magna Doodle is a magnetic drawing toy, consisting of a drawing board, a magnetic stylus, and a few magnet shapes.
つまり、「マグナ・ドゥードルとは、磁気(式)のお絵かきおもちゃ(トーイ)で、お絵かきボード、磁気の筆、2、3個のマグネットの型で構成されている」。

磁気で絵や字を書いたりするボード、つまり、日本のメーカーだと、タカラトミーの「せんせい」シリーズのような「マグネットのおえかきボード」のことですね。
商品情報:せんせい:タカラトミー

doodle は「いたずら書き(をする)」という意味。
doodle は、過去記事、フレンズ3-15その5フレンズ5-24その3 にも出てきました。

そして、magna はどうやら、magnet から来たようですが…。
ちょっと脱線してみますと、Magna 「マグナ」という言葉で思い出すのは、世界史に出てきた「マグナカルタ」(大憲章)という言葉。
研究社 新英和中辞典には、Magna Carta の語源として、
語源:ラテン語 ‘great charter' の意
と出ています。
つまり、ラテン語の magna は、英語の great という意味なのですね。
「磁気でお絵かき」という意味の、magnet/magnetic doodle という感じのネーミングでありつつ、magnet/magnetic を、magna- にすることで、great doodle 「偉大な・素晴らしい(?)いたずら書き」みたいな意味も込めたネーミングなのかも、と思ったりもします。

そのマグナ・ドゥードルにジョーイへのメッセージを書くチャンドラーは、それを声に出して読んでいます。(もちろん、観客や視聴者にメモの内容を聞かせるためですが…笑)
その内容は以下。
Mac audition at 2:00. Allergy actor attacked. By dog not flowers.
要点となる単語が簡潔に並んでいるのが、いかにもメモっぽいですね。
日本語にすると、「マック・オーディション、2時(に)。アレルギー俳優、襲われる。犬に、花(に)ではなく」ということになります。
日本語でメモする場合も、「2時 ○○より電話。見積もりの件。戻り次第電話下さい、とのこと」みたいに簡潔に書いたりしますので、省略を多用する感覚は日英同じと言えるでしょう。
Allergy actor attacked. を文章にすると、The allergy actor was attacked. 「例のアレルギー(CMの)俳優が襲われた」になりますが、冠詞や be動詞を省いているのが、いかにもメモっぽい書き方という感じがします。
特に、be動詞を省いて、attacked という過去分詞形だけで、「受け身」「受動態」の「襲われた」という意味を表しているのが、いかにも英語っぽいですね。
このように、be動詞を省略して、過去分詞形だけで「受動態」の意味を表すのは、新聞記事の見出しでよく用いられる手法です。

「その俳優が襲われた」とメモした後、チャンドラーはちょっと考えてから、By dog not flowers. と付け足しています。
He was attacked by a dog, not by flowers. という意味ですね。
メモなので、冠詞も省略されて、by dog となっていますが、複数形(flowers)の場合はちゃんと複数形の -s がつくんですね。
「襲われた、っていう話は、犬に襲われた、ってことで、花(たち)に襲われたんじゃないよ」とメモっていることになります。
それはその俳優が「複数の花に追いかけられるCM」で有名で、少し前にもチャンドラー自身が、「彼にデカい花を贈ってビビらせたらいいんじゃない」などとも言っていたので、彼を襲ったのは、あんな風に俺たちが話題にしてた「花」じゃなくて、「犬」なんだけどね、とちょっとジョークを入れてみたメモになっているのですね。
嬉しいニュースの伝言を書きながら、ちょっとオチもつけちゃった、みたいにご満悦なチャンドラーが可愛らしいです。


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posted by Rach at 16:53| Comment(2) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月18日

それは俺が買ってやったんだ フレンズ6-20その4

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たまたまチャンドラーだけがジョーイの部屋にいる時に、ジョーイ宛てに電話がかかってきて、オーディションの時間が前倒しになった、という伝言を受けます。
その伝言をホワイトボードに書いている最中に、モニカが呼びに来たため、メッセージを書き終わることなく、チャンドラーはジョーイの部屋を出て行ってしまいます。
そのしばらく後のシーン。
ジョーイとチャンドラーがフーズボールをしていると、
(The phone rings and Joey answers it.)
電話が鳴り、ジョーイがそれに出る。
ジョーイ: (on phone) Hello? (Listens) What are you talking about? The audition's not ‘til 5:00! (Chandler suddenly remembers and looks at the unfinished message then tries to sneak over and finish it as Joey listens.) Well, nobody told me! (Listens) Who'd you talk to? (Listens and turns around to see Chandler trying to finish the message.) Never mind. (Hangs up.) ([電話で] もしもし? [電話を聞く] 何言ってんだよ? そのオーディションは5時までないぞ! [チャンドラーは突然思い出し、(ホワイトボードの)未完成のメッセージに目をやり、それからこっそりボードのところに行き、ジョーイが電話を聞いている時に、メッセージを完成させようとする] ああ、誰も俺に言わなかったぞ! [電話を聞いて] 君は誰に話したんだ? [電話を聞いて、振り返り、メッセージを完成させようとしているチャンドラーを見る] もういいよ。 [電話を切る])
チャンドラー: You mean you didn't get it from this? (このメッセージがわからなかった、ってことかな?)
ジョーイ: The allergy guy got the part! Thanks! (例のアレルギー男が役をゲットしたよ。ありがとな!)
チャンドラー: Well, maybe we can fix it y'know? Maybe we can send him some-some big-big flowers and scare him! (ほら、多分、俺たち何とかできるよ、だろ? 多分、そのアレルギー男に大きな大きな花を贈って、彼を怖がらせたりできるぞ!)
ジョーイ: How could you do this to me, Chandler?! This part could've turned my whole career around! (どうやったら俺にこんなことができるんだよ、チャンドラー? この役は俺のキャリアすべてを変えられたかもしれなかったのに!)
チャンドラー: I messed up, okay? I'm sorry. I really messed up. (俺が台無しにしちゃったんだよな? ごめんよ。俺が本当にめちゃくちゃにしちまった。)
ジョーイ: Hey, you don't even live here anymore! What are you doing answering my phone? I have a machine! (おい、お前はもうここに住んでさえいないんだぞ! 俺の電話に出たりして、何やってんだよ? 俺には留守電があるんだ!)
チャンドラー: Which I bought for ya. Taught ya how to use it. You thought it was a copier. Look, if there was anything I could do, I would do it. Okay? But everybody's allowed one mistake, right? (その留守電は、俺がお前のために買ってやったんだ。(俺が)お前に使い方を教えたんだ。お前は留守電をコピー機だと思ってただろ。なぁ、もし俺に何かできることがあるとしたら、俺はそれをするよ、な? でも、どんな人間も一つくらいの過ちは許されるだろ。)

ジョーイが電話に出て、What are you talking about? 「何言ってんだよ?」と驚きの声を上げています。
The audition's not ‘til 5:00! は、「その・例のオーディションは5時までない」という意味ですね。
ネットスクリプトでは、The audition's not ‘til 5:00! と書かれているのですが、DVDの英語字幕は、The audition's at 5. となっていて、その文だと意味は、「そのオーディションは5時にある」となります。
このパターンは、フレンズ6-20その2 で解説した、
The callback isn't until tomorrow at five. 「次のオーディションは明日の5時までない」(ネットスクリプト)
The callback is tomorrow at 5:00. 「次のオーディションは明日の5時にある」(DVD英語字幕)
と同じものですね。
その際にも説明しましたが、今回のジョーイのセリフも、「5時にある」ではなくて、「5時までない(はずだ)」と強く言いたいわけですね。
そのセリフから、電話の相手が「(ジョーイが5時までは行われないと思っている)オーディションがすでに済んでしまった」というような内容を言っているだろうことが想像できるわけです。
The audition's at 5. 「そのオーディションは5時だよ(5時にあるはずだろ)」でも、会話としては成立しますが、not until を使う方が、「5時より前にオーディションが行なわれたはずがない!」感を強く出せるということです。
5時という言葉を聞いて、チャンドラーはハッとした顔で、ホワイトボードを見上げますが、そこにはミミズのような文字が記されているだけで(笑)、全く伝言の機能を果たしていません。
モニカが呼びに来たので、メッセージを書き終わることなく部屋を出てしまったことに、今チャンドラーは気付いてしまったわけです。
ト書きにあるように、ジョーイが電話している間に、こそこそとボードのところに行き、メッセージを完成させようとするのですが、その間もジョーイは、電話で「誰も(そんなこと)俺に言ってない!」「君は(それを)誰に言ったんだ?」と怒っています。
その後、ジョーイがチャンドラーの方を見たことで、電話の相手が「ちゃんと伝えましたよ。ジョーイが留守だから伝言を受ける、って言ってて。電話に出たのは男性でした」みたいな情報をジョーイに伝えただろうことがわかります。
そんな風に自分の電話に出る男性は、元同居人のチャンドラーしかいない、と気づいたわけですね。
Never mind. は「気にしないで。もういいよ」という感じで、「一体誰に伝言したんだよ?」と相手を質問責めにしていたけれど、答えがわかったからもうこれ以上はいいや、俺が言ったことは忘れて、というニュアンスになります。

ボードにメッセージを書き足そうとしているのがバレてしまったチャンドラーは、怖い顔をしているジョーイを見て、You mean you didn't get it from this? と言っています。
You mean は「ジョーイは…って言いたいのかな?」みたいなニュアンス。
get it from this は、「ホワイトボードに書かれたこのメッセージから、それをゲットする、理解する」という感覚。
ボードに書かれているこの文字から、そのオーディションの時間が変更になったというメッセージは読み取れなかったってことかな?みたいな意味ですね。
ヘニョヘニョの文字で、到底解読できるものではないのですが、自分としてはメッセージを書いたつもりだったんだ(少なくとも書こうとはしてたんだ)と言いたいわけでしょう。

「例のアレルギー男」、つまり、花粉症のCMに出ているあの男が、役をゲットしちまった、とジョーイは言っています。
Thanks! は「ありがと」ですが、前後の文脈や表情、口調から、それを皮肉っぽく使っていることがわかりますね。
「俺じゃなくて、そいつが役をゲットすることになったのは、お前のおかげだよ、ありがとな」みたいな皮肉です。

fix は「修理する」などの意味で使いますが、ここでは「状況を回復する、元に戻す、解決する」のような感覚。
そのCMの彼が役をゲットしてしまったことを、何とか修復することができるさ、彼に大きな花を贈って、彼を怖がらせれば、などとも言っています。
これも、過去記事、花に追われる花粉症のCM フレンズ6-20その2 で説明したように、その彼はCMの中で、大きな花に追い回されている役を演じているので、でかい花を贈れば、彼もビビって逃げ出しちゃうよ、と、なんとかジョークでこの場を和ませようとしているわけですね。

そんな冗談もジョーイには通じません。
「今回の役は俺のキャリアすべてを変えられたかもしれないのに」と思っているほど、ジョーイはこの役に賭けていたからですね。
俺がめちゃめちゃにしちまった、と反省するチャンドラーですが、ジョーイの怒りは収まらず、この後もチャンドラーを責めるセリフが続きます。
You don't even live here anymore. は「お前はもはや、ここに住んでさえいない」。
ルームメイトだった時ならまだしも、お前はもはや俺の同居人ですらないんだよ、という感覚。

What are you doing answering my phone? は、「俺の電話に出たりして、何やってんだよ?」という意味。
doing と answering のように、-ing 形が2つ連続していますが、このような、What are you doing ...ing? の形には「…したりして何やってんだよ?」というニュアンスがあります。
過去のフレンズにもこの構文は何度か登場しました。
What are you doing? という問いそのものに、純粋に「相手が今やっていることは何か?」を尋ねる以外に、「一体何やってんだよ?」という非難や驚きを表すニュアンスがありますね。
その後に、...ing? を続けることで、「一体、何やってんだよ、…したりして」みたいな感覚となり、「…したりして何やってんだよ?」という意味になるわけです。
「俺の電話に出たりして、何やってくれてるんだよ」「どうして俺の電話に出たりするんだよ?」という気持ちですね。
今回は、ジョーイの「相手を非難する気持ち」が押し出されているので、「何やってくれてるんだよ」みたいに挑む感じがありますが、そのような非難以外にも、「…したりして何やってんの?」→「なぜ…してるの?」という「ここでこれをしている理由」を問うフレーズにもなります。
I have a machine! は、「俺は留守電を持ってる、俺の電話には留守電がついてる」ということ。

そのようにジョーイは3つの文でチャンドラーを批判していますが、要は、「もはや同居人ではないお前がどうして電話に出るんだよ、(電話に出る必要なんかないんだ) 留守電もあるんだから!」と言っているわけですね。

留守電の話題が出たので、チャンドラーはそれを受ける形で、which を使ってセリフを続けています。
Which I bought for ya. の which は、直前のジョーイのセリフに出てきた、a machine 「留守番電話」のこと。
You have a machine, which I bought for you. 「お前は留守電を持っている、その留守電は俺がお前に買ってやった」と言っていることになります。
I bought the machine for you. 「俺がお前にその留守電を買ってやった」ということですが、関係代名詞 which を使って、Which I bought for ya. と続けることで、「そのお前が言っている留守電は、俺がお前に買ってやったんだけど」という「説明を付け足している感」が出ます。
チャンドラーとしては、「留守電、留守電って言うけど、そもそもその留守電は、”俺がお前に買ってやった”もんなんだぞ、その恩を忘れてるみたいだけどさ」という気持ちを込めているのですね。
「俺には留守電がある」「ああ、俺がお前に買ってやったやつね」みたいな感じです。
Taught ya how to use it. は、I taught you how to use it. で、「それ(留守電)の使い方を俺がお前に教えた」。
その後、「お前はその留守電を copier だと思ってただろ」とも言っています。
copier は「コピーする人、コピーするもの」ということで、「コピー機」。

If there was anything I could do, I would do it. は仮定法過去が使われていますね。
「もしこの俺に何かできることがあるとすれば、それを(何でも)するよ」という感覚で、実際には、オーディションに行けなくて、他の人が役をゲットしてしまった以上、俺にはこれ以上どうすることもできないんだ、やれることがあるなら何でもするけど、やれることもない今、俺をそんなに責め立てないでくれよ、という気持ちです。

Everybody's allowed one mistake. は「すべての人は1つの過ちを許されている」という一般論。
誰にだって過ちは一度くらいあるもんだ、今回のたった一度の過ちをどうか許してくれよ、ということですね。


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posted by Rach at 17:23| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月13日

前言撤回、今のはナシ! フレンズ6-20その3

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テレビドラマ「マック&チーズ」(Mac and C.H.E.E.S.E.)のマック役をどうしてもゲットしたいと力説するジョーイ。
ジョーイ: It's just, I want this part so much! Y'know? If I don't get this part, I'm never gonna eat macaroni and cheese again! No, I didn't say that! That doesn't count. (ただ、この役をものすごく欲しいんだよ[やりたいんだよ]! わかるだろ? もしこの役をゲットできないなら、俺はもう二度とマカロニ&チーズは食べないぞ! いや、今の発言を俺は言ってない[俺はそんなこと言ってない]。今のは、なしね[カウントしないぞ]。)

part は「役」ですね。俳優であるジョーイのセリフによく登場する単語です。
ジョーイは、この役(マック役)をものすごく欲しい、ものすごくやりたいと言っています。
If I don't get this part, I'm never gonna eat... は、「現実とは反対の仮定」を表す仮定法ではなくて、通常の if 節の文ですね。仮定法過去ではないので、don't のように現在形が使われています。
「もし、この役をゲットしないなら、俺は(これから)…を決して食べることはない」みたいな意味になります。
macaroni and cheese は、フレンズ6-20その1 でも説明しましたが、アメリカのお手軽料理の代表選手。
ドラマのタイトルが「マック&チーズ」なので、もしマック役をゲットできなかったら、俺はもう一生、「マック&チーズ」を食べないぞ!と誓っているのですね。
それくらいの意気込みで、この役ゲットに賭けてるんだ!と言いたいわけでしょう。
ですが、「一生食べないぞ!」宣言をした直後に、No, I didn't say that! と言っています。
直訳すると、「いや、俺はそれを言ってない!」ということで、that は直前の発言を指しますね。
自分の発言を、直後に「そんなこと俺は言ってないぞ」と前言撤回するニュアンスになります。

That doesn't count. の count について。
自動詞の count は、「重要である、無視できない、有効である」というような意味で使われますが、「(〜の中の数として)数えられる、含められる」という意味もありますね。
まさに日本語の「カウントする」という感覚です。

Macmillan Dictonary では、
count : to include something or someone in a calculation, or to be included in a calculation
例) Points scored after the bell do not count.


つまり、「何かや誰かを計算・勘定に含めること、または計算・勘定に含められること」。
例文は、「ベルの後に得点されたポイントは、勘定に含まない[カウントしない]」。

上のジョーイのセリフも、マクミランの例文の「ベルの後に得点されたポイント」みたいなもので(笑)、勘定に含まない、カウントしない、と自分で宣言している感覚になるでしょう。
日本語でも、うっかりはずみで不用意な発言をしてしまった後、慌てて「今の発言はなしね、俺、そんなこと言ってないからね」と、「言っていないことにする」ことがありますよね。
そんな風に「言ってないことにする」場合のフレーズが、No, I didn't say that! That doesn't count. になるということです。
「今の発言は忘れて」というニュアンスで、Never mind. を使うこともありますが、その場合は、自分が何か言おうとしたけど、やっぱりそのことは気にしないで、気にしてくれなくてもいいからね、のように、「相手に、気にするな、忘れて、と言っている感覚」になります。
今回の That doesn't count. は、自分の発言を、自分から「なし、にする、なかったことにする」という積極的な否定ですね。
今の発言を、1個の意味ある発言と取らないで、カウントしないで、のように、発言そのものの存在を完全否定する感覚になるでしょう。


[Scene: Joey and Rachel's apartment, Joey and Chandler are playing foosball and Joey scores a goal.]
ジョーイとレイチェルの部屋。ジョーイとチャンドラーはフーズボールをしていて、ジョーイがゴールを決める。
ジョーイ: Yes!! Ha-ha!! All right! Hey! How cool would it be if you could watch like a real life-size version of this? Huh? I mean, how crazy would that be? (よし! ハハー! やったぞ、おい! もしこれ[このフーズボール]の、本物の、等身大バージョンを見られるとしたら、それってどんなにクール(イケてる)かなぁ? な? つまり、それってどんなにクレイジー(すごい)だろうな?)
チャンドラー: As crazy as soccer? (サッカーと同じくらい、すごい、ってことか?)

ジョーイとチャンドラーは、フーズボールをしていて、ジョーイはゴールを決めて喜んでいます。
How cool would it be if you could watch... は、could という過去形が使われている「仮定法過去」ですね。
「(現実には無理だけど)もし…を見られるとしたら、それはどんなに cool だろうな?」と言っている感覚になります。
could という過去形の仮定法過去を使うことで、「現実とは反対の仮定」を表しているわけですね。

a real life-size version of this の this は、今やっているフーズボールのことで、まさに直訳通りの、「このフーズボールの、リアルな、ライフサイズ・バージョン」という意味。
フーズボールテーブルの人形が、本物の人間の実物大サイズになったのを見たら、クールだろうな、と言っているわけです。

crazy は「クレイジー」で、「正気でない」という意味ですが、be crazy about で「〜に熱狂して、夢中になって、大好きで」という意味としても使いますね。
今回のセリフは、How crazy would that be? で、that は「フーズボールが等身大になったもの」を指しますので、「その等身大フーズボールがあったとしたら、どんなに crazy だろうな?」と言っていることになります。
これは、その前の cool と同じ「すごい」というニュアンスのようですね。

The Free Dictionary : crazy には、
4. (Slang) very good or excellent
という意味も載っています。

「このフーズボールが等身大になったら、すっげーかっこいいと思わない?」みたいにジョーイは言っているのですが、チャンドラーは As crazy as... soccer? みたいに、サッカーの前に少し「ため」の時間を取って、そのセリフを言っています。
「そのクレイジーさ、すごさ、って、これと同じくらいかなぁ…サッカー、とか?」みたいなニュアンスになるでしょう。

フーズボールというゲームは、元々、サッカーをテーブルゲームにしたもの、ですよね?
フレンズのネットスクリプトではもっぱら、foosball と書いてありますが、table football という呼び名もあるくらいです。
フレンズ2-16その19 でも、「フーズボール、テーブルサッカーゲーム」のことについて触れています。
そんな風に、フーズボールそのものがサッカーを元にしているのに、「これが等身大になったら面白いだろうなぁ」と言っているジョーイのおとぼけ具合に笑ってしまうわけですね。
等身大のフーズボールは、サッカーとしてすでにこの世に存在してるじゃないか!、というか、元々、サッカーの方が先じゃないか! とチャンドラーは言いたいわけです。
ジョーイが「現実とは反対の仮定」を表す仮定法過去まで使って、「もし等身大のフーズボールがあったなら…」とか言っているのが、余計に面白いですね。

このジョーイの発言は、ボードゲームの野球盤を見て、「これの等身大バージョンがあったら面白いのに」とか言っている感覚と同じです。
そう言えば…よくお正月の特番で、とんねるずの石橋さんチームと松坂選手チームとが、「リアル野球盤」対決をしたりもしていますが…これがほんとの、a real life-size version of a baseball board game と言えるかもしれません(笑)。


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posted by Rach at 16:51| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月11日

花に追われる花粉症のCM フレンズ6-20その2

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テレビドラマ「マック&チーズ」(Mac and C.H.E.E.S.E.)のマック役のオーディションを受けてきたジョーイは、上出来だったと喜んでいます。
ジョーイ: Yeah-yeah, it's down to me and two other guys. (そうなんだよ、俺とあと2人のやつに絞られてるんだ。)
チャンドラー: Oh, my God! (なんてこった!)
ロス: Wow! (わお!)
ジョーイ: And I know both of them, they're really good. One of them is the guy from those allergy commercials who's always getting chased by those big flowers.... (それで、俺はそいつらを両方とも知ってるんだ、すっごく(演技が)うまいんだぜ。一人は例のアレルギーのCMのやつなんだよ、いっつもあの大きな花たちに追いかけられてばかりいる…)
ロス: Oh, I love that guy! (Laughs.) (あぁ、僕、あの男、好きだなぁ! [笑う])
チャンドラー: Oh-oh, what are you doing? (おいおい、お前、何やってんだよ[何言ってんだよ]。)
ロス: (stops laughing) What am I doing? ([笑うのをやめて] 僕、何やってんだろ。)
ジョーイ: I'm just so nervous, y'know? The callback isn't until tomorrow at five. I feel like my head's gonna explode. (俺はすっごくナーバスになってるんだよ、だろ? 次の面接(次の呼び出し)は、明日の5時までないんだ。俺の頭が爆発しそう、って感じだよ。)
チャンドラー: Well, it is overdue. (そうだな、爆発の機は熟してるよな[爆発の期限は(とっくに)過ぎてるもんな]。)
ロス: Look, don't worry, okay? You're gonna be fine. (ねぇ、心配するなって、いい? きっと大丈夫だよ。)

ジョーイは、マック役の候補が、自分と他の2人に絞られたことを、be down to を使って表現しています。
この、be down to は、be narrowed down to と同じようなニュアンスでしょうね。
narrow down は「(範囲を)狭める、絞る、絞り込む」。
この場合の down は「量が少なくなるまで」という感覚になるでしょう。
フレンズ5-18その2 でも、どちらの服を仕入れるかという話で、
キム(レイチェルの上司): So it's down to these two. (それでこの2つに絞られたわね。)
のように、be down to を使っていました。

俺と他の2人に絞られたけど、俺はその2人を知っていて、やつらはすっごく good なんだ、とジョーイは言っています。
One of them is the guy... 「そのうちの人は、…の男で…」と言って、さらに詳しい説明をしていますね。
こういう長い文は、「聞いたままの順序でイメージしていく」ことが必要です。
前からイメージしていくと、

そのうちの一人は、…の男である→あの・例のアレルギーのコマーシャルからの(そのコマーシャルに出ている)(男である)→その人物はいつも追いかけられてばかりいる→あの大きな花たちに

という感じになるでしょう。
自然な日本語にしようとすると、「そのうちの一人は、例のアレルギーのCMで、あのでっかい花に追いかけられてばかりいるやつだよ」になるでしょうか。
those という指示語が二度も出てきているのは、「ほら、お前らもよく知ってる、よく見かける例のあれだよ」という感覚ですね。
「でっかい花に男が追いかけ回されているアレルギーのCM知ってるだろ? 一人はあの男なんだよ」ということです。

get chased は、単なる受動態の be chased 「追いかけられる」よりも、「追いかけられてしまう、追いかけられちゃう」のような「被害」のニュアンスが出る気がします。
その get chased が、be always getting chased という「always+現在進行形」の形になっていることで、「いつも…してばかりいる」という反復のニュアンスも出ますね。
行く先々で、大きな花に追い回されてばかりの男、という感覚です。

ちなみに、「巨大な花に追いかけられる男が出ているアレルギーのCM」というのは、日本で言うところの「花粉症」のCMのようですね。
「花粉症」は英語では、hay fever 。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
hay fever : a medical condition in which you sneeze a lot and your eyes produce water, that is caused by breathing in pollen (= dust from plants)
つまり、「たくさんくしゃみをし、目から水分が出る(涙が出る)ような医学症状。それは花粉(植物から出る粉末)を吸い込むことによって起きる」。

花粉によって、くしゃみや涙が出る、というところは、まさに日本の花粉症の症状と同じですね。

「あの有名なアレルギーCMの男なんだよ」と説明したジョーイに、ロスは Oh, I love that guy! と言います。
それを聞いたチャンドラーが、「ロス、お前、何やってんだよ?」みたいに怖い顔でにらんでいますね。
ジョーイがどうしてもゲットしたい役のライバルなのに、そいつを褒めてどーすんだよ!という怒りです。
つい口が滑ってしまったロスも、その発言の無神経さに気付いて、「ほんとに僕、何やってんだろ、何言ってんだろ」と反省したわけですね。

callback は「コールバック」、つまり、「呼び戻し」「再呼び出し」みたいなことなので、この場合は、次のオーディション、二次面接ということ。
The callback isn't until tomorrow at five. を直訳すると、「そのコールバックは明日の5時まではない」。
つまりは、「次のオーディションは、明日の5時にある」ということで、実際、DVDの英語字幕では、The callback is tomorrow at 5:00. 「そのコールバックは明日の5時である、5時にある」という英文になっていました。
not ... until 〜 が「〜までは…しない、〜になって初めて…する」という意味でよく使われますが、それと同じ感覚ですね。
事実としては、「次のコールバックは明日の5時」ということですが、「明日の5時までハラハラしながら待っていないといけない」ことを自分が今ナーバスである理由として言いたいので、「次のオーディションが明日の5時まで”ない”」という、「ない」部分を強調しているわけでしょう。
同じ事実を述べるにしても、話者がどの部分を強調したいのか、つまり、「5時にある」のか「5時までない」のかのどちらにポイントがあるか、によって、選ぶ言葉も違ってくるし、聞く方もその相手の意図を汲んであげないといけない、ということですね。

明日の5時まで待つなんて、頭が爆発しちゃいそうだ、とジョーイは言っています。
日本語でもドキドキしたり、頭がパニクったりしている時には、心臓や頭が爆発しそう、破裂しそうなどと言いますので、その感覚は同じですね。

そんな風に、友人が心配している様子を見た場合は、その後のロスのセリフのように、"Don't worry. You're gonna be fine." 「心配するなよ。きっと大丈夫だよ」と言うのが、友人としての普通のパターンでしょう。
ですが上のやり取りでは、ロスがその定番を言う前に、チャンドラーが彼らしいジョークを一発入れています。

due は「期限が来て、締切で」という意味でよく使われますね。
そこに over- がついた overdue はまさに「期限がオーバーした」感覚で、「期限・期日が過ぎた、予定を過ぎた」という意味になります。
またそのような「本来起こるべき時期が過ぎた」という感覚から、「機が熟している、機が来ている」という意味にもなります。

LAAD では、
overdue : something that is overdue should have happened or been done a long time ago

つまり、「overdue であることは、ずっと前に起こるべきだった(のに起こっていない)、またはなされるべきだった(のになされていない)こと」。

「本当ならもうすでに起こっているべきことで、いつそうなってもおかしくない」→「その機は熟した」という感覚になるわけですね。

ですから、チャンドラーは、「本来なら、ジョーイの頭の爆発は、もっと前に起こるべきことだった」みたいに言っていることになります。
「(このままだと)頭が爆発しそう」と言っているジョーイに対して、「いつ爆発してもおかしくないよな、爆発期限はとっくに過ぎてるはずだから」と言っているわけです。
心配で頭がパニクっていることを「頭が爆発する」と表現しているだけなのに、「お前の頭の爆発期限は過ぎてるから、爆発も時間の問題だな」「お前の頭が今まで爆発せずに機能していたのが不思議なくらいだもんな」みたいに、ジョーイの頭を、爆発寸前の機能不全の機械か何かのように言って、からかっているわけですね。


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posted by Rach at 15:49| Comment(6) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月08日

チーズになる頭字語(アクロニム) フレンズ6-20その1

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シーズン6 第20話
The One With Mac and C.H.E.E.S.E. (ジョーイ再び大ブレイク!の予感)
原題は「マック&チーズの話」


[Scene: Joey and Rachel's apartment, Joey is memorizing his lines. Chandler, Rachel, and Phoebe are there as well.]
ジョーイとレイチェルの部屋。ジョーイは自分のセリフを覚えているところ、チャンドラー、レイチェル、フィービーもそこにいる。
チャンドラー: (To Joey) So uh, what's this thing you're auditioning for? (それで、お前がオーディションを受けようとしているこれは何なんだ[どんなやつだ]?)
ジョーイ: Oh, it's a new TV show. Yeah. I'm up for the part of Mac, Machiavelli, or "Mac"! Yeah, I'm a detective and I solve crimes with the help of my robot partner. He's a, he's a computerized humanoid electronically enhanced secret enforcer. Or-or "C.H.E.E.S.E." (あぁ、新しいテレビ番組なんだよ。そう、俺が立候補してる役は、マック・マキャベリ、または(通称)”マック”だ! そう、俺は探偵(or 刑事)で、ロボットのパートナーの助けを借りて事件を解決するんだよ。彼は、コンピュータ(化された)人型電子強化秘密執行人、または(通称)”チーズ”だ。)
レイチェル: So Mac and C.H.E.E.S.E.? (それじゃあ、マック&チーズなの?)
ジョーイ: That's the title! Yeah! Y'know they really lucked out that the initials spell "cheese." (それがタイトルなんだよ! そうなんだ! ほら、その頭文字(イニシャル)のスペルが「チーズ」だなんて、二人はほんとにラッキーだったよな。)
チャンドラー: That is lucky. (実にラッキーだ。)

チャンドラーは、「ジョーイがオーディションを受けようとしてセリフを練習してるこれは何?」と尋ねています。
ジョーイは、新しいテレビ番組なんだ、と言って、役柄を説明していますね。
up for は、「〜に立候補して」という感覚。
up には「立ち上がる」のようなニュアンスがありますので、「〜に対して立ち上がる」という感覚は、立候補の「候補に立つ」ような「立」の字にも繋がるように思います。

Machiavelli という名前は、世界史で習う「君主論」の著者マキャヴェリと同じですね。
ちなみに、その思想家マキャヴェリはイタリア人です。
ジョーイもイタリア系アメリカ人なので、イタリア系っぽい名前のついた役にジョーイが応募した、というところも、自然な流れと言えるのでしょう。

or "Mac" と言いながら、手を鉤爪(かぎづめ)のように大袈裟に曲げていますが、これは、引用符のジェスチャーですね。
これまでのフレンズでも、両手の指をチョキの形というか、カニのハサミのようにして、「” ”」= double quotation marks (クオーテーションマーク、引用符)を表すしぐさが何度も登場しましたが、今回のは、ジョーイが得意げにやたらと大袈裟な感じで身ぶりしているのが印象的です。

detective は「刑事」「探偵」。
a police detective なら「刑事巡査」、a private detective なら「私立探偵」になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
detective :
1. a police officer whose job is to discover information about crimes and catch criminals
2. someone who is paid to discover information about someone or something
例) a private detective

つまり、1. は、「犯罪に関する情報を発見すること、または犯罪者を捕えることが仕事である警察官」。
2. は、「誰かや何かに関する情報を見つけるために金を支払われる人(支払いを受けて誰かや何かに関する情報を見つける人)」。

日本語の「刑事」「探偵」ではえらくイメージが違いますが、元々、「見つける、発見する」という意味の動詞 detect から来た言葉だと思われますので、「発見することを仕事にする」という意味では同じということなのでしょう。
detector なら「発見器、探知器」という意味になり、a lie detector は「ウソ発見器」、a smoke detector なら「煙探知器」になります。

「ロボットのパートナーの助けを借りて事件を解決するんだ」と言った後、そのパートナーのことを説明するジョーイ。
a computerized humanoid electronically enhanced secret enforcer みたいな長い名称をジョーイが間違わずに言えたのはすごいなと思いつつ(笑)、前から順番に訳すと、
「コンピュータ化された、ヒューマノイド(人型)の、電子的に、強化された、秘密の、エンフォーサー」
になります。
動詞 enforce は、「(法律などを)実施する、施行する」「強化する、強制する、強要する」。
enforcer は、enforce する人、みたいな意味になるわけですが、英辞郎には、
enforcer=執行者、用心棒
という意味が載っています。

LAAD では、
enforcer : someone such as a police officer who makes sure that people obey rules and laws
例) the police and other law enforcers

つまり、「人々が必ず規則や法律に従うようにさせる、警察官のような人」。

Macmillan Dictionary では、
enforcer : someone who is given the responsibility for making sure that a particular thing happens or is done, usually in government or business
つまり、「あることが必ず起こるように、またはなされるようにするための責任を与えられた人、たいていは政府、またはビジネスで」。

Merriam-Webster Dictionary では、
1. one that enforces
「enforce する者」という意味と並んで、以下の語義も載っていました。
enforcer :
2. a violent criminal employed by a crime syndicate; especially : HIT MAN (= a professional assassin who works for a crime syndicate)

つまり、「犯罪シンジケートによって雇われた暴力的犯罪者、特にヒットマン(犯罪シンジケートのために働くプロの殺し屋)」。

ロングマンの語義は「警察官」のイメージで、Merriam-Webster のは「ヒットマン」と、これまたイメージが大きく違います。
(その「ヒットマン」の意味が、英辞郎の「用心棒」のニュアンスでしょうね。)
マクミランは、「政府、またはビジネスで」とあるので、「警察官」と「ヒットマン」の両方を網羅しているようにも見えます。

force 「力」という言葉が入っているように、力づくで人を従わせるというようなイメージがあるわけで、人として守るべき法律に従わせる場合だと、「政府の法の執行者」である警察のイメージとなり、それがビジネス、特に「犯罪シンジケート」の場合だと、その掟を徹底するためのヒットマンなり用心棒になったりする、という感覚でしょう。

で、マックの相棒であるロボットの彼が enforcer だとすると、そのイメージはどんな感じになるのでしょうね?
マックの相棒であることから、正義の味方だと思われるので、ヒットマンや用心棒ということはないでしょうが、secret 「秘密の」とついているところから、なんとなく(日本の時代劇で言うところの)「大江戸捜査網」の隠密同心とか、「必殺仕事人」のようなものを想像してしまうのは私だけ?(笑)
「秘密裏に法を執行する」ような a secret enforcer のニュアンスが、「闇にはびこる悪を成敗する」感覚に繋がる気が(私には)するのですが、実際のところはどうなのでしょう??
そういう「秘密の執行人」のニュアンスだとした場合、コンビを組んでいるマックは、「公的機関の警察官」よりは、「私立探偵」の方に近いことになるのでしょうか??

または、LAAD の enforcer の説明に「警察官のような人」とあったので、ことさら「力づくで執行する」イメージを連想する必要はなく、単に、a police officer の言い換え語句として使っているだけという可能性も否定できない気はします。
ただやはり、secret とわざわざついているのが、意味深な気はするのですが…そういう「人型ロボット」が存在すること自体が「機密」なのかもしれない…。

とにかくジョーイは、そういう「長い正式名称」を述べた後、or 「または、別名」と言って、またもや手で引用符のジェスチャーをしながら、"C.H.E.E.S.E." と名前を言っています。
cheese ではなくて、大文字でピリオド付きなのは、acronym 「頭字語(頭文字でできた語)」だからですね。
ジョーイが希望している役がマックで、相棒のロボットがチーズだと聞いて、レイチェルは、「じゃあ、そのコンビは、マック&チーズなの?」と驚いています。
ジョーイは、「まさにそれが番組のタイトルなんだよ!」と嬉しそうに台本を見せます。

どうして、「マック&チーズ」というネーミングで、レイチェルやジョーイが喜んでいるかと言うと、アメリカのお手軽でメジャーな料理に macaroni and cheese 「マカロニ&チーズ」というものがあるからです。
フレンズ5-8その2 にもその料理が登場しており、コメント欄でもその話題について触れています。
mac'n'cheese や、mac and cheese とも呼ばれるので、コンビ名がその料理名と同じになるんだ!と喜んでいるわけですね。

luck out の luck は名詞で「運」ですが、luck out の形で動詞として使うと、「運が良い」という意味になります。
LAAD では、
luck out [phrasal verb] : to be lucky
例) We lucked out and found someone who spoke English.

つまり、「ラッキーであること」。例文は、「私たちはラッキーで(運良く)英語を話す人を見つけた」。

the initials spell "cheese" は、spell が動詞で、「その頭文字が、cheese と綴る[という綴り(スペル)になる]」という感覚。
ですからジョーイは、「相棒の正式名称の頭文字の綴りが cheese になるなんて、彼ら(マック&チーズの二人)はほんとラッキーだったな」と言っていることになるでしょう。
それを聞いたチャンドラーは、少しあきれた顔をして、"That IS lucky." のように、is の部分を強調して言っています。
「そのことは、確かに・実に、ラッキーだよな」と言っている感覚ですが、これはチャンドラーの皮肉ですね。
番組の制作サイド(笑)としては、最初に「マック&チーズ」というコンビ名にしよう、というコンセプトがあって、そのために「縮めたら cheese になるようなそれらしい正式名称」を考えたはずです。
「cheese になるように、そういう名前のキャラ設定にしたんだぁ〜」と感心すべきところを、「相棒の名前を縮めたらチーズになって、コンビ名がマック&チーズになるなんて、すっげーラッキーじゃん!」と言っている、そのズレ具合が「いかにもジョーイ」っぽいわけですね。
今回のネーミングは最初からその略称ありきの名前なのがミエミエなのに、何も考えずにつけた名前の略称が偶然「チーズ」になったかのようにジョーイが感心しているので、「もしほんとに”偶然”そうなったんだったら、そりゃあ、ラッキーと言うほかないよな、まさにラッキーそのものだよな」と皮肉っぽく返している、その気持ちが、IS を強調している部分に込められているということですね。


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posted by Rach at 17:04| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月06日

この水着はサポーティブ? フレンズ6-19その6

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ロスが付き合っている大学生のエリザベスは、春休みにフロリダに旅行するとロスに告げます。
最初は何も気にしていなかったロスでしたが、フレンズたちが「それはきっと男遊びをしに行くんだ」と言うので、心配で仕方ないようです。
[Scene: Elizabeth's apartment, she is packing for her trip as Ross watches.]
エリザベスの部屋、彼女は旅行用の荷造りをしていて、ロスがそれを見ている。
ロス: I'm so glad you're going on this trip! (君がこの旅行に行くのが、僕はとても嬉しいよ!)
エリザベス: Yeah! I've been working so hard this semester. I really need to go crazy y'know, blow off some steam. (そうね! 今学期はすっごく頑張ってきたの。ほんとにはしゃぎまくる必要があるわ、ほら、ストレス発散ね。)
ロス: Sure. Sure. Look, I don't, I don't know if your plans are finalized yet, but umm, hey I-I know another great way to blow off steam. (そう、その通り。ねぇ、君の計画がもう決定済みなのかどうかは知らないけど、でも、ほら、別のすごいストレス発散法を僕は知ってるよ。)
エリザベス: What? (何?)
ロス: Are you into crafts at all? (君は少しでも工芸(手芸)に興味あったりする?)
エリザベス: Ross, are you okay? (ロス、あなた大丈夫?)
ロス: Well, yeah, of-of course I'm okay! What? I'm just being supportive. Supportive of you and this whole trip, and-and (notices something) what-what is uh, what's this? (He holds up a rather skimpy bathing suit.) (ああ、そうさ、もちろん、大丈夫だよ! 何? 僕はただサポーティブである[協力的である]だけだよ。君とこの旅行全部に協力的なんだよ、それから [何かに気付いて] 何、これは何? [ロスはかなり露出度の高い水着を掲げる] )
エリザベス: It's a bathing suit? (水着だけど?)
ロス: To wear in front of people? (人々の前で着るための?)
エリザベス: Is that supportive? (それ[そのあなたの態度]がサポーティブなの?)
ロス: Is this? ((じゃあ)これ[この水着]は?(サポーティブなの?))

他の若い男と寝たりするんじゃないか、と心配なロスですが、言葉では、「君がこの旅行に行くのが、僕は嬉しいよ!」と言っています。
you're going は「決まった近い将来の予定」を表す現在進行形ですね。
エリザベスは、ロスの心配に気づく様子もなく、I've been working という現在完了進行形を使って、「今学期は、ずーっと勉強を頑張ってきた」と言い、だから、go crazy, blow off some steam する必要があるの、と言っています。
go crazy は文字通り、「クレイジーになる」ということで、はしゃいで、大騒ぎして、みたいな感じですね。

blow off steam は「鬱憤(うっぷん)を晴らす、ストレスを解消する」という意味。
blow は「吹く」、off は「分離」の意味ですから、blow off で「吹き飛ばす」ということ。
steam は「スチームアイロン」などの steam で「蒸気、湯気(ゆげ)」。
確かに鍋などに溜まった蒸気を吹き飛ばして逃がす感じは、「うっぷん晴らし」の感覚に繋がる気がします。
爆発、破裂しそうになっているのを蒸気を逃がすことで回避する、みたいな感じでしょう。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
let/blow off steam : to get rid of your anger or excitement in a way that does not harm anyone, by doing something active
例) Recess is a good chance for kids to blow off steam.

つまり、「何かアクティブなことをすることにより、誰かを傷つけない方法で怒りや興奮を取り除くこと」。
例文は、「休憩時間は子供がストレスを解消する良い機会だ」。

エリザベスが、go crazy, blow off steam という言葉を使うので、余計に「ハメをはずす」イメージが強まってしまい、ロスはますます心配になってきます。
その旅行の計画が最終決定になったかどうかは知らないけど、他にもすごいストレス発散法があるよ、と言って、何とか計画を変えさせようとしています。
で、その別の方法が何かと言うと…「君は工芸に興味があったりする?」
crafts は「ペーパークラフト」などのクラフトで「工芸、手芸」ですよね。
今学期は超ハードに勉強してきたから、パーッとその鬱憤晴らしをしたいのよね、と言っているのに、じゃあ、工芸なんかどう? と「静かな文化系の趣味」を持ち出すというそのギャップに笑ってしまうわけです。
うまく出来なかったら、ますますイライラが溜まりそうな感じすらしますよね(笑)。

フロリダに行かずに、工芸でもしてみたら?という発言にはエリザベスも違和感を感じたらしく、「大丈夫?」と尋ねています。
ロスは平気な風を装って、大丈夫だ、と言い、I'm just being supportive. とも言っています。
このような「be 動詞+being」の形は、これまでのフレンズでも何度も登場しましたが、「今、この瞬間(だけ)、supportive である状態になっている」という感覚ですね。
supportive は「協力的な、支えとなる」。
これが、I'm supportive. という普通の現在形だと、「僕は協力的だ」というような「性格」や「(いつもそうであるという)普段の様子」を示していることになるでしょう。
I'm just being supportive. という形を使うことで、「今、僕はただ、supportive でいるだけなんだよ」のように、今、君に対して協力的であろうとしているだけ、協力的な態度を取っているだけのことなんだ、みたいに言っているわけですね。
「be 動詞+being」をあえて日本語化しようとすると、「〜であるという状態を今まさにしているところ」みたいな感覚になるでしょうか。
(微妙な違いですが)「協力的である」と「今、協力的でいる」のように差異を出すことも可能でしょうか??

その後の、Supportive of you and this whole trip は、I'm just being supportive of you and... 「君や…のことで(に対して)サポーティブ」のように、of 以下で、supportive の対象、サポートすべき対象を挙げていることになります。
of 以下で、「僕は協力的でいるんだよ、君に対しても、この旅行全体に対しても、そして…」と、その対象を挙げている時に、ロスは何かを見つけて驚いています。
ロスが掲げたそれは、赤いビキニ、それも、布の部分が小さな小さなビキニでした。
ト書きの、a rather skimpy bathing suit という表現もそのビキニの小ささを表しています。

skimpy については英辞郎に、
skimpy attire=肌もあらわな服装
skimpy bikinis=露出度の高いビキニ

と出ていますが、まさにそういう「肌もあらわな、露出度の高い」という意味なのですね。
LAAD では、
skimpy : a skimpy dress, skirt etc. is very short and does not cover very much of a woman's body
つまり、「skimpy なドレスやスカートは、非常に短く、女性の体を十分にカバーしていない[覆っていない]。」

水着を掴んで、何だよこれ?みたいに言ったロスに、エリザベスは「(何って)水着よ、水着だけど?」みたいに返します。
ロスはさらに、「人々の前で着るための水着か?」と尋ねていますね。
こんな露出度の高い肌もあらわな小さな水着を、大勢の男の前で着るつもり?と言いたいわけです。

「君の旅行には僕は協力的な態度でいるんだ」と言っておきながら、「こんな水着を男の前で着るのか?」と怒るロスに矛盾を感じたエリザベスは、Is that supportive? と言います。
that はその直前のロスの発言や態度を指しますね。
「そんな風に、水着にケチをつけたりするのが、協力的なの? 協力的だって言える?」みたいな抗議です。

それに対してロスが、Is this? と返すのが面白いなと思いました。
Is this? というのは、Is this supportive? ということですね。
Is that...? を受けての、Is this? ですから、「それはサポーティブなの?」「(じゃあ)これはサポーティブなの?」と「じゃあ、こっちはどうなんだ?」と逆に挑んでいる感覚になります。
ロスの言う this とは、ロスが今、手に持っている「肌もあらわな水着」のこと。

上で説明したように、supportive とは「協力的な、支えとなる」という意味でした。
人について使うと、その人が誰かや誰かの行動に対してサポートしてあげる、協力的である、という意味になりますが、元々、support 「支える」という動詞から派生した形容詞ですから、まさに「何かが何かを(物理的に)支える」という意味での「支えとなる」でもあるわけですね。
「このビキニ(のブラ)は支えになるのか?」とロスは聞き返しているわけで、「こんな少ない布きれで、君の胸が支えられるのか?」みたいに言っていることになります。
こんな小さなビキニじゃあ、ビキニとしてのサポート機能を果たしてないじゃないか、こんなのビキニとは言えないじゃないか、と、そのあまりの小ささと露出度の高さを指摘しているわけですね。

ブラなどの下着の機能説明で「しっかりサポート」みたいな言葉が使われることもありますが、まさにそういう「サポート」のニュアンスです。
僕はサポーティブだよ、と supportive という単語を連呼していたのは、(脚本的に)最後にこのビキニの話でオチをつけるためだったんですね(笑)。

"Is that supportive?" "Is this?" という、単語だけ見れば非常に簡単なやり取りではありますが、that はロスの言動、this はビキニを指し、それぞれに supportive という言葉を使うことで、「(人が)協力的である」「(衣服が)しっかりサポートする」という2つの意味を持たせ、コメディのジョークにしているわけです。
ここで最後のロスのセリフが、"Is this supportive?" になっていたら、意味はもっとはっきりしたかもしれませんが、今回のようにあえて、"Is this?" 「じゃあ、これは(どうなの)?」で止める方が、セリフとしてもオチとしても、すっきり聞こえる気がします。


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posted by Rach at 16:27| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月04日

失うものが何かある? フレンズ6-19その5

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レイチェルは、偶然知り合った男性セバスチャンをセントラルパークに連れてきます。
レイチェルに紹介する男性をそれぞれ用意(笑)していたフィービーと、チャンドラー&モニカは、そのセバスチャンに失礼な質問を浴びせ、気まずくなった彼は逃げるように帰ってしまいます。
「あなたたちのせいで、セバスチャンが逃げちゃったじゃないの!」と怒るレイチェルですが、チャンドラーとフィービーはまだ彼をネタにしてからかっています。
モニカ: All right, guys, stop it. Rachel, we're very sorry that is a very insensitive thing for us to do. And y'know what? Let us make it up to you. We have two really great guys for you. (いいわ、みんな、もうやめて。レイチェル、さっきの私たちの行動は、ものすごく無神経だわ。本当にごめんなさい。それで、ねえ? 私たちに埋め合わせをさせて。私たち、あなたのために、とっても素敵な男性を用意してるのよ。)
フィービー: Yeah! What have you got to lose? Y'know you might even end up with someone really special, (whispers) if you pick my guy. (そうよ! 何を失うものがあるの? ほら、最終的にすごく特別な誰かと一緒にいられるかもしれないのよ [ささやき声で] もし私の方を選んだらね。)
レイチェル: All right. (そうね。)
チャンドラー: Okay, so you will meet our guys? (オッケー、で、俺たちの男に会う?)
レイチェル: Yes, I'll meet ‘em. (ええ、その人たちに会うわ。)
チャンドラー: Okay now it doesn't matter which one you choose, y'know? It's completely up to you. Our guy is perfect, or you can go out with the guy Phoebe deemed not good enough to go out with herself. (よし、じゃあ、君がどっちを選んでも構わないよ、いい? 全く君次第なんだ。俺たちの男は完璧だぜ。そうじゃない場合は、フィービー自身がデートするほど良くはないと[自分自身がデートするほどではないと]みなした男とデートできるんだ。)

sensitive は「敏感な」ですから、それに not の意味を表す in- がついた insensitive は「無神経な」ですね。
that is a very insensitive thing for us to do を直訳すると、「それは(今のは、さっきのは)、私たちがするには、非常に無神経なことである」みたいになるでしょうか。
for us to do を自然な日本語にしにくいのですが、「私たちが行なう行動としては、無神経なものだ」という感覚になると思います。

モニカは自分たちの行動を詫びて、really great guys を持っている、つまり、あなたのためにそういう素敵な男性を用意していると説明します。
フィービーもそれに同意して、What have you got to lose? と言っています。
この lose は、have nothing to lose 「失うものは何もない」の lose と同じ感覚ですね。
LAAD では、have nothing to lose を使った、以下の例文が出ています。
You should apply for the job - you have nothing to lose (= will not make the situation worse by trying).
例文は、「君はその仕事に応募すべきだ。失うものなんてないだろ。(=トライしてみることで、状況が悪くなることがないだろう)」。

そのように have nothing to lose の場合は、「あることにトライすることで、何かを失うわけじゃない」という感覚で、それをすることで何かと引きかえになって損をすることもないから、やってみたらいいじゃないか、という時に良く使われます。

What have you got to lose? の文の構造ですが、これは恐らく、have got = have つまり、What do you have to lose? という意味だと思います。

have got が have の意味を表すことについては、
研究社 新英和中辞典に、以下のように説明されています。

have got
用法
(1) 話し言葉では have got は have の、また have got to は have to の代用になる
(2) 一般に have got (to) は have (to) よりも強調的

(1) もっている
"Have you got a newspaper?" - "Yes, I have [《米》 Yes, I do]." 「新聞はありますか」「はいあります」 (参照: "Do you have a newspaper?" - "Yes, I do.")


直訳すると、「君は失うべきものを何か持っているか?」ということで、「別に(それをすることで)失うものなんか何もないじゃないか、それで状況が悪くなるわけじゃないじゃないか」と反語的なニュアンスが出るでしょう。
その問いにあえて文章で答えるとすると、I have nothing to lose. (または I've got nothing to lose.) 「私には失うものは何もない」という意味になりますよね。

研究社の説明に、「have got は have よりも強調的」とありますので、have よりも have got を使うことで「失うものがあるとでも言うのか? そんなもの何もないだろ?」と「強調」する感じが増すのかな?と思ったりもします。

私の見た作品の中で、この "What have you got to lose?" がセリフに出てきたものがありました。
それが、映画「ゴッドファーザー PART III」(原題:The Godfather Part III)。
マイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)が、枢機卿に会い、彼に懺悔を促されるシーン。

マイケル: What is the point of confessing if I don't repent? (悔い改めずに(懺悔の)告白をすることに何の意味があるのですか?)
枢機卿: I hear you are a practical man. What have you got to lose? (君は現実的な人間だと聞いている。(懺悔することで)何か失うものがありますか?)

DVDの日本語字幕では、「懺悔して どんな損が?」と訳されていましたが、まさに「懺悔をしたからと言って、それで何か困ることがあるわけではない、仮に得ることがないとしても、少なくともそれで損をすることはないでしょう?」というニュアンスですね。

「誰かとデートしたからって、何も失うものなんかないでしょう?」と言いながら、フィービーは、「もしかしたら、すごく特別な誰かさんと最終的に一緒にいられるかもしれない」と言っています。
そう言いながら、ささやき声で、if you pick my guy と付け加えるのが面白いですね。
「もし私の方の男性を選べばね」みたいな条件付きのようになっていて、裏を返せば、「モニカたちの方を選んだら、”素敵な男性と巡り合えたわ!”とはならないだろうけど」と言っていることになります。

その二人の男性と会う気になったレイチェル。
チャンドラーは「レイチェルがどちらの男性を選んでも、問題ない、構わない」と言っています。
It's completely up to you. は、「(どうするかは、選択は)完全に君に任せるよ、一任するよ」というニュアンス。
君が自由に選んでくれていいからね、とフェアなところを見せているようですが、その後のセリフ、Our guy is perfect, or you can go out with... を聞くと、チャンドラーもフィービーと同じように、自分たちのおすすめする男性を強力にプッシュしていることがわかる、のがこのセリフのポイントですね。

「俺たちの(おすすめの)男は完璧だよ」と言った後、or 「もしくは、さもなければ」を使って、「俺たちの男を選ばなければこうなる」と、別の選択をした場合の結果を述べています。
or you can go out with は、「俺たちの男を選ばなければ、レイチェルは…とデートできる」と言っているわけですが、その男性の説明として、the guy Phoebe deemed not good enough to go out with herself と言っています。
deem は、「deem+目的語+補語」の形で、「(目的語)を〜(補語)だと思う、みなす」という意味になります。
LAAD では、
deem (formal) : to think of or consider something in a particular way (SYN: consider)
deem something appropriate/necessary/acceptable etc.
例) Judges can give any punishment they deem appropriate.

つまり、「(フォーマル) 何かを特別な方法・様子で思うこと、または見なすこと」。
例文は、「判事らは、彼らが適切だと思うどんな刑罰をも与えることができる」。

the guy Phoebe deemed not good enough to go out with herself の中心となる文は、
Phoebe deemed the guy not good enough になるでしょう。
「フィービーは、その男性を、十分に良いものとは思わなかった」になります。
何に対して十分良いとは言えないかと言うと、 "enough to go out with herself" になります。
つまり、「彼女自身と一緒に出掛けるのに(デートするのに)十分なほど(良いとは言えない)」ということですね。

ほんとにすっごくいい男なら、フィービー自身がデートしたいし、彼氏にしたいと思うだろう、レイチェルに紹介してくれたってことは、「私は別にデートしたいとは思わないけどね」とフィービーが思う程度の男なんだよ、と、チャンドラーは言いたいのですね。

「俺たちの男は完璧、それを選ばない場合は、こういう男とデートできるよ」ともう一つの選択肢を説明する中で、その男っていうのは、「フィービーが、自分がデートするほどでもないと思った男」なんだけどね、と最後にオチをつけて、フィービーの男が大したことないと言っているわけです。

「いい男と付き合えるわよ、私の方を選べば」とささやき声で言うフィービーと、「俺たちの方を断れば、フィービーも大したことないと思ってるレベルの男とデートすることになっちゃうぜ」みたいに言うチャンドラーとの、応酬合戦みたいなものを楽しんでいただければと思います。


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posted by Rach at 16:11| Comment(2) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月01日

まだあったの?もうないよ フレンズ6-19その4

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チャンドラーが部屋に帰ってくると、テーブルの上にはたくさんの食材が並んでいて、疲れ切った表情のジョーイがそれらの食品を食べています。
チャンドラー: Well, you... don't look good, Joe. (うーん、元気そうじゃないな、ジョーイ。)
ジョーイ: The fridge broke, so I have to eat everything. Cold cuts, ice cream, limes... Hey, what was in that brown jar? (冷蔵庫が壊れたんだ、だから、全部食べなきゃいけないんだよ。ハム、アイスクリーム、ライム…なあ、あの茶色の瓶に入っていたのは何だ?)
チャンドラー: That's still in there?! (それって、まだ冷蔵庫にあるのか[あったのか]?)
ジョーイ: Not anymore. So, anyway, how do you want to pay me? ((いや)もう、ないよ。それで、とにかく、どうやって俺に金を払いたい?)
チャンドラー: Is this a service you'e providing me? (これは、お前が俺に提供してるサービスなのか?)
ジョーイ: No! No! No! For my new fridge. Our new fridge! (違う違う違う! 俺の新しい冷蔵庫の支払いだよ。俺たちの新しい冷蔵庫だ!)
チャンドラー: "Our" new fridge? I don't live here anymore. (”俺たちの”新しい冷蔵庫だって? 俺はもうここに住んでないんだぞ。)
ジョーイ: So what? Look, okay, suppose we were a divorced couple. (それが何だよ? いいか、よし、俺たちが離婚した夫婦だと想像してみろ。)
チャンドラー: Uh-huh. (あぁ。)
ジョーイ: And I got custody of the kid, right? Now suppose the kid dies and-and I gotta buy a new kid. (それで、俺が子供の養育権を持つ[子供を引き取る]。で、その子が死んだとするだろ、そしたら俺は新しい子供を買わなきゃいけないんだ。)
チャンドラー: (not quite sure where Joey's going and is a little worried) Okay.... ([ジョーイが何を言おうとしているのかよくわからず、少し不安そうに] オッケー…。
ジョーイ: (pause) Gimme $400! ([間があって] 俺に 400ドル、よこせ!)

大量の食べ物を前にして、疲れた顔でアイスクリームを食べているジョーイを見て、「調子悪そうだな」みたいなことをチャンドラーは言っています。
食べ物をめちゃ食いしている理由を、「冷蔵庫が壊れたから、全部食べなきゃいけないんだ」とジョーイが説明します。

cold cuts というのは、「ハムやソーセージなどの薄切り冷肉」のこと。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
cold cuts [noun] [plural] : thinly cut pieces of cold cooked meat
つまり、「調理済みの冷たい肉を薄くカットしたもの(断片)」。
辞書にも plural とあるように、常にこの複数形の形で使うようですね。
言葉そのものは恐らく、「カットされた冷たいもの」という感覚で、それで、「冷蔵保存するような調理済みカット肉(ハムなど)」という意味で使われるのでしょう。

ジョーイはあんなのやこんなのを食べなきゃいけない…といろいろ品を挙げた後、ふと思い出したように、What was in that brown jar? と尋ねています。
直訳すると、「あの茶色の瓶の中には何があった?」という感じですが、ニュアンスとしては、What was that in the brown jar? 「あの茶色の瓶の中にあった、あれは何だったんだ?」と同じことでしょう。冷蔵庫に入っていた茶色の瓶の中身が何だったかを尋ねているのですね?

それを聞いたチャンドラーは、驚いた顔で、That's still in there?! と聞き返しています。
still は「依然として、まだ」、in there は、in the fridge のことですね。
チャンドラーのセリフからは、「もう食べちゃった、捨てたと思ってたのに、その茶色の瓶って、まだ冷蔵庫に残ってたのかよ」と思っていることが伺えます。
その後、ジョーイがあっさりと、Not anymore. と言うのがおかしいですね。
「もはや・もう、(その茶色の瓶の中身は)ない」と言っているので、つまりは、ジョーイが食べちゃった、ということです。
チャンドラーが「茶色の瓶がまだ冷蔵庫に存在していた」ことに驚いているくらいですから、賞味期限などとっくに過ぎたものだったのでしょう。
それを「もうないよ、俺がさっき食っちまった」みたいに言っているのが、大食漢のジョーイらしいですね。
普通なら、チャンドラーのセリフから「期限切れの食品」であることを察するものですが、それに気付かないところもまた、ジョーイらしいと言えるでしょう。

そんな「期限切れ」のことなど全く気にしていないジョーイは、違う話題を出しています。
How do you want to pay me? を直訳すると、「君は俺にどのようにして金を払いたいか?」ということで、支払方法について尋ねていることがわかります。
いきなり「支払方法はどうしたい?」みたいに言っていることから、この時点ですでに「チャンドラーがジョーイにお金を払うこと」は大前提として決まっているかのような言い方です。
「金はどうやって払うの?」みたいにいきなり言われたので、チャンドラーは、Is this a service you'e providing me? と聞き返しています。
provide service は「サービスを提供する」ですね。
つまり、チャンドラーは、「これはお前が俺に提供しているサービスなのか?」と言っていることになります。
this とは、今、目の前で行われていること、つまり、ジョーイが大量の食べ物をむちゃ食いしていることを指すでしょう。
お前のそのむちゃ食いは見世物で、お前はそれで俺から金を取るつもりなのか?みたいなことですね。
DVDの日本語字幕も「大食いショーなの?」となっていましたが、まさにそういうことだと思います。

ジョーイは、「俺の新しい冷蔵庫」の金だ、と言った後、「俺たちの新しい冷蔵庫」だと言い直しています。
「俺たち」という言葉を使われたチャンドラーは、「”俺たち”だって? 俺はもうここに住んでないんだぞ」と抗議しています。
So what? は「それがどうした? それが何か?」というニュアンス。
「チャンドラーはもうここには住んでいない、それが何だって言うんだ」という挑戦的なフレーズですね。
ジョーイは、suppose 「想像する、仮定する」という動詞を使って、「俺たちが離婚した夫婦だと想像してみろ、仮定してみろ」と言っています。
ジョーイが自ら、「よし、じゃあ俺たちが離婚した夫婦だって想像してみろよ」などと言うのが面白いですね。
チャンドラーはよくゲイ疑惑を持たれる人で、ジョーイとチャンドラーがここで同居していた頃は、ゲイカップルみたいに誤解されたり、知らない間に二人の会話が夫婦喧嘩のようになったりしていたこともありました。
そういう「カップルみたいに見えてしまう」ことを二人はいつも必死に否定するのに、こんな例え話では、あっさり「俺たちが離婚した夫婦だとするだろ」と言ってしまう、そのギャップが面白いわけですね。
custody は、犯罪がらみの話では、「拘留、拘置、監禁」という意味でよく使われますね。
今回の場合は、「養育権」のような意味になります。
LAAD では、
custody [noun] [uncountable] : the right to take care of a child, especially when the child's parents are legally separated from each other
つまり、「ある子供を世話する権利、特にその子供の両親が法的に別れた時に。」

離婚後、ジョーイが子供を引き取るという設定の後、さらにはその子供が死んだ場合を仮定しています。
で、「子供が死んだら、新しい子供を買わなきゃいけない」と言っているジョーイに、チャンドラーは困惑した表情を浮かべていますね。
ジョーイは、同居時代一緒に使っていた冷蔵庫を、二人の子供に例えたわけですが、子供が死んだからって、新しい子供に買い替えるわけもないのに、すでに最初の時点で例えの設定を間違えていた感がありますね。
それらしい例えになるのかと聞いていたら、やっぱり「買い替える」という話だったので、「全然、子供の例えになってないだろ!」とツッコミを入れたいところです。
普通は、「ほら、例えばこうだとするだろ、そしたらこうなるじゃないか…」と論理的に説得力のあるたとえ話になれば、「それもそうだよなぁ…」と渋々でも納得したりするものですが、ジョーイの例え話はただ、冷蔵庫を子供に置き換えただけのものだった、という面白さですね。


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posted by Rach at 17:41| Comment(2) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月30日

顔の尻じゃなくアゴエクボ フレンズ6-19その3

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今、彼氏のいないレイチェルは、会社で行われるチャリティー・パーティーに連れて行く男性を探しています。
そこで、チャンドラー&モニカと、フィービーとがそれぞれ、自分の知り合いの男性をレイチェルに紹介しようとしていて、どちらの男性が素敵かを言い合っているところ。
フィービー: My guy is a lawyer who does volunteer work. And, he has one of these (She squeezes the skin on her chin together to form...) (私の(連れてくる)男性は、ボランティアの仕事をしてる弁護士なの。そして、彼は、例のこういうのがあるの。[フィービーはあごの皮膚を強く押して寄せて、…を形作ろうとする]
チャンドラー: A face ass? (顔の尻[けつあご]?)
フィービー: A chin dimple! (あごのエクボよ!)
モニカ: Well, uh y'know, our guy works with Chandler and he' really nice and smart and he's a great dresser! (うーんと、ほら、私たちの(連れてくる)男性はチャンドラーの同僚で、彼は本当に素敵で賢くて、おしゃれなのよ[服のセンスもいいのよ]!)
フィービー: Have you seen your guy's body? (そのあなたたちの男性の体を見たことあるの?)
チャンドラー: No, our guy is just a floating head. (いや、俺たちの男はただの浮かんでる頭なんだ[頭が浮かんでるだけなんだ]。)

チャンドラー&モニカ対フィービーで、「自分たちの紹介する男の方がいい」という自慢合戦みたいになっています。
私の男、つまり、私がレイチェルに紹介しようとしている男性は、ボランティアの仕事をしている弁護士なの、と説明した後、フィービーは、And, he has one of these... と言いながら、ト書きにあるような動作をしてみせています。

one of these を直訳すると「こういうものの一つ」ということなので、「よくある、みんなも知ってる、こういうもの(の一つ)」という感覚。
フレンズのセリフにには、one of those の形でよく登場しますね。

ト書きの説明では、「フィービーは、何かを形作るために、自分のあごの皮膚をぎゅっと寄せる」とあります。
そうすることで、あごに「へこみ」を作っているのですが、それを見たチャンドラーが、A face ass? 「顔の尻?」と言うのには笑ってしまいました。
その後、フィービーがむきになって A chin dimple! 「あごのエクボよ!」と言っています。

確かにフィービーが形作った「それ」は、チャンドラーが a face ass と表現したように、顔のうち、あごの部分がお尻のように2つに割れた感じには見えます。

以下のウィキペディアに、そういうあごについての説明が載っています。

Wikipedia 日本語版 : 割れ顎

参考になりそうな部分を以下に引用させていただきます。

割れ顎(われあご)とは、顎が縦に二つに割れているように見える状態から派生した造語。
二つに割れた形状が、尻を連想させるため、ケツ顎/尻顎(どちらも「けつあご」と読む)と呼ばれることも多い。


通常は「割れ顎(われあご)」と言うようですが、上の説明にもあるように、そういうあごのことを日本語では「けつあご」と言ったりしますよね。
「二つに割れた形状が、尻を連想させるため」とのことですが、アメリカ人のチャンドラーも同様に「お尻」を連想して、a face ass 「顔の尻」と形容したのが興味深いなと思いました。
「尻」のニュアンスが共通しているからでしょう、DVDの日本語字幕でも、チャンドラーのセリフは「ケツアゴ?」と訳されていました。

それぞれが「自分が紹介する男性自慢」をしているので、もちろんフィービーはそのあごをチャームポイントとして言っているわけです。
それを「尻」呼ばわりされたので、これは A chin dimple よ!と言って怒っているのですね。

dimple は「えくぼ」、または「小さなくぼみ」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
dimple : a small hollow place on your cheek or chin, especially one that forms when you smile
つまり、「頬やあごのくぼんだ場所、特に微笑む時に形成するもの」。

その語義にもあるように、日本人が普通「えくぼ」で想像する、ほっぺたのえくぼ以外にも、あご(chin)のへこみも dimple と表現することがわかりますね。
a chin dimple と表現すれば、頬のえくぼと、より区別しやすくなるわけですね。
a dimpled chin だと、「えくぼのある・えくぼのできたあご」ということになります。

私が連れてくる彼には、「あごエクボ」があるのよ!と自慢しているように、そう言えば、外国の俳優さんには、そういうあごの持ち主が結構いますよね。
(「あごが割れてる」と聞くと、私の場合はなぜか真っ先に、一休さんの「新右衛門さん」を思い出してしまうのですが…笑)。
アメリカの俳優さんだと、カーク・ダグラスやジョン・トラボルタなどが有名ですね。(そう言えば、ここ数日、ニュースでジョン・トラボルタの名前をよく目にします…)
彼らの写真を見ていると、「あごが割れている」というよりも、「あごのエクボ」と表現する方がぴったりな感じです。
そういう a chin dimple には、男性のワイルドなセクシーさみたいなものが感じられる気はしますよね。
日本語で、特にそれを「けつあご」と表現してしまうような場合は、顔の特徴を言っている感覚で、あまり褒め言葉のようなニュアンスは感じられませんが、英語で言うところの、a chin dimple には、フィービーがわざわざそれを挙げるくらいの「長所」として考えられていることが、このやり取りからわかります。
日本では「八重歯」がチャームポイントになったりしますが、外国ではそうではない…みたいに、文化や風習の違いで、「何を魅力的に感じるか?」というのも異なってきますよね。
どこの判断基準が正しいか正しくないか?を考えるのではなく、そういう「国民性の違い」みたいなものを感じて「なるほどぉ〜」と思うのも、ドラマを見る楽しみのように思います。

モニカは、自分たちが連れてくる男性のことを説明しています。
our guy works with Chandler は「私たちの男性はチャンドラーと一緒に働いている」ということで、つまりはチャンドラーの同僚。
同僚という単語は a colleague ですが、そういう単語が浮かばない場合はこのように「チャンドラーと一緒に働いている(人)」と表現すればいいということです。
実際、Chandler's colleague みたいに表現するよりも、(he) works with Chanlder と言う方が、英語としてより自然に聞こえるように思います。

その人は、本当に、nice で smart で、a great dresser なのよ、と自慢するモニカ。
日本でも「ベストドレッサー賞」などと言いますが、こういう場合の dresser は「(服を)着る人」というシンプルなニュアンス。
「服を着る」という自動詞 dress に、人を表す -er をつけた単語ですね。
LAAD では、
a fashionable/stylish/sloppy etc. dresser : someone who dresses in a fashinable, stylish etc. way
つまり、「ファッショナブル[スタイリッシュ]・ドレッサーとは、ファッショナブルな[スタイリッシュな]方法[様子]で服を着る人」。

これを当てはめると、a great dresser は、someone who dresses in a great way ということになり、「素敵な感じに服を着ている人」、つまり、服の趣味が良いとか、おしゃれだとか言っていることになります。
こんな風に、a good/great 動詞+-er で、「〜するのが上手な人」という意味でよく使いますね。
このやり取りの後にも、
モニカ: Our guy's a great dancer! (私たちの彼は、ダンスが上手なの!)
というセリフも登場します。
日本語で「ダンサー」と聞くと、何だかプロのダンサーみたいなイメージを浮かべてしまいそうですが、モニカも言っていたように、その彼はチャンドラーの同僚ですから、「ダンサーという職業の人」ではないでしょう。
単に「ダンスを踊る人」という意味の dancer で、dance が上手だから、a great dancer と言っているわけです。
これを直訳で、「その彼は”偉大なダンサー”なの」みたいに訳してしまうと、随分とニュアンスが違ってしまうことになるでしょう。
「彼はキスが上手なの」と言いたい場合は、He is a good kisser. と言えばいいわけで、「〜するのが上手な人」→「a good/great 動詞+-er」の形は、人の説明をするのに便利な表現だと言えそうですね。

モニカが自分たちの男性の服のセンスを褒めたので、フィービーは、body つまり、彼の体を見たことある?と尋ねています。
その話の流れから、「その彼は、中身の肉体も素敵かしら?」みたいに話を持って行こうとしていることがわかりますが、チャンドラーは当然そのことに気づきながらも、No, our guy is just a floating head. とジョークで返しています。
No という最初の否定は、No, we haven't seen our guy's body. 「いいや、俺たちはその男性の体を見たことはない」という意味。
それだけなら、普通のやり取りなのですが、チャンドラーは彼の体を見たことない理由として、our guy is just a floating head と言っています。
「俺たちの男は、ただの”浮かんでいる頭”なんだ」みたいなことで、「いや、彼の体は見たことない、だって彼は”顔だけ人間”だから」みたいに冗談を言っているのですね。

フィービーは男性の魅力の一つとして、彼がいわゆる「ナイスバディ、セクシーバディ」の持ち主かどうかを聞くために、「彼の体(つまり裸体)を見たことある?」と聞いたわけですが、チャンドラーはそれをわかっていながら、「彼の体? そういや見たことないなぁ、彼は頭がプカプカ浮いてるだけで、体がないやつなんだよ」みたいにジョークで返したわけですね。


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posted by Rach at 16:49| Comment(2) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月28日

ガールスカウト・クッキー フレンズ6-19その2

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ロスが自分の生徒と付き合っているので、フレンズたちは「学生ネタ」でロスをからかっています。
モニカ: Oh, I like Elizabeth. (あぁ、私、エリザベスが好きよ。)
ロス: Well, thanks. (おぉ、ありがと。)
モニカ: Yeah. In fact, I like her so much, you tell her I want my cookies early this year! Y'know, a box of Thin Mints and some Tagalongs. (そうよ。実際、私は彼女がとっても好きだわ、(だから)今年初めのクッキーが欲しい、って彼女に言っといて。ほら、シン・ミント1箱とタガロング(ズ)を何箱かね。)
ジョーイ: Hey-hey, come on, you guys, give him a break. Ross, seriously, how's it going with her? (おいおい、お前ら、いい加減にしろよ、ロスのこと勘弁してやれよ。ロス、まじな話、彼女とはどんな感じ?)
ロス: Well, actually it's been great. She's 20, so she's not looking for anything too serious, which is perfect for me right now. (そうだな、実際、(これまでのところは)最高だよ。彼女は20歳で、だから彼女はあまり深刻なものを求めてない、それって今の僕にはパーフェクトなんだ。)
モニカ: Well, that is great. And seriously, she seems very nice. (そう、それはいいわね。で、まじめな話、彼女はとってもいい人に見えるわ。)
ロス: Thanks. I know you guys like to give me a hard time and all, but it really means a lot to me that you like her. Just knowing that you guys are-- (ありがと。君たちが僕をいじめてからかったりするのが好きなのはわかってる。でも、君たちが彼女を好きでいてくれることは、僕にとってはすごく意味のあることなんだ[すごくありがたいと思ってる]。ただ君たちが…だとわかってるだけで…)
フィービー: (interrupting) Okay, I got a good one. Okay, umm, what is she, like 12? ([ロスの言葉を遮って] よし、いいのを思いついた。いい、うーんと、彼女って何、12歳?)

モニカは、ロスの妹らしく、「私はエリザベスが好きよ」と言ってフォローしています。
素直に喜ぶロスですが、その後、モニカもまた、「若い学生ネタ」でからかっていますね。
「今年初めのクッキーが欲しいって言っといて」と言いながら、Thin Mints や Tagalongs という名前を挙げています。
大文字で始まっていることからも、これがクッキーの種類の名前だということもわかりますね。

"Thin Mints" で検索すると、そういうクッキーの情報や画像がたくさんヒットします。
中でも、以下のウィキペディアが一番わかりやすいですね。
Wikipedia 英語版: Girl Scout cookie
このクッキーは「ガール・スカウト・クッキー」と呼ばれるものです。
上の英語版ウィキペディアから、参考になりそうなところを以下に引用させていただいて、訳をつけてみました。

Girl Scout cookies are cookies sold by Girl Scouts of the USA (GSUSA) as one of its major fundraisers for local Scout units.
「ガール・スカウト・クッキーは、地方のスカウト団にとって主要な資金調達の一つとして、アメリカのガールスカウトによって販売されるクッキー」。

Girls who participate can earn prizes for their efforts.
「参加する少女たちは、その(努力の)成果に対して賞(ほうび)をもらうことができる」。

こういう「小さな女の子がクッキーを売り歩く話」は、過去のフレンズのエピソードにも出てきましたよね。
フレンズ3-10その2 などで触れたように、その 3-10 のエピソードで、「ブラウンバード(Brown Bird)」というガールスカウトの女の子がクッキーを売り歩いている時、ロスはその子にケガをさせてしまいます。
宇宙が大好きなその女の子は、どうしても、売上1位の「スペースキャンプ(Space Camp)への旅行」をゲットしたい。それで動けない彼女の代わりに、ロスがクッキー売りに奔走する、というお話でした。
まさに上のウィキペディアの説明にあるように、「成果に応じて賞がある」ことがその話からもよくわかりますね。
(上でリンクした記事のコメント欄でも、Wikipedia 英語版: Girl Scout cookie のことを教えていただいています。)

そのウィキペディアには、箱やパッケージの写真、中身のクッキーの写真など、画像がたくさん表示されていますので、どういうものかイメージしやすくて助かります。
一番右上の大きな箱と小さな箱が積まれている写真では、段ボールのような大箱のうち、一番上の赤い文字のが、Tagalongs で、その下の左の緑の文字のが、ThinMints ですね。
その味が、ガール・スカウト・クッキーの中でも特にメジャーであることがよくわかります。

下にスクロールしていくと、Thin Mints のクッキーの中身の姿も載っています。
チョコレートでコーティングされているのですね。
Varieties の表の1行目に Thin Mints が、3行目に Tagalongs が載っています。
Tagalongs という名前は、LBB (Little Brownie Bakers) という会社の製品名で、ABC (ABC Bakers) という会社からは、Peanut Butter Patties という名前で売られているようです。
Thin Mints の売り上げは 25%、Tagalongs は 13% だそうです。

味(Flavor)の説明を引用させていただくと、
Thin Mints : Thin, mint-flavored chocolate wafers dipped in a chocolate coating
つまり、「チョコレート・コーティングに浸した、薄い(薄っぺらい)、ミント味のチョコレート・ウエハース」。

Tagalongs : Crispy vanilla cookies layered with peanut butter and covered with a chocolate coating
つまり、「ピーナツバターが層になって、チョコレートで覆われた、サクサクのバニラ・クッキー」。

クッキーのフレイバーのイメージが湧いたところで、セリフを見てみます。
a box of Thin Mints and some Tagalongs という表現にちょっと引っかかったのですが…。
私はこれを、a box of Thin Mints and some boxes of Tagalongs という意味に解釈しました。
一瞬、a box of (Thin Mints and Tagalongs) で、「シン・ミントとタガロングズが入った箱を1箱」かも?とも思ったのですが、1つの箱に違うフレイバーが混ざって(詰め合わせのように)入っているということはなさそうですし、Tagalongs だけに some がついている理由も説明できない気がします。
何度も box という単語を言うのを省略して、a と some で、1箱と数箱(何箱か)と言ったのかなぁ、と。
シン・ミントが1箱で、タガロングは数箱、というのもバランス悪い気もしますが(笑)、「とりあえず、シン・ミントを1箱と、後はタガロングを何箱かね」のように、自分の好きな方を多めに頼むつもりみたいなことを言いたいのかなと私は思いました。

クッキーの説明が長くなりましたが、「エリザベスが大好きだから、彼女からクッキーを買ってあげるわ」と言うことで、彼女がガール・スカウトに所属するような「小さな女の子」のように言って、からかっているのですね。

Give him a break. は「勘弁してやれよ」というニュアンス。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
give somebody a break : (spoken) said when you want someone to stop annoying, criticizing, or being mean to you or someone else
つまり、「(口語) ある人が、自分もしくは別の人を困らせたり、批判したり、意地悪をしたりするのを止めたいと思う時に言われる」。

今回はフレンズたちが口々に、「学生ネタ」でからかっているので、「ロスにいやなことやいじわるみたいなことをするのをやめてくれ、やめてやってくれ」という気持ちから、この言葉を言っているわけです。
It's been great. という現在完了形は、「(これまでのところはずっと)順調」という感覚なのでしょうね。
she's not looking for anything too serious を直訳すると、「真剣すぎることを何も求めていない」ということになるでしょう。
20歳でまだ若いから、結婚とかを具体的に考えているわけではない、ということですね。
which is perfect の which は、前の文全体を受けて、「エリザベスが真剣なことを求めていないってこと」は僕にとってパーフェクトなんだ、と言っていることになります。

give someone a hard time は「人につらい時間を与える」ということからもわかるように、「人につらい・嫌な思いをさせる、悩ませる、いじめる」という意味になります。

LAAD では、以下の3つの意味が載っていました。
give someone a hard time (informal)
a) to deliverately make someone feel uncomfortable or embarrassed, especially by joking
b) to treat someone badly or cause problems for them
c) to criticize someone a lot

つまり、a. は、「わざと・故意に誰かを不愉快に、または、恥ずかしい気持ちにさせること、特にジョークを言うことで」、b. は、「誰かをひどく扱うこと、またはその人に対して問題を起こすこと」、c. は、「人を大いに批判すること」。

「人に a hard time を与える」ということから、「人にいやな思いをさせる」ことは容易に想像できますが、いろいろなレベルで使えることが上の語義からわかりますね。
今回の場合は、a. の「ジョークで、わざと相手をいやな気持ちにさせる」が近いでしょう。
本気でいじめているのではなく、ジョークでからかっているというレベルですね。

It really means a lot to me that you like her. の it は、that you like her の仮主語。
ですから、「君たちが彼女を好きでいる」ということが、僕には本当に大いに意味があることなんだ、ということですね。
「大いに意味がある」という means a lot to me は、相手がしてくれたこと、言ってくれたことが嬉しかった場合などに、お礼のフレーズで使われることが多いですね。

Just knowing that you guys are-- 「君たちが…でいてくれるってことを知るだけで…」みたいに言いかけた時、それまで黙っていたフィービーが、やっと口を開きます。
Okay, I got a good one. は、「よし、私、いいのを[いいやつを]思いついた」という感覚。
ずっと黙っていた後にこう言っていることからも、チャンドラー、レイチェル、モニカたちが口々にロスの彼女が若すぎることをからかっていたことに自分も乗っかろうとしているのがわかります。
「みんな、いろいろ言ってからかってたけど、私の考えたやつも聞いて!」みたいな気持ちですね。
で、そんな風に、もったいつけて言った内容はというと… What is she, like 12? だったので、ロスもみんなもあきれた顔をしています。

What is she, like 12? は文字通り、「彼女は何? 12歳?」という感覚。
彼女の年齢を問うなら、How old is she? になりますが、この場合は、「彼女って何者? 12歳の子供?」みたいに言っているニュアンスになるでしょう。

過去記事、やっぱり8歳だった フレンズ5-9その7 でご紹介した、「お前は8歳か?」みたいなニュアンスのセリフも、"What are you, (like,) eight?" の形になっていました。
「(誰それ)は、○歳の子供かっ!?」と言いたい時の定番フレーズだということですね。

エリザベスは実際には20歳ですが、それをもっとお子チャマだと言うために、「何、あの子、12歳の女の子?」とフィービーは言ってみせたわけでしょう。
ですが、そういう「子供かっ!?」の決まり文句だとしても、みんなが口々にいろんなネタでからかった後に満を持して出した言葉としては、あまりにもパンチ不足、というか、ひねりがなさすぎの「そのまんま」のセリフですよね。
嬉しそうに「聞いて聞いて」と発表したセリフがそれだったので、みんなも唖然とした顔をしている、ということです。
テレビのバラエティー番組で、話を振られたタレントさんの発言がスベってしまう感じと似ています。
フィービー一人が喜んでいるところが、逆に「イタい」感じを強調してしまっていますね。


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2012年05月25日

since+現在完了形? フレンズ6-19その1

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シーズン6 第19話
The One with Joey's Fridge (やきもち焼きのロス)
原題は「ジョーイの冷蔵庫の話」


ロスは今、自分が勤務する大学の生徒エリザベスと付き合っています。
ロスの勤務する大学には、生徒と付き合ってはいけないという規則があることが判明するのですが、「禁じられた恋(forbidden love)」であることが、余計に二人を燃え上がらせてしまいます。
すっかりラブラブ状態のロスは、セントラル・パークでフレンズたちに、エリザベスを紹介します。
そのエリザベスが帰った後、
チャンドラー: So, why is she leaving? Is it a school night and she has a lot of homework to do? (それで、どうして彼女は帰ろうとしてるの? 登校日の前夜で[明日は学校で]、やらなきゃいけない宿題がたくさんあるの?)
ロス: Yes. Her molecular epidemiology paper is due tomorrow. (そうだよ。彼女の分子疫学のレポートが明日、締切なんだ。)
チャンドラー: Oh, tell her good luck with that. (あぁ、彼女に、幸運を祈る、って言っといて。)
ロス: Anyone else? Huh? Bring ‘em on! (他にも誰か(からかいたいやつは)いる? どう? からかうネタを出してこいよ!)
レイチェル: Oo! When's her birthday?! (あぁ! 彼女の誕生日はいつ?)
ロス: I don't know, Rachel, why? (知らないけど、レイチェル、どうして?)
レイチェル: Well, y'know it's just been so long since I've been to Chuck E. Cheese. (うーんと、ほら、チャッキーチーズ(チャック・E・チーズ)に行くのは、すっごく久しぶりだから。)

学生であるエリザベスが帰ったので、チャンドラーは「学生ネタ」でからかっています。
school night は、英辞郎では、
school night=登校日の前夜
と出ていますが、確かにそういう意味でしょうね。
school night を文字通り訳すと、「学校の夜、学校がある日の夜」ということになるでしょうが、「夜」のことを言っているので、「今日の昼に学校があった、その日の夜」というよりは、「明日、学校に行かなければならないという、前日の夜」を指すことになるだろうと思います。
ですからチャンドラーは、「明日は学校で、今夜はたくさんの宿題をしなくちゃいけないから、彼女は帰ったの?」と言っているのですね。

チャンドラーが、学生ネタでからかったのは明白なのですが、ロスはそれに動じる様子もなく、「そうだよ」とあっさりそれを認めています。
molecular epidemiology は「分子疫学」、paper は「論文」という意味でよく使われますが、この場合は「小論文、レポート」ということですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
paper : SCHOOL WORK a piece of writing that is done as part of a course at a school or college
例) When is your sociology paper due?

つまり、「学校や大学の過程の一部として行なわれる一つのライティング(書き物)」。
例文は、「君の社会学のレポートは、いつが締切なの?」

この LAAD の例文にも、due という言葉が登場していますね。
due は「期限が来て」という形容詞で、be due on Monday なら、「月曜日が締切、月曜日が提出期限」という意味になります。
フレンズ6-6その1 では、
ジョーイ: And when is that due? (で、(家賃の)支払期日はいつだ?)
というセリフもありました。
今回のセリフでも、LAAD の例文でも、paper と due が一緒に使われていますね。
それだけ、paper と言えば due、「レポートと言えば締切」という連想が働きやすい、ということでもあるでしょう。

「あぁ、ほんとに明日レポートの締切日なんだ」と言うので、拍子抜けしたチャンドラーは、「それじゃあ、彼女に、"Good luck with that." って言っといて」と言い、「面白くない」という顔をしています。
「ほぉ〜、宿題でもあるわけ?」と冗談めかして言ったら、本当にそうで、それが冗談にならなかったことと、ロスの性格からして「学生ネタでからかうのか?」とムキになるかと思いきや、全然動じていないことも、チャンドラーとしては気に入らなかったのでしょう。
ジョークを外したみたいになって、チャンドラーはご機嫌斜めなのですね。

強気のロスは、Anyone else? と聞いています。「他に誰かいるか?」というのは、「今のチャンドラーみたいに、学生ネタでからかいたいやつはいる?」という感覚ですね。
Bring ‘em on! の bring on は「話題を持ち出す」という意味。
言いたいことがあったら、そういうのを持ち出してみなよ!という挑戦的なセリフになるでしょう。

そこでレイチェルが突然、彼女の誕生日はいつ?と尋ねます。
「知らないけど、どうして急にそんなこと聞くの?」のようにロスが聞き返すと、レイチェルは、Chuck E. Cheese という名前を出したセリフを言っていますね。

まず、この Chuck E. Cheese について。
公式サイトは以下。
Chuck E. Cheese's - Where A Kid Can Be A Kid
ウィキペディアは以下。
Wikipedia 英語版: Chuck E. Cheese's

ちなみに、ここの名称は、Cheese's のように、-'s が付く形が正しいようですね。

ウィキペディアで、参考になりそうなところを以下に引用させていただきました。

Chuck E. Cheese's ... is a chain of family entertainment centers.
チャッキーチーズは、ファミリー・エンターテインメント・センターのチェーン。

The concept is a sit-down pizza restaurant, complemented by arcade games, amusement rides... (一部省略) ... - all mainly directed at younger children.
コンセプトは、着席式のピザ・レストランで、アーケード・ゲーム(ゲームセンター)や遊戯器具…(一部省略)なども付随している。全ては主に低年齢の子供をターゲットにしている。

The brand is represented by Chuck E. Cheese, an anthropomorphic mouse.
そのブランドは、擬人化されたネズミである Chuck E. Cheese に象徴されている。

その情報を総合すると、「娯楽施設を併設した、ピザ・レストランのチェーン店」ということですね。
食事をするだけのレストランではなく、低年齢の子供をターゲットにした遊具や遊び場もある、総合エンターテインメント施設、みたいな感じなのでしょう。

公式サイトに登場している、Chuck E. Cheese という名前のネズミくんが、ここのイメージキャラクターなのですね。
そのため、Chuck E. Cheese の店、という意味で、所有格の -'s がついた形の Chuck E. Cheese's が店舗の正式名称になっているわけでしょう。

公式サイトのタイトルにも出ているように、"Where A Kid Can Be A Kid" がこの店のキャッチフレーズのようです。
「子供が子供でいられる場所」みたいな意味でしょう。
そのサイトに、赤い王冠をかぶった女の子の写真が載っていて、RESERVE A BIRTHDAY と書いてあります。
つまり、誕生日にこの店でお誕生日会を開くための予約、ということですね。
Enter Zip Code つまり、郵便番号を入力すると、近所のチャッキーチーズで予約が取れる仕組みになっているようです。

ここで、再度、レイチェルのセリフを見てみると、it's just been so long since... を使って、「チャッキーチーズに行くのは久しぶり」みたいなことを言っていますね。
(この文の現在完了形のニュアンスについては、後でもう少し語ります。)

チャッキーチーズと言えば、サイトの説明にあるように、「子供がお誕生日会を開く店」というイメージがあるために、「エリザベスの誕生日には、チャッキーチーズに行くことになりそうね、もう、チャッキーチーズには長い間、行ってないわぁ〜」と言ってみせたわけですね。
そんなところでお誕生日会を開きそうな、お子チャマ(younger children)だと言って、彼女の若さをからかっているセリフになるでしょう。

ここで、It's just been so long since I've been to Chuck E. Cheese. という文章の「現在完了形」の時制について見てみます。
普通、「〜するのは久しぶり」というニュアンスの文章は、"It has been a long time since S+Vの過去形" の形になりますね。
「SがVした、という出来事以来、(今に至るまでに)長い時間が経っている」という感覚です。
だとすると、レイチェルのセリフも、It's just been so long since I (last) visited Chuck E. Cheese. 「(最後に)チャッキーチーズを訪れてから、随分、長く経っている」のように、since 以下が過去形になるのではないかなぁ?と思うのですが、DVDの英語字幕も、since I've been to と表記されているんですよねぇ…(have been to は「(ある場所)に行ったことがある」という意味でよく使われる形ですね)。

ロングマンやマクミランのような英英辞典の例文には、そのような「since+現在完了形」の文は登場していないのですが、自分で見た作品の中で、「since+現在完了形」が使われているセリフに出会ったことがあります。
それが、「デスパレートな妻たち」の 1-1 でのセリフ。
スーザンの娘(が母スーザンに): How long has it been since you've had sex?
DVDの日本語字幕では「最後のエッチはいつ?」と訳されていました。

そのDVDの日本語訳の通り、この英文の意味は、「最後にエッチして以来、どれくらいの期間が経ったの?」ということですよね。
「最後に、最近に」という意味の副詞 last を使えば、since you last had sex / since you had sex last のように、「最後にエッチをして以来」という意味の過去形になりますが、それと同じニュアンスで、since you've had sex という現在完了形を使っているようです。

まさに「最後のエッチはいつ?」という意味のセリフが、過去記事、フレンズ6-15その5 にも出てきましたが、それは、
フィービー: How long has it been since you had sex? (あなたが(最後に)エッチしてからどのくらいになるの?)
というように、「since+過去形」になっています。

今回の「since+完了形」については、あくまでノンネイティブの私のイメージに過ぎませんが、最初の完了形のイメージにつられて、since 以下も完了形にしてしまう、みたいなこと…なのでしょうか??

Google で "how long has it been since you've" のフレーズで検索してみると、結構な数がヒットしますので、こういう「since+完了形」を使う人は実際にいるようです。
ただ、上にも書いたように、ロングマンやマクミランなどの英英辞典の例文には、since+完了形は出てこないので、やはり、nonstandard 「非標準的」な用法だと思っておいた方が良い気はします。
DVDの英語字幕にこう表記されているので、「俳優の単なる言い間違い」とかではないし、そういう言い回しをする人も実際に存在するけれど、文法的には「?マーク」がつく類のものだろう、というのが、今のところの私の見解だということですね。


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posted by Rach at 16:48| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月23日

汝より聖なり フレンズ6-18その6

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自分の生徒であるエリザベスとのデートは最高で、年の差も全く気にならなかった、とご機嫌のロスに、
モニカ: So it's okay to date a student? (それで、生徒とデートするのはオッケーなの?)
ロス: Well, not really. I mean, technically, it's-it's not against the rules or anything. But it is frowned upon, especially by that professor we ran into last night: "Judgy Von Holier-than-thou." (うーん、そうでもないんだ[オッケーってことでもないんだ]。つまり、理論的には規則違反とかではないんだよ。でも、ひんしゅくを買うだろうね、僕らが昨日の晩出くわしたあの教授、「ジャッジー・フォン・ホリアーザンザウ(”汝より聖なり”家の批判男)」からは特にね。)
モニカ: Well, Ross, you just be careful, okay? You don't want to get a reputation as y'know "Professor McNails-his-students." (そうねぇ、ロス、あなたも気を付けてね、いい? 「マクネイルズ・ヒズスチューデント(生徒をものにした)教授」って噂はあなたも欲しくないでしょ。)

生徒とデートしてもいいの?みたいに聞かれたので、ロスは「いいってわけでもないけど」と言いながら、デートしたらどうなるか、ということを説明しています。
Technically, it's not against the rules or anything. は、「厳密的・理論的には、ルールか何かに反しているわけではない」というニュアンス。
規則違反かどうか?と言われると、それには該当しない、という感覚ですね。

But it is frowned upon の、frown は、名詞では「(不賛成を表して)まゆをひそめること、しかめっつら」、動詞では「まゆをひそめる、顔をしかめる」という意味になります。
ですからその受動態なので、「まゆをひそめられる、顔をしかめられる」ということですね。
批判的、不賛成のニュアンスで、いやな顔をされる、ひんしゅくを買う、と同じような意味になります。

「まゆをひそめられる」と言った後、特にあの教授にそんな風に思われる、と、個人名(らしきもの)を挙げています。
昨日の晩、ロスとエリザベスがデート中に出くわした教授のことなのですが、特にその教授には、いやな顔をされるに違いない、と思っているわけです。

"Judgy Von Holier-than-thou" はその人の性格などを、名前風に表現したものですね。
judgy は「ジャッジー」という音からも何となく想像できますが、judge したがる judgmental な人、という感覚。
judgmental は、LAAD では、
judgmental : too quick and willing to criticize people
例) You're being too judgmental.

つまり、「あまりにもすぐに人を批判しようとする」。
例文は、「今の君はあまりにも批判的だよ」。

Von というのは、ドイツ語の前置詞で、英語でいう from や of の意味。
そのため、名前をフルネームで言う際に、姓の前に Von が使われている場合があります。

Wikipedia 日本語版: フォン (前置詞)
に詳しく書いてありますが、端的に言うと、「ドイツ語圏で、貴族などの姓の初めに冠する称号」ということです。

その後の、holier-than-thou は、「いかにも聖人ぶった」という意味。
研究社 新英和中辞典では、
holier-than-thou 【形】【A】 いかにも聖人ぶった、殊勝な (注:聖書「イザヤ書」から)
I don't like his holier-than-thou attitude. 彼の聖人ぶった態度が気に入らない。


英辞郎では、その形容詞の意味と並んで、
holier than thou=汝より聖なり
とも出ています。

holier は、holy 「神聖な」の比較級、thou は「2人称単数主格」で、「汝(なんじ)は、そなたは」という意味。宗教儀式や、シェークスピアなどにも登場する古語ですね。
ですから、まさに上の説明にあるような「汝より聖なり」 "(I am) holier than you (are)." という意味なのですね。

LAAD では、
holier-than-thou [adjective] (disapproving) : showing that you think you are morally better than other people (SYN: self-righteous)
例) a holier-than-thou attitude

つまり、「(非難のニュアンス) 自分が他の人々よりも、道徳的により良いと思っていることを示す。同義語 self-righteous 「独善的な」)
例は、「聖人ぶった態度」。

つまり、ロスは、「ジャッジー・フォン・ホリアーザンザウ」という名前にすることで、「批判的・フォン・聖人ぶった」、つまり、「”汝より聖なり”家出身の批判的(氏)」のような、名字=汝より聖なり、名前=批判的、という名前を、その教授にあだ名みたいにつけたわけですね。
「汝より聖なり」という言葉に、「私は下々の者とは違うのだ」というような貴族チックな部分も感じられるので、そういう貴族の姓の前によく用いられる Von もつけて、より「聖人ぶった」感を強調しているわけでしょう。

自分が嫌いな教授にそんなあだ名をつけてご満悦な様子のロスに、妹モニカは軽く注意しています。
You don't want to は「あなたは…したくない」で、「そうしたくないだろうから、そうならないように気を付けて」という感覚ですね。
これまでのフレンズでも、You want to = You should 「あなたは…したい」→「あなたは…すべき」というニュアンスになることを何度か説明しましたが、今回の否定形 You don't want to は、You should not、つまり、「あなたはそんな噂をゲットすべきではない、そんな噂が流れないようにしなくてはいけない」ということになるでしょう。
「あなたも人にあだ名なんかつけてないで、自分も変なあだ名の噂が流れないようにしてよ」という忠告になります。

そして、モニカがロスのあだ名として言った名前が、Professor McNails-his-students 。
マクネイルの Mc- は、「〜の息子(son of)」という意味で、スコットランド系、アイルランド系の姓によく使われます。
このあだ名のポイントは、nail ですね。
nail は「つめ、くぎ」で、動詞では「〜を…にくぎ付けにする」「…をつかまえる、取り押さえる」という意味があります。
そこから、「〜をものにする」という意味にもなります。

英辞郎では
nail=【他動-9】〈米俗〉〜をうまくやる、確実に物にする、〜で成功する
のように出ています。

LAAD では、
nail : (informal) to do something exactly right, or to be exactly correct
例) She nailed a superb jump.


つまり、「(インフォーマル) 何かを正確に正しく行うこと、または、正確に正しいこと」。
例文は、「彼女は見事なジャンプを成功させた[ものにした]」。

Macmillan Dictionary では、
nail : (mainly American, informal) to do something in a perfect way, expecially in sport

つまり、「(主にアメリカ英語、インフォーマル) 何かを完璧な方法で行なうこと、特にスポーツで」。

過去記事、nail ものにする、うまくやる フレンズ4-4その7 では、管理人のトリーガーと一緒に見事にダンスを成功させた後、
ジョーイ: That was amazing! I mean, we totally nailed it! It was beautiful. (さっきのは素晴らしかったよ! つまり、俺たちは完全にものにしたんだ! 美しかった。)
というセリフもありましたね。

今回のセリフでは、nail his students のように「生徒」が動詞 nail の目的語になっています。
ロスとその教え子エリザベスの関係を考えると、「生徒をものにした先生」というニュアンスで、「プロフェッサー・マクネイルズ…」という名前を付けたことが想像できますね。
ロスはまだ、エリザベスとデートを1回しただけではありますが、ロスが彼女に夢中のようなので、生徒に手を出した先生、みたいな噂が立たないように気をつけてよ、と言っていることになるでしょう。

ただ、「ものにした」という訳語を当てる場合、辞書に載っている意味では、「(スポーツなどで)何かをものにした」ということであって、日本語で言うところの「女性をものにした」ということにも通じるのかどうかは正直よくわかりません。
ロングマンやマクミランのような英英辞典には、そういう「エッチ系」の意味は載っていないのですが、スラングを多く扱っている Urban Dictionary では、have sex 系の意味がいくつも載っていました。
「いつものフレンズのノリ」で行くと、やはりモニカが言いたいのも、「生徒とやった」みたいな「エッチ系のニュアンス」なのでしょうね。

あまり深入りしすぎるのは危険と思いつつも(笑)、ちょっと考察してみますと…。
そもそも、「くぎ付けにする」ということから、「(相手を)動けなくする、取り押さえる」という意味にもなって、「(確実に)ものにする」(完全に自分の支配下に置いた感覚)に繋がるのだろうと思います。
「エッチする」という意味になる流れとしては、「相手を動けなくする」感覚が、男性が女性を押さえ込むような動作を連想させるからかなぁ?と個人的には思っていたのですが、Urban Dictionary の語義の中には、もっと具体的な行為を説明したものとして、penetrate 「貫く、貫通する」という動詞で説明してあるものもあります。
その場合だと、「くぎが何かを貫く、貫通する」ニュアンスが、エッチにおける具体的な行為を連想させていることになるでしょう。

また、そういう「行動・行為」からの連想ではなく、「うまくやった、ものにした」という何かに成功した感覚から、人を目的語にすると、「その人を征服した」という意味で「(女性を)ものにした」という意味になる、とも考えられるかもしれません。

いずれにしても、「生徒と不適切な関係になった先生」みたいなあだ名で噂を立てられないように気を付けてね、とモニカは警告しているわけですね。


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posted by Rach at 16:26| Comment(2) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月21日

ロストオン+日食の話 フレンズ6-18その5

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[Scene: Joey's apartment, Ross is telling Monica and Joey about his date with Elizabeth.]
ジョーイのアパートメント。ロスはモニカとジョーイに、(自分の生徒)エリザベスとのデートについて話している。
ロス: We had such a great time! I mean, she's-she's incredible! I thought the-the age difference might be a problem, but it wasn't. It wasn't at all. Elizabeth is very mature for her age. (Joey makes the international sign for big boobies.) (To Monica) A concept lost on some people. (僕たちはほんとに素敵な時間を過ごしたんだよ。つまり、彼女は素晴らしいんだ! 年の差が問題になるかも、って思ってたんだけど、でも、問題じゃなかった。全く問題じゃなかったよ。エリザベスは年のわりにはすごく成熟してるんだ。[ジョーイは巨乳を示す万国共通の身ぶり(サイン)をする] [モニカに] ある人々には通じない概念の一つだね。)

ニューヨーク大学(NYU)で特別講師として講義を行なっているロスは、自分のファンだと言う生徒エリザベスとデートをします。
そのデート中に、同僚の教授に目撃されたりもするのですが、ロスは彼女のことを嬉しそうにフレンズたちに語っています。
「楽しい時を過ごした、彼女は最高だ!」と絶賛した後、the age difference すなわち、年の差が問題になるかなと思っていたけど、全然そんなことなかった、とも言っています。

Elizabeth is very mature for her age. の for は「〜にしては、〜の割(わり)には」。
He's young for his age. 「彼は年の割には若い」などが、このような for の典型例ですね。
エリザベスは学生で20歳だけど、その年齢の割には、すごく成熟してるんだ、と言っているわけです。

mature という言葉に反応(笑)したらしいジョーイは、手で、あるサイン、しぐさをしてみせています。
ト書きには、makes the international sign for big boobies と書いてありますね。
boobies は、フレンズでは、boobs と表現される方が多いように思いますが、「女性の胸、おっぱい」のこと。なので、big boobies [big boobs] はいわゆる「巨乳」です。
sign は「サイン、合図」ですが、このように「身ぶり、手まね」も意味します。
つまり、ト書きの意味は、「巨乳を表す国際的(万国共通の)身ぶりをする」ということですね。
万国共通のサインだと認定されているわけでもないでしょうが、確かに誰が見てもそれだとわかるサインではあります(笑)。
「年の割に成熟してる、って、胸とかがこんな感じってこと?」みたいに、言葉ではなく身ぶり手ぶりでロスに確認している感覚です。

あきれたロスは、ジョーイには答えず、モニカの方を向いて、A concept lost on some people. と言っています。
be lost on somebody は「(主語が)人に通じない」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
be lost on somebody : if something is lost on someone, they do not understand or do not want to accept it.
例1) The Joke was lost on Chris.
例2) All my warnings were completely lost on Beth.

つまり、「もし何かが誰かに be lost on だとしたら、その誰かが理解していない、またはそれを受け入れたくないということ」。
例文1は、「そのジョークはクリスに通じなかった」。例文2は、「私の警告はすべて、全くベスに受け入れられなかった」。

be lost on を無理やり直訳すると、「(人)の上で失われる」みたいな感覚になり、その人の上では、存在しないかのように意味のないものとなる、何の影響も与えない、みたいな感覚に繋がるのかな、と思います。

このように通常は、be lost on の形で使われるわけですが、今回のセリフは、A concept lost on some people. で、be動詞がない形になっていますね。
be動詞が省略されている、と考えることもできますが、どちらかと言うと、「ある人たちには理解されない概念(だね)」という感じの「名詞+後置修飾(過去分詞形の形容詞句)」のように私は捉えました。
mature 「成熟している」という言葉の概念には「精神的に大人である」という意味があるのに、そういう概念を理解しない人もいるようだ、成熟=ナイスバディという発想しかできない人もいるんだね、みたいな感覚で、「(mature は)ある人には理解されない概念の1つだ」と言っているように私は感じた、ということです。


(今日のおまけ)
金環日食、見ましたよ!

私は大阪在住で、金環日食の時間帯(7:29頃)は、雲もかなり広がっていたのですが、雲の隙間から金環日食を見ることができました!
その前後の、様々な形の部分日食も観測することができて、とても良い思い出になりました。
皆さまのところはいかがだったでしょうか?

そう言えば、1990年リリースのドリカム3枚目のアルバム「WONDER 3」に収録されている「時間旅行」に、「2012年の金環食」という歌詞が出てくることから、金環食関連のニュースのBGMで、何度も耳にします。
これって、私が大学生の頃の曲なんですよねぇ〜、すっごく懐かしいです。
その「太陽の指輪(リング)」を今日、この目で見られたのだと思うと、感無量ですね。

「日食」という非日常の単語は、今回のような特別な機会以外はあまり聞かない気がしますが、実はフレンズのセリフに登場したことがあるんですよね。
今日の「金環日食」記念に、そのセリフをご紹介しておきます。

過去記事、フレンズ3-13その20 で、フィービーのデート相手であるロバートが、短パンをはきながら脚を広げているために、隙間から彼の大切な部分が見えてしまっています。
その光景に動揺している、チャンドラーとロスの会話。
チャンドラー: What do we do? What do we do? (俺たちはどうすればいい? 俺たちはどうすればいい?)
ロス: Well, I suppose we just try to not look directly at it. (そうだな、それをただ、直接見ないようにしたらいいんじゃないかな。)
チャンドラー: Like an eclipse. (日食(を見る時)みたいに。)
(Ross nods his head.)
ロスは頷く。

ロバートの「大事な部分」を直接見ないようにしよう、という話を、「日食の際、目を傷めないように直接見るのは避ける」話に例えているのですね。
何だか内容的にも今日の「日食観測」に合っている気がしてタイムリーなので、改めてご紹介してみました。

日食の話題に触れついでに、eclipse という単語についてもいくつか解説します。
eclipse は「(日食・月食などの)食」という意味で、どちらの食かをはっきり言いたい場合は、日食であれば、solar eclipse、月食であれば、lunar eclipse と言います。
また、そのように「満ちていたものが欠けていく」という感覚から、「(栄誉・名声・影響力の)失墜」という意味もあります。

その意味については、LAAD では以下のように説明されています。

eclipse : [uncountable] (formal) a situation in which someone or something loses their power or fame, because someone or something else has become more powerful or famous
例) the eclipse of Europe's prestige after World War I
be in eclipse / go into eclipse : (formal) to be or become less famous or powerful than before


つまり、「誰かや何かが力や名声を失うという状況、他の誰かや何かがより強力に、有名になってしまったという理由で」。
例文は、「第一次世界大戦後のヨーロッパの名声・威信の失墜」。
be in eclipse, go into eclipse は、「以前よりも有名・強力ではないこと[ではなくなること]」。

その語義説明からは、「他のものの台頭で、以前ほどの力や名声がなくなること」というニュアンスが感じられますね。
日食・月食などのいわゆる「食」というのはやはり「食べる」ということから来たのでしょう。
「日蝕、月蝕」のように、「蝕」、つまり、「蝕む(むしばむ)」(=虫が食う)という字を使うことがあるのも、同じ理由でしょうね。
メルヘンチックに言うと、「お月さまが、おひさまを食べちゃう」みたいなことですが、「太陽という主役を、月という脇役が食ってしまった」みたいなニュアンスの「食う」だと考えると、「他者の台頭による、強者の失墜」のニュアンスも感じることができますね。

ちなみに、広辞苑では後者の「食う」については以下のように説明されています。

食う
10. 他の領分を侵す。くい入る。 「相手の縄張りを食う」
11. スポーツなどで強い相手を負かす。また、演技などで共演者などを圧倒する。「優勝候補のA校を食う」「子役に食われる」


日本語では、失墜に近いニュアンスで「落日(らくじつ)」とは言いますが、「日食」という言葉は使いません。でも、「(誰それ)に食われてしまう」とは言うわけです。
eclipse からちょっと話を広げてみましたが、そのように、日本語と同じ感覚、違う感覚、をそれぞれ感じてそれを楽しめることが、他言語を学ぶ楽しみの一つなんだろうと思いました。


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posted by Rach at 16:10| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月18日

ネイチャーがコールする フレンズ6-18その4

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レイチェル: (entering from the bathroom) Hey, Mon? I'm gonna check my messages. ([トイレから部屋に入ってきて] ねぇ、モニカ。(留守電の)メッセージをチェックするわね。)
チャンドラー: You just thought of that in there? (あそこ[トイレ]でそのことを考えたの?)
モニカ: Sure, you know, nature called. She wants to see who else did. (もちろんよ、ほら、ネイチャー[生理的要求]がコールしたでしょ[便意を催したでしょ]。(だから)レイチェルは(ネイチャーの)他に誰がコールした[電話した]かを知りたいのよ。)
(Rachel dials her number.)
レイチェルは自分の番号をダイヤルする。
レイチェル: (on phone) Hello? (Shocked that someone answered.) Uh, Rachel. (To the gang.) Great, someone is in our apartment. Call the cops! ([電話で] もしもし? [誰かが電話に出たことにショックを受けて] あー、レイチェルです。 [フレンズたちに] 最高[最低]だわ、誰かが私たちの部屋にいる。警察に電話して!)
モニカ: You're on the phone! (あなたが電話中よ[電話してるのは、あなたでしょ]!)

トイレから出てきたレイチェルが、「(自分の家に電話をかけて)留守電をチェックするわね」と言うので、「トイレで留守電チェックしなきゃ、って考えてたの? そのことを思いついた場所はトイレなの?」みたいにチャンドラーが言っています。
トイレから出て来るやいなや、即座にそう言ったので、「トイレから帰ってきて開口一番がそれ? トイレと留守電って何か関係あるわけ?」みたいに、ちょっと茶化してみたわけですね。

それに対して、モニカが、call を使ったセリフを言っていますが、これは、call という単語を使ったジョーク、というか、ダジャレですね。

まず、nature called. ですが、この nature は「生理的要求」という意味。

研究社 新英和中辞典では、以下の例が挙げられています。

answer a call of nature 生理的要求 (大小便など)を満たす
Nature calls. 便意を催す
ease [relieve] nature 用便をする


また、英辞郎では、

Nature calls. Nature is calling me. 催してきた。/トイレに行きたい。

という例文が出ています。

その2つにはっきり書いてあるように、Nature calls. は「便意を催す、トイレに行きたくなる」という意味なのですね。

過去記事、nature's way of doing フレンズ6-15その4 で、nature's way of doing というフレーズが登場した時に、the call of nature も合わせて説明したのですが、nature にはそのように「身体が、生理的要求が」そう言っている、それを求めている、という感覚があります。

the call of nature は、LAAD では、
the call of nature : (informal) a need to urinate (= pass liquid from your body)
つまり、「(インフォーマル) 小便をしたいという(生理的)要求」。

つまり、the call of nature を一言で言うと「尿意」ということになります。

Nature calls. や、the call of nature の call は「呼ぶ(こと)」「呼び起こす」「喚起する」というような感覚でしょう。
自然の生理的要求が呼ぶ、求める、というニュアンスだろうと思います。

そんな風に、Nature calls. というのが「(トイレに行きたいという)便意・尿意を催す」という意味なので、モニカのセリフの前半は、「生理的要求が呼んだ、尿意を催した」と言っていることになります。

後半の、She wants to see who else did. について。
did は動詞の反復を避けるための did で、前半の文で使われていた動詞、called を意味します。
つまり、She wants to see who else called. と言っていることになりますね。
この文章の call は、今、電話の話をしていることからもわかるように、「電話する」という動詞。
「他に誰が電話してきたかを知りたい」という意味になります。
「誰が電話したか」ではなくて、「他に誰が電話したか」というニュアンスで、who else が使われているのは、すでにその前に、nature が call したからですね。
「nature 以外の誰が」という意味で、else を使っているわけです。

ですから、call をどちらも「コールする」と訳すと、「生理的要求(ネイチャー)がコールした。(だから)レイチェルは、ネイチャーの他に誰がコールしたかを知りたい」となり、どちらも同じ call という動詞を使っていることがより鮮明になるでしょうか。
そして、意味としては、「尿意を催した。(だから)レイチェルは他に誰が電話したかを知りたい(から留守電をチェックした)」と言っていることになります。
「尿意を催す」という意味の、Nature calls. と、「電話する」の call とで、call つながりのダジャレを言ったわけですね。
何となく、チャンドラーが言いそうなジョークにも思いますが(笑)、脚本的に言うと、そのジョークを言わせたいためだけに、トイレを出て早々に「留守電チェックするわね」とレイチェルに言わせた、ということになるでしょう。
なぞかけ風に言うと、「トイレとかけまして、電話と解く。その心は、どちらも、call するでしょう」みたいな感じでしょうか??(動詞の一致だけなので、いまいち、ピンと来ない例えではありますが…笑)
誰かが電話をする前に、とりあえずお約束のように電話ネタのジョークを一発挟んでおくところが、いかにもコメディーという感じで楽しいです。

そして、レイチェルは自分の家に電話をかけるのですが、留守電メッセージが聞こえるはずが、生身の人間が電話に出たらしく驚いています。

ちなみに、ト書きの To the gang の gang は、日本語の「ギャング」という響きから、「犯罪者一味」を想像してしまいそうですが、このト書きの gang は「フレンズたち」のこと。
レイチェルは、自分の留守中に部屋にいる電話の相手のことを「泥棒」のように思っているでしょうが、To the gang はその「ギャング(たち)」を指しているわけではない、ということです。
フレンズのネットスクリプトには、フレンズたちを指して、gang と書いてあることも多いので、ご承知の方も多いかもしれませんが、今回は「ギャングらしきもの」も登場している場面なので、念のため、再確認のつもりで説明させていただきました。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
gang : (informal) a group of friends, especially young people
例) She went out with Sarah and the gang.

つまり、「(インフォーマル) 友達のグループ、特に若い人々の」。
例文は、「彼女は、サラとその仲間たちと一緒に出掛けた」。

そういう gang の意味については、過去記事、ギャング フレンズ3-5その7 でも解説しています。

びっくりしたレイチェルは、フレンズたちに、Great, someone is in our apartment. と言っていますね。
この great は、怒ったように憤慨したように言う感覚の great で、本当は「最低、最悪!」と言いたいところをわざと、「もーぉ、これって”さいこう”だわ」みたいに不満そうに言ってみせている感覚。
文字として見ると「最高」という意味だけれど、言っている本人の口調を聞くと「最低」のニュアンスで言っているとわかる、という類のものです。

知らない人が自分の家にいる!とパニクったレイチェルは、Call the cops! と叫んでいます。
Call the police! とも言いますが、これは「警察を呼んで! 警察に電話して!」という決まり文句。
電話しながら、「電話して!」と言っているレイチェルに、モニカが「今、電話中なのは、あなたよ。あなたが電話を使ってるんじゃない」みたいに冷静なツッコミを入れているのも面白いですね。


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posted by Rach at 17:05| Comment(2) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月16日

恩に着るよ+「レインマン」の話再び フレンズ6-18その3

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ジョーイは部屋に入ってくるなり、チャンドラーに「お前の大学時代の同級生で映画監督になった子(女性)がいただろ?」と尋ねます。
ジョーイ: Oh well listen, anyway she's directing a new Al Pacino movie. You gotta get me an audition! (なぁ、聞いてくれよ、とにかく、彼女が新しいアル・パチーノの映画を監督するんだ。俺のためにオーディションをゲットしてくれよ!)
チャンドラー: Oh, I don't know, man. I haven't talked to her in like 10 years. (あぁ、どうかなぁ。彼女とはもう10年くらい話してないんだ。)
ジョーイ: No-no-no, please-please, Chandler, I-I-I would owe you so much! (だめだめだめ、お願いだよ、チャンドラー。そしたら、ものすごく恩に着るからさぁ!)
チャンドラー: You do owe me so much. You owe me three thousand, four hundred.... (お前は(すでに、実際に)俺に恩があるんだよ。お前は俺に 3,400ドル借りてて…)
ジョーイ: Hey-hey dude. Why are you changing the subject? Why? Will you make the call or what? (おいおい、お前。どうして話題を変えてるんだ? どうして? 電話する気があるのか、どうなんだ?)
チャンドラー: Oh, okay, I'll-I'll try. (あぁ、わかったよ。電話してみる。)

direct は「…を指導する、指揮する、監督する」ということで、映画や劇の場合は「監督する、演出する」という意味。
ですから、director はカタカナの「ディレクター」というよりは、映画であれば監督、劇であれば演出家と訳した方がしっくりきますね。

You gotta get me an audition! は「お前(チャンドラー)は俺にオーディションをゲットしなくちゃいけない」みたいなことですが、この get は「手に入れる」のニュアンス。
get somebody something のように、2つ目的語を取って、「人にものを手に入れてやる」、つまり、「人のためにあるものを手に入れてやる」という感覚になります。
「お前の同級生がアル・パチーノの新作の監督をするんだから、俺の友人であるお前は、俺のために(お前のコネを使って)オーディションをゲットしてくれなくちゃいけないんだよ」という感じでしょう。

I haven't talked to her in like 10 years. は、「10年くらい、彼女と話していない」という現在完了形。
今に至るまでの10年の間、彼女とは一度も話してない、という感覚ですね。

長い間、話もしてないから、そんなこと頼めないよ、と言いたそうなチャンドラーに、ジョーイは、お願いだよ、と必死に頼んで、I would owe you so much! と言っています。
owe somebody は、「人に恩義などを負っている」で、「人に借りがある」という感覚。
owe you so much だと「君にずいぶん恩義がある、借りがある」ということになります。
ここでは、would がポイントなのですが、その説明は後にして、次のチャンドラーのセリフを見てみます。

ジョーイが、I would owe you so much! と言ったことに対して、チャンドラーは、You do owe me so much. と言っていますね。
would や do のニュアンスは別にして、owe me so much に関してのみ言うと、ジョーイの言った you を me に置き換えて、「お前は俺にずいぶん借りがある」とオウム返しのように言っていることになります。
その後、You owe me three thousand, four hundred.... と言っているのは、まさに「お前は俺に 3,400ドルの借りがある」と言っているわけですね。

ここで改めて、ジョーイのセリフの I would owe you の would について見てみます。
この would は、「もしお前が俺のためにオーディションを取ってきてくれたなら[ゲットしてくれたなら]、俺はお前にものすごく恩義を感じるだろう」という「仮定」のニュアンスが込められています。
ジョーイが would を使っているのは、「今、俺はお前にたくさんの借りがある」と言いたいのではなくて、「もし俺の頼みを聞いてくれたら、お前にたくさんの借りがあることになる」と言っているわけですね。

日本語で「恩に着る」という表現がありますが、これは広辞苑では「恩を受けたのをありがたく思う」と説明されています。
ジョーイが言いたいのもそういうことで、「もしオーディションを取ってきてくれたら、その恩をものすごくありがたく思うからさ」という感覚でしょう。それで上の訳では、「ものすごく恩に着るから」みたいに訳してみたわけです。

「そうしてくれたら、その恩は忘れないよ」みたいな意味で、ジョーイは「お前にいっぱい恩義を感じるよ、お前にたくさん借りができたと思うよ」と言ったのですが、チャンドラーはあきれたように、ジョーイの would の代わりに、owe を強調する do を加えて、「お前は(もうすでに今の段階で)俺にたくさんの借り・恩があるんだ」と指摘したのですね。
その借りを具体的に説明するために、「3,400ドル」という借りがすでにあるじゃないか、その金をお前は俺に返すことになってるんだぞ、と言いたいわけです。
そんな大金を俺に世話になっといて、まだ頼みごとをするつもり? さらには「そうしてくれたらものすごく恩に着る」だなんて、すでに俺にものすごい借りがあるのを忘れたのか?という気持ちから出た言葉でしょう。

そうやって、「お前は俺にすでにたくさんの借りがあるだろ」と説明しかけた時に、ジョーイが、「おいおい」と言って、「どうして話題を変えるんだ?」と怒っています。
Will you make the call or what? の Will you...? は「お前は…するつもりがあるのか?」みたいな、ちょっと挑戦的なニュアンスが感じられますね。
最後の or what? は、「〜か何か? それとも何だ?」みたいな感覚で、「電話する気があるのか、どうなんだ? まさか電話しないって言うつもりか?」みたいに食ってかかる感じでしょう。

チャンドラーは「ジョーイがチャンドラーに恩義を感じる」という話題に沿って、「ジョーイはチャンドラーにすでに大きな借りがある」という話をしたわけです。
つまり、まさにその話題をしていたのにもかかわらず、ジョーイは「お前は話題を変えるつもりか?」とプリプリ怒っている、その「状況をわかってない」具合が、ジョーイらしくて笑えるわけですね。
ジョーイとしては、オーディションを取ってきてくれるかどうかだけが問題で、「恩に着るからさ」と言ったのは、ただの「人にものを頼む時の決まり文句」程度の意識だったのでしょう。
その owe you so much という言い方にひっかかったチャンドラーが、「すでにお前は 3,400ドルも俺に借りてるのに…」とボヤいたところ、「今はオーディションの話をしてるのに、どうして金の貸し借りの話を持ち出す?!」みたいにジョーイが怒ったということです。
「まさにその恩義の話題をしてるんだろうが」と思いながらも、議論しても無駄だな、みたいなあきらめの表情で、「あぁ、わかった、やってみるよ」と言うチャンドラーにも笑えますね。


(今日のおまけ) 「レインマン」を見て気づいたことを3つほど…。

前回の記事で、映画「レインマン」について触れましたが、その映画を鑑賞している時に、過去に拙ブログで解説したことと「ちょっぴり関係ありそうなこと」を3つ発見しましたので、ご報告も兼ねて書かせていただきます。(あらすじに触れている部分もありますので、未見の方はご注意下さい。)

1. 「600万ドルの男」ならぬ「300万ドルの男」

兄レイモンドと弟チャーリーが、狭い電話ボックスに入っているシーンでのセリフ。
チャーリー: You know why there's a party for you? 'Cause you're the 3-million-dollar man. (どうしてレイモンドのためにパーティーがあるか知ってるか? それは、レイモンドが”300万ドルの男”だからだよ!)

二人の父が亡くなった時、チャーリーが受け取ったのは車とバラだけで、残りの遺産 300万ドルは、兄レイモンドの信託預金となってしまいます。
つまり、兄が父の遺産をほぼそっくり相続したことになるのですね。
そのことに腹を立てた弟チャーリーは、自閉症である兄の保護権を裁判所に申請し、その 300万ドルを手に入れようとしています。
弟に言わせると、レイモンドは「300万ドルの価値のある男」なので、「300万ドルの男」と言っているわけですが…。
この the 3-million-dollar man という言い方は、過去記事、600万ドルの男 フレンズ6-7その2 で取り上げた、海外ドラマ「600万ドルの男」(the Six Million Dollar Man)を意識した言い回しだと思います。
ただ「300万の価値がある男」という文字通りの意味だけではなく、有名なドラマのタイトルにひっかけて、あえてそういう言い方をした、ということだと思いました。
日本語字幕が「”300万ドルの男”を争う裁判だ」と引用符付きで表記されていたのも、それに似たタイトルをもじった言葉であることを示すためなのでしょうね。

2. カジノをしていたホテルは「シーザーズ・パレス」

レイモンドの数字の記憶の才能を使って一儲けしようと、チャーリーはレイモンドをラスベガスのカジノに連れて行きます。
DVD のチャプター・リストに「25. シーザーズ・パレス」と出ていたので気付いたのですが、そのホテル、シーザーズ・パレス(Caesars Palace)は、古代ローマがテーマのホテル フレンズ5-22その6 で、ジョーイがグラディエーターの恰好でバイトしていた、あのホテルですね。
さまざまな映画やドラマで使われている有名なホテルですが、「フレンズ」でも「レインマン」でも登場していたということです。

3. レイモンドが見ていた映画に「フレッド・アステアとジンジャー・ロジャース」が

止めたエレベーターの中で、スザンナがレイモンドとダンスを踊った後のシーン。
いつも持ち歩いているポータブルテレビをレイモンドが見ながら、
レイモンド : Fred Astaire and Ginger Rogers. (フレッド・アステアとジンジャー・ロジャース。)
スザンナ: Like us. (私たちみたい。)
レイモンド: Yeah, like us. (ああ、僕たちみたいだ。)

1つ前のエピソードである、フレンズ6-17その3 のコメント欄 で、チャンドラーがモニカに渡した音楽テープに入っていた The Way You Look Tonight という曲についてのコメントとして、
「映画「有頂天時代」(原題:Swing Time)で、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースが The Way You Look Tonight に乗って踊るシーンがある」
ということを教えていただきました。
そこで名前が出ていたアステアとロジャースが、映画「レインマン」でも出てきた、ということです。
ネットで検索したところ、レイモンドが見ていた映画は「ブロードウェイのバークレー夫妻」(The Barkleys of Broadway)のようです。
フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースはゴールデンコンビとして、何作もの映画で共演しているので、レイモンドが見ていた映画は The Way You Look Tonight の「有頂天時代」ではありませんでしたが、その二人が躍っていたシーンなのは間違いありません。
「レインマン」でも、ダンスシーンの後に二人の名前が出てきたことから、やはり、アメリカ人にとっては、「ロマンティックなダンス」と言えば、この二人の名前が浮かぶ、ということなのかな、と思います。
少し前に話題に出てきたばかりだったので、タイムリーだと思って、ご紹介してみました。

…ということで、上に挙げた3つの件は、どれも、「直接、フレンズとレインマンを結びつけるもの」ではありません。
が、セリフで言及される有名なドラマのタイトル、ドラマの撮影でよく使われる場所、ダンスと言えば思い出す映画のシーンや俳優たち、ということですから、そういうことをちょこっとかじっておくのも、後々、何かの役に立つかなぁ、と。
そういう「ちょっとした知識」のあるなしで、作品をより楽しめるかどうかが決まるのかな、とも思いますし、私自身はそういういろんなことをひっくるめて、これからも英語学習を楽しんでいきたいなと思っています。


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posted by Rach at 16:58| Comment(4) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月14日

突然ジョーイがレインマンに フレンズ6-18その2

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ニューヨーク大学(NYU)で特別講師として講義を行なっているロスは、「教師評価」の中で、ロスのことを、hottie (セクシーな人)だと言う生徒がいると自慢。
匿名なので残念ながら誰が書いたかわからないんだ…と言うロスに、
ジョーイ: Oh hey, do you still have their final exams? (なあ、ロスはまだ生徒たちの期末試験を持ってるか?)
ロス: Yeah. (ああ。)
ジョーイ: Oh, 'cause you can just match the evaluation to the exam with the same handwriting and boom, there's your admirer. (Ross is stunned.) (おぉ、だって、お前はただ同じ筆跡の試験とその評価をマッチ(一致)させることができるだろ、で、バーン![どうだ]、そこにお前の崇拝者がいるんだよ[崇拝者が見つかるんだよ]。 [ロスは驚く])
チャンドラー: A hot girl's at stake, and all of the sudden he's Rain Man. (セクシーな女の子がかかってると、突然、ジョーイはレインマンだな[レインマンになるんだな]。)

僕を褒めてくれたのが誰だかわからない、と残念そうに言うロスに、ジョーイは、「お前はまだ期末テスト(の答案)を持ってるか?」と尋ねています。
その後、その答案を利用して、書いた人を探し当てる方法をジョーイが説明していますね。
the same handwriting 「同じ手書き(文字)、筆跡」で、評価と試験答案をマッチさせることができる、と言って、and boom と言いながら、こぶしで手のひらを叩いて、there's your admirer と言います。
この boom は擬音語で、これまでのフレンズのセリフにも何度か出てきましたが、「ジャーン、ほらどうだ!」みたいな感覚が感じられます。
「そこに、お前の崇拝者がいる」というのは、筆跡で付き合わせをして、マッチするものが見つかったら、そこにあるその名前がお前のファンだ、マッチが完了したら、そこにほら、お前の崇拝者がいるんだよ、という感覚ですね。

それを見ていたチャンドラーは、あきれたように、Rain Man うんぬんのセリフを言っています。
a hot girl's at stake は、a hot girl is at stake ということで、at stake は「賭けられて、危機にひんして、問われて、懸かって」というようなニュアンスになります。
stake は元々、「賭け」のことで、stakes だと「(競馬などの)賭け金、賞金」という意味にもなります。また、stake には「利害関係」という意味もあります。
at stake は「賭けられて(いる)」というのが基本的な感覚で、そこから「危機にひんして、問われて」という意味にもなるのですね。

LAAD では、
be at stake : if something that you value very much is at stake, you will lose it if a plan or action is not successful
つまり、「人が非常に大事にしているものが at stake だとすると、もし計画や行動が不成功なら、それを失うことになる、ということ」。

今回のセリフだと、「セクシーな女の子のことがかかっていると」というニュアンスでしょう。

Rain Man は、ダスティン・ホフマン、トム・クルーズが出演していた、1988年の映画「レインマン」ですね。
これは邦題も「レインマン」なので、ピンときた方も多いかもしれません。

Wikipedia 日本語版: レインマン
Wikipedia 英語版: Rain Man

私も今回の記事を書くにあたり、この映画を見てみました。
(以下、未見の方には多少のネタバレになってしまいますのでご注意下さい。)
この映画は、ダスティン・ホフマン演じる自閉症(autistic)の兄レイモンドと、父の死後にその兄の存在を初めて知った、弟チャーリー(トム・クルーズ)とのお話です。
映画の中で、"Raymond has a problem communicating and learning. He can't even express himself or probably even understands his own emotions in a traditional way." と説明されていたように、レイモンドは人とのコミュニケーションや感情表現がうまくできない、という問題を抱えているのですが、記憶力や数字に関して、天才的な才能と能力を見せるシーンが、劇中、何度も出てきます。
電話帳を G の途中まで丸暗記したとか、落ちた爪楊枝の本数を瞬時に数えたとか、2,130の平方根を暗算で答えてみせる…というシーンもありました。
(ちなみに、「2,130 の平方根はいくつ?」という質問は、英語では、"Do you know how much the square root of 2,130 is?" となります。)

チャンドラーはそのレイモンドの天才的なイメージを持ち出して、「セクシーな女の子が関係するとなると、ジョーイは突然、レインマンみたいな天才になるんだよな」と言っているわけです。
普段のジョーイは、他の人が普通に気づくことにもすっと気付かないで、しばらく時間が経ってから、「あ〜あ、そうかぁ〜」みたいに遅れて反応することが多いですね。
それが、特にこういう女性関係の話になると、やたらと頭が回転するわけです。
そういう「ある限定された分野で、天才的な能力を発揮する」ジョーイの様子を、「普段は他人から見て理解不能な言動が多いけれど、自分の得意分野では素晴らしい才能を見せる」レイモンドになぞらえているわけですね。
all of the sudden he's a genius 「突然、彼は天才(になる)」に近い意味ではありますが、a genius の代わりに、Rain Man を使うことで、「得意分野においては、普段の言動からは想像できないような、天才的能力を発揮する」さまを表現できる、ということです。


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posted by Rach at 17:14| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月11日

古生物学科のhottie フレンズ6-18その1

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シーズン6 第18話
The One Where Ross Dates A Student (ロスと教え子の禁じられた恋)
原題は「ロスが生徒とデートする話」


[Scene: Monica and Chandler's, Chandler, Rachel, and Joey are there as Ross enters.]
モニカとチャンドラーの部屋。チャンドラー、レイチェル、ジョーイがいて、ロスが入ってくる。
ロス: Hey! I just got uh, my teacher evaluations. Check out what this one student wrote. "I loved Dr. Geller's class. Mind-blowing lectures. Dr. Geller, you are definitely the hottie of the Paleontology Department." (やあ! ちょうど、自分の「教師評価」をもらったところなんだ。この生徒が書いてることを聞いてみて。「ゲラー先生(博士)のクラス、大好きでした。ぶっとんじゃうような(素晴らしい)講義。ゲラー先生、あなたは間違いなく、古生物学科の超セクシーな人[セクシーガイ]です。)
チャンドラー: Ahh, "Hotties of the Paleontology Department." There's a big-selling calendar, eh? (あー、「古生物学科のセクシーガイたち」。超売れてるカレンダー、あるよなぁ?)
レイチェル: Who wrote it? (誰がそれを書いたの?)
ロス: Oh, I wish I knew, but the evaluations are all anonymous. (あぁ、知りたいんだけど[わかるといいんだけど]、でも、評価は全部匿名なんだ。)

ロスは、my teacher evaluations をもらった、と言っています。
evaluation は「評価、査定」。
フレンズ6-4 で、ロスはニューヨーク大学(NYU)に特別講師として招かれ講義をすることになった…という場面が出ていましたが、彼はその後もそこで講義をしていて、生徒からの評価をまとめたものをもらった、という感じでしょう。

一人の生徒が書いたものを(読むから)聞いてくれ、みたいに言って、彼はその評価文を読み上げます。
I loved のように過去形になっているのは、学期が終わっての感想、だからでしょうね。
I loved you. みたいな過去形だと、「私はあなたを愛してたのに(今は愛していない)」のように、「今はそうじゃないけど、昔はそうだった」感が出ますが、ここでは別に「今は好きじゃない」と言っているわけではなく、上にも書いたように、「終わった学期の感想」だから、loved になっているだけ、ということです。
「(今学期の)ドクター・ゲラーの授業、私は大好きでした」という感じで、「ゲラー先生の授業、良かったです」と言っていることになります。

mind-blowing を文字通り訳すと、「心を爆発させる(ような)」という感じでしょうか?
意味としては、「幻覚を起こさせる、びっくりするような、ショッキングな」というニュアンスになります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
mind-blowing [adjective] (informal) : very exciting, shocking, or strange
例) a mind-blowing experience

つまり、「非常にエキサイティング、ショッキング、奇妙である」。
例は、「非常にエキサイティングな経験」。

関連語として、something blows your mind というフレーズも示されているので、そちらも見てみると、

something blows your mind : (spoken) to make you feel very surprised and excited by something
例) Meeting her after so many years really blew my mind.

つまり、「何かによって、非常に驚いたり、興奮したりする気持ちにさせること」。
例文は、「長い年月の後で彼女に会ったことは、私を非常に驚かせた[興奮させた]」。

とにかく「心がぶったまげる(?)」みたいな感じのニュアンスなのでしょうね。
文脈によって、いろんな意味で解釈できそうですが、今回の場合は、「先生の授業、大好きでした」の後ですから、「すっごくエキサイティングな授業でした」と言っている感覚になるでしょう。
ロスの古生物学の授業はいかにも退屈そうな感じなのに(笑)、それを「ものすごくエキサイティング」なものであるかのように感想を述べている、そのギャップも楽しいですね。

賞賛の言葉はまだ続きます。
「ドクター・ゲラー、あなたは間違いなく、古生物学科の the hottie です」という感想ですが、hottie とは「セクシーな人」という意味のようですね。

英辞郎には、
hottie
【名-1】湯たんぽ
【名-2】強烈にセクシーな人


と出ています。(うーん、「湯たんぽ=ホッティー」というのは、なるほどという感じ…笑)

研究社 新英和中辞典では、
hottie, hotty 【名】《英》 =hot-water bottle

と出ており、「湯たんぽ」(hot-water bottle)の意味しか載っていませんでした。

英英辞典の LAAD や Macmillan Dictionary には、hottie という項目がなかったのですが、
Merriam-Webster には以下のように出ていました。

the Free Merriam-Webster Dictionary : hottie

hottie : a physically attractive person
Examples of HOTTIE
His girlfriend is a real hottie.

つまり、「身体的に魅力的な人」。例文は、「彼の恋人(彼女)は、実にセクシーな子だ」。

physically attractive というのは、sexually attractive ということですね。
実際、そこからリンクがはってある、Merriam-Webster LEARNER'S DICTIONARY では、
hottie [count] informal : a sexually attractive person
と定義されています。

内面が魅力的かどうかの話ではなくて、見た目の姿が(異性から見て)魅力的、という意味になります。
person とあることから、男性女性のどちらにも使えるようですね。
フレンズのセリフでは、ロスという男性のことを言っていますし、Merriam-Webster の例文では、彼女(女性)のことを言っていることからも、両方に使えることがわかります。

Merriam-Webster では、
First Known Use of HOTTIE
1990

とありますので、1990年頃に使われるようになった、比較的新しい言葉(当時の若者言葉)みたいですね。
大学生の書く評価文なので新しい言葉が使われているわけでしょう。

hottie という言葉を聞いて、さっそくチャンドラーが茶化しています。
"Hotties of the Paleontology Department." と言った後、there is 構文を使って、a big-selling calendar のことを言っていますね。
「よく売れてるカレンダーがある、よな?」みたいなニュアンスだと思われるので、売れ筋のカレンダーの中に、「古生物学科のセクシーガイたち」というようなタイトルのカレンダーがありそう、と言っているようです。
日本でも、「お天気お姉さんのカレンダー」(正式名称は「NHK気象予報士カレンダー」)があったりしますしねぇ。
そういう「カテゴリー分け」されたカレンダーのイメージで、「古生物学科の hottie たち」というカレンダーもありそうじゃん、と、ロスをからかっているわけでしょうね。

レイチェルが、「その文を書いたのは誰?」と尋ねるのですが、ロスは、I wish I knew, but... と言っています。
これは典型的な仮定法過去ですね。
実現不可能な願望を表し、「知っているといいんだけど、知ることができるといいんだけど(残念ながら知らない)」というニュアンスになります。
anonymous は「匿名の、無記名の」ですね。無記名アンケートなので誰が書いたかわからない、ということです。


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posted by Rach at 16:52| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月09日

マイ・ファニー・バレンタイン フレンズ6-17その6

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チャンドラーとモニカが踊りながら聞いていた音楽テープには、ジャニスの声が入っていました。
「君のために俺が編集したんだ」と言ってチャンドラーがモニカにプレゼントしたはずのそのテープは「ジャニスがチャンドラーのために作ったもの」であったことが発覚してしまいます。
その後のシーン。
[Scene: Monica and Chandler's, Chandler is trying to explain himself to Monica.]
モニカとチャンドラーの部屋。チャンドラーはモニカに弁明している。
チャンドラー: I am so, so, so, so sorry! (ほんとにほんとにごめんよ。)
モニカ: (not buying it) Uh-huh. ([そのチャンドラーの意見を受け入れずに] ふーん。)
チャンドラー: And I will cook anything you want in here. (points to the kitchen) And do anything you want... in there! (Points to the bedroom.) (それに、俺は君の好きなものを何でも料理してあげるよ、ここで[台所を指差す]。それから、君の好きなことを何でもしてあげるよ、あそこで! [寝室を指差す])
モニカ: (pointing to the kitchen) Yeah, you will! (Points to the bedroom) And are you kiddin' me?! ([台所を指差して] ええ(もちろん)、そうしてもらうわ! [寝室を指差して] それから(そっちの件は)ご冗談でしょう?!)
チャンドラー: Come on, Monica, it's our Valentine's Day. Please? Please-please, please? (ねぇ、モニカ、俺たちのバレンタインデーなんだよ。お願いだよ、お願いお願い。)
モニカ: Okay. (わかったわ。)
チャンドラー: Okay. (They hug.) (よかった。 [二人はハグする])
音楽テープから、またジャニスの声が…。
ジャニスの声: (singing) My funny valentine, sweet comic valentine! You make me smile with my heart [or You make me high over my heart!] ([歌いながら]♪マイ・ファニー・バレンタイン[私の楽しいバレンタイン]、愛しのゆかいなバレンタイン! あなたは私を心から笑わせてくれる♪)
(Monica breaks the hug and starts for the bedroom.)
モニカはハグをやめ、寝室に向かう。
チャンドラー: So are we going in there? (それで、俺たちはそっち[寝室]に行くの?)
モニカ: I am!! (Enter her room and closes the door behind her.) ((私たちじゃなくて)私が行くの! [自分の部屋に入り、後ろ手にドアを閉める])
ジャニスの声: (singing) Your looks are laughable [or You're look for laughable...] (She does the now patented Janice laugh.) ([歌いながら] あなたの顔は笑えちゃうわ… [今や特許を得た例の”ジャニス笑い”をする])

最初のト書きの explain oneself to someone を直訳すると、「自分自身(のこと)を人に説明する」という感覚ですね。
「自分の考えや立場を明らかにする、弁明する」というニュアンスになるでしょう。
チャンドラーは「本当にごめん」とストレートに謝っているのですが、モニカの表情や態度からは、その謝罪を受け入れる様子は見えません。
ト書きの、not buying it の buy は「買う」の buy ですが、ここでは、「信じる、受け入れる」という意味で使われています。
まさに、チャンドラーの「ごめん」という謝罪を受け入れていない様子が、not buying it なのですね。

チャンドラーは「いいこと思いついた!」みたいな顔をして、I will cook... というセリフを言っています。
このセリフは、過去記事、望むものを何でも、こっちとあっちで フレンズ6-17その3 で、モニカが言ったセリフとほぼ同じですね。
「自分は手作りプレゼントのことを忘れていたのに、チャンドラーはちゃんとそれを用意してくれていた」ことに感動し、「こっち(台所)で好きなものを何でも作ってあげるし、あっち(寝室)で好きなことを何でもしてあげる」と言った、モニカの情熱的な(笑)セリフでした。

そのチャンドラーの嘘がバレてしまい、今度はチャンドラーが謝る番、埋め合わせをすべき番になったので、チャンドラーは「今度は俺が全く同じことを君にしてあげるよ、それで俺のやったことの埋め合わせをしたいんだ」という気持ちで、同じセリフを言ったのでしょう。
ここでもまた、台所や寝室という単語は使わずに、here と there を指差しながら言っているのも、「あの時と同じように、俺のことも許してね」みたいな気持ちが込められているように思います。

それに対するモニカの返答が面白いですね。
台所を指差して、Yeah, you will! と言っているのは、「台所で料理する件については、もちろん、あなたはそうする、あなたにはそうしてもらうわ!」という感覚。
そして、寝室を指差しての、And are you kiddin' me?! は、「そして(寝室の件については)、あなた私に冗談を言ってるの?」と言っていることになります。
「寝室で何でも好きなことをしてあげる、とかって…、今、あなたは私を怒らせてるのに、そんな状況であなたとエッチするわけないでしょう?」という気持ちから、「冗談言うのもいい加減にしてよ、あなた、ふざけてんの?」みたいなことを言っているわけですね。
そういう「気持ち」の部分はくどくどとは説明せず、「(台所の件は)当然そうしてもらいます! (寝室の件は)冗談はやめて!」みたいに、指差しに合わせて言っているのが、セリフとして非常に面白いなと思います。

今はあなたとそんな気持ちになれないわよ、みたいに言われたのですが、チャンドラーは何とかモニカの機嫌を直そうと頑張ります。
「今日は俺たちのバレンタインデーなんだよ。お願いだよ」と必死なチャンドラーに、しばらくの間があってから、モニカも、しょうがない、という感じで、Okay. と言います。
二人はハグし、これで仲直りできた…と思った時に、またもや(笑)テープから、ジャニスの声が聞こえてきます。(喧嘩の原因となったテープを、停止せずにずっと再生状態にしてたんかいっ!とツッコミたいところですが、そこはまぁ、コメディーということで…笑)

今度のジャニスの声は、ナレーション風のメッセージではなく、ジャニス自身が歌を歌っています。
この曲は、My Funny Valentine 「マイ・ファニー・バレンタイン(ヴァレンタイン)」ですね。

Wikipedia 日本語版: マイ・ファニー・ヴァレンタイン
Wikipedia 英語版: My Funny Valentine

ネットスクリプトには、ジャニスが歌っているその曲の歌詞がセリフとして書いてありますが、実際の My Funny Valentine の歌詞とは一部異なっている部分があります。
以下にそれを対比しておくと、

(ネットスクリプト)
You make me high over my heart
(実際の歌詞)
You make me smile with my heart

(ネットスクリプト)
You're look for laughable
(実際の歌詞)
Your looks are laughable

この曲の歌詞を知らない状態で、ジャニスの声だけを聴いていると、ネットスクリプトに書いてあるような音に聞こえる感じはするのですが、ジャニス独特のキツい発音のため、違う風に聞こえてしまうだけかもしれません。
私的には、別にジャニスは「替え歌」を作ろうとしたわけでもなく、通常の歌詞通りに歌っているけれども、音がやや不鮮明だったため、ネットスクリプトのディクテーションをした方が、聞こえた音から想像した歌詞を書いた、というのが、ネットスクリプトと実際の歌詞との違いの原因かな、と思っています。
なので、上のセリフでは、一応、その曲の本来の歌詞を書いた上で、カッコ書きで、ネットスクリプトの歌詞も合わせて記載しておきました。

この曲は、今や、ジャズのスタンダードになっていますが、元々は、Babes in Arms というミュージカルの曲だったようです。
ウィキペディア英語版の My Funny Valentine の History の項目では、歌について以下のように説明されています。

In the song, Billie pokes fun at some of Valentine's characteristics, but ultimately affirms that he makes her smile and that she doesn't want him to change.

訳させていただきますと、
「その曲の中で、ビリーはバレンタインの特徴のいくつかをからかうが、最終的には、彼(バレンタイン)が彼女(ビリー)を笑顔にしてくれること、そして、彼女は彼に変わって欲しくないと思っていることをはっきりと認めている。」

歌詞では、「あなたの顔は笑える」みたいな、一見ひどい表現が並んでいますが、これは、相手の欠点みたいなものをいくつかあげながらも、いつまでもそんなあなたのままでいて欲しい、というラブソングなんですねぇ。
相手を絶賛、賞賛する美辞麗句が並んだラブソングよりも、ある意味、よりロマンティックなのかもしれません。

ジャニスが「マイ・ファニー・バレンタイン」を歌うのを聞いたモニカはハグをやめ、一人寝室に向かいます。
何も言わずに歩いて行ってしまったモニカに、So are we going in there? とチャンドラーは尋ねています。
それに対して、I am!! と答えて、ドアをバタンと閉めるモニカに笑えますね。
これは、Are we...? 「俺たち二人が…するの?」と尋ねたことに対して、I am! 「(私たち二人じゃなくて)私ひとりがそうするの!」みたいに答えている形です。

チャンドラーとしては、いったんは仲直りできたので、仲直りがまだ有効なら、俺も一緒に寝室に入っていいのかな?と言ったわけです。
が、仲直りした後で、またジャニスの声が、それも今度は歌を歌っていて、さらにはそれが、My Funny Valentine だったので、モニカにしてみれば、仲直りしようという気持ちもどこかに吹っ飛んじゃった、という感じなのでしょう。
それで、we だなんてとんでもない、寝室に入るのは私だけ、私一人よ、と言う意味で、I am!! と叫び、ドアを閉めたわけですね。

ちなみに、My Funny Valentine という曲は、上でも説明したように、バレンタインという名前の男性(Valentine "Val" LaMar)に向けての歌であることから、元々、「バレンタインデーの歌」として誕生したわけではないと私は思っているのですが、やはり、Valentine という名前から、バレンタインデーに関連付けられる曲、バレンタインデーと言えば思い出す曲であるのは間違いないと思います。

シーズン1のバレンタインデーのエピソードである、フレンズ1-14その4 では、
ジャニス: Hello, funny valentine! (はーい、楽しいバレンタインちゃん。)
チャンドラー: Hi, just Janice. (はーい、ただのジャニス。)
というやり取りもありました。
この funny valentine というフレーズも、やはり、My Funny Valentine という曲の歌詞を意識したものだと思えます。
このセリフでは、valentine のように小文字表記になっていますが、「バレンタインデーにカードを送る相手」という普通名詞の意味があるのですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
valentine [noun] [countable]
1. a card you send to someone on Valentine's Day
2. someone you love or think is attractive, that you send a card to on Valentine's Day
例) Be my valentine!

つまり、1. は、「バレンタインデーに誰かに送るカード」、2. は、「愛している、もしくは魅力的であると思っている人で、バレンタインデーにカードを送る人(相手)」。例文は、「僕のバレンタイン(恋人)になって!」

シーズン1のセリフで、チャンドラーを、funny valentine と呼んでいたわけですが、それがこのシーズン6では、My Funny Valentine をチャンドラーのために歌ってあげるジャニスの「声」が登場する、というのも、シリーズ物ならではの面白さだな、と思います。
そして、"Come on, Monica, it's our Valentine's Day. Please?" と、二人のバレンタインデーであることを必死に訴え、モニカの気持ちがほぐれたところに、ジャニスが歌う My Funny Valentine という「バレンタインデーを思い出させるラブソング」が聞こえてくる…という構成が、ちょっとベタすぎるかもしれませんが(笑)、コメディーの王道だと言える気もします。

最後のト書きの、She does the now patented Janice laugh. も面白いですね。
patented は「特許を得た、特許を受けた」ということなので、直訳すると、「ジャニスは、今や特許を取った”ジャニス笑い”をする」という感覚になるでしょう。
実際に、Janice laugh という名前で特許を取ったわけではないようですが(笑)、ジャニスの専売特許のようになっているあの独特で有名な笑い声が、テープに入っていることをト書きで表現しているわけですね。


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posted by Rach at 16:14| Comment(3) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月07日

床に押さえつけて動けなくする フレンズ6-17その5

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護身術には「ウナギ」の極意が必要、などと適当なことを言っていたロスでしたが、レイチェルとフィービーを不意打ちしようとして、逆に押さえ込まれてしまいます。
そういうことがあってから、しばらく後のシーン。
[Scene: A women's self-defense class, the instructor is just finishing a class.]
女性の護身術の授業、インストラクターはちょうど授業を終わろうとしているところ。
インストラクター: Okay, ladies, that ends today's class. And let's remember, let's be safe out there. (よし、みんな、今ので今日の授業は終わり。それから覚えておいて、外では安全にね[気を付けてね]。)
(The women all clap and start to leave as Ross comes up to the instructor. Apparently he was hiding in the back.)
女性たちは全員拍手をし、部屋を出ようとする。その時、ロスがインストラクターに近づいてくる。どうやら彼は後ろに隠れていたようだ。
ロス: It's a great class. (素晴らしい授業でしたよ。)
インストラクター: Thanks. (ありがとう。)
ロス: Yeah, yeah, I was watching. (The instructor just nods and walks away.) Umm, hey, a couple of questions though. Umm, about that-that-that last move where the woman tripped you and then pinned you to the floor? What-what-what-what would you do next? (ほんと、ほんと、僕は見てたんですよ。[インストラクターはただうなずいて、歩き去る] あー、ねぇ、2、3、質問があるんですけど。うーんと、あの最後の動き、女性が君をつまずかせて、それから、君を床に押さえつけて動けないようにする、あの動きのことだけど。次はどうするのかな?)
インストラクター: Well, she would take the keys and try to jam them in your-- (そうだな、彼女は鍵を取り出して、それを押し込むだろうね、そいつ[犯人]の…)
ロス: No. No-no. No. What would YOU do next? (違う、違うよ。”君は”次にどうするの?)
インストラクター: Who? Me, the attacker? (誰だって? 俺、襲う[襲撃する]人間の方(ほう)?)
ロス: Yes, that's right. (そう、その通り。)
インストラクター: Why? (どうして(そんなことを聞くんだ)?)
ロス: I tried attacking two women. Did not work. (僕は2人の女性を襲おうとしたんだ。うまくいかなかった。)
インストラクター: What?! (何だって?)
ロス: No, I mean it's okay, I mean, they're-they're my friends. In fact, I-I-I was married to one of them. (いや、大丈夫なんだよ。だって、その二人は僕の友達なんだ。実際、僕はそのうちの一人と結婚してたんだよ。)
インストラクター: Let me get this straight, man, you attacked your ex-wife?! (ちょっとこのことを整理させてくれよ。君は自分の元妻を襲ったのか?)
ロス: Oh, no! No-no! No, I tried! But I couldn't. That's why I'm here. Maybe we could attack them together! (He glares at him.) That-that's a no. (ああ、違う、違うんだ。僕は襲おうとした(だけな)んだ。でも失敗した。だから僕はここにいるんだよ。多分、君と僕とが一緒なら、彼女たちを襲えると思うんだけどな! [インストラクターはロスをにらむ] それって、ダメだよね。)

インストラクターのセリフ、that ends today's class の end は「…を終える、…の終わりとなる」という他動詞。
最後に何かをやって、that 「それが、今のが」、今日の授業を終える、今日の授業の終わりとなる、なので、「今ので今日の授業は終わり、おしまい」という感覚になるのですね。

生徒たちが立ち去ろうとする中、ロスが手を叩きながら、軽やかなステップでインストラクターに近づいてきます。
great な授業だった、などとロスは言葉では褒めているのですが、インストラクターの方は、知らない男性が突然やってきて親しげに話しかけるので、あまり関わりたくないと思っている様子が伺えます。

そこでロスは、「2、3、質問があるんだけど」と言って、本題に入ろうとします。
about that last move where S+V は、「SがVする(という)あの最後の動きについて」という感覚。
where は関係副詞で、that last move の中で、SがVという行動をする、のように、that last move の内容を、後から詳しく説明していることになります。
ここでの trip は他動詞で「人をつまずかせる、転ばせる」。
pin は名詞だと「ピン、画びょう」で、それを他動詞として使うと、「…をピンで留める」ことから、「…を押さえつける、動けないようにする」という意味になります。
この場合は、「人を床に押さえつけて動けなくする」ということですね。
「人をピンで床に留める」というイメージからも想像しやすい動きだと言えるでしょう。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
pin : to make someone unable to move by putting a lot of pressure or weight on them
つまり、「多くの圧力や体重を上にかけることで、人を動くことができないようにすること」。

インストラクターが最後に示してみせた、「襲ってきた男性を転ばせて、床に押さえつける動作」についての質問なんだけど、と言ってから、次に you はどうするの?とロスは尋ねています。
インストラクターは、she would を使って、「襲われた女性は…するだろう」と説明しています。
jam は「詰め込む、押し込む」という動詞で、この場合は目的語が、in your-- で止まっているのではっきりとはわかりませんが、襲ってきた男の口や目(?!)などにキーを押しこんで、相手に痛い思いをさせ、ひるませる、みたいなことを言いたかった…のでしょうか?
ですがロスは、「違う違う」と言って、you というのは「君」のことだよ、と YOU を強調して、再度同じ質問をします。

このクラスはあくまで「女性の護身術」を習う授業なので、What would you do next? と尋ねた場合、護身術を行なっている女性が次に何をするのか?という質問だと受け取るのが普通ですね。
その場合の you は、一般の人を表す you で、そういう動きがあった後、「人は次にどう行動するか?」を尋ねているように聞こえるわけです。
それでインストラクターは、「男を押さえつけた後、その女性はこうする」と、女性の次の行動を説明したのですが、ロスは、you というのは、一般の人、このクラスで言うところの女性の受講者のことではなくて、「君自身」はその後、どうするの?と尋ねてるんだよ、と訂正しているということです。

そう言われて、「誰? 俺のこと? 襲う方の人間のこと?」とインストラクターは驚いています。
Why? と言っているのも、護身術のクラスなのに、襲う人間の次の行動を尋ねてどうするんだ? 何でそんなこと聞くんだ?という気持ちなのですね。

ロスは、「僕は2人の女性を襲おうとしたけど、うまくいかなかった」と言っています。
レイチェルとフィービーに「ウナギ」の極意を教えようと不意打ちしたけれど、逆に押さえつけられたことをそう説明しているので、確かに事実なのですが、その言葉だけを聞いたインストラクターにしてみれば、「女性を襲おうとして失敗した、だって?」と、「こいつは犯罪者、変質者なのか?」みたいな目で見てしまうのも無理のないところ。

相手が何か不審なものを感じていることに気づいたロスは、さらに詳しく事実を説明するのですが、「二人は友達で、一人は元妻」という内容だったので、「君は元妻を襲ったのか?」とまた驚かれてしまいます。
まるで、離婚後もストーカーのように付きまとう DV夫みたいに思われてしまったのですね。

attacked 「襲った」という過去形を使ったインストラクターに、ロスは、attacked じゃなくて、tried to attack 「襲おうとした」けど、I couldn't. 「できなかった、失敗した」んだと訂正しています。
インストラクターにしてみれば、襲ったという事実が実際に成功しようが失敗しようが、「元妻を襲おうとした男」のイメージは変わらないわけですが、ロスにしてみると、「実際に襲ったんじゃなくて、襲おうとしてそれがうまくいかなかった、と僕は言ってるんだよ」とあくまで「未遂」に終わったことを強調しているわけです。

That's why I'm here. は、That's the reason why I'm here. 「それが僕が(今)ここにいる理由だ」ということで、「襲おうとして失敗したから、どうすれば失敗しないで済むか、反撃することができるかを尋ねようとここに来たんだ」と言っていることになります。
護身術を教えている君なら、当然それを跳ね返す方法も知ってるんだろうから、とばかりに、「君と一緒なら、多分、彼女たちを襲うこともできそうだよね」と誘ってみるのですが、彼ににらまれて、「それって、ノー、ダメ、ってことだよね」とあきらめます。

このシーンは、ロスは確かに事実をそのまま述べているものの、事情を知らない人が聞くと、「こいつはどこまでアブないやつなんだ!?」とあきれかえってしまうようなことを言っている、という面白さにあるでしょう。
ロスが説明すればするほど、相手の不審感はどんどん高まっていく…という様子を、英語のセリフから感じ取っていただければと思います。


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