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チャンドラーとモニカはレストランにいます。
今夜このレストランでモニカにプロポーズするつもりのチャンドラーは緊張している様子。
「大丈夫?」と聞かれたチャンドラーは「モニカこそ大丈夫?」と聞き返し、「少し寒いから、あなたの上着を貸して」とモニカに言われます。
上着の内ポケットに指輪のケースを入れているので上着を貸せないチャンドラーは、「君に貸したら僕が寒くなるじゃないか」みたいなことを言って上着を貸すのを拒んでいます。
やはり様子がおかしいと思ったモニカは、
モニカ: (laughs) Are you sure you're okay? ([笑って] 本当に、あなた、大丈夫?)
チャンドラー: Yes! I'm fine. In fact, I've been fine for a long time now and I think, the reason is you. (ああ! 俺は元気(順調)だよ。実際、俺は長い間ずっと元気でいる、僕は思うんだ、その理由は君だ、って。)
モニカ: Ohh, that's sweet! (まぁ、それって素敵。)
チャンドラー: Okay umm, before I met you, I had really little life. And I couldn't imagine growing old with-- (よし、えーっと、俺は君に会う前は、俺には人生ってものがほとんどなかった。そして俺には想像できなかったんだ、一緒に年を取っていくことを…)
(As he's talking Monica notices someone familiar has just entered the restaurant. Let's see; I seem to remember him driving a Ferrari in Hawaii solving crimes as a private investigator and as a certain eye doctor in more recent times.)
チャンドラーが話している時に、モニカは見覚えのある人がちょうどレストランに入ってきたのに気づく。彼が私立探偵として事件を解決しながら、ハワイでフェラーリを運転しているのを思い出す気がする、そしてもっと最近では、とある眼科医としての姿を。
モニカ: (interrupting him) Oh, my God! ([チャンドラーの発言をさえぎって] まぁ、なんてこと!)
チャンドラー: (not knowing the true meaning of her exclamation) I know. But just let me say it. ([モニカの感嘆の声の本当の意味を知らずに] わかってる。でもただ(何も言わずに)俺にそれを言わせてくれ。)
モニカ: Oh, my God, Richard. (Yep, Richard's back.) (なんてこと、リチャード。[その通り、リチャードが戻ってきた])
チャンドラー: What?! I'm Chandler! (She nods towards the doorway, Chandler turns and looks) Oh, that's Richard! (何だって? 俺はチャンドラーだぞ! [モニカは出入り口の方をあごで示す、チャンドラーは振り返って見る] あぁ、あれはリチャードだ!)
明らかにそわそわして様子がおかしいチャンドラーに、モニカは、Are you sure you're okay? と尋ねています。
それまでにもすでに何度か、Are you okay? 「あなた大丈夫?」と尋ねていて、チャンドラーは大丈夫だと返事していたのですが、やはり様子がおかしいので、「自分では大丈夫だって言ってるけど、それは間違いない?」みたいな感じで、Are you sure you're okay? と言っているのですね。
チャンドラーは、I'm fine. と返事しています。
英会話の決まり文句として習う、"How are you?" "I'm fine, thank you." のあの fine ですね。
改めて英英辞典で語義を見てみると、以下のように出ています。
fine : HEALTHY healthy and well
例) "How are you?" "Fine, thanks."
つまり、「健康で調子が良い」。
「大丈夫?」と聞かれて、「元気だよ、順調でいい感じだよ」と返事したチャンドラーは、優しい顔でその後の言葉を続けています。
I'm fine. In fact, I've been fine for a long time は、「今、自分は fine な状態で、実際、これまで長い間ずっと fine な状態だった」と言っていることになります。
そして、the reason is you と言っていますね。
その理由、つまり、自分がずっと fine でいられた理由は君だ、君のおかげでずっと僕は fine でいられた、と言っていることになります。
モニカが素直に感動していることからもわかるように、かなりロマンティックなセリフですね。
今からプロポーズするぞ!という大事な場面なので、いつものおふざけのチャンドラーではなくて、ちょっと照れたような笑顔で心からそう言っているらしいことが表情からもわかります。
the reason is you のように、you が最後に来ているところが、余計にそのセリフを素敵なものにしているように思います。
例えば、Wham! (ワム!)のヒット曲の Freedom のサビの部分で、
I don't need your freedom, girl, all I want right now is you.
という歌詞がありますが、これも、「今の僕が欲しいもののすべては君だ、今の僕が欲しいのは君だけだ」というような意味ですね。
I want you right now. と似たような意味ですが、... is you 「…は君だ」と表現することで、強調したい部分を後回しにしたような倒置のニュアンスが出るわけです。
今回のセリフも内容としては、You are the reason why I've been fine for a long time. のような感じですが、上のセリフのように表現することで、「俺はずっと fine だった、そして俺は思うんだ、その理由は君なんだ、って」というように、「(それは全て)君なんだ、君のおかげなんだ」という部分が強調されるわけですね。
モニカが感動してくれたので、チャンドラーもプロポーズの言葉を言う勇気が出てきたようです。
ついに、チャンドラーが一世一代のプロポーズの言葉を述べ始めたその時に、ある人物の姿が画面に映ります。
ト書きの説明を読むとわかりますが、モニカの元カレの眼科医、リチャード・バーク先生が、このタイミングで同じレストランに現れたのですね。
実際の画面では、「これってリチャードじゃない?」とわかる程度に最初はちらっと画面に映る程度ですが、ファンとしてはやはり彼の登場はまさに驚きなので、そういうファンとしての気持ちが出たト書きになっているのが面白いです。
「私立探偵として事件を解決しながら、ハワイでフェラーリを乗り回す」というのは、リチャードを演じるトム・セレックが主演していた人気ドラマ「私立探偵マグナム」(原題:Magnum,p.i.)のことですね。
Wikipedia 日本語版 : 私立探偵マグナム
そのウィキペディアの説明にも、
「ベトナム帰り」の元海軍士官であるトーマス・マグナムはハワイ・オアフ島で私立探偵業を営んでいる。
マスターズ所有の赤いフェラーリ・308を勝手に乗り回し「愛車」としている。
という記述があるように、「ハワイでフェラーリを乗り回している私立探偵」というのがマグナムのよく知られた設定だということです。
そのように、マグナムとして有名な彼だけれど、もっと最近の話だと、フレンズファンにとっては、「ある眼科医」であるバーク先生として思い出されるとも言っているのですね。
座った位置の関係で、モニカだけがリチャードがいることに気づいた状態で、チャンドラーのプロポーズの言葉が続いています。
モニカがチャンドラーの発言を遮る形で、Oh, my God! と言ったのは、思いがけない場所で元カレ、リチャードを見かけたからですが、チャンドラーはその驚きの意味に気づかないまま、「わかってる。でも俺に言わせて」と言っています。
君と出会う前の俺は(誰かと)一緒に年を取ることなんて想像もできなかった…みたいなフレーズが出てくると、たいていの人はこれがプロポーズのセリフだと気づくでしょう。
チャンドラーも、そのフレーズでモニカがプロポーズだと気づいて声を上げたのだと思って、「今のフレーズで、これがプロポーズの言葉だって気づいて君は驚きの声を上げたってこと俺にもわかってるけど、大事な言葉だから最後まで俺にそれを言わせて」と言っているわけです。
その後、モニカはまた、Oh, my God. と言い、今度は、Richard という名前も出します。
「リチャードだって? こんな大事な時に彼氏の名前を間違えるか? 俺はチャンドラーだ!」と名前を訂正したチャンドラーですが、モニカが示す方向を見て、そこに本当にリチャードがいることにやっと気づくことになります。
ト書きの nod toward the doorway について。
nod は「首を縦に振る、うなづく」ですね。
ですから、nod toward は、「〜の方向に向けて首を縦に振る」という感じで、「〜の方にあごをしゃくる、〜をあごで示す」という意味になります。
口で説明せずに、無言であごをしゃくって、何かを示す、それだと教える、という仕草が、nod toward だということですね。
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