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フィービーがお客さんから美術館の券をもらったので、女性陣3人は、モーガン・チェイス美術館を訪れます。
そこでは結婚式を挙げることもできて、人気なので2年先まで予約リストはいっぱいだ、という話を職員から聞かされます。
リストに名前くらい書いといてもいいんじゃない?と言われ、モニカは名前を書くことにします。
そんなやり取りがあった後、しばらくしてからのシーン。
[Scene: Monica, Chandler, and Phoebe's, Chandler is reading the newspaper as the phone rings. He lets the machine answer it.]
モニカ、チャンドラー、フィービーの部屋。チャンドラーが新聞を読んでいると、電話が鳴る。チャンドラーはその電話を留守電に応対させる。
チャンドラー: (on machine) You've reached Monica and Chandler's. If you're listening to this message, we're probably screening. (to himself) Yeah, we are. ([留守電で] モニカとチャンドラーの家に(電話が)つながりました。もしあなたがこのメッセージを聞いているのなら、多分、僕たちが審査している[(相手と用件を)チェックしている]ところです。 [独り言で] そうだよ、(今、実際に)そうしてる。)
美術館の職員(The Museum Official): (on phone) Hi, this is Hildy from the Morgan Chase museum. I'm calling for Monica Geller. I want to let her know that there was a cancellation and if she's still interested in having the Bing-Geller wedding at our facility, it is available.... (Chandler runs to answer the phone.) ([電話で] こんにちは、こちらはモーガン・チェイス美術館のヒルディです。モニカ・ゲラー様にお電話しています。以下のことをお知らせしたく思います。キャンセルがありましたので、もしモニカ様が私たちの施設で、ビング・ゲラー両家の結婚式を行なうことにまだ興味がおありなら、利用できますので… [チャンドラーは走って行って電話に出る])
チャンドラー: (on phone) This is Chandler Bing! This is Chandler Bing! (Listens) Yes, the groom-- No! Not the groom!! ([電話で] こちらは(俺が)チャンドラー・ビングです! チャンドラー・ビングです! [電話を聞いて] そうです、その花婿です…違う! 花婿じゃない!)
新聞を読んでいるチャンドラーは、電話が鳴っても出るつもりはないらしく、そのまま留守電に応対させています。
reach は「到着する、届く」で、電話では「…と連絡する、…に連絡がつく」という意味。
この場合も、「あなたは、モニカとチャンドラーの家に電話で連絡が取れました」みたいなことなので、「あなたがかけた電話は、モニカとチャンドラーの家につながりました。こちらはモニカとチャンドラーの家です」と言っていることになります。
その後、もしあなたがこのメッセージを聞いているのなら、僕たちは多分、screen しているところです、とも言っています。
動詞の screen には「(穀物など)をふるう、ふるい分ける」という意味があり、そこから、「(志願者など)をふるいにかける、審査する、選抜する」という意味にもなります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
screen [verb] :
3. to find out information about people in order to decide whether you can trust them or whether they are the right people to work for you
例) Applicants are screened for security reasons.
5. to check things to see whether they are acceptable or appropriate
例) You can use an answering machine to screen your calls.
つまり、3. は「人が信用できるか、または自分の下で働くのに適した人かどうかを決めるために、人の情報を調査すること」。
例文は、「応募者はセキュリティーの理由のために審査される」。
5. は「物事が受け入れられるか、または、適切かどうかを見るために、物事をチェックすること」。
例文は、「電話をチェックするために、留守電を使うことができる」。
3. は申し込んで来た人を審査してふるいにかけるイメージですね。
そして、5. は、例文がまさに今回のチャンドラーのセリフと同じニュアンスなのが、非常に興味深いです。
電話に出て、くだらない電話、ややこしい電話だったらいやなので、留守電に相手が名乗って用件を伝えるのを聞いてから、大事な用事だったら電話に出ようとしているわけですね。
「この留守電のメッセージを聞いている間、俺たちはこっちで(相手が誰でどんな用件かを)チェックしてるからねぇ〜」という感じの、お遊びの留守電メッセージなわけですが、チャンドラーが、Yeah, we are. と言っているのは、「ウケ狙いのジョークだけじゃなくて、実際に今、ほんとにチェックしてるんだけどね」ということになります。
「この電話の相手と用件をただ今、チェック中です」みたいなことなので、もしそのまま電話に出なかったら「俺の電話に出るのがいやで、居留守を使ってるのか!」ということになり、電話の相手に対して何とも失礼な発言になってしまいます。
ですが、チャンドラーを知っている人であれば、「ウケ狙いでそう言っているだけの、チャンドラーっぽいジョーク」と理解し、怒ったりはしないでしょう。
それを、「メッセージだけではなく実際に、ただのジョークじゃなくて本当に、チェック中なんだよ〜ん、嫌な電話なら出ないからね〜ん」みたいに言っているのが面白いわけですね。
留守電を聞いていると、相手が名乗り、用件を伝え始めます。
チャンドラーは全く知らないことですが、観客や視聴者は、「モーガン・チェイス美術館」と言えば、さっきモニカたちが訪れた(そしてモニカがリストに名前を書いた)美術館だと気付きますね。
そういう予想通り、「モニカ・ゲラーさんへの電話で、キャンセルが出たので…」と話が続いていきます。
何も知らないチャンドラーは、cancellation 「キャンセル、取り消し」という言葉を聞いても、何のキャンセルか想像もつかなかったでしょうが、その後、「もし…するのに興味がおありなら」の後に、the Bing-Geller wedding という言葉が続くので、仰天することになります。
ビング・ゲラー・ウェディング、というのは、日本で言うところの、「ビング、ゲラー両家の結婚式」という感じ。
facility は「施設」、available は「利用できる」なので、「当施設で両家の結婚式を行なうことにまだご興味がおありなら、利用することができます…」と言っていることになります。
両家の結婚式として、自分の名字が出たので、スクリーニングしていたチャンドラーは、慌てて受話器を取ります。
まさに、screen した結果、「この電話は俺が直接、話さなきゃいけない用件だ!」と判断できたわけですね。
This is Chanlder Bing! 「こちらは(今、電話に出ている私は)、チャンドラー・ビングです!」と叫ぶチャンドラー。
ビングという名前から、the Bing-Geller wedding の新郎だと気付いた相手は、Are you the groom of the wedding? 「あなたがその結婚式の新郎(のビングさん)ですか?」とでも問い返したのでしょうね。
それで反射的に、「そうです、俺がその結婚式でビングの方、つまり、新郎です」みたいに答えたのですが、自分で新郎だと言った後、ことの重大さに気づき、「いや、違う、俺は新郎じゃない!」とも叫ぶことになります。
the Bing-Geller wedding におけるビングの方(新郎側)であるのは間違いないけど、俺は新郎なんかじゃない、だいたい、結婚するなんて話、決まってないし、聞いてもいないし!みたいな感じです。
「そうそう、俺が”その新郎”です…って、ちがーうっ!!」みたいな、ひとりボケツッコミ(ノリツッコミ)みたいなオチが楽しいですね。
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