2012年06月22日

面白いってことになってるのか? フレンズ6-20その6

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[Scene: Joey and Rachel's apartment, Joey is entering to find Chandler waiting patiently for him.]
ジョーイとレイチェルの部屋。ジョーイが入ってきて、チャンドラーが辛抱強くジョーイを待っているのを見る。
ジョーイ: Hey! (やあ!)
チャンドラー: Please tell me you got the message! (お願いだから、メッセージを受け取ったって言ってくれ!)
ジョーイ: What message? (何のメッセージ?)
チャンドラー: The actor playing Mac couldn't do it. They needed to see you at 2 o'clock. (マックを演じる予定の例の俳優はダメだったんだ。(オーディション)関係者はお前に2時に会う必要があったんだ[会いたいと言ってたんだ]。)
ジョーイ: What?! It's 6 o'clock! (何だって? (今は)6時だぞ!)
チャンドラー: Du-du-I wrote it, I wrote it on the board! I wrote it on the board, then I went all over New York City looking for ya! I went to Ross's! I went to the coffee house! I went to any place that they make sandwiches! (ほら、ほら、俺はそれを書いたぞ、そのことをボードに書いたんだ! ボードに書いて、それからお前を捜してニューヨーク中あちこち行ったんだぞ! ロスの家にも行った! コーヒーハウスも行った! サンドイッチを作っているあらゆる場所にも行ったんだ!)
ジョーイ: I can't believe this, Chandler! (こんなの信じられないよ、チャンドラー!)
チャンドラー: Sorry! I-I-I don't know what to say. (ごめんよ! 何て言えばいいかわからないよ。)
ジョーイ: Well, you-you-you-you might say congratulations! I saw the board, I went to the audition, I got the part! (じゃあ、お前はこう言えばいいんじゃないか、おめでとう!って。 俺はボードを見た! オーディションに行った! 役をゲットしたんだ!)
チャンドラー: (angrily) Is that supposed to be funny? I was really worried over here! ([怒って] それは面白いってことになってるのか? 俺はほんとにここで心配してたのに。)

ジョーイが部屋に戻ってきたのを見て、チャンドラーは「お願いだから、どうかメッセージを見たって言ってくれよ!」と言っています。
オーディションの時間が変更になったことを、お絵かきボードに書いたチャンドラーでしたが、それをジョーイが見たのかどうか不安でしょうがない、だから「頼むから、メッセージを見た・受け取ったって言ってくれ!」と言っているのですね。
日本語でも「なぁ、頼むからこれは嘘だと言ってくれよ」みたいな、Please tell me... と同じニュアンスが存在しますよね。
自分が願っていることを、相手の口からはっきり聞くことで確認したい、というような感覚です。

「ああ、もちろん見たよ、ありがとな」と言ってくれるかと思ったら、ジョーイは「何のメッセージ?」と返しています。
焦ったチャンドラーは、マック役の俳優がダメになったこと、オーディションが2時になったことを説明しています。
The actor playing Mac couldn't do it. の playing Mac は「マック役を演じる(予定の)」その俳優、のように、後ろから the actor を修飾しています。
couldn't do it は「それをすることができなかった」ということですから、マック役を演じるということができなかった、ということですね。
They needed to see you の they は、ドラマ製作者などのオーディション関係者を指しています。

2時という時刻を聞いて、ジョーイは「何だって? (今は)6時だぞ!」と言っています。
その言葉から、ジョーイは2時にあるはずのオーディションのことを知らなかったことがわかりますね。
パニクっているチャンドラーは、「俺はそれをボードに書いたんだ!」と主張しています。
it は、「オーディションが2時にある」という内容のメッセージを指しています。
最初に Du-du- と書いてありますが、これはDVD英語字幕では、Look! と表記されています。
「ほら、見てみろよ、俺はちゃんとボードにメッセージを書いたんだぞ!」という意味で、Look! と言いたかったのが、声にならなくて、ドゥ、ドゥ…みたいな音になってしまった感じです。

「俺はメッセージをボードに書いて、それから…」と、その後にした自分の行動を説明するチャンドラー。
I went all over New York City looking for ya! の all over は「あちこち、至るところ、そこらじゅう」という感覚。
お前を捜して、ニューヨーク中をくまなく歩き回ったんだ、というニュアンスになります。
Ross's は、Ross's place 、すなわち、「ロスのところ、ロスの家」。
the coffee house は、the で特定されていますので、いつもみんながたむろしている「セントラル・パーク」を指すでしょう。

I went to any place that they make sandwiches. について。
I went to any place は「どんな場所にも行った」という感覚。
that 以下で場所の内容を詳しく説明しています。
they make sandwiches は「人がサンドイッチを作る」ですから、つまりは、「サンドイッチを作るところ、サンドイッチをメニューとして出している、どんな店にも行った」と言っていることになります。
ジョーイはピザも好きですが、サンドイッチも大好きなんですよね。
だから、「ジョーイがいそうな場所と言えば、サンドイッチを出す店だ!」と思ったチャンドラーが、サンドイッチのある店をくまなく捜したと言っていることになるわけです。
「NY中を捜し回った」の後に、1.ロスの家、2.コーヒーハウス、3.サンドイッチを出すあらゆる店、みたいに言っているのが、3段オチっぽくて面白いなと思いました。
「サンドイッチあるところに、ジョーイあり」みたいに言っているわけですね。

俺は必死になってお前を捜したんだ、と言うのですが、ジョーイはまだむっとした顔で「こんなの信じられないよ」と言っています。
I don't know what to say. は文字通り、「何を言うべきかわからない」ですが、これは嬉しくて感激して感謝の言葉もない場合にも使いますし、今回のように何と言って謝ればいいのかわからない、謝っても謝りきれない場合にも使います。

「何て言ったらいいかわからない」というチャンドラーに、ジョーイは、you might say... と言って、言うべき言葉を自ら教えています。
congratulations 以下のセリフで、怒っていたように見えていたジョーイでしたが、実はちゃんとメッセージを受け取っていたことがわかる仕組みになっています。
I saw the board! 以下の3つの文は、間を置かずに連続する感じになっていて、「ボードを見た! オーディションに行った! 役をゲットした!」とリズミカルな発言になっています。
それまで嘘をついていたジョーイでしたが、ここで一気にネタばらし!という感じですね。

その嬉しいニュースを聞いて、一緒に喜ぶはずのチャンドラーが、今度は逆にすねてしまっています。
is supposed to (be) は「…(である)ことになっている、〜(である)はずである」なので、Is that supposed to be funny? は、「それ(今のジョーイの発言)は、面白いってことになってるの? 面白いはずなの?」みたいな感覚になります。
俺はここで、こっちで、すごく心配してたのに、とも言っていますね。
「俺、怒ってるみたいに見えてただろうけど、実は役をゲットできちゃったんだよ〜ん」みたいにジョーイがおちゃらけて言ったのを、「それって面白い冗談のつもりか? 俺にそれで笑えってか?」みたいに返したわけです。
俺はジョーイと連絡がつかないから、あちこち探し回って、すっごく心配してたのに、全く笑いごとじゃないよ!と怒っているのですね。

フレンズ5-8その1 でも、七面鳥をマスクのように頭にかぶったジョーイを見て、
モニカ: What, what are you doing? Is this supposed to be funny? (何、何をやってるの? これは面白いつもりなの?)
というセリフがありました。
ここは笑うべきところ? フレンズ3-14その10 では、
ロス: Is that funny? Am I supposed to be laughing? (それって面白いの? 僕は(今ここで)笑うことになってるの?[ここは僕が笑うべきところ?])
というセリフもありましたが、"Is that supposed to be funny?" と、"Is that funny? Am I supposed to be laughing?" には非常によく似たニュアンスがありますね。
それらと同様に、今回も、「面白い冗談か何かのつもり?」というニュアンスで、「君は面白がって言ってるんだろうけど、こちらとしては全然笑えないね」という気持ちをよく表していると思います。


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posted by Rach at 18:36| Comment(4) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月20日

伝言メモで省略される単語 フレンズ6-20その5

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[Scene: Joey and Rachel's apartment, Chandler is entering with a peace offering of a Joey Special, two pizzas.]
ジョーイとレイチェルの部屋。チャンドラーは仲直りの贈り物である「ジョーイ・スペシャル」、すなわち2つのピザを持って部屋に入ってくる。
チャンドラー: Joey? Got you the Joey special! Two pizzas! Joe? (The phone rings and he answers it) (On phone) Hello? (Takes the phone away from his mouth when he realizes what he just did and yells.) Damnit! (Back on phone.) Hello? (Listens.) No, Joey's not here right now, but I can take a message. I think. (Listens) He's still got a chance for the part?! Oh, that's great news! (Listens) Well, no, obviously not for the actor who was mauled by his dog. (Listens) Oh well, that's great. I will give Joey the message. Thank you! (Hangs up and goes to write the message on the Magna-Doodle.) Yes! (Reading what he's writing) Okay. Mac audition at 2:00. Allergy actor attacked. (Pause) By dog not flowers. (ジョーイ? お前にジョーイ・スペシャルを買ってきたぞ! 2枚のピザだ! ジョーイ? [電話が鳴って、チャンドラーはそれに出る] [電話で] もしもし! [自分が今したことに気づいて、電話を口から離して叫ぶ] くそっ! [電話に戻って] もしもし? [電話を聞いて] いいえ、ジョーイは今はここにいませんが、私がメッセージを受け取れます…と思います。 [電話を聞いて] 彼にまだ役のチャンスがあるんですか? あぁ、それは素晴らしいニュースだ! [聞いて] うーん、いいえ、明らかに、自分の犬に怪我させられた俳優にとっては、素晴らしいニュースじゃないですけどね。[聞いて] ああ、それは素晴らしい。ジョーイにそのメッセージを伝えます。ありがとう! [電話を切って、マグナ・ドゥードル(磁気お絵かきボード)にメッセージを書きに行く] よし! [自分が書いているものを読みながら] よし。マックのオーディションは2時。アレルギー俳優、襲われる。[間を置いて] 犬に、花じゃなくて。)

チャンドラーが嬉しそうな顔で、ピザを2枚持って部屋に入ってきます。
Got you the Joey special! は、主語の I が省略されていますが、「俺はお前に(お前のために)ジョーイ・スペシャルをゲットしてきた、買ってきた」というニュアンス。
ト書きでも、チャンドラーのセリフでも言及されているように、the Joey special とは、two pizzas 「ピザ2枚」のことなんですね。
「ジョーイ・スペシャル」という名前なので、ジョーイの好きなトッピングがいっぱい入っているのか?と思いきや、ただ「ピザ2枚」をそう呼んでいるところに笑ってしまいます。
ジョーイは大食漢でピザが大好きですから、「ピザ2枚」が「ジョーイ仕様」なわけですね。

最初のト書きでは、peace offering という言葉が使われています。文字通り、peace 「平和、和平」を offer するということで、「和平・和解の贈り物」という意味になります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
peace offering [noun, countable] : something you give to someone to show them that you are sorry and want to be friendly, after you have annoyed or upset them
例) Mike brought in some doughnuts - I think they were a sort of peace offering.

つまり、「自分が人を困らせたり、怒らせたりした後で、自分が申し訳ないと思っている、または友好的になりたいとと思っていることを相手に示すために、その人に渡す何か」。
例文は、「マイクはドーナツを持ってきた。それは一種の和解の贈り物だと思う」。

にこにこしながらピザ2枚を持って入ってきたのは、これでも食べて仲直りしようよ、という気持ちだということですね。
ジョーイの名前を呼ぶも返事はなく、その時、電話がなります。
反射的に電話を取ってしまったチャンドラー。
前にもこうやって電話を取ってしまい、その伝言をし忘れたことで、ジョーイはいまだに怒っているわけですから、「俺は電話を取っちゃいけなかったのに、また取っちまった!」みたいな感じで、Damnit! と言っているのですね。

「ジョーイは今ここにはいません、でも、自分がメッセージを取り次げます」みたいに言った後、おまけのように、I think と付け加えるのが面白いですね。
「メッセージ、俺が受け取れます…と思います、多分」みたいな感じで、前に一度メッセージを伝え損ねたことがあるので、絶対とは言えませんけど、多分、伝えられると自分では思ってます、みたいな感覚です。

電話を聞いていたチャンドラーは、「ジョーイにはまだ役のチャンスがあるんですか?」と驚きの声を上げています。

obviously not for the actor who was mauled by his dog について。
まず、見慣れない単語 maul (発音は「モール」)は、「(獣などが)…を傷つける」という意味。
LAAD では、
maul [verb, transitive] : if an animal mauls someone, it injures them badly by tearing their flesh
例) A six-year-old boy was mauled by a mountain lion.

つまり、「動物が人を maul するとは、肉を切り裂くことで人にひどい怪我をさせること」。
例文は、「6歳の少年が、マウンテン・ライオン(アメリカライオン、クーガー)にひどい怪我をさせられた(ひどく傷つけられた)」。

no, obviously not と言っていますが、これはその前の文、Oh, that's great news. を受けての否定文でしょう。
Obviously, that's not great news for the actor who was mauled by his dog. ということですね。
Oh, that's great news! Well, no, obviously not for him. 「それは素晴らしいニュースだ。いや、彼にとっては明らかにそうじゃないですけどね」みたいな感覚です。
そのように、for him と言えばいいところを、セリフで him = the actor を詳しく説明させることで、その彼がどういう状況かがわかるという仕組みです。
obviously 以下を前から順番にイメージしていくと、
「明らかに、それは良いニュースではない、自分の犬に怪我させられた俳優にとって」
という感じになるでしょう。
そのチャンドラーのセリフから、アレルギーCMの俳優が役を降りることになったのは、自分の犬に襲われたからだ、ということがわかるわけですね。
LAAD の語義にあったように、maul は、"injures them badly by tearing their flesh" というような、かなりひどい怪我を指しますから、自分の犬に襲われて大怪我をしたために、ドラマへの出演が不可能になったということになります。

嬉しいニュースを聞いたチャンドラーは、「メッセージをジョーイに伝えます」と言って電話を切り、ドアにかけてあるボードにメッセージを書き始めます。
ト書きには、Magna-Doodle とありますが、Magna-Doodle で、Google 画像検索すれば、それがどんなものかすぐにわかります。
詳しい説明は以下のウィキペディアで。
Wikipedia 英語版: Magna Doodle

そのウィキペディアの説明を以下に引用させていただくと、
Magna Doodle is a magnetic drawing toy, consisting of a drawing board, a magnetic stylus, and a few magnet shapes.
つまり、「マグナ・ドゥードルとは、磁気(式)のお絵かきおもちゃ(トーイ)で、お絵かきボード、磁気の筆、2、3個のマグネットの型で構成されている」。

磁気で絵や字を書いたりするボード、つまり、日本のメーカーだと、タカラトミーの「せんせい」シリーズのような「マグネットのおえかきボード」のことですね。
商品情報:せんせい:タカラトミー

doodle は「いたずら書き(をする)」という意味。
doodle は、過去記事、フレンズ3-15その5フレンズ5-24その3 にも出てきました。

そして、magna はどうやら、magnet から来たようですが…。
ちょっと脱線してみますと、Magna 「マグナ」という言葉で思い出すのは、世界史に出てきた「マグナカルタ」(大憲章)という言葉。
研究社 新英和中辞典には、Magna Carta の語源として、
語源:ラテン語 ‘great charter' の意
と出ています。
つまり、ラテン語の magna は、英語の great という意味なのですね。
「磁気でお絵かき」という意味の、magnet/magnetic doodle という感じのネーミングでありつつ、magnet/magnetic を、magna- にすることで、great doodle 「偉大な・素晴らしい(?)いたずら書き」みたいな意味も込めたネーミングなのかも、と思ったりもします。

そのマグナ・ドゥードルにジョーイへのメッセージを書くチャンドラーは、それを声に出して読んでいます。(もちろん、観客や視聴者にメモの内容を聞かせるためですが…笑)
その内容は以下。
Mac audition at 2:00. Allergy actor attacked. By dog not flowers.
要点となる単語が簡潔に並んでいるのが、いかにもメモっぽいですね。
日本語にすると、「マック・オーディション、2時(に)。アレルギー俳優、襲われる。犬に、花(に)ではなく」ということになります。
日本語でメモする場合も、「2時 ○○より電話。見積もりの件。戻り次第電話下さい、とのこと」みたいに簡潔に書いたりしますので、省略を多用する感覚は日英同じと言えるでしょう。
Allergy actor attacked. を文章にすると、The allergy actor was attacked. 「例のアレルギー(CMの)俳優が襲われた」になりますが、冠詞や be動詞を省いているのが、いかにもメモっぽい書き方という感じがします。
特に、be動詞を省いて、attacked という過去分詞形だけで、「受け身」「受動態」の「襲われた」という意味を表しているのが、いかにも英語っぽいですね。
このように、be動詞を省略して、過去分詞形だけで「受動態」の意味を表すのは、新聞記事の見出しでよく用いられる手法です。

「その俳優が襲われた」とメモした後、チャンドラーはちょっと考えてから、By dog not flowers. と付け足しています。
He was attacked by a dog, not by flowers. という意味ですね。
メモなので、冠詞も省略されて、by dog となっていますが、複数形(flowers)の場合はちゃんと複数形の -s がつくんですね。
「襲われた、っていう話は、犬に襲われた、ってことで、花(たち)に襲われたんじゃないよ」とメモっていることになります。
それはその俳優が「複数の花に追いかけられるCM」で有名で、少し前にもチャンドラー自身が、「彼にデカい花を贈ってビビらせたらいいんじゃない」などとも言っていたので、彼を襲ったのは、あんな風に俺たちが話題にしてた「花」じゃなくて、「犬」なんだけどね、とちょっとジョークを入れてみたメモになっているのですね。
嬉しいニュースの伝言を書きながら、ちょっとオチもつけちゃった、みたいにご満悦なチャンドラーが可愛らしいです。


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posted by Rach at 16:53| Comment(2) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月18日

それは俺が買ってやったんだ フレンズ6-20その4

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たまたまチャンドラーだけがジョーイの部屋にいる時に、ジョーイ宛てに電話がかかってきて、オーディションの時間が前倒しになった、という伝言を受けます。
その伝言をホワイトボードに書いている最中に、モニカが呼びに来たため、メッセージを書き終わることなく、チャンドラーはジョーイの部屋を出て行ってしまいます。
そのしばらく後のシーン。
ジョーイとチャンドラーがフーズボールをしていると、
(The phone rings and Joey answers it.)
電話が鳴り、ジョーイがそれに出る。
ジョーイ: (on phone) Hello? (Listens) What are you talking about? The audition's not ‘til 5:00! (Chandler suddenly remembers and looks at the unfinished message then tries to sneak over and finish it as Joey listens.) Well, nobody told me! (Listens) Who'd you talk to? (Listens and turns around to see Chandler trying to finish the message.) Never mind. (Hangs up.) ([電話で] もしもし? [電話を聞く] 何言ってんだよ? そのオーディションは5時までないぞ! [チャンドラーは突然思い出し、(ホワイトボードの)未完成のメッセージに目をやり、それからこっそりボードのところに行き、ジョーイが電話を聞いている時に、メッセージを完成させようとする] ああ、誰も俺に言わなかったぞ! [電話を聞いて] 君は誰に話したんだ? [電話を聞いて、振り返り、メッセージを完成させようとしているチャンドラーを見る] もういいよ。 [電話を切る])
チャンドラー: You mean you didn't get it from this? (このメッセージがわからなかった、ってことかな?)
ジョーイ: The allergy guy got the part! Thanks! (例のアレルギー男が役をゲットしたよ。ありがとな!)
チャンドラー: Well, maybe we can fix it y'know? Maybe we can send him some-some big-big flowers and scare him! (ほら、多分、俺たち何とかできるよ、だろ? 多分、そのアレルギー男に大きな大きな花を贈って、彼を怖がらせたりできるぞ!)
ジョーイ: How could you do this to me, Chandler?! This part could've turned my whole career around! (どうやったら俺にこんなことができるんだよ、チャンドラー? この役は俺のキャリアすべてを変えられたかもしれなかったのに!)
チャンドラー: I messed up, okay? I'm sorry. I really messed up. (俺が台無しにしちゃったんだよな? ごめんよ。俺が本当にめちゃくちゃにしちまった。)
ジョーイ: Hey, you don't even live here anymore! What are you doing answering my phone? I have a machine! (おい、お前はもうここに住んでさえいないんだぞ! 俺の電話に出たりして、何やってんだよ? 俺には留守電があるんだ!)
チャンドラー: Which I bought for ya. Taught ya how to use it. You thought it was a copier. Look, if there was anything I could do, I would do it. Okay? But everybody's allowed one mistake, right? (その留守電は、俺がお前のために買ってやったんだ。(俺が)お前に使い方を教えたんだ。お前は留守電をコピー機だと思ってただろ。なぁ、もし俺に何かできることがあるとしたら、俺はそれをするよ、な? でも、どんな人間も一つくらいの過ちは許されるだろ。)

ジョーイが電話に出て、What are you talking about? 「何言ってんだよ?」と驚きの声を上げています。
The audition's not ‘til 5:00! は、「その・例のオーディションは5時までない」という意味ですね。
ネットスクリプトでは、The audition's not ‘til 5:00! と書かれているのですが、DVDの英語字幕は、The audition's at 5. となっていて、その文だと意味は、「そのオーディションは5時にある」となります。
このパターンは、フレンズ6-20その2 で解説した、
The callback isn't until tomorrow at five. 「次のオーディションは明日の5時までない」(ネットスクリプト)
The callback is tomorrow at 5:00. 「次のオーディションは明日の5時にある」(DVD英語字幕)
と同じものですね。
その際にも説明しましたが、今回のジョーイのセリフも、「5時にある」ではなくて、「5時までない(はずだ)」と強く言いたいわけですね。
そのセリフから、電話の相手が「(ジョーイが5時までは行われないと思っている)オーディションがすでに済んでしまった」というような内容を言っているだろうことが想像できるわけです。
The audition's at 5. 「そのオーディションは5時だよ(5時にあるはずだろ)」でも、会話としては成立しますが、not until を使う方が、「5時より前にオーディションが行なわれたはずがない!」感を強く出せるということです。
5時という言葉を聞いて、チャンドラーはハッとした顔で、ホワイトボードを見上げますが、そこにはミミズのような文字が記されているだけで(笑)、全く伝言の機能を果たしていません。
モニカが呼びに来たので、メッセージを書き終わることなく部屋を出てしまったことに、今チャンドラーは気付いてしまったわけです。
ト書きにあるように、ジョーイが電話している間に、こそこそとボードのところに行き、メッセージを完成させようとするのですが、その間もジョーイは、電話で「誰も(そんなこと)俺に言ってない!」「君は(それを)誰に言ったんだ?」と怒っています。
その後、ジョーイがチャンドラーの方を見たことで、電話の相手が「ちゃんと伝えましたよ。ジョーイが留守だから伝言を受ける、って言ってて。電話に出たのは男性でした」みたいな情報をジョーイに伝えただろうことがわかります。
そんな風に自分の電話に出る男性は、元同居人のチャンドラーしかいない、と気づいたわけですね。
Never mind. は「気にしないで。もういいよ」という感じで、「一体誰に伝言したんだよ?」と相手を質問責めにしていたけれど、答えがわかったからもうこれ以上はいいや、俺が言ったことは忘れて、というニュアンスになります。

ボードにメッセージを書き足そうとしているのがバレてしまったチャンドラーは、怖い顔をしているジョーイを見て、You mean you didn't get it from this? と言っています。
You mean は「ジョーイは…って言いたいのかな?」みたいなニュアンス。
get it from this は、「ホワイトボードに書かれたこのメッセージから、それをゲットする、理解する」という感覚。
ボードに書かれているこの文字から、そのオーディションの時間が変更になったというメッセージは読み取れなかったってことかな?みたいな意味ですね。
ヘニョヘニョの文字で、到底解読できるものではないのですが、自分としてはメッセージを書いたつもりだったんだ(少なくとも書こうとはしてたんだ)と言いたいわけでしょう。

「例のアレルギー男」、つまり、花粉症のCMに出ているあの男が、役をゲットしちまった、とジョーイは言っています。
Thanks! は「ありがと」ですが、前後の文脈や表情、口調から、それを皮肉っぽく使っていることがわかりますね。
「俺じゃなくて、そいつが役をゲットすることになったのは、お前のおかげだよ、ありがとな」みたいな皮肉です。

fix は「修理する」などの意味で使いますが、ここでは「状況を回復する、元に戻す、解決する」のような感覚。
そのCMの彼が役をゲットしてしまったことを、何とか修復することができるさ、彼に大きな花を贈って、彼を怖がらせれば、などとも言っています。
これも、過去記事、花に追われる花粉症のCM フレンズ6-20その2 で説明したように、その彼はCMの中で、大きな花に追い回されている役を演じているので、でかい花を贈れば、彼もビビって逃げ出しちゃうよ、と、なんとかジョークでこの場を和ませようとしているわけですね。

そんな冗談もジョーイには通じません。
「今回の役は俺のキャリアすべてを変えられたかもしれないのに」と思っているほど、ジョーイはこの役に賭けていたからですね。
俺がめちゃめちゃにしちまった、と反省するチャンドラーですが、ジョーイの怒りは収まらず、この後もチャンドラーを責めるセリフが続きます。
You don't even live here anymore. は「お前はもはや、ここに住んでさえいない」。
ルームメイトだった時ならまだしも、お前はもはや俺の同居人ですらないんだよ、という感覚。

What are you doing answering my phone? は、「俺の電話に出たりして、何やってんだよ?」という意味。
doing と answering のように、-ing 形が2つ連続していますが、このような、What are you doing ...ing? の形には「…したりして何やってんだよ?」というニュアンスがあります。
過去のフレンズにもこの構文は何度か登場しました。
What are you doing? という問いそのものに、純粋に「相手が今やっていることは何か?」を尋ねる以外に、「一体何やってんだよ?」という非難や驚きを表すニュアンスがありますね。
その後に、...ing? を続けることで、「一体、何やってんだよ、…したりして」みたいな感覚となり、「…したりして何やってんだよ?」という意味になるわけです。
「俺の電話に出たりして、何やってくれてるんだよ」「どうして俺の電話に出たりするんだよ?」という気持ちですね。
今回は、ジョーイの「相手を非難する気持ち」が押し出されているので、「何やってくれてるんだよ」みたいに挑む感じがありますが、そのような非難以外にも、「…したりして何やってんの?」→「なぜ…してるの?」という「ここでこれをしている理由」を問うフレーズにもなります。
I have a machine! は、「俺は留守電を持ってる、俺の電話には留守電がついてる」ということ。

そのようにジョーイは3つの文でチャンドラーを批判していますが、要は、「もはや同居人ではないお前がどうして電話に出るんだよ、(電話に出る必要なんかないんだ) 留守電もあるんだから!」と言っているわけですね。

留守電の話題が出たので、チャンドラーはそれを受ける形で、which を使ってセリフを続けています。
Which I bought for ya. の which は、直前のジョーイのセリフに出てきた、a machine 「留守番電話」のこと。
You have a machine, which I bought for you. 「お前は留守電を持っている、その留守電は俺がお前に買ってやった」と言っていることになります。
I bought the machine for you. 「俺がお前にその留守電を買ってやった」ということですが、関係代名詞 which を使って、Which I bought for ya. と続けることで、「そのお前が言っている留守電は、俺がお前に買ってやったんだけど」という「説明を付け足している感」が出ます。
チャンドラーとしては、「留守電、留守電って言うけど、そもそもその留守電は、”俺がお前に買ってやった”もんなんだぞ、その恩を忘れてるみたいだけどさ」という気持ちを込めているのですね。
「俺には留守電がある」「ああ、俺がお前に買ってやったやつね」みたいな感じです。
Taught ya how to use it. は、I taught you how to use it. で、「それ(留守電)の使い方を俺がお前に教えた」。
その後、「お前はその留守電を copier だと思ってただろ」とも言っています。
copier は「コピーする人、コピーするもの」ということで、「コピー機」。

If there was anything I could do, I would do it. は仮定法過去が使われていますね。
「もしこの俺に何かできることがあるとすれば、それを(何でも)するよ」という感覚で、実際には、オーディションに行けなくて、他の人が役をゲットしてしまった以上、俺にはこれ以上どうすることもできないんだ、やれることがあるなら何でもするけど、やれることもない今、俺をそんなに責め立てないでくれよ、という気持ちです。

Everybody's allowed one mistake. は「すべての人は1つの過ちを許されている」という一般論。
誰にだって過ちは一度くらいあるもんだ、今回のたった一度の過ちをどうか許してくれよ、ということですね。


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posted by Rach at 17:23| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月13日

前言撤回、今のはナシ! フレンズ6-20その3

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テレビドラマ「マック&チーズ」(Mac and C.H.E.E.S.E.)のマック役をどうしてもゲットしたいと力説するジョーイ。
ジョーイ: It's just, I want this part so much! Y'know? If I don't get this part, I'm never gonna eat macaroni and cheese again! No, I didn't say that! That doesn't count. (ただ、この役をものすごく欲しいんだよ[やりたいんだよ]! わかるだろ? もしこの役をゲットできないなら、俺はもう二度とマカロニ&チーズは食べないぞ! いや、今の発言を俺は言ってない[俺はそんなこと言ってない]。今のは、なしね[カウントしないぞ]。)

part は「役」ですね。俳優であるジョーイのセリフによく登場する単語です。
ジョーイは、この役(マック役)をものすごく欲しい、ものすごくやりたいと言っています。
If I don't get this part, I'm never gonna eat... は、「現実とは反対の仮定」を表す仮定法ではなくて、通常の if 節の文ですね。仮定法過去ではないので、don't のように現在形が使われています。
「もし、この役をゲットしないなら、俺は(これから)…を決して食べることはない」みたいな意味になります。
macaroni and cheese は、フレンズ6-20その1 でも説明しましたが、アメリカのお手軽料理の代表選手。
ドラマのタイトルが「マック&チーズ」なので、もしマック役をゲットできなかったら、俺はもう一生、「マック&チーズ」を食べないぞ!と誓っているのですね。
それくらいの意気込みで、この役ゲットに賭けてるんだ!と言いたいわけでしょう。
ですが、「一生食べないぞ!」宣言をした直後に、No, I didn't say that! と言っています。
直訳すると、「いや、俺はそれを言ってない!」ということで、that は直前の発言を指しますね。
自分の発言を、直後に「そんなこと俺は言ってないぞ」と前言撤回するニュアンスになります。

That doesn't count. の count について。
自動詞の count は、「重要である、無視できない、有効である」というような意味で使われますが、「(〜の中の数として)数えられる、含められる」という意味もありますね。
まさに日本語の「カウントする」という感覚です。

Macmillan Dictonary では、
count : to include something or someone in a calculation, or to be included in a calculation
例) Points scored after the bell do not count.


つまり、「何かや誰かを計算・勘定に含めること、または計算・勘定に含められること」。
例文は、「ベルの後に得点されたポイントは、勘定に含まない[カウントしない]」。

上のジョーイのセリフも、マクミランの例文の「ベルの後に得点されたポイント」みたいなもので(笑)、勘定に含まない、カウントしない、と自分で宣言している感覚になるでしょう。
日本語でも、うっかりはずみで不用意な発言をしてしまった後、慌てて「今の発言はなしね、俺、そんなこと言ってないからね」と、「言っていないことにする」ことがありますよね。
そんな風に「言ってないことにする」場合のフレーズが、No, I didn't say that! That doesn't count. になるということです。
「今の発言は忘れて」というニュアンスで、Never mind. を使うこともありますが、その場合は、自分が何か言おうとしたけど、やっぱりそのことは気にしないで、気にしてくれなくてもいいからね、のように、「相手に、気にするな、忘れて、と言っている感覚」になります。
今回の That doesn't count. は、自分の発言を、自分から「なし、にする、なかったことにする」という積極的な否定ですね。
今の発言を、1個の意味ある発言と取らないで、カウントしないで、のように、発言そのものの存在を完全否定する感覚になるでしょう。


[Scene: Joey and Rachel's apartment, Joey and Chandler are playing foosball and Joey scores a goal.]
ジョーイとレイチェルの部屋。ジョーイとチャンドラーはフーズボールをしていて、ジョーイがゴールを決める。
ジョーイ: Yes!! Ha-ha!! All right! Hey! How cool would it be if you could watch like a real life-size version of this? Huh? I mean, how crazy would that be? (よし! ハハー! やったぞ、おい! もしこれ[このフーズボール]の、本物の、等身大バージョンを見られるとしたら、それってどんなにクール(イケてる)かなぁ? な? つまり、それってどんなにクレイジー(すごい)だろうな?)
チャンドラー: As crazy as soccer? (サッカーと同じくらい、すごい、ってことか?)

ジョーイとチャンドラーは、フーズボールをしていて、ジョーイはゴールを決めて喜んでいます。
How cool would it be if you could watch... は、could という過去形が使われている「仮定法過去」ですね。
「(現実には無理だけど)もし…を見られるとしたら、それはどんなに cool だろうな?」と言っている感覚になります。
could という過去形の仮定法過去を使うことで、「現実とは反対の仮定」を表しているわけですね。

a real life-size version of this の this は、今やっているフーズボールのことで、まさに直訳通りの、「このフーズボールの、リアルな、ライフサイズ・バージョン」という意味。
フーズボールテーブルの人形が、本物の人間の実物大サイズになったのを見たら、クールだろうな、と言っているわけです。

crazy は「クレイジー」で、「正気でない」という意味ですが、be crazy about で「〜に熱狂して、夢中になって、大好きで」という意味としても使いますね。
今回のセリフは、How crazy would that be? で、that は「フーズボールが等身大になったもの」を指しますので、「その等身大フーズボールがあったとしたら、どんなに crazy だろうな?」と言っていることになります。
これは、その前の cool と同じ「すごい」というニュアンスのようですね。

The Free Dictionary : crazy には、
4. (Slang) very good or excellent
という意味も載っています。

「このフーズボールが等身大になったら、すっげーかっこいいと思わない?」みたいにジョーイは言っているのですが、チャンドラーは As crazy as... soccer? みたいに、サッカーの前に少し「ため」の時間を取って、そのセリフを言っています。
「そのクレイジーさ、すごさ、って、これと同じくらいかなぁ…サッカー、とか?」みたいなニュアンスになるでしょう。

フーズボールというゲームは、元々、サッカーをテーブルゲームにしたもの、ですよね?
フレンズのネットスクリプトではもっぱら、foosball と書いてありますが、table football という呼び名もあるくらいです。
フレンズ2-16その19 でも、「フーズボール、テーブルサッカーゲーム」のことについて触れています。
そんな風に、フーズボールそのものがサッカーを元にしているのに、「これが等身大になったら面白いだろうなぁ」と言っているジョーイのおとぼけ具合に笑ってしまうわけですね。
等身大のフーズボールは、サッカーとしてすでにこの世に存在してるじゃないか!、というか、元々、サッカーの方が先じゃないか! とチャンドラーは言いたいわけです。
ジョーイが「現実とは反対の仮定」を表す仮定法過去まで使って、「もし等身大のフーズボールがあったなら…」とか言っているのが、余計に面白いですね。

このジョーイの発言は、ボードゲームの野球盤を見て、「これの等身大バージョンがあったら面白いのに」とか言っている感覚と同じです。
そう言えば…よくお正月の特番で、とんねるずの石橋さんチームと松坂選手チームとが、「リアル野球盤」対決をしたりもしていますが…これがほんとの、a real life-size version of a baseball board game と言えるかもしれません(笑)。


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posted by Rach at 16:51| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月11日

花に追われる花粉症のCM フレンズ6-20その2

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テレビドラマ「マック&チーズ」(Mac and C.H.E.E.S.E.)のマック役のオーディションを受けてきたジョーイは、上出来だったと喜んでいます。
ジョーイ: Yeah-yeah, it's down to me and two other guys. (そうなんだよ、俺とあと2人のやつに絞られてるんだ。)
チャンドラー: Oh, my God! (なんてこった!)
ロス: Wow! (わお!)
ジョーイ: And I know both of them, they're really good. One of them is the guy from those allergy commercials who's always getting chased by those big flowers.... (それで、俺はそいつらを両方とも知ってるんだ、すっごく(演技が)うまいんだぜ。一人は例のアレルギーのCMのやつなんだよ、いっつもあの大きな花たちに追いかけられてばかりいる…)
ロス: Oh, I love that guy! (Laughs.) (あぁ、僕、あの男、好きだなぁ! [笑う])
チャンドラー: Oh-oh, what are you doing? (おいおい、お前、何やってんだよ[何言ってんだよ]。)
ロス: (stops laughing) What am I doing? ([笑うのをやめて] 僕、何やってんだろ。)
ジョーイ: I'm just so nervous, y'know? The callback isn't until tomorrow at five. I feel like my head's gonna explode. (俺はすっごくナーバスになってるんだよ、だろ? 次の面接(次の呼び出し)は、明日の5時までないんだ。俺の頭が爆発しそう、って感じだよ。)
チャンドラー: Well, it is overdue. (そうだな、爆発の機は熟してるよな[爆発の期限は(とっくに)過ぎてるもんな]。)
ロス: Look, don't worry, okay? You're gonna be fine. (ねぇ、心配するなって、いい? きっと大丈夫だよ。)

ジョーイは、マック役の候補が、自分と他の2人に絞られたことを、be down to を使って表現しています。
この、be down to は、be narrowed down to と同じようなニュアンスでしょうね。
narrow down は「(範囲を)狭める、絞る、絞り込む」。
この場合の down は「量が少なくなるまで」という感覚になるでしょう。
フレンズ5-18その2 でも、どちらの服を仕入れるかという話で、
キム(レイチェルの上司): So it's down to these two. (それでこの2つに絞られたわね。)
のように、be down to を使っていました。

俺と他の2人に絞られたけど、俺はその2人を知っていて、やつらはすっごく good なんだ、とジョーイは言っています。
One of them is the guy... 「そのうちの人は、…の男で…」と言って、さらに詳しい説明をしていますね。
こういう長い文は、「聞いたままの順序でイメージしていく」ことが必要です。
前からイメージしていくと、

そのうちの一人は、…の男である→あの・例のアレルギーのコマーシャルからの(そのコマーシャルに出ている)(男である)→その人物はいつも追いかけられてばかりいる→あの大きな花たちに

という感じになるでしょう。
自然な日本語にしようとすると、「そのうちの一人は、例のアレルギーのCMで、あのでっかい花に追いかけられてばかりいるやつだよ」になるでしょうか。
those という指示語が二度も出てきているのは、「ほら、お前らもよく知ってる、よく見かける例のあれだよ」という感覚ですね。
「でっかい花に男が追いかけ回されているアレルギーのCM知ってるだろ? 一人はあの男なんだよ」ということです。

get chased は、単なる受動態の be chased 「追いかけられる」よりも、「追いかけられてしまう、追いかけられちゃう」のような「被害」のニュアンスが出る気がします。
その get chased が、be always getting chased という「always+現在進行形」の形になっていることで、「いつも…してばかりいる」という反復のニュアンスも出ますね。
行く先々で、大きな花に追い回されてばかりの男、という感覚です。

ちなみに、「巨大な花に追いかけられる男が出ているアレルギーのCM」というのは、日本で言うところの「花粉症」のCMのようですね。
「花粉症」は英語では、hay fever 。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
hay fever : a medical condition in which you sneeze a lot and your eyes produce water, that is caused by breathing in pollen (= dust from plants)
つまり、「たくさんくしゃみをし、目から水分が出る(涙が出る)ような医学症状。それは花粉(植物から出る粉末)を吸い込むことによって起きる」。

花粉によって、くしゃみや涙が出る、というところは、まさに日本の花粉症の症状と同じですね。

「あの有名なアレルギーCMの男なんだよ」と説明したジョーイに、ロスは Oh, I love that guy! と言います。
それを聞いたチャンドラーが、「ロス、お前、何やってんだよ?」みたいに怖い顔でにらんでいますね。
ジョーイがどうしてもゲットしたい役のライバルなのに、そいつを褒めてどーすんだよ!という怒りです。
つい口が滑ってしまったロスも、その発言の無神経さに気付いて、「ほんとに僕、何やってんだろ、何言ってんだろ」と反省したわけですね。

callback は「コールバック」、つまり、「呼び戻し」「再呼び出し」みたいなことなので、この場合は、次のオーディション、二次面接ということ。
The callback isn't until tomorrow at five. を直訳すると、「そのコールバックは明日の5時まではない」。
つまりは、「次のオーディションは、明日の5時にある」ということで、実際、DVDの英語字幕では、The callback is tomorrow at 5:00. 「そのコールバックは明日の5時である、5時にある」という英文になっていました。
not ... until 〜 が「〜までは…しない、〜になって初めて…する」という意味でよく使われますが、それと同じ感覚ですね。
事実としては、「次のコールバックは明日の5時」ということですが、「明日の5時までハラハラしながら待っていないといけない」ことを自分が今ナーバスである理由として言いたいので、「次のオーディションが明日の5時まで”ない”」という、「ない」部分を強調しているわけでしょう。
同じ事実を述べるにしても、話者がどの部分を強調したいのか、つまり、「5時にある」のか「5時までない」のかのどちらにポイントがあるか、によって、選ぶ言葉も違ってくるし、聞く方もその相手の意図を汲んであげないといけない、ということですね。

明日の5時まで待つなんて、頭が爆発しちゃいそうだ、とジョーイは言っています。
日本語でもドキドキしたり、頭がパニクったりしている時には、心臓や頭が爆発しそう、破裂しそうなどと言いますので、その感覚は同じですね。

そんな風に、友人が心配している様子を見た場合は、その後のロスのセリフのように、"Don't worry. You're gonna be fine." 「心配するなよ。きっと大丈夫だよ」と言うのが、友人としての普通のパターンでしょう。
ですが上のやり取りでは、ロスがその定番を言う前に、チャンドラーが彼らしいジョークを一発入れています。

due は「期限が来て、締切で」という意味でよく使われますね。
そこに over- がついた overdue はまさに「期限がオーバーした」感覚で、「期限・期日が過ぎた、予定を過ぎた」という意味になります。
またそのような「本来起こるべき時期が過ぎた」という感覚から、「機が熟している、機が来ている」という意味にもなります。

LAAD では、
overdue : something that is overdue should have happened or been done a long time ago

つまり、「overdue であることは、ずっと前に起こるべきだった(のに起こっていない)、またはなされるべきだった(のになされていない)こと」。

「本当ならもうすでに起こっているべきことで、いつそうなってもおかしくない」→「その機は熟した」という感覚になるわけですね。

ですから、チャンドラーは、「本来なら、ジョーイの頭の爆発は、もっと前に起こるべきことだった」みたいに言っていることになります。
「(このままだと)頭が爆発しそう」と言っているジョーイに対して、「いつ爆発してもおかしくないよな、爆発期限はとっくに過ぎてるはずだから」と言っているわけです。
心配で頭がパニクっていることを「頭が爆発する」と表現しているだけなのに、「お前の頭の爆発期限は過ぎてるから、爆発も時間の問題だな」「お前の頭が今まで爆発せずに機能していたのが不思議なくらいだもんな」みたいに、ジョーイの頭を、爆発寸前の機能不全の機械か何かのように言って、からかっているわけですね。


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posted by Rach at 15:49| Comment(6) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月08日

チーズになる頭字語(アクロニム) フレンズ6-20その1

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シーズン6 第20話
The One With Mac and C.H.E.E.S.E. (ジョーイ再び大ブレイク!の予感)
原題は「マック&チーズの話」


[Scene: Joey and Rachel's apartment, Joey is memorizing his lines. Chandler, Rachel, and Phoebe are there as well.]
ジョーイとレイチェルの部屋。ジョーイは自分のセリフを覚えているところ、チャンドラー、レイチェル、フィービーもそこにいる。
チャンドラー: (To Joey) So uh, what's this thing you're auditioning for? (それで、お前がオーディションを受けようとしているこれは何なんだ[どんなやつだ]?)
ジョーイ: Oh, it's a new TV show. Yeah. I'm up for the part of Mac, Machiavelli, or "Mac"! Yeah, I'm a detective and I solve crimes with the help of my robot partner. He's a, he's a computerized humanoid electronically enhanced secret enforcer. Or-or "C.H.E.E.S.E." (あぁ、新しいテレビ番組なんだよ。そう、俺が立候補してる役は、マック・マキャベリ、または(通称)”マック”だ! そう、俺は探偵(or 刑事)で、ロボットのパートナーの助けを借りて事件を解決するんだよ。彼は、コンピュータ(化された)人型電子強化秘密執行人、または(通称)”チーズ”だ。)
レイチェル: So Mac and C.H.E.E.S.E.? (それじゃあ、マック&チーズなの?)
ジョーイ: That's the title! Yeah! Y'know they really lucked out that the initials spell "cheese." (それがタイトルなんだよ! そうなんだ! ほら、その頭文字(イニシャル)のスペルが「チーズ」だなんて、二人はほんとにラッキーだったよな。)
チャンドラー: That is lucky. (実にラッキーだ。)

チャンドラーは、「ジョーイがオーディションを受けようとしてセリフを練習してるこれは何?」と尋ねています。
ジョーイは、新しいテレビ番組なんだ、と言って、役柄を説明していますね。
up for は、「〜に立候補して」という感覚。
up には「立ち上がる」のようなニュアンスがありますので、「〜に対して立ち上がる」という感覚は、立候補の「候補に立つ」ような「立」の字にも繋がるように思います。

Machiavelli という名前は、世界史で習う「君主論」の著者マキャヴェリと同じですね。
ちなみに、その思想家マキャヴェリはイタリア人です。
ジョーイもイタリア系アメリカ人なので、イタリア系っぽい名前のついた役にジョーイが応募した、というところも、自然な流れと言えるのでしょう。

or "Mac" と言いながら、手を鉤爪(かぎづめ)のように大袈裟に曲げていますが、これは、引用符のジェスチャーですね。
これまでのフレンズでも、両手の指をチョキの形というか、カニのハサミのようにして、「” ”」= double quotation marks (クオーテーションマーク、引用符)を表すしぐさが何度も登場しましたが、今回のは、ジョーイが得意げにやたらと大袈裟な感じで身ぶりしているのが印象的です。

detective は「刑事」「探偵」。
a police detective なら「刑事巡査」、a private detective なら「私立探偵」になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
detective :
1. a police officer whose job is to discover information about crimes and catch criminals
2. someone who is paid to discover information about someone or something
例) a private detective

つまり、1. は、「犯罪に関する情報を発見すること、または犯罪者を捕えることが仕事である警察官」。
2. は、「誰かや何かに関する情報を見つけるために金を支払われる人(支払いを受けて誰かや何かに関する情報を見つける人)」。

日本語の「刑事」「探偵」ではえらくイメージが違いますが、元々、「見つける、発見する」という意味の動詞 detect から来た言葉だと思われますので、「発見することを仕事にする」という意味では同じということなのでしょう。
detector なら「発見器、探知器」という意味になり、a lie detector は「ウソ発見器」、a smoke detector なら「煙探知器」になります。

「ロボットのパートナーの助けを借りて事件を解決するんだ」と言った後、そのパートナーのことを説明するジョーイ。
a computerized humanoid electronically enhanced secret enforcer みたいな長い名称をジョーイが間違わずに言えたのはすごいなと思いつつ(笑)、前から順番に訳すと、
「コンピュータ化された、ヒューマノイド(人型)の、電子的に、強化された、秘密の、エンフォーサー」
になります。
動詞 enforce は、「(法律などを)実施する、施行する」「強化する、強制する、強要する」。
enforcer は、enforce する人、みたいな意味になるわけですが、英辞郎には、
enforcer=執行者、用心棒
という意味が載っています。

LAAD では、
enforcer : someone such as a police officer who makes sure that people obey rules and laws
例) the police and other law enforcers

つまり、「人々が必ず規則や法律に従うようにさせる、警察官のような人」。

Macmillan Dictionary では、
enforcer : someone who is given the responsibility for making sure that a particular thing happens or is done, usually in government or business
つまり、「あることが必ず起こるように、またはなされるようにするための責任を与えられた人、たいていは政府、またはビジネスで」。

Merriam-Webster Dictionary では、
1. one that enforces
「enforce する者」という意味と並んで、以下の語義も載っていました。
enforcer :
2. a violent criminal employed by a crime syndicate; especially : HIT MAN (= a professional assassin who works for a crime syndicate)

つまり、「犯罪シンジケートによって雇われた暴力的犯罪者、特にヒットマン(犯罪シンジケートのために働くプロの殺し屋)」。

ロングマンの語義は「警察官」のイメージで、Merriam-Webster のは「ヒットマン」と、これまたイメージが大きく違います。
(その「ヒットマン」の意味が、英辞郎の「用心棒」のニュアンスでしょうね。)
マクミランは、「政府、またはビジネスで」とあるので、「警察官」と「ヒットマン」の両方を網羅しているようにも見えます。

force 「力」という言葉が入っているように、力づくで人を従わせるというようなイメージがあるわけで、人として守るべき法律に従わせる場合だと、「政府の法の執行者」である警察のイメージとなり、それがビジネス、特に「犯罪シンジケート」の場合だと、その掟を徹底するためのヒットマンなり用心棒になったりする、という感覚でしょう。

で、マックの相棒であるロボットの彼が enforcer だとすると、そのイメージはどんな感じになるのでしょうね?
マックの相棒であることから、正義の味方だと思われるので、ヒットマンや用心棒ということはないでしょうが、secret 「秘密の」とついているところから、なんとなく(日本の時代劇で言うところの)「大江戸捜査網」の隠密同心とか、「必殺仕事人」のようなものを想像してしまうのは私だけ?(笑)
「秘密裏に法を執行する」ような a secret enforcer のニュアンスが、「闇にはびこる悪を成敗する」感覚に繋がる気が(私には)するのですが、実際のところはどうなのでしょう??
そういう「秘密の執行人」のニュアンスだとした場合、コンビを組んでいるマックは、「公的機関の警察官」よりは、「私立探偵」の方に近いことになるのでしょうか??

または、LAAD の enforcer の説明に「警察官のような人」とあったので、ことさら「力づくで執行する」イメージを連想する必要はなく、単に、a police officer の言い換え語句として使っているだけという可能性も否定できない気はします。
ただやはり、secret とわざわざついているのが、意味深な気はするのですが…そういう「人型ロボット」が存在すること自体が「機密」なのかもしれない…。

とにかくジョーイは、そういう「長い正式名称」を述べた後、or 「または、別名」と言って、またもや手で引用符のジェスチャーをしながら、"C.H.E.E.S.E." と名前を言っています。
cheese ではなくて、大文字でピリオド付きなのは、acronym 「頭字語(頭文字でできた語)」だからですね。
ジョーイが希望している役がマックで、相棒のロボットがチーズだと聞いて、レイチェルは、「じゃあ、そのコンビは、マック&チーズなの?」と驚いています。
ジョーイは、「まさにそれが番組のタイトルなんだよ!」と嬉しそうに台本を見せます。

どうして、「マック&チーズ」というネーミングで、レイチェルやジョーイが喜んでいるかと言うと、アメリカのお手軽でメジャーな料理に macaroni and cheese 「マカロニ&チーズ」というものがあるからです。
フレンズ5-8その2 にもその料理が登場しており、コメント欄でもその話題について触れています。
mac'n'cheese や、mac and cheese とも呼ばれるので、コンビ名がその料理名と同じになるんだ!と喜んでいるわけですね。

luck out の luck は名詞で「運」ですが、luck out の形で動詞として使うと、「運が良い」という意味になります。
LAAD では、
luck out [phrasal verb] : to be lucky
例) We lucked out and found someone who spoke English.

つまり、「ラッキーであること」。例文は、「私たちはラッキーで(運良く)英語を話す人を見つけた」。

the initials spell "cheese" は、spell が動詞で、「その頭文字が、cheese と綴る[という綴り(スペル)になる]」という感覚。
ですからジョーイは、「相棒の正式名称の頭文字の綴りが cheese になるなんて、彼ら(マック&チーズの二人)はほんとラッキーだったな」と言っていることになるでしょう。
それを聞いたチャンドラーは、少しあきれた顔をして、"That IS lucky." のように、is の部分を強調して言っています。
「そのことは、確かに・実に、ラッキーだよな」と言っている感覚ですが、これはチャンドラーの皮肉ですね。
番組の制作サイド(笑)としては、最初に「マック&チーズ」というコンビ名にしよう、というコンセプトがあって、そのために「縮めたら cheese になるようなそれらしい正式名称」を考えたはずです。
「cheese になるように、そういう名前のキャラ設定にしたんだぁ〜」と感心すべきところを、「相棒の名前を縮めたらチーズになって、コンビ名がマック&チーズになるなんて、すっげーラッキーじゃん!」と言っている、そのズレ具合が「いかにもジョーイ」っぽいわけですね。
今回のネーミングは最初からその略称ありきの名前なのがミエミエなのに、何も考えずにつけた名前の略称が偶然「チーズ」になったかのようにジョーイが感心しているので、「もしほんとに”偶然”そうなったんだったら、そりゃあ、ラッキーと言うほかないよな、まさにラッキーそのものだよな」と皮肉っぽく返している、その気持ちが、IS を強調している部分に込められているということですね。


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posted by Rach at 17:04| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月06日

この水着はサポーティブ? フレンズ6-19その6

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ロスが付き合っている大学生のエリザベスは、春休みにフロリダに旅行するとロスに告げます。
最初は何も気にしていなかったロスでしたが、フレンズたちが「それはきっと男遊びをしに行くんだ」と言うので、心配で仕方ないようです。
[Scene: Elizabeth's apartment, she is packing for her trip as Ross watches.]
エリザベスの部屋、彼女は旅行用の荷造りをしていて、ロスがそれを見ている。
ロス: I'm so glad you're going on this trip! (君がこの旅行に行くのが、僕はとても嬉しいよ!)
エリザベス: Yeah! I've been working so hard this semester. I really need to go crazy y'know, blow off some steam. (そうね! 今学期はすっごく頑張ってきたの。ほんとにはしゃぎまくる必要があるわ、ほら、ストレス発散ね。)
ロス: Sure. Sure. Look, I don't, I don't know if your plans are finalized yet, but umm, hey I-I know another great way to blow off steam. (そう、その通り。ねぇ、君の計画がもう決定済みなのかどうかは知らないけど、でも、ほら、別のすごいストレス発散法を僕は知ってるよ。)
エリザベス: What? (何?)
ロス: Are you into crafts at all? (君は少しでも工芸(手芸)に興味あったりする?)
エリザベス: Ross, are you okay? (ロス、あなた大丈夫?)
ロス: Well, yeah, of-of course I'm okay! What? I'm just being supportive. Supportive of you and this whole trip, and-and (notices something) what-what is uh, what's this? (He holds up a rather skimpy bathing suit.) (ああ、そうさ、もちろん、大丈夫だよ! 何? 僕はただサポーティブである[協力的である]だけだよ。君とこの旅行全部に協力的なんだよ、それから [何かに気付いて] 何、これは何? [ロスはかなり露出度の高い水着を掲げる] )
エリザベス: It's a bathing suit? (水着だけど?)
ロス: To wear in front of people? (人々の前で着るための?)
エリザベス: Is that supportive? (それ[そのあなたの態度]がサポーティブなの?)
ロス: Is this? ((じゃあ)これ[この水着]は?(サポーティブなの?))

他の若い男と寝たりするんじゃないか、と心配なロスですが、言葉では、「君がこの旅行に行くのが、僕は嬉しいよ!」と言っています。
you're going は「決まった近い将来の予定」を表す現在進行形ですね。
エリザベスは、ロスの心配に気づく様子もなく、I've been working という現在完了進行形を使って、「今学期は、ずーっと勉強を頑張ってきた」と言い、だから、go crazy, blow off some steam する必要があるの、と言っています。
go crazy は文字通り、「クレイジーになる」ということで、はしゃいで、大騒ぎして、みたいな感じですね。

blow off steam は「鬱憤(うっぷん)を晴らす、ストレスを解消する」という意味。
blow は「吹く」、off は「分離」の意味ですから、blow off で「吹き飛ばす」ということ。
steam は「スチームアイロン」などの steam で「蒸気、湯気(ゆげ)」。
確かに鍋などに溜まった蒸気を吹き飛ばして逃がす感じは、「うっぷん晴らし」の感覚に繋がる気がします。
爆発、破裂しそうになっているのを蒸気を逃がすことで回避する、みたいな感じでしょう。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
let/blow off steam : to get rid of your anger or excitement in a way that does not harm anyone, by doing something active
例) Recess is a good chance for kids to blow off steam.

つまり、「何かアクティブなことをすることにより、誰かを傷つけない方法で怒りや興奮を取り除くこと」。
例文は、「休憩時間は子供がストレスを解消する良い機会だ」。

エリザベスが、go crazy, blow off steam という言葉を使うので、余計に「ハメをはずす」イメージが強まってしまい、ロスはますます心配になってきます。
その旅行の計画が最終決定になったかどうかは知らないけど、他にもすごいストレス発散法があるよ、と言って、何とか計画を変えさせようとしています。
で、その別の方法が何かと言うと…「君は工芸に興味があったりする?」
crafts は「ペーパークラフト」などのクラフトで「工芸、手芸」ですよね。
今学期は超ハードに勉強してきたから、パーッとその鬱憤晴らしをしたいのよね、と言っているのに、じゃあ、工芸なんかどう? と「静かな文化系の趣味」を持ち出すというそのギャップに笑ってしまうわけです。
うまく出来なかったら、ますますイライラが溜まりそうな感じすらしますよね(笑)。

フロリダに行かずに、工芸でもしてみたら?という発言にはエリザベスも違和感を感じたらしく、「大丈夫?」と尋ねています。
ロスは平気な風を装って、大丈夫だ、と言い、I'm just being supportive. とも言っています。
このような「be 動詞+being」の形は、これまでのフレンズでも何度も登場しましたが、「今、この瞬間(だけ)、supportive である状態になっている」という感覚ですね。
supportive は「協力的な、支えとなる」。
これが、I'm supportive. という普通の現在形だと、「僕は協力的だ」というような「性格」や「(いつもそうであるという)普段の様子」を示していることになるでしょう。
I'm just being supportive. という形を使うことで、「今、僕はただ、supportive でいるだけなんだよ」のように、今、君に対して協力的であろうとしているだけ、協力的な態度を取っているだけのことなんだ、みたいに言っているわけですね。
「be 動詞+being」をあえて日本語化しようとすると、「〜であるという状態を今まさにしているところ」みたいな感覚になるでしょうか。
(微妙な違いですが)「協力的である」と「今、協力的でいる」のように差異を出すことも可能でしょうか??

その後の、Supportive of you and this whole trip は、I'm just being supportive of you and... 「君や…のことで(に対して)サポーティブ」のように、of 以下で、supportive の対象、サポートすべき対象を挙げていることになります。
of 以下で、「僕は協力的でいるんだよ、君に対しても、この旅行全体に対しても、そして…」と、その対象を挙げている時に、ロスは何かを見つけて驚いています。
ロスが掲げたそれは、赤いビキニ、それも、布の部分が小さな小さなビキニでした。
ト書きの、a rather skimpy bathing suit という表現もそのビキニの小ささを表しています。

skimpy については英辞郎に、
skimpy attire=肌もあらわな服装
skimpy bikinis=露出度の高いビキニ

と出ていますが、まさにそういう「肌もあらわな、露出度の高い」という意味なのですね。
LAAD では、
skimpy : a skimpy dress, skirt etc. is very short and does not cover very much of a woman's body
つまり、「skimpy なドレスやスカートは、非常に短く、女性の体を十分にカバーしていない[覆っていない]。」

水着を掴んで、何だよこれ?みたいに言ったロスに、エリザベスは「(何って)水着よ、水着だけど?」みたいに返します。
ロスはさらに、「人々の前で着るための水着か?」と尋ねていますね。
こんな露出度の高い肌もあらわな小さな水着を、大勢の男の前で着るつもり?と言いたいわけです。

「君の旅行には僕は協力的な態度でいるんだ」と言っておきながら、「こんな水着を男の前で着るのか?」と怒るロスに矛盾を感じたエリザベスは、Is that supportive? と言います。
that はその直前のロスの発言や態度を指しますね。
「そんな風に、水着にケチをつけたりするのが、協力的なの? 協力的だって言える?」みたいな抗議です。

それに対してロスが、Is this? と返すのが面白いなと思いました。
Is this? というのは、Is this supportive? ということですね。
Is that...? を受けての、Is this? ですから、「それはサポーティブなの?」「(じゃあ)これはサポーティブなの?」と「じゃあ、こっちはどうなんだ?」と逆に挑んでいる感覚になります。
ロスの言う this とは、ロスが今、手に持っている「肌もあらわな水着」のこと。

上で説明したように、supportive とは「協力的な、支えとなる」という意味でした。
人について使うと、その人が誰かや誰かの行動に対してサポートしてあげる、協力的である、という意味になりますが、元々、support 「支える」という動詞から派生した形容詞ですから、まさに「何かが何かを(物理的に)支える」という意味での「支えとなる」でもあるわけですね。
「このビキニ(のブラ)は支えになるのか?」とロスは聞き返しているわけで、「こんな少ない布きれで、君の胸が支えられるのか?」みたいに言っていることになります。
こんな小さなビキニじゃあ、ビキニとしてのサポート機能を果たしてないじゃないか、こんなのビキニとは言えないじゃないか、と、そのあまりの小ささと露出度の高さを指摘しているわけですね。

ブラなどの下着の機能説明で「しっかりサポート」みたいな言葉が使われることもありますが、まさにそういう「サポート」のニュアンスです。
僕はサポーティブだよ、と supportive という単語を連呼していたのは、(脚本的に)最後にこのビキニの話でオチをつけるためだったんですね(笑)。

"Is that supportive?" "Is this?" という、単語だけ見れば非常に簡単なやり取りではありますが、that はロスの言動、this はビキニを指し、それぞれに supportive という言葉を使うことで、「(人が)協力的である」「(衣服が)しっかりサポートする」という2つの意味を持たせ、コメディのジョークにしているわけです。
ここで最後のロスのセリフが、"Is this supportive?" になっていたら、意味はもっとはっきりしたかもしれませんが、今回のようにあえて、"Is this?" 「じゃあ、これは(どうなの)?」で止める方が、セリフとしてもオチとしても、すっきり聞こえる気がします。


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posted by Rach at 16:27| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月04日

失うものが何かある? フレンズ6-19その5

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レイチェルは、偶然知り合った男性セバスチャンをセントラルパークに連れてきます。
レイチェルに紹介する男性をそれぞれ用意(笑)していたフィービーと、チャンドラー&モニカは、そのセバスチャンに失礼な質問を浴びせ、気まずくなった彼は逃げるように帰ってしまいます。
「あなたたちのせいで、セバスチャンが逃げちゃったじゃないの!」と怒るレイチェルですが、チャンドラーとフィービーはまだ彼をネタにしてからかっています。
モニカ: All right, guys, stop it. Rachel, we're very sorry that is a very insensitive thing for us to do. And y'know what? Let us make it up to you. We have two really great guys for you. (いいわ、みんな、もうやめて。レイチェル、さっきの私たちの行動は、ものすごく無神経だわ。本当にごめんなさい。それで、ねえ? 私たちに埋め合わせをさせて。私たち、あなたのために、とっても素敵な男性を用意してるのよ。)
フィービー: Yeah! What have you got to lose? Y'know you might even end up with someone really special, (whispers) if you pick my guy. (そうよ! 何を失うものがあるの? ほら、最終的にすごく特別な誰かと一緒にいられるかもしれないのよ [ささやき声で] もし私の方を選んだらね。)
レイチェル: All right. (そうね。)
チャンドラー: Okay, so you will meet our guys? (オッケー、で、俺たちの男に会う?)
レイチェル: Yes, I'll meet ‘em. (ええ、その人たちに会うわ。)
チャンドラー: Okay now it doesn't matter which one you choose, y'know? It's completely up to you. Our guy is perfect, or you can go out with the guy Phoebe deemed not good enough to go out with herself. (よし、じゃあ、君がどっちを選んでも構わないよ、いい? 全く君次第なんだ。俺たちの男は完璧だぜ。そうじゃない場合は、フィービー自身がデートするほど良くはないと[自分自身がデートするほどではないと]みなした男とデートできるんだ。)

sensitive は「敏感な」ですから、それに not の意味を表す in- がついた insensitive は「無神経な」ですね。
that is a very insensitive thing for us to do を直訳すると、「それは(今のは、さっきのは)、私たちがするには、非常に無神経なことである」みたいになるでしょうか。
for us to do を自然な日本語にしにくいのですが、「私たちが行なう行動としては、無神経なものだ」という感覚になると思います。

モニカは自分たちの行動を詫びて、really great guys を持っている、つまり、あなたのためにそういう素敵な男性を用意していると説明します。
フィービーもそれに同意して、What have you got to lose? と言っています。
この lose は、have nothing to lose 「失うものは何もない」の lose と同じ感覚ですね。
LAAD では、have nothing to lose を使った、以下の例文が出ています。
You should apply for the job - you have nothing to lose (= will not make the situation worse by trying).
例文は、「君はその仕事に応募すべきだ。失うものなんてないだろ。(=トライしてみることで、状況が悪くなることがないだろう)」。

そのように have nothing to lose の場合は、「あることにトライすることで、何かを失うわけじゃない」という感覚で、それをすることで何かと引きかえになって損をすることもないから、やってみたらいいじゃないか、という時に良く使われます。

What have you got to lose? の文の構造ですが、これは恐らく、have got = have つまり、What do you have to lose? という意味だと思います。

have got が have の意味を表すことについては、
研究社 新英和中辞典に、以下のように説明されています。

have got
用法
(1) 話し言葉では have got は have の、また have got to は have to の代用になる
(2) 一般に have got (to) は have (to) よりも強調的

(1) もっている
"Have you got a newspaper?" - "Yes, I have [《米》 Yes, I do]." 「新聞はありますか」「はいあります」 (参照: "Do you have a newspaper?" - "Yes, I do.")


直訳すると、「君は失うべきものを何か持っているか?」ということで、「別に(それをすることで)失うものなんか何もないじゃないか、それで状況が悪くなるわけじゃないじゃないか」と反語的なニュアンスが出るでしょう。
その問いにあえて文章で答えるとすると、I have nothing to lose. (または I've got nothing to lose.) 「私には失うものは何もない」という意味になりますよね。

研究社の説明に、「have got は have よりも強調的」とありますので、have よりも have got を使うことで「失うものがあるとでも言うのか? そんなもの何もないだろ?」と「強調」する感じが増すのかな?と思ったりもします。

私の見た作品の中で、この "What have you got to lose?" がセリフに出てきたものがありました。
それが、映画「ゴッドファーザー PART III」(原題:The Godfather Part III)。
マイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)が、枢機卿に会い、彼に懺悔を促されるシーン。

マイケル: What is the point of confessing if I don't repent? (悔い改めずに(懺悔の)告白をすることに何の意味があるのですか?)
枢機卿: I hear you are a practical man. What have you got to lose? (君は現実的な人間だと聞いている。(懺悔することで)何か失うものがありますか?)

DVDの日本語字幕では、「懺悔して どんな損が?」と訳されていましたが、まさに「懺悔をしたからと言って、それで何か困ることがあるわけではない、仮に得ることがないとしても、少なくともそれで損をすることはないでしょう?」というニュアンスですね。

「誰かとデートしたからって、何も失うものなんかないでしょう?」と言いながら、フィービーは、「もしかしたら、すごく特別な誰かさんと最終的に一緒にいられるかもしれない」と言っています。
そう言いながら、ささやき声で、if you pick my guy と付け加えるのが面白いですね。
「もし私の方の男性を選べばね」みたいな条件付きのようになっていて、裏を返せば、「モニカたちの方を選んだら、”素敵な男性と巡り合えたわ!”とはならないだろうけど」と言っていることになります。

その二人の男性と会う気になったレイチェル。
チャンドラーは「レイチェルがどちらの男性を選んでも、問題ない、構わない」と言っています。
It's completely up to you. は、「(どうするかは、選択は)完全に君に任せるよ、一任するよ」というニュアンス。
君が自由に選んでくれていいからね、とフェアなところを見せているようですが、その後のセリフ、Our guy is perfect, or you can go out with... を聞くと、チャンドラーもフィービーと同じように、自分たちのおすすめする男性を強力にプッシュしていることがわかる、のがこのセリフのポイントですね。

「俺たちの(おすすめの)男は完璧だよ」と言った後、or 「もしくは、さもなければ」を使って、「俺たちの男を選ばなければこうなる」と、別の選択をした場合の結果を述べています。
or you can go out with は、「俺たちの男を選ばなければ、レイチェルは…とデートできる」と言っているわけですが、その男性の説明として、the guy Phoebe deemed not good enough to go out with herself と言っています。
deem は、「deem+目的語+補語」の形で、「(目的語)を〜(補語)だと思う、みなす」という意味になります。
LAAD では、
deem (formal) : to think of or consider something in a particular way (SYN: consider)
deem something appropriate/necessary/acceptable etc.
例) Judges can give any punishment they deem appropriate.

つまり、「(フォーマル) 何かを特別な方法・様子で思うこと、または見なすこと」。
例文は、「判事らは、彼らが適切だと思うどんな刑罰をも与えることができる」。

the guy Phoebe deemed not good enough to go out with herself の中心となる文は、
Phoebe deemed the guy not good enough になるでしょう。
「フィービーは、その男性を、十分に良いものとは思わなかった」になります。
何に対して十分良いとは言えないかと言うと、 "enough to go out with herself" になります。
つまり、「彼女自身と一緒に出掛けるのに(デートするのに)十分なほど(良いとは言えない)」ということですね。

ほんとにすっごくいい男なら、フィービー自身がデートしたいし、彼氏にしたいと思うだろう、レイチェルに紹介してくれたってことは、「私は別にデートしたいとは思わないけどね」とフィービーが思う程度の男なんだよ、と、チャンドラーは言いたいのですね。

「俺たちの男は完璧、それを選ばない場合は、こういう男とデートできるよ」ともう一つの選択肢を説明する中で、その男っていうのは、「フィービーが、自分がデートするほどでもないと思った男」なんだけどね、と最後にオチをつけて、フィービーの男が大したことないと言っているわけです。

「いい男と付き合えるわよ、私の方を選べば」とささやき声で言うフィービーと、「俺たちの方を断れば、フィービーも大したことないと思ってるレベルの男とデートすることになっちゃうぜ」みたいに言うチャンドラーとの、応酬合戦みたいなものを楽しんでいただければと思います。


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posted by Rach at 16:11| Comment(2) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月01日

まだあったの?もうないよ フレンズ6-19その4

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チャンドラーが部屋に帰ってくると、テーブルの上にはたくさんの食材が並んでいて、疲れ切った表情のジョーイがそれらの食品を食べています。
チャンドラー: Well, you... don't look good, Joe. (うーん、元気そうじゃないな、ジョーイ。)
ジョーイ: The fridge broke, so I have to eat everything. Cold cuts, ice cream, limes... Hey, what was in that brown jar? (冷蔵庫が壊れたんだ、だから、全部食べなきゃいけないんだよ。ハム、アイスクリーム、ライム…なあ、あの茶色の瓶に入っていたのは何だ?)
チャンドラー: That's still in there?! (それって、まだ冷蔵庫にあるのか[あったのか]?)
ジョーイ: Not anymore. So, anyway, how do you want to pay me? ((いや)もう、ないよ。それで、とにかく、どうやって俺に金を払いたい?)
チャンドラー: Is this a service you'e providing me? (これは、お前が俺に提供してるサービスなのか?)
ジョーイ: No! No! No! For my new fridge. Our new fridge! (違う違う違う! 俺の新しい冷蔵庫の支払いだよ。俺たちの新しい冷蔵庫だ!)
チャンドラー: "Our" new fridge? I don't live here anymore. (”俺たちの”新しい冷蔵庫だって? 俺はもうここに住んでないんだぞ。)
ジョーイ: So what? Look, okay, suppose we were a divorced couple. (それが何だよ? いいか、よし、俺たちが離婚した夫婦だと想像してみろ。)
チャンドラー: Uh-huh. (あぁ。)
ジョーイ: And I got custody of the kid, right? Now suppose the kid dies and-and I gotta buy a new kid. (それで、俺が子供の養育権を持つ[子供を引き取る]。で、その子が死んだとするだろ、そしたら俺は新しい子供を買わなきゃいけないんだ。)
チャンドラー: (not quite sure where Joey's going and is a little worried) Okay.... ([ジョーイが何を言おうとしているのかよくわからず、少し不安そうに] オッケー…。
ジョーイ: (pause) Gimme $400! ([間があって] 俺に 400ドル、よこせ!)

大量の食べ物を前にして、疲れた顔でアイスクリームを食べているジョーイを見て、「調子悪そうだな」みたいなことをチャンドラーは言っています。
食べ物をめちゃ食いしている理由を、「冷蔵庫が壊れたから、全部食べなきゃいけないんだ」とジョーイが説明します。

cold cuts というのは、「ハムやソーセージなどの薄切り冷肉」のこと。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
cold cuts [noun] [plural] : thinly cut pieces of cold cooked meat
つまり、「調理済みの冷たい肉を薄くカットしたもの(断片)」。
辞書にも plural とあるように、常にこの複数形の形で使うようですね。
言葉そのものは恐らく、「カットされた冷たいもの」という感覚で、それで、「冷蔵保存するような調理済みカット肉(ハムなど)」という意味で使われるのでしょう。

ジョーイはあんなのやこんなのを食べなきゃいけない…といろいろ品を挙げた後、ふと思い出したように、What was in that brown jar? と尋ねています。
直訳すると、「あの茶色の瓶の中には何があった?」という感じですが、ニュアンスとしては、What was that in the brown jar? 「あの茶色の瓶の中にあった、あれは何だったんだ?」と同じことでしょう。冷蔵庫に入っていた茶色の瓶の中身が何だったかを尋ねているのですね?

それを聞いたチャンドラーは、驚いた顔で、That's still in there?! と聞き返しています。
still は「依然として、まだ」、in there は、in the fridge のことですね。
チャンドラーのセリフからは、「もう食べちゃった、捨てたと思ってたのに、その茶色の瓶って、まだ冷蔵庫に残ってたのかよ」と思っていることが伺えます。
その後、ジョーイがあっさりと、Not anymore. と言うのがおかしいですね。
「もはや・もう、(その茶色の瓶の中身は)ない」と言っているので、つまりは、ジョーイが食べちゃった、ということです。
チャンドラーが「茶色の瓶がまだ冷蔵庫に存在していた」ことに驚いているくらいですから、賞味期限などとっくに過ぎたものだったのでしょう。
それを「もうないよ、俺がさっき食っちまった」みたいに言っているのが、大食漢のジョーイらしいですね。
普通なら、チャンドラーのセリフから「期限切れの食品」であることを察するものですが、それに気付かないところもまた、ジョーイらしいと言えるでしょう。

そんな「期限切れ」のことなど全く気にしていないジョーイは、違う話題を出しています。
How do you want to pay me? を直訳すると、「君は俺にどのようにして金を払いたいか?」ということで、支払方法について尋ねていることがわかります。
いきなり「支払方法はどうしたい?」みたいに言っていることから、この時点ですでに「チャンドラーがジョーイにお金を払うこと」は大前提として決まっているかのような言い方です。
「金はどうやって払うの?」みたいにいきなり言われたので、チャンドラーは、Is this a service you'e providing me? と聞き返しています。
provide service は「サービスを提供する」ですね。
つまり、チャンドラーは、「これはお前が俺に提供しているサービスなのか?」と言っていることになります。
this とは、今、目の前で行われていること、つまり、ジョーイが大量の食べ物をむちゃ食いしていることを指すでしょう。
お前のそのむちゃ食いは見世物で、お前はそれで俺から金を取るつもりなのか?みたいなことですね。
DVDの日本語字幕も「大食いショーなの?」となっていましたが、まさにそういうことだと思います。

ジョーイは、「俺の新しい冷蔵庫」の金だ、と言った後、「俺たちの新しい冷蔵庫」だと言い直しています。
「俺たち」という言葉を使われたチャンドラーは、「”俺たち”だって? 俺はもうここに住んでないんだぞ」と抗議しています。
So what? は「それがどうした? それが何か?」というニュアンス。
「チャンドラーはもうここには住んでいない、それが何だって言うんだ」という挑戦的なフレーズですね。
ジョーイは、suppose 「想像する、仮定する」という動詞を使って、「俺たちが離婚した夫婦だと想像してみろ、仮定してみろ」と言っています。
ジョーイが自ら、「よし、じゃあ俺たちが離婚した夫婦だって想像してみろよ」などと言うのが面白いですね。
チャンドラーはよくゲイ疑惑を持たれる人で、ジョーイとチャンドラーがここで同居していた頃は、ゲイカップルみたいに誤解されたり、知らない間に二人の会話が夫婦喧嘩のようになったりしていたこともありました。
そういう「カップルみたいに見えてしまう」ことを二人はいつも必死に否定するのに、こんな例え話では、あっさり「俺たちが離婚した夫婦だとするだろ」と言ってしまう、そのギャップが面白いわけですね。
custody は、犯罪がらみの話では、「拘留、拘置、監禁」という意味でよく使われますね。
今回の場合は、「養育権」のような意味になります。
LAAD では、
custody [noun] [uncountable] : the right to take care of a child, especially when the child's parents are legally separated from each other
つまり、「ある子供を世話する権利、特にその子供の両親が法的に別れた時に。」

離婚後、ジョーイが子供を引き取るという設定の後、さらにはその子供が死んだ場合を仮定しています。
で、「子供が死んだら、新しい子供を買わなきゃいけない」と言っているジョーイに、チャンドラーは困惑した表情を浮かべていますね。
ジョーイは、同居時代一緒に使っていた冷蔵庫を、二人の子供に例えたわけですが、子供が死んだからって、新しい子供に買い替えるわけもないのに、すでに最初の時点で例えの設定を間違えていた感がありますね。
それらしい例えになるのかと聞いていたら、やっぱり「買い替える」という話だったので、「全然、子供の例えになってないだろ!」とツッコミを入れたいところです。
普通は、「ほら、例えばこうだとするだろ、そしたらこうなるじゃないか…」と論理的に説得力のあるたとえ話になれば、「それもそうだよなぁ…」と渋々でも納得したりするものですが、ジョーイの例え話はただ、冷蔵庫を子供に置き換えただけのものだった、という面白さですね。


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posted by Rach at 17:41| Comment(2) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月30日

顔の尻じゃなくアゴエクボ フレンズ6-19その3

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今、彼氏のいないレイチェルは、会社で行われるチャリティー・パーティーに連れて行く男性を探しています。
そこで、チャンドラー&モニカと、フィービーとがそれぞれ、自分の知り合いの男性をレイチェルに紹介しようとしていて、どちらの男性が素敵かを言い合っているところ。
フィービー: My guy is a lawyer who does volunteer work. And, he has one of these (She squeezes the skin on her chin together to form...) (私の(連れてくる)男性は、ボランティアの仕事をしてる弁護士なの。そして、彼は、例のこういうのがあるの。[フィービーはあごの皮膚を強く押して寄せて、…を形作ろうとする]
チャンドラー: A face ass? (顔の尻[けつあご]?)
フィービー: A chin dimple! (あごのエクボよ!)
モニカ: Well, uh y'know, our guy works with Chandler and he' really nice and smart and he's a great dresser! (うーんと、ほら、私たちの(連れてくる)男性はチャンドラーの同僚で、彼は本当に素敵で賢くて、おしゃれなのよ[服のセンスもいいのよ]!)
フィービー: Have you seen your guy's body? (そのあなたたちの男性の体を見たことあるの?)
チャンドラー: No, our guy is just a floating head. (いや、俺たちの男はただの浮かんでる頭なんだ[頭が浮かんでるだけなんだ]。)

チャンドラー&モニカ対フィービーで、「自分たちの紹介する男の方がいい」という自慢合戦みたいになっています。
私の男、つまり、私がレイチェルに紹介しようとしている男性は、ボランティアの仕事をしている弁護士なの、と説明した後、フィービーは、And, he has one of these... と言いながら、ト書きにあるような動作をしてみせています。

one of these を直訳すると「こういうものの一つ」ということなので、「よくある、みんなも知ってる、こういうもの(の一つ)」という感覚。
フレンズのセリフにには、one of those の形でよく登場しますね。

ト書きの説明では、「フィービーは、何かを形作るために、自分のあごの皮膚をぎゅっと寄せる」とあります。
そうすることで、あごに「へこみ」を作っているのですが、それを見たチャンドラーが、A face ass? 「顔の尻?」と言うのには笑ってしまいました。
その後、フィービーがむきになって A chin dimple! 「あごのエクボよ!」と言っています。

確かにフィービーが形作った「それ」は、チャンドラーが a face ass と表現したように、顔のうち、あごの部分がお尻のように2つに割れた感じには見えます。

以下のウィキペディアに、そういうあごについての説明が載っています。

Wikipedia 日本語版 : 割れ顎

参考になりそうな部分を以下に引用させていただきます。

割れ顎(われあご)とは、顎が縦に二つに割れているように見える状態から派生した造語。
二つに割れた形状が、尻を連想させるため、ケツ顎/尻顎(どちらも「けつあご」と読む)と呼ばれることも多い。


通常は「割れ顎(われあご)」と言うようですが、上の説明にもあるように、そういうあごのことを日本語では「けつあご」と言ったりしますよね。
「二つに割れた形状が、尻を連想させるため」とのことですが、アメリカ人のチャンドラーも同様に「お尻」を連想して、a face ass 「顔の尻」と形容したのが興味深いなと思いました。
「尻」のニュアンスが共通しているからでしょう、DVDの日本語字幕でも、チャンドラーのセリフは「ケツアゴ?」と訳されていました。

それぞれが「自分が紹介する男性自慢」をしているので、もちろんフィービーはそのあごをチャームポイントとして言っているわけです。
それを「尻」呼ばわりされたので、これは A chin dimple よ!と言って怒っているのですね。

dimple は「えくぼ」、または「小さなくぼみ」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
dimple : a small hollow place on your cheek or chin, especially one that forms when you smile
つまり、「頬やあごのくぼんだ場所、特に微笑む時に形成するもの」。

その語義にもあるように、日本人が普通「えくぼ」で想像する、ほっぺたのえくぼ以外にも、あご(chin)のへこみも dimple と表現することがわかりますね。
a chin dimple と表現すれば、頬のえくぼと、より区別しやすくなるわけですね。
a dimpled chin だと、「えくぼのある・えくぼのできたあご」ということになります。

私が連れてくる彼には、「あごエクボ」があるのよ!と自慢しているように、そう言えば、外国の俳優さんには、そういうあごの持ち主が結構いますよね。
(「あごが割れてる」と聞くと、私の場合はなぜか真っ先に、一休さんの「新右衛門さん」を思い出してしまうのですが…笑)。
アメリカの俳優さんだと、カーク・ダグラスやジョン・トラボルタなどが有名ですね。(そう言えば、ここ数日、ニュースでジョン・トラボルタの名前をよく目にします…)
彼らの写真を見ていると、「あごが割れている」というよりも、「あごのエクボ」と表現する方がぴったりな感じです。
そういう a chin dimple には、男性のワイルドなセクシーさみたいなものが感じられる気はしますよね。
日本語で、特にそれを「けつあご」と表現してしまうような場合は、顔の特徴を言っている感覚で、あまり褒め言葉のようなニュアンスは感じられませんが、英語で言うところの、a chin dimple には、フィービーがわざわざそれを挙げるくらいの「長所」として考えられていることが、このやり取りからわかります。
日本では「八重歯」がチャームポイントになったりしますが、外国ではそうではない…みたいに、文化や風習の違いで、「何を魅力的に感じるか?」というのも異なってきますよね。
どこの判断基準が正しいか正しくないか?を考えるのではなく、そういう「国民性の違い」みたいなものを感じて「なるほどぉ〜」と思うのも、ドラマを見る楽しみのように思います。

モニカは、自分たちが連れてくる男性のことを説明しています。
our guy works with Chandler は「私たちの男性はチャンドラーと一緒に働いている」ということで、つまりはチャンドラーの同僚。
同僚という単語は a colleague ですが、そういう単語が浮かばない場合はこのように「チャンドラーと一緒に働いている(人)」と表現すればいいということです。
実際、Chandler's colleague みたいに表現するよりも、(he) works with Chanlder と言う方が、英語としてより自然に聞こえるように思います。

その人は、本当に、nice で smart で、a great dresser なのよ、と自慢するモニカ。
日本でも「ベストドレッサー賞」などと言いますが、こういう場合の dresser は「(服を)着る人」というシンプルなニュアンス。
「服を着る」という自動詞 dress に、人を表す -er をつけた単語ですね。
LAAD では、
a fashionable/stylish/sloppy etc. dresser : someone who dresses in a fashinable, stylish etc. way
つまり、「ファッショナブル[スタイリッシュ]・ドレッサーとは、ファッショナブルな[スタイリッシュな]方法[様子]で服を着る人」。

これを当てはめると、a great dresser は、someone who dresses in a great way ということになり、「素敵な感じに服を着ている人」、つまり、服の趣味が良いとか、おしゃれだとか言っていることになります。
こんな風に、a good/great 動詞+-er で、「〜するのが上手な人」という意味でよく使いますね。
このやり取りの後にも、
モニカ: Our guy's a great dancer! (私たちの彼は、ダンスが上手なの!)
というセリフも登場します。
日本語で「ダンサー」と聞くと、何だかプロのダンサーみたいなイメージを浮かべてしまいそうですが、モニカも言っていたように、その彼はチャンドラーの同僚ですから、「ダンサーという職業の人」ではないでしょう。
単に「ダンスを踊る人」という意味の dancer で、dance が上手だから、a great dancer と言っているわけです。
これを直訳で、「その彼は”偉大なダンサー”なの」みたいに訳してしまうと、随分とニュアンスが違ってしまうことになるでしょう。
「彼はキスが上手なの」と言いたい場合は、He is a good kisser. と言えばいいわけで、「〜するのが上手な人」→「a good/great 動詞+-er」の形は、人の説明をするのに便利な表現だと言えそうですね。

モニカが自分たちの男性の服のセンスを褒めたので、フィービーは、body つまり、彼の体を見たことある?と尋ねています。
その話の流れから、「その彼は、中身の肉体も素敵かしら?」みたいに話を持って行こうとしていることがわかりますが、チャンドラーは当然そのことに気づきながらも、No, our guy is just a floating head. とジョークで返しています。
No という最初の否定は、No, we haven't seen our guy's body. 「いいや、俺たちはその男性の体を見たことはない」という意味。
それだけなら、普通のやり取りなのですが、チャンドラーは彼の体を見たことない理由として、our guy is just a floating head と言っています。
「俺たちの男は、ただの”浮かんでいる頭”なんだ」みたいなことで、「いや、彼の体は見たことない、だって彼は”顔だけ人間”だから」みたいに冗談を言っているのですね。

フィービーは男性の魅力の一つとして、彼がいわゆる「ナイスバディ、セクシーバディ」の持ち主かどうかを聞くために、「彼の体(つまり裸体)を見たことある?」と聞いたわけですが、チャンドラーはそれをわかっていながら、「彼の体? そういや見たことないなぁ、彼は頭がプカプカ浮いてるだけで、体がないやつなんだよ」みたいにジョークで返したわけですね。


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posted by Rach at 16:49| Comment(2) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする