2013年09月06日

持ってるものは見せびらかせよ フレンズ7-23その2

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[Scene: Monica and Chandler's, Monica is standing in the kitchen ready to leave for the rehearsal dinner.]
モニカとチャンドラーの家。モニカは、リハーサルディナーに行く準備ができた状態で、台所に立っている。
モニカ: Honey, we gotta go! (ハニー、私たち、行かなくちゃ!)
チャンドラー: (entering from the bedroom) Okay. Here's a question you never wanna have to ask. My dad just called and wanted to know if he could borrow one of your pearl necklaces. ([バスルームからリビングに入ってきて] わかった。人が尋ねたいとは決して思わない質問があるんだけど。俺のパパがちょうど電話してきて、知りたがってるんだよ。君の真珠のネックレスを1つ、借りることができるかな、って。)
モニカ: Did he say what kind of neckline he'd be wearing? (パパが着るつもりの服は、どんな種類のネックラインか言ってた?)
チャンドラー: No. (いいや。)
モニカ: I just met him once, but I'm guessing... plunging? (私はあなたのパパに一度会っただけだけど、でも、思うに…胸元が深く開いてる?)
チャンドラー: Yeah, he is more of a if-you've-got-it-flaunt-it kind of... father. (そうだね。彼はむしろ、「持ってるもんは、見せびらかせよ」ってタイプの…父親だからね。)

リハーサルディナーというのは、フレンズ4-24 での、ロスとエミリーの結婚式の時にも出てきましたが、「結婚式の前の晩に親しい者が集う夕食会」のこと。
you never wanna have to ask は、「質問しなければならないことを決して欲しないような」質問がここにある、という感覚ですね。
こんなことを質問しなければならない立場・状況になんか絶対になりたくないような質問、というところでしょう。
My dad just called and wanted to know if... は「俺のパパがさっき電話してきて、…かどうか知りたがってた」。
何を知りたがっていたかと言うと、「モニカの真珠のネックレスの一つを自分(チャンドラーのパパ)が借りられるかどうか」ですね。
チャンドラーのパパはゲイで、いつも女装して、ドレスを着用しています。
「(女装の)パパがパールのネックレス貸してくれるかな、って言ってる」という質問は、誰もしたくないだろうけどね、という意味で、最初に前置きとして you never wanna have to ask の文章を言ったことになります。

neckline は「ネックライン」、つまり、首のラインということから想像できますが、「ドレスの襟ぐり(の線)」のこと。
パパが着ようとしているドレスの襟ぐりはどんな感じか言ってた?という質問ですね。
ネックレスを貸すにしても、襟ぐりが開いているものか、首元まで詰まっているものかによって、それに似合うネックレスの形も違ってくるから、それがわからないと貸しにくい、みたいなことになるでしょう。

どんなネックラインかは言ってなかった、というチャンドラーに、モニカは「私はあなたのパパにたった一度会っただけだけど…私が思うに… plunging かしら?」みたいに問うていますね。
neckline について、plunging と言っているわけですが、そのものズバリ、plunging neckline の意味が、研究社 新英和中辞典に載っていました。
plunging neckline=【名】【C】 プランジングネックライン 《婦人服の深くくられたV字型のネックライン》
まさに説明の通りで、「襟ぐりがV字型に深くなっている」を指すことがわかります。
英辞郎には、
plunging V-neck sweater=胸元の深く開いた V ネックセーター
という用例も載っています。
このように、plunging というのは、そういう形状・デザインを指す、とまずは理解した上で、plunge という動詞の意味とニュアンスも同時に覚えてしまいましょう。
plunge は動詞で「突っ込む、投げ込む、沈める」「(〜の状態に)陥る」「(株価などが)突然下がる」という意味があります。
そういう「ぐっと下がっている」というような感覚が、「襟ぐりが深く開いている」イメージに繋がるわけですね。

あなたのパパのことはよく知らないけど、多分、ぐっと胸元が開いたドレスよね?と言われたチャンドラーは、「そうだね、彼はむしろ…ってタイプの父親・親父だから」と言っています。
そのどういうタイプかという説明部分は、if-you've-got-it-flaunt-it と表現されていますが、このように単語をハイフンで繋いで、ある文章を一つの形容詞のように使う方法は、セリフなどの口語でよく出てくるパターンですね。
この場合は、"If you've got it, flaunt it." のような、if 節+命令文を表し、「もしそれを持ってるなら、それを flaunt しろ」というタイプの親父だと言っていることになります。
flaunt は「誇示する、見せびらかす」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、動詞 flaunt の意味と共に、まさにこのセリフに出てきたそのまんまのフレーズ、if you've got it, flaunt it も載っていました!
LAAD での説明は以下の通り。
flaunt :
1. to show your money, success, beauty etc. so that other people notice it
例) She's always flaunting her jewelry.
2. if you've got it, flaunt it : (spoken, humorous) used to tell someone not to hide their beauty, wealth, or abilities

つまり、1. は「他の人々がそれに気づくように、自分の金、成功、美を見せること」。例文は、「彼女はいつも自分の宝石を見せびらかしてばかりいる」。
2. の if you've got it, flaunt it は、「(口語、ユーモラスな表現) 誰かに、美、富、能力を隠すなと言うために使われる」。

ということで、ズバリそのものの説明がロングマンに載ってくれていたこと、とてもありがたいです^^
「持ってるもんは、遠慮せずに見せびらかせちゃえよ。別に無理して隠すことないじゃん」的なユーモラスな表現だということで、チャンドラーのパパも、そういうタイプの人間、つまり見せるべきところは見せたらいいじゃん、ってタイプだから、きっと胸元がざっくり開いたドレスを着るつもりなんだろうね、と言ってみせたことになります。
チャンドラーのパパは(実際には女優さんが演じているとは言え)、ドラマの設定上では、肉体的には男性であるゲイですよね。
そのゲイのパパが胸元をみせびらかす、というのは、「あるはずのないものを見せびらかそうとしている」ということになるかもしれないものの、心はすっかり女性なので、他の女性と同じように胸元を見せるドレスを着るだろうね、と言っているところに面白みがあるということでしょう。
実際の音声では、kind of... father. のように、father と言う前に少しの間(ま)があります。
「胸元見せちゃえばいいじゃん」ってタイプの女性…なら普通なのですが、そういうタイプの「父親」というところにこのセリフのオチがあり、「見せるところは見せちゃえば」ってタイプの人…とは言っても、まぁ男性なんだけども…みたいな風に、チャンドラーは言ってみせたわけですね。


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posted by Rach at 18:29| Comment(0) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月03日

ball and chain フレンズ7-23その1

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シーズン7 第23話
The One With Monica and Chanlder's Wedding (ベスト”フレンズ”ウェディング -Part 1)
原題は「モニカとチャンドラーの結婚式の話」


[Scene: Central Perk, everyone is there.]
セントラルパーク。みんながそこにいる。
モニカ: Do you realize this is probably the last time we'll all be here in the coffee house as six single people? (多分これが最後だってみんな気づいてる? 6人の独身者として、私たち全員がコーヒーハウスにいることが。)
フィービー: Why?! What's happening to the coffeehouse?! (Monica looks at her.) Oh! (Realizes.) Okay. (どうして? コーヒーハウスに何が起こるの?! [モニカはフィービーを見る] ああ! [気付いて] わかったわ。)
チャンドラー: Yep! From now on, its gonna be the four you guys and me and the missus. The little woman. The wife. The old ball and chain. (そうだよ! これからは、君ら4人と、俺と女房になるんだよね。家内。妻。(かかあ天下の)古女房。)
モニカ: Ha-ha. Old? (はは。古い[オールド]?)
チャンドラー: The young, hot ball and chain. (若くて、ホットなボール&チェーンです。)
モニカ: That's much better. (その方が、ずっといいわ。)
レイチェル: (checking her watch) Op! We gotta go! (The girls stand up.) ([自分の腕時計を見て] あら! 私たち、行かなくちゃ! [女性陣は立ち上がる])
ロス: Oh, where are you guys going? (おや、君らはどこに行くの?)
モニカ: We're gonna pick up the wedding dress then we're gonna have lunch with mom. (Joey stands up.) (ウェディングドレスを受け取りに行くのよ。それからママとランチするの。[ジョーイが立ち上がる])
ロス: Ah. Joey, you're-you're having lunch with my mom? (あぁ。ジョーイ、君は僕のママと一緒にランチするつもり?)
ジョーイ: No, I-I just heard "lunch." But yeah, I can go. Sure! (They all exit.) (いいや、俺はただ「ランチ」って聞こえたから。でも、そうだよ、俺、行けるよね。もちろん! [みんな出て行く])

realize は「気づく、悟る」なので、Do you realize...? は「ねえ、みんな、今から言うことに気づいてるかしら?」みたいな感覚。
realize 以下の文章は長いので、こういう場合はとにかく、前から順番にイメージしていくのが賢明です。
まずは、「これが多分、最後の時」、どういう最後の時かと言うと、「私たちがみんなここ、コーヒーハウスにいる(時)」、そして最後に状況を説明し、「(私たちが)6人の独身の人間として(いる時)」ということになります。
日本語っぽく訳すと、「これが、私たちが6人の独身者としてここにいる最後の時だってわかってる?」みたいなことですね。
それを聞いたフィービーは驚いた様子で、「どうして? コーヒーハウスに何かが起こるの? このコーヒーハウスがどうにかなっちゃうの?」みたいなことを尋ねています。
「コーヒーハウスに6人が揃う最後の瞬間」みたいに思ったフィービーは、この店がつぶれるとでも思ったようですが、モニカが一番訴えたかった(笑) single 「独身の」という部分を聞き洩らしたことが勘違いの原因だったのですね。
モニカは、「6人全員が独身の状態でここに集まるのはこれが最後」と言いたかった、つまり、自分たちは結婚してもうすぐ独身じゃなくなるのよ、と結婚自慢をしたかっただけのようです。

全員が独身という状態ではなくなる、という発言を受けて、チャンドラーは、「今から、six single people は、君たち4人(the four you guys)と、me and the missus (俺と女房)とになる」と説明し、その後、the missus 「女房」を他のいろいろな表現で言い換えています。

the little woman というのは、自分の妻を指す言葉で、研究社 新英和中辞典には、
little woman=【名】[the 〜] 《口語》 家内、女房、うちのやつ (注:時に軽蔑的と見なされる)
と出ています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
the little woman: (old-fashioned, informal) an expression meaning someone's wife, considered offensive by many people
つまり、「(古くさい表現、インフォーマル) 誰かの妻を意味する表現、多くの人によって侮辱的とみなされる」。

little というのは「大きさが小さい」という意味もありますが、この場合は「つまらない、ちっぽけな」という、少し悪いニュアンスが含まれているように思います。
日本語の謙称(けんしょう)、つまり、謙遜(けんそん)し、謙った(へりくだった)言い方で呼ぶ場合につける感覚と通じる部分があるでしょう。
英語で little を使うのは、日本語で自分のことを「小生(しょうせい)」、自分の会社を「小社(しょうしゃ)」と呼ぶ時に「小」という漢字を使うのと似ているものを感じますね。
日本語にはありませんが、漢字を当てはめると「小妻」みたいな感じで、「愚妻」ほどではないけれど、限りなくそれに近いニュアンスだと言えると思います。
The wife はまさに「妻」。

そしてその次の、The old ball and chain ですが、これが一番、妻を形容するひどい言い方になりそうですね。
まさに直訳通りの「古い(年をとった)球と鎖」ということで、球と鎖で想像される通り、牢獄などで逃げられないように足につける重たい鉄の球と太い鎖でできた「足枷(足かせ)」のイメージです。
あの「足かせの球」のイメージから、「行動を束縛するもの」「拘束、束縛」の意味ともなり、妻の場合だと、「かかあ天下の女房」のような夫を尻に敷く強い妻のイメージにも繋がるわけですね。

調子に乗って(笑)、妻を表す言葉をいくつも挙げたチャンドラーですが、最後の表現に引っかかったらしいモニカは、Ha-ha. と乾いた笑い声の後、Old? 「オールド、ですって?」みたいに聞き返しています。
女性に old 「古い、年老いた」という言葉はいかん!と気づいたチャンドラーは、ball and chain はそのままで、old を young に訂正し、さらには、hot 「ホット、セクシー、色っぽい」を追加した、The young, hot ball and chain. という表現に言い換えます。
「かかあ天下の女房」的意味の ball and chain はそのまま使われているのですが、モニカとしてはとりあえず、old が young & hot に訂正されたことを評価して、「その方がずっといいわね」と納得することになります。
俺を尻に敷く怖い女房と言われるのはいいけれど、「古い、老けた」という言葉を使われるのだけはごめん、という女心ですね。

そんな風に、「妻」の表現であれこれやり取りがあった後、レイチェルが「出かけなきゃ」と言って立ち上がります。
モニカが説明しているように、ドレスを受け取りに行って、ママとランチするの、ということですが、ジョーイも立ち上がるのでロスは驚き、「ジョーイもママとランチするのか?」と尋ねています。
I just heard "lunch." というのがジョーイらしいですね。
別に元々一緒に行く予定だったわけじゃないけど、「ランチ」って言葉が聞こえたから、耳に入ったから、つい一緒に立ち上がっちゃったわ、みたいなことです。
listen (to) は「意識的に耳を傾けて聞く」ことを指しますが、hear は「聞こえる、耳にする」というニュアンスになるため、ランチって言葉がふと耳に入ってきたから、条件反射的に立ち上がってしまった、ということに繋がるわけですね。
思わず立ち上がっちゃったけど、別に俺が行ってもいいじゃんね、みたいな感じで、女性陣と一緒にランチにでかけるジョーイも可愛いです。


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posted by Rach at 16:31| Comment(2) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月29日

もうスタンディング・オベーションなの? フレンズ7-22その6

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モニカは、チャンドラーの父親に結婚式に出席してもらいたいと言い、ラスベガスにいるチャンドラーの父親に二人で会いに行きます。
これまでの「フレンズ」でも何度か言及されていた通り、チャンドラーの父親はゲイで、ラスベガスのショーで働いているのですが、ちょうど二人が見ようとしていたショーが、その父親のショーだったのでびっくり。
チャンドラーのパパのベガスでの芸名は、ヘレナ・ハンドバスケットというのですが、それを演じるのは、ゴールデングローブ賞も受賞している名女優「キャスリーン・ターナー」。
「女優」さんが、「ゲイのパパ」を演じているのがポイントですね。
身長173cmで、声もハスキーで低いので、「男性が女装している」という設定にも自然にマッチしている感じです。

パパ(ヘレナ)は歌い終わった後、客席に近づいてきます。
チャンドラー: He's coming into the audience. He's coming into the audience. (パパが客席に来ようとしてる。客席に来ようとしてる。)
モニカ: Relax! You'll be fine. (Chandler exhales and turns off the table light.) Oh, much better. You're invisible now. (リラックスしてよ! 大丈夫よ。[チャンドラーは息を吐いて、テーブルの明かりを消す] あぁ、さらに良くなったわね。今、あなたは(誰からも)見えないわよ。)
ヘレナ: (standing at a table and asking the guy sitting there) Where are you from? ([あるテーブルの近くに立ち、そこに座っている人に質問している] あなたはどこから来たの?)
男性: Bakersfield. (ベーカーズフィールド。)
ヘレナ: I'm sorry? (Holds out the mike.) (アイム・ソーリー? [マイクを差し出す])
男性: Bakersfield! (ベーカーズフィールドだよ!)
ヘレナ: No-no, I heard! I'm just sorry. (いえいえ、聞こえたわ! 私はただ、お気の毒に、って言ったのよ。)
チャンドラー: It can't happen like this. Okay? I'll meet you back at the hotel. (こんなの無理だよ。いいかい、君とはホテルで会おう。)
(He gets up to walk out, but Helena spots and stops him.)
チャンドラーは立ち去ろうとして立ち上がる、が、ヘレナがそれを見つけ、彼を止める。
ヘレナ: (to Chandler's back) Oh look, a standing ovation already! So early in the show. Oh, turn around, darling. Let me see your pretty face. (He slowly turns around. Helena recognizes him.) ([チャンドラーの背中に向かって] ねえ、見て、もうスタンディング・オベーションよ! ショーは始まったばかりなのに。ねぇ、こっちを向いて、ダーリン。あなたの可愛いお顔を私に見せてよ。[チャンドラーはゆっくりと振り返る。ヘレナは彼を(自分の息子だと)認識する])
モニカ: Can we have our drinks, please?! Waiter? --tress? (飲み物持ってきてくれる? ウェイター…トレス?)

歌い終わって、観客に挨拶したチャンドラーのパパ(芸名はヘレナ)が、客席の方に歩いて来ます。
パパに会いに来たとは言え、こんな形で会うのは困る、と慌てているチャンドラーに、モニカは「リラックスして。大丈夫よ」と言うのですが、チャンドラーは、自分たちが座っているテーブルの上に置いてあるライトの電気を消しています。
それを見たモニカが、「さらに良くなったわね。今、あなたは誰からも見えないわよ」と言っているのが面白いです。
テーブルのライトを消したところで、チャンドラーが見えなくなるわけでもないのに、近づいてくるパパに見つかるまいとして、ささいな抵抗をしているチャンドラーに、「あーら、良かったわね。ライトを消したおかげで、あなたの姿がすっかり見えなくなったわ」みたいに皮肉を言っているわけです。

ヘレナは観客のところにきて、そのお客と会話を交わしているのが、いかにもラスベガスのショーという感じですね。
「お客さんはどちらから?」みたいな決まり文句の質問をするヘレナに、客の男性は「ベーカーズフィールド」と答えます。
ベーカーズフィールドはカリフォルニア州にある都市の名前で、ウィキペディアの情報によると、「一帯には肥沃な農地が広がり」とのことなので、農業がさかんな地域というイメージのようですね。
出身地を答えた男性に対して、ヘレナは、I'm sorry? と語尾を上げ調子にして言いますが、誰かが何かを答えた後に、こんな風に語尾を上げて I'm sorry? と言うと、I'm sorry I can't hear you. Could you say that again? 「ごめんなさい、聞こえなかったわ。もう一度言って下さるかしら?」のようなニュアンスに聞こえるはずです。
Excuse me? を上げ調子で言うのと似た感覚になるでしょう。

それで男性も、もう一度、今度はさらにはっきりと、「ベーカーズフィールドだよ!」と答えるのですが、それに対するヘレナの返事は、No-no, I heard! I'm just sorry. でした。
これは、ベガスのショーっぽく、「お客さんをイジって笑わせる」みたいなやり取りのようです。
ヘレナの返事の内容は、「いいえ、私は(あなたがさっき言ったことは)聞こえてたわ。私はただ、sorry なだけよ」みたいになるでしょう。
さっき私が I'm sorry. と言ったのは、聞き直したんじゃなくて、あなたの出身地を聞いて、ただ、I'm sorry. だと言っただけなのよ、というところです。
この場合の I'm sorry. は「ごめんなさい」という謝罪のニュアンスではなく、「大変ね。お気の毒に。同情するわ」みたいな感覚ですね。
フレンズでも、誰かに悲しい出来事が起こった場合に、謝るニュアンスではなく、共感・同情するニュアンスとして、I'm sorry. がよく使われますが、今回のヘレナの I'm sorry. もそれと同じ感覚になるでしょう。
つまり、「ベーカーズフィールドだよ!」「ええ、聞こえてたわ。私はただ、あなたに同情するわ、まぁそれはお気の毒に、って言ったのよ」みたいなやり取りになります。
聞き直したのかと思って、さらに大きな声で答えたところ、その出身地をネタにして、からかっていたことがわかる、というオチですね。
さきほど説明したように、農業地帯のようなので、ベガスというきらびやかな大都会に比べて、「田舎」のイメージがある、ということなのでしょう(ベーカーズフィールドの関係者の方、すみません)。
DVDの日本語音声(吹替)が、「ベーカーズフィールドだぁ」みたいに、田舎訛り(なまり)の音声になっていたのも、まさにそれをイメージしてのことでしょう。

USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)のアトラクション「ターミネーター2:3-D」の最初に登場する綾小路麗華さんというナビゲーターのお姉さんが、ちょうどこんな風に、「どちらから来られました?」とお客さんに質問し、その地名をイジる、、みたいなことをするのがお決まりになっていますが(ここ最近は見てないのですが、今でもされてますかね?^^)、これは「お客イジリ」の定番ということなのでしょう。
発言が聞こえなかったのかと思って、さらに大きな声で言い直したところ、その地名をからかったジョークだったことがわかった、という、二段構えになっているところがポイントで、I'm sorry. を上げ調子にすると、聞き返すニュアンスになることを利用しての、辛辣なジョークになるわけですね。

パパが、ベガスのエンターテイナーらしく、客とそんなやりとりをしている間に、チャンドラーはそこから逃げ出そうとしています。
俺は先に帰ってるから、後でホテルで会おう、みたいにモニカに言い残して立ち去ろうとすると、それをヘレナに見つかってしまい、声を掛けられてしまいます。
その時のセリフ、"Oh look, a standing ovation already! So early in the show." というのがまた、ベガスっぽくて面白いです。
ovation は「大歓迎、大喝采」という意味で、スタンディング・オベーションはすでに日本語化していますので、このセリフは日本人にもわかりやすかったと思います。
「ほら見て。もうスタンディング・オベーションよ。ショーのすごく早い段階で」みたいな意味で、「このショーは今始まったばかりだと言うのに、もうスタンディング・オベーションで立ち上がってる人がいるわ」みたいなことですね。
ショーで客が立ち上がる、というのは、ショーがつまらないから帰る、という意味で、こういうショーをしているエンターテイナーにとっては何よりいやなことでしょうが、それを逆手にとって、「まぁ、もうスタンディング・オベーション?!」みたいに言ってみせるのが、エンタメ界で長年生きてきた人っぽくて面白いなと思うわけです。
転んでもただでは起きないと言うか、いろんなお客を相手にしてきた百戦錬磨を感じさせると言うか。
背中を見せて立ち去ろうとした相手に「振り向いて、お顔を見せてちょうだいよ」と言うヘレナ。
チャンドラーもそれを拒むことはできず、ついには顔を見せることになります。
ト書きの Helena recognizes him. は、ヘレナは自分の息子であるチャンドラーをそれだと認める、つまり、自分の息子であるとわかる、ということですね。
こんな形で親子の対面を果たしてしまい、沈黙が流れてしまったのに耐え切れず、モニカは、「ドリンク持ってきてくれる?」と、とにかく何か言葉を言わないではいられない様子。
ここで働いている人はみんなゲイなので、waiter/waitress のどちらで呼べばいいのかわかんない、みたいになっているところにも、モニカの動揺が見え隠れしていますね。


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posted by Rach at 15:26| Comment(2) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月27日

ベッドから転がり出たところだった フレンズ7-22その5

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自分だけがモニカのポルシェを運転させてもらえないと知ったレイチェルは、ロスからこっそりキーを奪って、ポルシェに乗り込みます。
止めに入ったロスを隣に乗せて、ハイウェイを飛ばすレイチェルでしたが、実はレイチェルの免許は長年更新されておらず、今は無免許運転状態であることを知って、慌てるロス。
そうしているうちに、後ろからサイレンを鳴らしてパトカーが追いかけてきて、ポルシェを停めざるをえなくなります。
警官が近づいてくると、レイチェルは上着のボタンを少し外し、
レイチェル: (sexily) Hi, officer, was I going a little too fast? ([セクシーに] はーい、おまわりさん。私、ちょっぴりスピード出し過ぎてたかしら?)
ロス: Oh, my God. (なんてこった。)
警官: Can I see your license, please? (あなたの免許証を見せてもらえますか?)
レイチェル: Oh yes, absolutely! Y'know, it's weird uh, but I had a dream last night that I was stopped by a policeman. And then he uh... well, I probably shouldn't tell you the rest. (ええ、そうね、もちろん! ほら、変なんだけど、昨日の晩、私は夢を見たの。警察官に止められる夢をね。それでそれからその彼が…あぁ、多分、あとの話はあなたに言うべきじゃないわね。)
警官: Your license? (免許証は?)
レイチェル: (handing it to him) Yes. Here you go, Officer uh, Handsome. ([免許証を警官に手渡し] はい、どうぞ。巡査…ハンサムさん。)
警官: It's Hanson. (ハンソンだ。)
レイチェル: Oops, sorry. My mistake. (あらら、ごめんなさい。私の間違いね。)
ロス: Dear Lord!! (全くもう!)
警官: Wow! (わぉ!)
ロス: Here it comes. (そら来た。)
警官: This is a great picture. (これは素敵な写真だね。)
レイチェル: Really?! You think so? Y'know, I had just rolled right out of bed. (ほんとに? そう思う? ほら、ベッドから出た直後(の写真)だったのよ。)
警官: Yeah? Well, you look phenomenal. (そう? ほら、すっごく素敵だよ。)
ロス: Well, she should! It was taken ten years ago! (そりゃそうだろうね! その写真は10年前に撮られたんだから。)
レイチェル: Y'know, you're-you're probably wondering about the old date on there. (あなたは、あなたは多分、免許証の古い日付について、いろいろ考えてるんじゃないかしら。)
警官: Yes, I am. (うん、そうだよ。)
レイチェル: Yeah. (そうよね。)
警官: You're an Aquarius, huh? (君は水瓶座だね?)
レイチェル: I bet you're a Gemini. (あなたは双子座かしら。)
警官: Nope. (違うよ。)

スピードを出し過ぎていた上に、無免許状態のレイチェルは、警官が近づいてくるのがわかると、上着のボタンを外して、その警官にセクシーな雰囲気で話しかけます。
officer は「警官」のことで、このように呼び掛け語としても使いますね。
その場合は日本語で言う「おまわりさん」というニュアンスになります。
was I going a little too fast? は、「私は少し too fast に go してた?」みたいなことですから、「ちょっとスピード出し過ぎてた?」みたいなことですね。
免許証を見せてもらえますか?という、お決まりの言葉を言われたレイチェルは、「ええ、もちろん」と言いながら、「変な話なんだけど、私、昨日の晩、ある夢をみたのよね」みたいな話をし始めます。
その夢の内容が that 以下の文章で、「私はある警察官に止められた、呼び止められた」。
今のこの状況を私は夢で見たのよね、と言った後、「それから…何があったかの残りの話は多分、話すべきじゃないわ」と言います。
「その警官と、あんなことやこんなことがあったんだけど、あなたの前ではちょっと言えないわ」みたいに言って、あなたともそんなことになっちゃうかもしれないわねぇ…と思わせぶりなことを言っているわけですね。
相手の警官はそれに乗らない様子で、免許証を求めるので、あきらめたレイチェルは免許証を差し出し、相手の名札を見た上で、「ハンサム巡査」みたいな名前を呼びます。
相手が訂正したように実際の名前は「ハンソン」だったようですが、Hanson と Handsome の綴りが似ていることから、「あーら、ハンサムなおまわりさんだから、てっきりハンサム巡査かと思っちゃったわ」みたいに、白々しく間違えてみせたことがわかります。
「あーあ、こういうのがいつものレイチェルの手口なんだよな」と頭を抱える感じで、Dear Lord! と言う元カレのロスも面白いですね。

警官が免許証を見て、Wow! と驚いたので、ロスは「ほら、来た来た」みたいに言っています。
今、警官は免許証の有効期限日に気づいたんだな、とロスは思ったわけですね。
ロスの静止を振り切り、ポルシェを運転したあげく、実は無免許だった、というレイチェルにあきれているロスは、「警官にバレて、こっぴどく叱られればいいんだ」みたいに思っているので、そんな風に喜んでいるのですが、次の警官のセリフは想定外の「これは素敵な写真だね」でした。
免許証を見て、真っ先に見るのは、有効期限じゃなく、そっちかい?!みたいな面白さです。
最初のやり取りから仕事熱心で真面目な警官なのかと思いきや、結構レイチェルと似たりよったり(笑)のタイプで、レイチェルが色目を使ったことも案外いい方向に作用したことが、このセリフからわかるわけです。

写真を褒められたレイチェルは、I had just rolled right out of bed. と言っています。
直訳すると、「私はちょうどベッドから転がり出たところだった」みたいな感じ。
had rolled (out of) という had+過去分詞は、「過去完了形」ですね。
その写真を撮影した時点をポイントにして、ちょうどその時に、私はベッドから出たところだった、直後だった、という「過去の時点における動作の完了」を表すニュアンスになるでしょう。
ベッドから出た直後に、免許証の写真を撮影した、というのは、実際問題としてはありえない話ですが、これは、「お化粧をしないで、起きたままのスッピンの顔」を「ベッドから出た直後」と表現している、やや大げさな表現になるでしょう。
日本語で言うと、「起き抜けの顔」みたいな言い回しですね。
相手が写真を褒めてくれたので、「えー、でもその写真、起き抜けで全然メイクもしてない顔なのにぃ〜」みたいに、スッピンが可愛いことを自分でアピールしているわけです。
警官は look phenomenal とまで言っていますね。
great よりもさらに「すごい、すごく綺麗・素敵」と言っている感じで、ベタ褒めしていることになります。

レイチェルは警官に叱られるぞ…と思っていたはずが、何やら男女二人の会話が盛り上がって来てしまったので、カチンと来たらしいロスは、Well, she should! It was taken ten years ago! と発言します。
she should は she should look phenomenal. ということで、「その彼女の写真は、すごく素敵に見えるに違いない」、その理由として、「その写真は10年前に撮られたんだから」とまで言っていますね。
「そりゃあ、びっくりするほど綺麗だろうさ、何しろ10年前の写真なんだから」と言って、暗に「その免許証は10年前のもの、今はとっくに無効になっているもの」だと暴露したわけですね。
年月の話をされて、もうごまかせないと腹をくくったらしいレイチェルは、「おまわりさんは(今のロスの発言を聞いて)、免許証に載っている古い日付について、いろいろと考え悩んでいるところよね、多分?」みたいに自分から日付の話を持ち出します。
警官もそれを肯定するので、ついに無免許運転のことを指摘される…と誰もが思ったその後の警官のセリフが、「君は水瓶座なんだね?」なので、思わず吹き出してしまいました。
期限切れの免許だということを承知で、星座の話にすり替えたわけですから、レイチェルも調子に乗って、「あなたは双子座かしら?」と星座の話に乗っています。
この後、延々、「ハンソン巡査の星座の当てっこ」が続き、ロスはますますあきれることになるのが、フレンズっぽいですよね。
ちなみに、Aquarius は「アクエリアス、水瓶座」という星座の名前ですが、可算名詞(countable)として使うと、「水瓶座生まれの人」を指すこともできます。
ですから、ここのやりとりも、You're an Aquarius. You're a Gemini. のように不定冠詞の a/an がついていることに注目したいところですね。


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posted by Rach at 12:55| Comment(0) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月23日

女装趣味の木こり フレンズ7-22その4

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フィービーの彼氏ジェイクが女性用のピンクの下着をはいているのを見たジョーイは、フィービーに「それってヘンだよ!」と力説するのですが、フィービーは「私が、私の下着をはいてみて、って言ったのよ」と言って、そうすることに何の違和感も感じていない様子。
フィービー: And! Y'know what Jake says? That women's underwear is actually more comfortable. And he loves the way the silk feels against his skin. (それで! ジェイクが何て言うと思う? その女性用下着はほんとに(男性用よりも)快適だって。で、彼は肌のシルクの感触が大好きなんだって。)
ジョーイ: Yeah, well, next thing you know, he'll be telling you that your high heels are good for his posture! (そうか、気がついたら、彼は君にこう言ってるだろうね、君のハイヒールは(きれいな)姿勢(をとるの)にいいね、って。)
フィービー: There is nothing wrong with Jake! Okay? He is all man! I'm thinking even more than you. (ジェイクには何もおかしなことはないわ、いい? 彼は全くの男性なのよ! あなたよりも男らしいって私は思ってるのよ。)
ジョーイ: Oh, yeah, he looked like a real lumberjack in those pink lacies. (あぁ、そうかい。ジェイクは、ほんとに、あのピンクのレースをはいた木こりみたいに見えたよ。)

フィービーは、「ジェイクは、男性用下着よりも女性用下着の方が快適だって言ってるの」と言い、he loves the way the silk feels against his skin. と説明しています。
この英文を直訳すると、「シルクが彼の肌に対する[当たる]感じ・感触の様子が好き」みたいになるでしょうか。
つまり、シルクの肌触りが好き、ということですね。

next thing you know は文字通り、「君が知る次のこと」ということで、「気が付くと(次にはこうなっていた)」のようなニュアンス。
そんな呑気なことを言ってたら、今度は彼がこんな風に言っているのを聞くはめになるよ、みたいな感じです。
posture は「体の姿勢」なので、「ハイヒールは良い姿勢・スタイルを保つのにいいねぇ」みたいなことをそのうち彼は言い出すよ、ということになります。

彼をけなされたと感じたフィービーは、「彼はどこもおかしなところはないわ。彼は全くの男、何もかも男なのよ。あなたよりずっと男らしいわ!」と力説しています。
ですがジョーイは、女性用のピンクのレースの下着をはいている男が男らしいわけがない、と言いたいようで、he looked like... のセリフを言っていますね。
直訳すると、「ジェイクは、あのピンクのレースをはいた・つけた、本物の lumberjack みたいに見えた、lumberjack みたいだった」。
lumberjack は lumberman とも言い、「木材伐採人、材木切り出し人、木こり」のこと。
このセリフですが、a real lumberjack のように、real 「本物の、本当の(木こり)」みたいに言っていることから、何か架空の「ピンクのレースをつけたような木こり」が存在するのではないか?という気がしました。

ということで、lumberjack といろいろな単語を組み合わせて検索していると、lumberjack wear women's という検索ワードで、元ネタらしきものを発見しました。
Wikipedia 英語版: The Lumberjack Song

The Lumberjack Song というのは、モンティ・パイソン(Monty Python)の歌ですが、まずは元ネタに該当する部分について説明します。
上のウィキペディアの Synopsis という項目に、以下の記述があります。
However, as the song continues, he increasingly reveals cross-dressing tendencies ("I cut down trees, I skip and jump, I like to press wild flowers, I put on women's clothing, and hang around in bars"),

cross-dressing tendencies というのは、「服装倒錯傾向(異性の衣服を身につけたがること)」。
引用符でくくられた部分が歌詞で、そこにもはっきり、I put on women's clothing 「女性の服を身につける」と書かれています。

「女性用下着をつけている木こり」が、この The Lumberjack Song の「女装趣味の木こり」を指しているのはほぼ間違いないと確信できたところで、元ネタとなっているモンティ・パイソンについて以下にまとめてみます。

モンティ・パイソンは、イギリスのコメディグループで、「空飛ぶモンティ・パイソン」という番組は、70年代に日本でも放送されていて、人気だったようですね。
Wikipedia 日本語版: モンティ・パイソン
私は「モンティ・パイソン」という名前は知っていましたが、実は番組そのものは見たことなくて、、、広川太一郎さんが吹き替えしてたのなら、見とくべきだった!(、、、って、そこ?!)

日本でも人気だったということで、ウィキペディア日本語版での情報も充実しており、助かります^^
Wikipedia 日本語版: 空飛ぶモンティ・パイソン
「スケッチ 有名なスケッチ」の項目に、ちゃんと「ランバージャック」が載っているのも嬉しいところ(^^)
さらには、この The Lumberjack Song の日本語タイトル「木こりの歌」についての説明も、Wikipedia 日本語版には存在します。
Wikipedia 日本語版: 木こりの歌
女装趣味についての部分を以下に引用させていただきますと、
歌が続くに従って、最初はまともな木こりを歌っていたが、興奮してきた木こりは段々と女装趣味を露呈してくる(「女装して夜のバーをうろつく」、「ハイヒール、サスペンダーにブラつけて」、など)。騎馬警察隊を困惑させ、ついにはかれらは愛想を尽かして退場してしまう。

、、、ということで、モンティ・パイソンのファンの方なら、すぐにピンと来たかもしれない、というジョークだったわけです。
有名な歌ということで、YouTube にもたくさんアップされています。
ここではリンクははりませんが、ウィキペディアの説明通りの歌になっていることが確認できますので、ご興味のある方はどうぞ。

モンティ・パイソンの説明が長くなりましたが、フィービーが「ジェイクはすっごく男らしいんだから!」と言うのを聞いて、「男らしい仕事の代名詞みたいな木こりが実は女装趣味があった、っていう、例のモンティ・パイソンの歌に出てくる木こりみたいな感じなんじゃないの?」とからかったジョークになるわけですね。


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posted by Rach at 16:22| Comment(3) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月21日

flapのイメージ フレンズ7-22その3

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セントラルパーク。フィービーがいるところにジョーイが入ってきます。
少し前、ここでフィービーの彼氏ジェイクと話していたジョーイは、ジェイクが前にかがんだ時に、パンツ(ズボン)の間からピンクのレースの下着(パンティ)が見えたのでびっくりしていました。その後のシーン。
ジョーイ: Listen, you know how uh, when you're wearing pants and you lean forward I check out your underwear? (ねぇ、君がパンツをはいてる時に前かがみになったら、俺が君の下着をチェックするの、知ってるだろ?)
フィービー: Yeah! (ええ!)
ジョーイ: Well, when Jake did it I saw that... he was wearing women's underwear! (で、(君の彼氏の)ジェイクがそれをした時に、俺は見ちゃったんだよ… 彼が女性用下着をはいてるのを!)
フィービー: I know. They were mine. (知ってるわ。それは私の下着だったのよ。)
ジョーイ: Oh. (Laughs.) No! No wait, that's weird! (あぁ! [笑う] いや! いや、待ってよ、それってヘンだよ!)
フィービー: No, it's not! We were just goofing around, and I dared him to try them on. (いいえ、ヘンじゃないわ! 私と彼はちょっとふざけてて、ジェイクに私の下着をはいてみて、って言った[迫った]のよ。)
ジョーイ: That's weird! (それってヘンだよ!)
フィービー: I'm wearing his briefs right now. (今、私は彼のブリーフをはいてるわ。)
ジョーイ: That's... kinda hot. (それは…その、セクシーだね。)
フィービー: I think so too. And that little flap? Great for holding my lipstick. (私もそう思うの。それであの小さな前開きの部分なんだけど。私の口紅を入れとくのに最高なの。)
ジョーイ: Yeah, I wouldn't know about that. (そうか、それは知らなかったな。)

ジョーイは、you know how... と言って、「君がこういうことをしてる時に、俺がこうする、っていうの、知ってるよね?」みたいに言っています。
you know that... よりも、you know how... の方がより口語っぽい表現で、「…することを知ってるよね」というよりも、「どんな風に…するか知ってるよね」というニュアンスになるでしょう。
lean forward は「前方向に傾く、体を曲げる、かがむ」ですから、「前かがみになる」。
フィービーが(スカートではない)パンツの時に前かがみになったら、俺は(すかさず…笑)パンツの隙間から、君の下着がチラっと見えるのをチェックするだろ、みたいなことで、そんなことを自分で言っているジョーイもどうかと思いますが、「えぇ、確かにジョーイはいつもそうするわね!」みたいに、嬉しそうに Yeah! と言っているフィービーもフィービーです。

それから、「君の彼氏のジェイクがそれと同じこと、つまり、前かがみになった時に、俺は見ちゃったんだよ」と言って、ジョーイはジェイクが女性用下着をつけている・はいていることを彼女であるフィービーに告げます。
それを聞いたフィービーは驚く様子もなく、「えぇ、その下着は私のだったのよ」みたいに平然と答えていますね。
そっか、といったんは納得した風のジョーイでしたが、「いやいや、やっぱり、男が女の下着をつけるのはヘンだよ」と主張します。

フィービーの方も折れる様子はなく、goof around つまり、二人でふざけていた時に、彼に私の下着を試しにはいてみるように dare した、と言っています。
dare someone to do は「人に〜してみろと挑む、迫る」。
この場合は、恋人同士がいちゃついている時の話なので、「ねぇ、ジェイク、ちょっと私の下着を試しに、はいてみたら〜?」と意地悪な感じでおねだりしてみた、みたいなことでしょうね。
ジョーイはまた、weird 「ヘンだ、おかしい」と言うのですが、フィービーが「私は今、彼のブリーフをはいているところなんだけど」みたいに言うと、一瞬絶句して、kinda hot 「ホットって感じ、セクシーって感じだね」というのがジョーイらしいですね。
男性が女性の下着をはくことについては、かなり嫌悪感を持っている様子なのに、女性が男性用下着をはくのはセクシーってことで納得するんかい、というところがいかにもジョーイっぽいわけです。

フィービーは、that little flap について語っていますが、flap という単語は動詞では「(鳥が)羽ばたく」「(旗が)はためく」という意味があり、名詞では「羽ばたき、はためき、ばたばたすること」、そこから「(ひらひら・ぴらぴらして)たれ下がっているもの」という意味にもなります。
研究社 新英和中辞典では、以下のものが flap として挙げられています。
(ポケットの)たれぶた。はねぶた、揚げぶた。(帽子の)たれぶち、(防寒用)耳おおい。(封筒の)折り返し。(飛行機の)下げ翼、フラップ
そういうものが flap であると確認した上で今回のセリフを見てみると、男性用ブリーフのフラップ、ということですから、前開きの部分、というんでしょうか?(正式名称はよく知らない…笑)、その部分を指していることがわかりますね。
DVDの日本語訳では「前の合わせ目」と訳されていました。

フィービーはその合わせ目部分のことを、「口紅をホールドしておくのに最高」みたいに言っており、下着に小さなポケットがついてるかのような使い方をしていることがわかりますね。

ちなみに、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では以下のように説明されています。
flap [noun] : a thin flat piece of clothes, paper, skin etc. that is attached by one edge to a surface, which you can lift up easily
つまり、「布、紙、皮膚の薄くて平らな部分、一方の端が表面にくっついていて、簡単に持ち上げることができるもの」。

この概念の説明、とてもわかりやすいですね。
このように英英辞典は、言葉の概念、定義を説明してあることが多く、英和辞典は上で引用したように、「日本語で言うところの、これ」を並べて説明してくれることが多い気がします。
言葉を覚える時には、この2つを大いに活用し、「定義としてはこういうことで、具体的にはこういうものを指す」というアプローチでイメージするのが大切だな、と改めて思いました。


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posted by Rach at 15:19| Comment(2) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月19日

only way to fly フレンズ7-22その2

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[Scene: Central Perk, Rachel is there as Ross enters with his all his hair sticking straight up.]
セントラルパーク。レイチェルがいて、そこに髪の毛が全部直立した状態でロスが入ってくる。
ロス: Whew! That was a brisk ride! (ヒュー! 今のは爽快なドライブだったよ!)
レイチェル: Take the top down, did ya? (トップを下ろしたの[ルーフを開けたの・オープンカーにしたの]?)
ロス: Only way to fly. (空を飛ぶにはこれだね。)
(Rachel laughs.)
レイチェルは笑う。
レイチェル: Come on, Ross, give me the keys! Monica does not know what she's talking about! I am an excellent driver! (ねぇ、ロス、(ポルシェの)キーをちょうだい! モニカは自分の言ってることがわかってないのよ! 私は優良ドライバーなのよ!)
ロス: You're fast and irresponsible. That adds up to a bad driver. (君は速くて無責任[場当たり的・でたらめ]だ。それって結局、悪いドライバーってことになるよ。)
レイチェル: Well, in high school, that added up to head cheerleader. (ふーん、高校では、それはチアリーダーの長(リーダー)ってことになったんだけど。)
(A woman walks by and smiles at Ross's hair.)
一人の女性が近くを通り、ロスの髪の毛を見て微笑む。
ロス: Did you see the look that girl just gave me? Huh? She must've seen me cruising in the bad boy. (あの女性が僕にしたあの表情を見たかい? 彼女は僕があのバッドボーイでクルージングしてたのを見てたに違いないよ。)
レイチェル: I think she's checking out your beehive, Ross. (あなたの蜂の巣(みたいな髪形)を見てる[観察してる]んだと思うわ、ロス。)
ロス: What?! (Checks his hair.) Give-give me a brush. (何だって? [自分の髪の毛をチェックして] ブラシ貸して。)
レイチェル: Gimme the keys! (キー貸して。)
ロス: No way! (絶対にだめだよ!)
レイチェル: Well, no brush! (じゃ、ブラシもなし!)

セントラルパークに入ってきたロスの髪の毛が全部、逆立ったようになっています。
brisk は「活発な、きびきびした、元気のよい」という意味で、「爽快な、心地よい、すがすがしい」という意味にもなります。
「さっきのは、爽快なドライブだったよ」と言うことで、ポルシェでドライブしてきたばかりだということを自慢しているわけですね。
take the top down は「トップを下ろす」みたいなことですから、ルーフを下ろしてオープンカー状態にした、ということ。
ロスの髪の毛が逆立っていることから、それがわかったようですね。

ロスは得意そうに、Only way to fly. と言い、レイチェルがそれを聞いて笑っています。
"only way to fly" で検索すると、Western Airlines のスローガン、キャッチフレーズであったことがわかりました。
検索のトップに出てきたのが、1979年のCMの動画。
Western Airlines -- The only way to fly - YouTube

その Western Airlines という航空会社については、以下のウィキペディアで。
Wikipedia 英語版: Western Airlines
ウィキペディアの右上の枠内に以下の情報が載っています。
Ceased operations : April 1, 1987 (merged with Delta Air Lines)
Company slogan : The Only Way to Fly

つまり、
操業停止:1987年4月1日 (デルタ航空(Delta Air Lines)に吸収合併された)
会社のスローガン: The Only Way to Fly

つまり、合併されてしまって、今は Western Airlines という航空会社は存在しない、ということです。

上のウィキペディアの Advertising には、このスローガンの説明があります。
引用させていただきますと、
Western contributed to popular culture with their 1960s advertising slogan, "It's the oooooonly way to fly!" Spoken by the Wally Bird, an animated bird hitching a ride aboard the fuselage of a Western airliner, (以下略)
つまり、「ウエスタン航空は、1960年代の宣伝スローガンでポップカルチャーに貢献した。そのスローガンは、"It's the oooooonly way to fly!"
the Wally Bird という、ウエスタン航空の旅客機の機体の上に(ヒッチハイクのように)乗せてもらっているアニメ(キャラ)の鳥、によってそのスローガンは語られた」。

CMの動画を見ていただくとわかるのですが、only が「オォォォーンリィ」みたいに伸ばすのが特徴的なセリフとなっています。
The only way to fly を直訳すると、「飛ぶのに唯一(無二)の方法」ということで、「空を飛ぶならこれだね、これしかないね」のような、快適なフライトであることを言っているセリフになるでしょう。
CMの動画の Wally Bird は、ヒッチハイクのように、飛行機の機体の上に乗っかっているわけですが、今回のロスも、オープンカー状態で、風を受けながら乗っていた、という点が似ているので、このセリフがより面白く聞こえるわけですね。

レイチェルはロスに、ポルシェのキーを貸して、と頼んでいます。
Monica does not know what she's talking about! は「モニカは自分が何を話しているかわかっていない、自分が言っている内容がわかっていない」みたいな感じ。
I know what I'm doing. 「自分がしていることはわかっている、わかってやっている」という決まり文句と同じ感覚ですね。
モニカは「レイチェルはポルシェを運転しちゃだめよ」みたいに言ってるけど、モニカは何もわかってないのよ、とレイチェルは言いたいわけです。
私は優良ドライバーよ、と主張するレイチェルに、ロスは「君は速くて、無責任だ」と言って、That adds up to a bad driver. と言います。
add up to は「合計が〜になる」ということから、「結局〜ということになる」という意味で使われます。
fast と irresponsible を足したら、最終的な答えは a bad driver になる、みたいな感覚ですね。
そう言われたレイチェルは、「高校時代は、それが、head cheerleader になった」と言っています。
動きが素早くて、場当たり的な人が、チアリーダーのヘッドになれるかどうかははなはだ疑問ですが(笑)、レイチェルに言わせると、チアリーダー時代は、そういう私の性格が重宝されてヘッドにまでなったんだけど、と言いたいようです。

そんな言い合いをしている時、そばを通った女性がロスの髪型を見て微笑んでいます。
ロスはその笑顔を好意的なものと受け止めたようで、「今の女性のあの顔・表情見た?」と言って、僕があのバッドボーイ(=ポルシェ)をクルーズしていたのを見てたに違いない、と言っています。

レイチェルが「あなたの beehive を観察してるんだと思うけど」と言うと、ロスは自分の髪型がそんなにひどく逆立っていることにようやく気づいて、「ブラシを貸してよ」と言うことになります。
beehive は「ミツバチの巣」。ミツバチが群がっている様子から「人が大勢集まって混雑している場所」という意味にもなりますし、「ハチの巣のような形状のもの」を指すこともあります。
今回は、ロスの頭が風に当たってボサボサになっているようすを、beehive と表現したわけですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
beehive :
1. a structure where bees are kept for producing honey
3. a place with many people and a lot of activity

つまり、1 は「ハチミツを作るためにミツバチがキープされている構造物」。3 は「多くの人と、多くの活動がある場所」。
日本語にも「蜂の巣を突ついたような(騒ぎ)」という表現がありますが、「蜂の巣」を、たくさんの人がそこで活動している、という例えに使うのは、日英に共通するニュアンスなんだな、と思いました。


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posted by Rach at 14:21| Comment(0) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月15日

ブレーキランプを交換しといて フレンズ7-22その1

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シーズン7 第22話
The One With Chandler's Dad (パパはキャスリーン・ターナー)
原題は「チャンドラーのパパの話」


モニカの家にロスがやってきます。
ロス: Hey uh Mon, I saw the Porsche parked out front. Can I get the keys? Thought I'd take that bad boy out for a little spin. (ねぇ、モニカ、建物の前でポルシェが停まってるのを見たよ。キーを貸してくれる? あのバッドボーイをちょっとひとっ走り、連れ出したいと思ったんでね。)
レイチェル: Wait a minute! (To Monica) You let Ross drive the Porsche and when I ask you, you say you're the only one who's allowed to drive it. (ちょっと待ってよ! [モニカに] あなたはロスにはポルシェを運転させてるのね。それで私があなたに(ポルシェを運転させてと)頼むと、ポルシェの運転が許されているのは自分だけだって言うじゃない。)
モニカ: Yeah, well he's my brother! And plus he drives so slow he could never hurt it. (ええ、ロスは私の兄さんだもの! プラス、ロスはすごくゆっくり運転するから、ポルシェを傷つけることがないし。)
ロス: It's a car, Monica! Not a rocket ship! (車なんだよ、モニカ! 宇宙船じゃないんだから!)
モニカ: Whatever, Ross! Just replace the bulbs in the brake lights after you're done. (何でもいいわよ、ロス! あなたの運転が済んだ後で、ブレーキライトの電球をただ交換しといてくれれば。)

ロスは部屋に入ってきて、I saw the Porsche parked out front. と言っています。
see the Porsche parked は、see+目的語+過去分詞で、「(目的語が)〜されているのを見る」ということですね。
out front は「外で前で」という感じですから、「建物や家の前の外で」という感覚になります。
Thought といきなり過去形で始まっているのは、主語の I が省略されているということで、「あのバッドボーイを、ちょっとしたスピンに連れ出そうかなって思ってた」みたいに言っていることになります。
この場合の spin は、「一走り、ひとっ走り、ドライブ」のこと。
動詞の spin には日本語の「スピンする」のイメージ通り、「(高速で・急速に)くるくる回る」という意味が基本ですが、その他にも「(車などが)疾走する」という意味があり、その名詞形が今回の「ひとっ走り」のニュアンスになるのですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
spin [noun] : CAR [countable] (informal) a short trip in a car for pleasure
例) Let's take your new car for a spin.

つまり、「(インフォーマル) 娯楽のための、車に乗っての小旅行」。
out のあるなしという違いはありますが、take a car for a spin という形は、今回のセリフもロングマンの英文も同じで、こういう形でよく使われるということがわかります。

ロスがポルシェで一走りしたいからキー貸して、と言ったのを聞いて、レイチェルは「ちょっと待ってよ」と抗議しています。
You let Ross drive... の文章を、前から順番に直訳してみると、「モニカはロスにポルシェを運転させる。そして私があなたに(私に運転させてと)頼む時、モニカは言う、モニカがポルシェを運転することを許されているただ一人の人間だ、って」みたいになるでしょう。
ラフな感じで言うと、「ロスに運転させるわけ? 私がお願いしても、運転していいのはモニカだけだって言うくせに!」みたいなことになりますが、それを英語で言うと、上のようなセリフにしたらいい、ということになるわけですね。
妙にこなれた複雑な英語を思いつこうとする必要もないわけで、「あなたはロスに運転させる。私がお願いした場合には、あなたはこう言うのに」と、言いたいことをそれぞれ文章で区切って、いくつかの文章を並べることで表現したらいい、ということになるでしょう。

「私にはダメっていうくせに、どうしてロスはオッケーなのよ?!」みたいに言われたモニカは、「ロスは私の兄だし、それプラス…」と言って、ロスにはポルシェを貸しても問題ないことを説明しています。
この plus というのは、フレンズでもよく出てきますが、日本語でも何か追加したい時に、「(それ)プラス」みたいに言うので、そのまんまのニュアンスで使える便利な表現ですね。
後半に述べた理由は、「ロスはとてもゆっくり運転するから、決してポルシェを傷つけることがない」。
スポーツカーだからって、荒っぽい運転をしたりしないから絶対に事故ったりしない、だから貸しても大丈夫なのよ、ということですね。

「トロトロ運転するから大丈夫なのよー」みたいにバカにされたのがわかって、ロスは「車なんだよ、ロケット船・宇宙船じゃないんだ」と力説しています。
宇宙を飛ぶ宇宙船じゃあるまいし、道路を走る車なんだから、やたらめったら速く走る必要なんかないだろ、ゆっくり走らせても問題ないだろ、みたいなことですね。

Whatever. もフレンズでよく出てきますが、「何でもいいわ」みたいな投げやりな感覚。
ポルシェのことをどう思おうがロスの勝手にすればいいけど、とにかく replace してくれればいいのよ、みたいにモニカは言っています。
after you're done. は「あなたが済んだ後で」ということですから、ドライブが済んだ後で、ということ。
the bulbs in the brake lights は文字通り「ブレーキライト(ランプ)のバルブ(電球)」ですね。
replace は「取り替える・交換する」ですから、「ドライブが済んだ後、ブレーキランプの電球を交換しといてくれたらそれでいいからね」みたいに言っていることになります。
この replace のニュアンスは、以下のロングマンの語義が近いように思います。
replace : to get something new to put in the place of something that is broken, stolen, too old etc.
例) Two of the tires had to be replaced.

つまり、「何か壊れたもの、盗まれたもの、古くなり過ぎたものなどの場所に入れるために、新しいものをゲットすること」。
例文は、「タイヤの2個は、取り替えの必要があった」。

ロングマンの例文と同様に、古くなった、傷んだものを取り替える、というニュアンスなわけですが、このセリフはつまり、「ロスがドライブ中にブレーキを踏みまくってブレーキランプの電球が傷んじゃうと思うから、私に返す前に新品に交換しといてね」と言っているわけです。
ポルシェが傷つくことはないけど、ブレーキランプだけが尋常じゃないほど酷使されそうだから、それだけ交換しといてね、のように、妹のモニカにも「運転が超トロい」ことをからかわれているというオチになるのですね。


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posted by Rach at 12:26| Comment(2) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月12日

先にしちゃえばオッケー フレンズ7-21その6


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2013年10月13日(日)に神戸市で開催予定の、初のセミナーですが、
おかげさまで、8月11日(日) 午前0時過ぎに満席となりました。
これ以降はキャンセル待ちのみの受付とさせていただきます。
たくさんのお申し込み、ありがとうございました!
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[Scene: Monica and Chandler's, Ross and Joey are reading Chandler's new vows.]
モニカとチャンドラーの家。ロスとジョーイはチャンドラーの新しい誓いの言葉を読んでいるところ。
チャンドラー: Okay, what do you guys think? (オッケー、君らはどう思う?)
ロス: (quietly) Dude! ([静かに] こいつぅ!)
ジョーイ: (starting to cry) I have never known love like this. ([泣きだして] 俺は今までこんな風に愛を知らなかったよ。)
チャンドラー: You really like it? (ほんとに気に入った?)
ロス: Dude! How-how did you write this? (こいつぅ! これをどうやって書いたの?)
チャンドラー: I stole Monica's and changed the name. (モニカの誓いの言葉を盗んで、名前を変えたんだ。)
ロス: You can't do that! (そんなことしちゃだめだよ!)
ジョーイ: If he goes first he can! (先にしちゃえば、できるよ[オッケーだよ]。)

チャンドラーは、自分の最新の誓いの言葉を、男性陣に読んでもらっています。
ロスはそれを読んだ後、感動したような顔をして、Dude! と言っていますね。
dude というのは「人、やつ」という意味の言葉で、男性に対する呼び掛け語としても使われます。
その場合は、「君、お前」みたいなニュアンスですね。
dude という呼び掛け語は、ドラマや映画のセリフでよく出てくるのですが、buddy とかと同じく、なかなか日本語に訳しにくい言葉でもあります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
dude [noun, countable] : (slang) used as a way of speaking to someone, especially a man
例) Dude, look at that car!

つまり、「(俗語) 誰か、特に男性、に話しかける方法として使われる」。例文は、「おい(君)、あの車を見ろよ!」。

今回のロスの Dude! も呼び掛け語のニュアンスで使われているわけですが、ロスの表情と言い方から、この誓いの言葉にすっかり感動している様子がわかるので、Dude, this is really good! 「これってすっごくいいよ、君」みたいに言いたいところが、良いとかの褒め言葉が感動のあまり出て来なくて、Dude! と言うのが精一杯…みたいな感じが出ているわけですね。
「君、お前」みたいなニュアンスですから、「もう君ったら!」みたいな感じで言葉に詰まったような感覚になるでしょう。
日本語で相手のしたことに感銘を受けた場合に、「こいつぅ!」みたいに言うことがあるなぁ、とふと思いついたので、上の和訳はそんな感じにしてみました。

ジョーイも泣きそうな顔になって、I have never known love like this. と言っています。
文末の like this を除くと、「俺は今まで愛を知らなかった」になりますが、like this が入ることで「こんな風に知らなかった」になりますね。
「愛ってほんとはこういうものだったんだ、って、お前の誓いの言葉を読んで初めてわかった、俺なりに今まで愛を知っていた、わかっていたつもりだったけど、愛をこんな風に知るってことがなかったんだ」みたいなことですね。

明らかに感動している様子の二人を見て、チャンドラーは嬉しそうに、「ほんとに気に入った?」と言っています。
ロスはまた、さきほどの Dude! を繰り返すことで、「全くもう、お前ったら!」みたいな感じを出していますね。
ロスは how の疑問文で、「どのようにしてこんな素晴らしい誓いの言葉を書いたんだ?」と尋ねています。
なかなかうまく書けなくて、男性陣に相談したり、またはこの直前のシーンでは、お笑いのような誓いの言葉になっていたりしたのに、どうやっていつの間にこんな感動的な言葉を書けるようになったんだ?みたいなことですね。

チャンドラーは、正直に自分がやったことを告白しています。
Monica's は「モニカのもの」、つまり、Monica's vows 「モニカの誓いの言葉」ですね。
モニカが書いた誓いの言葉をこっそり盗んで、the name 「その名前」を変えた、と言っています。
the name というのは、モニカの誓いの言葉に頻出するはずの相手の名前 Chandler のことで、その名前を Monica に変えて、さも俺がモニカに呼び掛けているように聞こえるようにした、ということになります。

「相手の誓いの言葉を盗むなんて、そんなことしちゃだめだ!」とロスは真面目に言うのですが、ジョーイはジョーイっぽい見解を述べています。
If he goes first he can! の go first は文字通り、「先に行く」ということですから、「(物事を)先にやる、最初にやる」という意味になります。
「チャンドラーが先にやっちゃえば、そうすることは可能だよ」みたいなことで、やったもん勝ち、早い者勝ち、というところです。

早い者勝ち、とちょっと似たニュアンスの言葉をここで紹介しておきます。
それが、first come, first served というフレーズで、LAAD では、
first come, first served : used to say that the first people who arrive somewhere, ask for something etc. will be dealt with before others
例) Seating is available on a first come, first served basis.

つまり、「どこかに到着する、または何かを依頼する最初の人が他の人より前に対応・応対されることを言うために使われる」。例文は「席順は先着順です」。

直訳すると、「先に来る、先に serve される[給仕される]」ということで、まさに「先着順、受付順、早い者勝ち」という感覚になるわけですね。


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posted by Rach at 15:10| Comment(0) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月07日

今のままがいい フレンズ7-21その5


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追記:セミナー満席となりました
2013年10月13日(日)、神戸・住吉で開催予定の初セミナーは、
おかげさまで、8月11日(日) 午前0時過ぎに満席となりました。
これ以降はキャンセル待ちのみの受付とさせていただきます。
たくさんのお申し込み、ありがとうございました!
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[Scene: Central Perk, Phoebe, Rachel, Joey and Ross are talking.]
セントラルパーク。フィービー、レイチェル、ジョーイ、ロスが話しているところ。
フィービー: Y'know, your friends getting married, it's gotta change things. (ねぇ、友達が結婚すると、状況が変わるわよね。)
レイチェル: You really think it would be that different? (そんなに違うことになるってほんとに思う?)
フィービー: How could it not be? I mean pretty soon they're gonna be having kids, and then they're just gonna be hanging out with other couples who have kids. And then maybe they're gonna have to leave the city to be near a Volvo dealership. (違わないってことがどうしてありうるの? だって、近いうちに、二人に子供ができる。それから、子供のいる他の夫婦と一緒に時間を過ごすようになるわ。それから多分、ボルボの販売特約店の近くに住むために、NY を離れなきゃいけなくなるわ。)
レイチェル: Well, things change. (うーん、変わるわね。)
ジョーイ: I don't want them to move to a Volvo dealership! (二人がボルボの店の近くに引っ越して欲しくないよ。)
ロス: It'll be okay, Joe. (大丈夫だよ、ジョーイ。)
ジョーイ: I'm sorry, I just-- I like things the way they are. (ごめん、俺はただ… 今のままの状況がいいんだ。)

フレンズ4人が、チャンドラーとモニカが結婚したらどうなるか、について話しています。
change things は文字通り、「物事を変える」ということですね。
そう言ったフィービーに対して、「(状況が)そんなに違うことになるって、ほんとに思う?」とレイチェルは尋ねています。
that different の that は「そんなにも違う」という感覚で、フィービーが言うほど、そんなにいろいろ変わるのかなぁ?とレイチェル自身が思っていることがわかりますね。

How could it not be? は、How could it not be that different? ということで、「そんなに違わない、ってことがどうしてあり得るの?」という感覚になるでしょう。
英辞郎には、
How could that be?=どうしてそんなことがあり得るの?
というものが載っていますが、それの否定バージョンのようなものですね。

レイチェルは、「ほんとにそんなに違っちゃうのかしら?」と懐疑的だけれども、逆に「そんなに変わるわけない、とかって本気で思ってるの? 違う・変わるに決まってるじゃない、違わないわけがないじゃない」というのが、How could it not be? のニュアンスになるでしょう。
I mean 「つまり」と言って、フィービーは、pretty soon 「近い将来、近いうちに」 こんな風になる、というのを、they're gonna be というフレーズを何度も使って説明しています。
このままの流れで行けば自然とそうなる、という感覚が、be gonna = be going to ですね。

そのうち、二人には子供ができて、子供がいる他のカップルと一緒の時間を過ごすようになる、とフィービーは言います。
hang out with はフレンズ頻出フレーズで、「〜と一緒に時間を過ごす」。大人が友達と遊ぶ、という感覚になります。
つまり、フィービーは、彼らに子供ができたら、独身の私たちと遊ぶよりも、他の子持ち夫婦と遊ぶことが増えるわ、と言っているわけですね。

have to leave the city to be near a Volvo dealership は、Volvo dealership の近くにいる[住む]ために、the city 、つまり、今住んでいるNY市のような都市を離れなければいけない、ということ。

dealership は「販売権」、そして「販売代理店、販売特約店」という意味があり、今回のセリフの dealership は後者の「販売特約店」という「店」を指します。
日本語で、「自動車ディーラー」などと言いますが、そのディーラーが、この dealership なのですね。
なんとなく、日本語で「車のディーラー店」とか「ディーラーのお店」みたいな言い方をすることもあるので、dealershop (店=shop)と間違えそうですが、dealership でそういうお店を指すのがポイントだと言えるでしょうか。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
dealership [noun] [countable] : a business that sells a particular company's product, especially cars
例) Ford dealerships

つまり、「ある企業の商品を売る仕事、特に車」。

つまりフィービーは、子持ち夫婦になったら、ボルボの代理店があるような郊外に引っ越す、みたいなことを言っているわけですが、、、
いろんな車のメーカーがある中で、ここで「ボルボ」を出してきたのには、何らかのイメージがあるのでしょうねぇ??
私がボルボと聞いて思いつくのは、「スウェーデン車」であることと、「お医者さんがよく乗っている車」ということでしょうか。(「ボルボ 医者」でネット検索してみたのですが、「お医者さん=ボルボ」のイメージは結構メジャーなものらしいw)
私にとっては、「事故に強い安全な高級車」というイメージしか浮かばず、小さな子供がいる若夫婦が乗るような連想は働かないのですが、アメリカでは、「ファミリーカー」のイメージを持つようなボルボのCMでもやってるのかしら??と思ったりしました。(安全だから小さな子供を乗せても安心、みたいな?)
あるいは、「都会ではなく、郊外にしか特約店がない」というので有名、とか??

そう言えば、「フレンズ」のエピソードに出てくる車は、結構、高級車が多いですよね。
モニカのパパはポルシェで(それをモニカにあげた)、モニカの元カレである眼科医のリチャードはジャガーに乗っていましたし。
チャンドラーもああ見えて(笑)(設定上は)大企業のビジネスマンだったりしますし、貯金も結構あるようなので、「子供が生まれたら、きっと、安全性の高い高級車を買うに決まってる」みたいなフィービーの決めつけも、実はあまり外れていない、ということなのかもしれません。
「アメリカでのボルボのイメージ」というものは、アメリカ在住の方に聞いた方が早そうなので^^ ご存じの方がおられたらお教え下さいませ。

ジョーイも、「二人がボルボの店の近くに引っ越すなんてやだ」みたいなことを言っています。
フィービーが少し例えに出しただけなのに、今すぐでも引っ越すみたいに思って駄々をこねている様子に、ジョーイの子供っぽさが出ていますね。

なだめるロスにジョーイは、I like things the way they are. と言っています。
直訳すると、(ちょっと回りくどい表現になりますが)「物事が、”今それらがそうである”ようであることを好む」みたいになるでしょうか。
the way they are は「今、それらがそうであるように」という感覚ですね。
つまり、「物事が、今ある状態であってくれることを願う」、いろんな物事・状況が変わらずに、今のままでいてほしい、と言っていることになります。
こういうフレーズを聞くと、私が必ず思い出すのが、ビリー・ジョエルの名曲 Just the Way You Are (邦題:素顔のままで) です。
歌詞の中に、just the way you are というのが以下のような形で何度も出てきます。

I'll take you just the way you are
I want you just the way you are
I love you just the way you are

just the way you are は邦題の「素顔のままで」のイメージ通り、「ただ今の君のまま、ありのままの君、そのままの君」というニュアンス。
「素顔のままで」の歌詞と、今回のセリフとを並べてみれば一目瞭然ですが、
I love you just the way you are
I like things the way they are
は、構造が全く同じです。
love/like、you/things が違っているだけで、「目的語が今の状態であることを好む」と言っているのは同じですね。
歌の歌詞はメロディーに乗せて覚えられるので、記憶に残りやすいですよね。
こんな風に、セリフで良く似たフレーズが出てきた時は、有名な曲の歌詞とリンクさせて覚えてしまうのも楽しいなと思います。


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posted by Rach at 12:49| Comment(5) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする