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シーズン7 第20話
The One With Rachel's Big Kiss (レイチェルとウィノナ・ライダーの秘密)
原題は「レイチェルの重大なキスの話」
[Scene: Ralph Lauren, Rachel is showing Chandler the selection of tuxedos.]
(レイチェルの職場である)ラルフ・ローレン。レイチェルはチャンドラーに、タキシードのセレクションを見せているところ。
レイチェル: (motioning to a rack) So now, these are all the tuxedos that we make and if there's anything that you like, we can make you a deal. Anything at all. (Grabs a few) But these are the three that Monica pre-approved. ([ラックを調べながら] それで、私たち(うちの会社)が作るすべてのタキシードがここにある。あなたが好きなものがなにかあれば、あなたと取引することが可能よ。とにかくどれでもいいの。[2、3個掴んで] でも、ここにあるのが、モニカが事前に承認した3つよ。)
チャンドラー: Well, thanks a lot for hookin' me up, Rach. I want you to know that I want you to attend our wedding as my guest. (俺に服を見立ててくれてほんとにありがとう、レイチェル。君に知っておいてほしいんだ、俺は、君に俺のゲストとして式に出席してほしいと思ってることを。)
レイチェル: I'm Monica's maid of honor. Okay? Don't try to blue-pin me. (私はモニカの花嫁付添役よ。いい? 私をブルーピンしようとしないで。)
チャンドラー: (sees another rack) Well, what's the deal with these? These-these look nice. ([別のラックを見て] これらはどうなの? 素敵に見えるよ。)
レイチェル: Oh, they are nice. We-we custom-make tuxedos for celebrities and then when they're done with them they just send ‘em back. (ええ、それらは素敵よね。うちは、セレブにカスタムメイドでタキシードを作るの。それで、彼らがそれを使い終えた時、ただそれを送り返してくるのよ。)
結婚式間近のチャンドラーは、ラルフ・ローレンで働いているレイチェルに、自分が着るタキシードを見立ててもらっているところ。
we make の we は、ラルフ・ローレン全体、会社を指すニュアンスですね。
「わが社、うちの会社が作るタキシードが全部ここにあるから、好きなものがあれば、どれでも貸せるわよ(取引・契約できるわよ)」と言っていることになります。
どれでもいいのよ、と言いながら、2、3着の服を掴んで、「でもこれがモニカが事前承認した3つよ」というのが面白いですね。
pre-approve 「事前に承認する」という単語は、過去記事、フレンズ2-18その22 にも出てきました。
ジョーイ: I got this credit card application and I was pre-approved! (クレジットカードを申請したら、俺は事前承認されたんだ!)
というセリフで、そんな風にクレジットカードがらみの話でも使われる単語ですね。
thanks a lot for hookin' me up について。
hook はいわゆる「フック、ホック、留め金」のことで、hook up は「ひっかける、つるす、ホックで留める」「つなぐ、接続する、結合する」のような意味になります。
そういう「つながる、結合する」という感覚から、人間同士の話だと「友達になる、仲間になる」、それが恋愛面の話になると「人と性的関係を持つ」という意味としても使われます。
「引っかける」という意味があることから、hooker だと「売春婦」という意味にもなりますね。
では、今回のセリフでの hook me up のニュアンスは何か?についてですが、恋愛系のことを言っているのではなく、「俺と、俺が着ることになるタキシードを結びつけてくれてありがとう」みたいなことを言いたいのかな?と私は思いました。
英辞郎には、
hook someone up with=〈俗〉(人)に〜を与える
のように出ていますが、そんな風に、「人に物を結びつける」→「人に物を与える」ということになるのだろうと。
俺に似合う服を探してくれていることに感謝、という意味で、上では「タキシードを見立ててくれてありがとう」と訳してみたということです。
唐突な感じのお礼の言葉ですが、感謝の気持ちで素直にお礼を言っただけ…でないところが、チャンドラーらしいですね。
ありがとう、と言った後で、「君に俺のゲストとして出席してほしいと思ってることを知っていてほしい」と言っています。
服選びを手伝ってくれたお礼に、是非俺のゲストとして式に出席して、みたいなことですね。
レイチェルはチャンドラーの意図を察し、「私はモニカの付添役よ。私を blue-pin しようとしないで」と言います。
blue-pin というのは、オープニング直後のシーンで、結婚式の座席表(the seating chart)を相談していた二人のやりとりと関係があります。
その表には、出席者の目印に、赤と青のピンが刺してあり、
モニカ: (To Chandler) Okay, the red ones are my guests, and the blue ones are yours. ([チャンドラーに] いいわ、赤いピンが私のゲストで、青いピンがあなたのよ。)
チャンドラー: This is so sad. I mean, I only have like 10 pins. (これってすっごく悲しい。だって、俺はほら、10個くらいしかピンがないんだぞ。)
「私を”ブルーピン”しようとしないで」というのは、「私をチャンドラーのゲストとして、青いピン扱い・青ピン化(笑)しないで」ということで、本来は名詞である、blue pin という言葉を、blue-pin と動詞化して使っているのがポイントとなります。
ありがとう、とか言いながら、どさくさに紛れて、あなたのゲスト側に入れようとしないでちょうだいね、私はモニカの付添人なんだから、とまさに「釘を刺している」感じになるでしょう。
what's the deal with these? は「こっちにあるこれらのタキシードは、どうしたの?どうなってるの?」という感覚。
こっちにもあるのに、こっちはだめなわけ?みたいなことですね。
素敵に見えるのに、何が問題なんだろう、どうして候補じゃないんだろう、みたいなことです。
レイチェルはその別の棚にあるタキシードのことを説明しています。
we custom-make tuxedos for celebrities は「うち(わが社)は、セレブのために、タキシードを注文に応じて作る、オーダーメイド・カスタムメイドで作る、特注であつらえて作る」という感覚。
custom-made clothes 「カスタムメイドの服」のように、カスタムメイドという言葉はほぼ日本語になってしまっていますが、「作られた」という意味の過去分詞形(受動態)の made を、本来の「作る」という能動形で使っているのが、custom-make になるわけです。
be done with は「〜を済ます、終える」という感覚なので、そのタキシードを使い終えた後、自分の服として保管しておくとかいうことをせずに、ただ送り返してきちゃうのよ、と言っていることになります。
わざわざ、オーダーメイドで作ったのに、1回、もしくは数回着た後で、返品してくる、だからこうしてここにある、と説明しているわけですね。
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