2015年10月09日

可能な限り最も優しい言い方で言うと フレンズ9-21その4

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チャンドラーとモニカは、不妊検査のため、医院に来ています。
[Scene: doctor's waiting room]
医者の待合室。
チャンドラー: I have a weird feeling about this place. (pause) How do I know that they are not gonna secretly videotape me and put it all over the Internet? (この場所に、変な感じがするんだけど。[間があって] (医院の人たちが)密かに(こっそり)俺を録画して[隠し撮りして]、それをインターネットに載せる[上げる、公開する]ことはない、ってどうやってわかるの?[そういうことは絶対しないって断言できないじゃないか])
モニカ: Because, honey, and I mean this in the sweetest way possible, nobody's gonna wanna watch that. (だってね、ハニー、可能な限り最も優しい言い方であなたに言うと、誰もそんなの見たいとは思わないわよ。)
(a nurse walks in)
看護師が入ってくる。
看護師: Mr. Bing? (Chandler jumps up) Here you are! You'll go into that room and deposit your specimen into the container. (ビングさん? [チャンドラーは飛び上がる] ここにいるのね! あの部屋に入って、あなたの検体を容器(コンテナ)の中に置いて下さい。)
チャンドラー: Deposit my specimen? You know, usually I have to call a 900 number for that kind of talk. Thanks. Got it. (俺の検体を置く? ほら、普通、そういうトークをするには、900ナンバーに電話しないといけないだろ? [看護師にいやそうな顔をされて] ありがと。了解。)
モニカ: All right. Honey, my tests are down the hall. Are you sure you're gonna be okay? (いいわ、ハニー、私の検査は廊下の先であるわ[行なわれるわ]。あなた、ほんとに大丈夫?)
チャンドラー: Yeah, I guess! (あぁ、大丈夫だと思うよ!)
モニカ: Look, I know this is embarrassing, but nobody cares! No one here even knows you! (ねぇ、これが恥ずかしいってことはわかるわ。でも、気にする人なんかいないわ! ここには誰もあなたを知っている人すらいないのに!)
ジャニス: OH MY GOD!! (オー、マイ、ゴッド!)
チャンドラー: Oh, Come on! (あぁ、勘弁してよ!)

待合室で、チャンドラーはいらいら、そわそわしています。
「この場所について変な感情を持っている」というのは、「この場所って、何か変な感じがするんだよな」みたいなことですね。
How do I know that they are not gonna は、「彼ら(医院の関係者)が〜することはないと、どのようにして俺が知る?」→「彼らがそうしないって、どうして俺にわかる?」→「彼らがそうしないって、俺には言い切れない、断言できない。彼らはそうしちゃうかもしれない(が俺にはそれを知りようがない)」になるでしょう。
何をしないとも限らないと言っているのかが、secretly 以下で、
secretly videotape me 「俺を密かにビデオテープに録画する[隠し撮りする]」
and put it all over the Internet 「そしてそれ(撮ったビデオ)をインターネット上に出す」
になるでしょう。
videotape は「ビデオテープ」ということですが、me を目的語に取る形になっていることから、この場合は「人をビデオテープに撮る、人をビデオ撮影する」という動詞として使われていることもわかりますね。

チャンドラーは不妊検査のため、今から採取などをしないといけないわけですが、そういう行為をしているところを隠しカメラで撮られて、ネットに上げられたりしない、ってどうしてわかる? 医院がそういうことしようとしてるかもしれないじゃないか! と言っているわけですね。

それを聞いたモニカは、Because... 以下のセリフを言っていますが、「なぜならそれは」と理由を説明する部分は、nobody's 以下で、その間のセリフ、honey, and I mean this in the sweetest way possible は、その理由をはっきり言う前に、ワンクッション置いた感じの挿入文となっています。
Because, honey... 以下を訳すと、「だってね、ハニー、そして私はこのことを、可能な限り最も優しい方法で言うんだけどね」という感覚になるでしょう。
「可能な限り最も優しい方法(言い方)で言うと」というのはつまり、「どう表現しても、キツい表現になってしまいそうだけど、そこを精一杯優しく言ってあげるわね」と言っているニュアンスになります。

そんな前振りを付けて言ったその後のセリフは、nobody's gonna wanna watch that. 「誰もそれ(そんなもの)を見たいとは思わない。見たいと思うことにはならない」。
チャンドラーが、「俺のそういう秘密の行為を撮影されて、ネットに上げられたらどうしよう?」と心配しているので、モニカは、「そんなものを誰がネットに上げるもんですか。そんなの、誰が見たいっての? そんなの、見たい人がいるとでも思ってるのー?」みたいに、いつものようにキャンキャンと容赦なく言いたいのでしょうが、感情的に言うことは避け、「できる限り優しい言い方で表現してあげるわね」と言った上で、「誰もそれを見たいとは思わない」という事実だけを淡々と述べた感じになるでしょう。
言い方そのものはキツい感じではないのですが、言っている内容はそのものズバリで結構キツいよね、みたいな面白さですね。

二人がそんな話をしているところに、看護師さんが入ってきます。
看護師は、採取用のカップをチャンドラーに手渡しながら、You'll go into that room and... とこの後の指示をしています。
deposit は「〜を預ける」「〜を(…に)置く」。
specimen は「見本、標本」という意味ですが、今回の場合は、「(検査の対象となる)検体、サンプル」というところですね。

「あなたの検体を置いて(預けて)」と言われたことを受けて、「俺の検体を置け、ですか?」と繰り返した後、チャンドラーは、「そんな類のトークのためには、普通、a 900 number に電話しないといけない」みたいに言っています。
この部分、DVDの日本語訳では「ダイヤルQ2」と訳されていましたが、まさにそれと同じニュアンスですね。
「ダイヤルQ2」と言っても、若い方はご存じないかもしれませんが、「アダルト向け音声が聞けるサービスで、情報料として通常の電話料金以上の料金がかかる」という電話サービスでした。
サービスが始まったのが1989年とのことで(当時私は大学生)、そのサービスを利用した人が高額請求されたなどというニュースを当時よく耳にしたものでした。

そのアメリカ版が、チャンドラーの言っている、a 900 number ということで、以下のウィキペディアに詳しい説明があります。
Wikipedia 英語版: Premium-rate telephone number
premium rate というのは「割り増し料金」ということで、通常の通話料以外に別料金がかかる電話番号ということですね。

北米のアメリカとカナダの例として、英語版ウィキペディアでは、以下のように説明されています。
A 1-900 telephone number, in the North American Numbering Plan, has the form 1-900-###-####, and is often called a 900 number or a 1-900 number ("one-nine-hundred").
チャンドラーのセリフ通り、アメリカではこういう有料通話サービスを、a 900 number (または、a 1-900 number)と呼んでいることがこの説明でわかりますね。
そのウィキペディアには、アジア圏の例も挙がっていて、日本のところには以下の説明がありました。
In Japan, premium rate telephone number service is known as "DIAL Q2" and begin with the prefix 0990 followed by six digits.
やはり、アメリカの 900 number は、日本で言うところの「ダイヤルQ2」であることがここからもよくわかりますね。

看護師さんは、不妊検査の説明として、通常通りの説明をしているだけですが、チャンドラーはそういう会話をしていることが恥ずかしいのでしょうね、どうしてもジョークに逃げたくなって、「あなたの検体を預けて」みたいな会話って、アダルト有料電話での会話みたいですね、などと言ってしまったわけです。
相手の看護師さんは、年配のベテランという感じで、チャンドラーのそのジョークにニコリともせず、真顔でチャンドラーを見つめています。
それでチャンドラーは、それ以上、おふざけを言うのはやめて、「ありがと。了解(わかった)」と小さな声で言うことになります。

モニカはチャンドラーに、「私の検査は down the hall である(行われる)」と言っています。
down の基本的な意味は、「下へ、低い方へ」という意味で、方位で言うと「南へ」になります。
この場合は、厳密な方位を言っているのではなくて、「(今いるここから)離れて、離れたところへ」「ここから離れて、向こうに行った先」という感覚になります。
ですから、down the hall は「廊下の先で(に)、廊下を行った所で(に)」ということですね。
廊下を行ったところにある部屋で私の検査は行われる、私はあなたと違う場所で検査を受ける、ということで、それで「私は一緒にいられないけど、あなた一人で大丈夫?」と尋ねているわけですね。
「大丈夫だと思う」と答えるチャンドラーに対して、モニカは励ましの言葉をかけています。
「これ(こういう検査を受けること)が恥ずかしいってことはわかるわ。でも、誰も気にしない(気にする人なんか誰もいない)! ここではあなたを知っている人すら誰もいないのよ!」ということですね。
そういう言葉を言いながら、チャンドラーの首に手を回してハグし、そして軽くキスをするのですが、そういう二人の背後から、あのおなじみの声が聞こえてきたので、観客も大爆笑、拍手と歓声も起こっています。
出てきただけでこれほど喜ばれるって、ジャニスは本当に「おいしいキャラ」ですね。
シーズン8では、フレンズ8-23, 8-24 (エマの出産のためにレイチェルが入院した時)に出てきましたので、ほぼ1年ぶりの登場となります。
「ここには誰も知ってる人なんかいないんだから」とモニカが励ました矢先、「誰よりも会いたくない人に会ってしまった」チャンドラーの衝撃いかばかりか、という面白さなわけですね。


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posted by Rach at 13:42| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月07日

The MetとMets フレンズ9-21その3

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前回のエピソードでは、ロスは新任教授のチャーリーに惹かれ、レイチェルはソープオペラパーティーで、出演俳優といい感じになりながらも、やはりジョーイへの気持ちを断ち切れず、彼にアプローチしようとしていました。
そのエピソードの終わりのシーンで、チャーリーを探していたロス、ジョーイを探していたレイチェルは、ジョーイとチャーリーがキスしているところを目撃してしまいます。
「ジョーイとチャーリー」というのは、非常に意外な組み合わせなのですが(笑)、二人はパーティーで意気投合し、お互いに惹かれ合ってしまった様子で、今はすっかり仲睦まじくなっています。
ジョーイの部屋にチャーリーがやって来て、軽くキスをした後で、二人が会話している場面。
チャーリー: So I am just so excited to be here. And I can't wait to start exploring the city! (それで、ここにいる(ニューヨークにいる)なんて、とってもわくわくするの。街を探索するのが待ちきれないわ!)
ジョーイ: Hey, if you need a tour guide... (point to himself) (ねぇ、もしツアーガイドが必要なら… [自分自身を指さす])
チャーリー: Oh, you mean it? That would be so fun! (まぁ、ほんとに? もしそうならとっても楽しいわ!)
ジョーイ: Oh, yeah, definitely, definitely. Okay. What do you wanna see first? (あぁ、そうだ、その通りだよ。よし。最初に何を見たい?)
チャーリー: Oh, well, we could go see the Kronos Quartet at Avery Fisher Hall. (あぁ、そうね、エイヴリー・フィッシャー・ホールで、クロノス・カルテットを見に行けるかも。)
ジョーイ: (looking puzzled and nodding) Okay! ([悩むような顔をしてからうなずいて] オッケー!)
チャーリー: And there's a collection of Walt Whitman letters on display at the public library. (それから、ウォルト・ホイットマンの書簡コレクションが公立図書館で展示されてるわ。)
ジョーイ: I know, yeah! (知ってる、そうだよね!)
チャーリー: But first, I have to see the Met. (でも(やっぱり)最初に、ザ・メット(the Met)を見ないと。)
ジョーイ: Okay, let me stop you right there. The Mets suck, okay? You wanna see the Yankees. (ちょっと、ここで君を止めさせて。ザ・メッツ(the Mets)は最低だよ、いい? 君はヤンキースを見た方がいい。)
チャーリー: No. No, not the Mets. The Met. Singular. (違う、違うの、ザ・メッツじゃないわ。ザ・メット。単数形よ。)
ジョーイ: Which one? They all suck. (どれ[どいつ]のこと? (メッツの)やつらは全員、最低だよ。)
チャーリー: The museum. (美術館よ。)
ジョーイ: (looking puzzled) I don't think so. ([悩んだ顔をして] 俺はそうは思わないな。)

チャーリーは「ここ(ニューヨーク)にいるなんて、すごくわくわくする。この街(ニューヨーク)を探索するのが待ちきれない」と言っています。
すると、ジョーイは、「もし、ツアーガイド(観光ガイド)が必要なら…」と言って自分自身を指さします。
なんなら、ニューヨーカーの俺が君を案内してあげるけど? という申し出になります。

you mean it? は、「それってほんと?」みたいな感じですね。
mean は「〜のつもりで言う」という意味なので、「ただ話の流れ的におあいそでそう言ってるだけじゃなくて、本当にそのつもりで言ってくれてるの?」と、相手の発言が本心からのものであるかどうかを尋ねている感覚になります。
That would be so fun! は、would に仮定のニュアンスが込められていて、「もしほんとにジョーイが案内してくれるんだとしたら、すっごく楽しいものになるわね」という意味になります。

ジョーイが「最初に何を見たい?」と尋ねると、チャーリーは、the Kronos Quartet at Avery Fisher Hall と言っています。
それを聞いたジョーイは、口をつぐんで、しばらく目を丸くした後で、Okay! と言っています。
その表情から、「チャーリーの言った場所の見当がつかない。何のことを言っているのか全然わからない」ということがわかりますね。
ジョーイも知らないわけですし(笑)、このやりとりについては、「チャーリーが行きたいと言った場所が、ジョーイにはわからなかった」ということが読み取れればそれで良い、ということになります。
大学教授であるチャーリーが行きたがっている場所で、ジョーイが知らない場所、であることから、おハイソな場所、高尚な場所であることも想像できればそれで十分ですね。
一応どんなところか知っておきたいという方は、Google 画像検索で、Avery fisher hall と入れると、オーケストラが演奏するような絢爛豪華なホールの写真がたくさんヒットします。
いかにも、「こーゆーのはジョーイは知らないだろうなぁ」という場所ですね。

詳しくは以下のウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版: エイヴリー・フィッシャー・ホール
ウィキペディアの説明にあるように、「ニューヨーク・フィルハーモニックの本拠地」ということで、それだけでこのホールの格がわかるというもの。
ホールがこの名前になった経緯なども、ウィキペディアで説明されています。

Kronos Quartet も、ウィキペディアにありました。
Wikipedia 日本語版: クロノス・クァルテット

次にチャーリーが挙げたのも、固有名詞が入っていて、それを聞いたジョーイは I know, yeah! と知ったかぶりをしていますが、その様子から「今度のこれも全然わかんない」ことは明白ですね。
there's a collection of Walt Whitman letters on display at the public library. を直訳すると、「公立図書館で展示(陳列)されている、ウォルト・ホイットマンの書簡(手紙)コレクションがある」ということですから、もう少し自然な日本語っぽくすると、「ホイットマンの書簡コレクションが公立図書館で展示されている」ということですね。

ウォルト・ホイットマンは、アメリカの詩人。
Wikipedia 日本語版: ウォルト・ホイットマン
ウィキペディアに詳しい説明がありますが、代表作は「草の葉」(原題: Leaves of Grass)だそうです。
ウィキペディアの記事中、他の著者との交流に関する説明で、「二人はホイットマンの死まで書簡を交わしていた」という記述もありますので、「ホイットマン書簡展」という展示は、「いかにもありそうな展示」ということになるでしょう。

ジョーイが全くわからないものを2つ挙げた後、チャーリーは、But first, I have to see the Met. と言っています。
それまでは何を聞いてもチンプンカンプンで、さも知っているような顔で軽く流していたジョーイですが、ここでは、let me stop you right there. と言って、チャーリーの発言を軽く止めています。
「ちょうどそこで君を止めさせて」ということですから、「その発言、ちょっと待って。そのまま続けて話さないで、ここで俺に一言、言わせて」という感覚ですね。

チャーリーの発言を止めてのジョーイの言葉、The Mets suck, okay? You wanna see the Yankees. について。
まず、The Mets suck, okay? と言ったところで、観客がかなり笑っています。
これは、チャーリーが言った、the Met を、ジョーイが the Mets と勘違いしていることがわかったので、観客は即座に反応しているわけですが、その後の、the Yankees. の発言が、その勘違いをさらにはっきりさせる効果を生んでいます。

これについてはまず、チャーリーが言った the Met が何を指しているかをわかっていないといけませんね。
The Met とは、マンハッタンにある「メトロポリタン美術館」のことで、Google 検索で、「the Met」と入れると、The Metropolitan Museum of Art がしっかりヒットします。
そのことからも、The Met は、「誰でもそれだけでピンと来る」広く知られた略称だということがわかりますね。
日本人の場合は、「メトロポリタン美術館」という名称は知っていても、その略称 The Met は知らないかもしれないので、その場合には、チャーリーのこのセリフも、瞬時にわかるのは難しいかもしれません。
ちなみに私は「メトロポリタン美術館」と聞くと、昔、「NHKみんなのうた」に出てきた「メトロポリタン美術館(ミュージアム)」という歌が、頭の中をグルグルします^^ (歌っていたのは、大貫妙子さん)

チャーリーとジョーイのこのやりとりの面白さは、誰でも知っているはずの、The Met = The Metropolitan Museum of Art であることをジョーイが知らなくて、チャーリーが、The Mets のことを言っていると勘違いしたところにあります。
ジョーイが言った、その The Mets の方ですが、こちらは日本人でも「メッツ」と聞けばピンと来るように、アメリカ大リーグの球団「ニューヨーク・メッツ(New York Mets)」のことですね。
Wikipedia 日本語版: ニューヨーク・メッツ に、興味深いことが書いてありました。
ちなみに「メッツ」とは1880年代に存在したニューヨーク・メトロポリタンズ(メトロポリタンとは都会人の意)というチームの愛称を元にしている。
野球チームの「メッツ」という名前の由来も、美術館と同様に、metropolitan という単語の略称から来ている、ということですね。

The Mets suck, okay? の suck は「最低である」(= be terrible)という意味の動詞。
フレンズでは、That sucks. 「そんなのってひどい。そんなのって最低」のような形でよく登場しますが、このように主語が that などの場合は、「3単現の -s 」がついて、sucks という形になります。
今回のジョーイのセリフでは、主語が the Mets と複数形になっているので、3単現の -s がつかない suck が使われているということですね。
このセリフで、ジョーイが「(野球チームの)メッツは最低だよ」とけなしているわけですが、その後のセリフ、「君は(メッツじゃなくて)ヤンキースを見た方がいいよ(見るべきだ)」という発言で、「ジョーイは the Met という美術館を、the Mets (野球チームのメッツ)と勘違いしている」ということがより明確になる、という仕組みです。
ヤンキースとメッツは、共に本拠地がニューヨークで、2チームの試合は「サブウェイ・シリーズ」と呼ばれて盛り上がったりしますよね。
ジョーイはニューヨークの2つのチームのうち、ヤンキースの方が好きであることがこの発言からわかります。

「ニューヨークでメッツを見るんなら、ヤンキースを見た方がいい」というジョーイの言葉で、ジョーイが勘違いしていることに気づいたチャーリーは、No. No, not the Mets. The Met. Singular. 「違うわ。the Mets じゃなくて、the Met よ。単数形よ」と言って、間違いを指摘しています。
「メッツって言ったら野球チームになっちゃうけど、私が言ったのは、メッツじゃなくて、メットなの、-s はつかない方よ」と説明したことになるのですが、その後のジョーイのセリフが、さらにまた面白いですね。

Which one? は、「単数形の Met って、Mets のうちのどの Met のこと?」と問い返している感覚。
つまり、Which one? = Which Met? 「どれ? どいつ?」=「どのメット?」というニュアンスですね。
そして、They all suck. は、「彼ら(Mets の中の Met たち)はみんな(全員)、最低だ」と言っていることになります。
そして、ジョーイが言わんとしている、単数形の Met とは、この場合は、「メッツという野球チームの中の選手一人」を意味します(これについては、後述します)。

「メトロポリタン美術館の略称が The Met である」ということを少しでも知っていれば、チャーリーが「複数形じゃなくて、単数形の方」と指摘した際、「あぁ、君が言ったのは、メッツじゃなくて、メット(美術館)の方ね!」とわかるのですが、美術館などに関心なさそうなジョーイは、それが美術館の略称であるなんて、全く気付いていないのでしょう。
the Met という単数形だと説明しても、まだ野球のメッツのイメージから抜け出すことができず、「単数形ってことは、チームじゃなくて、選手個人の話? 君はメッツの選手の誰のことを言ってるの?」みたいに問い返したことになります。
そして、「君はメッツのどの選手を見たいのか知らないが、メッツの選手はどいつもこいつも最低だよ」という意味で、They all suck. と続けたことになります。
そのセリフを言わせることで、「ジョーイがまだ野球チームの話だと勘違いしていること」が一段とはっきりするという(脚本上の)効果もあるわけですね。

その後、チャーリーは、「The Met というのは美術館のことよ」という意味で、The museum. と答えるのですが、ジョーイはそれを聞いて、しばらく考えた後、I don't think so. と言っています。
この I don't think so. については、DVDの日本語訳では
(字幕)そんな選手いない/(音声)そんな選手、いないよ
と訳されていましたが、「その発言のジョーイの意図」を汲むと、確かにそういう意味で言っているように、私にも思えました。

とにかくこのシーンでは、ジョーイは、The Met が美術館であるとは全く気付いていない、ジョーイとしては、Met/Mets と聞くと、ニューヨーク・メッツしか思い浮かばない、という徹底ぶりが面白さの基礎となっています。
ですから、シーンの最後でチャーリーが、「私が言っている The Met は美術館のことよ」とまではっきり言ったのに、それでもまだ(!)ジョーイは野球チームのことだと思い込んでいて、「ジョーイの Which one? (Which Met?) に対する答えが、The Museum であると思った」、つまり、「メッツのどの選手のこと?」という問いに対して、チャーリーが、「ザ・ミュージアム」という「名前(らしきもの)を答えた」とジョーイは勘違いしたのだろうと思います。
それで、しばらーく考えた上で、「俺はそうは思わない」と返したわけですが、その意味は、「チャーリーは、メッツのザ・ミュージアムという名前の[と呼ばれている]選手に会いたいと言っているようだけど、そんな選手聞いたことないなぁ。でもチャーリーがわざわざ名前を出したんだから、そういう名前の選手いるのかな」みたいに思って、名前に聞き覚えがないながらも、名前を出したチャーリーに話を合わせる形で、「チャーリーはその選手がすごいと思っているみたいだけど、俺はそうは思わないな」と否定した、それが、I don't think so. なんだろうなと私も思ったわけです。
つまり、You want to see him (= the Museum) that much? I don't think he's that good. 「君はその彼にそんなに会いたいの? その選手、そんなにすごいって俺は思わないけど」ということなんだろうなぁ、と。
I don't think so. と言うまでの間に、かなりの時間の間(ま)があるのですが、それも「そんな選手いたっけなぁ〜?」と考えを巡らせてみていることの表れなのかなと思うわけです。

最初、このセリフを見た時には、「メットって美術館のことよ」と指摘したチャーリーに対して、「俺はそうは思わないな。メットってのは、野球チームのことだけど?」という意味で、I don't think so. と返したのかと思ったのですが、DVDの日本語訳が「そんな選手、いないよ」となっていたのを見て、「ジョーイは、The museum をメッツの選手の名前だと思っている」方が、確かに面白いな、と思ったのです。
The museum を文字通りの「美術館」という意味だとも気づかずに、「メッツの1選手の名前」だと最後まで勘違いしていると考えた方が、フレンズっぽいオチになるような気がしたのですね。

I don't think so. 「俺はそうは思わない」という表現が、何だかとても漠然としているので、具体的に何についてそう言っているのかがはっきりしないのが残念なのですが、「チャーリーがメッツを見たいと言っている、メッツのある選手に会いたいと言っている」ということに対して、「メッツなんか最低だよ」と思っているジョーイが、「君はそんな風に思っているようだけど、俺は賛成・同意しかねる」という意味で、I don't think so. と言った感覚なのかな、と私は思ったということですね。
もし、the Museum を人名と勘違いしたのだとしたら、この最後のセリフが、I've never heard of him. 「その彼(the museum って名前の選手)のこと、今まで聞いたことない」みたいなセリフになっていれば、人の名前と勘違いしていることがはっきりしたのかもしれません。

最後に、「単数形の Met が、メッツ(Mets)という野球チームの中の選手一人を意味する」ことについて説明します。
まずは簡単にイメージの話から。
野球チームなど、複数で行うスポーツのチーム名は、Mets, Yankees のような複数形になっていることが多いですね。
これは複数の選手が集まっているからで、逆に考えると、「Mets というチームは、単数形 Met が集まったもの」だと言えるので、Mets というチームの中の選手一人は、Met という単数形で表わすことができる、ということになります。
これについては、過去記事、フレンズ2-20その20 で、Yankees という言葉が出てきた時に、「ヤンキースの選手一人を指す時は、Yankee と言います」と解説したことがありました。
その時に参考例として挙げたのが、松井秀喜選手の英語版ウィキペディアだったのですが、
英語版ウィキペディア: Hideki Matsui
今回改めて調べてみると、その松井選手のウィキペディアでは、「ヤンキースの(一人の)選手」として、単数形の Yankee が使われている文章が、合計3回も出てきていました。
3箇所の文章を引用させていただくと、

1. On July 28, 2013, Matsui signed a one-day minor league contract with the New York Yankees in order to officially retire as a Yankee.
2. At the 2003 Yankee home opener, he became the first Yankee to hit a grand slam in his first game at Yankee Stadium.
3. He became the first Yankee to drive in seven runs in a game at Fenway since Lou Gehrig in 1930.


1. の as a Yankee は、「ヤンキースの選手として」ということですね。(これを「ヤンキーとして」と訳すと、何だか別の意味(「ヤンキーの兄ちゃん」みたい)に聞こえてしまいそうですね^^)
2. と 3. はどちらも、he became the first Yankee to... 「彼は〜した最初のヤンキース選手となった」という表現になります。

ヤンキースを例に挙げて説明することになってしまいましたが、今回のジョーイのセリフもこれと同じように、the Met という単数形を「メッツの1選手」という意味で解釈した、ということですね。


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posted by Rach at 15:03| Comment(2) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月05日

全てが問題ないとわかるのは良いこと フレンズ9-21その2

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明日、不妊検査(fertility tests)を受けることについて、話をしているチャンドラーとモニカ。
チャンドラー: Do we really need to take those tests? (俺たち本当に、そんなテストを受ける必要あるの?)
モニカ: Honey, we've been trying to have a baby for over a year. I think it's a good idea to find out if everything's okay. Just a few routine tests. (ハニー、私たち、一年以上も赤ちゃんを作ろうとトライし続けてるのよ。全てがオッケーか(問題ないか)どうかわかることはいい考えだわ。2、3のお決まりのテストがあるだけよ。)
チャンドラー: But I don't wanna do it in a cup! (でもカップの中でそんなことしたくないよ。)
モニカ: What is the big deal? (何がそんなにおおごとなの?)
チャンドラー: It's weird! You're in a doctor's office. (ヘンだよ! (それをする時には)医院にいるんだよ[医院の中でそんなことをするんだよ]。)
モニカ: It's not okay to do it in a doctor's office but it is okay to do it in a parked car behind a Taco Bell? (それを医院でするのはオッケーじゃないけど、それをタコベルの後ろに駐車した車の中でするのはオッケーなわけ?)
チャンドラー: (embarrassed) I cannot believe Ross told you that! (pause) And in my defense, it was a Wendy's! ([恥ずかしそうに] そのことをロスが君に話したなんて信じられないよ。[間があって] そして、自己弁護のために言っとくけど、(タコベルじゃなくて)ウェンディーズだったんだ!)

「明日は不妊検査がある」と言ったモニカに対して、チャンドラーは、「俺たち本当に、そういうテスト受ける必要ある? 受けなきゃダメ?」と返します。
モニカは、have been trying という「継続を表す現在完了進行形」を使って、「私たちは、1年以上に渡って(for over a year)、子供を持とうと(子供を作ろうと)トライし続けてるわ」と言っています。

二人が子作りにトライしよう、と決めたのは、過去記事、今じゃないといけないって言ってるわけじゃないけど フレンズ8-23その2 の頃でした。
レイチェルの出産を待ちながら病院にいる時に、育児室にいる赤ちゃんを見て、チャンドラーが最初にそれを口にして、モニカもすぐにそれに同意して、その病院の空きベッドで早速エッチしたりしていた二人でしたが(笑)、今がフレンズ9-21 で、決めたのがフレンズ8-23 ですから、エピソードの放映時期で考えると、厳密には「1年弱」となり、for over a year 「1年以上に渡って」ではないですね^^
また、エピソードの内容面で見た場合でも、エマの出産直前に子作りを決めたことになるのですが、エマの1歳の誕生日のエピソードはフレンズ10-4 に当たるので、エマが1歳になる前の現在だとやはり、「1年以内」ということになってしまいます(まぁ、よくある”設定の不一致”というやつに過ぎませんが…笑)。

その後、モニカは、「全てがオーケーかどうかがわかることは、良い考えだと思う」と続けます。
everything's okay とは、「妊娠するために必要な項目が全てオッケーである」というような感覚ですね。
子作りしようとする時に、何も問題ない、とわかっているのはいいことでしょ、と言っているわけで、モニカとしては、「何か問題があるかどうかを知りたい」というよりも、「何も問題ないと言ってもらえたら、これからも安心して引き続きトライし続けることができるでしょ」みたいな、前向きな言い方をしているように思えます。
それはモニカ自身がそう思いたいこともあるでしょうし、また、テストを受けることに後ろ向きなチャンドラーに対して、「子供ができない原因が何かを探す」と表現してしまうと、ますます後ろ向きになりそうなので、「何も問題ないってわかったら、心配もなくなるでしょ」みたいな方向で話を進めているような気もします。
モニカが、「2つ3つのルーティンテスト(お決まりのテスト)があるだけ」と言うと、チャンドラーは、「でも俺は、カップの中でそれをしたくない!」と言っています。
不妊検査でのカップに採取するというその行為がいやだということですね。

「何がおおごとなのよ。何をそんなに大騒ぎしてるのよ」みたいにモニカに言われ、チャンドラーは、「ヘン(weird)だよ!」と言って、You're in a doctor's office. と続けます。
doctor's office は「医者の診療室」ということですが、日本語に訳す場合は「医院」くらいで良いでしょう。
医院の一室で、カップの中にそういう行為をするのがイヤだと言っているわけですが、この主語の You're は、「自分のことを、一般の人々を表す you で表現している感覚」になるだろうと思います。
「そういう行為をしないといけない時には、俺も君も医院にいるんだぞ」と、いる場所を相手にイメージさせるようなニュアンスになるでしょう。
I have to do it in a doctor's office. ということを言いたいわけですが、とにかくその「場所」がチャンドラーにとっては問題であって、本来は人に隠れて行うような行為を、人がたくさんいるような医院でする、というのがいやだということですね。
それで、It's weird! You're in a doctor's office. 「ヘンだよ! (だって想像してみてよ)医院にいるんだよ!」と、相手にその状況をリアルに想像させるような言い回しを使っているのだろうと思います。

医院でするのはいや、というチャンドラーに対して、モニカは、It's not okay to do it in A, but it is okay to do it in B という文を使って、「A (という場所)でするのはオッケーじゃなくて、B (という場所)でするのはオッケーなの[オッケーなわけ]?」みたいに問い返します。
A はチャンドラーが言っている医院で、「医院ではダメなのに、B ではオッケーなの?」と言ったことになるので、その表現から、過去にチャンドラーがその B の場所でそういうことをしたことがある、と言っていることになります。

B の場所は、(in) a parked car behind a Taco Bell で、「タコベル(大文字なので店の名前)の後ろに駐車した車の中で」になりますね。
タコベルは、taco という単語から想像できる通り、タコス(tacos)などのメキシコ料理のチェーン店。
Wikipedia 日本語版: タコベル にも説明がありますが、2015年4月に、渋谷に(日本再上陸の)日本第1号店がオープンしたそうです。
たまたまこうして、ブログでセリフを解説する半年ほど前に、日本にお店がオープンした、というのも何だか嬉しいです(^^)

そう言われたチャンドラーは、恥ずかしそうな顔をして、「そのことをロスが君に話したなんて信じられない」と言っています。
その発言から、「その話、ロスから聞いたんだな!」「その話を知ってるのはロスだけだったのに、ロスが妹である君(モニカ)に話したんだな!」と言っていることがわかりますね。

その後、少し間を置いてから、And in my defense, it was a Wendy's! とも言っています。

in my defense は、「自己弁護のために言うと」という意味。
まさにそのまんまのタイトルの過去記事、自己弁護のために言うと フレンズ5-13その6 でも、そのフレーズについて解説しています。

直訳すると、「そして俺の自己弁護のために言うと、それは(タコベルじゃなくて)ウェンディーズだった」と言っていることになります。
DVDの日本語訳も、「名誉のために言っとくけど」となっていましたが、まさにそういうニュアンスで使っていることになりますね。

「ロスがそれをしゃべったんだな。でも俺の名誉のために言わせてもらうと、、」という流れになった場合、「ロスはそう思ってるようだけど、実際には俺はそこでそんなことはしてない!」と、「そんな行為はしていない」という話になることが(普通は)予想されます。
それが、「そんな行為はしてない」ではなくて、「(行為をした場所は)(タコベルじゃなくて)ウェンディーズだった」と場所を訂正しているところに、ジョークのポイントがある、ということになるでしょう。

と同時に、「自己弁護のために言うと」の続きとして、店の名前を訂正していることから、チャンドラーとしては、「本当はウェンディーズだったのに、それをタコベルだった、と思い違いされているのは心外だ」という気持ちがあることが示唆されるわけですね。
タコベルとしては、あまり嬉しくない言われようですが(笑)、チャンドラーの中での位置付けでは、ウェンディーズの方が上になっているということになるでしょう。
わざわざ in my defense と言って付け足した情報が、「そんなことはしてない」ではなくて、「場所はそこじゃない」だったという面白さと、わざわざ訂正した店の名前が、メキシコ料理(タコス)とアメリカ料理(ハンバーガー)という違いがあるものの、どちらもファストフードのチェーンなので、「超高級レストランと比較するほどの極端な差があるような気もしない」ところに、このセリフの面白さがある気がしました。


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2015年10月02日

観衆を知れ=相手を考えて フレンズ9-21その1

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シーズン9 第21話
The One With The Fertility Test (不妊検査にドッキドキ!)
原題は「不妊検査の話」


[Scene: Monica and Chandler's apartment]
モニカとチャンドラーのアパートメント
モニカ: (entering) Hey, honey! I missed you today! ([入ってきて] はい、ハニー! 今日はあなたが恋しかったわ!)
チャンドラー: Oh, yeah? (おぉ、そうなの?)
モニカ: Yeah. Hey. (they kiss) What d'you wanna do tonight? (そうよ。ねぇ。[二人はキスする] 今夜、何したい?)
チャンドラー: Oh, well, maybe we could.... (he sweeps the stuff off the table and wordlessly invites Monica to have sex on it) (あぁ、そうだな、多分、俺たちはこうできるんじゃないかな… [チャンドラーはテーブルの上からものを払い落として、その上でエッチしようと無言でモニカを誘う])
モニカ: Okay, trying to turn me on by making a mess? Know your audience! Besides, tomorrow we're doing those fertility tests. And until then, you need to keep your tadpoles in the tank. (そうね、散らかすことで私をその気にさせようとしてるの? 観衆を知りなさい![相手を考えなさい! 私を誰だと思ってるの?] それに、明日は私たち、例の不妊検査を受ける予定よ。だからそれまでは、水槽(タンク)にオタマジャクシを貯めておく必要があるのよ。)

帰宅したモニカは、チャンドラーを見て、「恋しかったわ」と言っています。
キスした後に、モニカが、「今夜何したい?」と尋ねると、チャンドラーは、「多分、俺たちはこういうことできるよね…」と言いながら、ト書きにあるように、テーブルの上にあるものを手で払いのけて、「この上でエッチするっていうのはどうかな?」と誘うような表情を見せています。

それを見たモニカは、trying to turn me on by making a mess? と言っています。
(You are) trying to... ということで、turn on は「スイッチを入れる」ということから恋愛関係だと「その気にさせる」という意味になり、make a mess は「散らかす、めちゃくちゃにする」ですから、「あなたは、散らかすことで、私をその気にさせ(私に火をつけ、私を燃えさせ)ようとしてるの?」と言っていることになります。
その次の、Know your audience. という表現が面白いですね。
直訳すると、「あなたの(自分の)観衆(観客・聴衆)を知れ」ということで、つまりは、「あなたがその行動を披露した相手が誰であるかを知りなさい」と言っていることになります。
DVDの日本語字幕では、「散らかされて 私が燃えると? 相手を考えて」となっていましたが、まさにそういうことですね。
テーブルのものを払いのけることで、ここでエッチしようよ、とアピールしたチャンドラーでしたが、そういうアピールがウケる、通じる相手かどうか考えて行動しなさいよ、みたいに言ったことになるでしょう。
他の人なら、「まぁ、あなたってワイルドね」みたいに喜ぶかもしれないけれど、「整理整頓大好き」な私モニカが、ものを散らかされて喜ぶわけないでしょ、片付けなきゃとか思って、エッチどころじゃなくなるわ、みたいに言った感覚になるでしょう。
行為・行動で自分の意図を示したチャンドラーに対して、「その行動を見る相手の観衆が誰かを考えて行動しなさい」と言ったことになるわけですね。

その後、Besides 「それに加えて、その上」、「明日、私たちはあの(例の)fertility tests をする(受ける)予定よ」とも言っています。
fertility は、fertile 「(土地が)肥沃な」「(動物が)多産な、繁殖力のある」の名詞形で、「肥沃、多産」「繁殖力、受精力」という意味になります。
つまり、fertility tests は「受精力を測るテスト」ということで、もう少し一般的な用語で言うと「不妊検査」ということですね。
その後、「だからそのテストを受けるまでは、あなたは、keep your tadpoles in the tank する必要がある」とも言っています。

tadpole は「おたまじゃくし」。
研究社 新英和中辞典の語源では、
語源:toad+poll 「頭」
と説明されています。
どちらも微妙に綴りが違いますが、tad は toad から、pole は「頭」の意味の poll から来た、ということになります。
toad は「ヒキガエル」のこと。
そして、poll という単語は、現在では「世論調査」という意味で使われますが、その poll の語源については、研究社 新英和中辞典に、
語源:中期オランダ語「頭」の意
と説明されているように、元々は「頭」という意味だったようですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) の poll [noun] の Etymology にも、
1600-1700 poll head (13-19 centuries), from Middle Low German ; from the idea of counting heads
と説明されています。
「頭を数える」ことから「世論調査」という意味になった、ということですね。

tank は「タンク、水槽」ということですから、直訳すると、「(不妊検査まで)あなたはタンク(水槽)にあなたのオタマジャクシをキープしておく(貯めておく)必要がある」と言っていることになります。
形や動きのイメージから、精子(sperm)のことを、ちょっとユーモラスに「オタマジャクシ」と表現しているわけで、検査で必要だから、その前にエッチしちゃダメでしょう? と言っていることになるわけですね。


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2015年09月30日

Have mercy! フレンズ9-20その6

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アパートメントの屋上で行われているソープオペラのパーティーで、レイチェルは、出演俳優から電話番号をもらったりしています。
それを見たモニカは、
モニカ: (to Rachel) Look at you with all the guys! ([レイチェルに] あの男性たちと一緒にいるなんて[うまくやってるなんて]、あなたってすごいわね!)
レイチェル: Yeah! (そうでしょ。)
モニカ: I guess you've forgotten all about Joey? (あなたはジョーイのことをすっかり忘れちゃったみたいね。)
レイチェル: Yeah, well, I guess I have forgotten about Joey. And clearly, you've forgotten about Chandler! (そうね、ジョーイのことは忘れちゃったみたい。そして明らかに、あなたはチャンドラーのことを忘れちゃってるわね。)
モニカ: Please. Chandler's the love of my life. (At which point a man in leather pants walks by) ... oooh, leather pants! Have mercy! (Follows the man in the leather) (よしてよ。チャンドラーは私の運命の恋人よ。[その時、革パンをはいた男性が近くを歩いて通る] うぅ〜、革パンよ! どうかお慈悲を! [革の男性の後についていく])

Look at you with all the guys! を直訳すると、「あの男性全てと一緒のあなたを見てよ!」みたいになるでしょうか。
DVDの日本語訳では、「なんなの、あなた。モテモテじゃん」と訳されていましたが、まさにそんな感じですね。
マシューを始め、他の俳優たちともいい感じになっている様子のレイチェルを見て、「あの男性たちと一緒にいるあなた自身を見てみてよ!」→「あんな大勢の男性にモテモテなんて、あなたって何てすごいの!」と褒めている感覚ですね。

I guess you've forgotten all about Joey? は、「あなたはジョーイに関する全てのことを(すっかり)忘れてしまった(完了形)と思う」というところ。
そう言われたレイチェルは、ほぼ同じ内容を繰り返す形で、I guess I have forgotten about Joey. 「私はジョーイのことを忘れてしまった、と思う」と返します。
ソープオペラの俳優たちと仲良くしている間に、ジョーイに対する気持ちは忘れてしまえた、というところですね。
「ジョーイのことは忘れられたみたい」と言った後、And clearly, you've forgotten about Chandler! とレイチェルはモニカに言っています。
「そして、明らかに、あなたはチャンドラーのことを忘れてしまっているわね」ということで、既婚者であるあなたが、ソープオペラの俳優とキャッキャ言って騒いでる、夫のチャンドラーのこと、あなたすっかり忘れてるでしょ、と言っていることになります。

Please. Chandler's the love of my life. の Please. は「やめてよ、よしてよ(そんなこと言うの)」というニュアンスですね。
the love of one's life という表現は、過去のフレンズ、彼は君の運命の恋人だ フレンズ5-24その2 にも、
チャンドラー: I know he's the love of your life. (リチャードは君の運命の恋人だって、俺は知ってるんだぞ。)
というセリフで出てきました。
そこでも、the love of one's life という表現について解説したのですが、love は抽象的な「愛」というよりも「恋人、愛しい人」を意味していて、「人生の恋人」みたいな感覚で使っているように思います。
もう少し自然な日本語にすると、「運命の恋人、運命の人」みたいな意味でしょう。

夫チャンドラーのことをすっかり忘れてるわね、と言われて、モニカは、「よしてよ、チャンドラーは私の運命の恋人・運命の人よ」と答えたのですが、そんなことを言っている時に、すぐそばを革パンの男性が通って行ったのを見て、「うぅ〜、レザーパンツ(革パン)よ!」と叫んだ後、Have mercy! と言いながら、その革パン男性の後を追うようについていきます。
「チャンドラーが最愛の人よ」と言ったばかりなのに、かっこいい男性が通過するとふらふらついていってしまう、という面白さですね。

mercy は名詞で「慈悲、情け」という意味で、have mercy (on) は「(〜に)慈悲をかける、情けをかける」という意味になります。

Macmillan Dictionary では、
have mercy (on someone) : to treat someone in a kind way instead of a cruel way
つまり、「残酷な(無慈悲な)やり方の代わりに、優しいやり方で人を扱うこと」。

今回のモニカのセリフは、チャンドラーを運命の恋人だと言っておきながら、それに背くような言動をした自分について、「神よ、こんな私を許したまえ、どうかお慈悲を」と言っている感覚なのだろうと思います。

Have mercy. というセリフで思い出すのは、シットコム「フルハウス」。
ジョン・ステイモス演じるジェシーがよく使っていたフレーズでした。
シーズン1で、私の記憶にあるだけでも、以下のエピソードに出てきました。(かっこ内は、そのセリフが出てきた時間です^^)
1-1 (14:48), 1-5 (9:48), 1-6 (3:53), 1-6 (8:45), 1-8 (8:06), 1-14 (2:42), 1-14 (24:06), 1-19 (5:41)
ちょっと変わったところでは、
1-6 (17:43) で、ジョーイ・グラッドストーンが、ジェシーのセリフの真似として、
I threw the babe on the back of the bike, popped a wheelie, and said, "Have mercy."
と言うシーンがあったり、
1-19 (8:32) では、シャワーカーテンから顔を出した女性を見て、(ジェシーではなく)ダニーが Have mercy. (字幕:ドッキリ!/吹替:びっくりしたなぁ〜)と言うシーンもあったりしました。

ジェシーが使うのは大抵、「女性を見た時」もしくは「女性にセクシーなことを言われた時」ですね。
ドアを開けると、そこにガールフレンドが立っていて、驚いた様子で、"Vanessa. Have mercy." みたいに言うパターンや、"I'm gonna go take a shower and I'll be thinking about you." 「シャワーを浴びてくるわね、(そこで)あなたのことを考えてるわ」と言われて、その女性が去った後に、"Have mercy!" とつぶやくようなパターンが多いです。
日本語訳はその時々によって違った訳がつけられていて、「マイッたな」「神よ」「すげえな」「たまんねえ」「ドッキリ!」みたいな感じのものでした。

このジェシーの "Have mercy." はしょっちゅう出てくるので、これがジェシーの口癖、決め台詞であることは、英語音声で見ている人なら、すぐに気付くだろうと思います。
それを裏付けるように、1-1 (14:48) で "Vanessa. Have mercy." というシーンのDVDの音声解説(副音声)でも、「ジョンの初めての "Have mercy" だ。彼が考えた決めゼリフだ」と説明されていました(ジョンとは、ジェシー演じる俳優ジョン・ステイモスのこと)。

今回のフレンズのモニカのセリフの場合は、「夫がいるのに他の男性に見とれちゃってごめんなさい」的な意味の「どうかお慈悲を」というニュアンスになるでしょうが、フルハウスのジェシーの場合は「お慈悲を」というよりも、「驚き、感嘆」のニュアンスで使っている感覚ですね。

LAAD には、名詞の mercy 以外に、以下の「間投詞、感嘆詞」の語義も出ていました。
mercy also mercy me [interjection] (old-fashioned) : used to show strong emotions, especially when you are shocked, surprised, or frightened
つまり、「(古い表現) 強い感情を示すのに使われる、特にショックを受けた時、驚いた時、恐怖を感じた時に」。

上の説明では、そういう強い感情を表すのに、"Mercy!" または "Mercy me!" という形で使われる、ということになりますが、フルハウスのジェシーが使っている、"Have mercy!" というニュアンスも、それらの感覚に近い「強い感情を表す言葉」になるような気がしました。

ちなみに、「フルハウス」のスピンオフシリーズが、2016年より配信開始される、というニュースもありましたね(タイトルは、「フラー・ハウス」(Fuller House)だそうです)。
そこでもやはり、ジェシーの "Have mercy!" を聞くことができるんでしょうねぇ^^
また、もうすぐこのブログで解説することになる フレンズ9-22 に、ジェシー役のジョン・ステイモスがゲスト出演します。
その少し前のタイミングで、ジェシーの口癖の、Have mercy! が出てきたのが、何だかとても楽しいな♪ と思いました。


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posted by Rach at 15:17| Comment(2) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月28日

ご多幸じゃなく愛って書いて フレンズ9-20その5

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[Scene: The Roof, Rachel is talking to a guy who hands her a tissue with something written on it]
屋上。レイチェルはある男性と話している。その男性は彼女に、その上に何か書かれてあるティッシュ(注:実際には、手や口などを拭く「紙ナプキン」のようです)を手渡す。
モニカ: (to Rachel) Hey! Joey said no autographs! But if she's getting one, I want one too! "To Monica." And none of this "best wishes" crap. I want "love." ([レイチェルに] ちょっと! ジョーイはサインはダメ、って言ってたわよ! [男性に向かって] でももし彼女がもらっているのなら、私も一つ欲しいわ! 「モニカへ」。そして、こういう「ご多幸を祈る」的なくだらないのはなしよ。私は「愛」って言葉が欲しいの。)
レイチェル: Okay, actually Mon, Matthew was just giving me his phone number. (あのね、実はね、モニカ、マシューは私に、彼の電話番号を(書いて)くれただけなの。)
モニカ: Oh, man! If I had known I was coming to this party, I never would've gotten married! (なんてこと! もし私がこのパーティーに出席するとわかっていたなら、絶対に結婚なんかしなかったのに。)
マシュー・アシュフォード(Matthew Ashford): It was nice to meet you, Rachel. (会えて良かったよ、レイチェル。)
レイチェル: Nice to meet you. (私もよ。)
マシュー: Call me. (電話して。)
レイチェル: Ok. (オッケー。)
(Matthew leaves)
マシューは去る。
モニカ: (yelling after him) We will!! ([彼の後ろから(去って行く彼の後ろ姿に)叫んで] 私たち電話するわ!)

ソープオペラのパーティーが開かれている屋上では、レイチェルが男性から、白い紙ナプキンのようなものをもらっています。
それを見たモニカは、近づいて来て、Joey said no autographs! と言っていますね。
「オートグラフはなし、ってジョーイが言った」というところで、autograph は「(スターなどの)サイン」という意味になります。
「俳優にサインはもらっちゃダメ、ってジョーイに言われてたでしょ?」ということで、モニカはレイチェルが、紙ナプキンの上に俳優のサインをもらったのだと思ったことがわかります。

「サインはダメ、って言われたじゃない!」とか言いながらも、モニカは、レイチェルの相手の男性に向かって、「でももし彼女(ここにいるレイチェル)がそれ(サイン)をもらっているのなら、私もそれ(サイン)が欲しいわ!」と言っています。
その次の "To Monica." And none of this "best wishes" crap. I want "love." というのが面白いですね。
引用符でくくられているのは、サインに書いてもらうメッセージの内容で、"To Monica." は「モニカへ」ですね。
And none of this "best wishes" crap. I want "love." は、「こういう "best wishes" crap はナシで、私は "love" が欲しい」と言っていることになります。
best wishes は、「ご多幸を(祈る)」というような意味として、カードや手紙などに書かれる決まり文句。
crap は元々「くそ、うんち」という意味であることから、「くず、がらくた」「くだらないもの、価値・意味のないもの」という意味として使われる言葉で、この場合も、「”ご多幸を(祈る)”的な、くだらない言葉を書くのはやめてちょうだいね」と言っていることになるでしょう。
そういうありきたりの言葉じゃなくて、ちゃんと love 「愛」って言葉をサインのメッセージとして書いてね、と要求しているわけですね。
つまりは、with best wishes 「ご多幸を祈って」ではなく、with love 「愛を込めて」と書いて欲しい、と言っていることになるでしょう。
DVDの日本語訳も、
字幕:私には”親愛なる”じゃなく ”愛するモニカへ”って書いて
音声:親愛なるモニカ、じゃなくて、愛するモニカへ、で
と訳してありましたが、まさにそんな感じで、「誰にでも書くようなありきたりの言葉じゃなくて、ちゃんと「愛」「愛する」ってはっきり書いて」とお願いしているわけですね。

「レイチェルがもらうなら、私もサインもらう! 私には love って言葉を使ってね!」と主張するモニカに、レイチェルは、「実は、私はサインをもらったわけじゃなくて、今、彼の電話番号を(書いて)もらっただけなのよ」と言っています。
ジョーイからサインはダメ、と言われているから、もちろんサインはもらってない、と言っているようで、実はサインよりももっとすごい(笑)、相手の電話番号をもらった、と言っているわけですね。
それで、その話を聞いたモニカはものすごく残念そうな顔をして、If I had known I was coming to this party, I never would've gotten married! と言うことになります。
これは、If I had known..., I (never) would have gotten という、典型的な「仮定法過去完了」になりますね。
仮定法のニュアンスを出して直訳すると、「もし私がこのパーティーに来ることになると(あの時)私が知っていたのなら、私は(あの時)決して結婚しなかっただろう」となります。
こういうパーティーが未来にあるとわかっていたら、私はあの時、結婚したりしなかったのに、このパーティーに備えて独身のままでいたのに、、みたいに後悔しているセリフとなります。
俳優に電話番号をもらったという話だけで、「ここでこんな風に俳優とお近づきになれるとわかっていたら、結婚なんかしなかったのに!」とか言っているモニカが、モニカらしくて楽しいですね。

レイチェルに電話番号を渡した相手の男性(マシュー)とレイチェルは、「会えて良かった」「私も」と言い合っています。
「電話して」と言って去って行くマシューの後ろ姿に対して、モニカが、We will! と言うのが面白いですね。
We will call you! ということで、マシューは電話番号を渡したレイチェルに「電話して」と言ったのですが、モニカは自分も含めてそう言われた体にして、「えぇ、”私たち”、あなたに電話するわ!」と返したことになります。
レイチェルから番号を聞いて、「電話して、って言われたから、電話しちゃった」みたいに言おうという魂胆が垣間見えますね^^

ちなみに、マシュー・アシュフォード(Matthew Ashford)とフルネームで表記されているこの男性は、Days of Our Lives の本当の出演者のようです。
Days of Our Lives という作品は、実在するソープオペラで、1965年から放映されているという長寿番組です。
レイチェル役のジェニファー・アニストンのお父さん、John Aniston (ジョン・アニストン)さんが、
Victor Kiriakis 役で出演されていたりもするところが、フレンズファン的にも興味深いですね。

解説では飛ばしてしまったのですが、屋上のパーティーのシーンの初めの方で、
モニカ: Oh, my God! Kyle Lowder! (なんてこと! カイル・ラウダーよ!)
カイル・ラウダー(Kyle Lowder): (to Monica) Hi. (walks on) ([モニカに] はーい。[歩いて行く])
モニカ: (Yells after him) I love you! ([彼の後ろから叫んで] 愛してるわ!)
というシーンもあったのですが、その カイル・ラウダーという人も、同じく本物の出演者です。

IMDb の Filmography には、Days of Our Lives での出演データが載っています。
IMDb: Matthew Ashford (I)
マシュー・アシュフォードが演じている役名は、Jack Deveraux
IMDb: Kyle Lowder
カイル・ラウダーが演じている役名は、Brady Black だそうです。
どちらのフィルモグラフィーにも、今回のフレンズでのゲスト出演のことも載っていますね。

ネットスクリプトでは、セリフの話者の名前はファーストネームだけのことが多いですが、わざわざフルネームで書いてあったのは、「このドラマに出演している俳優さんだったから」ということです。
今回、Days of Our Lives のパーティーが開かれるということで、実際に出演している俳優さんをカメオ出演させた形になるわけですね。


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posted by Rach at 15:33| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月24日

periodの意味 フレンズ9-20その4

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俳優のジョーイは、自分が出演しているソープオペラ Days of our Lives のパーティーがアパートメントの屋上で開かれることを、フレンズたちに内緒にしていました。
フレンズたちには、その時間帯に行なわれる女性の一人芝居(a one-woman play)のチケット、そのタイトルは、Why Don't You Like Me? A Bitter Woman's Journey Through Life. (訳:私を愛したらどう?[どうして私を愛さないの?] 怒りと憎しみに満ちた一人の女の人生の旅)を渡して、パーティーのことを気づかれないようにしていたのですが、出席者からの留守電メッセージで、そのパーティーのことがルームメイトのレイチェルにバレてしまい、結局、他のフレンズたちにも知られてしまうことになります。
夜のそのパーティー会場で、ソープオペラの俳優たちがたくさんいて、大興奮のモニカ。
モニカ: (Excited) Oh, my God, can you believe we're surrounded by all this? I can barely control myself. ([興奮して] なんてこと、私たちがこの全部(の人たち)に囲まれてるなんて信じられる? ほとんど自分を制御できないわ!)
フィービー: Monica, you might want to remember that you are married. Where is Chandler anyway? (Looks around) (モニカ、あなたは結婚してるって[既婚者だって]思い出した方がいいんじゃないの? ところでチャンドラーはどこよ? [あたりを見回す])
モニカ: (Shocked) Oh, my God! Chandler! ([ショックを受けて] なんてこと! チャンドラー!)
[Scene: The theater. Chandler is sitting in the otherwise empty front row, looking around nervously]
劇場。チャンドラーは自分以外は空席の最前列に座っていて、ナーバスにあたりを見回している。
チャンドラー: Where the hell is everybody? (一体、みんなはどこだ?)
(The lights dim and Chandler tries to get away but as the bitter lady comes on stage and starts yelling he promptly changes his mind and sits down)
ライトが薄暗くなり、チャンドラーは逃げようとするが、怒りに満ちた女性がステージに上がり、叫び始めると、チャンドラーはすぐに考えを変えて、座る。
怒りに満ちた女性(Bitter lady): (yelling) Why don't you like me?! Chapter One: My first period. ([叫びながら] 私を愛したらどう?[どうして私を愛さないの?] 第1章:初めての生理(初潮)。)

モニカは興奮した様子で、can you believe we're surrounded by all this? と言っています。
直訳すると、「私たちがこの全てに囲まれているっていうことを信じられる?」ということですね。
テレビで見ているソープオペラの俳優たちがこの会場のあちこちにいて、その中に自分たちがいるということについて、驚きと喜びを語っていることになります。

barely は「かろうじて」「ほとんど〜ない」という意味で、not を使わずに否定のニュアンスが出る副詞ですね。
「自分をほとんどコントロールすることができない」→「自制心がほとんどなくなっている」という意味になります。
はしゃぎ過ぎのモニカを見て、フィービーは、you might want to remember that you are married. と言っています。
you might want to を直訳すると、「あなたは〜したいかもしれない」ということですが、この場合は、「あなたは〜したほうがいい」と相手に助言するニュアンスになります。
「自分は結婚しているということを、自分は既婚者であるということを、あなたは思い出した方がいいわよ」と忠告している感じですね。
そう言って、「で(ところで)、そのあなたの夫であるチャンドラーはどこにいるの?」と周囲を見回すフィービーですが、そう言われて初めて、モニカはチャンドラーがいないことに気づいた様子で、「なんてこと、チャンドラー!」と言っています。

すると画面が切り替わり、そのチャンドラーが映るのですが、チャンドラーは劇場の最前列に座り、あたりをキョロキョロと見回しています。
最前列はチャンドラー以外の席は空席で、ジョーイがフレンズたちを招待した女性の一人芝居に、チャンドラーだけが来てしまっている、ということがそれでわかる仕組みですね。
ジョーイはソープオペラパーティーがあることを隠すためにそのチケットをフレンズたちに配ったので、そのからくりを知った人は一人芝居ではなくパーティーに参加しているわけですが、ジョーイのパーティーの存在を知らなかったチャンドラーだけが、真面目に一人芝居に来てしまった、ということになります。

このシーンのト書きの、Chandler is sitting in the otherwise empty front row の otherwise の使い方が興味深いですね。
otherwise は「さもなければ」という意味で使われることが多いですが、研究社 新英和中辞典では、以下の意味も出ていました。
otherwise 【副】=その他の点で
He skinned his shins, but otherwise he was uninjured. 彼はすねをすりむいたが、そのほかはけがはなかった。


今回のト書きの otherwise も、「チャンドラーが一人座っているけれどもその他の点では空席となっている最前列」という感覚で、「それ(チャンドラーが座っている)以外は空席の最前列で、チャンドラーは座っている」という意味のト書きになっているということでしょう。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
otherwise [adverb] : except for what has just been mentioned
[adj./adv.]
one excellent performance in an otherwise boring show

つまり、「ちょうど言及されたばかりのことは除いて」。例文は、「それ以外は退屈な舞台の中での、一つの秀逸な演技」。

語順のままにイメージすると、「一つの秀逸な演技、それ以外は退屈な舞台の中の」になる感覚ですね。
今回のト書きも、語順の通りに訳すと、「チャンドラーは座っている、それ以外は空席の最前列で」になる、ということです。

チャンドラーはオロオロして周りを見渡していて、電気が薄暗くなったため、その暗闇に乗じて席を離れようとするのですが、すぐ目の前で野太い声の女性の一人芝居が始まってしまい、逃げるに逃げられず、また席に座り直しています。
ト書きやセリフの話者として、(the) bitter lady という名前が使われていますが、これはこの「女性の一人芝居」のタイトルである、Why Don't You Like Me? A Bitter Woman's Journey Through Life. の a bitter woman から取ったものですね。
「ビター」というと、日本人のイメージでは「苦い(にがい)」が真っ先に浮かぶでしょうか。
今回の a/the bitter woman/lady の bitter のイメージは、「厳しい、激しい、辛辣な」「怒り・憎しみ・敵意に満ちた」という感覚が近いように思います。
sweet 「甘くて優しくて甘美で親切な」の正反対のイメージでしょうね。
LAAD で bitter の意味を見ると、大きな意味としては、angry/upset, full of hate, causing unhappiness などが並んでいます。つまり、「怒っている、憎しみでいっぱい、不幸を引き起こす」というところですね。

なので、いろいろな日本語訳が可能だろうとは思うのですが、とりあえずは「怒りと憎しみに満ちた厳しい女性」みたいなニュアンスが近いのかなぁ、と思いました。
この女性の雰囲気も「世界、そしてあらゆるものに対して怒りと憎しみを感じている」みたいな風ですしねぇ。

女性の最初のセリフ、Why don't you like me?! は、この一人芝居のタイトルにもなっていますね。
Why Don't You Like Me? の Why don't you...? は「なぜ〜しないの?」ということから、「〜したらどう?」のように、提案や勧誘のフレーズとして使われますが、この場合は文字通りの直訳の、「どうして私を愛さないの?」でもいいのかなぁ、という気がします。
DVDの日本語訳では「私を愛して/私を愛してよ」のように訳されていましたが、まさにそういうことで、「どうして私を嫌うの? 私のどこがいけないの? どうして私を愛してくれないの?」みたいなニュアンスになるのでしょう。

Chapter One は、「チャプター1」「第1章」ということですね。
そして、my first period と言っていますが、この first period は「最初の生理(月経)」、すなわち「初潮」という意味になります。
period という単語は、日本語にもなっている「ピリオド、終止符」以外にも、「期間」という意味がありますね。
そして、今回のように「生理、月経」という意味もあります。
まぁ、受験英語ではそんな意味として使われることはまずないと思うのですが(笑)、フレンズではその意味で何度か出てきたことがあります。

留守電応答メッセージの話 フレンズ3-2その31
モニカ: Hi, uh, Richard. It's Monica. Um, listen, I did something kind of crazy tonight. Um, maybe I'm getting my period or something. (はい、リチャード。私、モニカよ。ねぇ、聞いて。私、今夜、ちょっとバカなことをしちゃったの。多分、今、生理中だからとかそんなことだと思うわ。)

今じゃないといけないって言ってるわけじゃないけど フレンズ8-23その2
子作りについての会話で、
チャンドラー: So when do you want to start trying? (で、いつトライを始めたいと思う?)
モニカ: All right, hold on a sec. (いいわ。ちょっと待って。)
チャンドラー: Period math? (生理日の計算?)
モニカ: Yeah. (ええ。)

このように過去のフレンズで、period にそういう意味があると知った方は、今回のこの一人芝居の Chapter One: My first period. を聞いた時にも、その意味がピンと来た、と思うのですね。

period=期間、という意味を思い浮かべてしまった方は、「第1章:私の第一期間」みたいな意味に聞こえてしまい、「自分の人生を、期間で区切って話して行くのかなぁ?」みたいな印象しか受けないことになるでしょう。
DVDの日本語訳では、きっちりと「初めての生理」と訳されていましたが、そういう日本語訳がついていない素材で first period という単語が出てきた場合には、「なんとなくわかる単語」ということで、流してしまっていた可能性もある気がします。
この女性の人生の旅、という一人芝居がいきなり、「第1章:初潮」で始まっているところが、まさにこの女性のビターさをよく表していて、「自分が女であるということを強く自覚するきっかけとなる出来事」から、女として生きていく苦しさ、辛さ、みたいな話に繋がって行くであろうことが想像できるわけですね。

チャンドラーもその言葉を聞いて、「これは、どえらい一人芝居に来てしまった、、」ということを悟ったに違いない、というところです。
その手の話は同性である女性が聞いてもけっこうキツそうな感じなのに、今チャンドラーは、友達もいない中、最前列で男一人でそれを聞いていることになるので、まさに地獄というところでしょう。

period という単語に「生理」という意味があることを知っているかどうかで、このセリフの衝撃度が全然違ってきます。
日常会話では結構普通に出てくる言葉ですが、受験英語だとなかなか知るチャンスもない、という典型的な単語だと言えそうですね。
日本語の「生理」という言葉も、本来は「生理的」「生理現象」のように、生物の身体の働きを指す言葉で、「ノーベル生理学・医学賞」「生理的食塩水」のように科学分野でも普通に使われている言葉ですね。
日本語を学んでいる外国の方が、まずはそういう学術的な意味として覚えていた場合には、日本人が日常会話の中で、「今日、生理なの」と言っているのを聞いて、月経(menstruation)の意味だとわからないかもしれない、というのと同じですね。

あまりダイレクトに表現するのもはばかられる感じの言葉(いくつになっても、言う方も聞く方もちょっぴり恥ずかしい^^)なので、抽象的で一般的に使われる、「生理」や "period" という言葉で表現するのが、国は違えど共通の心理だなぁ、と私はいつも思うわけです。

くどいようですが、まずテストには出ないでしょう。
ですが、日常会話では「普通に」そういう意味で使われる、ということを知らないと、このセリフの意味がわからない、この一言の強烈さと衝撃度がわからない、ここでネイティブと一緒に笑えない、この時のチャンドラーがどんな状態に置かれているかがわからない、、ということになるのですね。
ずっと受験英語、テスト英語の世界だけで生きて行くのなら、特に必要のない言葉ですが、日常会話としては重要な表現だと言えると思います。
こんな風にセリフの中で学べば、二度と忘れることはないでしょう。
私は、period という単語を見るたびに、この一人芝居の女性の力強い声を思い出さずにはいられません^^


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posted by Rach at 15:41| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月22日

20ドルがそう言う→そうする方に20ドル賭ける フレンズ9-20その3

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コーヒーハウスのセントラルパークで、ロスはチャンドラーとモニカに、「今日、新任の教授二人にキャンパスを案内しないといけない。きっとその二人はおしゃべりの老人二人組に決まってる」などとボヤいています。
(a woman walks in)
一人の女性が歩いて入ってくる。
チャーリー(入ってきたその女性): (to Gunther) Excuse me. I'm looking for someone. You don't, by any chance, know a Ross Geller? ([ガンターに] すみません。人を探しているんですが。もしかして、ロス・ゲラーという人を知りませんか?)
ガンター: No. (知らないね。)
ロス: Hi. Hi, I'm Ross Geller. (はーい。こんにちは、僕がロス・ゲラーです。)
チャーリー: Oh, hi. I'm Professor Wheeler. (まぁ、こんにちは。私はウィーラー教授です[教授のウィーラーです]。)
ロス: Oh, oh, that's-- That's-- That's nice. (あぁ、それって、それって、それって素敵だ。)
チャーリー: It's a... It's good to meet you! Thank you so much for taking the time out to show me around. (お会いできて嬉しいわ! 私を案内して回るために時間を割いて下さって本当にありがとう。)
ロス: Oh, no, it's no big deal. I mean, if I weren't doing this, I'd just, you know, be at the gym working out. (いえいえ、大したことないですよ。ほら、もし(今)これをしていなかったら、僕はただ、ほら、(今頃)ジムで運動している[鍛えている]だけですから。)
モニカ: (to Chandler) Is he gonna introduce us? ([チャンドラーに] ロスは私たちを紹介してくれるかしら?)
チャンドラー: (to Monica) I think we're just blurry shapes to him now. ([モニカに] 今や俺たちは、彼にとってぼやけた形[輪郭]になってると思うよ。)
チャーリー: And, by the way, I really enjoyed your paper on the connection between geographic isolation and rapid mutagenesis. (ところで、地理的隔離と急速な突然変異発生の関係についてのあなたの論文、とっても楽しませてもらったわ。)
ロス: Oh, ha. I wrote that in one night. (あぁ、はは、あれは一晩で書いたんだよ。)
モニカ: (to chandler) Twenty bucks says they're married within the month. ([チャンドラーに] 二人は1か月以内に結婚するって、20ドル賭けるわ。)

セントラルパークに一人の女性が入って来て、店員のガンターに、「すみません。私は人を探しているんですが」と声を掛けます。
You don't, by any chance, know a Ross Geller? の by any chance は「ひょっとして」というニュアンスですから、「ひょっとして[もしかして]、ロス・ゲラーという人をご存知ないですか?」と尋ねている感覚になります。
a Ross Geller のように、固有名詞のロス・ゲラーに、不定冠詞の a が付いていますが、これは、「〜という人」というニュアンスになりますね。
この a のニュアンスについては、LAAD では以下のように説明されています。
a : used before someone's name when you do not know who they are
例) A Mrs. Barnett is waiting for you.

つまり、「ある人の名前の前に使われる、その人が誰かを知らない時に」。例文は、「バーネット夫人という人(方)があなたをお待ちです」。

今回の場合も、この質問をしている女性(チャーリー)は、ロスと会ったことがなくて、ロスを知らないので、「ロス・ゲラーをご存知ですか?」ではなく、「(自分もどんな人か知らないんだけれど)ロス・ゲラーという(名前の)人をご存知ですか?」と表現していることになりますね。
ガンターはロスと長年の知り合いで、知らないはずはないのに、ロスのいる方向をちらっと見ながらも、少し間を置いて、No. 「いいや(知らない)」みたいに返事するのが面白いです。
ガンターはずっとレイチェルのことが好きなので、レイチェルの元彼であるロスのことが今でも気に食わない、だからロスが目の前にいるのに「そんなやつ知らない」みたいな態度を取っているのですね。

ロスはガンターがそう返事するのを見ていて、「全く、もう、、」みたいに首を振ってから、自分を探しているその女性に、「僕がロス・ゲラーです」と声を掛けます。
チャーリーは、「私は教授のウィーラーです」と言って挨拶します。
(ちなみに、後のシーンで、彼女のフルネームが、チャーリー・ウィーラー(Charlie Wheeler)だとわかるので、ネットスクリプトでは、ここで既に「チャーリー」と表記されています。)

つい先ほどまで、「学部にやってくる教授は、おしゃべりのおじいちゃんだよ」みたいにぶつくさ文句を言っていたのに、その教授が、若い女性だとわかって、ロスは驚きと喜びの混じった顔をしています。
ちなみに、このウィーラー教授を演じているのは、アイシャ・タイラー(Aisha Tyler)さんという女優さんです。
いろいろなテレビドラマに出ておられるようですが、私が見た中では、「24 -TWENTY FOUR-」のシーズン4にゲスト出演していたマリアン・テイラー役が印象深かったですね。
「24」らしい、いろいろ裏がありそうな複雑なキャラ(24 はそういうキャラばっかり、とも言えますがw)を演じていました。

ロスと挨拶を交わしたチャーリーは「お会いできて嬉しいわ!」と言った後、今回の件についてお礼を言っていますね。
taking the time out to show me around の show someone around は、前回の記事にも出てきたように、「人を案内して回る」ということですから、「私を案内して(キャンパスを)見せて回る」ですね。
そして、take the time out to というのは、「〜するための時間を取る、〜するために時間を割く」という意味。
take (the time) out は、直訳すると、「その時間を取り出す」という感覚になりますから、「やりくりして時間を取る、時間を捻出する」という感じが出ますよね。
「私を案内するために(わざわざ)時間を割いて下さって、本当にありがとう」と、丁寧な感謝の言葉をロスは言われたことになります。
相手が老人の男性だと思い込んでいた時は「どうして僕がそんなやつの案内なんかしなくちゃならないんだ」みたいにブツブツ文句を言っていたロスでしたが、きれいな女性にそんな風に感謝され、すっかりご機嫌となり、「大したことないですよ」と言って、if I weren't doing this... 以下のセリフを言っています。
If I weren't..., I'd... という形になっていることからもわかるように、これは「仮定法過去」ですね。
if I weren't doing this, I'd just, you know, be at the gym working out. を「仮定法過去」のニュアンスを出して直訳すると、「もし僕が(今)これをしていないなら、僕はただ、ほら、ワークアウトをしながらジムにいるだけでしょう」となります。
gym でワークアウト、というのは、「ジムで運動する、トレーニングする」ということですね。

「私を案内するために、貴重な時間を割いて下さってありがとう」のようにチャーリーが言ったので、「今、こうしてあなたを案内していないとしたら、僕は今頃は、ただジムでワークアウトをしているところですね」と言っていることになります。

他に大した用事があるわけでもないので全然構わないですよ、と言いつつ、「時間があれば、ジムで鍛えているような男」だということを、初対面のチャーリーにアピールしているわけですね。
ロスは「ジムで鍛えるような男」では全然ないのに、相手が何も知らないと思って、おもいっきり見えを張っているという面白さです。

ロスはチャーリーにアピールすることに必死なので、近くにいるモニカは、「ロスは私たちを彼女に紹介してくれるかしら?」と言っています。
チャンドラーは、「今、俺たちはロスにとって、ただ blurry shapes だと思う」と返します。
blur は動詞で「かすむ、ぼんやりする」という意味で、形容詞形の blurry は「かすんだ、ぼやけた、不鮮明な」という意味になります。
つまり、「ロスにとって、俺たちはぼやけた形になっている」と言っていることになり、俺たちの姿はもう、ロスの視界ではかすんでしまっている、ぼんやりしたものとなってしまっている、と言っていることになりますね。
「ロスの目に、俺たちは映ってない。ロスの眼中にはない」というところでしょう。

チャーリーは「〜に関するあなたの論文を本当に楽しませてもらったわ」と褒め言葉を言っています。
その内容が on 以下の部分で、「地理的隔離[分離・孤立]と急速な突然変異発生との関係」になりますね。
こういう部分は、「古生物学の専門家同士が、専門用語を使って話をしているんだ」ということが分かればそれでいいので、単語もいちいち調べる必要もないところですが、一応さらっと見ておくと、mutagenesis の genesis は「起源、起こり、発生」という意味で、muta は mutate 「変化する、突然変異する」や mutant 「突然変異体、ミュータント」の関連語ですね。
小難しい単語が並んでいますが、要は、ダーウィンがガラパゴス諸島で確認したような、「隔離された島では、生物が特殊な進化を遂げる」という内容に関連するような論文ということになるでしょう。

褒められたロスは嬉しそうに、「あぁ、あれは一晩で書いたんだよ」などと言っています。
ロスは気に入った女性の前ではすぐにこうやって見えを張るので、わかりやすいですね^^

すっかりチャーリーに夢中の様子のロスを見て、モニカは、Twenty bucks says... というセリフを言っています。
直訳すると、「二人が1か月以内に結婚するって、20ドルが言う」になりますね。
つまり、「二人が1か月以内に結婚するに、20ドル賭けるわ」と言っていることになります。
目の前のソファーで、ロスに聞こえる感じでそんなことを言っている妹モニカを見て、ロスはカバンを動かすふりをして、モニカの頭をカバンで軽くハタいているのも面白いです。

このように "... bucks says SV" という形は、過去のフレンズにも出てきました。
出来ない方に5ドル賭ける フレンズ3-5その32
チャンドラー: I got five bucks says you can't. (出来ない、って方に5ドル賭けるよ。)
氷山の一角 フレンズ3-6その11
モニカ: Ten bucks says I never see that woman again in my life. (一生の間にもう二度とあの女に会うことはない、というのに10ドル賭けるわ。)

「〜ドルが、S が V すると言う」ということで、それが「S が V する、に〜ドル賭ける」という意味になるのは、イメージとしてもわかりやすいと思います。
日本語の「S が V するのに、〜ドル賭ける」を英語で言いたい場合には、「賭ける」という動詞は何だっけ、、? という風にまずは考えてしまいがちですよね。
そういう「日本語からの発想」では、Twenty bucks says SV という表現はまず出てこないでしょう。
英語で何か言おうとする場合に、まずは日本語で考えて、それを「英訳しよう」「英語の単語に置き換えよう」としているうちは、なかなかこういう「英語的な発想の文章」にはたどり着けません。
英語を学ぶ場合には、「先に英語ありき」で、まずは「ネイティブが使う自然な英語」に触れ、それを解釈していく中で、「これって日本語で言うところの、こういう意味だよね?」と理解し、結び付けていく、という作業が大切になってくると思います。
今回の「20ドルが SV だと言う」という表現は、「英語的発想」の好例だと言える気がしました。

ちなみに、フレンズでの使用例として挙げた3つの文章ですが、どれも、"... bucks says" のように、say には「3単現の -s」が付いていますね。
a buck = a dollar ということですから、この文章は、主語が bucks と「複数形」になっているのに、「3単現」(3人称単数現在)の -s がついている、ということになります。
これについては、主語が複数と言っても、「人が二人」というような複数の感覚ではなく、twenty bucks 「20ドル」というお金の単位を言っているだけ、つまりは、「a buck が 20個ある、というような複数形の感覚ではない」ため、「20ドル」という金額のイメージを主語とした文章として、単数形のような感覚で、says という「3単現」を使っている、ということになるだろうと思います。
文章の中で、単数として扱うか、複数として扱うか、というのは、単語が「単数形か複数形か」ということよりもむしろ、話者の頭の中のイメージが単数か複数か? に大きく影響される、ということなのだろうと思います。


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posted by Rach at 11:04| Comment(2) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月18日

その仕事を選んだのはお前なんだぞ フレンズ9-20その2

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[Scene: Central Perk, Ross enters]
セントラルパーク。ロスが入ってくる。
ロス: Hey, you guys won't believe what I have to do for work today. (ねぇ、今日僕が仕事ですること[内容]を、君らは信じられないと思うよ。)
チャンドラー: Yes, but, Ross, you chose a career of talking about dinosaurs. (そうだな。でもな、ロス、お前が、恐竜のことを話すという職業を選んだんだぞ。)
ロス: (covering with his hand Chandler's face, like pretending he's not there) (to Monica) There're these two professors who are joining my department and I have to meet them here and show them around campus. ([ロスは自分の手でチャンドラーの顔を覆う、まるでチャンドラーがそこにいないようなふりをして] [モニカに] 僕の学部に入ってくる二人の教授がいるんだけど、ここで彼らと会って、彼らにキャンパスを案内しないといけないんだ。)
モニカ: What's so bad about that? (それの何がそんなにダメなの?)
ロス: I just know they're gonna be a couple of old windbags wearing tweed jackets with suede elbow patches. (僕には(ただ)わかるんだよ、彼らはおしゃべりな老人の二人組で、ツイードのジャケットを着てて、スエードの肘当て(ひじあて)をしてる、ってね。)
モニカ: (fingering her elbow) Ross? ([自分のひじを指さしながら] ロス?)
ロス: (looking his elbow, where there's a patch) What? These aren't suede. ([自分のひじを見る、そこには肘当てがある] 何? これはスエードじゃないよ。)

セントラルパークに入ってきたロスは、そこにいたチャンドラーとモニカに、you guys won't believe... 以下のセリフを言っています。
直訳すると、「君らは信じられないだろう、今日、僕が仕事のためにしなければならないことを」になるでしょうか。
「今日僕は、仕事としてあることをしないといけないんだけど、その内容を聞いたら、”信じられない”って言うだろうと思うな」というところでしょう。
「信じられないほど〜な仕事」ということですが、ロスの浮かない表情から、それが「信じられないほどひどい仕事」であることが想像されます。

その後のチャンドラーのセリフが、実にチャンドラーらしくて面白いですね。
チャンドラーのセリフを直訳すると、「そうだな(お前の言いたいことはわかるよ)、でもな、ロス、お前が、恐竜について話すという職業を選んだんだ」ということになるでしょう。
「今日の仕事、君らが聞いたら信じられないと思うくらい、ひどい仕事なんだよ」と言ったロスに対して、「でも、”恐竜について話す”という職業を選んだのは、お前だろ?」と返した感覚になりますね。
chose を強調して発音することで、「選んだのは(他でもない)お前自身だ」と言っているニュアンスになるでしょう。
ロスは、恐竜オタクですから、恐竜にまつわることであれば、「今日の仕事は最悪」だなんて言うはずがないのに、チャンドラーはそのロスをセリフを聞いて、「でも、それを職業として選んだのは自分だろ?」と表現することで、「あぁ、確かに、”恐竜について話す”っていうお前の仕事は最悪だよな」と言ったことになるわけです。

ロス「今日の仕事は最悪なんだ」
チャンドラー「あぁ、確かにお前がいつもやってる恐竜の仕事は最悪だよな」
と返したことになるので、ト書きにあるように、ロスはチャンドラーの目を手で隠し、俺を見るな、お前はいないものとして話を続けるよ、というように、今度はモニカに向けて話を続けます。

There're these two professors who are joining my department は、「僕の学部に加わる[加入する・入る]予定の二人の教授がいる」ということですね。
these two professors の these ですが、この部分を日本語で「これらの」と訳してしまうと、違和感が出てしまいます。
この these は this の複数形で、その this は「これ」というよりは、不定冠詞の a のニュアンスになります。
日本語の「この」「これらの」のように、自分のすぐそばにあるものを指し示す指示形容詞ではなくて、物語風に何かを語る時に、話者が自分の頭の中でイメージしているものに this をつけて語るという感覚ですね。
今回はそのイメージしているものが「二人の教授」なので、this の複数形の these を使っていることになります。

department は「部門」という意味で、会社や企業では「〜部」「〜課」を指し、ロスのような大学の話で言うと「学部」「学科」などを指すことになります。
show them around campus は、「その二人の教授に、キャンパスを見せて回る」ということですから、キャンパスを案内して回る、ということですね。

「学部に新しい教授が二人やってくるから、その人たちを案内しないといけない」という話が、ロスが言うほどひどい仕事にも思えないので、モニカは、「それについて何がそんなに悪いの? ひどいの?」→「その仕事の何がそんなにひどいの? 嫌なの?」と尋ねます。

ロスの I just know they're gonna be... というセリフは長いので、とにかくこういう長いものは、聞いた順番にまとまりごとにイメージしていくと、
I just know they're gonna be 「僕にはただわかるんだ[わかってるんだ]、彼らが〜であるだろうと」
a couple of old windbags 「年とったおしゃべりの二人組」
wearing tweed jackets 「ツイードのジャケットを着ていて」
with suede elbow patches 「(そのジャケットには)スエードの肘当て(ひじあて)がついている」
になるでしょう。

個々の表現を改めて見ていくと、
windbag というのは「おしゃべり(な人)」という意味で、研究社 新英和中辞典には、以下のように出ています。
windbag 《口語》 たわいのない事をしゃべりまくる人、おしゃべり
an old windbag おしゃべりな老人


研究社の例が、an old windbag となっていて、今回のセリフ (a couple of) old windbags と同じ表現になっているのが興味深いです。
「おしゃべりな老人」という意味で、この言い回しがよく使われるらしいことがわかりますね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
windbag : (informal, disapproving) someone who talks too much and says nothing important
つまり、「(インフォーマル、非難めいた(言葉)) たくさん話し過ぎて、重要なことを何も言わない人」。
disapproving というのは「非とするような、不賛成であるような」ということなので、英英辞典の語義で disapproving と書いてあるものは、非難めいた意味で使うということを意味します。
端的に言うと、「悪口として使う言葉」ということですから、使い方には気をつけましょう。
ロングマンの語義も、「重要でもないことを、やたらとベラベラくっちゃべってる人」みたいなことですから、「話し好きのおしゃべりさん」みたいな微笑ましいニュアンスではなくて、「聞き手に嫌がられるタイプのおしゃべり」だというのもよくわかります。

a couple of は、a few of 「2、3(人)の」と同じようなニュアンスで、「2つの、2人の」という意味がありますね。
研究社 新英和中辞典にも、
a couple of apples リンゴ2個、a couple of girls 女の子二人
という例が出ています。
ただ、今回の場合は、「二人のおしゃべりの老人」のような「二人」というニュアンスよりは、「おしゃべりの老人の二人組」というニュアンスで、「組になっている二人、一対」という感覚の couple として使っているような気がしました。
別の大学から異動してくるのでしょうから、元々ペアとかではないけれど、似たような人が二人いる、「二人揃って同じタイプ」という意味の「二人組」というニュアンスで使っているのだろうと。

tweed, suede はそれぞれ「ツイード」「スエード」として日本語になっていますね。
elbow patches は「肘(ひじ)補強用パッチ」、つまり「肘当て(ひじあて)」のこと。
ロスはいやそうな感じで、「スエードの肘当てがついたツイードのジャケットを着た、おしゃべり老人二人組に決まってるよ」みたいに言うのですが、それを言っているロス本人が、まさに言った通りの「肘当て付きのツイードのジャケット」を着ているのが面白いです。

モニカは自分のひじを指さしながら、「ロス?」と言っていますが、これは「あなたのここ(ひじ)を見てみて? あなたのひじはどうかしら?」と指摘している感覚ですね。
ですがロスはしれっとした顔で、「これはスエードじゃないよ」と言っています。
肘当ての素材がスエードではないだけで、見た目はロスが言ったそのまんまですから、「スエードじゃないから、って、ポイントはそこ?」みたいにツッコミたいところですね。


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posted by Rach at 13:37| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月16日

頭から取り出す、頭から離れる フレンズ9-20その1

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シーズン9 第20話
The One With The Soap Opera Party (ジョーイのシークレット・パーティ)
原題は「ソープオペラのパーティーの話」


「自分からジョーイにキスしてしまう夢」を見て以来、ジョーイのことを男性として意識するようになってしまったレイチェルは、これまで友達同士だった時には平気だったようなことにも、動揺してしまうようになっています。
レイチェルがモニカに、"Do you think it's possible for two friends to fool around and... and not have it be a big deal?" (友達である二人が、(お遊びで)エッチして、それがおおごとじゃないようにすることって可能かしら?)と尋ね、モニカもレイチェルの態度から、その「友達」はジョーイのことだとわかったので、続きは廊下で話そうと言って、二人が廊下で話しているシーン。
[Scene: In the hall]
廊下。
モニカ: You wanna fool around with Joey? (あなた、ジョーイと(遊びで)エッチしたいの?)
レイチェル: Yeah! You know what? Ever since I had that dream about him, and can't get it out of my head! And I mean, what's the big deal? People do it all the time! (そうよ! ねぇわかる? ジョーイのあの夢を見て以来ずっとなの、それが頭から離れないのよ! それに、何がおおごとなの?[おおごとだって言うの?] みんな、いつでもやってるじゃない!)
モニカ: Who? Who do you know that are friends that just fool around? (誰よ? 友達でエッチするような人って、誰を知ってるの?)
レイチェル: Okay. Off the top of my head.... Don and Janet. (いいわ。ちょっと思いついたのは… ドンとジャネットね。)
モニカ: Who, who are they? (誰、それって誰よ?)
レイチェル: I know them from work. (職場の知り合いなの。)
モニカ: Both of them? (二人とも?)
レイチェル: No, just one of them. (いいえ、そのうちの一人だけ。)
モニカ: Which one? (どっちの方?)
レイチェル: I don't know. What were the names I just said? (わからないわ。私が言った名前、何だったっけ?)
モニカ: No, Rachel, things could get incredibly complicated. (だめよ、レイチェル、状況がものすごく複雑になる可能性があるわよ。)
レイチェル: All right, all right, all right, you're right. I won't do anything with Joey. I just thought that we-- (Joey enters the hall) Okay, so that would be two cups of tarragon, one pound of baking soda and one red onion? (Joey enters his apartment) (わかった、わかった、わかった、あなたは正しいわ。私はジョーイとは何にもしないわ。ただ思っただけよ、私たちが… [ジョーイが廊下に出てくる] いいわ、じゃあ、タラゴン2カップと、ベーキングソーダ1ポンドと赤タマネギ1個ね? [ジョーイは自分のアパートメントに入る])
モニカ: What the hell are you cooking! (あなた、一体何を料理するつもりなの?)

まず、レイチェルがモニカに尋ねた質問、Do you think it's possible for two friends to fool around and... and not have it be a big deal? について。
これは、Do you think it's possible for someone to do... という形で、「人が〜することが可能だと思う?」ということですね。
fool around はこれまでのフレンズにも何度も出てきましたが、恋愛関係の意味では、「人と遊び半分で(軽い気持ちで)エッチする、浮気する」というような意味で使われます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
fool around [phrasal verb] : to have a sexual relationship with someone who is not your wife, husband, girlfriend, or boyfriend
with
例) Matt thinks his wife is fooling around with someone.

つまり、「自分の妻、夫、恋人ではない人と性的な関係を持つこと」。例文は、「マットは自分の妻が誰かと浮気していると思っている」。
語義にもはっきりと、have a sexual relationship と出ているように、そういう性的関係を示唆する言葉ということですね。

not have it be a big deal は、「それをおおごと(a big deal)ではないようにする」というところ。
友達である二人がエッチして、それが後を引きずらないように、さっぱり忘れてなかったことにできる? みたいなことですね。
そんなことを突然尋ねて来たレイチェルに驚くモニカですが、レイチェルの様子からそれがジョーイのことだと気付き、廊下に出て、改めて問い正しています。
ジョーイとエッチしたいの? と言われ、レイチェルは Ever since I had that dream about him, and can't get it out of my head! と言っています。
Ever since... は、「ジョーイに関する例の夢(ジョーイに自分からキスしてしまう夢)を見て以来ずっと」。
get it out of my head は、直訳すると「それを自分の頭から取り出せない」、つまり、「そのことが頭から離れない、忘れられない」と言っていることになるでしょう。

そして自ら、「(そんなこと)何がおおごとなのよ? 大騒ぎするようなことじゃないわ!」と言って、People do it all the time! と言っています。
all the time は「常に、いつも」なので、「人々は(人は)いつもそれをする」と言っていることになります。
自分で「友達である二人がエッチするのってアリかしら?」みたいに聞いておいて、その後、「そんなの大したことじゃないわ。だって、みんなそういうことやってるもの」と開き直ったような発言をしているわけですね。

People do... 「人はみなやっている」のように言ったレイチェルに対して、モニカは、「”みんな”って一体誰が?」と具体的に「誰か?」を尋ねています。
よく子供が、「だってみんなやってるもん。だってみんな持ってるもん」みたいに言った時に、「みんなって誰? 名前言ってみて?」と問い詰めるのと同じノリですね^^

Who do you know that are friends that just fool around? は、言葉を後から付け加えた感覚の文章になっていて、Who do you know 「あなたは誰を知っているの?」、that are friends 「友達である人で」、that just fool around 「ただエッチする人を」みたいになるでしょう。
お互いが友達で、それでエッチをするっていう人、あなたは誰を知ってるわけ? という問いですね。

具体的に問い詰められたレイチェルは、ドンとジャネットという固有名詞を挙げることになります。
Off the top of my head は、研究社 新英和中辞典では、
off the top of one's head=《口語》 よく考えないで、即座に
と出ています。
直訳すると、「人の頭の先端部から分離した・離れた」みたいな感じになるでしょうか。
頭の中心(中の方、奥の方)でじっくり考えたのではなく、ちょっと頭の先っちょ、上っ面(うわっつら)でちらっと考えて、ぽろっと(はがれるように)出てきた答えは… みたいなニュアンスになるのかな、と思ったりします。
少し前のレイチェルのセリフで、can't get it out of my head という表現がありましたが、get ... out of の場合は、「〜の中から取り出す」のような「中に入っているものを外に出す」という感覚が感じられる一方、今回の off the top of は、「中ではなく表面の部分から分離した(取れた、はがれた)」という感覚になるように思うわけです。

「忘れたいと思っても頭から離れない」という「深く入り込んでいる」ニュアンスと、「よく考えずにちょっと思いついただけ」という「浅い表面的な」ニュアンスの違いが、前置詞の使い分けに出ている気がするのですね。

LAAD では、
off the top of your head : (informal) if you answer a question or provide information off the top of your head, you do it immediately without checking the facts
つまり、「off the top of your head で、質問に答えたり、情報を与えたりする、というのは、事実を確認せずに、即座にそうする、ということ」。

レイチェルが「ちょっと思いついたところで言うと、ドンとジャネットかしら」と言うと、モニカはそれが誰かと尋ね、レイチェルは「職場での知り合いなの」と答えます。
モニカの執拗な攻撃は続き(笑)、「二人とも知り合いなの? 一人だけならどっちがそうなの?」と立て続けに質問を重ね、ついにはレイチェルが、「私が言った名前は何だったっけ?」と言うはめになります。
What were the names I just said? を直訳すると、「私がたった今言ったばかりの名前は何だったかしら?」というところですね。
「私さっき、二人の名前を挙げたけど、その名前何だったっけ?」と言ったことになり、とりあえず誰かの名前を挙げてモニカを納得させるために、適当な名前を言っただけ、ということがわかるわけですね。

「他にもそんなことしてる人いるわよ」と言いながら、実際にはそんな人もいないとわかり、モニカはレイチェルに、「物事が、信じられないほど(ものすごく)複雑になることもあり得る」と諭すように言います。

「たいしたことないわよね!」と言っていたレイチェルでしたが、友達のモニカに明らかに反対されてしまったこともあって、「わかった。あなたが正しいわ。私はジョーイとは何もしないわ」と宣言します。
行動を起こすことはあきらめたものの、「ただ、私はこう思っただけなのよ…」と、自分の気持ちだけは説明したかったようでしたが、そこに当人のジョーイが現れたため、「モニカと、さも料理の話をしていたかのように」、料理の材料と分量を、あれこれ挙げていくことになります。

ジョーイは、二人がジョーイのことを話していたとも知らず、そのまま向かいの自分のアパートメントに入って行くのですが、ジョーイが部屋に入った後、モニカはあきれた様子で、「あなたは一体、何を料理する(調理する)つもりなの?」と言っていますね。
参考までにそれぞれの材料を見ていくと、tarragon は「タラゴン」というヨモギの一種のハーブ。
baking soda は「ベーキングソーダ、重曹」、red onion は、サラダなどに入っている赤紫色の「赤たまねぎ」のことですね。
1ポンドは約 0.454kg となりますので、レイチェルが言ったレシピを日本語に置き換えると、「ハーブのタラゴン2カップ、重曹 450g、赤タマネギ1個」となります。
重曹は、ベーキングパウダー(膨らし粉)のように焼き菓子を膨らませる場合に使うことがありますが、そのような場合も使うのは少量(小さじで量るような分量)となりますので、450g の重曹を使う料理って一体何? となるわけですね。
ハーブであるタラゴンを2カップ、というのも多すぎますし、それ以外には赤タマネギだけで、メインの食材は一体何?? と言いたくなってしまうわけです。
プロのシェフであるモニカなら、口から出まかせのレシピでも、もうちょっとそれらしい材料と分量を言えるのでしょうが、料理が得意ではないレイチェルなので、「でたらめにしても、あまりにもトンチンカンなレシピ」を言ってしまった、という面白さになるでしょうね。


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posted by Rach at 14:30| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする