今日のこの記事がフレンズ最終話の最後の解説になります。最後のシーンは全部取り上げたかったのと、過去記事絡みの内容も多かったため、大変長い記事になってしまいました^^
フレンズ最後のシーンを一緒に楽しんでいただければ幸いです(^^)
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[Scene: Monica and Chandler's apartment. Chandler and Monica are holding the twins. Joey and Phoebe are sitting by the window, while Ross and Rachel are standing together. The apartment is completely empty. Two men are carrying a large dresser.]
モニカとチャンドラーのアパートメント。チャンドラーとモニカは双子を抱っこしている。
ジョーイとフィービーは窓のそばに座っており、ロスとレイチェルは一緒に立っている。アパートメントはすっかり空っぽである。二人の男性が大きなドレッサーを運んでいる。
モニカ: Okay, please be careful with that. It was my grandmother's. Be careful. Thank you. (どうかその家具は気をつけて(運んで)。私のおばあちゃんのものなの。気をつけて。ありがとう。)
(Two other men are rolling the big white dog out of the apartment.)
別の二人の男性が、大きな白い(陶器製の)犬を部屋から(台に付いているローラーを転がしながら)出そうとしている。
モニカ: If that falls off the truck, it wouldn't be the worst thing. (もしそれがトラックから落ちても、最悪ってことにはならないから。)
(She slips them some money.)
モニカは彼らにお金をそっと渡す。
ロス: Wow. ([がらんとなった部屋を見て] わお。)
レイチェル: I know. Seems smaller somehow. (そうね。何だか小さく見えるわ。)
ジョーイ: Has it always been purple? ((壁の色は)ずっと紫だったっけ?)
チャンドラー: (to his children) Look around, you guys. This was your first home. And it was a happy place, filled with love and laughter. But more important, because of rent control, it was a frigging steal. ([自分の子供たちに] 見ておくんだよ。これが君たちの最初の家だった。幸せな場所で、愛と笑い声であふれていた[いっぱいだった]。でももっと重要だったのは、家賃統制のおかげで、ものすごく格安(品)だったことだ。)
(Monica and Chandler put Jack and Erica in their stroller.)
モニカとチャンドラーがジャックとエリカ(二人の子供の名前)をベビーカーに乗せる。
フィービー: Hey, do you realize that, at one time or another, we all lived in this apartment? (ねぇ、気づいてる? 一度か二度は、みんなこのアパートメントに住んだことあるのよ?)
モニカ: Oh, yeah. That's true. (あぁ、そうね。ほんとだわ。)
ロス: Uh, I haven't. (あー、僕は住んだことないよ。)
モニカ: Wait a minute. What about that summer during college that you lived with grandma, and you tried to make it as a dancer? (ちょっと待って。あなたがおばあちゃんと住んでて、ダンサーとして成功しようとしてた、大学時代の夏についてはどうなの?)
ロス: Do you realize we almost made it 10 years without that coming up? (そのことを持ち出さないでもう少しで10年になろうとしていたってことに気づいてる?)
モニカ: Oh, honey, I forgot. I promised Treeger that we'd leave our keys. (あぁ、ハニー、忘れてたわ。(管理人の)トリーガーと約束したの、鍵を置いていくって。)
チャンドラー: Oh, okay. (あぁ、わかった。)
(Chandler and Monica walk over to the kitchen-counter and leave their keys. Then the other four pick out their keys and leave them as well.)
チャンドラーとモニカがキッチン・カウンターに歩いて行って、自分たちの鍵を置く。それから他の4人が自分たちの鍵を取り出し、同じようにそれを置く。
フィービー: So I guess this is it. (それじゃあ、いよいよのようね。)
ジョーイ: Yeah. I guess so. (あぁ、そうみたいだな。)
モニカ: (crying) This is harder than I thought it would be. ([泣きながら] これって、思ってたよりもつらいわ。)
チャンドラー: Oh, it's gonna be okay. Okay. (あぁ、大丈夫だよ。大丈夫だ。)
(Chandler hugs her. Monica hugs Ross and Rachel as Chandler gets the stroller with the twins.)
チャンドラーはモニカをハグする。モニカはロスとレイチェルをハグし、チャンドラーは双子の乗ったベビーカーを持つ。
レイチェル: (crying) Do you guys have to go to the new house right away, or do you have some time? ([泣きながら] あなたたちは今すぐ新居に行かなきゃいけないの? それとも時間あるの?)
モニカ: We got some time. (時間はあるわ。)
レイチェル: Okay. Should we get some coffee? (オッケー。みんなでコーヒー飲みましょうか?)
チャンドラー: Sure. Where? (そうだね。どこで?)
(They all leave the apartment. Joey helps Chandler with the stroller in the hallway, while Monica and Rachel have their arms around each other. Everybody walks downstairs to Central Perk. The camera goes inside the apartment again, and it pans around. We see the keys on the counter, and the final shot is of the frame around the peephole. The screen fades to black.)
全員がアパートメントを離れる。廊下でジョーイはチャンドラーがベビーカーを運ぶのを手伝う。モニカとレイチェルは腕をお互いに回している。みんながセントラルパークへと階段を降りて行く。カメラは再び、アパートメントの中に入り、カメラがぐるっと回転する(パンする)。視聴者にはカウンターの上の鍵が見える、そして最後のショットは覗き穴の周りの(黄色い)フレームである。スクリーンが徐々に暗くなる。
THE END
家具を運んでいる男性たちに、「その家具(ドレッサー)はおばあちゃんのものなの。気を付けて」と言っていたモニカですが、大きな白い陶器の犬が奥から運び出されて来ると、If that falls off the truck, it wouldn't be the worst thing. と言いながら、ブラウスの胸ポケットからお札を取り出して、チップとして彼らにお金をこっそり渡しています。
そのしぐさから、「チップ渡すから、私の希望通りにしてね」と言っていることがわかりますね。
If that falls off the truck, it wouldn't be the worst thing. は、「もしそれ(その陶器製の白い犬)が(運送用の)トラックから落ちても、(そのことが)最悪のことにはならないでしょうね」というところ。
「その犬がトラックから落ちたとしても、何も問題ないわよ」と言っているわけで、そう言ってわざわざチップを渡しているということは、「その犬、トラックから落として壊しちゃって」と頼んでいることになります。
この犬は、ジョーイがチャンドラーとの同居をやめ、ひとり暮らしを始めた頃(フレンズ2-19)、部屋のインテリアとして、カードで衝動買いしたもののうちの一つです。
同居に戻った後も、ジョーイ&チャンドラーの家に置いてありましたが、感謝のしるしに持っててほしい フレンズ6-6その6 で、チャンドラーがモニカとの同居を決め、それまで一緒に住んでいたジョーイの部屋から引っ越す時に、ジョーイがチャンドラーに、"I want you to have the big, white dog as a kinda of a, y'know, like a thank-you for being such a great roommate." (俺はお前にその大きな白い犬を持っていてもらいたい。ほら、そんなに素敵なルームメイトでいてくれたお礼としてさ。)と言って、あげたものでした。
モニカの趣味には合わないし、大きくて邪魔なのでしょうね、それでモニカは「これを新居に持って行きたくないから、引っ越しのどさくさに紛れて、壊れちゃったことにしたい」と思って、チップを渡したことになります。
モニカっぽい言動なので、観客からは笑いと拍手も起こっています。
部屋から荷物が運び出され、部屋はがらんとなっています。
長年過ごしたなじみの部屋が空っぽになって、みんなもしんみりしていますね。
「何だか小さく見えるわ」とレイチェルが言うと、ジョーイは、Has it always been purple? と言っています。
壁が紫になっているのですが、「壁の色ってずっと紫だったっけ?(俺、気づいてなかった)」みたいに言ったことになります。
チャンドラーは双子の赤ちゃんに、「見ておくんだよ。これが君たちの最初の家だった」と言っています。
すぐに引っ越すことになるけれども、病院からまずはここに帰ってきた、ということで、そう言っているわけですね。
「幸せな場所で、愛と笑い声であふれていた」という表現は、「フレンズ」というドラマのメインの舞台であったこの場所の形容として、本当にぴったりだな、と思います。
出演者も観客も視聴者も、その表現が胸に染みたことでしょう。
そんな素敵なことを言った後、やはりチャンドラーは笑いを取らないと気が済まないらしく(笑)、「でもそれよりもっと重要だったのは」と言って、金銭面でのメリットを述べています。
感動したセリフを言った後に、お金の話? みたいなギャップの面白さですね。
rent control は「家賃統制」という意味ですが、それについてはもう少し後で詳しく説明します。
frigging steal の frigging は「いまいましく、ひどく」という意味の強意語。
ファイナルシーズンの記事、君との毎日は冒険だ フレンズ10-12その6 でも、"Could someone get me a coat? I'm frigging freezing." (誰か私にコートを持って来てくれない? 超こごえそうなの。)というセリフで出てきました。
steal は「盗む」という動詞ですが、名詞では「盗み、盗品」という意味から、「格安品、掘り出し物、ただみたいな物」という意味としても使われます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
steal [noun, countable] : (informal)
be a steal : to be very inexpensive
例) The wine is a steal at $9.
つまり、「非常に価格が安いこと」。例文は「そのワインは9ドルで非常に安い(ものだ)」
ですから、it was a frigging steal は「(この家は)めちゃくちゃ掘り出し物だった、超格安物件だった」と言っていることになります。
この家が超格安だったのは、rent control 「家賃統制」のおかげと言っていますが、その rent control については、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
rent control [noun, uncountable] : a situation in which a city or state uses laws to control the cost of renting apartments
つまり、「市や州が、アパートメントの賃貸の費用を統制(コントロール)する法律を使う状況」。
過去記事、家賃安定化条例 フレンズ3-6その16、そっちこそ家賃安定化条例を聞いたことないな? フレンズ4-4その2 にも出てきたのですが、Rent Stabilization Act of 1968 「1968年の家賃安定化条例」という条例があり、その内容は、過去記事でも引用させていただいた、週刊ST 2003年4月25日号 での以下の説明が大変わかりやすいです。
ニューヨークは家賃統制によって賃貸料を更新する上限が定められており、同じ建物に長く住む人の家賃は安く抑えられている。
今、荷物が運び出されてがらんとなった、チャンドラーとモニカが住んでいた部屋は、フレンズ1-1 の冒頭では、モニカが一人で住んでいました。
向かいのジョーイ&チャンドラーが住んでいる部屋に比べるとかなり大きいのですが、それはモニカの部屋がおばあちゃんの名義で、いまだにそのおばあちゃんが住んでいることになっているから、家賃が安く抑えられたままである、ということが、フレンズ3-6その16 のセリフからわかります。
また、フレンズ4-4その2 では、「別人が住んでいるのに家賃は安いまま、その状態で又貸し(サブレット)、つまり別人とルームシェアまでしているのは違法になる」という、このアパートの管理人(super)であるトリーガーの発言もありました。
ここ最近は実際にはチャンドラーとモニカが住んでいたのに、元の持ち主のおばあちゃんの名義のままなので、rent control というしくみのお蔭で、「長年住んでいるから家賃が上がらない」というメリットを受けていた、ということですね。
「愛と笑い声にあふれた幸せな場所」と美しい表現をした後に、「いや、でもとにかく家賃が超安くて助かったよ」みたいに現実的な話をするというそのギャップが、チャンドラーらしいです。
フィービーは、「ねぇ、気づいてる? 一度か二度は、私たちみんなこのアパートメントに住んだことがある、って」と言っています。
モニカが「ほんとだわ」と言って、ロスが「僕は住んだことないよ」と言うのですが、モニカに「ダンサーとして成功しようとして、ここでおばあちゃんと同居していた、大学時代の夏はどうなの?」と言われてしまいます。
「ロスがダンサーを目指してた?」という話に、レイチェルも笑いをこらえている様子。
ロスは、フィービーが使った Do you realize...? という同じ表現を使って、we almost made it 10 years without that coming up? と続けています。
come up は「話題にのぼる、話題になる」。
make it 10 years は「it を10年にする」ということで、almost made という almost+過去形は、「もう少しで〜するところだった」というニュアンス。
ですから、ロスのセリフは、「その件(僕がダンサーを目指してたこと)が話題になることなしに、もう少しで10年になるところだった、ってことに気づいてる?」となります。
10年間、そのことが話題に出なかったのに、最後の最後に今になって、それを暴露しちゃうわけ? と言っているわけですね。
ちなみに、他のメンバーがこの部屋に住んでいた、という件については、
レイチェルは、フレンズ1-1 に転がり込んできて、6-6 まで同居。(6-7 からチャンドラーとモニカが同居)。
フィービーはレイチェルが同居するより前に、ここでモニカと同居していたことがある。
ある程度はわかってる フレンズ3-6その2 で、3年前にフィービーが同居していた頃の回想シーンが出てきます。
ジョーイについては、部屋を交換する条件で女子チームとのゲームに勝って、チャンドラーとジョーイの二人がこの部屋に住んでいた時期がありました。
仮定法過去完了で相手を責める フレンズ4-12その6 でゲームに勝って、そのエピソードの終わりに部屋を交換。
シットコムと吉本の共通点 フレンズ4-19その6 で、男性陣がニックスの試合を見に行っている間に、女性陣が部屋の中身を入れ替えて元の大きな部屋を奪還。(過去記事では省略しましたが)その後、男性陣は抗議するものの、二人の目の前でモニカとレイチェルがキスしているのを見せるという交換条件で、元の部屋に戻ることを承諾。(他のメンバーもこの部屋に住んだことがある、という話は以上)
その後モニカは、「部屋の鍵を置いて行くって、管理人のトリーガーと約束したの」と言い、モニカとチャンドラーがキッチン・カウンターに鍵を置きます。
その後、残りの4人が、ポケットなどをゴソゴソして、各自が持っていた鍵を取り出し、カウンターに置くのが面白いですね。
観客からもこみ上げるような笑いが起こっており、「この部屋の鍵を全員持ってたんかーい!」とツッコミたくなる感じですね。(まぁ、あれだけ入り浸っていれば、持ってないと不便でしょうけどw)
So I guess this is it. は、「じゃあ、いよいよのようね」という感じですね。
this (この状況)が it (私たちが頭に描いていた、その時)である、というところで、「この部屋とお別れする時がいよいよやってきた、来るべき時が来た」という感覚になります。
モニカの This is harder than I thought it would be. 「これは(そうなるだろうと)思っていたよりつらいわ」という言葉にも泣けてしまいますね。
フレンズの最終回として見ている私たちも、「こうして本当に終わってしまうと思うと、何だかとっても寂しい」という気持ちになってしまいます。
レイチェルは「チャンドラーとモニカはすぐに新居に行かなきゃだめ? それとも時間ある?」と尋ねています。
「時間はあるわ」と答えると、レイチェルは「じゃあ、みんなでコーヒー飲みましょうか?」と言います。
それに対して、普通の顔で、Sure. Where? とチャンドラーが言うのが洒落ていますね。
フレンズたちがコーヒーを飲むと言えば、いつもたむろしているセントラルパークしかないのに、「じゃあどこで飲むの? どこに行くの?」のように Where? と言っている面白さになります。
その後、廊下に出たみんなの姿を映し、部屋の中を映して、覗き窓を映したところで、画面が暗くなり、おしまい、、となります。
Where? が指す場所が、フレンズの象徴である、あのコーヒーハウス Central Perk であることを考えると、10年間のフレンズの最後のセリフが、チャンドラーが普通の顔、普通の声で言った、Where? だったのがとても印象的ですね。
みんなが静かに穏やかに部屋を出て行くのを見て、あぁ、これでフレンズは本当に終わっちゃうんだな、というのを実感しました。
最終回もジョーク全開でしたし(笑)、最後までパワーが落ちることなく、そしてフレンズ6人が誰一人欠けることなく全話に出演したというのも、キャスト交代・降板などが多いアメリカのドラマにあっては、本当に素晴らしいことですね。
10シーズンの長きに渡り続いた「フレンズ」の最後にふさわしい、素敵な最終回だったと思います(^^)
、、、ということで、フレンズのファイナルシーズン最終話、フレンズ10-18 の解説がこれで終了しました!
フレンズファイナルの最後のシーンということで、記事が非常に長くなってしまいましたので、無事ファイナル到達できましたことについての皆様への感謝の言葉は、次の記事、ファイナル到達しました! で書かせていただいています。
ファイナルまで読み続けて下さった皆様、本当にありがとうございました!<(_ _)>
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2016年09月12日
2016年09月09日
ブレイク中なら話は別だけど フレンズ10-18その5
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飛行機の中から携帯電話でロスの留守電にメッセージを入れていたレイチェル。
ロスはそのメッセージを茫然とした顔で聞いています。
「私も愛してる、って言うことすらできなかった」と言っているうちに、「愛してる。愛してる、、、 私あなたに会わなきゃ。私この飛行機を降りなきゃ!」とレイチェルが言い始め、留守電の音声の様子から、降りようとするレイチェルを客室乗務員が止める、という状態になっていることがわかるのですが、肝心なところで留守電の録音が終了してしまい、ロスが慌てて電話機に近づく、というシーン。
(The message is finished. Ross jumps over to the answering machine.)
(ピーという音がして)留守電メッセージが終わる。ロスは留守電のところに飛んで行く[慌てて近づく]。
ロス: No! No! Oh, my God. Did she get off the plane? Did she get off the plane? (だめだ! だめだ! なんてこった。彼女は飛行機を降りたのか? 彼女は飛行機を降りたのか?)
レイチェル: I got off the plane. (私は飛行機を降りたわ。)
声の方向にカメラが向き、入口で立っているレイチェルを映す。
ロス: You got off the plane. (君は飛行機を降りたんだね。)
(He walks over and kisses her.)
ロスはレイチェルに近づきキスをする。
レイチェル: I do love you. (あなたを本当に愛してる。)
ロス: I love you too, and I am never letting you go again. (僕も君を愛してる。僕は君を二度と離さないよ。)
レイチェル: Okay. 'Cause this is where I wanna be, okay? No more messing around. I don't wanna mess this up again. (ええ、だって、これが私がいたいところだから[私が望む場所だから]。もうこれ以上ばかなことをするのはいや。このこと[この関係]をまた台無しにしたくない。)
ロス: Me neither, okay? We are - we're done being stupid. (僕もいやだよ、だろ? バカをやるのはもうこれで終わりだ。)
レイチェル: Okay. It's you and me, alright? This is it. (そうね。あなたと私、そうでしょう? これなのよ[これが私たちの求めていたものよ]。)
ロス: This is it. Unless we're on a break. (これなんだよ。僕たちがブレイク中なら話は別だけどね。)
(Rachel gives him a look.)
レイチェルはロスを見る。
ロス: Don't make jokes now. (今は冗談言っちゃいけないな。)
(They kiss again.)
二人はまたキスをする。
ロスは留守電のところに飛んで行って、「彼女は飛行機を降りたのか?」と繰り返しながら、どこかに何か声が入っていないかとでもいうように留守電を操作している様子で、巻き戻し・早送りの際の音のようなキュルキュル音も聞こえています。
ロスが必死に電話を操作して、Did she get off the plane? Did she get off the plane? と2回言った後、少しの間があって、ロスの背後から I got off the plane. という声が聞こえます。
そして、カメラがそちらに移動し、その声の主、戸口に立っているレイチェルを映し出します。
観客からは大きな歓声と拍手が上がっていますね。
そこにレイチェルがいるのを確認したロスは、震える声で、You got off the plane. 「君は飛行機を降りたんだね」と言います。
レイチェルは半泣きの状態で、その後二人は、近づいてキスをします。
レイチェルは、さっきは電話でしか言えなかった「愛してる」という言葉をここで改めて言っています。
「さっき言ったことは本当よ」というように、I do love you. 「あなたを本当に愛してる」と love を強調する do を入れているのが印象的ですね。
ロスは、I love you too. と答え、「もう君を二度と離さない」と言います。
'Cause this is where I wanna be は「(ええ、離さないで) だってこれが私がいたいところだから」というニュアンスになるでしょうか。
here is なら、「今ここにいる場所が、ここが(私がいたい場所)」ということになるでしょうが、here ではなく this を使っているので、「ここという場所」というよりも、「この状況」をさしている感じが出るように思います。
「パリではなくここNYが私のいたいと思う場所」ということではなくて、「あなた(ロス)と一緒にいる、というこの状況が[こうしてロスと一緒にいることが]、私がいたいと思うところ、私がいたいと思う環境」のように言っているように思うわけですね。
ロスが「君をもう離さない」と言った、この「ロスとレイチェルが離れないで一緒にいる」という状況を this と言った、ということでしょう。
その後レイチェルは、mess around, mess up という表現を使っています。
まず、mess around はここでは「ばかなことをする」というニュアンスですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
mess around : to play or do sillly things instead of working or paying attention (SYN: fool around)
例) Stop messing around and get ready for school.
つまり、「働いたり、または注意を払ったりする代わりに、遊んだり、ばかなことをしたりすること」。例文は「ばかなことはやめて[ばかなことをやってないで]、学校に行く準備をしなさい」。
mess up は「台無しにする、めちゃめちゃにする」。
LAAD では、
mess sth up / mess up sth : to spoil or ruin something, especially something important or something that has been carefully planned
例) His flight was canceled, which messed everybody's schedule up.
つまり、「何かを台無しにしたり、ダメにしたりすること、特に何か重要なこと、または注意深く計画されたことなどを」。例文は、「彼のフライトがキャンセルされて、それでみんなのスケジュールがめちゃくちゃになった」。
「二人の関係をまた台無しにしたくない」と言ったのを受けて、ロスも Me neither 「僕も(そんな風には)したくないよ」と言い、その後、we're done being stupid. と言っています。
done は do の過去分詞形ですが、be done で「〜を済ませる、〜を終える」という意味でも使われます。
ですから、we're done being stupid. は、「僕たちは、stupid でいることを[stupid であるという状態を]終える」という意味だと考えられるでしょう。
done と言っている時のロスの手のしぐさが、「もうこれでやめ、おしまい」という感じの手の動きに見えますし、「stupid でいることは[stupid という状態は](これで)もうおしまい」→「バカなことをするのはもうこれで終わりだ」と言っていると思われます。
It's you and me, alright? This is it. について。
It's you and me の it は訳さずに、「あなたと私なのよ」というニュアンスで考えれば良いでしょう。
This is it. は「これよ、これなのよ、これがそうなのよ」と訳せば良い感じになると思いますが、you and me というこの状態(this)が、it(私たちの求めるもの)である、という構造になります。
「あなたと私が一緒にいる、というこの状態が、私たちの求めていること、望んでいることよね」という感じですね。
ロスもその言葉に同意して、This is it. と答えるのですが、その後、ちょっといたずらっぽい顔で、Unless we're on a break. と言っています。
それを聞いたレイチェルは、ちょっとイライラしたような顔でロスをにらんでいます。
観客からも笑いが起こり、その笑いがかなり後を引く感じで、長く続いていますね。
それだけ「面白いセリフだった」ということになるわけですが、その Unless...のセリフについては、少し後で説明します。
レイチェルににらまれたロスは、Don't make jokes now. 「今はジョークを言っちゃいけないな、ジョークにしちゃダメだな」と言って、二人はまたキスをします。
この時に流れている音楽は、「U2 の With or Without You に良く似ているけれども少し違う曲」です。
フレンズ2-7 で、セントラルパークの前で初めてキスしたシーンに流れていた、ファンには思い出の曲ですね。
過去記事、ウィズオアウィズアウトユー フレンズ3-15その20 で、「2-7 の時は、似た音楽を使ったけれど、2-8 で「ロスがラジオでリクエストした曲」として、本物の With or Without You が使われた」など、そのU2風の音楽にまつわるトリビアについて触れています。
では、観客がオオウケしていた、Unless we're on a break. について。
on a break は「ブレイク中」みたいなことですが、この on a break は、フレンズにおけるキーワードですね。
レイチェルがファッション業界で働き始めるようになってから、ロスとレイチェルの二人はすれ違い状態になり、ブレイクをとる フレンズ3-15その14 で、レイチェルは、"maybe we should just take a break!" 「多分、私たちはただ、ブレイク(break)をとるべきだと思うの」という言葉を口にします。
その break という言葉にショックを受けたロスは動揺し、さらにレイチェルとマークとの仲を誤解して、その後、自分に好意を持っていたコピー屋のクロエと寝てしまうのですが、後でそのことで口論になった時に、お互いの break の認識が異なっていたことが判明します。
レイチェルの方は(自分の中でもはっきりしないながらも)「一時的に離れる」という感覚で break という言葉を出した、それに対してロスは break を「決定的な別れ」だと捉えていたことが、breakupとon a break フレンズ3-16その16 のセリフを見るとわかります。
その後も何かにつけて「他の女と寝た」ことをレイチェルが皮肉っぽく持ち出すたびに、"We were on a break!" 「僕たちはブレイク中だったんだ!」とロスが叫ぶのが、フレンズのお約束みたいになっています。
ロスが、We were on a break! と叫んでいるエピソードは、ブログの過去記事では、
君が非難できる立場か? フレンズ3-17その20、valid reason フレンズ3-17その23、
あなたが全責任を認めるのなら フレンズ4-1その5、バランスの取れた見方 フレンズ4-1その6 などで出てきました。
その on a break というキーワードが、フレンズの最後のエピソード、それも二人がよりを戻してハッピーエンド♪ となったこの時にそのフレーズが出て来たことが、ファンにとっては面白くてしょうがないわけですね。
そして、unless は「もし〜でなければ(if ... not)」ということですが、今回のように何かを言った後で、付け足しのような感じで使う、Unless+文(SV). は、「もし(文)なら話は別だけど」と訳すとしっくりきます。
つまり、This is it. Unless we're on a break. は、「これがそうなんだ(僕たちが望んでいたことだ)。(でも)もし僕たちが(今)ブレイク中なら話は別だけどね」になるでしょう。
「僕たちが今、ブレイク中の状態じゃないのなら、This is it. って言えるけど、もしブレイク中なら、This is it. とは言えない」と言っている感覚になります。
「これがそうだ。今二人が一緒にいる状態が僕らの望む理想の姿だ」というのが、This is it. のニュアンスですが、「これがそうよね」「うん、そうだね」とレイチェルの言葉をいったんは認めた上で、Unless we're on a break. と付け足すことで、「僕らが今、ブレイク中だったりすると、This is it. とは言えなくなる・認められなくなるんだけど」→「ところで今は、ブレイク中じゃないよね、ブレイク中じゃない、って認識でオッケーだよね?」という発言をしているということだと思います。
レイチェルはパリ行きをやめてロスのところに戻ってきて、キスをして、お互い、I love you. と言い合った後なので、「何の問題も障害もない、大好きな二人がよりを戻したハッピーエンド」なわけですが、「念のために確認しとくけど、今のこの状態は、We are on a break. の状態じゃないよね? 僕たちはきちんとよりを戻したってことで大丈夫だよね。愛してるとは言い合ったけど、実はまだ別れた状態のまま、とかってことはないよね」のようなことを、これまで何度もモメる原因となっていたそのフレーズを持ち出すことで、表現したことになるでしょう。
これまで、「クロエと寝た時は、ブレイク中だったか、そうではなかったか」ということについて、二人の認識の違いが何かと喧嘩の原因になっていたわけですが、せっかく二人が幸せ絶頂な気分になっているこの時に、「今はブレイク中じゃないよね?」というフレーズを持ち出したことで、レイチェルは「今、そんなこと言う?」みたいな顔でにらんでいます。
ロスは嬉しくてつい、そんなジョークを口走ってしまったわけですが、「今はそんなジョークを言っちゃいけないな。このことをそんな風にジョークにしちゃいけないな」と反省し、二人はまたキスをすることになります。
ロスとレイチェルが離れ離れになってしまう、、というような悲しい結末はフレンズには似合わないと思いますので、二人がよりを戻すだろうことは、ある程度は想定内だったようにも思いますが、やっぱり実際にこうして幸せそうにキスする二人を見ると、あぁ〜良かった〜♪ と思えますね(^^)
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飛行機の中から携帯電話でロスの留守電にメッセージを入れていたレイチェル。
ロスはそのメッセージを茫然とした顔で聞いています。
「私も愛してる、って言うことすらできなかった」と言っているうちに、「愛してる。愛してる、、、 私あなたに会わなきゃ。私この飛行機を降りなきゃ!」とレイチェルが言い始め、留守電の音声の様子から、降りようとするレイチェルを客室乗務員が止める、という状態になっていることがわかるのですが、肝心なところで留守電の録音が終了してしまい、ロスが慌てて電話機に近づく、というシーン。
(The message is finished. Ross jumps over to the answering machine.)
(ピーという音がして)留守電メッセージが終わる。ロスは留守電のところに飛んで行く[慌てて近づく]。
ロス: No! No! Oh, my God. Did she get off the plane? Did she get off the plane? (だめだ! だめだ! なんてこった。彼女は飛行機を降りたのか? 彼女は飛行機を降りたのか?)
レイチェル: I got off the plane. (私は飛行機を降りたわ。)
声の方向にカメラが向き、入口で立っているレイチェルを映す。
ロス: You got off the plane. (君は飛行機を降りたんだね。)
(He walks over and kisses her.)
ロスはレイチェルに近づきキスをする。
レイチェル: I do love you. (あなたを本当に愛してる。)
ロス: I love you too, and I am never letting you go again. (僕も君を愛してる。僕は君を二度と離さないよ。)
レイチェル: Okay. 'Cause this is where I wanna be, okay? No more messing around. I don't wanna mess this up again. (ええ、だって、これが私がいたいところだから[私が望む場所だから]。もうこれ以上ばかなことをするのはいや。このこと[この関係]をまた台無しにしたくない。)
ロス: Me neither, okay? We are - we're done being stupid. (僕もいやだよ、だろ? バカをやるのはもうこれで終わりだ。)
レイチェル: Okay. It's you and me, alright? This is it. (そうね。あなたと私、そうでしょう? これなのよ[これが私たちの求めていたものよ]。)
ロス: This is it. Unless we're on a break. (これなんだよ。僕たちがブレイク中なら話は別だけどね。)
(Rachel gives him a look.)
レイチェルはロスを見る。
ロス: Don't make jokes now. (今は冗談言っちゃいけないな。)
(They kiss again.)
二人はまたキスをする。
ロスは留守電のところに飛んで行って、「彼女は飛行機を降りたのか?」と繰り返しながら、どこかに何か声が入っていないかとでもいうように留守電を操作している様子で、巻き戻し・早送りの際の音のようなキュルキュル音も聞こえています。
ロスが必死に電話を操作して、Did she get off the plane? Did she get off the plane? と2回言った後、少しの間があって、ロスの背後から I got off the plane. という声が聞こえます。
そして、カメラがそちらに移動し、その声の主、戸口に立っているレイチェルを映し出します。
観客からは大きな歓声と拍手が上がっていますね。
そこにレイチェルがいるのを確認したロスは、震える声で、You got off the plane. 「君は飛行機を降りたんだね」と言います。
レイチェルは半泣きの状態で、その後二人は、近づいてキスをします。
レイチェルは、さっきは電話でしか言えなかった「愛してる」という言葉をここで改めて言っています。
「さっき言ったことは本当よ」というように、I do love you. 「あなたを本当に愛してる」と love を強調する do を入れているのが印象的ですね。
ロスは、I love you too. と答え、「もう君を二度と離さない」と言います。
'Cause this is where I wanna be は「(ええ、離さないで) だってこれが私がいたいところだから」というニュアンスになるでしょうか。
here is なら、「今ここにいる場所が、ここが(私がいたい場所)」ということになるでしょうが、here ではなく this を使っているので、「ここという場所」というよりも、「この状況」をさしている感じが出るように思います。
「パリではなくここNYが私のいたいと思う場所」ということではなくて、「あなた(ロス)と一緒にいる、というこの状況が[こうしてロスと一緒にいることが]、私がいたいと思うところ、私がいたいと思う環境」のように言っているように思うわけですね。
ロスが「君をもう離さない」と言った、この「ロスとレイチェルが離れないで一緒にいる」という状況を this と言った、ということでしょう。
その後レイチェルは、mess around, mess up という表現を使っています。
まず、mess around はここでは「ばかなことをする」というニュアンスですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
mess around : to play or do sillly things instead of working or paying attention (SYN: fool around)
例) Stop messing around and get ready for school.
つまり、「働いたり、または注意を払ったりする代わりに、遊んだり、ばかなことをしたりすること」。例文は「ばかなことはやめて[ばかなことをやってないで]、学校に行く準備をしなさい」。
mess up は「台無しにする、めちゃめちゃにする」。
LAAD では、
mess sth up / mess up sth : to spoil or ruin something, especially something important or something that has been carefully planned
例) His flight was canceled, which messed everybody's schedule up.
つまり、「何かを台無しにしたり、ダメにしたりすること、特に何か重要なこと、または注意深く計画されたことなどを」。例文は、「彼のフライトがキャンセルされて、それでみんなのスケジュールがめちゃくちゃになった」。
「二人の関係をまた台無しにしたくない」と言ったのを受けて、ロスも Me neither 「僕も(そんな風には)したくないよ」と言い、その後、we're done being stupid. と言っています。
done は do の過去分詞形ですが、be done で「〜を済ませる、〜を終える」という意味でも使われます。
ですから、we're done being stupid. は、「僕たちは、stupid でいることを[stupid であるという状態を]終える」という意味だと考えられるでしょう。
done と言っている時のロスの手のしぐさが、「もうこれでやめ、おしまい」という感じの手の動きに見えますし、「stupid でいることは[stupid という状態は](これで)もうおしまい」→「バカなことをするのはもうこれで終わりだ」と言っていると思われます。
It's you and me, alright? This is it. について。
It's you and me の it は訳さずに、「あなたと私なのよ」というニュアンスで考えれば良いでしょう。
This is it. は「これよ、これなのよ、これがそうなのよ」と訳せば良い感じになると思いますが、you and me というこの状態(this)が、it(私たちの求めるもの)である、という構造になります。
「あなたと私が一緒にいる、というこの状態が、私たちの求めていること、望んでいることよね」という感じですね。
ロスもその言葉に同意して、This is it. と答えるのですが、その後、ちょっといたずらっぽい顔で、Unless we're on a break. と言っています。
それを聞いたレイチェルは、ちょっとイライラしたような顔でロスをにらんでいます。
観客からも笑いが起こり、その笑いがかなり後を引く感じで、長く続いていますね。
それだけ「面白いセリフだった」ということになるわけですが、その Unless...のセリフについては、少し後で説明します。
レイチェルににらまれたロスは、Don't make jokes now. 「今はジョークを言っちゃいけないな、ジョークにしちゃダメだな」と言って、二人はまたキスをします。
この時に流れている音楽は、「U2 の With or Without You に良く似ているけれども少し違う曲」です。
フレンズ2-7 で、セントラルパークの前で初めてキスしたシーンに流れていた、ファンには思い出の曲ですね。
過去記事、ウィズオアウィズアウトユー フレンズ3-15その20 で、「2-7 の時は、似た音楽を使ったけれど、2-8 で「ロスがラジオでリクエストした曲」として、本物の With or Without You が使われた」など、そのU2風の音楽にまつわるトリビアについて触れています。
では、観客がオオウケしていた、Unless we're on a break. について。
on a break は「ブレイク中」みたいなことですが、この on a break は、フレンズにおけるキーワードですね。
レイチェルがファッション業界で働き始めるようになってから、ロスとレイチェルの二人はすれ違い状態になり、ブレイクをとる フレンズ3-15その14 で、レイチェルは、"maybe we should just take a break!" 「多分、私たちはただ、ブレイク(break)をとるべきだと思うの」という言葉を口にします。
その break という言葉にショックを受けたロスは動揺し、さらにレイチェルとマークとの仲を誤解して、その後、自分に好意を持っていたコピー屋のクロエと寝てしまうのですが、後でそのことで口論になった時に、お互いの break の認識が異なっていたことが判明します。
レイチェルの方は(自分の中でもはっきりしないながらも)「一時的に離れる」という感覚で break という言葉を出した、それに対してロスは break を「決定的な別れ」だと捉えていたことが、breakupとon a break フレンズ3-16その16 のセリフを見るとわかります。
その後も何かにつけて「他の女と寝た」ことをレイチェルが皮肉っぽく持ち出すたびに、"We were on a break!" 「僕たちはブレイク中だったんだ!」とロスが叫ぶのが、フレンズのお約束みたいになっています。
ロスが、We were on a break! と叫んでいるエピソードは、ブログの過去記事では、
君が非難できる立場か? フレンズ3-17その20、valid reason フレンズ3-17その23、
あなたが全責任を認めるのなら フレンズ4-1その5、バランスの取れた見方 フレンズ4-1その6 などで出てきました。
その on a break というキーワードが、フレンズの最後のエピソード、それも二人がよりを戻してハッピーエンド♪ となったこの時にそのフレーズが出て来たことが、ファンにとっては面白くてしょうがないわけですね。
そして、unless は「もし〜でなければ(if ... not)」ということですが、今回のように何かを言った後で、付け足しのような感じで使う、Unless+文(SV). は、「もし(文)なら話は別だけど」と訳すとしっくりきます。
つまり、This is it. Unless we're on a break. は、「これがそうなんだ(僕たちが望んでいたことだ)。(でも)もし僕たちが(今)ブレイク中なら話は別だけどね」になるでしょう。
「僕たちが今、ブレイク中の状態じゃないのなら、This is it. って言えるけど、もしブレイク中なら、This is it. とは言えない」と言っている感覚になります。
「これがそうだ。今二人が一緒にいる状態が僕らの望む理想の姿だ」というのが、This is it. のニュアンスですが、「これがそうよね」「うん、そうだね」とレイチェルの言葉をいったんは認めた上で、Unless we're on a break. と付け足すことで、「僕らが今、ブレイク中だったりすると、This is it. とは言えなくなる・認められなくなるんだけど」→「ところで今は、ブレイク中じゃないよね、ブレイク中じゃない、って認識でオッケーだよね?」という発言をしているということだと思います。
レイチェルはパリ行きをやめてロスのところに戻ってきて、キスをして、お互い、I love you. と言い合った後なので、「何の問題も障害もない、大好きな二人がよりを戻したハッピーエンド」なわけですが、「念のために確認しとくけど、今のこの状態は、We are on a break. の状態じゃないよね? 僕たちはきちんとよりを戻したってことで大丈夫だよね。愛してるとは言い合ったけど、実はまだ別れた状態のまま、とかってことはないよね」のようなことを、これまで何度もモメる原因となっていたそのフレーズを持ち出すことで、表現したことになるでしょう。
これまで、「クロエと寝た時は、ブレイク中だったか、そうではなかったか」ということについて、二人の認識の違いが何かと喧嘩の原因になっていたわけですが、せっかく二人が幸せ絶頂な気分になっているこの時に、「今はブレイク中じゃないよね?」というフレーズを持ち出したことで、レイチェルは「今、そんなこと言う?」みたいな顔でにらんでいます。
ロスは嬉しくてつい、そんなジョークを口走ってしまったわけですが、「今はそんなジョークを言っちゃいけないな。このことをそんな風にジョークにしちゃいけないな」と反省し、二人はまたキスをすることになります。
ロスとレイチェルが離れ離れになってしまう、、というような悲しい結末はフレンズには似合わないと思いますので、二人がよりを戻すだろうことは、ある程度は想定内だったようにも思いますが、やっぱり実際にこうして幸せそうにキスする二人を見ると、あぁ〜良かった〜♪ と思えますね(^^)
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2016年09月07日
言うべきだったのに言わなかったこと フレンズ10-18その4
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[Scene: Ross's apartment. Ross enters and checks his messages.]
ロスのアパートメント。ロスは部屋に入り、留守電のメッセージをチェックする。
レイチェル: (on the answering machine) Ross. Hi, it's me. I just got back on the plane, and I just feel awful. That is so not how I wanted things to end with us. It's just that I wasn't expecting to see you. And all of a sudden you're there and saying these things, and..... Now I'm just sitting here and thinking of all the stuff I should have said and I didn't. I mean, I didn't even get to tell you that I love you too. Because of course I do. I love you. I love you. I love you. What am I doing? I love you! God, I've gotta see you. I've gotta get off this plane. ([留守電で] ロス。私よ。今、飛行機に戻ったの。ただもう最悪の気分よ。私たちのことをあんな風に終わらせたくなかった。ただ、私はあなたに会うとは思ってなかっただけなの。それで突然、あなたがそこにいて、ああいうことを言うから… 今私はただここに座って、いろんなことを考えてるの、私が言うべきだったのに言わなかったことを。ほら、私は、私も愛してる、ってことすら言わなかった。だって、もちろんそうなんだから。あなたを愛してる。愛してる。愛してる。私何してるの? 愛してる! あぁ、あなたに会わなくちゃ。この飛行機を降りなくちゃ!)
ロス: Oh, my God! (なんてこった!)
レイチェル: (on the answering machine) Okay, ex-- excuse me? ([留守電で] いいわ、あの、すみません。)
客室乗務員(Air stewardess): (on the answering machine) Miss? Please, sit down! ([留守電で] お客様? どうかお座り下さい!)
レイチェル: (on the answering machine) No, I'm sorry. I'm really sorry, but I need to get off the plane, okay? I need to tell someone that I love them. ([留守電で] いいえ、ごめんなさい、ほんとにごめんなさい。でも私は飛行機を降りないといけないのよ。ある人に、その人を愛してる、って私は言わなくちゃいけないの。)
客室乗務員: (on the answering machine) Miss, I can't let you off the plane. ([留守電で] お客様、あなたを飛行機から降ろすことはできません[飛行機から降りることを認めるわけにはいきません]。)
ロス: Let her off the plane! (彼女を飛行機から降ろしてやれよ!)
客室乗務員: (on the answering machine) I am afraid you are gonna have to take a seat. ([留守電で] 申し訳ありませんがお席に着いていただかなければなりません。)
レイチェル: (on the answering machine) Oh, please, miss. You don't understand! ([留守電で] あぁ、お願いよ、あなたはわかってないのよ!)
ロス: Try to understand! (わかろうとしてやれよ[わかってやれよ]!)
レイチェル: (on the answering machine) Oh, come on, miss, isn't there any way that you can just let me off the-- ([留守電] あぁ、お願いよ、とにかく私を降ろす方法が何かないかしら…?)
(The message is finished. Ross jumps over to the answering machine.)
(ピーという音がして)留守電メッセージが終わる。ロスは留守電のところに飛んで行く[慌てて近づく]。
ロスは空港から自宅に帰ってきます。
留守電をチェックすると、レイチェルの留守電メッセージが入っていました。
「ちょうど飛行機に戻ったところで、ただもう最悪の気分よ」と言っています。
That is so not how I wanted things to end with us. は、「さっきのは、私が私たちのことで物事をこんな風に終わらせたいと思うようなものでは全くなかった」というところでしょう。
so は not を強調していて、That is not how I wanted 「さっきの(ような別れ方)は、私が望んだ状態ではない」が基本的な構造になります。
It's just that... は「ただ…なだけなの」という感覚なので、「私が望んでああしたわけじゃなくて、ただ、あなたに会うとは予期してなかったから・思ってなかったから、あんな別れ方をしてしまった、ってだけなの」と言っていることになります。
And all of a sudden you're there and saying these things は、「そして突然(そこにいるとは思いもしなかった)あなたがそこにいて、こういうことを(「行かないで。愛してるんだ」と)言っている」。
そして今、私はここ(飛行機の席)に座って、all the stuff I should have said and I didn't を考えている、と続けます。
all the stuff 以下は、「私が言うべきだったのに(実際には)言わなかったことすべて」。
「言うべきだったのに言わなかったこと」の内容を、I mean 「それはつまり」と続けて、I didn't even get to tell you that I love you too. と言っています。
even get to のニュアンスを出して訳すとすると、「私もあなたを愛してるということを、あなたに言うことにすらならなかった」というところでしょう。
ただ「言わなかった」と言っているのではなく、言う状況にすらならなかった、言葉にするところまでも行かなかった、という感じで、言いたいことを何一つ言えないままの別れになってしまったことを後悔している様子が感じられますね。
その後、Because of course I do. は「だって、もちろん、私はそうなんだから[あなたを愛しているんだから]」。
「あなたが”愛してる”と言ってくれたことに対して、”私も愛してる”という返事をしなかった」ことを悔いる発言をしているその理由として、because を使って、「だってもちろん私はあなたを愛してるんだもの」と言っていることになるでしょう。
Because の後は、I do のように、love ではなく、代動詞 do を使っていますが、その後、はっきりと love という動詞を使って、何度も何度も I love you. を繰り返しています。
留守電のメッセージで、何度も何度も I love you. と言っているので、観客からも少し笑いが漏れていますが、その後、What am I doing? 「私、何やってるの?」と言って、もう一度、I love you! と切ない感じで言った後に、「あなたに会わなくちゃ。この飛行機を降りなくちゃ」と言い始めます。
留守電メッセージを聞いていたロスは、メッセージの中でレイチェルが「飛行機を降りなくちゃ」と言い始めたので、驚きの表情を浮かべています。
その後も、留守電に録音されている音声で、レイチェルが飛行機を降りようとしている様子がわかるようになっています。
レイチェルが、excuse me? と言った後、客室乗務員が、「お客様? どうかお座り下さい!」と言っていることから、レイチェルが座席から立ち上がっていることがわかります。
もうすぐ出発しようとしている飛行機から降りようとしているのは明らかで、乗務員に注意されたレイチェルは、ごめんなさいと謝った後、「私は飛行機を降りないといけないの」、その後、I need to tell someone that I love them. と言っています。
love them の them は、someone を受ける代名詞ですね。
someone は単数形ですが、someone を代名詞で受ける場合、このように them という複数形を使うことがよくあります。(拙著「読むだけ なるほど! 英文法」の p.104 でも説明しています)
「私はある人に、私はその人を愛してる、って言わないといけないの」という感覚ですね。
客室乗務員は当然のことながら、I can't let you off the plane. 「あなたを飛行機から降ろすことはできません。飛行機から降りることを認める[許可する]わけにはいきません」と引き留めます。
留守電メッセージでそんなやりとりが行われているのを、自宅で音を聞くだけしかできないロスですが、思わず立ち上がり電話に向かって、Let her off the plane! 「彼女を飛行機から降ろしてやれよ!」と叫んでいるのが面白いですね。
相手に聞こえないとわかってはいるでしょうが、「降りたいと言ってるんだから、降ろしてやれよ。止めるなよ!」と言わずにはいられない心境なわけですね。
客室乗務員は「申し訳ありませんが(I am afraid)、お席に着いていただかなければなりません」と説得を続けていますが、レイチェルは、You don't understand! 「(私がどれほど降りなければいけないか)あなたはわかってないのよ」と叫びます。
ただのわがままで言ってるわけじゃない、これには深い深い理由があるのよ、と言いたい感じですね。
それを聞いたロスがまた電話に向かって、Try to understand! 「わかろうとしてやれよ。わかってやれよ」と叫ぶのも面白いです。
「とにかく私を降ろす方法はないかしら?」と just let me off the-- と言ったところで、録音終了のピー音が鳴ります。
留守電のメッセージが肝心なところで終わってしまったので、ロスは電話機のところに飛んで行きます。
続きは、次回といたします(^^)
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ロス: Oh, my God! (なんてこった!)
レイチェル: (on the answering machine) Okay, ex-- excuse me? ([留守電で] いいわ、あの、すみません。)
客室乗務員(Air stewardess): (on the answering machine) Miss? Please, sit down! ([留守電で] お客様? どうかお座り下さい!)
レイチェル: (on the answering machine) No, I'm sorry. I'm really sorry, but I need to get off the plane, okay? I need to tell someone that I love them. ([留守電で] いいえ、ごめんなさい、ほんとにごめんなさい。でも私は飛行機を降りないといけないのよ。ある人に、その人を愛してる、って私は言わなくちゃいけないの。)
客室乗務員: (on the answering machine) Miss, I can't let you off the plane. ([留守電で] お客様、あなたを飛行機から降ろすことはできません[飛行機から降りることを認めるわけにはいきません]。)
ロス: Let her off the plane! (彼女を飛行機から降ろしてやれよ!)
客室乗務員: (on the answering machine) I am afraid you are gonna have to take a seat. ([留守電で] 申し訳ありませんがお席に着いていただかなければなりません。)
レイチェル: (on the answering machine) Oh, please, miss. You don't understand! ([留守電で] あぁ、お願いよ、あなたはわかってないのよ!)
ロス: Try to understand! (わかろうとしてやれよ[わかってやれよ]!)
レイチェル: (on the answering machine) Oh, come on, miss, isn't there any way that you can just let me off the-- ([留守電] あぁ、お願いよ、とにかく私を降ろす方法が何かないかしら…?)
(The message is finished. Ross jumps over to the answering machine.)
(ピーという音がして)留守電メッセージが終わる。ロスは留守電のところに飛んで行く[慌てて近づく]。
ロスは空港から自宅に帰ってきます。
留守電をチェックすると、レイチェルの留守電メッセージが入っていました。
「ちょうど飛行機に戻ったところで、ただもう最悪の気分よ」と言っています。
That is so not how I wanted things to end with us. は、「さっきのは、私が私たちのことで物事をこんな風に終わらせたいと思うようなものでは全くなかった」というところでしょう。
so は not を強調していて、That is not how I wanted 「さっきの(ような別れ方)は、私が望んだ状態ではない」が基本的な構造になります。
It's just that... は「ただ…なだけなの」という感覚なので、「私が望んでああしたわけじゃなくて、ただ、あなたに会うとは予期してなかったから・思ってなかったから、あんな別れ方をしてしまった、ってだけなの」と言っていることになります。
And all of a sudden you're there and saying these things は、「そして突然(そこにいるとは思いもしなかった)あなたがそこにいて、こういうことを(「行かないで。愛してるんだ」と)言っている」。
そして今、私はここ(飛行機の席)に座って、all the stuff I should have said and I didn't を考えている、と続けます。
all the stuff 以下は、「私が言うべきだったのに(実際には)言わなかったことすべて」。
「言うべきだったのに言わなかったこと」の内容を、I mean 「それはつまり」と続けて、I didn't even get to tell you that I love you too. と言っています。
even get to のニュアンスを出して訳すとすると、「私もあなたを愛してるということを、あなたに言うことにすらならなかった」というところでしょう。
ただ「言わなかった」と言っているのではなく、言う状況にすらならなかった、言葉にするところまでも行かなかった、という感じで、言いたいことを何一つ言えないままの別れになってしまったことを後悔している様子が感じられますね。
その後、Because of course I do. は「だって、もちろん、私はそうなんだから[あなたを愛しているんだから]」。
「あなたが”愛してる”と言ってくれたことに対して、”私も愛してる”という返事をしなかった」ことを悔いる発言をしているその理由として、because を使って、「だってもちろん私はあなたを愛してるんだもの」と言っていることになるでしょう。
Because の後は、I do のように、love ではなく、代動詞 do を使っていますが、その後、はっきりと love という動詞を使って、何度も何度も I love you. を繰り返しています。
留守電のメッセージで、何度も何度も I love you. と言っているので、観客からも少し笑いが漏れていますが、その後、What am I doing? 「私、何やってるの?」と言って、もう一度、I love you! と切ない感じで言った後に、「あなたに会わなくちゃ。この飛行機を降りなくちゃ」と言い始めます。
留守電メッセージを聞いていたロスは、メッセージの中でレイチェルが「飛行機を降りなくちゃ」と言い始めたので、驚きの表情を浮かべています。
その後も、留守電に録音されている音声で、レイチェルが飛行機を降りようとしている様子がわかるようになっています。
レイチェルが、excuse me? と言った後、客室乗務員が、「お客様? どうかお座り下さい!」と言っていることから、レイチェルが座席から立ち上がっていることがわかります。
もうすぐ出発しようとしている飛行機から降りようとしているのは明らかで、乗務員に注意されたレイチェルは、ごめんなさいと謝った後、「私は飛行機を降りないといけないの」、その後、I need to tell someone that I love them. と言っています。
love them の them は、someone を受ける代名詞ですね。
someone は単数形ですが、someone を代名詞で受ける場合、このように them という複数形を使うことがよくあります。(拙著「読むだけ なるほど! 英文法」の p.104 でも説明しています)
「私はある人に、私はその人を愛してる、って言わないといけないの」という感覚ですね。
客室乗務員は当然のことながら、I can't let you off the plane. 「あなたを飛行機から降ろすことはできません。飛行機から降りることを認める[許可する]わけにはいきません」と引き留めます。
留守電メッセージでそんなやりとりが行われているのを、自宅で音を聞くだけしかできないロスですが、思わず立ち上がり電話に向かって、Let her off the plane! 「彼女を飛行機から降ろしてやれよ!」と叫んでいるのが面白いですね。
相手に聞こえないとわかってはいるでしょうが、「降りたいと言ってるんだから、降ろしてやれよ。止めるなよ!」と言わずにはいられない心境なわけですね。
客室乗務員は「申し訳ありませんが(I am afraid)、お席に着いていただかなければなりません」と説得を続けていますが、レイチェルは、You don't understand! 「(私がどれほど降りなければいけないか)あなたはわかってないのよ」と叫びます。
ただのわがままで言ってるわけじゃない、これには深い深い理由があるのよ、と言いたい感じですね。
それを聞いたロスがまた電話に向かって、Try to understand! 「わかろうとしてやれよ。わかってやれよ」と叫ぶのも面白いです。
「とにかく私を降ろす方法はないかしら?」と just let me off the-- と言ったところで、録音終了のピー音が鳴ります。
留守電のメッセージが肝心なところで終わってしまったので、ロスは電話機のところに飛んで行きます。
続きは、次回といたします(^^)
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2016年09月05日
今まで待つべきじゃなかったのに フレンズ10-18その3
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レイチェルが飛行機に乗ろうとした時に、何とか追いついたロスとフィービー。
二人を見て驚くレイチェルに、ロスは語り始めます。
ロス: Okay. Thing is.... (よし。言いたいことは…)
レイチェル: Yeah? (何?)
ロス: Don't go. (行くな。)
レイチェル: What? (何?)
ロス: Please, please stay with me. I am so in love with you. Please don't go. (どうかお願いだ、僕と一緒にいてくれ。僕は君をとても愛してる。どうか行かないでくれ。)
レイチェル: Oh, my God. (まぁ。)
ロス: I know. I know. I shouldn't have waited till now to say it, but I'm-- That was stupid, okay? I'm sorry. But I'm telling you now. I love you. Do not get on this plane. (そうだ、わかってる。それを言うのを今まで待つべきじゃなかったのに。でも僕は… 今までバカだった。ごめんよ。でも僕は今、これを言うよ。君を愛してる。この飛行機に乗らないで。)
ゲート案内係2: Miss? Are you boarding the plane? (お客様? 飛行機に乗られますか?)
ロス: Hey, hey. I know you love me. I know you do. (ねぇ。君が僕を愛してるってわかってる。君もそうだって僕にはわかってる。)
ゲート案内係2: Miss? (お客様?)
レイチェル: I.... I.... I have to get on the plane. (私、私…私は飛行機に乗らないといけないの。)
ロス: No, you don't. (だめだ、乗るな。)
レイチェル: Yes, I do. (いえ、乗るわ。)
ロス: No, you don't. (いや、乗っちゃだめだ。)
レイチェル: I do. They're waiting for me, Ross. I can't do this right now, I'm sorry. I'm sorry. (乗るわ。みんなが私を待ってるの、ロス。今はこんなことできない、ごめんなさい、ごめんなさい。)
ロス: Rachel? (レイチェル?)
レイチェル: I'm so sorry. (本当にごめんなさい。)
(She boards the plane.)
レイチェルは飛行機に乗り込む。
ロス: I really thought she'd stay. (彼女は残ってくれるって、僕は本当に思ってた。)
フィービー: I know. I'm sorry. (そうね。残念だわ。)
(Phoebe hugs Ross.)
フィービーはロスをハグする。
Thing is... / The thing is... は、これから大切なことを言おうとする際に、前振りとして使う表現。「そのこと=大事なこと」は(今から言う以下のこと)なんだ、という感覚ですね。
ロスはまず、端的に、Don't go. 「行くな」と言っています。
いきなりそう言われたレイチェルは、What? と返すしかありませんが、ロスはさらに「どうか僕と一緒にいてくれ」と言います。
そしてはっきりと、I am so in love with you. 「僕は君をとても愛してる」と言っていますね。
「愛してるから、行かないで」と空港で言われてしまったレイチェルは、感動した様子の震える声で、Oh, my God. と言います。
I shouldn't have waited till now to say it の shouldn't have p.p. は「〜すべきじゃなかったのに(実際には〜してしまった)」のような後悔の表現。
「それ(君をとても愛してる)という言葉を言うのを、今まで待つべきではなかったのに、結果として今言うことになってしまった。もっと前に言うべきだったのに言えなかった」という後悔になります。
That was stupid は「レイチェルに愛してると言えなかったことは、愚かだった」というところ。
言うべきことを言えなかった自分を反省し、僕がバカだった、と認めた上で、「でも今、僕は君に言うよ、僕は君を愛してる」と、はっきり I love you. という言葉を口にします。
自分の気持ちを正直に伝えた上で、さらに「この飛行機に乗らないで」と説得していますね。
ですが、出発間近の飛行機なので、空港の係員は、ゲートのところで乗るか乗らないかで迷っている乗客に対し、「お客様、飛行機に乗られますか?」と当然のように促すことになります。
係員にそう言われて困ってしまうレイチェルですが、ロスはレイチェルを全力で引き留めようと、強気な発言を続けます。
I know you love me. I know you do. 「君も僕を愛してるって僕にはわかってる」というのが泣けてしまいますね。
お互いがお互いを愛していることは、お互いをよく知る、長い付き合いの二人には当然わかっていたはずですが、これまでは心の底ではそう信じていても、過去の別れの経緯などもあり、なかなか口には出せなかった状態でした。
ここでレイチェルを引き留めなければ、レイチェルはパリに行ってしまう、という時になってやっと、「僕は君を愛してる。そして君も僕を愛してるはずだ。だからパリには行かずに僕と一緒にいて欲しい」という力強い発言をすることがロスにもやっとできたわけですね。
ロスがここまで正直な気持ちをぶつけたことで、レイチェルの心は大いに揺れ動いたはずですが、係員が「お客様?」とせかすので、レイチェルは「今はもう何も考えられない」という混乱した様子で、「とにかく私は飛行機に乗らなくちゃ」と言います。
ロスは必死に「乗るな」と止めるのですが、「みんなが私を待ってるのよ。今はこんなことできない。ごめんなさい」と言って、ついには飛行機に乗り込んでしまいます。
レイチェルが行ってしまった後、係員によってドアが閉められます。
レイチェルが去り、茫然とするロスに、フィービーは後ろからそっと近づき、慰めるようにロスの背中をさすります。
I really thought she'd stay. というロスのセリフが、本当に悲しみを誘います。
「レイチェルは残ってくれるだろうと、僕は本当に思っていた」ということですね。
実際のところ、「自分が気持ちを告白することで、絶対にレイチェルは残ってくれるはず」という自信があったとまでは言えなかったでしょうが、ロスが全力で自分の気持ちを伝えれば、僕のことを愛しているはずのレイチェルの心もきっと動いてくれるに違いない、という願いにも似た気持ちを持っていたのは間違いないでしょうね。
I love you. I know you love me. という言葉まで口にした後で、まさかレイチェルが僕の気持ちを受け入れずにそのままパリに旅立ってしまうなんて、、 というショックが隠しきれない様子が、このセリフからもよくわかります。
ロスに付き添っていたフィービーも、「そうね。残念だわ」と言ってハグするしかありません。
ロスが言うべきことを言えないままで、レイチェルが行ってしまう、、という流れは、コメディとしてよくあるパターンで、ここに至るまでもそういうことの繰り返しのようでしたが、今回のシーンのように、ロスがここまで自分の気持ちを正直に力強く告白したのに、それでもレイチェルは行ってしまった、、というのは、見ていてショックなものがありますね。
ロスの気持ちがよくわかる、という気持ちになったファンも多かったのではないでしょうか。
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レイチェルが飛行機に乗ろうとした時に、何とか追いついたロスとフィービー。
二人を見て驚くレイチェルに、ロスは語り始めます。
ロス: Okay. Thing is.... (よし。言いたいことは…)
レイチェル: Yeah? (何?)
ロス: Don't go. (行くな。)
レイチェル: What? (何?)
ロス: Please, please stay with me. I am so in love with you. Please don't go. (どうかお願いだ、僕と一緒にいてくれ。僕は君をとても愛してる。どうか行かないでくれ。)
レイチェル: Oh, my God. (まぁ。)
ロス: I know. I know. I shouldn't have waited till now to say it, but I'm-- That was stupid, okay? I'm sorry. But I'm telling you now. I love you. Do not get on this plane. (そうだ、わかってる。それを言うのを今まで待つべきじゃなかったのに。でも僕は… 今までバカだった。ごめんよ。でも僕は今、これを言うよ。君を愛してる。この飛行機に乗らないで。)
ゲート案内係2: Miss? Are you boarding the plane? (お客様? 飛行機に乗られますか?)
ロス: Hey, hey. I know you love me. I know you do. (ねぇ。君が僕を愛してるってわかってる。君もそうだって僕にはわかってる。)
ゲート案内係2: Miss? (お客様?)
レイチェル: I.... I.... I have to get on the plane. (私、私…私は飛行機に乗らないといけないの。)
ロス: No, you don't. (だめだ、乗るな。)
レイチェル: Yes, I do. (いえ、乗るわ。)
ロス: No, you don't. (いや、乗っちゃだめだ。)
レイチェル: I do. They're waiting for me, Ross. I can't do this right now, I'm sorry. I'm sorry. (乗るわ。みんなが私を待ってるの、ロス。今はこんなことできない、ごめんなさい、ごめんなさい。)
ロス: Rachel? (レイチェル?)
レイチェル: I'm so sorry. (本当にごめんなさい。)
(She boards the plane.)
レイチェルは飛行機に乗り込む。
ロス: I really thought she'd stay. (彼女は残ってくれるって、僕は本当に思ってた。)
フィービー: I know. I'm sorry. (そうね。残念だわ。)
(Phoebe hugs Ross.)
フィービーはロスをハグする。
Thing is... / The thing is... は、これから大切なことを言おうとする際に、前振りとして使う表現。「そのこと=大事なこと」は(今から言う以下のこと)なんだ、という感覚ですね。
ロスはまず、端的に、Don't go. 「行くな」と言っています。
いきなりそう言われたレイチェルは、What? と返すしかありませんが、ロスはさらに「どうか僕と一緒にいてくれ」と言います。
そしてはっきりと、I am so in love with you. 「僕は君をとても愛してる」と言っていますね。
「愛してるから、行かないで」と空港で言われてしまったレイチェルは、感動した様子の震える声で、Oh, my God. と言います。
I shouldn't have waited till now to say it の shouldn't have p.p. は「〜すべきじゃなかったのに(実際には〜してしまった)」のような後悔の表現。
「それ(君をとても愛してる)という言葉を言うのを、今まで待つべきではなかったのに、結果として今言うことになってしまった。もっと前に言うべきだったのに言えなかった」という後悔になります。
That was stupid は「レイチェルに愛してると言えなかったことは、愚かだった」というところ。
言うべきことを言えなかった自分を反省し、僕がバカだった、と認めた上で、「でも今、僕は君に言うよ、僕は君を愛してる」と、はっきり I love you. という言葉を口にします。
自分の気持ちを正直に伝えた上で、さらに「この飛行機に乗らないで」と説得していますね。
ですが、出発間近の飛行機なので、空港の係員は、ゲートのところで乗るか乗らないかで迷っている乗客に対し、「お客様、飛行機に乗られますか?」と当然のように促すことになります。
係員にそう言われて困ってしまうレイチェルですが、ロスはレイチェルを全力で引き留めようと、強気な発言を続けます。
I know you love me. I know you do. 「君も僕を愛してるって僕にはわかってる」というのが泣けてしまいますね。
お互いがお互いを愛していることは、お互いをよく知る、長い付き合いの二人には当然わかっていたはずですが、これまでは心の底ではそう信じていても、過去の別れの経緯などもあり、なかなか口には出せなかった状態でした。
ここでレイチェルを引き留めなければ、レイチェルはパリに行ってしまう、という時になってやっと、「僕は君を愛してる。そして君も僕を愛してるはずだ。だからパリには行かずに僕と一緒にいて欲しい」という力強い発言をすることがロスにもやっとできたわけですね。
ロスがここまで正直な気持ちをぶつけたことで、レイチェルの心は大いに揺れ動いたはずですが、係員が「お客様?」とせかすので、レイチェルは「今はもう何も考えられない」という混乱した様子で、「とにかく私は飛行機に乗らなくちゃ」と言います。
ロスは必死に「乗るな」と止めるのですが、「みんなが私を待ってるのよ。今はこんなことできない。ごめんなさい」と言って、ついには飛行機に乗り込んでしまいます。
レイチェルが行ってしまった後、係員によってドアが閉められます。
レイチェルが去り、茫然とするロスに、フィービーは後ろからそっと近づき、慰めるようにロスの背中をさすります。
I really thought she'd stay. というロスのセリフが、本当に悲しみを誘います。
「レイチェルは残ってくれるだろうと、僕は本当に思っていた」ということですね。
実際のところ、「自分が気持ちを告白することで、絶対にレイチェルは残ってくれるはず」という自信があったとまでは言えなかったでしょうが、ロスが全力で自分の気持ちを伝えれば、僕のことを愛しているはずのレイチェルの心もきっと動いてくれるに違いない、という願いにも似た気持ちを持っていたのは間違いないでしょうね。
I love you. I know you love me. という言葉まで口にした後で、まさかレイチェルが僕の気持ちを受け入れずにそのままパリに旅立ってしまうなんて、、 というショックが隠しきれない様子が、このセリフからもよくわかります。
ロスに付き添っていたフィービーも、「そうね。残念だわ」と言ってハグするしかありません。
ロスが言うべきことを言えないままで、レイチェルが行ってしまう、、という流れは、コメディとしてよくあるパターンで、ここに至るまでもそういうことの繰り返しのようでしたが、今回のシーンのように、ロスがここまで自分の気持ちを正直に力強く告白したのに、それでもレイチェルは行ってしまった、、というのは、見ていてショックなものがありますね。
ロスの気持ちがよくわかる、という気持ちになったファンも多かったのではないでしょうか。
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2016年09月02日
念のために予備も積んでいます フレンズ10-18その2
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飛行機に乗ってしまったレイチェルを降ろそうと、フィービーは携帯電話で「その飛行機の左のフィランジ(フィービーの造語)が故障してる」と伝えます。
その会話を知ったレイチェルの隣の乗客が騒ぎ出し、乗っていた乗客は全て、飛行機を降りてしまいました。その後のシーン。
[Scene: The gate at the airport. The passengers are standing in line, and they're about to board the plane again.]
空港のゲート。乗客が列に並んでいて、再び飛行機に乗り込もうとしているところ。
ゲート受付係2(Gate attendant #2): Ma'am, I assure you, the plane is fine. (マダム、間違いなくこの飛行機は大丈夫です。)
乗客2: And you fixed the phalange? (それで、例のフィランジは修理したの?)
ゲート受付係2: Yes. The phalange's fixed. As a matter of fact, we've put a whole lot of extra phalanges onboard, just in case. (はい。そのフィランジは修理しました。実は、予備のフィランジも飛行機に積みました、念のために。)
(Rachel walks up to the gate. Cut to Ross and Phoebe who come running up to the gate.)
レイチェルがゲートに歩いてくる。ゲートに向かって走ってくるロスとフィービーに画面がカット。
ロス: Where is she? (レイチェルはどこ?)
フィービー: I don't see her. (姿が見えないわ。)
ロス: Rachel! Rachel Green! (レイチェル! レイチェル・グリーン!)
フィービー: There she is! (レイチェルはあそこよ!)
ロス: Rachel! (レイチェル!)
受付係2: Whoa, excuse me, sir, do you have a boarding pass? (おっと、失礼、搭乗券はお持ちですか?)
ロス: No, no. I just have to talk to someone. (いいや。僕はただある人に話をしないといけないだけなんだ。)
受付係2: I'm sorry. You cannot go any further without a boarding pass. (申し訳ありません。搭乗券なしではこれ以上先には進めません。)
ロス: No, no, no, but you don't-- (いやいや、でも…)
フィービー: (screaming) RACHEL!! ([叫んで] レイチェルー!!)
(Rachel comes back to the gate.)
レイチェルがゲートに戻ってくる。
レイチェル: What? Oh, my God. What.. What are you guys doing here? (何? なんてこと。あなたたち、ここで何してるの?)
フィービー: Okay. You're on. (よし。[ロスに] あなたの出番よ。)
レイチェル: What? What, Ross? Okay, you're scaring me. What's going on? (何? 何なの、ロス? [ロスはレイチェルの手を引っ張る] あぁ、私、怖いんだけど。何が起こってるの?)
ゲートのアテンダント(案内係)が乗客に、Ma'am, I assure you, the plane is fine. と言っています。
この ma'am だけでなく、その後も sir, Miss など丁寧な呼び掛け語を使っているところに、接客業の言葉遣いである感じが出ています。
assure は「保証する、請け合う」という動詞なので、I assure you (that) SV の形だと、「SV だと保証する」「大丈夫、SV だ」のように、後に続く SV という文の内容が「間違いない、保証する」感覚になります。
「左のフィランジに問題がある」と騒ぎになり、乗客全員が降りることになったので、乗客はまだその「フィランジ」のことを心配しています。
「あなたたち(航空会社)はその(例の問題になった)フィランジを修理した・直したの?」と尋ねた乗客に、Yes. The phalange's fixed. と答える係の人が面白いですね。
phalange というのはフィービーが言ったでまかせの造語で、本当にそんな部品や部分が飛行機にあるわけでもなかったのに、みんなが「フィランジが故障だ。フィランジがない」と大騒ぎをしたので、これ以上騒ぎにならないよう、客が納得するように話を合わせておこう、と思ったのがよくわかります。
それに続くセリフもまた面白いですね。
「実は(そのフィランジを修理しただけではなく)、予備のフィランジも飛行機に積みました、念のために」ということで、壊れただの、ないだのと騒がれたことへの対応として、ちゃんと予備の分も積んでありますから、さきほどのようなトラブルにはなりませんからご安心を、、と言ったことになります。
そんな時、ロスとフィービーがゲートの方に走ってきます。
二人はレイチェルの姿を探すのですが、すぐには見つかりません。
フィービーが「レイチェルはあそこよ!」と見つけた時には、飛行機の方に歩いていく後ろ姿が見えただけでした。
ロスはレイチェルを追いかけようとするのですが、係員にゲートで止められてしまいます。
こういう場合でも、sir という敬称を付け、客に対する言葉遣いで注意していますね。
「搭乗券はお持ちですか?」「持ってないけど、僕はただある人と話をしなくちゃいけないだけだ」との会話の後、「申し訳ありませんが、搭乗券なしではこれ以上先に(奥に)進むことはできません」と言われてしまいます。
それでも、、と何とか頑張ろうとするロスですが、ロスと一緒に来ていたフィービーが、すごい声で RACHEL!! (発音は、レイチョーーーーー!! みたいな感じw)と叫ぶので、その声が聞こえたらしいレイチェルが「何事?」という顔で戻ってくるのが、コメディっぽくて面白いですね。
名前を呼ばれて出てきたら、ロスとフィービーがそこにいるので、レイチェルは驚き、「(家でさよならを言ったはずなのに)どうしてあなたたちはここにいるの? どうして空港まで来たの?」と言います。
You're on. は「あなたの出番よ」という感覚ですね。
私が大声で叫んでレイチェルを連れ戻してあげたから、今後はあなたが頑張る番よ、あなたの出番よ、とフィービーは言っていることになります。
you're scaring me. の scare は「人を怖がらせる」という他動詞で、人が「怖い」と言う場合にはよく、I'm scared. という形で使われます。
何かによって私が怖がらせられるということから、be scared 「怖がらせられる」という受身形で「怖い。怖いと感じる」という意味になるわけですね。
今回は、「ここにいるはずのないロスがいて、飛行機に乗ろうとしている私に何か言おうとしている」というロスの様子が私を怖がらせる、というように、「私が何だか怖い、と感じる原因が、あなた(ロス)である。あなたが今私を怖がらせている」と、怖いと感じる原因が you であることをはっきり言及している表現になるでしょう。
「あなたがここにいて、そんな様子だから、私、今、怖いんだけど」というところですね。
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飛行機に乗ってしまったレイチェルを降ろそうと、フィービーは携帯電話で「その飛行機の左のフィランジ(フィービーの造語)が故障してる」と伝えます。
その会話を知ったレイチェルの隣の乗客が騒ぎ出し、乗っていた乗客は全て、飛行機を降りてしまいました。その後のシーン。
[Scene: The gate at the airport. The passengers are standing in line, and they're about to board the plane again.]
空港のゲート。乗客が列に並んでいて、再び飛行機に乗り込もうとしているところ。
ゲート受付係2(Gate attendant #2): Ma'am, I assure you, the plane is fine. (マダム、間違いなくこの飛行機は大丈夫です。)
乗客2: And you fixed the phalange? (それで、例のフィランジは修理したの?)
ゲート受付係2: Yes. The phalange's fixed. As a matter of fact, we've put a whole lot of extra phalanges onboard, just in case. (はい。そのフィランジは修理しました。実は、予備のフィランジも飛行機に積みました、念のために。)
(Rachel walks up to the gate. Cut to Ross and Phoebe who come running up to the gate.)
レイチェルがゲートに歩いてくる。ゲートに向かって走ってくるロスとフィービーに画面がカット。
ロス: Where is she? (レイチェルはどこ?)
フィービー: I don't see her. (姿が見えないわ。)
ロス: Rachel! Rachel Green! (レイチェル! レイチェル・グリーン!)
フィービー: There she is! (レイチェルはあそこよ!)
ロス: Rachel! (レイチェル!)
受付係2: Whoa, excuse me, sir, do you have a boarding pass? (おっと、失礼、搭乗券はお持ちですか?)
ロス: No, no. I just have to talk to someone. (いいや。僕はただある人に話をしないといけないだけなんだ。)
受付係2: I'm sorry. You cannot go any further without a boarding pass. (申し訳ありません。搭乗券なしではこれ以上先には進めません。)
ロス: No, no, no, but you don't-- (いやいや、でも…)
フィービー: (screaming) RACHEL!! ([叫んで] レイチェルー!!)
(Rachel comes back to the gate.)
レイチェルがゲートに戻ってくる。
レイチェル: What? Oh, my God. What.. What are you guys doing here? (何? なんてこと。あなたたち、ここで何してるの?)
フィービー: Okay. You're on. (よし。[ロスに] あなたの出番よ。)
レイチェル: What? What, Ross? Okay, you're scaring me. What's going on? (何? 何なの、ロス? [ロスはレイチェルの手を引っ張る] あぁ、私、怖いんだけど。何が起こってるの?)
ゲートのアテンダント(案内係)が乗客に、Ma'am, I assure you, the plane is fine. と言っています。
この ma'am だけでなく、その後も sir, Miss など丁寧な呼び掛け語を使っているところに、接客業の言葉遣いである感じが出ています。
assure は「保証する、請け合う」という動詞なので、I assure you (that) SV の形だと、「SV だと保証する」「大丈夫、SV だ」のように、後に続く SV という文の内容が「間違いない、保証する」感覚になります。
「左のフィランジに問題がある」と騒ぎになり、乗客全員が降りることになったので、乗客はまだその「フィランジ」のことを心配しています。
「あなたたち(航空会社)はその(例の問題になった)フィランジを修理した・直したの?」と尋ねた乗客に、Yes. The phalange's fixed. と答える係の人が面白いですね。
phalange というのはフィービーが言ったでまかせの造語で、本当にそんな部品や部分が飛行機にあるわけでもなかったのに、みんなが「フィランジが故障だ。フィランジがない」と大騒ぎをしたので、これ以上騒ぎにならないよう、客が納得するように話を合わせておこう、と思ったのがよくわかります。
それに続くセリフもまた面白いですね。
「実は(そのフィランジを修理しただけではなく)、予備のフィランジも飛行機に積みました、念のために」ということで、壊れただの、ないだのと騒がれたことへの対応として、ちゃんと予備の分も積んでありますから、さきほどのようなトラブルにはなりませんからご安心を、、と言ったことになります。
そんな時、ロスとフィービーがゲートの方に走ってきます。
二人はレイチェルの姿を探すのですが、すぐには見つかりません。
フィービーが「レイチェルはあそこよ!」と見つけた時には、飛行機の方に歩いていく後ろ姿が見えただけでした。
ロスはレイチェルを追いかけようとするのですが、係員にゲートで止められてしまいます。
こういう場合でも、sir という敬称を付け、客に対する言葉遣いで注意していますね。
「搭乗券はお持ちですか?」「持ってないけど、僕はただある人と話をしなくちゃいけないだけだ」との会話の後、「申し訳ありませんが、搭乗券なしではこれ以上先に(奥に)進むことはできません」と言われてしまいます。
それでも、、と何とか頑張ろうとするロスですが、ロスと一緒に来ていたフィービーが、すごい声で RACHEL!! (発音は、レイチョーーーーー!! みたいな感じw)と叫ぶので、その声が聞こえたらしいレイチェルが「何事?」という顔で戻ってくるのが、コメディっぽくて面白いですね。
名前を呼ばれて出てきたら、ロスとフィービーがそこにいるので、レイチェルは驚き、「(家でさよならを言ったはずなのに)どうしてあなたたちはここにいるの? どうして空港まで来たの?」と言います。
You're on. は「あなたの出番よ」という感覚ですね。
私が大声で叫んでレイチェルを連れ戻してあげたから、今後はあなたが頑張る番よ、あなたの出番よ、とフィービーは言っていることになります。
you're scaring me. の scare は「人を怖がらせる」という他動詞で、人が「怖い」と言う場合にはよく、I'm scared. という形で使われます。
何かによって私が怖がらせられるということから、be scared 「怖がらせられる」という受身形で「怖い。怖いと感じる」という意味になるわけですね。
今回は、「ここにいるはずのないロスがいて、飛行機に乗ろうとしている私に何か言おうとしている」というロスの様子が私を怖がらせる、というように、「私が何だか怖い、と感じる原因が、あなた(ロス)である。あなたが今私を怖がらせている」と、怖いと感じる原因が you であることをはっきり言及している表現になるでしょう。
「あなたがここにいて、そんな様子だから、私、今、怖いんだけど」というところですね。
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2016年08月31日
左のフィランジが故障 フレンズ10-18その1
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ついに、フレンズ最終話(フレンズ10-18)の解説に入りました♪
シーズン10 第18話
The Last One - Part 2 (グランド・フィナーレ - part 2)
原題は「最後の話 パート2」
パリに旅立つレイチェルを追いかけるため、フィービーは自分のキャブでロスを空港まで送ります。
二人は JFK空港に着いたのですが、レイチェルがいるのはニューアーク空港だとわかり茫然。
慌ててニューアーク空港にキャブで向かうのですが、間に合わないと言うロスに、フィービーは「携帯でレイチェルに電話すればいい」と言って、自分の携帯からレイチェルに電話をかけます。
レイチェル: Hello? (もしもし?)
フィービー: Rachel? Oh, good. (レイチェル? あぁ、良かった。)
レイチェル: Phoebe? Is everything okay? (フィービー? 大丈夫?)
フィービー: Uhm, actually no. No. You, you have to get off the plane. (あの、それが大丈夫じゃないの。あなたは飛行機を降りないといけないわ。)
レイチェル: What? Why? (何? どうして?)
フィービー: I have this feeling that something's wrong with it. Something is wrong with the left phalange. (何かがおかしい[異常がある]って気がするの。何かがおかしいわ、左のフィランジ[ファランジ]が。)
レイチェル: Oh, honey, I'm sure there's nothing wrong with the plane. (あぁ、ハニー、飛行機には何も問題ないって思うわよ。)
(The passenger in the seat next to Rachel looks at her and seems a little nervous.)
レイチェルの隣の席の乗客がレイチェルを見て、少し心配そうな様子。
レイチェル: Alright, look, I have to go. I love you, and I will call you the minute I get to Paris. (いいわ、ねぇ、私はもう行かなきゃいけないの。愛してるわ、それでパリに着いたら電話するわね。)
(Rachel hangs up.)
レイチェルは電話を切る。
乗客1(Passenger #1): Uhm, what was that? (あのー、今のは何?)
レイチェル: Oh, that was just my crazy friend. She told me I should get off the plane because she had a "feeling" that there was something wrong with the left phalange. (あぁ、今のはただの私の変な友達よ。彼女が、私に飛行機を降りろ、左のフィランジに何か異常がある[左のフィランジが故障してる]、って感じがするから、って言ったのよ。)
乗客1: Okay. That doesn't sound good. (そう。それって良くない感じだね。)
レイチェル: Oh, I wouldn't worry about it. She's always coming up with stuff like this, and you know what? She's almost never right. (あぁ、私なら気にしないわ。彼女はいつもこんな感じのことばっかり考えるのよ。でね、彼女はほとんど当たってることがないの。)
乗客1: But she is sometimes. (でも時々なら当たるんだ。)
レイチェル: Well.... (まあね…)
(The passenger stands up and gets his suitcase from the overhead compartment.)
その乗客は立ち上がり、頭上のコンパートメントから自分のスーツケースを取り出す。
客室乗務員(Air stewardess): Excuse me, sir. Where are you going? (お客様。どこへ行かれるのですか?)
乗客1: I have to get off this plane, okay? Her friend has a feeling something's wrong with the left phalange. (この飛行機を降りないといけないんだよ。彼女の友達が、左のフィランジが故障してる、って感じるんだって。)
レイチェル: Could I get some peanuts? (ピーナッツ、もらえます?)
乗客2: What's wrong with the plane? (飛行機が故障してるの?)
乗客1: Yeah! The left phalange! (あぁ! 左のフィランジが!)
客室乗務員: There's no "phalange." (”フィランジ”(なんてもの)はありません。)
乗客1: Oh, my God. This plane doesn't even have a phalange! (なんてこった! この飛行機にはフィランジを持ってさえいないんだ![フィランジがないんだ!])
乗客3: What's going on? (何が起こってるんだ?)
乗客1: We're all getting off. There is no phalange! (俺たち飛行機を降りるぞ![みんな、飛行機を降りよう!] (この飛行機には)フィランジがないんだぞ!)
(Everybody walks out of the plane.)
みんなが飛行機を降りる。
飛行機に乗った後で、フィービーがわざわざ携帯で電話をしてきたことから、レイチェルは「何か問題でもあるの?」というように Is everything okay? と尋ねています。
そう言われたフィービーは、「実は大丈夫じゃないの」と言って、「あなたは飛行機を降りないといけないわ」と言っています。
このままではロスと会わないままパリに旅立ってしまうので、とにかく飛行機を降りてもらわないと、、いう想いから、そのように言ったわけですね。
レイチェルは当然「どうして?」と返してきますので、そこでフィービーは、飛行機に何かしらの問題があるから降りないといけない、のように、理由をでっち上げています。
I have this feeling that something's wrong with it. について。
この wrong は「具合が悪くて、故障して、調子が狂って、おかしくて」というニュアンス。
研究社 新英和中辞典にも、
There's something wrong with the engine. そのエンジンはどこか故障がある
という例文が載っています。
it = the plane (レイチェルが乗っている飛行機)ですから、フィービーは「その飛行機がどこかおかしい、故障してるって気がする」と言っていることになります。
その後、さらに故障している箇所を Something is wrong with the left phalange. と言っていますが、隣のロスはそれを聞いて、「何だよ、それは、、」と少しあきれ顔をしています。
このフィランジ(ファランジ)と発音している単語ですが、DVDとブルーレイの英語字幕では phalange、ネットスクリプトでは Philange、Netflix では filangee と表記されています。
ツールごとに綴りが違っているのは、実際に飛行機にそういう部分・部品があるわけではないという、フィービーの造語だからですね。
この単語は、これまでのフレンズで、フィービーの偽名として何度も登場したものです。
ですから、フレンズをずっと見続けてきた人にとっては、「フィービー、またこの単語使ってる」と気づけて笑えてしまうわけですね。
グランドフィナーレに登場したということで、これまでの使用例を今日の記事の最後にまとめることにしますが、まずは今回のストーリーの方から説明します。
とにかくレイチェルを飛行機から降ろすために、適当な部品名をでっち上げて、そこに異常があるから、と説明したことになりますが、レイチェルは「そんな部品、部分があるのかな」と思ったようで、その名前について特に追求することもなく、「別に飛行機には異常がある様子じゃないわ」と説明し、「私は行かなくちゃ(だからそんなはっきりしない理由では降りられないわ)」と言い、「着いたら電話するから」と言って携帯を切ります。
ですが、フィービーとの電話でレイチェルが「飛行機には何も問題ないと思うわよ」と言ったのを聞いていた隣の男性が「今の電話は何? 飛行機のことで何を言って来たの?」のように尋ねます。
レイチェルはフィービーが言ってきた内容をそのまま素直に話します。
「今のは私の(ちょっと)変わった・変な友達(から)だったの」と言って、「彼女はこう言ったのよね、私は飛行機を降りるべきだ、左のフィランジが故障してるって「フィーリング」がするから、って」と説明します。
feeling を強調している感じなのは、「実際にここにいるわけでもなく、離れた場所から、”そんな感じがする、そんな気がする”みたいに言っているだけなのよ」というのをはっきりさせたいからですね。
ですが、隣の男性は心配性なのか、「それって良くない感じだね(聞く限り、あまりいい話とは言えないね)」と言います。
I wouldn't worry about it. の I wouldn't は「(あなたは心配しているようだけど)私ならそんなこと気にしないわ」のような「もし私なら〜しない」というニュアンスが含まれています。
その理由として、「電話をかけてきた彼女はいつもこんな感じだから」ということを説明していますね。
She's always coming up with stuff like this の「be always doing という現在進行形に always がついた形」は、「いつも・しょっちゅう〜してばかりいる」という話者の不満のニュアンスが込められています。
come up with は「思いつく、考えつく、考え出す」なので、「彼女はいつも、こんな感じのことを思いついてばっかりなの」というところ。
そう言った後、「でね、彼女の言うことはほとんど正解じゃないの、彼女はほとんど当たることがないの」と言います。
「こんなことばっか言ってて、当たった試しもほとんどないし」と言ったのですが、never ではなく、almost never のように almost がついたことが気になった様子の隣の客は、But she is sometimes (right). 「でも(ほとんど当たらないということなら)時には・時々は当たるんだね」と返します。
「絶対に当たらない」と言うこともできず、レイチェルが口をへの字にして、「まあね」という顔をすると、隣の客はすっくと立ち上がり、頭上から自分のスーツケースを取り出します。
もうすぐ離陸だと言うのに、降りようとする様子の乗客を見て、客室乗務員が声を掛けますが、乗客は「飛行機の部品が故障している、問題がある、という感じがする」という発言に囚われてしまった様子で、その内容を乗務員に伝えています。
自分が話してしまったことで、「飛行機を降りようとする客とそれを止めようとする客室乗務員」の状況を生んでしまったので、「彼女の友達がそう言ったんだ」と名指しされたレイチェルはただただ気まずい様子で、そのことを追求されたくもないのでしょう、乗務員に「ピーナッツもらえます?」と言って、その話題から逃れようとしています。
降りようとした乗客が「左のフィランジが故障してる」と大声で話したので、他の乗客たちもざわつき始めます。
「左のフィランジが!」と何度も言う乗客に、乗務員は「フィランジに異常があると言っておられますが、そもそも飛行機にはフィランジなんてものは存在しません。そんな部品や部分はありません」という意味で、There's no "phalange." という事実を述べるのですが、それを聞いた乗客は、「フィランジがない、だって? そこに異常があるどころか、必要な部品であるフィランジを積んですら[搭載してすら]いないのか?」のように、さらに勘違いしているのが面白いですね。
その乗客が「みんな、降りろ。フィランジがないんだぞ!」と叫んで、乗客は次々と飛行機を降りることとなります。
レイチェルは「いつものフィービーのたわごと」としか思っていなかったのに、それを聞いた隣の人がパニクってしまい、大ごとに発展してしまう、乗務員が言った一言でさらに状況が悪化してしまう、、という流れが英語で理解できればいいですね。
それでは、フレンズの過去エピソードでフィランジ(ファランジ)という言葉が出てきたことのまとめを書きます。
名前、それも偽名だということで、DVD でもネットスクリプトでも、その時々で綴りが違っていて、統一されていないのですが、私が調べたところ、この偽名が登場するのは、5-1, 5-24, 7-20, 8-4, 8-21, 10-13, 10-18 の回。
過去記事では、シーズン5に突入! フレンズ5-1その1 と、ジョーイとフィービーの偽名 フレンズ8-4その5 で、その名前について解説しています。
5-1 フィービーがロンドンに電話をかけて、
フィービー: (On the phone, in New York) Uh, hello, this is Ross Geller's personal physician, Dr. Philange. ([NYにいて、電話で] あぁ、こんにちは。こちらはロス・ゲラーの主治医のドクター・フィランジーです。)
と名乗る。(フィービーの偽名)
5-24 フィービーがベガスのカジノで、出張中のビジネスウーマンのふりをして、
フィービー: Hello. My name is Regina Falangie. I'm a businesswoman in town on business. Would you like to see my card? (こんにちは。私の名前はレジーナ・フィランジー[ファランジー]よ。私は出張中のビジネスウーマンなの。私の名刺をご覧になる?)
と名乗る。(フィービーの偽名)
7-20 レイチェルの大学の友人メリッサ(演じるはウィノナ・ライダー)と、ソロリティー(sorority: 大学の女子学生社交クラブ)の話をしていて、自分もそういうソロリティーに入ってた、と嘘をついたフィービーは、
フィービー: Yeah! Y'know, we were really huge too. But then they had to shut us down when Regina Phalangie died of alcohol poisoning. (ええ! ほら、私たち(のソロリティー)もすっごく大きかったのよ。でも、解散しないといけなくなったの、レジーナ・フィランジーが(急性)アルコール中毒で死んでしまった時にね。)
と説明する。(知り合いの女子学生の名前として使う)
8-4 チャンドラーとモニカが、知り合った夫婦に偽の電話番号を渡されたという話をした時、「きっと本当の名前も教えてないね」と言われ、
モニカ: Okay, maybe people give out fake numbers, but they don't give out fake names. (ねぇ、偽の番号を渡す人は多分いるだろうけど、でも偽の名前を名乗る人はいないわ。)
ジョーイ: Oh, yeah? (To Phoebe) Hi. Ken Adams. Nice to meet you. (あぁ、そうかい? [フィービーに] はーい、ケン・アダムズだ。こんにちは。)
フィービー: Regina Philange. (Ken and Regina shake hands.) (レジーナ・フィランジーよ。[ケンとレジーナは握手する])
(ジョーイはケン・アダムズ、フィービーはレジーナ・フィランジーという偽名をよく使っているという描写)
8-21 新しい仕事の面接を受けるつもりのチャンドラーに、面接の練習をしてあげるフィービー。
フィービー: All right, all right, we'll just do our best. Okay? So let's say I'm the interviewer and I'm meeting you for the first time. Okay. "Hi! Come on in. I'm uh, Regina Phalanges." (わかった、わかった、ベストを尽くしましょう、ね? じゃあ、私が面接官で、私はあなたと初対面よ。いい? 「こんにちは! 入って。私はレジーナ・ファランジーよ。)
(面接官のふりをする時の偽名)
10-13 フランス語を話す役が欲しいジョーイは(フランス語が話せる)フィービーと練習したけれど、結局フランス語が話せないままで、オーディションに落ちてしまう。オーディションが終了した直後、そのオーディション会場にフィービーが現れて、
フィービー: (in a French accent) Uh, excuse me? Uh, I am Reginé Philange. I was passing by when I heard this man speaking the regional dialect of my French town of Estée Lauder. ([フランス語のアクセントで] あの、よろしいかしら? 私はレジーン・フィラーンジュ。私はたまたま通りかかったの、この男性が私のフランスの故郷エスティローダーの訛り(なまり)を話しているのが聞こえたので。)
(その後、ジョーイにはわからないように「彼は私の弟なの」とフランス語で話す。つまりジョーイの姉を演じた時の偽名。フランス語風にしゃべっているので、名前もフランス語読み風となっている。
エスティローダーは化粧品の製造・販売メーカーですが、その名前をフランスのある地方の名前のように言っているのもジョークのポイント。)
この過去の使用一覧からわかるように、1回は友人の偽名で、他は全てフィービーが他人のふりをする際の偽名です。
そして今回のグランドフィナーレで初めて、「フィービーの偽名ではなく、ある部分の名称(今回は飛行機の装置または部品の名前)」として使われたことになります。
最終話では、いつもの「偽名」ではなく、ちょっと違った使われ方をしたのが何だか楽しいですね(^^)
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ついに、フレンズ最終話(フレンズ10-18)の解説に入りました♪
シーズン10 第18話
The Last One - Part 2 (グランド・フィナーレ - part 2)
原題は「最後の話 パート2」
パリに旅立つレイチェルを追いかけるため、フィービーは自分のキャブでロスを空港まで送ります。
二人は JFK空港に着いたのですが、レイチェルがいるのはニューアーク空港だとわかり茫然。
慌ててニューアーク空港にキャブで向かうのですが、間に合わないと言うロスに、フィービーは「携帯でレイチェルに電話すればいい」と言って、自分の携帯からレイチェルに電話をかけます。
レイチェル: Hello? (もしもし?)
フィービー: Rachel? Oh, good. (レイチェル? あぁ、良かった。)
レイチェル: Phoebe? Is everything okay? (フィービー? 大丈夫?)
フィービー: Uhm, actually no. No. You, you have to get off the plane. (あの、それが大丈夫じゃないの。あなたは飛行機を降りないといけないわ。)
レイチェル: What? Why? (何? どうして?)
フィービー: I have this feeling that something's wrong with it. Something is wrong with the left phalange. (何かがおかしい[異常がある]って気がするの。何かがおかしいわ、左のフィランジ[ファランジ]が。)
レイチェル: Oh, honey, I'm sure there's nothing wrong with the plane. (あぁ、ハニー、飛行機には何も問題ないって思うわよ。)
(The passenger in the seat next to Rachel looks at her and seems a little nervous.)
レイチェルの隣の席の乗客がレイチェルを見て、少し心配そうな様子。
レイチェル: Alright, look, I have to go. I love you, and I will call you the minute I get to Paris. (いいわ、ねぇ、私はもう行かなきゃいけないの。愛してるわ、それでパリに着いたら電話するわね。)
(Rachel hangs up.)
レイチェルは電話を切る。
乗客1(Passenger #1): Uhm, what was that? (あのー、今のは何?)
レイチェル: Oh, that was just my crazy friend. She told me I should get off the plane because she had a "feeling" that there was something wrong with the left phalange. (あぁ、今のはただの私の変な友達よ。彼女が、私に飛行機を降りろ、左のフィランジに何か異常がある[左のフィランジが故障してる]、って感じがするから、って言ったのよ。)
乗客1: Okay. That doesn't sound good. (そう。それって良くない感じだね。)
レイチェル: Oh, I wouldn't worry about it. She's always coming up with stuff like this, and you know what? She's almost never right. (あぁ、私なら気にしないわ。彼女はいつもこんな感じのことばっかり考えるのよ。でね、彼女はほとんど当たってることがないの。)
乗客1: But she is sometimes. (でも時々なら当たるんだ。)
レイチェル: Well.... (まあね…)
(The passenger stands up and gets his suitcase from the overhead compartment.)
その乗客は立ち上がり、頭上のコンパートメントから自分のスーツケースを取り出す。
客室乗務員(Air stewardess): Excuse me, sir. Where are you going? (お客様。どこへ行かれるのですか?)
乗客1: I have to get off this plane, okay? Her friend has a feeling something's wrong with the left phalange. (この飛行機を降りないといけないんだよ。彼女の友達が、左のフィランジが故障してる、って感じるんだって。)
レイチェル: Could I get some peanuts? (ピーナッツ、もらえます?)
乗客2: What's wrong with the plane? (飛行機が故障してるの?)
乗客1: Yeah! The left phalange! (あぁ! 左のフィランジが!)
客室乗務員: There's no "phalange." (”フィランジ”(なんてもの)はありません。)
乗客1: Oh, my God. This plane doesn't even have a phalange! (なんてこった! この飛行機にはフィランジを持ってさえいないんだ![フィランジがないんだ!])
乗客3: What's going on? (何が起こってるんだ?)
乗客1: We're all getting off. There is no phalange! (俺たち飛行機を降りるぞ![みんな、飛行機を降りよう!] (この飛行機には)フィランジがないんだぞ!)
(Everybody walks out of the plane.)
みんなが飛行機を降りる。
飛行機に乗った後で、フィービーがわざわざ携帯で電話をしてきたことから、レイチェルは「何か問題でもあるの?」というように Is everything okay? と尋ねています。
そう言われたフィービーは、「実は大丈夫じゃないの」と言って、「あなたは飛行機を降りないといけないわ」と言っています。
このままではロスと会わないままパリに旅立ってしまうので、とにかく飛行機を降りてもらわないと、、いう想いから、そのように言ったわけですね。
レイチェルは当然「どうして?」と返してきますので、そこでフィービーは、飛行機に何かしらの問題があるから降りないといけない、のように、理由をでっち上げています。
I have this feeling that something's wrong with it. について。
この wrong は「具合が悪くて、故障して、調子が狂って、おかしくて」というニュアンス。
研究社 新英和中辞典にも、
There's something wrong with the engine. そのエンジンはどこか故障がある
という例文が載っています。
it = the plane (レイチェルが乗っている飛行機)ですから、フィービーは「その飛行機がどこかおかしい、故障してるって気がする」と言っていることになります。
その後、さらに故障している箇所を Something is wrong with the left phalange. と言っていますが、隣のロスはそれを聞いて、「何だよ、それは、、」と少しあきれ顔をしています。
このフィランジ(ファランジ)と発音している単語ですが、DVDとブルーレイの英語字幕では phalange、ネットスクリプトでは Philange、Netflix では filangee と表記されています。
ツールごとに綴りが違っているのは、実際に飛行機にそういう部分・部品があるわけではないという、フィービーの造語だからですね。
この単語は、これまでのフレンズで、フィービーの偽名として何度も登場したものです。
ですから、フレンズをずっと見続けてきた人にとっては、「フィービー、またこの単語使ってる」と気づけて笑えてしまうわけですね。
グランドフィナーレに登場したということで、これまでの使用例を今日の記事の最後にまとめることにしますが、まずは今回のストーリーの方から説明します。
とにかくレイチェルを飛行機から降ろすために、適当な部品名をでっち上げて、そこに異常があるから、と説明したことになりますが、レイチェルは「そんな部品、部分があるのかな」と思ったようで、その名前について特に追求することもなく、「別に飛行機には異常がある様子じゃないわ」と説明し、「私は行かなくちゃ(だからそんなはっきりしない理由では降りられないわ)」と言い、「着いたら電話するから」と言って携帯を切ります。
ですが、フィービーとの電話でレイチェルが「飛行機には何も問題ないと思うわよ」と言ったのを聞いていた隣の男性が「今の電話は何? 飛行機のことで何を言って来たの?」のように尋ねます。
レイチェルはフィービーが言ってきた内容をそのまま素直に話します。
「今のは私の(ちょっと)変わった・変な友達(から)だったの」と言って、「彼女はこう言ったのよね、私は飛行機を降りるべきだ、左のフィランジが故障してるって「フィーリング」がするから、って」と説明します。
feeling を強調している感じなのは、「実際にここにいるわけでもなく、離れた場所から、”そんな感じがする、そんな気がする”みたいに言っているだけなのよ」というのをはっきりさせたいからですね。
ですが、隣の男性は心配性なのか、「それって良くない感じだね(聞く限り、あまりいい話とは言えないね)」と言います。
I wouldn't worry about it. の I wouldn't は「(あなたは心配しているようだけど)私ならそんなこと気にしないわ」のような「もし私なら〜しない」というニュアンスが含まれています。
その理由として、「電話をかけてきた彼女はいつもこんな感じだから」ということを説明していますね。
She's always coming up with stuff like this の「be always doing という現在進行形に always がついた形」は、「いつも・しょっちゅう〜してばかりいる」という話者の不満のニュアンスが込められています。
come up with は「思いつく、考えつく、考え出す」なので、「彼女はいつも、こんな感じのことを思いついてばっかりなの」というところ。
そう言った後、「でね、彼女の言うことはほとんど正解じゃないの、彼女はほとんど当たることがないの」と言います。
「こんなことばっか言ってて、当たった試しもほとんどないし」と言ったのですが、never ではなく、almost never のように almost がついたことが気になった様子の隣の客は、But she is sometimes (right). 「でも(ほとんど当たらないということなら)時には・時々は当たるんだね」と返します。
「絶対に当たらない」と言うこともできず、レイチェルが口をへの字にして、「まあね」という顔をすると、隣の客はすっくと立ち上がり、頭上から自分のスーツケースを取り出します。
もうすぐ離陸だと言うのに、降りようとする様子の乗客を見て、客室乗務員が声を掛けますが、乗客は「飛行機の部品が故障している、問題がある、という感じがする」という発言に囚われてしまった様子で、その内容を乗務員に伝えています。
自分が話してしまったことで、「飛行機を降りようとする客とそれを止めようとする客室乗務員」の状況を生んでしまったので、「彼女の友達がそう言ったんだ」と名指しされたレイチェルはただただ気まずい様子で、そのことを追求されたくもないのでしょう、乗務員に「ピーナッツもらえます?」と言って、その話題から逃れようとしています。
降りようとした乗客が「左のフィランジが故障してる」と大声で話したので、他の乗客たちもざわつき始めます。
「左のフィランジが!」と何度も言う乗客に、乗務員は「フィランジに異常があると言っておられますが、そもそも飛行機にはフィランジなんてものは存在しません。そんな部品や部分はありません」という意味で、There's no "phalange." という事実を述べるのですが、それを聞いた乗客は、「フィランジがない、だって? そこに異常があるどころか、必要な部品であるフィランジを積んですら[搭載してすら]いないのか?」のように、さらに勘違いしているのが面白いですね。
その乗客が「みんな、降りろ。フィランジがないんだぞ!」と叫んで、乗客は次々と飛行機を降りることとなります。
レイチェルは「いつものフィービーのたわごと」としか思っていなかったのに、それを聞いた隣の人がパニクってしまい、大ごとに発展してしまう、乗務員が言った一言でさらに状況が悪化してしまう、、という流れが英語で理解できればいいですね。
それでは、フレンズの過去エピソードでフィランジ(ファランジ)という言葉が出てきたことのまとめを書きます。
名前、それも偽名だということで、DVD でもネットスクリプトでも、その時々で綴りが違っていて、統一されていないのですが、私が調べたところ、この偽名が登場するのは、5-1, 5-24, 7-20, 8-4, 8-21, 10-13, 10-18 の回。
過去記事では、シーズン5に突入! フレンズ5-1その1 と、ジョーイとフィービーの偽名 フレンズ8-4その5 で、その名前について解説しています。
5-1 フィービーがロンドンに電話をかけて、
フィービー: (On the phone, in New York) Uh, hello, this is Ross Geller's personal physician, Dr. Philange. ([NYにいて、電話で] あぁ、こんにちは。こちらはロス・ゲラーの主治医のドクター・フィランジーです。)
と名乗る。(フィービーの偽名)
5-24 フィービーがベガスのカジノで、出張中のビジネスウーマンのふりをして、
フィービー: Hello. My name is Regina Falangie. I'm a businesswoman in town on business. Would you like to see my card? (こんにちは。私の名前はレジーナ・フィランジー[ファランジー]よ。私は出張中のビジネスウーマンなの。私の名刺をご覧になる?)
と名乗る。(フィービーの偽名)
7-20 レイチェルの大学の友人メリッサ(演じるはウィノナ・ライダー)と、ソロリティー(sorority: 大学の女子学生社交クラブ)の話をしていて、自分もそういうソロリティーに入ってた、と嘘をついたフィービーは、
フィービー: Yeah! Y'know, we were really huge too. But then they had to shut us down when Regina Phalangie died of alcohol poisoning. (ええ! ほら、私たち(のソロリティー)もすっごく大きかったのよ。でも、解散しないといけなくなったの、レジーナ・フィランジーが(急性)アルコール中毒で死んでしまった時にね。)
と説明する。(知り合いの女子学生の名前として使う)
8-4 チャンドラーとモニカが、知り合った夫婦に偽の電話番号を渡されたという話をした時、「きっと本当の名前も教えてないね」と言われ、
モニカ: Okay, maybe people give out fake numbers, but they don't give out fake names. (ねぇ、偽の番号を渡す人は多分いるだろうけど、でも偽の名前を名乗る人はいないわ。)
ジョーイ: Oh, yeah? (To Phoebe) Hi. Ken Adams. Nice to meet you. (あぁ、そうかい? [フィービーに] はーい、ケン・アダムズだ。こんにちは。)
フィービー: Regina Philange. (Ken and Regina shake hands.) (レジーナ・フィランジーよ。[ケンとレジーナは握手する])
(ジョーイはケン・アダムズ、フィービーはレジーナ・フィランジーという偽名をよく使っているという描写)
8-21 新しい仕事の面接を受けるつもりのチャンドラーに、面接の練習をしてあげるフィービー。
フィービー: All right, all right, we'll just do our best. Okay? So let's say I'm the interviewer and I'm meeting you for the first time. Okay. "Hi! Come on in. I'm uh, Regina Phalanges." (わかった、わかった、ベストを尽くしましょう、ね? じゃあ、私が面接官で、私はあなたと初対面よ。いい? 「こんにちは! 入って。私はレジーナ・ファランジーよ。)
(面接官のふりをする時の偽名)
10-13 フランス語を話す役が欲しいジョーイは(フランス語が話せる)フィービーと練習したけれど、結局フランス語が話せないままで、オーディションに落ちてしまう。オーディションが終了した直後、そのオーディション会場にフィービーが現れて、
フィービー: (in a French accent) Uh, excuse me? Uh, I am Reginé Philange. I was passing by when I heard this man speaking the regional dialect of my French town of Estée Lauder. ([フランス語のアクセントで] あの、よろしいかしら? 私はレジーン・フィラーンジュ。私はたまたま通りかかったの、この男性が私のフランスの故郷エスティローダーの訛り(なまり)を話しているのが聞こえたので。)
(その後、ジョーイにはわからないように「彼は私の弟なの」とフランス語で話す。つまりジョーイの姉を演じた時の偽名。フランス語風にしゃべっているので、名前もフランス語読み風となっている。
エスティローダーは化粧品の製造・販売メーカーですが、その名前をフランスのある地方の名前のように言っているのもジョークのポイント。)
この過去の使用一覧からわかるように、1回は友人の偽名で、他は全てフィービーが他人のふりをする際の偽名です。
そして今回のグランドフィナーレで初めて、「フィービーの偽名ではなく、ある部分の名称(今回は飛行機の装置または部品の名前)」として使われたことになります。
最終話では、いつもの「偽名」ではなく、ちょっと違った使われ方をしたのが何だか楽しいですね(^^)
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2016年08月29日
忘れられる、でも忘れたくない フレンズ10-17その6
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チャンドラーとモニカは、エリカが妊娠していた赤ちゃんを養子に迎えることになっていましたが、その赤ちゃんは双子でした。
チャンドラーとモニカがその双子の赤ちゃんを家に連れ帰り、フレンズたちに披露した後、レイチェルはみんなにさよならを言って、パリに向かうため、チャンドラーとモニカのアパートメントを去ります。
その後のシーン。
フィービー: So you just let her go? (それでただレイチェルを行かせちゃうの?)
ロス: Yeah. (あぁ。)
ジョーイ: Hey, maybe that's for the best. (なぁ、多分、それが一番いいんだよ。)
ロス: Yeah? (そう?)
ジョーイ: Yeah. You know, you just-- Look, you gotta-- You gotta think about last night the way she does. Okay? You know, maybe.... Maybe sleeping together was the perfect way to say goodbye. (そうさ。ほら、レイチェルが考えたように、お前も昨日の晩のことを考えないとだめだ。だろ? ほら、多分、多分、一緒に寝たのは、さよならを言う完璧な方法だったんだ、って。)
フィービー: But now she'll never know how he feels! (でも、もうレイチェルはロスの気持ちを知ることはないのよ。)
ジョーイ: Maybe that's okay, you know? Maybe, maybe it is better this way. I mean, now.... Now you can move on. I mean, you've been trying to for so long. Maybe now that you're on different continents.... (Looks at Phoebe) Right? (多分それでいいんだよ、だろ? 多分、こうする方がいいんだよ。ほら、今、ロスは前に進める。お前はずっと長い間、そうしようと[前に進もうと]頑張ってきた。多分、今はもうお前らは違う大陸にいることになるから… [フィービーを見て] (俺の発言)合ってるよね?)
(Phoebe nods.)
フィービーはうなずく。
ジョーイ: Maybe now you can actually do it, you know? You can finally get over her. (多分、今お前は実際にそうすることができる、だろ? ついにレイチェルを忘れることができるんだ。)
ロス: Yeah, that's true. Except.... I don't wanna get over her. (あぁ、その通りだ。ただし… 僕が彼女を忘れたくない、ってことを除いては。)
ジョーイ: What? (何だって?)
ロス: I don't! I wanna be with her. (忘れたくないんだ! 僕は彼女と一緒にいたい。)
ジョーイ: Really? (ほんとか?)
ロス: Yeah, I'm gonna go after her. (あぁ、僕は彼女を追いかけるよ。)
ジョーイ: Yeah, you are! (あぁ、追いかけろ!)
フィービー: Woo! (ウー!)
(Monica and Chandler look shocked as Ross goes to leave.)
モニカとチャンドラーは驚いた様子で、ロスは出て行こうとする。
フィービー: Wait! Wait! Get your coat! Get your coat! (待って! 待って! コートを取って! コートを取って!)
ロス: My coat. (僕のコートだ!)
ジョーイ: This is so cool! (これって最高だよ!)
チャンドラー: I have no idea what's going on, but I am excited! (何が起こってるのか全くわからないけど、でも興奮してる!)
ジョーイ: But Ross, Ross. What do you, what do you think she's gonna say? (でも、ロス、ロス。彼女は何て言うと思う?)
ロス: I don't know, but I.. Look, even if she shoots me down, at least I won't spend the rest of my life wondering what would have happened. Where - where is my coat?! (わからないよ、でも、ほら、例えレイチェルに振られたとしても、少なくとも僕は残りの人生を、(もし告白していたら)どうなっていたかって悩みながら過ごさなくて済む。どこ、僕のコートはどこ?)
フィービー: You didn't bring one! My cab's downstairs. I'll drive you to the airport. (あなたはコートを持ってきてなかったわ! 私のタクシーがビルの下にある。あなたを空港まで送ってあげるわ。)
ロス: Okay, guys, wish me luck. (よし、みんな、僕に幸運を祈ってて。)
フィービー: Hurry! (急げー!)
ジョーイ: Good luck! Good luck! (頑張れ! 頑張れ!)
(Phoebe and Ross leave.)
フィービーとロスが去る。
レイチェルが出て行ってしまった後、フィービーはロスに「ただレイチェルを行かせちゃうの?(引き留めなくていいの?)」と尋ねます。
ロスはまだ頭の中が混乱している様子ながらも Yeah. と言うと、ジョーイは「なあ、多分それが一番いいんだよ」と言っています。
レイチェルがパリに行ってしまうことをものすごく嫌がっていたジョーイが、「それで(レイチェルを行かせて)良かったんだよ」と言うのは、他のフレンズや観客にも少し意外な印象を与えるところでしょう。
それでロスも、「やっぱりそうかな? ジョーイもそう思うの?」と言うように、Yeah? とジョーイの発言を促すような返事を返します。
その後、ジョーイは「これで良かったんだ」と思う理由を真剣な表情で述べていますね。
You gotta think about last night the way she does. は「彼女がするように、お前は昨晩のことを考えないといけない」ということで、つまりは、「彼女が考えるのと同じように、お前も昨晩のことを捉えないといけない。昨晩のことについては、レイチェルと同じように考えるべきだ」と言っていることになります。
「レイチェルが昨晩のことについてこう考えた」というのは、ジョーイのその次のセリフに出てくる「一緒に寝たことが、さよならを言うのに完璧な方法だった」という捉え方ですね。
レイチェルは「最後に寝たことで、最高のさよならができた」と思っているので、ロスもレイチェルと同じように考えるべきだ、とアドバイスしていることになります。
ジョーイはそのように受け入れろとアドバイスしていますが、フィービーはまだあきらめきれないようで、「でも(このままじゃ)レイチェルはロスの気持ちを知ることはないのよ!」と言っています。
よりを戻したいと思っているロスの気持ちを伝えない、こんなままで終わってしまっていいの? ということですね。
フィービーがそのように言っても、ジョーイは自分の意見を変えず、「それでいいんだよ。こうした方がいいんだよ」と言って、「今、ロスは前に進める」と続けます。
move on は「(失恋などの)つらい過去を忘れて前に進む」という意味で、フレンズに何度も出てきましたね。
you've been trying to for so long. というのは、「前に進もうと、ものすごく長い間、お前は頑張り続けてきた」ということで、レイチェルと別れた後も、また近づいてまた離れてを繰り返し、ロスはこれまで何度も「レイチェルのことは忘れて前に進もう」と頑張ってきたじゃないか、と言っていることになります。
ずっと move on しようと頑張ってあがいてきたけれど、今そのレイチェルが目の前からいなくなったわけだから、今こそ本当に move on できるじゃないか、やっと move on できるチャンスが巡って来たんだよ、みたいなことですね。
その後、Maybe now that you're on different continents.... と言ってから、隣のフィービーに向かって、Right? と尋ねるのもジョーイらしくていいですね。
continent は「大陸」ですから、「今や二人(ロスとレイチェル)は別の大陸にいる(ことになる)んだし…」と言っていることになります。
NYは北アメリカ大陸、フランスのパリはヨーロッパ大陸なので、ジョーイの言う通り、「二人は別々の大陸に離れ離れになる」わけですが、自分で大陸という言葉を出しておいてから、「パリは別の大陸にある、っていう俺の発言、合ってたよね? 間違ってないよね?」というように、フィービーに確認しているのがジョーイっぽくて微笑ましいところです。
レイチェルを忘れて前に進もうと長年もがいていたロスにとっては、レイチェルがすぐそばにいると忘れようとするのも難しいけれど、レイチェルが遠い場所、それも別の大陸に行ってしまえば忘れるのがずっと楽になるはずだ、とジョーイは言っていることになります。
now you can actually do it, you can finally get over her というのも、「今実際にお前は move on することができる、ついに彼女を忘れることができる」ということで、お前はずっとそれを望んでただろ、そうしようともがいてきたことがついにできることになるんだぞ、と言っているわけですね。
ちなみに、ジョーイがロスに語るこのセリフの中で、反復も含めると、ジョーイは合計8回も maybe という単語を言っています。
maybe は「多分」ということですが、自分でも100%確信を持っているわけではないけど、俺はこんな風に思うんだ、という意見を述べる感覚が出ているように思います。
ジョーイ自身も意見を言いながらも、「これが絶対の正解とは言えないかもしれないけど」という気持ちがどこかにある、ということを示しているような気がします。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
maybe :
1. used to say that something may happen or may be true, but you are not certain
4. (spoken) used to make a suggestion you are not very sure about
つまり、1. は「何かが起こるかもしれない、または何かが真実かもしれないけれど、自分は確信していないことを言うのに使われる」。
4. は「あまり確信が持てない提案をする時に使われる」。
「違う大陸にいることになって、これでやっとロスはレイチェルを忘れて前に進める」と言われたロスは、Yeah, that's true. 「あぁ、それは正しい(それは確かだ)」と言った後、思いを巡らすような顔をしながら、Except.... と言います。
この場合の except は接続詞で、except (that) SV で「SV であることを除いては、SV であること(事実)を別にすれば」というニュアンス。
つまり、Yeah, that's true. Except.... までを聞いた時点で、ロスは確かにジョーイの言う通りであると認めたけれど、「except 以下に出てくる条件においてはそうではない(ジョーイの言うことは正しくない、間違っている)」ことが示唆されるわけですね。
そしてその後に続くセリフは、I don't wanna get over her. となっています。
それらを続けた文章にすると、Yeah, that's true, except (that) I don't wanna get over her. となり、文章全体の意味としては、「僕が彼女を忘れたくないという事実を別にすれば、あぁ、それ(ジョーイが言ったこと)は正しいよ」ということになりますね。
実際には、前から順番に発言されているので、「あぁ確かにジョーイの言ったことは正しい。でもそれは僕が彼女を忘れたくないという事実を別にすれば、という話だけどね」→「ジョーイの意見は正しいけど、でも僕はやっぱり彼女を忘れたくないんだ」と言っていることになるでしょう。
Yeah, that's true. で発言が終わっていれば、「ジョーイの言う通りだね」と認めロスも納得した、ということになるのですが、そこに except... で言葉が続いた時点で、「ただ、でも」のように「別の条件なら話は別だ、また話は違ってくる」という流れになること、ロスが完全に納得しておらず何か別のことを今から言おうとしていることが察せられるということです。
英語でこのシーンを見ていて、ロスの Except.... という言葉で、風向きが変わったことに気付ければいい感じ♪ ということですね。
「ジョーイの言う通りだけど、でも僕はレイチェルを忘れたくない」という発言を聞いて、ジョーイは What? と返しますが、ロスは心が決まった様子で、I don't! I wanna be with her. 「忘れたくない! 僕はレイチェルと一緒にいたい」と言います。
それを聞いたジョーイは Really? と言いますが、その顔はとても嬉しそうですね。
もう迷いがなくなったロスは、「あぁ、僕は(これから)レイチェルを追いかける」と言います。
Except.... 以下のセリフを言う際、ロスは叫ぶでもなく、静かなトーンでそのセリフを語っています。
ジョーイやフィービーに対して高らかに宣言するという風ではなく、自分に言い聞かせているようなトーンで、「そうするしかない。それ以外考えれない」というように、改めて自分の本心に気付いてそれを噛み締めているようなニュアンスが感じられた気がしました。
「レイチェルを追いかける」と言って、「じゃあ」という感じで軽くジョーイの胸に手を置いて、フレンズたちへの挨拶もそこそこに出て行こうとしているのも、今は自分の正直な心のままに行動しようという気持ちのみであることが描写されている気がします。
そうやってロスが出て行こうとする時、フィービーが「ロス、コートは?」と言ったので、ロスはコートを取りに戻ってきます。
チャンドラーとモニカは、エリカの出産に付き添っていたため、ロスとレイチェルが今どういう状況になっているのか詳しいことを知りません。
それで「何が起こってるのか全くわからないけど」と言っているわけですが、それでもロスがレイチェルを追いかけようとしていることを知って、喜んでいます。
コートを探しているロスに、「レイチェルは何て言うと思う?」とジョーイが尋ねると、ロスは「わからないけど、でも、、」と言った後、even if she shoots me down, at least I won't spend the rest of my life wondering what would have happened. と言っていますね。
shoot down は「撃ち落とす、撃墜する」ということですから、この場合は「ロスが自分の気持ちを伝えて、レイチェルがそれを拒んでも(レイチェルが僕を振っても、レイチェルに撃沈されることになっても)」というニュアンスになるでしょう。
at least I won't spend the rest of my life wondering what would have happened. は、「少なくとも、(もしあの時気持ちを伝えていたら)何が起こっただろうなぁ、と悩みながら、残りの人生を過ごさなくて済む」ということですね。
「あの時、告白していれば自分が望む形になったかもしれない、、 そんな後悔をしながら残りの人生を過ごすのは嫌だ」、「後悔するくらいなら、今は当たって砕けろの精神で彼女に本心を伝えたい」と言っていることになります。
そんなことを言いながら、ロスは「僕のコートはどこ?」と探し回っていますが、フィービーが You didn't bring one! 「あなたはコートを持って来てなかったわ!」と叫ぶのが面白いですね。
そもそもロスが出て行こうとしていた時に、フィービーが、Get your coat! と言ったから探し回っていたと言うのに、言い出しっぺのフィービーが「ロスはコートなんか着て来なかったでしょ!」と言っている、そのズレ具合がフィービーっぽいところです。
フィービーは自分のキャブが下にある、と言って、空港まで送るわ、と申し出ます。
みんなの声援を背に受け二人が空港へ向かうところでエンドクレジットとなり、後は最終話の フレンズ1-18 を残すのみ、となります。
グランドフィナーレのパート1の終わりで、ロスがレイチェルを追いかけることを決めたことになるわけですが、このロスが心を決める様子は、セントラルパークでレイチェルに気持ちを伝えようとしてガンターに先を越されたことと、見事な対比になっていると思います。
セントラルパークの時は、ロスはフィービーに「自分の気持ちを伝えなきゃだめよ」と説得されて、自分の気持ちを伝える決心をしていました。
フィービーもジョーイも、ロスを応援する気持ちを持っていて、フレンズたちの後押しがあってこそ、というところがあったわけですね。
それがガンターに先を越されてしまったせいで、言うタイミングを失ってしまい、チャンドラーとモニカの家での最後のお別れの場面でも、何も言えないまま、さよなら、となってしまったわけですが、その後、「自分の気持ちを伝えなきゃだめよ」とフィービーが励ますと、今度はジョーイが「これで良かったんだ。これでやっとロスはレイチェルを忘れて前に進めるんだから」と、別れを認めるべきだと説得する流れになります。
「これでやっとレイチェルのことを忘れられるんだぞ」とジョーイに言われて初めて、ロスは「でも僕はやっぱりレイチェルを忘れたくない」という自分の本当の気持ちに気づき、「これで良かったんだよ」という意見を振り切る形で、自分の判断で、自分の正直な気持ちに従い、レイチェルを追いかけることになったわけですね。
「気持ちを伝えなさいよ」と友人にアドバイスされて「やっぱりそうすべきだよね」と思い、気持ちを伝える、というのと比べ、友人はこれで良かったんだとあきらめさせようとしたのに、それを振り切って追いかける、という方が、より強い気持ちが出ていることが描写されるように思うわけです。
ジョーイは大根役者という設定(笑)ですから、「これで良かったんだよ」のようにわざとあきらめさせるようなことを言って、逆にロスの心に火を付けようとした、というような策略(演技)ではなかっただろうと思います。
ロスが気持ちを告げずレイチェルが去ってしまった以上どうしようもない、ロスとレイチェルのくっついたり離れたりを繰り返す微妙な関係を長年見続けてきたジョーイとしては「これでレイチェルのことを忘れられるだろ」と言ったのは、本心からのアドバイスだったと思います。
ずっと一緒のフレンズたちの意見はもちろん大事ですが、こと恋愛については、当事者が自分の心で決めて欲しいと思いますし、今回のことも、レイチェルとの関係をどうするかについて、最終的にロス自身が決めた、というのが、これまでずっとフレンズを見続けてきたファンにとっても、嬉しい展開になってくれていたと思いました。
「そうだ、これでレイチェルのことを忘れられるんだ、、、 でもやっぱり僕はレイチェルを忘れたくない」ということに、ロス自身が気付いてくれたこの瞬間が、私には本当に嬉しく感じられましたね(^^)
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チャンドラーとモニカは、エリカが妊娠していた赤ちゃんを養子に迎えることになっていましたが、その赤ちゃんは双子でした。
チャンドラーとモニカがその双子の赤ちゃんを家に連れ帰り、フレンズたちに披露した後、レイチェルはみんなにさよならを言って、パリに向かうため、チャンドラーとモニカのアパートメントを去ります。
その後のシーン。
フィービー: So you just let her go? (それでただレイチェルを行かせちゃうの?)
ロス: Yeah. (あぁ。)
ジョーイ: Hey, maybe that's for the best. (なぁ、多分、それが一番いいんだよ。)
ロス: Yeah? (そう?)
ジョーイ: Yeah. You know, you just-- Look, you gotta-- You gotta think about last night the way she does. Okay? You know, maybe.... Maybe sleeping together was the perfect way to say goodbye. (そうさ。ほら、レイチェルが考えたように、お前も昨日の晩のことを考えないとだめだ。だろ? ほら、多分、多分、一緒に寝たのは、さよならを言う完璧な方法だったんだ、って。)
フィービー: But now she'll never know how he feels! (でも、もうレイチェルはロスの気持ちを知ることはないのよ。)
ジョーイ: Maybe that's okay, you know? Maybe, maybe it is better this way. I mean, now.... Now you can move on. I mean, you've been trying to for so long. Maybe now that you're on different continents.... (Looks at Phoebe) Right? (多分それでいいんだよ、だろ? 多分、こうする方がいいんだよ。ほら、今、ロスは前に進める。お前はずっと長い間、そうしようと[前に進もうと]頑張ってきた。多分、今はもうお前らは違う大陸にいることになるから… [フィービーを見て] (俺の発言)合ってるよね?)
(Phoebe nods.)
フィービーはうなずく。
ジョーイ: Maybe now you can actually do it, you know? You can finally get over her. (多分、今お前は実際にそうすることができる、だろ? ついにレイチェルを忘れることができるんだ。)
ロス: Yeah, that's true. Except.... I don't wanna get over her. (あぁ、その通りだ。ただし… 僕が彼女を忘れたくない、ってことを除いては。)
ジョーイ: What? (何だって?)
ロス: I don't! I wanna be with her. (忘れたくないんだ! 僕は彼女と一緒にいたい。)
ジョーイ: Really? (ほんとか?)
ロス: Yeah, I'm gonna go after her. (あぁ、僕は彼女を追いかけるよ。)
ジョーイ: Yeah, you are! (あぁ、追いかけろ!)
フィービー: Woo! (ウー!)
(Monica and Chandler look shocked as Ross goes to leave.)
モニカとチャンドラーは驚いた様子で、ロスは出て行こうとする。
フィービー: Wait! Wait! Get your coat! Get your coat! (待って! 待って! コートを取って! コートを取って!)
ロス: My coat. (僕のコートだ!)
ジョーイ: This is so cool! (これって最高だよ!)
チャンドラー: I have no idea what's going on, but I am excited! (何が起こってるのか全くわからないけど、でも興奮してる!)
ジョーイ: But Ross, Ross. What do you, what do you think she's gonna say? (でも、ロス、ロス。彼女は何て言うと思う?)
ロス: I don't know, but I.. Look, even if she shoots me down, at least I won't spend the rest of my life wondering what would have happened. Where - where is my coat?! (わからないよ、でも、ほら、例えレイチェルに振られたとしても、少なくとも僕は残りの人生を、(もし告白していたら)どうなっていたかって悩みながら過ごさなくて済む。どこ、僕のコートはどこ?)
フィービー: You didn't bring one! My cab's downstairs. I'll drive you to the airport. (あなたはコートを持ってきてなかったわ! 私のタクシーがビルの下にある。あなたを空港まで送ってあげるわ。)
ロス: Okay, guys, wish me luck. (よし、みんな、僕に幸運を祈ってて。)
フィービー: Hurry! (急げー!)
ジョーイ: Good luck! Good luck! (頑張れ! 頑張れ!)
(Phoebe and Ross leave.)
フィービーとロスが去る。
レイチェルが出て行ってしまった後、フィービーはロスに「ただレイチェルを行かせちゃうの?(引き留めなくていいの?)」と尋ねます。
ロスはまだ頭の中が混乱している様子ながらも Yeah. と言うと、ジョーイは「なあ、多分それが一番いいんだよ」と言っています。
レイチェルがパリに行ってしまうことをものすごく嫌がっていたジョーイが、「それで(レイチェルを行かせて)良かったんだよ」と言うのは、他のフレンズや観客にも少し意外な印象を与えるところでしょう。
それでロスも、「やっぱりそうかな? ジョーイもそう思うの?」と言うように、Yeah? とジョーイの発言を促すような返事を返します。
その後、ジョーイは「これで良かったんだ」と思う理由を真剣な表情で述べていますね。
You gotta think about last night the way she does. は「彼女がするように、お前は昨晩のことを考えないといけない」ということで、つまりは、「彼女が考えるのと同じように、お前も昨晩のことを捉えないといけない。昨晩のことについては、レイチェルと同じように考えるべきだ」と言っていることになります。
「レイチェルが昨晩のことについてこう考えた」というのは、ジョーイのその次のセリフに出てくる「一緒に寝たことが、さよならを言うのに完璧な方法だった」という捉え方ですね。
レイチェルは「最後に寝たことで、最高のさよならができた」と思っているので、ロスもレイチェルと同じように考えるべきだ、とアドバイスしていることになります。
ジョーイはそのように受け入れろとアドバイスしていますが、フィービーはまだあきらめきれないようで、「でも(このままじゃ)レイチェルはロスの気持ちを知ることはないのよ!」と言っています。
よりを戻したいと思っているロスの気持ちを伝えない、こんなままで終わってしまっていいの? ということですね。
フィービーがそのように言っても、ジョーイは自分の意見を変えず、「それでいいんだよ。こうした方がいいんだよ」と言って、「今、ロスは前に進める」と続けます。
move on は「(失恋などの)つらい過去を忘れて前に進む」という意味で、フレンズに何度も出てきましたね。
you've been trying to for so long. というのは、「前に進もうと、ものすごく長い間、お前は頑張り続けてきた」ということで、レイチェルと別れた後も、また近づいてまた離れてを繰り返し、ロスはこれまで何度も「レイチェルのことは忘れて前に進もう」と頑張ってきたじゃないか、と言っていることになります。
ずっと move on しようと頑張ってあがいてきたけれど、今そのレイチェルが目の前からいなくなったわけだから、今こそ本当に move on できるじゃないか、やっと move on できるチャンスが巡って来たんだよ、みたいなことですね。
その後、Maybe now that you're on different continents.... と言ってから、隣のフィービーに向かって、Right? と尋ねるのもジョーイらしくていいですね。
continent は「大陸」ですから、「今や二人(ロスとレイチェル)は別の大陸にいる(ことになる)んだし…」と言っていることになります。
NYは北アメリカ大陸、フランスのパリはヨーロッパ大陸なので、ジョーイの言う通り、「二人は別々の大陸に離れ離れになる」わけですが、自分で大陸という言葉を出しておいてから、「パリは別の大陸にある、っていう俺の発言、合ってたよね? 間違ってないよね?」というように、フィービーに確認しているのがジョーイっぽくて微笑ましいところです。
レイチェルを忘れて前に進もうと長年もがいていたロスにとっては、レイチェルがすぐそばにいると忘れようとするのも難しいけれど、レイチェルが遠い場所、それも別の大陸に行ってしまえば忘れるのがずっと楽になるはずだ、とジョーイは言っていることになります。
now you can actually do it, you can finally get over her というのも、「今実際にお前は move on することができる、ついに彼女を忘れることができる」ということで、お前はずっとそれを望んでただろ、そうしようともがいてきたことがついにできることになるんだぞ、と言っているわけですね。
ちなみに、ジョーイがロスに語るこのセリフの中で、反復も含めると、ジョーイは合計8回も maybe という単語を言っています。
maybe は「多分」ということですが、自分でも100%確信を持っているわけではないけど、俺はこんな風に思うんだ、という意見を述べる感覚が出ているように思います。
ジョーイ自身も意見を言いながらも、「これが絶対の正解とは言えないかもしれないけど」という気持ちがどこかにある、ということを示しているような気がします。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
maybe :
1. used to say that something may happen or may be true, but you are not certain
4. (spoken) used to make a suggestion you are not very sure about
つまり、1. は「何かが起こるかもしれない、または何かが真実かもしれないけれど、自分は確信していないことを言うのに使われる」。
4. は「あまり確信が持てない提案をする時に使われる」。
「違う大陸にいることになって、これでやっとロスはレイチェルを忘れて前に進める」と言われたロスは、Yeah, that's true. 「あぁ、それは正しい(それは確かだ)」と言った後、思いを巡らすような顔をしながら、Except.... と言います。
この場合の except は接続詞で、except (that) SV で「SV であることを除いては、SV であること(事実)を別にすれば」というニュアンス。
つまり、Yeah, that's true. Except.... までを聞いた時点で、ロスは確かにジョーイの言う通りであると認めたけれど、「except 以下に出てくる条件においてはそうではない(ジョーイの言うことは正しくない、間違っている)」ことが示唆されるわけですね。
そしてその後に続くセリフは、I don't wanna get over her. となっています。
それらを続けた文章にすると、Yeah, that's true, except (that) I don't wanna get over her. となり、文章全体の意味としては、「僕が彼女を忘れたくないという事実を別にすれば、あぁ、それ(ジョーイが言ったこと)は正しいよ」ということになりますね。
実際には、前から順番に発言されているので、「あぁ確かにジョーイの言ったことは正しい。でもそれは僕が彼女を忘れたくないという事実を別にすれば、という話だけどね」→「ジョーイの意見は正しいけど、でも僕はやっぱり彼女を忘れたくないんだ」と言っていることになるでしょう。
Yeah, that's true. で発言が終わっていれば、「ジョーイの言う通りだね」と認めロスも納得した、ということになるのですが、そこに except... で言葉が続いた時点で、「ただ、でも」のように「別の条件なら話は別だ、また話は違ってくる」という流れになること、ロスが完全に納得しておらず何か別のことを今から言おうとしていることが察せられるということです。
英語でこのシーンを見ていて、ロスの Except.... という言葉で、風向きが変わったことに気付ければいい感じ♪ ということですね。
「ジョーイの言う通りだけど、でも僕はレイチェルを忘れたくない」という発言を聞いて、ジョーイは What? と返しますが、ロスは心が決まった様子で、I don't! I wanna be with her. 「忘れたくない! 僕はレイチェルと一緒にいたい」と言います。
それを聞いたジョーイは Really? と言いますが、その顔はとても嬉しそうですね。
もう迷いがなくなったロスは、「あぁ、僕は(これから)レイチェルを追いかける」と言います。
Except.... 以下のセリフを言う際、ロスは叫ぶでもなく、静かなトーンでそのセリフを語っています。
ジョーイやフィービーに対して高らかに宣言するという風ではなく、自分に言い聞かせているようなトーンで、「そうするしかない。それ以外考えれない」というように、改めて自分の本心に気付いてそれを噛み締めているようなニュアンスが感じられた気がしました。
「レイチェルを追いかける」と言って、「じゃあ」という感じで軽くジョーイの胸に手を置いて、フレンズたちへの挨拶もそこそこに出て行こうとしているのも、今は自分の正直な心のままに行動しようという気持ちのみであることが描写されている気がします。
そうやってロスが出て行こうとする時、フィービーが「ロス、コートは?」と言ったので、ロスはコートを取りに戻ってきます。
チャンドラーとモニカは、エリカの出産に付き添っていたため、ロスとレイチェルが今どういう状況になっているのか詳しいことを知りません。
それで「何が起こってるのか全くわからないけど」と言っているわけですが、それでもロスがレイチェルを追いかけようとしていることを知って、喜んでいます。
コートを探しているロスに、「レイチェルは何て言うと思う?」とジョーイが尋ねると、ロスは「わからないけど、でも、、」と言った後、even if she shoots me down, at least I won't spend the rest of my life wondering what would have happened. と言っていますね。
shoot down は「撃ち落とす、撃墜する」ということですから、この場合は「ロスが自分の気持ちを伝えて、レイチェルがそれを拒んでも(レイチェルが僕を振っても、レイチェルに撃沈されることになっても)」というニュアンスになるでしょう。
at least I won't spend the rest of my life wondering what would have happened. は、「少なくとも、(もしあの時気持ちを伝えていたら)何が起こっただろうなぁ、と悩みながら、残りの人生を過ごさなくて済む」ということですね。
「あの時、告白していれば自分が望む形になったかもしれない、、 そんな後悔をしながら残りの人生を過ごすのは嫌だ」、「後悔するくらいなら、今は当たって砕けろの精神で彼女に本心を伝えたい」と言っていることになります。
そんなことを言いながら、ロスは「僕のコートはどこ?」と探し回っていますが、フィービーが You didn't bring one! 「あなたはコートを持って来てなかったわ!」と叫ぶのが面白いですね。
そもそもロスが出て行こうとしていた時に、フィービーが、Get your coat! と言ったから探し回っていたと言うのに、言い出しっぺのフィービーが「ロスはコートなんか着て来なかったでしょ!」と言っている、そのズレ具合がフィービーっぽいところです。
フィービーは自分のキャブが下にある、と言って、空港まで送るわ、と申し出ます。
みんなの声援を背に受け二人が空港へ向かうところでエンドクレジットとなり、後は最終話の フレンズ1-18 を残すのみ、となります。
グランドフィナーレのパート1の終わりで、ロスがレイチェルを追いかけることを決めたことになるわけですが、このロスが心を決める様子は、セントラルパークでレイチェルに気持ちを伝えようとしてガンターに先を越されたことと、見事な対比になっていると思います。
セントラルパークの時は、ロスはフィービーに「自分の気持ちを伝えなきゃだめよ」と説得されて、自分の気持ちを伝える決心をしていました。
フィービーもジョーイも、ロスを応援する気持ちを持っていて、フレンズたちの後押しがあってこそ、というところがあったわけですね。
それがガンターに先を越されてしまったせいで、言うタイミングを失ってしまい、チャンドラーとモニカの家での最後のお別れの場面でも、何も言えないまま、さよなら、となってしまったわけですが、その後、「自分の気持ちを伝えなきゃだめよ」とフィービーが励ますと、今度はジョーイが「これで良かったんだ。これでやっとロスはレイチェルを忘れて前に進めるんだから」と、別れを認めるべきだと説得する流れになります。
「これでやっとレイチェルのことを忘れられるんだぞ」とジョーイに言われて初めて、ロスは「でも僕はやっぱりレイチェルを忘れたくない」という自分の本当の気持ちに気づき、「これで良かったんだよ」という意見を振り切る形で、自分の判断で、自分の正直な気持ちに従い、レイチェルを追いかけることになったわけですね。
「気持ちを伝えなさいよ」と友人にアドバイスされて「やっぱりそうすべきだよね」と思い、気持ちを伝える、というのと比べ、友人はこれで良かったんだとあきらめさせようとしたのに、それを振り切って追いかける、という方が、より強い気持ちが出ていることが描写されるように思うわけです。
ジョーイは大根役者という設定(笑)ですから、「これで良かったんだよ」のようにわざとあきらめさせるようなことを言って、逆にロスの心に火を付けようとした、というような策略(演技)ではなかっただろうと思います。
ロスが気持ちを告げずレイチェルが去ってしまった以上どうしようもない、ロスとレイチェルのくっついたり離れたりを繰り返す微妙な関係を長年見続けてきたジョーイとしては「これでレイチェルのことを忘れられるだろ」と言ったのは、本心からのアドバイスだったと思います。
ずっと一緒のフレンズたちの意見はもちろん大事ですが、こと恋愛については、当事者が自分の心で決めて欲しいと思いますし、今回のことも、レイチェルとの関係をどうするかについて、最終的にロス自身が決めた、というのが、これまでずっとフレンズを見続けてきたファンにとっても、嬉しい展開になってくれていたと思いました。
「そうだ、これでレイチェルのことを忘れられるんだ、、、 でもやっぱり僕はレイチェルを忘れたくない」ということに、ロス自身が気付いてくれたこの瞬間が、私には本当に嬉しく感じられましたね(^^)
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2016年08月26日
太陽よりも輝く髪の毛の男性 フレンズ10-17その5
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ロスはフィービーに「よりを戻したいというあなたの気持ちをレイチェルに伝えるべきよ。そうしたら気が変わって、パリに行かないかもしれない」と説得されます。
その後、レイチェルがセントラルパークに入ってきて、少しの会話の後、レイチェルがカウンターの方に行っている間、
ロス: Alright. You know what? You're right. I should at least tell her how I feel. (わかったよ。ねぇ、フィービーは正しい。せめて(とにかく)僕は自分の気持ちをレイチェルに言うべきだ。)
(He stands up.)
ロスは立ち上がる。
ジョーイ: Ross. Wait, wait! (ロス、待って、待って!)
ロス: What? What? (何? 何?)
ジョーイ: Could you get me a muffin? (俺にマフィンを取ってきてくれる?)
(Ross walks up to Rachel, but Gunther gets there first.)
ロスは歩いてレイチェルに近づく、が、ガンターがそこに先に来る。
ガンター: Rachel? (レイチェル?)
レイチェル: Yeah? (はい?)
ガンター: I... I know you're leaving tonight, but I just have to tell you. I love you. (僕は、君が今夜旅立つことは知ってるんだけど、でもただ君に言わなくちゃ(と思って)。僕は君を愛してる。)
(Ross is shocked.)
ロスはショックを受ける。
ガンター: Now, I don't know if that changes your plans at all. But I thought you should know. (ほら、そのこと(僕が今の言葉を言ったこと)で君の予定が少しでも変わるのかどうかはわからないけど。でも君に知っておいて欲しいと思ったから。)
レイチェル: (touched) Gunther... Oh... I love you too. Probably not in the same way. But I do. And, and when I'm in a café having coffee, or I see a man with hair brighter than the sun, I'll think of you. Aw. ([感動した様子で] ガンター、、 あぁ… 私もあなたを愛してるわ。多分、同じようにではないけれど。でも愛してる。そして、私がコーヒーを飲みながら(パリの)カフェにいる時、または太陽よりも輝く髪の毛の男性を見る時、私はあなたのことを考えるわ。あぁ。)
(She kisses him on the cheek and looks over at the others.)
レイチェルはガンターの頬にキスして、他の人の方を見る。
レイチェル: Oh... Bye, you guys. (あぁ… さよなら、みんな。)
フィービー: Bye. (さよなら。)
(Rachel leaves.)
レイチェルは去る。
ロス: Oh, my God! (なんてこった!)
フィービー: Unbelievable! (信じられないわ!)
ジョーイ: Hey, you know what might help? (なぁ、今、助けになるかもしれないのが何かわかる?[今、何をしたらいいと思う?])
ロス: I'm not getting you a muffin! (僕はお前にマフィンを取って来ないぞ!)
セントラルパークに入ってきたレイチェルがカウンターに向かったので、ロスはフィービーに、「フィービーが言ったことは正しい。せめて僕は自分の気持ちをレイチェルに言うべきだ」と言います。
そうやって立ち上がったロスに、ジョーイは「ロス、待って待って」と呼び止めます。
これからレイチェルに気持ちを伝えようとする時に、わざわざ呼び止めたので、「頑張れよ」という励ましか、もしくは何らかのアドバイスでもするかのように感じられる行動です。
ロスもそういうことを期待したらしく、「何、何?」と興味深そうに耳を傾けるのですが、ジョーイが言ったのは、「俺にマフィン(を1個)取ってきてくれる?」でした。
レイチェルに話すためにカウンターに行くのなら、ついでにマフィンもらってきてくれよ、と頼んだわけですね。
ロスはそれには返事せず、ムッとした様子でカウンターに向かうのですが、ロスがレイチェルに近づこうとした際、奥からガンターが歩いてきて、ロスより先にレイチェルに声を掛けます。
ガンターは、「君が今夜(パリに)発つのは知ってるんだけど、ただ君に言わなくちゃいけないと思って」と言い、少し間を置いた後、レイチェルの顔をまっすぐ見て、I love you. と言います。
それを見たロスは驚きの顔をして、ジョーイやフィービーと顔を見合わせています。
「僕の気持ちをレイチェルに言うぞ」とロスは意気込んでいたのに、ガンターに先を越されてしまったのでショックを受けているわけですが、先を越されたこと以上に、ガンターの言葉が、I love you. というダイレクトで強い言葉だったことが、ロスには余計にショックだったことでしょう。
ずっと前からレイチェルのことが好きで、その一途な気持ちがこれまでの言動の端々に表れていたガンターでしたが、最後の最後のお別れの時になって、照れることなくまっすぐレイチェルの目を見て告白した、というのは、「昨夜レイチェルとベッドまで共にしたのに、肝心の自分の気持ちをレイチェルに伝えることができておらず、フィービーたちに説得されてやっと今、決死の覚悟で気持ちを告げようと向かった」というロスとは対照的な姿だと言えますね。
準レギュラーとして、フレンズ6人の次に出演回数が多かったガンターですが(出演したエピソードは 150回)、最後のフィナーレで良い出番があって良かったね、と感じたファンは多かったかもしれませんね。
I don't know if that changes your plans at all. を直訳すると、「そのこと(僕が君を愛してると告白したこと)が君の計画(パリに行くこと)を少しでも変えるかどうかはわからないけど」。
僕がこんな告白をして、君のパリ行きの予定が変わる、パリに行かなくなるなんてことが起こるかどうかはわからないけど、ということですね。
そう言った上で、「君が僕の気持ちを知っておいた方がいいと僕は思ったから(告白した)」と言います。
今そばでそれを聞いているロスも、「結果がどうなるかわからない、それでレイチェルを引き留められるかどうかはわからないけど、とにかく今は自分の気持ちを伝えなきゃ」という気持ちでレイチェルに告白しようとしていたので、そういうことまで含めて全く同じことを、先にガンターに言われてしまったことになります。
ガンターからのまっすぐな告白を聞いたレイチェルは感動した様子で、「あぁ、私もあなたを愛してるわ」と言います。
その後、Probably not in the same way. 「多分、同じようにではないけれど」とちゃっかり付け足すことで、「あなたが私を女性として愛しているように、私はあなたを男性として愛しているわけじゃないけれど、男女の恋愛関係として I love you too. と言ったわけじゃないけれど」というのを念押ししているのもレイチェルらしいですね。
そうは言いながらも、But I do. 「でも(本当に)あなたを愛しているわ」と言っているのは、さよならのこの時にガンターが告白してくれたことをレイチェルが嬉しく感じていることを表していることになるでしょう。
その後、「(パリの)カフェでコーヒーを飲んでいる時、または太陽よりも輝く(太陽よりも明るい、鮮やかな色の)髪の毛の男性を(パリで)見る時、あなたを思う、思い出す」と言っているのも面白いですね。
コーヒーハウスでいつもコーヒーを入れてくれていたガンターなので、「コーヒーと言えばガンターを思い出す」ということ、さらに、ガンターの銀髪は確かに「太陽よりも輝く」という表現がぴったりなので、パリで輝く髪の毛の色の人を見たらあなたを思い出すわ、あなたを思うわ、と言ったわけですね。
レイチェルはガンターの頬にキスをして、「今ガンターはこんな素敵な言葉を言ってくれたわ」というように、ロスたちの方を見ます。
ガンターからの告白に感動した様子のまま、フレンズたちには「さよなら」と言っただけで、レイチェルはセントラルパークを出て行きます。
告白しようとしていたロスは、Oh, my God! と言うしかありません。
茫然とするロスに、ジョーイは、Hey, you know what might help? と声を掛けます。
直訳すると、「なぁ、何が(今ここで)助けになるかもしれないかわかるか?」ということですね。
何も考えられない、何も行動できずに固まっているロスに、「今、何したらいいと思う? こうすればいいんだよ」のようにアドバイスしたような発言に聞こえますが、ジョーイの意図に気づいたロスは、「ジョーイは”今ロスがやるべきことはこれだよ”と言うつもりだろ」という気持ちを込めて、「僕は(お前が頼んでた)マフィンをお前のために取って来たりしないからな!」と先に言うことになります。
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ロスはフィービーに「よりを戻したいというあなたの気持ちをレイチェルに伝えるべきよ。そうしたら気が変わって、パリに行かないかもしれない」と説得されます。
その後、レイチェルがセントラルパークに入ってきて、少しの会話の後、レイチェルがカウンターの方に行っている間、
ロス: Alright. You know what? You're right. I should at least tell her how I feel. (わかったよ。ねぇ、フィービーは正しい。せめて(とにかく)僕は自分の気持ちをレイチェルに言うべきだ。)
(He stands up.)
ロスは立ち上がる。
ジョーイ: Ross. Wait, wait! (ロス、待って、待って!)
ロス: What? What? (何? 何?)
ジョーイ: Could you get me a muffin? (俺にマフィンを取ってきてくれる?)
(Ross walks up to Rachel, but Gunther gets there first.)
ロスは歩いてレイチェルに近づく、が、ガンターがそこに先に来る。
ガンター: Rachel? (レイチェル?)
レイチェル: Yeah? (はい?)
ガンター: I... I know you're leaving tonight, but I just have to tell you. I love you. (僕は、君が今夜旅立つことは知ってるんだけど、でもただ君に言わなくちゃ(と思って)。僕は君を愛してる。)
(Ross is shocked.)
ロスはショックを受ける。
ガンター: Now, I don't know if that changes your plans at all. But I thought you should know. (ほら、そのこと(僕が今の言葉を言ったこと)で君の予定が少しでも変わるのかどうかはわからないけど。でも君に知っておいて欲しいと思ったから。)
レイチェル: (touched) Gunther... Oh... I love you too. Probably not in the same way. But I do. And, and when I'm in a café having coffee, or I see a man with hair brighter than the sun, I'll think of you. Aw. ([感動した様子で] ガンター、、 あぁ… 私もあなたを愛してるわ。多分、同じようにではないけれど。でも愛してる。そして、私がコーヒーを飲みながら(パリの)カフェにいる時、または太陽よりも輝く髪の毛の男性を見る時、私はあなたのことを考えるわ。あぁ。)
(She kisses him on the cheek and looks over at the others.)
レイチェルはガンターの頬にキスして、他の人の方を見る。
レイチェル: Oh... Bye, you guys. (あぁ… さよなら、みんな。)
フィービー: Bye. (さよなら。)
(Rachel leaves.)
レイチェルは去る。
ロス: Oh, my God! (なんてこった!)
フィービー: Unbelievable! (信じられないわ!)
ジョーイ: Hey, you know what might help? (なぁ、今、助けになるかもしれないのが何かわかる?[今、何をしたらいいと思う?])
ロス: I'm not getting you a muffin! (僕はお前にマフィンを取って来ないぞ!)
セントラルパークに入ってきたレイチェルがカウンターに向かったので、ロスはフィービーに、「フィービーが言ったことは正しい。せめて僕は自分の気持ちをレイチェルに言うべきだ」と言います。
そうやって立ち上がったロスに、ジョーイは「ロス、待って待って」と呼び止めます。
これからレイチェルに気持ちを伝えようとする時に、わざわざ呼び止めたので、「頑張れよ」という励ましか、もしくは何らかのアドバイスでもするかのように感じられる行動です。
ロスもそういうことを期待したらしく、「何、何?」と興味深そうに耳を傾けるのですが、ジョーイが言ったのは、「俺にマフィン(を1個)取ってきてくれる?」でした。
レイチェルに話すためにカウンターに行くのなら、ついでにマフィンもらってきてくれよ、と頼んだわけですね。
ロスはそれには返事せず、ムッとした様子でカウンターに向かうのですが、ロスがレイチェルに近づこうとした際、奥からガンターが歩いてきて、ロスより先にレイチェルに声を掛けます。
ガンターは、「君が今夜(パリに)発つのは知ってるんだけど、ただ君に言わなくちゃいけないと思って」と言い、少し間を置いた後、レイチェルの顔をまっすぐ見て、I love you. と言います。
それを見たロスは驚きの顔をして、ジョーイやフィービーと顔を見合わせています。
「僕の気持ちをレイチェルに言うぞ」とロスは意気込んでいたのに、ガンターに先を越されてしまったのでショックを受けているわけですが、先を越されたこと以上に、ガンターの言葉が、I love you. というダイレクトで強い言葉だったことが、ロスには余計にショックだったことでしょう。
ずっと前からレイチェルのことが好きで、その一途な気持ちがこれまでの言動の端々に表れていたガンターでしたが、最後の最後のお別れの時になって、照れることなくまっすぐレイチェルの目を見て告白した、というのは、「昨夜レイチェルとベッドまで共にしたのに、肝心の自分の気持ちをレイチェルに伝えることができておらず、フィービーたちに説得されてやっと今、決死の覚悟で気持ちを告げようと向かった」というロスとは対照的な姿だと言えますね。
準レギュラーとして、フレンズ6人の次に出演回数が多かったガンターですが(出演したエピソードは 150回)、最後のフィナーレで良い出番があって良かったね、と感じたファンは多かったかもしれませんね。
I don't know if that changes your plans at all. を直訳すると、「そのこと(僕が君を愛してると告白したこと)が君の計画(パリに行くこと)を少しでも変えるかどうかはわからないけど」。
僕がこんな告白をして、君のパリ行きの予定が変わる、パリに行かなくなるなんてことが起こるかどうかはわからないけど、ということですね。
そう言った上で、「君が僕の気持ちを知っておいた方がいいと僕は思ったから(告白した)」と言います。
今そばでそれを聞いているロスも、「結果がどうなるかわからない、それでレイチェルを引き留められるかどうかはわからないけど、とにかく今は自分の気持ちを伝えなきゃ」という気持ちでレイチェルに告白しようとしていたので、そういうことまで含めて全く同じことを、先にガンターに言われてしまったことになります。
ガンターからのまっすぐな告白を聞いたレイチェルは感動した様子で、「あぁ、私もあなたを愛してるわ」と言います。
その後、Probably not in the same way. 「多分、同じようにではないけれど」とちゃっかり付け足すことで、「あなたが私を女性として愛しているように、私はあなたを男性として愛しているわけじゃないけれど、男女の恋愛関係として I love you too. と言ったわけじゃないけれど」というのを念押ししているのもレイチェルらしいですね。
そうは言いながらも、But I do. 「でも(本当に)あなたを愛しているわ」と言っているのは、さよならのこの時にガンターが告白してくれたことをレイチェルが嬉しく感じていることを表していることになるでしょう。
その後、「(パリの)カフェでコーヒーを飲んでいる時、または太陽よりも輝く(太陽よりも明るい、鮮やかな色の)髪の毛の男性を(パリで)見る時、あなたを思う、思い出す」と言っているのも面白いですね。
コーヒーハウスでいつもコーヒーを入れてくれていたガンターなので、「コーヒーと言えばガンターを思い出す」ということ、さらに、ガンターの銀髪は確かに「太陽よりも輝く」という表現がぴったりなので、パリで輝く髪の毛の色の人を見たらあなたを思い出すわ、あなたを思うわ、と言ったわけですね。
レイチェルはガンターの頬にキスをして、「今ガンターはこんな素敵な言葉を言ってくれたわ」というように、ロスたちの方を見ます。
ガンターからの告白に感動した様子のまま、フレンズたちには「さよなら」と言っただけで、レイチェルはセントラルパークを出て行きます。
告白しようとしていたロスは、Oh, my God! と言うしかありません。
茫然とするロスに、ジョーイは、Hey, you know what might help? と声を掛けます。
直訳すると、「なぁ、何が(今ここで)助けになるかもしれないかわかるか?」ということですね。
何も考えられない、何も行動できずに固まっているロスに、「今、何したらいいと思う? こうすればいいんだよ」のようにアドバイスしたような発言に聞こえますが、ジョーイの意図に気づいたロスは、「ジョーイは”今ロスがやるべきことはこれだよ”と言うつもりだろ」という気持ちを込めて、「僕は(お前が頼んでた)マフィンをお前のために取って来たりしないからな!」と先に言うことになります。
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2016年08月24日
お前の言葉で話そうとしてるだけ フレンズ10-17その4
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ジョーイとフィービーに、昨日レイチェルとベッドを共にしたことを話したロスは、フィービーに「よりを戻したいの?」と尋ねられ、昨日の夜のことを思い出すうちに、「そうだ、僕はレイチェルとよりを戻したい!」という自分の気持ちに気づきます。
ジョーイとフィービーが席を外した後、ロスとレイチェルはキスをして、昨日の晩の出来事は素敵だったと語り合うのですが、その会話の中でレイチェルが、It's just the perfect way to say goodbye. 「(昨日の晩のことは)さよならを言う完璧な方法だった」→「昨日は最高のさよならができた」と言ったので、ロスはショックを受けます。
その後のシーン。
[Scene: Central Perk. Ross, Phoebe and Joey are there.]
セントラルパーク。ロス、フィービー、ジョーイがそこにいる。
ロス: And then she said it was the perfect way to say goodbye. (それからレイチェルは言ったんだ、さよならを言う最高の方法だった[最高のさよならだった]、って。)
ジョーイ: Oh, my God! What did you say? (なんてこった! お前は何て言ったんだ?)
ロス: Nothing! What do you say to that? (何にも[言ってないよ]! それに対して何て言うんだよ?)
フィービー: Ross, you've got to tell her how you feel! (ロス、あなたは自分の気持ちをレイチェルに言わなきゃいけないわ!)
ロス: No way! (だめだよ[嫌だよ]!)
ジョーイ: Well, you can't just give up! Is that what a dinosaur would do? (ただあきらめちゃだめだ! 恐竜ならそんなことするか?)
ロス: What? (何?)
ジョーイ: Dude, I'm just trying to speak your language. (おいおい、俺はただ、お前の言葉で話そうとしただけだよ。)
フィービー: Ross, Rachel doesn't know that you even wanna get back together. If she did, she might feel differently. She might not even go. (ロス、あなたがよりを戻したいと思ってることをレイチェルは知らないわ。もし彼女がそれを知ったら、彼女は違う気持ちになるかもしれない。(パリに)行かないかもしれないわ。)
ロス: You really think so? (ほんとにそう思う?)
フィービー: I'm telling you! Oh, okay! This is the part of the musical where there'd be a really good, convincing song. (Singing) "Bum-bum-bum-bum. Don't take no for an answer, bum-bum-bum. Don't let love fly away, bum-bum-bum-bum." (本当よ[もちろんよ]! あぁ、よし! ここが、本当に素敵な、説得力のある歌の出てくるミュージカルのパートよ。[歌いながら] バンバンバンバン、ノーの答えは受け入れないで! バンバンバン、愛を飛んで行かせないで。バンバンバンバン…)
(Rachel enters and interrupts Phoebe's song.)
レイチェルが入ってくるので、フィービーの歌が中断される。
レイチェル: Hi! (はーい。)
フィービー: Can't a girl finish a song around here? (ここでは女の子が1曲歌い終えることもできないの?)
ロスはジョーイとフィービーに、レイチェルが言った言葉を説明しています。
ロスはレイチェルとよりを戻そうと思っていたのに、レイチェルには全くそのつもりがない様子のその言葉に、ジョーイとフィービーもショックを隠せません。
「そんな風に言われて、お前は何て言ったんだよ?」とジョーイに言われ、ロスは、Nothing! What do you say to that? と返します。
Nothing! は「(僕は)何も言わなかったよ!」ということですね。
What do you say to that? を直訳すると、「you はそれに対して何て言う?」ということですが、この場合の you は、ロスが話している相手のジョーイを指しているというよりも、一般の人々のニュアンスで使っているように思います。
「自分はよりを戻したいと思っていたけれど、自分がその気持ちを伝える前に相手の方から、最高のさよならができたわね、と言われてしまったら、それに対して(人は)何を言うんだ? 何を言えるって言うんだ?」みたいな一般論を語っている感覚になると思います。
「そんな風に言われたら、誰でも何も言えなくなるだろ」というところですね。
フィービーが、how you feel 「あなたがどのように感じているか」=「あなたの気持ち」をレイチェルに伝えなきゃだめよ、と強く言うのですが、ロスは、No way! と強く否定します。
それに対して「ただあきらめちゃだめだ」と言った後のジョーイのセリフ、Is that what a dinosaur would do? が面白いですね。
直訳すると、「それが、恐竜なら(そう)するだろうことか?」になるでしょうか。
つまりは、「自分の気持ちをレイチェルには言わない」と言ったことに対して、「恐竜ならそんなことするか?」と言ったことになります。
唐突に恐竜が出てきたので、ロスも「は?」となっていますが、I'm just trying to speak your language. と理由を言っているのも面白いです。
「俺はただ、お前の言葉・言語で話そうとしているだけだ」ということで、DVDの日本語訳では、「(字幕)お前向けの例だ/(音声)お前がわかる例を出したんだよ」となっていましたが、まさにそんな感じですね。
ロスにとって身近な存在である恐竜に例えてみたら、お前にはわかりやすいかと思ってそうしてみた、というところです。
フィービーはさらにロスの説得を続けています。
ロスがよりを戻したいと思っていることをレイチェルは知らないから、もしそのことを知れば、違う風に感じるかもしれない→気持ちが変わるかもしれない、ということですね。
「ほんとにそう思う?」とロスが言った後の、フィービーの I'm telling you! は「本当よ。本当なんだから」のように強調するニュアンス。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
I tell you also I'm telling you, let me tell you : used to emphasize that what you are saying is true, even though it may be difficult to believe
つまり、「自分が言っていることが真実であると強調するために使われる、例えそれが信じがたいことかもしれなくても」。
次の This is the part of the musical where there'd be a really good, convincing song. について。
convincing は「説得力のある、人を納得させる」ですから、直訳すると、「これは、本当に良い、説得力のある歌が存在する、ミュージカルのパートである」となるでしょう。
「今この時が、ミュージカルで素敵な説得力のある歌が登場するまさにその場面ね」という感覚ですね。
そう言ってフィービーは、バンバン…と言いながら、ミュージカル風の歌を歌い始めます。
今回のエピソードでは、ロスとレイチェルが復縁するかもしれない、チャンドラーとモニカの子供が生まれるかもしれない、などの嬉しいニュースが続いた時に、フィービーが、I feel like I'm in a musical! 「私、ミュージカル(にいる)みたいな気分よ」と言って、歌い始めるシーンがありました。
その時、レイチェルが部屋に入ってきて、歌が中断されてしまった時、フィービーは、"Guess you'll never know how it ends." 「その歌がどう終わるかを(人が)知ることはないようね」と言っていました。
最後まで歌いたかったのに中断されてしまったことを、「歌を最後まで聞いてもらえないようね」と表現したわけですね。
今回歌い始めたのは、先にそういう「ミュージカル風の歌を歌う」というシーンがあったことからの流れとなります。
not take no for an answer は、「答え・返事として、ノーを受け入れない」ということですから、don't take no for an answer は否定の命令文で、「ノーの返事を受け入れないで、相手にノーと言わせないで」と言っていることになるでしょう。
fly away は「飛び去る」ですから、don't let love fly away は「愛を飛び去らせないで」→「愛が逃げて行くのを許しちゃだめ、愛を逃がしちゃだめ」ということになります。
ご機嫌で歌い上げている時に、レイチェルが部屋に入ってきて歌が中断されてしまったフィービーは、すねたような顔をして、「ここでは女の子が1曲歌い終えることもできないの?」と言っています。
これはさきほど説明した、"Guess you'll never know how it ends." と同じ流れですね。
これより前のシーンで最初に歌った時も、レイチェルが入ってくることで歌が中断され、「歌を最後まで聞いてもらえない」とボヤいていましたが、今回もまたレイチェルが入ってきたことで邪魔されてしまったので、「この辺りでは、女の子が1曲歌い終えることもできないの?」と表現することで、「少し前にも邪魔されたし、また今回も邪魔された。ただ女の子が歌を歌おうとしているだけなのに、最後まで歌い切ることすらできないのね、ここでは」と言っていることになります。
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ジョーイとフィービーが席を外した後、ロスとレイチェルはキスをして、昨日の晩の出来事は素敵だったと語り合うのですが、その会話の中でレイチェルが、It's just the perfect way to say goodbye. 「(昨日の晩のことは)さよならを言う完璧な方法だった」→「昨日は最高のさよならができた」と言ったので、ロスはショックを受けます。
その後のシーン。
[Scene: Central Perk. Ross, Phoebe and Joey are there.]
セントラルパーク。ロス、フィービー、ジョーイがそこにいる。
ロス: And then she said it was the perfect way to say goodbye. (それからレイチェルは言ったんだ、さよならを言う最高の方法だった[最高のさよならだった]、って。)
ジョーイ: Oh, my God! What did you say? (なんてこった! お前は何て言ったんだ?)
ロス: Nothing! What do you say to that? (何にも[言ってないよ]! それに対して何て言うんだよ?)
フィービー: Ross, you've got to tell her how you feel! (ロス、あなたは自分の気持ちをレイチェルに言わなきゃいけないわ!)
ロス: No way! (だめだよ[嫌だよ]!)
ジョーイ: Well, you can't just give up! Is that what a dinosaur would do? (ただあきらめちゃだめだ! 恐竜ならそんなことするか?)
ロス: What? (何?)
ジョーイ: Dude, I'm just trying to speak your language. (おいおい、俺はただ、お前の言葉で話そうとしただけだよ。)
フィービー: Ross, Rachel doesn't know that you even wanna get back together. If she did, she might feel differently. She might not even go. (ロス、あなたがよりを戻したいと思ってることをレイチェルは知らないわ。もし彼女がそれを知ったら、彼女は違う気持ちになるかもしれない。(パリに)行かないかもしれないわ。)
ロス: You really think so? (ほんとにそう思う?)
フィービー: I'm telling you! Oh, okay! This is the part of the musical where there'd be a really good, convincing song. (Singing) "Bum-bum-bum-bum. Don't take no for an answer, bum-bum-bum. Don't let love fly away, bum-bum-bum-bum." (本当よ[もちろんよ]! あぁ、よし! ここが、本当に素敵な、説得力のある歌の出てくるミュージカルのパートよ。[歌いながら] バンバンバンバン、ノーの答えは受け入れないで! バンバンバン、愛を飛んで行かせないで。バンバンバンバン…)
(Rachel enters and interrupts Phoebe's song.)
レイチェルが入ってくるので、フィービーの歌が中断される。
レイチェル: Hi! (はーい。)
フィービー: Can't a girl finish a song around here? (ここでは女の子が1曲歌い終えることもできないの?)
ロスはジョーイとフィービーに、レイチェルが言った言葉を説明しています。
ロスはレイチェルとよりを戻そうと思っていたのに、レイチェルには全くそのつもりがない様子のその言葉に、ジョーイとフィービーもショックを隠せません。
「そんな風に言われて、お前は何て言ったんだよ?」とジョーイに言われ、ロスは、Nothing! What do you say to that? と返します。
Nothing! は「(僕は)何も言わなかったよ!」ということですね。
What do you say to that? を直訳すると、「you はそれに対して何て言う?」ということですが、この場合の you は、ロスが話している相手のジョーイを指しているというよりも、一般の人々のニュアンスで使っているように思います。
「自分はよりを戻したいと思っていたけれど、自分がその気持ちを伝える前に相手の方から、最高のさよならができたわね、と言われてしまったら、それに対して(人は)何を言うんだ? 何を言えるって言うんだ?」みたいな一般論を語っている感覚になると思います。
「そんな風に言われたら、誰でも何も言えなくなるだろ」というところですね。
フィービーが、how you feel 「あなたがどのように感じているか」=「あなたの気持ち」をレイチェルに伝えなきゃだめよ、と強く言うのですが、ロスは、No way! と強く否定します。
それに対して「ただあきらめちゃだめだ」と言った後のジョーイのセリフ、Is that what a dinosaur would do? が面白いですね。
直訳すると、「それが、恐竜なら(そう)するだろうことか?」になるでしょうか。
つまりは、「自分の気持ちをレイチェルには言わない」と言ったことに対して、「恐竜ならそんなことするか?」と言ったことになります。
唐突に恐竜が出てきたので、ロスも「は?」となっていますが、I'm just trying to speak your language. と理由を言っているのも面白いです。
「俺はただ、お前の言葉・言語で話そうとしているだけだ」ということで、DVDの日本語訳では、「(字幕)お前向けの例だ/(音声)お前がわかる例を出したんだよ」となっていましたが、まさにそんな感じですね。
ロスにとって身近な存在である恐竜に例えてみたら、お前にはわかりやすいかと思ってそうしてみた、というところです。
フィービーはさらにロスの説得を続けています。
ロスがよりを戻したいと思っていることをレイチェルは知らないから、もしそのことを知れば、違う風に感じるかもしれない→気持ちが変わるかもしれない、ということですね。
「ほんとにそう思う?」とロスが言った後の、フィービーの I'm telling you! は「本当よ。本当なんだから」のように強調するニュアンス。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
I tell you also I'm telling you, let me tell you : used to emphasize that what you are saying is true, even though it may be difficult to believe
つまり、「自分が言っていることが真実であると強調するために使われる、例えそれが信じがたいことかもしれなくても」。
次の This is the part of the musical where there'd be a really good, convincing song. について。
convincing は「説得力のある、人を納得させる」ですから、直訳すると、「これは、本当に良い、説得力のある歌が存在する、ミュージカルのパートである」となるでしょう。
「今この時が、ミュージカルで素敵な説得力のある歌が登場するまさにその場面ね」という感覚ですね。
そう言ってフィービーは、バンバン…と言いながら、ミュージカル風の歌を歌い始めます。
今回のエピソードでは、ロスとレイチェルが復縁するかもしれない、チャンドラーとモニカの子供が生まれるかもしれない、などの嬉しいニュースが続いた時に、フィービーが、I feel like I'm in a musical! 「私、ミュージカル(にいる)みたいな気分よ」と言って、歌い始めるシーンがありました。
その時、レイチェルが部屋に入ってきて、歌が中断されてしまった時、フィービーは、"Guess you'll never know how it ends." 「その歌がどう終わるかを(人が)知ることはないようね」と言っていました。
最後まで歌いたかったのに中断されてしまったことを、「歌を最後まで聞いてもらえないようね」と表現したわけですね。
今回歌い始めたのは、先にそういう「ミュージカル風の歌を歌う」というシーンがあったことからの流れとなります。
not take no for an answer は、「答え・返事として、ノーを受け入れない」ということですから、don't take no for an answer は否定の命令文で、「ノーの返事を受け入れないで、相手にノーと言わせないで」と言っていることになるでしょう。
fly away は「飛び去る」ですから、don't let love fly away は「愛を飛び去らせないで」→「愛が逃げて行くのを許しちゃだめ、愛を逃がしちゃだめ」ということになります。
ご機嫌で歌い上げている時に、レイチェルが部屋に入ってきて歌が中断されてしまったフィービーは、すねたような顔をして、「ここでは女の子が1曲歌い終えることもできないの?」と言っています。
これはさきほど説明した、"Guess you'll never know how it ends." と同じ流れですね。
これより前のシーンで最初に歌った時も、レイチェルが入ってくることで歌が中断され、「歌を最後まで聞いてもらえない」とボヤいていましたが、今回もまたレイチェルが入ってきたことで邪魔されてしまったので、「この辺りでは、女の子が1曲歌い終えることもできないの?」と表現することで、「少し前にも邪魔されたし、また今回も邪魔された。ただ女の子が歌を歌おうとしているだけなのに、最後まで歌い切ることすらできないのね、ここでは」と言っていることになります。
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2016年08月22日
キスしたことをしゃべるような男じゃない フレンズ10-17その3
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ジョーイとレイチェルの部屋。ジョーイとフィービーが話しているところにロスが入ってきます。
ロス: Is Rachel here? (レイチェルはここにいる?)
ジョーイ: Uh, I think she's still asleep. Hey, hey, how did it go with you guys last night? She seemed pretty pissed at you. (あー、レイチェルはまだ寝てると思うよ。なぁ、なぁ、昨日の晩、お前ら二人はどうなったんだ? レイチェルはお前にかなり怒ってるようだったぞ。)
ロス: Uh, we, y'know, we worked things out. (あー、僕ら、丸く収まったんだよ。)
フィービー: What's that smile? Did something happen with you two? (その微笑みは何? あなたたち二人に何か起こったの?)
ロス: Hey, I'm not one to kiss and tell. But I'm also not one to have sex and shut up. We totally did it! (もう、僕はキスしてしゃべる[キスしたことを(ペラペラ)しゃべる]ような男じゃないよ。でもエッチして黙ってるような男でもない。僕たち、本当にヤッちゃった[エッチしちゃった]んだ!)
ジョーイ: Oh, my God. You and Rachel? (なんてこった。お前とレイチェルが?)
ロス: I know, it's pretty great. (そうなんだ、最高だよ。)
ジョーイ: So, what does that mean? Are you guys getting back together? (それで、それってどういう意味? お前らはよりを戻すつもりなの?)
ロス: Oh, I.. I don't know. We didn't really get to talk. (あぁ、わかんないけど。僕たちちゃんと話をすることにはならなかったんだ。)
フィービー: But do you wanna get back together? (でも、ロスはよりを戻したいんでしょ?)
ロス: I don't know. It was incredible. I mean, it just felt so right. When I was holding her, I mean, I never wanted to let her go. You know what? Yeah, I do. I wanna be together. (どうかな。(昨日の晩のことは)素晴らしかった。ほら、しっくり・ぴったり来たんだ。僕がレイチェルを抱き締めている時、僕は彼女を絶対に離したくないと思った。ねぇ。そうだよ、そうだ。僕は彼女と一緒にいたい。)
ロスが「レイチェルはいる?」と尋ねると、ジョーイは「レイチェルはまだ寝てると思うけど、昨日の晩、お前ら二人はどうなったんだ? レイチェルはお前にかなり怒ってるようだったぞ」と心配そうに尋ねます。
レイチェルがロスにだけさよならを言わなかったことでロスが激怒し、ロスがその怒りをレイチェルにぶつけたことを知っていたので、そのまま喧嘩した状態なのかと心配しているわけですね。
we worked things out. の work out は「うまくいく、丸く収まる、良い結果となる」。
そう言ってニヤニヤしているロスを見て、フィービーは「その微笑み(にやけた顔)は何? あなたたち二人に何か起こったの?」と尋ねます。
それに対するロスの返事が、英語表現としてなかなか面白いですね。
I'm not one to A. But I'm also not one to B. という形になっていて、「僕は A するような男(人間)じゃない。でも B するような男でもない」となります。
A に当たる部分は、「キスして話す」ですから、前半部分は、「キスをした後、キスしたことを人に話すような男じゃない」ということですね。
恋愛がらみの出来事、二人の秘め事を人にペラペラ話すような男じゃない、というところです。
この kiss and tell というのは決まり文句で、kiss-and-tell として辞書にも載っています。
研究社 新英和中辞典では、
kiss-and-tell=【形】【A】 情事暴露のゴシップものの
アカデミックな辞書である、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) にも載っていて、
kiss-and-tell [adjective] : (informal) a kiss-and tell story, book etc. is one in which someone publicly tells the secret details of a romantic or business relationship.
つまり、「(インフォーマル) kiss-and-tell の話や本などは、その中で、恋愛関係またはビジネス関係の秘密の詳細を、誰かが公然と(世間に)話すもの」。
この語義を見ると、romantic relationship だけではなく、business relationship についても使われるようですから、必ずしも恋愛に限定されているわけでもなく、普通は他人には言わないようなプライベートな関係の詳細を暴露する場合に使われるということになるでしょう。
この言葉を知らなくても、「キスして(そのことを人に)しゃべる」という表現から、恋愛のプライベートな事柄を人にペラペラしゃべるイメージは連想できますよね。
kiss and tell と同じような形で、後半では、have sex and shut up という表現が使われています。
「エッチして黙る」ということから、「誰かとエッチしたことを、人に話さない、黙っておく」という意味であることがわかりますね。
kiss and tell という決まり文句に似せた表現を使ってみせたことになるでしょう。
tell 「人に話す」の反対の意味として、shut up 「人に話さないで黙っておく」を使い、「キスして話す」ような男じゃないけど、「エッチして黙る」ような男でもない、と続けることで、結局、「キスしたことを話すようなタイプじゃないけど、エッチしたことを黙ってられる人間でもないから、言っちゃうね」のように、結局は、have sex and tell を実行することになる、という流れです。
A はしない。でも B もしない、と表現することで、最初は「僕はキスしたことを人に話すような口の軽い男じゃないよ〜」みたいに思わせておいて、後半で、「B (エッチしたことを黙っている・人に言わない)ということもしない」=「エッチしたことを(ペラペラ)人にしゃべる・暴露する」というオチに繋がるわけですね。
「キスしたことをしゃべるような男じゃないけど、エッチしたことを黙ってられるような男でもない」という表現は、「キスしたとか言えないよ、、とか言いながら、結局、さらに過激な内容を暴露するんかーい!」とツッコミたくなるような、日本語に訳してもわかりやすい、なかなか面白い表現だと思います。
We totally did it! の did it はまさに have sex という意味で、「エッチして黙ってられるような男じゃないから言っちゃうけど、ほんとに僕ら、エッチしちゃったんだ!」と告白したことになります。
ロスとレイチェルがエッチしたと聞いて、ジョーイとフィービーも驚いています。
ジョーイが「二人がエッチしたってことは、お前らはよりを戻すつもりなのか?」と尋ねると、ロスは、わからない、と言って、We didn't really get to talk. と答えます。
get to talk の get to は「talk するという状態になる」と考えれば良いでしょう。
単に、We didn't talk. 「僕たちは話さなかった」というよりも、「自分たちのこれからについて話そうという状況にならなかった」という感じが出るように思います。
not really のように部分否定になっていますので、「それほど真剣に(じっくりと)話すような状況にはならなかった」のように解釈すれば良いでしょう。
二人がエッチしたと知ったフィービーは、嬉しそうな顔をして、「でもロスは、レイチェルとよりを戻したいんでしょ?」と尋ねます。
そう聞かれたロスはまた、I don't know. と答えるのですが、二人で過ごした夜のことを思い出して、「素晴らしかった」、そして it just felt so right. と続けます。
feel right は「正しいと感じる」ということですね。
これが正しい・本来の姿・状態である、というようなところで、「まさにこうなるべきだったという状態に感じられた、ぴったり・しっくり来た、何の違和感もなく感じられた」のようなニュアンスになるでしょう。
When I was holding her, I mean, I never wanted to let her go. は「彼女を(腕に)抱いていた時、僕は彼女を絶対に離したくないと思った」。
その言葉から、ロスがその時、どれほどレイチェルを愛しいと感じていたか、ということがよくわかりますね。
最初は、I don't know. と言いながらも、昨日二人で過ごした夜が素晴らしかったこと、レイチェルのことを離したくないほど愛おしいと思ったことに思いを巡らせたロスは、You know what? と言った後、Yeah, I do. I wanna be together. と言います。
これは、フィービーに do you wanna get back together? と問われたことに対して、いったんは、I don't know. と答えたけれど、その後、いろいろ考えた上で改めてそれ(よりを戻したいの?)に対しての返事として、「あぁ、そうだ。僕は一緒になりたい(レイチェルとよりを戻したい)」と答えたことになります。
自分の気持ちに正直になって考えてみたら、やっぱり僕はそうしたいと思った、という結論に至ったわけで、その気持ちの変化の過程を英語のセリフから感じられると、いい感じ♪ だと思います。
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ジョーイとレイチェルの部屋。ジョーイとフィービーが話しているところにロスが入ってきます。
ロス: Is Rachel here? (レイチェルはここにいる?)
ジョーイ: Uh, I think she's still asleep. Hey, hey, how did it go with you guys last night? She seemed pretty pissed at you. (あー、レイチェルはまだ寝てると思うよ。なぁ、なぁ、昨日の晩、お前ら二人はどうなったんだ? レイチェルはお前にかなり怒ってるようだったぞ。)
ロス: Uh, we, y'know, we worked things out. (あー、僕ら、丸く収まったんだよ。)
フィービー: What's that smile? Did something happen with you two? (その微笑みは何? あなたたち二人に何か起こったの?)
ロス: Hey, I'm not one to kiss and tell. But I'm also not one to have sex and shut up. We totally did it! (もう、僕はキスしてしゃべる[キスしたことを(ペラペラ)しゃべる]ような男じゃないよ。でもエッチして黙ってるような男でもない。僕たち、本当にヤッちゃった[エッチしちゃった]んだ!)
ジョーイ: Oh, my God. You and Rachel? (なんてこった。お前とレイチェルが?)
ロス: I know, it's pretty great. (そうなんだ、最高だよ。)
ジョーイ: So, what does that mean? Are you guys getting back together? (それで、それってどういう意味? お前らはよりを戻すつもりなの?)
ロス: Oh, I.. I don't know. We didn't really get to talk. (あぁ、わかんないけど。僕たちちゃんと話をすることにはならなかったんだ。)
フィービー: But do you wanna get back together? (でも、ロスはよりを戻したいんでしょ?)
ロス: I don't know. It was incredible. I mean, it just felt so right. When I was holding her, I mean, I never wanted to let her go. You know what? Yeah, I do. I wanna be together. (どうかな。(昨日の晩のことは)素晴らしかった。ほら、しっくり・ぴったり来たんだ。僕がレイチェルを抱き締めている時、僕は彼女を絶対に離したくないと思った。ねぇ。そうだよ、そうだ。僕は彼女と一緒にいたい。)
ロスが「レイチェルはいる?」と尋ねると、ジョーイは「レイチェルはまだ寝てると思うけど、昨日の晩、お前ら二人はどうなったんだ? レイチェルはお前にかなり怒ってるようだったぞ」と心配そうに尋ねます。
レイチェルがロスにだけさよならを言わなかったことでロスが激怒し、ロスがその怒りをレイチェルにぶつけたことを知っていたので、そのまま喧嘩した状態なのかと心配しているわけですね。
we worked things out. の work out は「うまくいく、丸く収まる、良い結果となる」。
そう言ってニヤニヤしているロスを見て、フィービーは「その微笑み(にやけた顔)は何? あなたたち二人に何か起こったの?」と尋ねます。
それに対するロスの返事が、英語表現としてなかなか面白いですね。
I'm not one to A. But I'm also not one to B. という形になっていて、「僕は A するような男(人間)じゃない。でも B するような男でもない」となります。
A に当たる部分は、「キスして話す」ですから、前半部分は、「キスをした後、キスしたことを人に話すような男じゃない」ということですね。
恋愛がらみの出来事、二人の秘め事を人にペラペラ話すような男じゃない、というところです。
この kiss and tell というのは決まり文句で、kiss-and-tell として辞書にも載っています。
研究社 新英和中辞典では、
kiss-and-tell=【形】【A】 情事暴露のゴシップものの
アカデミックな辞書である、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) にも載っていて、
kiss-and-tell [adjective] : (informal) a kiss-and tell story, book etc. is one in which someone publicly tells the secret details of a romantic or business relationship.
つまり、「(インフォーマル) kiss-and-tell の話や本などは、その中で、恋愛関係またはビジネス関係の秘密の詳細を、誰かが公然と(世間に)話すもの」。
この語義を見ると、romantic relationship だけではなく、business relationship についても使われるようですから、必ずしも恋愛に限定されているわけでもなく、普通は他人には言わないようなプライベートな関係の詳細を暴露する場合に使われるということになるでしょう。
この言葉を知らなくても、「キスして(そのことを人に)しゃべる」という表現から、恋愛のプライベートな事柄を人にペラペラしゃべるイメージは連想できますよね。
kiss and tell と同じような形で、後半では、have sex and shut up という表現が使われています。
「エッチして黙る」ということから、「誰かとエッチしたことを、人に話さない、黙っておく」という意味であることがわかりますね。
kiss and tell という決まり文句に似せた表現を使ってみせたことになるでしょう。
tell 「人に話す」の反対の意味として、shut up 「人に話さないで黙っておく」を使い、「キスして話す」ような男じゃないけど、「エッチして黙る」ような男でもない、と続けることで、結局、「キスしたことを話すようなタイプじゃないけど、エッチしたことを黙ってられる人間でもないから、言っちゃうね」のように、結局は、have sex and tell を実行することになる、という流れです。
A はしない。でも B もしない、と表現することで、最初は「僕はキスしたことを人に話すような口の軽い男じゃないよ〜」みたいに思わせておいて、後半で、「B (エッチしたことを黙っている・人に言わない)ということもしない」=「エッチしたことを(ペラペラ)人にしゃべる・暴露する」というオチに繋がるわけですね。
「キスしたことをしゃべるような男じゃないけど、エッチしたことを黙ってられるような男でもない」という表現は、「キスしたとか言えないよ、、とか言いながら、結局、さらに過激な内容を暴露するんかーい!」とツッコミたくなるような、日本語に訳してもわかりやすい、なかなか面白い表現だと思います。
We totally did it! の did it はまさに have sex という意味で、「エッチして黙ってられるような男じゃないから言っちゃうけど、ほんとに僕ら、エッチしちゃったんだ!」と告白したことになります。
ロスとレイチェルがエッチしたと聞いて、ジョーイとフィービーも驚いています。
ジョーイが「二人がエッチしたってことは、お前らはよりを戻すつもりなのか?」と尋ねると、ロスは、わからない、と言って、We didn't really get to talk. と答えます。
get to talk の get to は「talk するという状態になる」と考えれば良いでしょう。
単に、We didn't talk. 「僕たちは話さなかった」というよりも、「自分たちのこれからについて話そうという状況にならなかった」という感じが出るように思います。
not really のように部分否定になっていますので、「それほど真剣に(じっくりと)話すような状況にはならなかった」のように解釈すれば良いでしょう。
二人がエッチしたと知ったフィービーは、嬉しそうな顔をして、「でもロスは、レイチェルとよりを戻したいんでしょ?」と尋ねます。
そう聞かれたロスはまた、I don't know. と答えるのですが、二人で過ごした夜のことを思い出して、「素晴らしかった」、そして it just felt so right. と続けます。
feel right は「正しいと感じる」ということですね。
これが正しい・本来の姿・状態である、というようなところで、「まさにこうなるべきだったという状態に感じられた、ぴったり・しっくり来た、何の違和感もなく感じられた」のようなニュアンスになるでしょう。
When I was holding her, I mean, I never wanted to let her go. は「彼女を(腕に)抱いていた時、僕は彼女を絶対に離したくないと思った」。
その言葉から、ロスがその時、どれほどレイチェルを愛しいと感じていたか、ということがよくわかりますね。
最初は、I don't know. と言いながらも、昨日二人で過ごした夜が素晴らしかったこと、レイチェルのことを離したくないほど愛おしいと思ったことに思いを巡らせたロスは、You know what? と言った後、Yeah, I do. I wanna be together. と言います。
これは、フィービーに do you wanna get back together? と問われたことに対して、いったんは、I don't know. と答えたけれど、その後、いろいろ考えた上で改めてそれ(よりを戻したいの?)に対しての返事として、「あぁ、そうだ。僕は一緒になりたい(レイチェルとよりを戻したい)」と答えたことになります。
自分の気持ちに正直になって考えてみたら、やっぱり僕はそうしたいと思った、という結論に至ったわけで、その気持ちの変化の過程を英語のセリフから感じられると、いい感じ♪ だと思います。
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