2021年11月28日

視線を向けて〜が目に入る[〜だとわかる] フレンズ1-12改その3

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は8位、「にほんブログ村」は21位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
にほんブログ村 英語ブログへ


4:12
[Scene: Chandler and Joey leaving girls' apartment, carrying lasagna]
シーン:チャンドラーとジョーイがラザニアを抱えながら女子の部屋を出て行く。
ジョーイ: I love babies with their little baby shoes and their little baby toes and their little baby hands... (赤ちゃんって大好きなんだよな、ちっちゃな靴で、ちっちゃなつま先で、ちっちゃな手で…)
チャンドラー: Okay, you're gonna have to stop that... forever. (いいか、お前はそういうのはやめるんだ……永遠にな。)
[Joey opens door, throws keys on kitchen table, table falls over]
ジョーイはドアを開けて、台所のテーブルの上に鍵を放り投げる、テーブルが倒れる。
ジョーイ: Need a new table. (新しいテーブルが必要だな。)
チャンドラー: You think? (お前はそう思うのか?[(言葉にするまでもなく)当然そうだよな])

鍵を放り投げただけで、テーブルが倒れてしまいます。
Need a new table. 「(俺たちには)新しいテーブルが必要だな」と言ったことに対して、チャンドラーは You think? と返しています。
直訳すると「お前はそう思うか?」というところですが、これは当たり前のことを言ってきた相手に「そうか?」と皮肉っぽく返す時の表現。

Wiktionary には以下のように出ています。
Wiktionary: you think
you think?
(idiomatic) A sarcastic, rhetorical response to an obvious statement.
例)I reckon the trees are greener in spring than in winter. −You think?


つまり「(イディオム的)明らかな発言に対しての、皮肉っぽく修辞的な返答」。
例文は「冬よりも春の方が木々はより緑だと思うんだよ」「お前はそう思うのか?[当然そうだよな]」

今回の会話ではチャンドラーが You think? と言った後に観客の笑い声が起こっています。
テーブルが壊れたのを見てジョーイが「新しいテーブルが必要だな」という「あまりにも当たり前のことを言った」ことに対して、Yeah. 「ああ(そうだな)」と素直に返す代わりに、皮肉っぽく You think? と返したことになるでしょう。
You think? の単語のニュアンスを生かして和訳するとすれば「へえ、お前はそう思うんだ?」というところでしょうか。
「テーブルが壊れたから、新しいテーブルが必要だ」なんて、そんな当たり前のこと、わざわざ言わなくてもわかってるよ、と言いたい気持ちが出ているように思います。


4:43
[Scene: Carol's apartment. Knock at door]
シーン:キャロルのアパートメント。ドアにノックがある。
キャロル: Hey hey, come on in. (はいはい、入ってきて。)
[Ross enters, carrying lasagna]
ロスはラザニアを抱えて入ってくる。
ロス: Hey, hello. [kisses Carol] I brought all the books, and Monica sends her love along with this lasagna. (やあ、どうも。[キャロルにキスする] 例の本を全部持ってきた、それからモニカがこのラザニアと共に愛を送る、ってさ。)
キャロル: Oh, great! Is it vegetarian? 'Cause Susan doesn't eat meat. (まぁ、素敵! それってベジタリアン用(のラザニア?) っていうのは[なぜそんなことを尋ねるかって言うと]スーザンは肉を食べないのよ。)
ロス: [pauses] I'm pretty sure that it is. ([間があって] それはかなり間違いなくそう[ベジタリアン用]だと思うよ。)
キャロル: So I got the results of the amnio today. (それで、今日、羊水の結果が出たのよ。)
ロス: Oh, tell me, tell me. Is everything, uhh....? (あぁ、教えてよ、教えてよ。全部、その……)
キャロル: Totally and completely healthy. (全く完全に健康よ。)
ロス: Oh, that's great! That is great! [Hugs and kisses Carol. Then picks up a picture frame] (あぁ、それは良かった! それは良かった! [キャロルにハグしてキスする。それから写真立てを手に取る])
ロス: Hey, when did you and Susan meet Huey Lewis? (ねぇ、君とスーザンはいつヒューイ・ルイスに会ったの?)
キャロル: Uh, that's our friend Tanya. (あぁ、それは私たちの友達のターニャよ。)
ロス: [surprised, chuckling nervously] Of course, it's your friend Tanya. [looks up frightenedly] ([驚いてナーバスに含み笑いをして] もちろん、君の友達のターニャだよね[ヒューイ・ルイスなわけないよね]。[怯えたように目を上げる])
キャロル: Don't you wanna know about the sex? (セックスについて聞きたくない?)
ロス: [chuckles nervously] The sex? [chuckles] Um, I'm having enough trouble with the image of you and Susan together. When you throw in Tanya... I'm... Aah. ([ナーバスに笑って]セックス? [笑う] あのー、君とスーザンが一緒にいるイメージだけでも十分大変なんだよ。そこにターニャも放り込んだら……あぁ……)
キャロル: The sex of the baby, Ross. (赤ちゃんのセックス[性(別)]よ、ロス。)
ロス: You know the sex of the baby? Oh, oh oh oh! (君は赤ちゃんの性別を知ってるの? あぁ、あああ!)
キャロル: Do you want to know? (知りたい?)
ロス: No, no, no. No, I don't want to know. Absolutely not. I think, you know, I think you shouldn't know until you look down there and see, "Oh, there it is..." [pauses] or isn't. (いやいやいや。いや、僕は知りたくない。絶対に知りたくない。ほら、僕は思うんだよね、下のほうに視線をやって、「あぁ、それがある…」(間を置いて)または、ない、ってわかるまで性別は知るべきではないって[それがある、または、ない、ってわかって初めて性別を知るべきだって]。)

Monica sends her love along with this lasagna. を直訳すると「モニカがこのラザニアと一緒に愛を送る(って)」。
これはモニカが愛を込めて作ったラザニアで、モニカがよろしく言っといて、ってさ、くらいのニュアンスでしょう。

vegetarian は名詞で「菜食主義者、ベジタリアン」という意味ですが、ここでは「ベジタリアン用の」という意味の形容詞として使われています。
名詞の場合は可算名詞なので、You are a vegetarian? 「あなたはベジタリアンですか?」のように不定冠詞 a がつくことになります。
it は(人ではなく)その前の this lasagna 「このラザニア」を指していることからも、人を意味する「菜食主義者」という名詞ではないことが想像できます。

Is it vegetarian? 'Cause Susan doesn't eat meat. の 'Cause は Because の短縮形。
「なぜなら」というのは「なぜそんなことを尋ねるかって言うと」というニュアンス。
Susan doesn’t eat meat. は「習慣・習性を表す」現在形。
「スーザンは肉を食べない人だ」、つまり、スーザンは菜食主義者だということです。

それを聞いたロスは、少し沈黙した後、I'm pretty sure that it is. と言っています。
it is vegetarian であることは、pretty sure だよ、ということで、pretty は sure を強調する「かなり」という意味の副詞。
sure であることは「かなり」の度合いであるということで、ここでは「ほぼ間違いなくそうだ」というニュアンスになります。
このエピソードの冒頭での、モニカとシルおばさんとの電話の会話の中で、「ベジタリアン用ラザニアと言ってくれていたら、私はベジタリアン用ラザニアを作ったでしょうに」という発言があった通り、大量に余ってしまった「ベジタリアン用ではないラザニア」をロスが持ってきたことが想像されますので、ロスは、ベジタリアン用ラザニアではないと知っていて、「ベジタリアン用なのはほとんど間違いないよ」と嘘を言っていることになります。
キャロルとの会話からスーザンがベジタリアンということがわかり、ロスにとってスーザンは元妻を奪った恋敵のような存在ですから、間違えてそれを食べて気分が悪くなっても僕の知ったことか!みたいな気持ちが込められているのですね。
このエピソードの最初のモニカの電話の会話で、ラザニアがベジタリアン用ではないことがわかっているからこそ、ここでのロスの意地悪に笑えるという流れです。

amnio は amniocentesis「羊水を採取して、胎児の病気など、胎児が病気でないかを調べるテスト。羊水検査」の略で、羊水は amniotic fluid となります。
つまり、I got the results of the amnio today. は「今日、羊水検査の結果が出た、結果をもらった」ということ。

Huey Lewis は「ヒューイ・ルイス」で、アメリカのロックバンド、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース(Huey Lewis & The News)のボーカル。
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の主題歌「パワー・オブ・ラヴ」(The Power of Love)などで有名です。
その映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」では、ヒューイ・ルイスは以下のシーンでカメオ出演もしています。

ダンスパーティーに出演するバンドのオーディション。大音量でノリノリで演奏するマーティのバンド。ところが、拡声器を持った審査員がこう言います。
審査員: I'm afraid you're just too darn loud. ((残念ながら)君ら(のバンド)は音が大きすぎる。)
この審査員が、ヒューイ・ルイスでした。

(「フレンズ」の解説に戻ります)
ヒューイ・ルイスは、男っぽさ全開という感じの男性なので、キャロルとスーザンの友達であるターニャの見た目が男性っぽいことが想像できるやりとりになっています。

その後、キャロルが Don't you wanna know about the sex? 「sex について知りたくない?」と言って、ロスがあわあわするシーンについて。
have trouble with は「〜で苦労する、〜で大変である」なので、have enough trouble with は「〜で十分大変である」ということ。
直前にちょうど、ターニャの話題が出て、二人の友達にはこんな男っぽい女性もいるんだ、、、とびっくりしている時に、the sex の話題が出たので、ロスはてっきりレズビアンの sex つまり、「エッチの行為」についての話かと勘違いしたことになります。
キャロルとスーザンがエッチしている姿を想像するだけでも大変なのに、そこにその写真に写っているターニャも入ってくるとなるともう混乱しちゃうよ、と慌てているわけです。

ターニャの話は、ロスが写真立てに気づいたことで話題に上がったわけですが、キャロルとしてはあくまで赤ちゃんの羊水検査の話の続きとして the sex の話を持ち出したわけで、sex と言えば赤ちゃんの性別に決まってるでしょ、というところだったでしょう。
「羊水検査の結果が出た」→「たまたまロスがターニャの写真を発見」→「the sex について知りたい?」という流れから、キャロルとロスの間でそれぞれ、the sex という言葉で連想するものが違ってしまったというちぐはぐ具合が、この会話のポイントであり面白さともなっています。

「赤ちゃんの性別を知りたい?」と聞かれたロスは I don't want to know. Absolutely not. と答えています。
Absolutely not. は「絶対に〜ない」と全否定を強調するニュアンスで、ここでは「知りたいなんてことは絶対にない、絶対に知りたくない」ということ。

I think you shouldn't know until you look down there and see, "Oh, there it is..." or isn't. について。
このセリフでは look down there and see のように「見る」を意味する動詞 look と see が使われています。
look は「目をやる、視線を向ける」。
see は「見える、(自然と)目に入る」というニュアンスであり、またそこから「わかる」という意味でも使われるので、このセリフを直訳すると「下のほうに視線をやって、「あぁ、それがある」…またはない、とわかるまで、(性別を)知るべきじゃないと僕は思う」という感じになるでしょう。
赤ちゃんの性別を知る方法としては「”あれ”がついているか否か」で判断するのが一般的で、このロスの発言からもそれをイメージすることができます。
「下のほう(赤ちゃんの下半身)を見て、あるかないかを見るまでは性別を知るべきじゃない」というのは「それがついているかどうかを見て、初めて性別を知る」というのがロスにとって理想的な姿であることがわかります。

なお、このロスのセリフでは you が使われていますが、この you は、ロスの話し相手である「君=キャロル」を指しているのではなく、「一般の人々」もしくは回り回って「自分自身」を指しているものと考えられます。
このような you はあえて主語をはっきり訳さない方が良いでしょう。

仮にこの you をキャロルについて語ったものだと考えると「君は下を見て初めて性別を知るべきだと思う」と言ったことになりますが、キャロルはすでに性別を知っていることを考えると、キャロルがどうやって知るべきかを説いていると考えるには違和感があるでしょう。
赤ちゃんの性別を知る方法としては「生まれる前の超音波検査で知る」か「生まれた後であれがついているかどうかで知る」かのどちらかで、ロスは後者の方法を選びたいと語っているわけですから、「(自分も含め、人は)あれがついているかついていないかわかって初めて、赤ちゃんの性別を知るべきだ、と自分は考えている」のように語っていると考えればよいかと思います。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 15:51| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月10日

フリング(軽いお遊び)はフリングされてる(ポイされてる)はずでは フレンズ1-12改その2

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は7位、「にほんブログ村」は15位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
にほんブログ村 英語ブログへ


3:09
[Rachel enters with Paolo, speaking Italian. Ross looks annoyed]
レイチェルが、イタリア語を話すパウロと共に入ってくる。ロスはうっとうしそうな顔をする。
レイチェル: Honey, you can say it. It’s Poconos. Poconos. It's like "poke a nose." [touching Paolo's nose with forefinger with each syllable] (ハニー、言えるわよ。ポコノスよ。ポコノス。「ポーク・ア・ノーズ(鼻をつつく)」みたいな感じよ。[シラブル(音節)ごとにパウロの鼻を人さし指で触れる])
パウロ: Ah, poke [Paolo touches Rachel's nose] a [touches nose again] nose, mmm [they rub noses, then kisses her] (あぁ、ポーク [パウロはレイチェルの鼻に触れる] ア [再び鼻に触れる] ノーズ。ん−ん。[二人は鼻をこすり、それから彼は彼女にキスする])
ジョーイ、チャンドラー、ロス: [sitting in living room, imitating Paolo] Mma, Mma, Mmaah. ([リビングに座りながら、パウロの真似をする] マ、マ、マー。)
[Camera pans to Rachel, Monica, and Phoebe in the kitchen]
カメラはキッチンのレイチェル、モニカ、フィービーにパンする。
モニカ: So did I hear "Poconos"? (それで、私は「ポコノス」って聞こえた?[今、(あなたは)「ポコノス」って言った?])
レイチェル: Yes, my sister's giving us her place for the weekend. (えぇ、週末に妹が場所[家]を私たちに貸してくれるのよ。)
フィービー: Woo-hoo. First weekend away together. (ウーフー。遠くで一緒に過ごす初めての週末ね。)
モニカ: Yeah, it's a big step. (うん、大きな一歩だわ。)
レイチェル: I know. (そうね。)
[Camera pans to Ross, looking dejected]
カメラがロスにパンする。
チャンドラー: Ah, it's just a weekend. Big deal. (あぁ、ただ週末(を過ごす)だけだ。大したことじゃない。)
ロス: Wasn't this supposed to be just a fling, huh? Shouldn't it be... [makes flinging motions with hands] flung by now? (ただの軽いお遊びのはずじゃなかったのか? [手でフリングする[投げる]動きをして]今頃はもうフリングされてる[ポイされてる]はずじゃないのか?)
[Camera pans back to Rachel]
カメラがレイチェルにパン・バックする。
レイチェル: I mean, we are way past the "fling" thing. I am feeling things that I've only read about in Danielle Steel books, you know? I mean, when I'm with him, I'm just totally, totally.... (つまり、私たちは「フリング(軽いお遊び)」ってやつをとっくに越えてしまったのよ。ダニエル・スティールの本で読んだことがあるだけだったことを、私は今感じているの、わかるでしょ? ほら、彼と一緒にいる時、私はただすっごくすっごく……)
[Camera pans to Ross, holding his stomach]
カメラがロスにパンする、ロスは腹を押さえている。
ロス: Nauseous. I'm physically nauseous. What am I supposed to do, huh? Call Immigration? [pauses, looks suddenly inspired] I could call Immigration. (吐き気がするよ。そうだ。僕は実際に吐き気がする。僕はどうすればいいんだ? 入国管理局に電話する? [間があって、突然ヒントを得たかのように] 僕は入国管理局に電話することができるじゃないか。)

Poconos「ポコノス」は、ペンシルベニア州の The Pocono Mountains(ポコノ山脈)のこと。リゾート地として有名です。
poke は「突く、つつく」。
Poconos と発音できないパウロに poke a nose「鼻をつつく」に発音が似てるわ、と説明するレイチェル。
鼻を触れあいながらキスしていちゃつく二人を見て、男性陣はパウロのイントネーションを真似ています。

So did I hear "Poconos"? を直訳すると「それで、私は(今)「ポコノス」って聞いたの?」というところ。
今、私にはポコノスと聞こえたけど、確かにそう言った? という感覚。
First weekend away together. は「ここから離れた場所で一緒に過ごす、初めての週末」。
away は「離れた場所で、(ここから)離れて」、together は「一緒に」で、しばらく付き合ってきたけれど、遠くに行ってお泊りするような小旅行は初めてね、ということ。
レイチェルとパウロが週末旅行することをモニカが a big step「大きな一歩」と表現した後、男性陣に画面が切り替わると、チャンドラーは Ah, it's just a weekend. Big deal. と言っています。
just がついているので「ただ週末(を過ごす)だけ」という意味になり、just を使っていることからチャンドラーは「週末旅行」をそれほど大ごととはとらえていないことがわかります。
Big deal. を直訳すると「大ごと、一大事」という意味ですが、It's not a big deal.「大したことじゃない」という意味で、皮肉っぽく Big deal. と表現することもよくあります。
本来の意味なのか、反対の意味なのかは、話の流れや話者の表情やイントネーションで判断できることになります。

ロスの Wasn't this supposed to be just a fling, huh? Shouldn't it be... flung by now? について。
これは fling という単語を使ったダブルミーニングになっています。
名詞の fling は「遊びで軽くつきあうこと、短期間の情事、長続きしないロマンス」という意味。
次のセリフの flung は、「ものを投げる、放り出す」という意味の動詞 fling の過去分詞形。

それぞれの意味は英英辞典で以下のように出ています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
fling [noun] : a short and not very serious sexual relationship
fling [verb] : to throw something quickly with a lot of force

つまり、名詞は「短くてあまり真剣ではない性的関係」、動詞は「力いっぱい素早く何かを投げること」。

ですからロスは、手で「投げられる、ポイされる」ようなしぐさをしながら、fling(お遊び)だから、今頃は、be flung(放り出されている)はずじゃないのか?と fling の名詞と動詞の意味をかけていることになります。
Wasn't this supposed to be... は「これは…であるはずじゃなかったのか?」。

We are way past the "fling" thing. は「私とパウロは、「フリング(お遊び)」っていうのをずっと越えてしまってるのよ」。
past は「(限度を)越えて」、way は「はるかに、ずっと」という副詞。
もう「お遊び」のレベルはすっかり越えてしまって、真剣になってしまった、ということ。「fling だったはずなのに」と男性陣に愚痴っているロスを映した後、画面が切り替わり、レイチェルが「もう fling のレベルじゃない」と女性陣に言っている対比の描写が面白いです。
ロスの思いとはうらはらに、レイチェルとパウロとの仲がどんどん進展していっている様子が伺えます。

Danielle Steel は「ダニエル・スティール」。ロマンス小説のベストセラーを出している女性作家。
Wikipedia 日本語版:ダニエル・スティール
いかにも女の子が好きそうなロマンス小説の作家の名前を挙げたことになります。

レイチェルは「私は彼といると、ほんとに…」と自分がどれだけ幸せで、どれだけ彼に夢中かを話そうとしています。
レイチェルの I'm just totally, totally... の後の言葉を聞く前に、画面がパッと切り替わり、その I’m just totally, totally をうける形で、(I’m just totally, totally) nauseous. 「僕はただほんとに吐き気がするんだ」と繋がって聞こえるのが笑いのポイントになっています。
二人の言葉が一つの言葉のように連続して聞こえることで、ものすごく幸せそうなレイチェルと、不幸のどん底みたいなロスとの対比がさらにはっきりします。

totally は「全体的に、全く、完全に」「本当に、すごく」、nauseous は「不快な、胸が悪くなるような、吐き気がするような」、physically は「物理的に」「肉体的に、身体的に」。
physically nauseous は気持ち的・気分的な不快感ではなく、実際に僕の体が吐き気を催しそうになっている、比喩ではなく本当に吐きそうなほど気分が悪い、ということ。

What am I supposed to do, huh? は「僕はどうすればいいんだ?」。
be supposed to (do) は「…(する)ことになっている」。
少し前のロスのセリフ Wasn't this supposed to be just a fling, huh? でも過去形の否定疑問文の形で使われていました。
Wasn't this supposed to be... だと「(これは)…であることになっていたんじゃないのか?」となります。
過去形を使うことで「そうなっているはずだったのに実際には思っていたのと違う結果になっている」ことが示唆されています。

call Immigration は「入国管理局に電話する・連絡する、入国管理局を呼ぶ」。
immigration は「入国管理、移民」という意味で、文頭が大文字の Immigration は入国の管理をする施設の名称。
何の気なしに、Call Immigration? 「入国管理局に電話するか?」と言った後、その自分の発言を名案と思ったようで、I could call Immigration. 「そうだよ(しようと思えば)電話できるじゃないか。その手があるじゃないか」みたいに言っています。
ほとんど英語を話せないパウロを見て、ビザ切れ、不法滞在などの可能性もありそう、通報したら強制帰国させることが可能かも、というようなことでしょう。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 16:23| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月07日

その口でキスするの? フレンズ1-12改その1

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は8位、「にほんブログ村」は16位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
にほんブログ村 英語ブログへ


シーズン1 第12話
The One With the Dozen Lasagnas
原題訳:12皿のラザニアの話
邦題:おなかのベビーはどっち?


0:00
[Scene: Gang sitting around Central Perk.]
シーン:ギャング(フレンズたち)がセントラルパークで時間を過ごしている。
[Ross working on crossword puzzle, starts humming theme from "The Odd Couple". Chandler joins in, followed by Monica & Phoebe, then the whole gang. Ross starts humming theme from "I Dream Of Jeannie"]
ロスはクロスワードパズルをしていて、「おかしなカップル」のテーマソングをハミングし始める。チャンドラーが加わり、モニカとフィービーが続き、それから全員が続く。ロスは「かわいい魔女ジニー」のテーマをハミングし始める。
チャンドラー: No no no no, we're done! (ダメダメダメダメ、もう終わったの!)

ト書きの Gang sitting around Central Perk. について。
gang というのは「ギャング、群れ、集団、一味」というニュアンスでそこから「遊び仲間」も意味するので、フレンズたちのことを gang と表現することも多いです。
sit around Central Perk を直訳しようとすると「(コーヒーハウスの)セントラルパークの周りに座る」となってしまいそうですが、ここでの sit around は「ぶらぶらして過ごす」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
sit around [phrasal verb] : to spend a lot of time sitting and doing nothing very useful
つまり「(句動詞)座って、特に有用なことは何もせずに時間を過ごすこと」。

ロスがハミングし始めると、フレンズたちが次々に合流して、ノリノリになっていく様子が楽しいオープニングシーン。
曲の説明をしますと、最初にハミングしていたのは、The Odd Couple のテーマソング。
続いてロスがもう1曲歌おうとして、チャンドラーに止められたのは、I Dream Of Jeannie のテーマソング。

まず最初の、The Odd Couple は、アメリカの70年代シットコムで、邦題は「おかしなカップル」(または「おかしな二人」)。
共に離婚歴のある二人の男性、きれい好きのフェリックス(Felix)と、だらしないオスカー(Oscar)が同居する生活を描いた作品。
元々は、ニール・サイモンの戯曲で、映画になり、さらにテレビドラマ化されました。そのドラマのオープニングテーマをフレンズたちはハミングしていることになります。
2番目の I Dream Of Jeannie は、1960年代のアメリカのシットコムで、邦題は「かわいい魔女ジニー」。
宇宙飛行士のトニーに惚れた魔女ジニーが巻き起こす騒動を描いた作品。
ジニーのアラビア風衣装が有名で、原案は「ゲームの達人」などの作者であるシドニー・シェルダンです。

we're done の be done は「終わった、おしまい」という意味。
自分が歌い始めてみんなが乗ってくれたことに気を良くしたロスでしたが、2曲目はもういい、1曲でおしまいだ、とチャンドラーに宣言されたことになります。


1:48
[Scene: At girls' apartment; Monica working in kitchen]
シーン:女性陣のアパートメント、モニカは台所で作業している。
モニカ: [on phone] Aunt Syl [Silv], stop yelling! All I'm saying is that if you’d told me vegetarian lasagna, I would’ve made vegetarian lasagna. [pauses, listens to person on phone] Well, the meat's only every third layer. Maybe you could scrape. ([電話で] シルおばさん、どなるのはやめて! 私が言っているのはこれだけよ、もし(おばさんが私に)ベジタリアン用ラザニアと言ってくれていたら、私はベジタリアン用ラザニアを作ったでしょうに、って。[一呼吸おいて、電話の相手の声を聞く] そうねぇ、肉は3層ごとにあるだけよ。多分、(その肉の層だけ)削り取れるんじゃないかしら。)
[Camera moves to Chandler, Phoebe, Ross and Joey sitting in living room]
リビングに座っている、チャンドラー、フィービー、ロス、ジョーイにカメラが移動する。
ジョーイ: Ross, did you really read all these baby books? (ロス、お前はほんとにこれだけの本全部を読んだのか?)
ロス: Yup. You could plunk me down in the middle of any woman's uterus, no compass, and I can find my way out of there like that! [snaps fingers] (うん。どんな女性の子宮の真ん中にポンと置かれても、コンパスなしで、僕は外に出る方法を見つけることができるよ、こんな風に(簡単に)ね! [指を鳴らす])
フィービー: Ooh, this is cool. It says in some parts of the world, people actually eat the placenta. [Joey grimaces] (まぁ、これってクールね。この本によると、世界のある場所では、実際に胎盤を食べるんだって[世界には、実際に胎盤を食べる場所があるんだって]。[ジョーイは顔をしかめる])
チャンドラー: And we're done with the yogurt. [sets yogurt down on table] (そしてヨーグルトはもうおしまい。[ヨーグルトをテーブルに置く])
フィービー: [softly] Sorry. ([そっと] ごめん。)
[Camera pans back to Monica, still on phone]
カメラは、まだ電話しているモニカに戻る。
モニカ: Aunt Syl, I did this as a favor. I am not a caterer. What do you want me to do with a dozen lasagnas? [listens to Aunt Syl on phone, looks shocked] Nice talk, Aunt Syl. You kiss Uncle Freddie with that mouth? (シルヴおばさん、私は好意でやったことなのよ。私はケータラー[ケータリング業者、仕出し屋]じゃない。1ダース(約12個)のラザニアを私にどうしろって言うの? [電話のシルおばさんの声を聞いて、ショックを受けた顔をする] ナイストークね[言うわね]、シルおばさん。その(汚い)口でフレディおじさんにキスするの?)
[Camera pans back to group in living room]
カメラはリビングのフレンズのグループに戻る。
ジョーイ: Hey, Ross, listen. You know that right now your baby is only this big? [measures about 2 inches with his thumb and index finger] This is your baby. [in baby-like voice] “Hi, Daddy.” (なぁ、ロス、いいか。たった今、お前の赤ちゃんはたったこれくらいの大きさだって知ってるだろ? [自分の親指と人さし指で約2インチを測る[長さを示す]] これがお前の赤ちゃんだ。[赤ちゃんのような声で] 「はーい、パパ」)
ロス: [waves] Hello. ([手を振って] ハロー。)
ジョーイ: [in baby-like voice] “How come you don't live with Mommy?” [pause; shows Ross less than amused] “How come Mommy lives with that other lady?” [pause; Ross still looks less than amused; Joey smiling] “What's a lesbian?” [playfully hits Ross] ([赤ちゃんのような声で] 「どうしてパパはママと住んでないの?」 [一瞬の間。喜んでいないロスが映る] 「どうしてママはあの別の女の人と住んでるの?」 [一瞬の間。ロスはまだ喜んでいない表情、ジョーイは微笑んでいる] 「レズビアンって何?」 [ふざけてロスを叩く])

台所にいるモニカは誰かと電話しています。
モニカが呼び掛けているセリフは、DVDでは Aunt Silv、Netflix では Aunt Syl と表記されていますが、この記事では Syl で統一しています。
All I'm saying is that ... を直訳すると、「私が言っていることの全部は…である」ということなので、「私はただ…と言っているだけ」というニュアンス。

if you’d told me vegetarian lasagna, I would’ve made vegetarian lasagna について。
if you had told..., I would've made... は「もし(過去に)言ってくれていたら、(過去に)そうした(作った)ことでしょう(に)」という意味の「過去の事実と反対の仮定」を述べる「仮定法過去完了」。
ここで仮定法過去完了が使われていることで、モニカが作ってしまったのは、リクエストと違うものであることがわかります。
「もしそうだといってくれていたら、それを作ったのに」という言葉の裏には「おばさんがそう言ってくれないから、別のもの、つまりベジタリアン用じゃない普通のラザニア(肉の入ったラザニア)を作っちゃったわよ」という気持ちが込められているわけです。

Well, the meat's only every third layer. Maybe you could scrape. について。
the meat's only every third layer は「肉はただ3番目の層ごとにある」→「3層ごとに肉が入ってるだけ」。
scrape は「削り取る、こすり落とす」。
ニューヨークなどの高層ビルを摩天楼と言いますが、あれは英語で skyscraper と言います。
摩天楼という日本語が、その英語を直訳したもので「天を摩する(まする=こする、近づく)楼閣(高い建物)」という意味です。
肉は3番目の層ごとにある「だけ」だから削れるんじゃない? と言っていますが、3層ごとにあるものを、そこだけ削るのは実際には難しいでしょう。
事前にきちんと伝えてくれていたらこんなことにはならなかったのに、という思い(不平不満)が、「3層ごとにあるわけだから削ればいいんじゃない?」という「無理なことを言う」発言に繋がっている、ということです。

ジョーイが「この本を全部読んだのか?」に対して答えたロスのセリフの plunk down は「〜をポン・ドサッと置く・放り出す」。
LAAD では、
plunk [transitive] (informal) : to put something down somewhere, especially in a careless noisy way
plunk something in/on etc.
例)She plunked the bag down on the table.

つまり「(インフォーマル)何かをどこかに置くこと、特にぞんざいで騒々しい方法で」。例文は「彼女はそのバッグをテーブルの上にドサッと置いた」。
ただ置くだけではなく、ぞんざいな感じで置くのがポイントということです。
uterus は「子宮」。ロスの元妻のキャロルが現在妊娠中であることが過去のエピソードで語られていましたので、ロスが出産に関するたくさんの本を読破したということだと想像できます。

フィービーのセリフの placenta は「胎盤」。妊娠時には赤ちゃんを守り、出産後は母親の体から排出されるものですが、世界の中には、それを食べる地域もある、と聞いて、ヨーグルトを食べていたチャンドラーは食べる気をなくしてしまいます。
And we're done with the yogurt. は「そして、俺たちはヨーグルトについてはもうおしまい」という感覚。
冒頭のハミングのシーンでも、2曲目を続けようとしたロスにチャンドラーが No no no no, we're done! と言っていましたが、その be done と同じ「終わった、おしまい」というニュアンスです。

モニカとシルおばさんの電話の会話はまだ続いています。
I did this as a favor. は「私は好意で(好意として)これ(ラザニア作り)をやった」。
What do you want me to do with a dozen lasagnas? は「12個(約10個)のラザニアを私にどうしろって言うの?」。
dozen は「ダズン、ダース」で12個ですが、必ずしも12個ちょうどとは限らず、約10個くらいのイメージ。
その後、電話相手のシルおばさんが何か言うのを聞いて、モニカは目を見開き、口をあんぐりして、あきれた表情を見せています。
この表情から、相手のシルおばさんが、モニカがあきれるようなひどい言葉を使った、または罵(ののし)ったであろうことが想像できるでしょう。

You kiss Uncle Freddie with that mouth? は「おばさんはその口でフレディおじさんとキスするの?」。
「その口」というのは、「そんな汚い言葉を発した、そんな汚い口で」というニュアンス。
今回は相手がモニカのおばさんだったので、その夫であるおじさんが目的語になっていますが、一般的によく使われるのは、
You kiss your mother with that mouth? 「君はその口でお母さんとキスするのか?」
というフレーズ。
汚い言葉を使った子供に向かって「そんな汚い言葉を発した、そんな汚いお口で、君はママとキスするのかなぁ?」と使われる表現です。

7月16日に私の最新刊『Avengers: Age of Ultronで英語が話せる本』(KADOKAWA)が発売になりましたが、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の中で、まさにその You kiss your mother with that mouth? というセリフが(時間は 1:51:35 頃に)登場しており、その本の中でもそのセリフについて解説しています。
ネタバレになるかもしれないので詳しい状況は伏せますが、人物Aが人物Bに対して、"B(人名), you son of a bitch." 「君は何て野郎だ」という意味の汚い言葉を言ったので、それに対して人物Bが "Ooh! You kiss your mother with that mouth?" 「おぉー! 君はその口でお母さんとキスするのか?」と返したという会話です。
人物Aは子供ではなく、立派な大人ですが、子供に注意するような言い方でからかうように言った面白さになります。

ジョーイはロスに、You know that right now your baby is only this big? と言って、指で2インチほどを示しています。
only this big は「ほんのこれくらいの大きさ」。this big と言いながら、どれくらいの大きさなのかを、今回のジョーイのように指と指の間隔で示すしぐさをすることがよくあります。
How come you don't live with Mommy? は「どうしてパパはママと一緒に住んでないの?」。
How come...? は「どうして…? なぜ…?」で、Why...? の口語表現。
How come の後ろは、SV(主語+動詞)の平叙文の語順になります。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 10:46| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月09日

go down that road フレンズ1-11改その21

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は10位、「にほんブログ村」は15位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
にほんブログ村 英語ブログへ


21:23
[Ross knocks on Mon+Rach's door]
ロスはモニカとレイチェルの家のドアをノックする。
チャンドラー: Hey. (おい。)
ロス: You mean that? ((今、僕に)おい、って言ってる?)
チャンドラー: Yeah, why not? [They shake hands] So I told her. (あぁ、もちろんだ。[二人は握手する] それで、俺はあの人(母親)に話したよ。)
ロス: Oh. How did it go? (あぁ。どんな感じにいった?)
チャンドラー: Awful. Awful. Couldn't have gone worse. (ひどい。ひどかったよ。これ以上悪くなりようがないくらい(最悪)だった。)
ロス: Well, how do you feel? (それで、どんな気持ち?)
チャンドラー: Pretty good. I told her. (かなりいいよ。あの人に話せた(から)。)
ロス: Well, see? So maybe it wasn't such a bad idea, y'know, me kissing your mom, huh? Huh? [Wags his finger at Chandler, then puts it down] But we don't have to go down that road. (あぁ、だろ? なら多分、そんなに悪いアイディアじゃなかったよな、ほら、僕が君のママにキスしたことは、だろ? だろ? [ロスは自分の指をチャンドラーに向けて揺すり、それから指を下ろす] でもあんな風に[あの時みたいに]する必要はないよな。)
[Credits]

チャンドラーとママがいるところに取り残されてしまったロスは、チャンドラーのママが去った後、モニカとレイチェルの家に用事があっただけだ、というように、部屋をノックしています。
そのロスにチャンドラーが Hey. と声を掛け、ロスは You mean that? と返します。

You mean that? は「そういう意味・意図で言った?」という意味で、Hey. という人に声を掛ける時の言葉を僕に向かって言った? チャンドラーは僕に対して激怒していたのに君の方から今声を掛けた? と尋ねた感覚になります。
why not? を直訳すると「どうして not なんだよ?」ということで、「どうして”そういう意図で言ってない”って思うんだ? 当然そういう意図で言ったんだよ」ということ。

How did it go? は「状況がどのように進んだか?」ということで、ママとの会話がどんな風に進んだか、どんな感じだったかを尋ねる質問。
awful は「ひどい、最悪な」。
couldn't have gone worseは、「これ以上さらに悪くなることなどできなかっただろう」、つまり「これ以上悪くなりようがないほど、最低最悪」という意味になります。
逆に、couldn't be betterは「これ以上は良くなりようがない」ですから、「絶好調だ、最高だ」という意味になり、出会った時の挨拶で、"Hi! What's up?" 「やぁ、調子どう?」と聞かれた際、"Couldn't be better." 「最高だよ」とやり取りでよく使われます。
pretty good の pretty は副詞で「かなり」。

So maybe it wasn't such a bad idea, y'know, me kissing your mom, huh? について。
it wasn't such a bad idea の it は、その後に出てくる me kissing your mom 「僕が君のママにキスしたこと」になります。me は動名詞 kissing の意味上の主語。
「僕が君のママにキスしたことも少しは役に立っただろ。こうしてママとじっくり話し合う機会を持てたんだから」という意味でそう言いながら、ロスは得意げにチャンドラーに指を向けたのですが、またセントラルパークでのギリシャ悲劇のくだりのように指をひねられてはいけないと思ったらしく、But we don't have to go down that road. と言って指を折り曲げることになります。

we don't have to go down that road. の go down that road は、Cambridge Dictionary で以下のように出ていました。
go down that road : to decide to do something in a particular way
例)I don't think we want to go down that road.

つまり「ある特定の方法で何かをすると決めること」。例文は「僕たちはその方法ではやりたくないと思う」。

この Cambridge Dictionary の例文は、今回のロスのセリフによく似ています。
go down that road を直訳すると「その道を行く・歩む・進む」ですから「ある方法で何かをする・行動する」という意味になるのはわかりやすいでしょう。
that road 「その道・あの道」のように指示代名詞が使われていることで、具体的な内容を言わなくてもお互いにその行動が容易にイメージできる場合に使われることになります。
今回のロスのセリフも、僕たちが前にやったことを繰り返す必要はないよね、という感覚になるでしょう。
ここでは主語が「僕たち」になっていますが、「前の人と同じ失敗はしない」という意味の「同じ轍(てつ)は踏まない」(「轍」(てつ・わだち)=車輪の跡)という日本語表現に似た感覚もあるような気がします。


22:00
[Credits Scene: Mon+Rach's. Rachel is handing out copies of her book to the gang]
クレジット・シーン:モニカとレイチェルの部屋。レイチェルはギャング(フレンズたち)に自分の本のコピーを配っている。
レイチェル: Okay. Now this is just the first chapter, and I want your absolute honest opinion. Okay? Oh, and on page two, he's not reaching for her "heaving beasts." (いいわ。今、これはまだ第1章で、あなたたちの真っ正直な意見が欲しいのよ、いい? あぁ、それから、2ページ目、彼は彼女の「あえぐ獣(けもの)」に手を伸ばしたんじゃないのよ。)
モニカ: What's a "niffle"? (”ニフル”って何?)
ジョーイ: You usually find them on the heaving beasts. (たいてい、あえぐ獣の上にあるものだよ。)
レイチェル: Alright, alright, so I'm not a great typist. (わかった、わかった、だから私はタイプが得意じゃないのよ。)
ロス: Wait, did you get to the part about his "huge, throbbing pens"? Tell ya, you don't wanna be around when he starts writing with those! (待って、彼の「巨大な、脈打つペン」って部分まで行った[到達した、読んだ]? ほら、彼がそんなペンで書き始める時にそこにいたくない[居合わせたくない]よな?)
レイチェル: Alright, that's it. Give them back! That's it! (わかった、そこまでよ。それを返して! 終わりよ!)
みんな: Nooo! (えー!)

absolute honest opinion は「真っ正直な意見」。absolute は「完全な、全くの」なので、absolute honesty なら「真っ正直」となります。

reach for は「〜に手を伸ばす」。
字幕で "heaving beasts" と引用符がついており、その部分がタイポ(typo、タイプミス)であることが示唆されています(その後のレイチェルのセリフに typist という単語が出てくることからもわかります)。
heave は「うねる、波打つ」「あえぐ」で、heaving breast だと「波打つ胸、(激しく息をして)あえぐ胸」になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
heave : CHEST/SHOULDERS if someone's chest or shoulders heave, they are breathing very hard.
つまり「もしある人の胸または肩が heave するというのは、それらが非常に激しく呼吸しているということ」。

レイチェルは、チャンドラーのママ、ノーラ・ビングに倣って官能小説を書いているので、「彼は彼女のあえぐ胸に手を伸ばす」というエッチな描写を書くつもりが、breast と書くべき部分を r を入れない beast 「野獣、けもの(獣)、けだもの」とタイプしてしまったようです。

You usually find them on the heaving beasts. を直訳すると、「たいてい、人は heaving beasts の上に niffles を見つける」ということで、「たいていは niffles の上にあるものだね」という感じ。
niffle は見た目の通り、nipple 「乳首」のタイプミス。
乳首は胸(breasts)の上にありますから、このジョーイのセリフからも、beasts は breasts のタイプミスであることがわかります。
レイチェルの niffle というタイプミスを、別のタイプミス(beasts)を使って説明しているという面白さです。

I'm not a great typist. は「私はタイプ(タイピング)がうまくない、得意じゃない」。
直訳すると「私は良い・素晴らしいタイピストじゃない」ということですが、タイピストと表現するとタイプライターを打つ職業のように聞こえてしまいそうですから、このような I'm not a great -ist/-er.(〜する人). という形は「〜するのがうまくない・得意じゃない人」という感覚で理解すると良いでしょう。

did you get to the part about...? は「…についての部分にみんな到達した?」。
レイチェルの書いた文章を読んで、そこまで行った? その部分を読んだ? と問いかけていることになります。
throb は「鼓動する、脈打つ、ズキズキする」。なので、
LAAD では
throb
1. if a part of your body throbs, you get a regular feeling of pain in it
3. if your heart throbs, it beats faster or more strongly than usual

つまり、1. は「体の一部が throb するというのは、そこに規則的な痛みの感覚を感じること」。
2. は「心臓が throb するというのは、普段よりもより速く、より強く鼓動すること」。

huge, throbbing (pens) は「巨大な脈打つ(ペン)」で、エッチな小説っぽく penis と書くべきところを、pens とタイプしてしまった( i が抜けてしまった)ということ。
もしそういう「ペン」があったら怖いよねぇ、彼がそのペンで[ペンを使って]文字を書く(write with those)としたら、彼のそばにはいたくないよねぇ、と言っています。
with は「〜を使って、〜を用いて、〜で」という「道具や手段」を表す前置詞。

みんながレイチェルの小説のタイポをからかいまくるので、レイチェルは原稿を返してと怒ります。
That's it. にはいろいろな意味がありますが、ここでは「そこまでよ、終わりよ」という意味になります。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 21:57| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月03日

come back「(素早く、気の利いた)返答をする」 フレンズ1-11改その20

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は5位、「にほんブログ村」は11位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
にほんブログ村 英語ブログへ


20:21
ジョーイ: Wait, wait! Then she came back with "The question is, when are you gonna grow up and realize I have a bomb?" (待て、待て! それからママがこう返したんだ。「問題はこうよ、あなたはいつ大人になって私が爆弾を持ってると気づくの?」)
ロス: 'Kay, wait a minute. Are you sure she didn't say, "When are you gonna grow up and realize I am your mom?" (よし、ちょっと待って。ママがこう言ってなかったのは確かか? 「あなたはいつ大人になって、私があなたの母親だってことに気づくの?」って。)
ジョーイ: That makes more sense. (その方が、より意味が通るな。)
ロス: You think? (そう思う?)
うんうんとうなずくジョーイに、あきれ顔のロス。
ロス: So, what's going on now? (それで、今何が起こってるの?)
ジョーイ: I don't know. I've been standing here spelling it out for you. [Goes back to the door] I don't hear anything. Oh, wait, wait, wait. [Looks through the spyhole] (わからないよ。俺はずっとここに立って、お前に説明してたんだぞ。[ドアのところに戻る] 何も聞こえない。あぁ、待て待て待て。[覗き穴から見る])
ロス: What do you see? (何が見える?)
ジョーイ: It's hard to tell. They're so tiny and upside down. Wait, wait, wait! They're walking away. They're walking away. No, no, they're not. They're coming right at us. Run, run! (わかりにくいな。すごく小さくて上下が逆だから。待て待て待て! 二人は向こうに歩いていく。向こうに歩いていく。違う違う、そうじゃない。二人は俺たちに向かってまっすぐ進んでる。逃げろ、逃げろ!)
[Joey runs off down the hall. Ross tries Mon+Rach's apartment, but it is locked so he has to stand in the hall and pretend he wasn't listening. Chandler and his mom come out]
ジョーイは廊下の向こうへと逃げ出す。ロスはモニカとレイチェルのアパートメントに入ろうとするが、鍵がかかっていて、ロスは廊下に立っていなければならず、自分は(何も)聞いていないふりをする。チャンドラーと彼のママが出てくる。)
ノーラ: You okay, kiddo? (大丈夫、坊や?)
チャンドラー: Yeah, I'm okay. (あぁ、俺は大丈夫だ。)
ノーラ: Alright. You be good. [Kisses him] (良かった。いい子でいてね。[彼にキスする])
チャンドラー: Drive safe. (安全運転で。)
[She walks down the hall]
ノーラは廊下を歩いてくる。
ロス: [Very politely] Mrs. Bing. ([非常に丁寧に]ビングさん。)
ノーラ: Mr. Geller. (ゲラーさん。)
[She leaves]
ノーラは立ち去る。

she came back with "..." の come back は「(気の利いた)返答をする」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
come back :
to reply to something that someone said with a quick funny remark
with
例)I couldn't think of a clever remark to come back with.

つまり「誰かが言ったことに対して、素早く面白い発言で返答すること」。例文は「返答すべき、冴えた発言を思いつくことができなかった」。

動詞の come back にそのような意味があることから、名詞 comeback には「(気の利いた、素早い)受け答え」という意味があります。
LAAD では、
comeback [noun] : a quick reply that is smart or funny (SYN: retort)
例)I can never think of a comeback when I need one.

つまり「賢くて[気が利いていて]面白いような、素早い返答」。例文は「必要な[肝心な]時に、気の利いた返しを全く思いつかなかった」。

comeback は「カムバック」というカタカナ語の通り「(返り咲いて)戻ってくること」という意味もありますが、会話においては、相手の発言に対して戻ってくるもの、という意味の「返し、返答」を意味するということです。

The question is ... は「問題は…ということだ」。
その後、続けて、when are you gonna grow up and... とチャンドラーと同じようなフレーズを言っています。「そういうあなたこそ、いつ(になったら)…」と言い返したということです。
I have a bomb / I am your mom は、ジョーイが聞き間違えたセリフと、本当のセリフ。
いつになったら、realize する(悟る)の?と悟る内容を語っているのですが、ジョーイには I have a bomb と聞こえたらしく、それだと「私が爆弾を持ってるっていつになったらあなたは気付くの?」となり、意味不明です。

Are you sure she didn't say ... を直訳すると「ママが…と言わなかったのは確かか?」。
「ママは本当はこう言ってたんじゃないか?」というのを「こう言ってなかったと断言できるか?」のような表現で尋ねたことになります。
ジョーイの have a bomb 部分が間違っていることを示すために、am your mom の部分をゆっくりと強調して言っています。

That makes more sense. は「それ(今ロスの言った言葉)の方が、(さっきの俺が言った言葉)より、意味が通じるな」。
make sense は「道理にかなっている、筋が通っている、つじつまが合う、意味をなす」。
「そのロスの解釈の方が、俺が聞き取った言葉よりも、さらに筋が通ってるな」ということですが、「それなら意味が通じるな」ではなく、「その方がさっきのより意味が通じるな」と言っているのが、このセリフの面白さのポイントになっている気がします。
この会話の中に bomb「爆弾」が出てきても全く意味が通らないのに、ジョーイからすると「爆弾を持っている」という発言でもそれなりに意味が通じるように思っているらしいことがわかる、という面白さでしょう。

You think? を直訳すると「君は(そう)思う(の)?」ですが、これは「やっぱり君もそう思うだろう?」という共感のニュアンスではなく、You think? (I don't think so.)「君はそう思うんだな? 僕はそうは思わないけど」という否定のニュアンスが入っているものだと考えられます。
ロスの発言を聞いて、That makes sense. 「それなら意味が通じるな。筋が通るな」と言ったのなら問題ないのですが、more という単語が一語入っていることで「そのほうが「より」筋が通る」→「俺のも筋は通るけど」というジョーイの考えが見えるところが笑いのポイントだと思うわけです。

You think? の後、うんうんとうなずくジョーイを見た後、しばらくしてからロスはあきれた様子を見せています。
「爆弾を持ってる」という聞き間違いをしたことにあきれているのではなく、その聞き間違いがどれほどあり得ないトンチンカンな発言であったかに気づいていないジョーイにあきれている、ということでしょう。

I've been standing here spelling it out for you. について。
spell out は元々は「言葉を一字一字綴る」で、そこから「(誤解のないように)詳細に・詳しく説明する」という意味になります。
中の様子を尋ねるロスに、「今、俺は中の状況を詳しくお前に説明するために、ドアから離れたところでずーっと立ってたんだから、今どういう状況なのかわかるわけない」ということです。

upside down は「上の側が下にある」ということから「上下逆さまに」。
inside out なら「表裏逆に」となります。

kiddo は年下に対する親しい呼び掛け語。
You be good. は(前回の記事で出てきた)Be good. と同じような意味で「いい子でね、いい子でいてね」。
命令形 Be good. を強調するために主語 You を付けた形が You be good. になります。
「あなたはいい子ね」だと、You are good. となりますので、You be の形が「命令形の動詞の原形 be に、強調のニュアンスで主語 You がついた形」であることに注意しましょう。

Drive safe. は「安全に運転してね。安全運転で(ね)」。
「安全に」運転して、と言いたい場合、通常は副詞の safely を使って、Drive safely. と表現できますが、今回のセリフのように -ly なしの safe も、safely と同じような副詞の意味で使うことができます。

英英辞典 Merriam-Webster に、まさにこの「drive safe か drive safely か?」というコラムが掲載されています。
Merriam-Webster : Is it 'Drive Safe' or 'Drive Safely'?
そのコラムでは「safely と同様に safe も正しい」と明言されており、この safe は形容詞と同じ形を持つ flat adverb 「単純形副詞」だと説明されています。
英語の口語では、形容詞 real を、副詞 really の意味で使うなどの flat adverb に出会うことが多いです。

廊下で顔を合わせたノーラとロスは、挨拶として、ファーストネームではなく、名字で呼び掛けています。
大人として礼儀をわきまえた振る舞いをしている姿をチャンドラーに見せ、男女の関係ではないことをアピールしています。
「これでいいでしょ」と言いたげに息子を振り返ったノーラに対し、チャンドラーが少し微笑みを見せるのもいいですね。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 15:18| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月21日

または、そういう趣旨のこと フレンズ1-11改その19

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は9位、「にほんブログ村」は16位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
にほんブログ村 英語ブログへ


19:13
[Scene 8: Chandler and Joey's. Chandler is talking with his mom]
シーン8:チャンドラーとジョーイの部屋。チャンドラーは彼のママと話している。
ノーラ: The car's waiting downstairs. I just wanted to drop off these copies of my book for your friends. Anything you want from Lisbon? (車が下で待ってるの。私はただ、あなたのお友達のために私のこの本を置いていきたかっただけなの。リスボンで何か欲しいものある?)
チャンドラー: No, just knowing you're gonna be there is enough. (いや、ママがそこに行くってわかっただけで十分だよ。)
ノーラ: All right. Well, be good. I love you. [Kisses him and goes to leave] (よし。じゃあ、いい子でね。愛してるわ。[チャンドラーにキスして去ろうとする])
チャンドラー: You kissed my best Ross! Or something to that effect. (ママは俺の親友のロスにキスした! もしくは[って言うか]そういう趣旨のこと。)
ノーラ : [Reentering] O-kay. Look, it, it was stupid. ([再び部屋に入って] わかった。ねぇ、ばか(なこと)だったわ。)
チャンドラー: Really stupid. (本当にばかだ。)
ノーラ: Really stupid. And I don't even know how it happened. I'm sorry, honey, I promise it will never happen again. Are we okay now? (本当にばかだわ。そして私はそれがどんな風に始まったのかすらわからないの[いつの間にかそういうことになってたの]。ごめんなさい、ハニー、約束するわ、二度とそんなことは起こらない、って。(これで)もう、私たちは大丈夫[問題ない]?)
チャンドラー: Yeah. No. No... (ああ。いや、いや(大丈夫じゃない)…)
[Cut to Joey listening at the door. Ross walks up]
ドアのところで聴いているジョーイへ画面がカット。ロスが歩いて近づいてくる。
ロス: Ah, the forbidden love of a man and his door. (あぁ、人間の男と彼のドアとの禁じられた愛だな。)
ジョーイ: Shh. He did it. He told her off. And not just about the kiss, about everything. (シーッ。チャンドラーはやった。自分のママに文句を言ったんだ。それにあのキスのことだけじゃなく、すべてのことについて。)
ロス: You're kidding? (冗談だろ?)
ジョーイ: No, no. He said, "When are you gonna grow up and start being a mom?" (いや、いや。あいつは言ったんだ、「あんたはいつ成長して(大人になって)、母親になり始めるんだよ?」って。)
ロス: Wow! (ワォ!)

drop off は「(乗り物から)(人)を降ろす、(荷物)をおろす」という意味があり、この場合は、「この本を置いていく」という感覚。
copy は「(本の)1冊、1部」。
日本語で「コピー」というと、「複写、転写、写し」のニュアンスが強いですが、本や雑誌を何部という場合には、このように copy という単語を使います。
過去記事、彼みたいな男のために325頁もめくらない[読まない] フレンズ1-11改その8 でも、ノーラ: I have sold 100 million copies of my books, and y'know why? (私はこれまでに自分の本を1億部も売ってきたの、なぜだかわかる?)というセリフで、copy という単語が使われていました。

今回のノーラのセリフでも、友人たちの分の冊数の本のことを、these copies of my book と表現しています。
「copy =複写のコピー」だという思い込みがあると、本をコピー機でコピーしたものを置いていくかのように勘違いしてしまうかもしれませんのでご注意下さい。
このセリフは、本そのものを複数部数置いていく、ということになります。

Anything you want from Lisbon? (リスボンで何か欲しいものはある?)と聞かれたチャンドラーは、No, just knowing you're gonna be there is enough. (ママがそこに行く予定だってことを知っただけで十分だよ。)と返します。
ニューヨークに来る時も、そのことをテレビ番組の中で言っていただけのママでしたが、今度の行き先も「リスボンで何か欲しいものは?」という言い方で、次の行き先はポルトガルの首都リスボンであることをそれとなく知らせています。
今の言葉でママの行き先がわかったから、それで十分だよ、ということで、そんな言い方で行き先を知らせるママに対して、わずかながらの皮肉を込めた言い方かもしれません。

Be good. は「良い状態でいろ、いなさい」ということですから、親が子供に言う「いい子でいてね、いい子にしててね」ということ。

チャンドラーの You kissed my best Ross! Or something to that effect. について。
something to that effect は「そういったようなこと、そういう趣旨のこと」。
to that/this effect で「その/この趣旨で・趣旨の」という意味になります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
to this/that/the effect : used when you are giving the general meaning of what someone says, rather than the exact words
例1)Barkley's response was, "Go away," or words to that effect.
例2)The letter said something to the effect that her job was no longer safe.

つまり、「正確な言葉そのものというよりも、誰かが言うことの一般的な意味を与えている時に使われる」。
例文1は「バークレーの返答は「あっちに行け」、またはそういう趣旨の言葉だった」。
例文2は「その手紙は、彼女の仕事がもはや安全ではないという趣旨のことを言っていた」。

発言や言葉そのものの正確な表現ではなく、内容や趣旨を指す表現となります。

今回のチャンドラーも、そこまでダイレクトで決定的なセリフとして言うつもりはなかったのに、「俺の親友のロスにキスしたくせに!」と、つい大声で叫んでしまったので、言葉の直接的な感じを弱めるために、「とか、まぁ、そんな趣旨のことだ。とかまぁ、そういうことが言いたかったわけだ」みたいにぼかした表現になるでしょう。
これまでは母親と面と向かって対決するのを避けていましたが、今回は思い切って言葉に出して初めて言ってみた、今まで言えなかったことを大声で言ってしまった、そういう自分自身に驚いて、表現を濁した、和らげてみたのでしょう。
本当はもっと遠回しに言いたかったのに、去っていくママに早く何か言わなければと思うあまりに、直接的な表現を使ってしまったことに対する戸惑いを隠すようなものだと思われます。

その後、部屋の中でチャンドラーとママとの議論が始まり、ジョーイはドアに耳をつけて中の会話を聞いています。
The forbidden love of a man and his door. は「人間とドアとの禁断の愛」。
forbid は「〜を禁じる」なので、その過去分詞形の forbidden は「禁じられた、禁断の」。聞き耳を立ててドアにぴったりくっついている様子を、愛しいドアから離れられない男であるかのように表現しています。
forbidden fruit だと「禁断の木の実」。
LAAD にも、
forbidden fruit = something you should not have, but that you want
つまり「持つべきではないが、欲しいもの」という意味が出ています。

tell off は「文句を言う」。
親が子供に対してなど、立場の上の者が下の者を叱る、というニュアンスもあります。
LAAD では、
tell somebody off [phrasal verb] :
to talk angrily to someone because they have done something wrong
例)My mother told him off.

つまり、「誰かが悪いことをしたという理由で、怒りながらその人と話をすること」。
例文は「私の母が彼を叱った」。

今までママの言動について、面と向かって文句や注意を言えなかったチャンドラーが、今回はきちんと向き合って会話している様子が連想されます。

When are you gonna grow up and start being a mom? は「あんたはいつ大人になって、母親になり始めるんだよ?」。
つまり、立派に成長した大人になりきれていない、また立派なママでもないことを非難するセリフ。
いつまでも年頃の女の子のように、恋愛にうつつを抜かして、少しもママとして振舞おうとしない、人の母親らしい行いをしたらどうなんだ? と責めているということです。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 14:25| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月22日

じゃあまたどこかで会おう フレンズ1-11改その18

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は5位、「にほんブログ村」は13位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
にほんブログ村 英語ブログへ


18:07
モニカ: I got you the foot massager. (私はあなたに足マッサージ器をあげたのよ。)
フィービー: You know who shaved you? That was me. (あなたのひげを剃ったのは誰だと思う? それは私だったのよ。)
モニカ: I read to you. (私はあなたに(新聞を)読み聞かせしたわ。)
フィービー: I sang. [To Monica] Hah! (私は歌った! [モニカに] ハッ![どうよ!])
昏睡男: Well, thanks. (あぁ、ありがとう。)
モニカ: Oh, my pleasure. (あぁ、どういたしまして。)
フィービー: You're welcome. (どういたしまして。)
昏睡男: So I guess I'll see you around. (それじゃあ、またどこかで。)
フィービー: What? That's it? (何? それだけ?)
モニカ: "See you around"? (「またどこかで」?)
昏睡男: Well, what do you want me to say? (あぁ、君たちは僕に何て言ってほしいんだ?)
モニカ: Oh, I don't know. Maybe, um, "That was nice." "It meant something to me." "I'll call you." (あぁ、わからないけど、多分その、「ありがたかったよ」「僕にとっては意味があったよ」「電話するよ」(とか))
昏睡男: Alright. I'll call you. (わかった、電話するよ。)
フィービー: I don't think you mean that. (その言葉を本心から言ってるとは思えないわ。)
モニカ: This is so typical. Y'know, we give, and we give, and we give. And then we just get nothing back. And then one day, it's just, you know, you wake up, and "See you around." Let's go, Phoebe. (これってすっごく典型的ね。ほら、私たち(女)が、与えて、与えて、与えて。それでその後、私たちに返ってくるものはないの。それからいつか、ただ、ほら、あなたが目覚めて、そして「またどこかで」って。行きましょ、フィービー。)
フィービー: Y'know what? We thought you were different. But I guess it was just the coma. (ねえ? あなたは違うと私たちは思ってた。でもそれはただ昏睡のせいだったみたいね。)

I got you the foot massager. は「私はあなたに足マッサージ器をあげた」。
got you something が「あなたに〜をあげた」という意味になります。
「買ってあげた」ということなので、buy+人+物で「人に物を買ってあげる」という形で 動詞 buy を使うことも可能ですが、お金を出して買ったというニュアンスを出さない場合には、あなたにゲットしてあげた、という感覚で I got you something. という表現を使うことが多いです。

shave は「シェーバー」「シェービング・クリーム」などから連想できるように「ひげ・毛を剃る」という動詞。
日本語だと「あなたのひげを剃る」となるところですが、英語では shave someone のように人を目的語に取る形で「(人の)ひげ・顔・頭を剃る」という意味になります。
わざわざ「ひげ」と言わなくても「人を剃る」という形で英語では成立するということです。

read to someone は「人に(本などを)読んで聞かせる」。
I read to you. の read は過去形(発音はレッド)です。
今回のエピソード、自分の殻から出る フレンズ1-11改その6 では、モニカが彼に新聞を読んであげているシーンがありましたが、その時のト書きも、
It starts with Monica reading Coma Guy a newspaper. (モニカが昏睡男に新聞を読んであげるところから始まる。)
と表現されていました。
自分で本を読む場合は基本、黙読ですが、「人に(本・新聞を)読む」場合は黙読では伝わらないので(笑)、「声に出して読んで(相手に)聞かせる」という意味になるわけです。

My pleasure. / You're welcome. はどちらもお礼に対する返事で「どういたしまして」。

See you around. は「じゃあまたどこかで会おう」。
次に会う予定を具体的に決めていない場合の別れの挨拶。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
see you around : (spoken) used to say goodbye to someone when you have not made a definite arrangement to meet again
つまり「(口語)もう一度会うための明確な約束をしなかった時に、相手にさよならを言うために使われる」。

英英辞典の語義にもこのように「次に会う約束をしていない」という説明が入っているのがポイントと言えるでしょう。
こういう挨拶をしていることから、特に次回に会う予定を決めるつもりはないこともわかりますので、二人は「それだけ? See you around ですって?」と言っているわけです。

Well, what do you want me to say? は「じゃあ、僕に何て言って欲しいわけ?[僕は何って言ったらいいの?]」。
mean something は「意味がある」。
mean a lot to me 「私にとってものすごく意味がある」という表現もあります。

"I'll call you." とかの言葉はないの? と言われ、彼はオウム返しのように "I'll call you." と言っています。
I don't think you mean that. は「あなたがそれを本心から言っているとは思えない。本心で言ってないと思う」。
言葉をただ機械的に繰り返しただけで心がこもってない、本当はそんなつもりもないくせに言えって言われたから言ってるだけね、ということ。
It means something to me. / I don't think you mean that. のように動詞 mean が連続して使われていますが、前者は「意味がある」、後者は「本気で言っている」という意味の違いがあることに注意しましょう。

This is so typical. は「これってすごく典型的だわ」。
いかにもって感じ、よくあるやつね、というニュアンス。

we give, and we give, and we give はまるで日本の演歌にあるような「尽くしに尽くす」という感覚になるでしょう。
we give を3回繰り返すところに「尽くして、尽くして、(さらに)尽くしたのに」という感じが出ています。
女が男に尽くしても、何も返ってこない、それはいつものパターンだわ、と嘆いているということです。

We thought you were different. But I guess it was just the coma. について。
We thought という過去形で、「そう思っていたけれど、実際は違っていた」という感覚。
「あなたは(他の男とは)違うと思ってたのに」と語尾に「のに」を付けると、そのニュアンスが出るでしょう。
昏睡していた状態だったから素敵に見えたけど、起きてこうやってしゃべってみれば、やっぱりあなたも他の男と同じだったわ、という捨て台詞。

But I guess it was just the coma. を直訳すると「でも、それはただ昏睡だった、って私は思う」となりますが、この It is just the coma. のような It's は「昏睡のせいだ、昏睡が原因だ」というニュアンスで理解すると良いでしょう。
この it はここで話題の焦点となっていることを指し、それが「昏睡」だった、ということですから、この場合は「あなたは別の男とは違うと思っていた、というその原因が」昏睡だった、と言っていることになります。


★「フレンズ」関連のニュース
フレンズのメンバー6人が再集結する特別番組「フレンズ・ザ・リユニオン」(Friends: The Reunion)の予告動画が 5月20日に YouTube で公開されました。
その動画はこちら↓(ドラマ本編のネタバレシーンあり! ネタバレ避けたい方はご注意下さい!
Friends: The Reunion | Official Trailer | HBO Max

2分10秒の動画となっており、英語字幕がついているのも嬉しいところ。
予告編公開から2日で、1,400万回視聴、33万いいね、1万8千件のコメントがついています。
「フレンズ」がそんなにも多くの人々に愛され続けていることを改めて感じることができ、ファンの一人として私もとても嬉しいです♪
本国アメリカでは、ワーナーの動画配信サービス HBO Max で5月27日から配信開始とのこと。
日本ではいつ、どのような形で見られるようになるのかはわかりませんが、期待して待ちたいと思います(^^)


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 16:46| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月08日

エッチ・ア・スケッチ フレンズ1-11改その17

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は7位、「にほんブログ村」は16位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
にほんブログ村 英語ブログへ


17:33
[Cut to the hospital. Monica bursts in, closely followed by Phoebe. There is no sign of Coma Guy- his bed is empty]
病院に画面がカット。モニカが突然(病室に)入ってきて、すぐ後にフィービーが続く。昏睡男の形跡がなく、彼のベッドはカラである。
フィービー: Alright, what did you do with him? (いいわ、あなたは彼をどうしたの[彼に何をしたの]?)
[There is the sound of a flushing toilet and Coma Guy emerges from the bathroom]
トイレを流す音がして、昏睡男がバスルーム(トイレ)から出てくる。
モニカ: Oh! You're awake! (まぁ! あなた、目覚めたのね!)
フィービー: Look at you! How do you, how do you feel? (あなたのその姿![元気そうね!] どんな、どんな感じ?[体調はどう?])
昏睡男: Uh, a little woozy, but basically okay. (あぁ、ちょっと頭がぼんやりしてるけど、基本的には大丈夫だ。)
モニカ: Gosh, you look good! (まぁ、あなた、元気そうだわ!)
昏睡男: I feel good. Who are you? (元気だよ。君は誰?)
モニカ: Oh, sorry. (あら、ごめんなさい。)
フィービー: I'm Phoebe Buffay. (私はフィービー・ブッフェ。)
モニカ: I'm Monica Geller. I've been taking care of you. (私はモニカ・ゲラーよ。私がずっとあなたのお世話をしていたの。)
フィービー: Well, we both have. (まぁ、私たち二人が、ね。)
昏睡男: So, the Etch a Sketch is from you guys? (それじゃあ、そのエッチ・ア・スケッチは君たちから(のプレゼント)?)
フィービー: Well, actually, it's just from me. (そうね、実は、それは私からなの。)

昏睡男の病室に、モニカとフィービーが駆け込んできます。
過去記事、関係代名詞で情報を付け足しながら話す英語の感覚 フレンズ1-11改その14 で、セントラルパークでのフィービーのライブの最中にモニカがこっそり抜け出そうとしたのを見て、フィービーはライブを切り上げてモニカを追いかけて行きましたが、その二人が走ってきて、今、病院に到着したということです。

What did you do with him? は「あなたは彼に何をしたの? 彼をどうしたの?」ということで、ベッドがもぬけの殻になっているのを見て、私の知らない間に彼を移動したとか、私に隠れて何かしたんじゃないの? と疑っているセリフとなります。

ベッドで眠っていた昏睡男(Coma Guy)がトイレから出てきたのを見て、モニカは You're awake! 「あなたは目覚めたのね!」と言い、フィービーは Look at you! と言っています。
Look at you! の直訳は「あなたを見て!」ですが、これは「ほらあなたのその姿!」というようなニュアンス。
今回は昏睡から目覚めて、普通に行動している姿に感動している言葉。
ドレスアップしてきれいになった相手などに使ったりもしますし、逆に、げっそりしていたり、あまりにもひどい恰好をしている時に使ったりもします。

woozy は「頭がふらふら、くらくらする、頭がはっきりしない、ぼんやりした」。
Gosh は Oh, my God. の God を言い換えた婉曲語。
神とは無関係な状況で神の名をみだりに唱えることは不謹慎とされているために、よく似た音で代用される婉曲語ですが、目覚めたこの男性によく思われようと、少し上品な言葉遣いをした、ということかもしれません。

I've been taking care of you. の have been taking は「ずっと〜していた」という継続を表す現在完了進行形。
その次のフィービーの we both have は、we both have been taking... が省略されたもので、「私がずっとあなたのお世話をしていたのよ」と自分一人をアピールするモニカに対して、「ずっとお世話をしていたのはモニカだけじゃないわ。私たち二人でお世話してたのよ」と主語を言い換えた形になります。

Etch a Sketch は「エッチ・ア・スケッチ」。
このシーンでモニカとフィービーが部屋に入ってきた時から、ベッドの足側にある机の上に、赤い四角で、白いダイヤルが2つ付いているものが映っていますが、それが「エッチ・ア・スケッチ」です。
左右のノブ・ダイヤルを動かして、一筆書きの要領で絵を描くおもちゃで、日本でも「エッチ・ア・スケッチ」の名前で販売されています。
日本では、磁石のついたペン(マグネットペン)でスクリーンをなぞると絵が描け、レバーを動かすとそれが消える、というタカラトミーの「せんせい」という名前のおもちゃがありますが、それがペンではなくて、ノブ・ダイヤルを動かして書く、というのが「エッチ・ア・スケッチ」の特徴。
美術で「エッチング」というものがありますが、それは「銅板の表面を化学処理で腐食させて絵を描く技法」のこと。
またそこから、etch という動詞は「鮮明に、くっきり描く」という意味にもなります。
Etch a Sketch という名前は -etch の部分が韻を踏んで、覚えやすいネーミングになっています。
もう死語になってしまいましたが70年代くらいに流行った言葉で「エッチ・スケッチ・ワンタッチ」というのもありました。
それも韻を踏んでいるのがポイントでしたが、それと同じ雰囲気のある名前と言えるでしょう。

映画「トイ・ストーリー」にも、エッチ・ア・スケッチが登場しています。
[5:28] から始まるシーンで、ウッディがエッチ・ア・スケッチとすれ違った後、振り返ってこう言います。
ウッディ: Hey, Etch. Draw!
ウッディはエッチに対して銃を構えるふりをする。エッチは白い左右のダイヤル(ノブ、つまみ)を素早く動かして、拳銃の絵を描く。
ウッディ: Oh! Got me again. Etch, you've been working on that draw. Fastest knobs in the West. (あぁ! またやられた。エッチ、お前はそのドローをずっと練習してたんだな。西部一速いノブだよ。)

ウッディが Etch 「エッチ」と呼び掛けていることからも、これが「エッチ・ア・スケッチ」であることが確認できます。
このウッディのセリフは動詞 draw の2つの意味を使った、言葉遊びのような面白さになっています。
draw は一般的に「引く」の意味で、「銃を抜く、刀を抜く」時にも使います。
また「ドローイング」のように「描く、絵を描く」という意味でも使えます。
保安官のカウボーイ人形であるウッディは、すれ違いざまに相手に「銃を抜け」と言って、銃の早抜き・早撃ち競争を挑んだ形になっており、相手のエッチの方は「銃を抜く」のではなく「(拳銃の)絵を描く」ことで draw し、拳銃を素早く描いたエッチがウッディに draw 競争で勝った、かのようなやりとりになっているわけです。
エッチが拳銃を描く(draw)のが白いノブ(knob)なので、(西部劇風に)「西部一速いノブだ」と褒めた流れになっているのも面白いシーンでした。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 17:41| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月14日

複雑なcomplex フレンズ1-11改その16

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は5位、「にほんブログ村」は16位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
にほんブログ村 英語ブログへ


16:53
ロス: Okay, well, if she always behaves like this, why don't you say something? (なぁ、もしあの人がいつもこんな風に行動するのなら、何か言ったらどうだよ?[どうして何か言わないんだよ?])
チャンドラー: Because it's complicated. It's complex! Hey, you kissed my mom! (それ(言わない理由)は複雑だからだよ。複雑なんだ! なぁ、お前は俺のママにキスしたんだぞ!)
[People turn to look]
人々が振り向いて見る。
ロス: [To the rest of Central Perk] We're rehearsing a Greek play. ([セントラルパークの(自分以外の)人たちに] 僕たちはギリシャの芝居のリハーサルをしてるんです。)
チャンドラー: That's very funny. We done now? (それはすごく面白いな。もう(俺たちの話は)終わりだな?)
ロス: No! Okay, you mean, you're not gonna talk to her, you're not gonna tell her how you feel? (違うよ! 君は君のママに話すつもりはないのか? 君は自分の気持ちをママに話さないつもりなのか?)
チャンドラー: That would be no. Look, just because you played tonsil tennis with my mom doesn't mean you know her. Alright? Trust me, you can't talk to her. (その答えはノー[言わない]、だな。なぁ、ただ俺のママと扁桃腺でテニスをしたからって、それであの人をわかったことにはならないんだぞ。いいか? 嘘じゃない、あの人とは話なんてできないんだ。)
ロス: Okay. "You can't" or [Points to Chandler] you can't? [Chandler grabs his finger] Okay, that's my finger. [Chandler twists it and Ross goes down on one knee] Okay, that's, that's my knee. [To Central Perk] Still doing the play. Aaah! [turns groan into singing] (そうか、話なんて「誰にもできない」のか、それとも[チャンドラーを指さして]君が話ができない、のか? [チャンドラーはロスの指を摑む] よし、それは僕の指だ。[チャンドラーはロスの指をひねり、ロスは片膝をつく] よし、それ[今度]は僕の膝だ。[セントラルパークの人に向かって] (僕たち)まだ芝居をやってるんだ。アー! [唸るのが歌っているのに変わる])

Why don't you say something? は「(君のママに)何か言ったらどうだ?」。
Why don’t you...? を直訳すると「なぜ…しないのか?」ですが、これは親しい相手に提案する時の決まり文句で「…したらどう(ですか)?」と訳すことができます。
ただ、今回の場合は、ロスがこう言った後、チャンドラーは Because「なぜなら、(なぜ…しないのか、という)その理由は」と答えていますので、文字通りの「なぜ?」の意味で捉えてもよいでしょう。

complicated は「複雑な」。
complex は形容詞で「複雑な、込み入った」。名詞で「コンプレックス、強迫観念」、また精神分析用語の「コンプレックス、複合」という意味もあります。
そして、精神分析の用語としては、エディプス・コンプレックス(Oedipus complex)、エレクトラ・コンプレックス(Electra complex)というものも有名です。
Oedipus complex 「エディプス(オイディプス)・コンプレックス」とは、息子が母親に対して、無意識のうちに性的欲求を持ち、同時に父親に対しては憎しみの気持ちを持つことを指します。フロイトが提唱した概念です。
Electra complex 「エレクトラ・コンプレックス」はその逆バージョンで、娘が父親に対して、無意識のうちに性的欲求を持ち、同時に母親に対しては憎しみの気持ちを持つことです。こちらはユングが提唱した概念です。
エディプス(オイディプス)・コンプレックスの名前の由来は、ギリシャ悲劇「オイディプス王」の主人公オイディプスが「父を殺し、母と交わった」ことから。
エレクトラ・コンプレックスも、同じくギリシャ悲劇の「エレクトラ」の主人公エレクトラが「父への愛情から、父を殺した母に復讐する」ことから来た言葉。
(エレクトラ、と言えば私は、庵野監督の「ふしぎの海のナディア」のエレクトラさんを思い出す、、)

チャンドラーのセリフは、Because it's complicated. It's complex! という風に、complicated, complex という「複雑な」という似た言葉を繰り返していますが、2番目の complex は上で説明したようなそういう「精神分析上のコンプレックス」も匂わせているような気がします。
complex は、「いろんな要素が絡み合っていて簡単ではない、簡単には解決できない」という意味の「複雑」と、エディプス・コンプレックスのように、自分の母親が男性に対してだらしないことで、言いようのない気持ちを感じてしまう、という異性の親に対する精神分析上の complex 「複合」の意味をも含めていると考えられるのではないかということです。
このセリフの前に、Freudian nightmare 「フロイト的な悪夢」という言葉が出てきたのも、そういう母親に対する複雑な感情(complex)を指す言葉であるフロイト心理学(精神分析論)の「エディプス・コンプレックス」がイメージとしてあった、ということでしょう。

「俺のママにキスした!」と言われたロスは、とっさに「ギリシャの芝居のリハーサル中だ」と言って、周りの目をごまかそうとしています。
Greek play は「ギリシャの劇、芝居」ということですが、この場合は、「ギリシャ悲劇(Greek tragedy)」を指しています。
古代ギリシャのアテナイ(現在のギリシャの首都アテネ)で上演されていた劇のことで、ギリシャ文化の代表として、高校の世界史にも登場します。
三大悲劇詩人として、アイスキュロス、ソポクレス、エウリピデスの三人が有名です。

ギリシャ悲劇は、ギリシャ神話の登場人物が使われることが多く、そういう神話では、近親相姦的な話も多いです。
チャンドラーが言ったのは「お前は俺のママにキスした」ですから、近親相姦ではないですが、友人の母親にキスするということは、現在の倫理観では不道徳ということになるでしょう。
ギリシャ悲劇の世界なら大いにあり得る話なので、そのお芝居の練習をしてるところなんだとごまかしたわけです。

ソポクレスは、ギリシャ悲劇の中で最も有名と言われる「オイディプス王」の作者。さきほど説明した、「オイディプス・コンプレックス」の言葉の元になった悲劇です。
そこでも説明したように、「オイディプス王」という作品は、主人公オイディプスが「父を殺し、母と交わった」話ですから、(友人の母ではあるものの)母親との性的な話の流れでここでロスが言っている a Greek play も、「オイディプス王」をイメージしたものだと思われます。

「エレクトラ・コンプレックス」の語源となったエレクトラは、ギリシャ神話に登場する人物であるために、アイスキュロスの「オレステイア」、ソポクレス、エウリピデスの「エレクトラ」など、複数のギリシャ悲劇に登場します。
このエレクトラの父親がアガメムノンです。

アガメムノンは、今回のエピソードの過去記事、自分の殻から出る フレンズ1-11改その6 の以下の会話に登場していました。
フィービー: What about Glen? He could be a Glen. (グレンはどう? 彼がグレンって名前なの、ありそうだわ。)
モニカ: Nah... not-not special enough. (んーん、あまり特別な感じがしないわね。)
フィービー: Ooh! How about Agamemnon? (あぁ! アガメムノンはどう?)
モニカ: Way too special. (あまりにも特別すぎる。)

つまり、フィービーが a coma guy の名前の候補に挙げていた名前がアガメムノンで、その会話では「何の脈絡もなく唐突に出てきたような突拍子もない名前」という印象でしたが、チャンドラーとママとの関係を示唆する「オイディプス・コンプレックス」やそれと同じ流れの「エレクトラ・コンプレックス」という言葉と、a Greek play の登場人物という共通項で繋がっていた、ということになるでしょう。
つまり、
・complex という単語、「ママにキスした」という母親にまつわる性的な話、ギリシャ悲劇
そこからイメージされる、親との関係性にまつわる精神分析上のコンプレックスは「エディプス・コンプレックス」と「エレクトラ・コンプレックス」
・エレクトラ・コンプレックスの元となったエレクトラの父親がアガメムノン。
・昏睡男の名前候補として、フィービーが適当に挙げたような名前「アガメムノン」は、「ギリシャ悲劇が語源となったコンプレックス」に深い関係ある人物だった。
ということで、今回のエピソードでは、フロイト/ユング的精神分析とそのコンプレックスの話が密かなテーマとして隠されていた、という感じです。

Look, just because you played tonsil tennis with my mom doesn't mean you know her. について。
tonsil は「扁桃腺(へんとうせん)」。
つまり、tonsil tennis は「扁桃腺でテニスをする」ということで、扁桃腺をラケットに見立てて(形も似ているようですし)ラリーをするようなニュアンスが出るために、下を奥まで入れるような激しいディープキスという感覚に繋がるようです。
「自分の気持ちを言わないつもりなのか?」とえらそうに説教されたのがムカついたのでしょう、一度そういうキスをしたくらいで、あの人をわかったつもりになるなよ!と言いたいということです。

チャンドラーは Trust me, you can't talk to her. と言っています。
この you は、チャンドラーから見た「あなた」であるロスのことを言っているというよりも、「あなたを含めた人々」という「一般の人々」を指す感覚になるように思います。
you can't と言う時に、手がややロスの方を向いている気もしますが、ロスを指さしているというよりも「できない」という否定の意味を強調するように手を斜め横に動かしているように感じました。
「(ロスも含めて)人は誰も、ママ(ノーラ・ビング)と話をすることができないんだ、話をしようとしても話にならないんだ、説き伏せたりわかり合えたりすることは不可能なんだ」と言っている感覚だと思います。
DVDの日本語音声(吹替)では「あの人には何言っても無駄なんだよ」と訳されていましたが、まさにそんな感じで、ロスが話しても他の誰が話しても無駄なんだ、というニュアンスだと思うわけです。

その後のロスのセリフでは、You can't. というセリフを2回言っています。
1回目は "you can't" の部分で、指を曲げることで引用符マークを作っています。このようにしぐさで引用符マークをつけると、「いわゆる you can't」のような感覚になります。
「いわゆる you」だと、you=あなた、という文字通りの意味としてロスを指している可能性も考えられますが、ロスがこの you で自分を指しているとすると、引用符ジェスチャーではなく、自分を指さすような気がします。
もしくは I can't のように、話者であるロスの立場に合わせて代名詞を変えるように思います("I love you." "You love me?" のように瞬時に代名詞を入れ替えるイメージ)。
ロスの1回目の you can't では、自分を指さしてもいないし、主語を I に言い直してもいないので、「いわゆる you can't」が指す you は、英語でよく使われる(という意味での「いわゆる」の)「一般の人々」を指しているように思いました。

ロスの2回目の you can't では、you というのはお前のこと? のようにチャンドラーを指さしています。
これは意味としてはまさに「会話の相手となる”あなた、君”」であるチャンドラーのことを言っています。
さきほど「一般の人々を表す you」について説明しましたが、「あなたを含めた人々」から「一般の人々」を意味することになる you は、回り回って話者本人(自分)も含むことになるため、自分のことを話す際に主語を you にすることも英語ではよくあります。
そのように「一般の人々」を表す you には、話者自身を指す用法もあることから、ロスはそのことを指摘するように、「今、君が言った you は”一般の人々”の you か? それとも自分自身のことか?」のように返した、ということかなと思います。

ママはあんな人だから話にならないんだ、話をしても無駄なんだ、とママのせいにしたチャンドラーに対して、「問題はママじゃなくて、話そうとしない君にあるんじゃないのか?」と、チャンドラーの気持ちの問題じゃないか、と指摘している感覚なのだろうと思いました。

そう言われたチャンドラーは、言葉で反論せず、「君が」と指さしたロスの指を強く掴みます。
片膝をついたロスは、周りの客の視線を浴びながら、まだ芝居をやってるんだと言い、痛くて声が出てしまうとそれが芝居の歌であるかのように手ぶりをつけて歌い始めます。
チャンドラーの無言の攻撃を、ギリシャの芝居ネタが続いているかのように見せながらごまかしているのが面白いシーンとなっています。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 17:33| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月17日

マザー・キッサー フレンズ1-11改その15

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は5位、「にほんブログ村」は16位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
にほんブログ村 英語ブログへ


16:24
[Enter Chandler]
チャンドラー登場。(慌てて出て行ったモニカとフィービーを見ながら、店に入ってきて)
チャンドラー: What the hell was that? (今のは一体何だったんだ?)
ロス: Oh, uh, Phoebe just started her... (あぁ、その、フィービーがちょうど彼女の(ライブ)を始めたところで…)
チャンドラー: Yeah, I believe I was talking to Joey. All right, there, mother-kisser? [Goes to the counter] (あぁ、俺はジョーイに話してたつもりだったんだけどな。いいか、マザー・キッサー[ママにキスするやつ]? [カウンターのほうに行く])
ジョーイ: [Laughing] "Mother-kisser." [Sees Ross's look] I'll shut up. ([笑いながら]「マザー・キッサー」(だって)。[ロスの視線を見る] 俺、黙るよ。)
ロス: Chandler, can I just say something? I-I know you're still mad at me, I just wanna say that there were two people there that night. Okay? There were two sets of lips. (チャンドラー、ちょっと言わせてもらっていいか? 君が僕にまだ怒ってるのはわかってるけど、ただこう言いたいんだよ、あの夜あの場所には2人の人間がいたんだ、って。だろ? 2組の唇があったんだよ。)
チャンドラー: Yes, well, I expect this from her. Okay? She's always been a Freudian nightmare. (あぁ、そうだな、こういうこと(が起こりえること)はあの人から予想できるよ。だろ? あの人はずーっとフロイト的悪夢だったんだ。)

モニカとフィービーが店から走って出て行ったので、チャンドラーは「今のは一体何だったんだ?」と言いながら、店に入ってきます。
ロスが「フィービーがライブを始めたところで…」と説明しようとすると、チャンドラーは「俺はジョーイに話してたんだけど」と言った後、ロスに mother-kisser と言います。
その後、その言葉を聞いたジョーイは大ウケしてその言葉を繰り返し、ロスに睨まれて「俺、口閉じとくよ[黙っとくよ]」と言います。

mother-f*cker(または ハイフンなしの motherf*cker)という卑語があり(f*ckがかなりキツい卑語なので伏字にしています)、mother-kisser は、それをもじったもの。
f*ck は、アクション系やマフィア系の荒っぽい映画などで、f*cking の形で「ひどい、いまいましい」という強調語として登場したりする単語ですが、f*ck というのは「性交(する)」という意味を最も直接的に表現する卑語なので、f*cking などと一部が伏せ字にされることも多い、いわゆる「タブー(taboo)語」です。
F*ck you! などの「ののしり言葉」を知っている人は日本人にも多いですが、日本人が想像している以上にキツい表現ですから、そういう単語を知ったかぶりして使うのは大きなトラブルの元になるので気をつけたいところ。

ゴールデンタイムに放送されていたテレビドラマであるフレンズでは、当然、f*ck のような単語は出てきませんが、今回のセリフは、「motherf*cker という卑語を知っているから、motherkisser という言葉に笑える」という、放送コードを巧妙にクリアした感じの、ある種の変化球とも言えるもので、いかにもフレンズっぽい表現だと思います。

上で説明したように、f*ck は「エッチする」を露骨に表現した卑語ですから、motherf*cker は「自分の母親とエッチするような最低のやつ、軽蔑すべきやつ」という、相手をののしる言葉です。
ここでは、実際に、ロスはママ(自分のママではなく、友人チャンドラーのママではありますが)とキスしているので、f*ck を kiss に変えて使って、「お前は最低なやつだ」と、ののしっているわけです。
よく使われる卑語とかけた形で、なおかつ、ロスが実際にしたことも盛り込まれているという二重の非難が込められた言葉、それが、mother-kisser だということです。

なお、motherf*cker という卑語は、「最低なやつ」と人をののしる言葉として使われる以外に、物や出来事に対して「ちくしょう、くそっ、ふざけるな」と毒づく言葉としても使われます。

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』[2:28:41] では(ネタバレになるので状況の説明は伏せますが)、
ニック・フューリー: Oh, no. Mother... (あぁ、だめだ。ちくしょう……)
というセリフがありました。
このマザーは「お母さーん…」ではなく、motherf*cker と言おうとして、セリフが途中で途切れていることを示しています。
「くそっ! ちくしょう!」のような、悪態をつく、ののしり言葉(curse word)ということです。
フューリー役の俳優サミュエル・L・ジャクソンが様々な作品で使っている、彼の代名詞とも言えるフレーズであることもポイントの一つでしょう。
このセリフをよく聞いてみると(字幕には出ていませんが)Mother の後にかすかに f の摩擦音が聞こえます。文字にすると、Motherf... のような感じです。

卑語の話の流れで、同じく映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』[1:19:57] では、
ピーター・クイル: Chill the eff out. (落ち着きやがれ[落ち着けってんだ]。)
というセリフが出てきました。

chill out は「落ち着く、冷静になる」。chill は動詞で「冷える、冷やす」、名詞で「冷え、冷たさ、寒さ」という意味があります。
「落ち着け」と言いたい場合には、Chill out. の他に、Take a chill pill.(直訳すると「鎮静剤を飲め」)も使えます。また、一語で Chill. と表現することもできます。

Chill out. の間に入っている the eff の eff の読みは「エフ」。
卑語 f*ck の頭文字 f (エフ)から来た単語で、f と表現することで、f*ck(または f*cking)の意味だということを示唆しています。
このクイルのセリフは、意味としては f*cking で強調している感覚で、でも、その言葉を直接使うのははばかられるため、頭文字の f = eff だけにとどめたことになります。
和訳を通常より、荒っぽく下品な言い方にしてみると、卑語で強調したニュアンスが出るように思います。

ピーター・クイルはガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーで、彼らはラフで下品な言葉もあまり抵抗なく使う人たちですが、そのクイルでさえ(実際には、放送・上映コードの問題ですが)、Chill the eff out. のように、ダイレクトに f*ck という言葉を使うのは避け、eff で代用した、ということになります。
アベンジャーズはヒーロー映画で、ちびっこたちにも広く見てもらいたいわけですから、卑語っぽい表現であっても、Mother(f)... のように卑語が出てくる直前で止めたり、eff = f を使って卑語の代わりであることを示したりと、表現に様々な工夫を凝らしているのに注目してみるのも面白いなと思います。

フレンズの解説に戻ります。
一方的に責められたので、ロスは反論しています。
I just wanna say that 「僕は言いたいことはこうだ」と言って、
there were two people there that night. 「あの晩、あの場所には2人の人間がいた」
There were two sets of lips. 「2組の唇があった」
と続けます。

lip は「唇」で、単数形の a lip は「上唇または下唇(上下の唇の片方)」を示します。
上唇なら the upper lip、下唇なら the lower lip で、「彼は彼女の唇にキスした」なら He kissed her on the lips. と複数形になります。
ですから、two sets of lips は「上下の唇(一人の人間の唇)が2セット」という感覚で、キスする唇を持った人間が2人いた、ということ。
2人の人間がいて、唇だって2つあった。君は1つの方の僕ばかりを責めるけど、君のママの方はどうなんだよ? とロスは言いたいわけです。

Freudian nightmare は「フロイト的な悪夢」。
Freudian は「フロイトの、フロイト的な」。
フロイトは、精神分析学者ジークムント・フロイト(Sigmund Freud)のこと。

研究社 新英和中辞典では、Freudian は「フロイト(派)の」という意味以外にも、
《口語》〈言動が〉無意識層における性に関する[から生じる]
という意味も出ています。
また、同じく研究社 新英和中辞典には、以下のような表現も出ていました。
Freudian slip=【名】【C】 フロイト的失言 《無意識の動機・願望などを露呈するような失言》

LAAD では、
Freudian [adjective] :
2. a Freudian remark or action is connected with the ideas about sex that people have in their minds but do not usually talk about

つまり「フロイト的発言・行動は、人が心に抱く、しかし普段はそれについて語らない、性についての考えに関係している」。

フレンズ1-6 では、俳優であるジョーイが Freud! 「フロイト!」というタイトルの芝居に主演しており、過去記事、フロイト的精神分析を歌にする フレンズ1-6改その2 でも、フロイト的精神分析について触れました。
フロイトの精神分析論では、リビドー(性衝動)などに関する性理論が有名で、そのため日常会話で性的な話題になった場合にもフロイトの名前が持ち出されることが多いです。

拙著『リアルな英語の9割はアカデミー賞映画で学べる!』の p178-179 では、「性的な話題で名前が挙がるフロイト」という項目で、映画『タイタニック』のイズメイとローズの会話を取り上げています。
タイタニック号を建造した会社の社長であるイズメイが、タイタニック号の「サイズ」について語るのを聞いて、
ローズ: Do you know of Dr. Freud, Mr. Ismay? His ideas about the male preoccupation with size might be of particular interest to you. (フロイト博士のことをご存じですか、イズメイさん? 男性がサイズにこだわることについてのフロイト博士の考えは、あなたにとっては特に興味のあるものとなるかもしれませんね。)

男性がサイズ(大きさ)の話をしている時に、「フロイト」という性を連想しがちな言葉を持ち出すことで、「男性の象徴である部位のサイズに男性はこだわりがち」という話題にすり替えたことになります。

今回のフレンズのセリフでも、チャンドラーは「性的な事柄と関連づけられやすい」フロイトの名前を持ち出して、母親が性に奔放な人であるために息子の自分はずっと悩み苦しんできたことを言っていることになるでしょう。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 19:43| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする