2025年10月04日

be better off フレンズ1-13改その4

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3:55
(Joey enters with his dad...)
ジョーイが父親と一緒に入ってくる。
ジョーイ: Hey, you guys. You all know my dad, right? (やあ、みんな。みんなは俺の親父を知ってるよな?)
(all greet Joey’s dad...)
全員がジョーイの父に挨拶する。
モニカ: Hey, how long are you in the city? (あの、どのくらい街(ここ)にいるんですか?)
ジョーイパパ: Just for a couple of days. I got a job midtown. I figure, I'm better off staying with the kid than hauling my ass back and forth on a ferry. (Looks at Rog...) I don't know this one. (ちょっと2、3日だけ。ミッドタウンで仕事があるんだ。思うに、フェリーに乗って移動するより、子供と一緒に滞在する[子供のところに泊まる]方がいいだろう、って。[ロジャーを見る] この人は知らないな。)
フィービー: Oh. This is my friend Roger. (あぁ、こちらは私の友達のロジャーよ。)
ロジャー: Hi. (どうも。)
ジョーイパパ: Hey. Hey, good to meet you, Roger. (やあ。やあ、君に会えて嬉しいよ(こんにちは)、ロジャー。)
ロジャー: You too, sir. (僕もあなたにお会いできて嬉しいです。)
ジョーイパパ: What happened to the, er, puppet guy? (例の、ほら、パペット男はどうしたんだ?[パペット男はどうなった?])
ジョーイ: Dad! Er... (Gesturing...) (パパ! えーっと…[(その話題はダメという)ジェスチャーをしながら])
ジョーイパパ: Oh. Oh. excuse me. So, Ross, er, how’s the wife? (おぉ。あぁ、失礼。それで、ロス、えーっと、奥さんは元気か?)
ジョーイ: Uuuuhhh!! (Ross cringes, Joey gestures again...) (あーーー! [ロスは体をすくめ、ジョーイは再び(さっきの)ジェスチャーをする]
ジョーイパパ: 0 for 2, huh? Er, Chandler, quick, say something funny! (2戦0勝、だな? えーっと、チャンドラー、(すぐに)急げ、何か面白いことを言え!)
チャンドラー: (Stony faced, tight lipped. Says nothing) [(石のような)無表情で、口をつぐんで、何も言わない]

Just for a couple of days. I got a job midtown. は「ちょっと2、3日だけ。ミッドタウンで仕事があるんだ」。
got は have の意味。
midtown は uptown と downtown の間の「中間地区、ミッドタウン」ということですが、このセリフでは、副詞「ミッドタウンで」という意味で使われています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) の midtown の説明にも、noun(名詞)と並んで、adjective(形容詞)、adverb(副詞)の品詞も出ています。

I figure の figure は動詞で、アメリカ口語では I think のような「(…だと)思う、考える」という意味で使われます。
LAAD では、
figure [verb] : [transitive] (informal) to form a particular opinion after thinking about a situation
つまり、「ある状況について考えた後、特定の意見を形成すること」。
語義を和訳すると何だかいかついですが、LAAD にも informal と書いてある通り、インフォーマル、口語表現、となります。

I figure SV で「(文)だと思う」ということですが、figure の後に続く文 I'm better off ... 以下が長いので、「…だと思う」を和訳の最後につけるよりも、セリフを発した順序通りに、「思うに」と訳しておいてから、その内容を続ける方が、実際の英語のニュアンスが感じられるように思いました。

be better off は「もっと良い状態になる、楽になる」。
LAAD では、
better off : happier, improved, more successful etc.
つまり、「より幸せな、より改良された、より成功した、など」。
今回のように be better off A-ing than B-ing だと「Bするより…Aする方がいい」という意味になります。

haul は「運ぶ、運搬する」。
hauling my ass back and forth on a ferry を直訳すると「フェリーに乗せて俺のケツを後ろに前に運ぶこと」みたいな感じでしょうか。
自分自身がフェリーに乗って行ったり来たりすることを、ass という卑語を使って、ちょっと下品に表現していることになるでしょう。
ミッドタウンで2、3日仕事があって、毎日往復するような面倒くさいことをするよりも、the kid、つまり、息子のジョーイのところに滞在した方が楽だから、2、3日はここにいるよ、と言っていることになります。

ジョーイのパパはフレンズたちのことは知っているようですが、見慣れない顔のロジャーがいるので、この人は知らないなと言っています。
フィービーから紹介されて、ジョーイのパパが Hey, good to meet you, Roger. と挨拶すると、ロジャーは You too, sir. と返します。
これは、good to meet you too, sir. 「僕もあなたにお会いできて嬉しいです」という意味で、初対面の目上の人であるジョーイのパパに対してきちんと sir を使っているのも、知的な職業である精神科医らしさが出ているような気がします。

What happened to ...? は「…に何があった? …はどうした?」
手をゆらゆらさせながら、「人形をこうやって動かすあのパペット使いの男」のように言っていることになりますが、「パペットを使う・操る男」の
「操る」という表現がすぐに出てこなくても、ジョーイパパのように the puppet guy と表現すれば(そしてこのように身振り手振りを加えれば、より)イメージが湧きやすいでしょう。

今の彼氏であるロジャーの前で、フィービーの元カレのパペット男の話をするのはまずい、とジョーイが必死に止めると、パパはそれに気づいたようで話題を変え、今度はロスに話しかけます。
how’s the wife? は「(ロスの)奥さんはどう? 元気?」ということ。
基本的な挨拶、How are you? は多くの方が使い慣れていると思いますが、目の前にいる you だけではなく、会話相手の家族などの様子(元気かどうか)を尋ねる場合にも、How is 人? のように使えるということです。
ロスは離婚しているため、離婚した元妻の話題は禁句ですから、ここでもジョーイは必死にその話題はダメだと訴えます。

0 for 2 を「オー・フォー・トゥー」のように発音していますが、これは、007を「ダブル・オー・セブン」と読むように、0(ゼロ)をよく似た文字のO(オー)に読み替えた感覚。
日本語でも、自衛隊の時刻の読み方で、12:00を「ひとふたまるまる」のように、0(ゼロ)を〇(まる)と読み替えることがありますが、それと同じに考えればよいでしょう。

for+数詞で「(数詞)に対して」となるので、0 for 2 は「2に対して0」ですから「2回やって成功0回、2戦0勝」ということ。
挨拶として楽しく会話しようとしたのに、2回ともしてはいけない話題をして地雷を踏んだような形になってしまったことを、このように表現したことになるでしょう。

困った時はチャンドラーのジョークに助けてもらおう、とばかりに、ジョーイパパは Chandler, quick, say something funny! 「チャンドラー、急いで、何か面白いことを言え!」と言います。
ここでの quick は「急げ、早く、さあさあ」というニュアンス。
LAAD では以下のように interjection 「間投詞」として分類されています。
quick [interjection] : used to tell someone to hurry or come quickly
例)Quick! We'll miss the bus!

つまり、「誰かに、急げ、または早く来いと言うために使われる」。例文は「急げ! 僕ら、バスに乗り遅れちゃう!」

ところが「ほら、何か面白いことを言え」と言われたチャンドラーは、ぶすっとした顔をしています。
ロック、ハードプレイス、俺 フレンズ1-13改その3 で解説した、これより少し前のシーンで、精神科医ロジャーから、チャンドラーは以下のようなことを言われていました。

ロジャー: Huh. Just seems as though that maybe you have intimacy issues. You know, that you use your humor as a way of keeping people at a distance. (うーん、ただ、まるで、多分君には、人との親密さについて問題があるかのように見えるね。ほら、人から距離を保つための手段として、ユーモアを使ってるんだ。)

「ほら、チャンドラー、この気まずい空気を打ち消すために、いつものように何か面白いこと言ってくれよ」と言われても、人との距離を保つために笑いを使っている、と精神的な部分を指摘された直後で、その指摘をした精神科医の目の前でジョークを言うわけにもいかず、むすっとした顔にならざるを得ないわけです。

フィービーの元カレ、ロスの元妻、チャンドラーのユーモア、と地雷を3つ踏んでしまったジョーイパパですが、笑いの定番の3段オチで、最後のオチに直前のネタをうまく使っている、という流れが、コメディとして実によくできた脚本だなと改めて思いました。


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posted by Rach at 12:39| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年05月12日

ロック、ハードプレイス、俺 フレンズ1-13改その3

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02:50
チャンドラー: You know, I don't know why you are so embarrassed. They were very nice boobies. (ねぇ、どうして君がそんなに恥ずかしがってるのか俺にはわからないよ。あれはとってもナイスなおっぱいだったよ。)
レイチェル: "Nice"? They were "nice"? I mean, tha... that's it? I mean, mittens are "nice." (「ナイス」? あれは「ナイス」だった? つまり… それだけ? ほら、ミトンは「ナイス」だ、みたいな。)
チャンドラー: Okay. Rock, hard place... me. (わかった、岩、硬い場所…(そこに挟まってる)俺[俺は今、困った立場にある]。)
ロジャー: (Laughs again) You're, you're, you're so funny! He's really funny! I wouldn't wanna be there when, when the laughter stops. ([また笑って] 君って、君って、君ってすっごく面白いね! 彼は本当に面白いよ! その笑いが止まった時に僕ならその場にいたくはないけどね。)
チャンドラー: Whoa. Whoa. Back up there, sparky. What did you mean by that? (おいおい。今の話に戻ってよ、才気(ひらめき)くん。今のはどういう意味だったんだ?)
ロジャー: Huh. Just seems as though that maybe you have intimacy issues. You know, that you use your humor as a way of keeping people at a distance. (うーん、ただ、まるで、多分君には、人との親密さについて問題があるかのように見えるね。ほら、人から距離を保つための手段として、ユーモアを使ってるんだ。)
チャンドラー: Huh. (ほう。)
ロジャー: I mean, hey, I just met you. I don't know you from Adam. Only child, right? Parents divorced before you hit puberty? (つまり、ほら、僕は君と会ったばかりだ。君のことはよく知らない(けどね)。一人っ子だろ? 思春期になる前に両親が離婚した?)
チャンドラー: Uh-huh. How did you know that? (ああ。どうやってそれがわかったんだ?)
ロジャー: It's textbook. ((教科書に出てくるような)典型(的な例)だよ。)

アクシデントでレイチェルの胸を見てしまったチャンドラーは、レイチェルの胸について very nice boobies 「とてもナイスなおっぱい」だったと語ります。
そこで nice という表現を使ったことについてレイチェルは、mittens are "nice." みたいだと言って不満を述べています。
nice は褒め言葉ではあるけれど、「そのミトン(手袋)、いいね」的なレベルの軽い褒め言葉のようにレイチェルには聞こえた、という感じでしょう。
私の大事なものを見ておいて、褒め言葉はその程度なの? ということでしょう。

boobies を nice と言われたことに対して、レイテェルは mittens を例に挙げたわけですが、They were nice. という複数形で表現できるものとして、胸と同じように2つで1セットとなる感じのアイテムをまずは挙げたことになるのでしょう。
対になるものと言えば、gloves (手袋)、shoes (靴)も複数形ですが、それらはゴージャスで上等なものも存在しますし、「概して庶民的」な感じがするミトンを使ったのかなと思います。

レイチェルのご機嫌を取ろうと「ナイス」だと言ったらその言葉に文句を付けられたチャンドラーは、Okay. Rock, hard place... me. と返します。
これは、between a rock and a hard place というイディオムがあるので、それをジェスチャーで表現しながら言ったセリフだと考えられます。

英辞郎では
between a rock and a hard place=苦境に陥って、望ましくない選択を迫られて
ジーニアス英和辞典では
between a rock and a hard place=(略式)困った立場で

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
be (stuck) between a rock and a hard place :
(informal) to have a choice between two things, both of which are bad or dangerous

つまり「どちらも悪い、または危険な2つのものの間で選択をすること」。

rock は「岩」で、hard は「硬い」ですから、チャンドラーのしぐさ通り、硬いものの間に挟まって、身動きが取れない、という感覚なのでしょう。
レイチェルの胸を見てしまうわ、フォローで褒めたつもりが却って怒らせてしまうわで、俺はにっちもさっちもいかない状態だ、ということでしょう。

その様子を見ていた、フィービーの彼氏である精神科医のロジャーは大笑いして、チャンドラーを funny だと言いますが、最後に I wouldn't wanna be there when, when the laughter stops. 「その笑いが止まった時に、僕ならその場にはいたくない」と付け加えます。
面白いと言いながらも、本当の姿は違うとでも言いたげなその言い方にチャンドラーも引っ掛かった様子。
Whoa. は「ちょっと待て」というニュアンス。
back up は「バックする、後退する」なので、Back up there は「今のその発言に戻れ(戻ってもらおうか)」という感じでしょう。
spark は「スパーク、火花、閃光」「ひらめき、才気」。
a spark of genius なら「天才のひらめき」。
それに -y をつけて形容詞的な呼び掛け語として使っているので、相手が精神科医としての意見を述べそうだと感じたチャンドラーが、「精神科医として何かひらめいたのかい」とでもいうように sparky と言ったのかなと思いました。

Just seems as though that は「ただ、まるで(that以下)であるかのように見える」。
intimacy は「親密な関係」という意味ですが、「男女の親密な関係、恋愛関係、肉体関係」を指すことが多く、you have intimacy issues. は「君は男女の親密な恋愛関係に問題を抱えている」。
you use your humor as a way of keeping people at a distance は「君は、人と距離を保つための手段・方法として、ユーモアを使う」。
そんな風に冗談ばっかり言っているのは、本心を知られまいと人から距離を取ろうとしてるんだ、と言われたことになります。

not know someone from Adam は「人を全く知らない、面識がない、誰だか全くわからない」という意味。
LAAD では、
not know someone from Adam : (informal) to have no idea who someone is
つまり「(インフォーマル)ある人が誰であるか全くわからない」。

not know A from B は「A と B の区別を知らない」ということで、tell A from B 「A と B を見分ける」の from と同じニュアンス。
直訳すると「人をアダムと区別することができない」になるでしょう。
Adam は旧約聖書に出てくる「最初の人類アダム」。
アダムは誰も見たことがない、だから、それと区別できないということは、アダムと同じようにその人のことも知らない、という意味になります。

only child は「一人っ子」。
hit puberty は「思春期に達する、年頃になる」。
hit の基本的な意味は「打つ、当たる」で、そこから「〜に達する、至る」という意味にもなります。hit の代わりに reach も使えます。

textbook は「教科書、テキストブック」で、そこから、形容詞の「教科書的な、教科書の例に出てくるような典型的な」という意味になります。
君のことはよく知らないけど…と言いながら、プロファイリングしてみせているのがいかにも精神科医という感じです。


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posted by Rach at 16:42| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年02月12日

シュリンクにしてはそんなにシュリンクっぽくない フレンズ1-13改その2

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01:54
フィービー: Isn't he great? (彼って素敵じゃない?)
レイチェル: He's so cute. And he seems to like you so much. (彼って素敵ね。それに彼はあなたのことがものすごく好きみたいね。)
フィービー: I know. I know. He's so sweet. And so complicated, you know? And for a shrink, he’s not too shrinky. You know? (そうなの、そうなのよ。彼はとっても素敵なの。そしてとっても複雑なのよ。それから精神科医にしてはそれほど精神科医っぽくないのよ。わかるでしょ?)
モニカ: So you think you'll do it on his couch? (それで、彼は自分のカウチでエッチすると思う?)
フィービー: Oh, I don't know. I don't know. I think that's a little weird, you know. It's vinyl... (あぁ、どうかしら。わからないわ。それってちょっと変だと思うの、ほら、ビニールだから…)

complicated は「複雑な、理解が難しい」。

shrink は「精神科医、精神分析医」。
精神科医には phychiatrist という単語もありますが、口語では shrink という単語がよく使われます。
shrink は「縮める」という動詞で、妄想で大きくなった頭を縮める人という意味の、head-shrinker からできた言葉です。
アメリカのドラマでは精神科医がよく登場するので、shrink はいろんなドラマで耳にする単語でしたが、少し前までの日本人英語学習者にとっては、あまり知らない単語だった気がします。
ただ日本でも近年では、『Shrink〜精神科医ヨワイ〜』という人気漫画があり、それを原作とする中村倫也さん主演のドラマもつい最近(2024年8〜9月)放送されていたので、shrink の意味を漫画やドラマで知った、という方も多いのではないでしょうか。

And for a shrink, he's not too shrinky. について。
shrinky は、shrink(=精神科医)の語尾に -y を付けることで、形容詞っぽくした感覚になるでしょう。
not too shrinky は「ものすごく(いかにも)精神科医って感じじゃない」ということ。
for a shrink の for は「〜にしては」ということで、一般的な人と比べてどうかの話ではなく、「精神科医にしてはそんなに精神科医っぽい感じはない」と言っていることになります。

you'll do it on his couch の do it は「エッチする」という意味。
「カウチに上でする・やる」と表現してもそのニュアンスは伝わるでしょう。

vinyl は日本語の「ビニール」の元になった単語ですが、発音は「ヴァイナル/ヴァイヌル」という感じ。
レジ袋のようなビニール(ビニル)袋を指す場合は、vinyl ではなく、plastic という単語を使って、a plastic bag といいます。
包装に使われるビニール袋にはリサイクルのための「プラ」マークが入っていますが、それは「プラスチック製容器包装」だからです。
英語の vinyl は plastic よりも頑丈で強い感じの素材を指すようです。
今回もカウチの素材を指していますので、日本人がイメージするいわゆるビニールよりはもっと丈夫なものを指していると考えられるでしょう。
近年、昔のアナログレコードの人気が再燃というニュースを耳にするようになりましたが、あの黒いプラスチックのレコードのことを「ヴァイナル」や「バイナル」と表記しているのもよく見かけるようになりました。

フィービーはカウチの上でするかどうかの質問に対して、weird 「変(だ)」と言っていましたが、ベッドではなくカウチでエッチするのが weird だという話ではなくて、その vinyl の素材の感触が weird だと返したことになります。


02:16
(They all move to join Chandler, Ross and Rog on the couch.)
フレンズたちはチャンドラーの方に移動し、ロスとロッジ(ロジャー)はカウチにいる。
レイチェル: Okay. Any of you guys want anything else? (さてと。あなたたちの誰か、他に何か欲しいものは?)
チャンドラー: Oh, yes. Could I have one of those... (あぁ、そうだね。例のあれを一つ貰えるかな…)
レイチェル: No, I'm sorry. We're all out of those. Anybody else? (いいえ、ごめんなさい。うちではそれを全部切らしてるの。他の人は?)
チャンドラー: Okay. (わかったよ。)
ロジャー: Did I, did I miss something? (僕は、僕は何か見逃したのかな?)
チャンドラー: Nah, She's still upset because I saw her boobies. (いいや、彼女はまだ怒ってるんだよ、俺が彼女のおっぱいを見たから。)
ロス: Whoa, what, what d... What were you doing seeing her boobies? (おい、何、何を…彼女のおっぱいを見るとか何やってんだよ?)
チャンドラー: It was an accident. It's not like I was across the street with a telescope and a box of doughnuts. ((偶然の)事故だったんだよ。俺が望遠鏡とドーナッツ1箱用意して、通りの向こうにいた、みたいなことじゃない。)
ロジャー: (Laughs loudly) [大声で笑う]
レイチェル: Okay. Okay. Can we change the subject, please? (よし、いいわ。その話題変えていいかしら?)
フィービー: Yeah, cos, hello, these are not her boobies. These are her breasts! (そうね、だって、ほら、それは彼女のおっぱいじゃないわ。それは彼女の胸よ!)
レイチェル: Okay, Pheebs, I was hoping for more of a change. (ねぇ、フィービー。私はそれ以上の変更を望んでたんだけど。)

ウェイトレスのレイチェルは、フレンズたちに注文を聞いています。
チャンドラーは、one of those を使って、「例の…の一つを貰おうか」と言いかけますが、those の後の具体的な名前を聞く前に、レイチェルは、No. と即答します。
out of は「…を切らして、…がなくなって」。
「あれ、あるかな」と言おうとしたら、「あぁ、“あれ”はもう、一つもないわ。全部ないわ」とその品物が何かを言おうとする前に却下しているということです。
つまり、あなたが何を注文しようが、「どれも切らしてるわ」と言ってそれを給仕するつもりはない、あなたのお願いは一切聞かないわ、という意思表示をしていることがわかります。
このセリフから、レイチェルがチャンドラーに対して何か怒っていることが見て取れます。

Did I miss something? の miss は「…を見逃す、聞き逃す」で、「僕は何かを見逃したかな? 聞き逃したかな?」。
上のやり取りを聞いて、レイチェルがチャンドラーに対して何か怒っていることには気づいた、でもその原因がわからないので、僕の知らない事件やもめごとが何かあったのかな? と尋ねていることになります。

boobies, boobs は女性の胸(breasts)を指す幼児語。
ですから、日本語ではやはり「おっぱい」という感覚が近いでしょう。

What were you doing seeing her boobies? について。
What were you doing seeing... と、-ing 形が2回続いていますが、これは、「…を見るなんて、一体お前は何をやってたんだ」という感覚。
この What were you doing には、あきれや驚きの気持ちが込められています。

telescope は「望遠鏡」、a binocular telescope だと「双眼鏡」です。
ドーナツは、アメリカでは「警察官に付き物」の食べ物のように言われがちで、「警察官が好きな食べ物と言えばドーナツ」というステレオタイプなイメージがあります。
そういう警察官のイメージからの連想だとすると、across the street with a telescope and a box of doughnuts というのは、向かいのビルから望遠鏡(双眼鏡)を持って、容疑者の張り込みをするみたいに、ずーっとレイチェルの一日を追っていたわけじゃない、四六時中見張っていたわけじゃない、という感覚になるでしょうか。
あるいは(ドーナツ→警官、という連想ではなく)、ストーカーが、手軽に食べられるドーナツを片手に持ちながら、もう片方の手で双眼鏡を持ち、ずーっとレイチェルの様子を観察していた、というニュアンスかもしれません。
It's not like を使い、「通りの向こうで、望遠鏡とドーナツ持って」みたいなことじゃない、と言っているので、たまたま、事故で見てしまっただけで、見ようという意図があったわけじゃない、と言いたいことがわかります。

change the subject は「話題を変える」。
それを聞いて、「そうよ、おっぱいだなんて。それは胸って言うべきよね」と言うフィービー。
hope for は「…を期待する」で、more of a は「(…より)いっそう、(…より)もっと」。
この場合も、比較級の後ろに、than that が省略されていると考えると良いでしょう。
つまり、I was hoping for more of a change than that. ということで、レイチェルは、change the subject 「話題、主題、テーマ」を変えましょ、と言ったのに、フィービーは「あれは、boobies じゃなくて、breasts って言わなきゃだめよ」と、話題となっている対象の言葉についてだけ言ったので、呼び方を変えるだけじゃなくて、私はそれよりもっと変化を求めていた、言葉の言い換え以上の変化を求めていた、つまり、話題そのものを変えてしまうことを求めていたのに…と言いたいことがわかります。


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posted by Rach at 16:14| Comment(3) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年11月13日

That's pretty much it. フレンズ1-13改その1

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シーズン1 第13話
The One With the Boobies
原題訳:おっぱいの話
邦題:目には目を歯には歯を


0:00
[Monica and Rachel’s apartment. Rachel is in the shower. Chandler walks in, and gets something from the fridge. Rachel comes out of the bathroom, naked waist up, to see Chandler standing there.]
モニカとレイチェルのアパートメント。レイチェルはシャワー中。チャンドラーが部屋の中に入ってきて、冷蔵庫から何かを取り出す。レイチェルは(タオルで髪の毛を拭きながら)上半身裸でバスルームから出てきて、チャンドラーがそこに立っているのを見る。
レイチェル: Daaargh! (Grabs a blanket to cover herself...) (ダァァァー! [(ソファにかけてある)ブランケット[ソファーカバー(?)]を掴んで自分の身を隠す])
チャンドラー: Aaarrgh! I’m sorry! I’m sorry! (あーーー! ごめん! ごめん!)
レイチェル: Oh, my God! That’s it! You just barge in here and you don’t knock? You have no respect for anybody’s privacy. (なんてこと! そこまでよ[いい加減にしてよ]! あなたはここに(ずかずかと)入り込んできて、ノックもしないわけ? 他人のプライバシーへのリスペクトがないの?)
チャンドラー: Rachel. Wait, wait! (レイチェル。待って、待って!)
レイチェル: No, you wait! This is ridiculous. (いいえ、待つのはあなたよ[あなたこそ待ちなさいよ]。こんなのばかげてるわ。)
チャンドラー: Can I just say one thing? (ただ一言言わせてもらってもいい?)
レイチェル: What?! What? (何? 何よ?)
チャンドラー: That’s a relatively open weave and I can still see your... nippular area. (それは比較的、(編み)目が粗いから、俺にはまだ見えてるんだよね、君の…乳首的なエリアが。)
レイチェル: Ugh! (あー!)
OPENING TITLES

シャワーを浴びた直後に無防備な恰好で出てきたレイチェルは、チャンドラーと出くわし、お互いが叫び声を上げています。
レイチェルは、Oh, my God! That’s it! You just barge in here ... とまくし立てます。
That's it. には「その通り」や「それでおしまい」など、様々な意味がありますが、今回のレイチェルのように怒っている時に使うと「そこまでだ」「そこまでにしろ」「我慢の限界だ」のような意味になります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
That's it. :
used when you are angry about a situation and you do not want it to continue.
例)That's it! I want both of you to be quiet!

つまり、「ある状況に怒っていて、それが続いてほしくないと思っている時に使われる」。
例文は「そこまでだ! 二人とも静かにしてくれ!」

barge in は「押し入る、無理やり入る」。今回のように「ノックしないで部屋に入る」というニュアンスでもよく使われます。

LAAD では、
barge in also barge into something [phrasal verb] :
to enter or rush in rudely
例)The woman barged into the office and demanded to see the boss.

つまり、「荒々しく(中に)入る、突入する」
例文は「その女性はオフィスに荒々しく入ってきて、ボスに会うことを要求した」。

a relatively open weave は「比較的、隙間がある・目の粗い編み方」。
weave には「〜を編む、織る」という動詞の意味がありますが、ここでは名詞で「編み(方)、織り(方)」。
open は「空いている」ですから、「隙間のある、(編み物・織物の)目が粗い」。

nipple が「乳首」なので、nippular area は「乳首的な「乳首あたりの]エリア」と言ったところでしょうか。
nipple と名詞で言ってしまうとダイレクトすぎるので popular 「人気の」のような形容詞の語尾を付けるイメージで、ちょっとボカす感じで nippular と表現したのだろうと思います。
レイチェルはとっさに胸を隠すために、ソファの背に掛けてあった編み物状のカバーのようなものを使ったのですが、その編み目が詰まっておらず粗かったため、編み目から向こう側(つまりレイチェルの裸体)が透けて見えてしまっていることを言ったことになります。


01:24
[Central Perk. Monica, Rachel & Phoebe are at the bar, with Phoebe’s new boyfriend, Rog (Roger).]
セントラルパーク。モニカ、レイチェル、フィービーがバーにいて、フィービーの新しい彼氏ロッジ(ロジャー)も一緒にいる。
フィービー: Oh, honey, honey, tell them the story about your patient who thinks things are, like, other things, you know? So, like, when the phone rings and she takes a shower.... (あぁ、ハニー、ハニー、みんなにあなたの患者の話をしてあげて。あるものを、ほら、別のものだと思う患者のこと。そうね、例えば、電話が鳴ったら、その女性はシャワーを浴びるの…)
ロジャー: That’s pretty much it. (ほとんどそのままだよ。)
フィービー: Oops. (おっと(しまった)。)
ロジャー: But you tell it really well, sweetie. (でも君はうまく話をするね、スウィーティ。)
フィービー: Ah, thanks. OK. Now go away so we can talk about you. (あぁ、ありがとう。よし。じゃあ(あなたは)あっち行って、私たちがあなたについて話せるように。)
ロジャー: OK, I’ll miss you. (leaves) (オッケー、寂しくなるけどね。[その場を離れる])

tell them the story about your patient who thinks ... は who という関係代名詞が使われています。
日本語の語順だと「AをBだと思う、あなたの患者の話をみんな(彼女たち)にしてあげて」になるところですが、英語では「あなたの患者の話をしてあげて」と先に言っておいてから、「その患者というのはAをBだと思う人」のように、詳しい説明を続ける形になります。
患者の話をしてあげて、と言った後、フィービーはその患者の説明を続け、「あるものを別のものだと思う人」と言った後、さらに詳しく、「電話が鳴ったら、シャワーを浴びる人」と説明します。

That’s pretty much it. について。
pretty much は「ほとんど、だいたい」。
LAAD では、
pretty much : (spoken) almost completely
つまり「(口語)ほとんど完全に」

この pretty は「プリティ、可愛い」という形容詞ではなく、「かなり、ずいぶん」という意味の副詞になります。
このような副詞の pretty は、他の形容詞や副詞を修飾する形で使われます。

pretty much が「ほとんど、だいたい」という意味で、That's pretty much it. から、その pretty much の部分を取り除くと、残るのは That's it. になります。
今回の記事の最初のシーンで、怒ったレイチェルが That's it! を使うセリフがあり、そこで That's it. には様々な意味があると説明しましたが、ここで改めて That's it. の意味を確認しておきましょう。

That's it. は、That is it. ということで、すなわち that = it だと言っていることになります。
That's it. の that は、直前に起こった出来事や発言を指し、it は「頭の中でイメージしていること、または話題の中心となっていること」を指します。

このシーンのフィービーとロジャーの会話については、that は直前にフィービーが言った内容を指し、it はこの会話でのテーマ、つまり「ロジャーに話してもらおうとしていた患者の話の内容」を指すわけです。
That's it. だと「フィービーが(今、さっき)言ったことが、僕に言わせようとしていた[僕が言おうとしていた]ことだよ」という感覚になります。
pretty much は「ほとんど、だいたい」なので、「今君が言ったことが、ほとんど僕が言おうとしていた内容だよ。言おうとしていたことのほとんど全部を君が言ってしまったよ」ということです。

ここで、一般的に使われる That's it. のニュアンスについても触れておくと、that が「直前の出来事や発言」、it が「頭の中でイメージしていること、話題の中心・テーマ」に当たりますので、
求めていたものがそれだ、ということだと「その通り」や「まさにそれだ」という意味になり、
それがイメージしていたものそのものだ(そのすべてだ)、ということだと「それで終わりだ・おしまいだ」という意味になります。
冒頭のシーンの怒ったレイチェルが使っていた That's it! も「今ので、そんなひどいことはおしまいにして」という感覚から「そこまでよ」や「もう我慢の限界よ」のような怒りのニュアンスで使われたと考えればよいかと思います。

フィービーとロジャーの会話の解説に戻ります。
「君がいま言ったことが、(僕が言おうとしていたことの)ほとんどそのままだ」と言われてしまったフィービー。
Oops. は「おっと。しまった」。小さな失敗やへまをした時に使います。
Now go away so we can talk about you. を聞こえたままにイメージすると「じゃあ、あっちへ行って、そうすれば私たちはあなたのことについて話せる(から)」ということ。
あなたについてみんなと話したいから、席を外してね、と言っていることになります。


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posted by Rach at 11:51| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年05月07日

あなたたちはいつも私の部屋で遊んでばかり フレンズ1-12改その18

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21:54
END CREDITS [Scene: foosball table]
エンドクレジット [シーン:フーズボール・テーブル]
モニカ: Yes! And that would be a shutdown! (よし! そしてそれでシャットダウンね!)
ジョーイ&チャンドラー: Shutout! ((それを言うなら)シャットアウトだ!)
モニカ: Where are you guys going? Come on, one more game! (あなたたちどこに行くの? ねぇ、もう1ゲームしましょうよ!)
ジョーイ: Uh, it's 2:30 in the morning. (あぁ、朝の2時半だぞ。)
チャンドラー: Yeah. Get out! (そうだ、出ていけ!)
モニカ: You guys are always hanging out in my apartment. Come on, I'll only use my left hand, huh? Come on, wussies! [Joey and Chandler pick her up] All right! Okay! I gotta go! I'm going. [they throw her out] And I'm gone. (あなたたちは、いっつも私のアパートメントで遊んで[たむろして]ばかりいるのに。ねぇ、左手だけを使うから、ね? ほら、弱虫くんたち! [ジョーイとチャンドラーはモニカを持ち上げる] いいわ! わかった! 出て行くわ[出て行かなくちゃね]。(ほら)出て行ってるとこ。[二人はモニカを放り出す] そして私は出て行った。)
チャンドラー: One more game? (もう1ゲーム(する)?)
ジョーイ: Oh, yeah! (あぁ、そうだな!)

モニカが shutdown と言った後、男子二人が shutout と返しています。
勝ち誇るモニカに対し、同じ shut という単語を使って「黙れ!」と言っているように聞こえなくもないですが、まず、「黙れ!」という意味であれば、Shut up!(日本語でも「シャラップ」として使われるもの)になるでしょう。
さらに、DVD英語字幕では、
And that would be a shutdown!
Shutout!
となっており、Shut out! という命令形ではなく、shutout という1語の名詞として表記されています。
また、(以前配信されていた)Netflix の字幕では、
And that would be a shut-down.
(together) Shut-out!
のようにどちらもハイフンの入った名詞として表記されていました。

DVD の a shutdown / shutout
Netflix の a shut-down / shut-out
という「二つの名詞が対比されたような表記」から判断するに、「黙れ!」という意味の命令形ではなく、モニカの使った間違った言葉を訂正した、ということなのかなと思いました。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) での shut-down と shut-out の意味を見ておくと、

shut-down [noun]
1. the act of stopping a factory, business etc. from operating
2. an occasion when a large machine, computer, or other piece of equipment stops operating

つまり「1. 工場やビジネスの操業を停止するという行為。2. 大きな機械、コンピューター、他の機器が操作を停止するという出来事」。

shut-out [noun]
a sports game in which one team prevents the other from getting any points

つまり「あるチームが、相手チームの得点を阻止する、スポーツの試合」。

シャットダウンとシャットアウトの違いについては、カタカナ英語のニュアンスがほぼ正しいようで、
シャットダウンは「工場などの閉鎖、機械やパソコンなどの電源を切ること」
シャットアウトは「(野球などの)完封」
という理解で良いかと思います。
英英辞典を見ても、shut out に「話をやめる、黙る」のような意味は載っていないので、意味から考えても、ここは「黙れ!」という意味ではないと思いました。

もしも、このやり取りが、
モニカ : And that would be a "shutout"!
ジョーイ&チャンドラー: Shut "up"!
になっていたとしたら、
「それでシャットアウトね!」
「黙れ!」
となり、同じ単語 shut を使って「言い返した」ということになったのかなと思います。

勝てて嬉しいモニカは、もう1ゲームやろうと言いますが、ジョーイの発言から朝(夜中)の2時半だということがわかります。
get out は「外に出る」なので、Get out! は「出ていけ!」というキツい命令形の言葉。

You guys are always hanging out in my apartment. について。
are always hanging out という「always+現在進行形」が使われていますが、この「always+現在進行形」は「いつも〜してばかりいる」という話者のいらだちを表現することができます。

hang out は「時を過ごす、ブラブラする」という意味。
フレンズたちのような大人が、友達と一緒に時間を過ごす、という意味でも hang out はよく使われます。
LAAD では、
hang out : (informal) to spend a lot of time in a particular place or with particular people.
つまり、「ある場所で、またはある人々と一緒に、多くの時間を過ごすこと」。
「(大人が)友達と遊ぶ」というようなニュアンスですね。
「遊ぶ」と聞くと、play という動詞が頭に浮かぶ方も多いと思いますが、英語の play だと子供たちがワーイと遊ぶニュアンスになりますので、「大人が友達と一緒に時間を過ごす」という意味の「遊ぶ」はこの hang out を使う、ということを覚えておきましょう。

モニカとしては「しょっちゅう私の部屋に来て、長い時間遊んでるくせに、私にはすぐに出ていけって言うの?」という気持ちがあって、このように言ったのでしょう。
I'll only use my left hand 「左手だけを使うわ」は、利き手の右手は封印するから、ということ。
wussies は wuss の複数形で、wuss は「弱虫、泣き虫、意気地なし、根性なし」という意味。

「いつも私の部屋で遊んでるくせに。利き手は封印してあげるわよ、弱虫さん」と言いたいことを言うモニカに対し、男子二人は黙ってモニカの両腕を抱え、部屋から連れ出します。

I gotta go! I'm going. And I'm gone. について。
go は「行く」で、この場合は「この部屋から外に出る」という感覚。

I gotta go! は、I have to go! ということで「部屋を出なきゃ」。
友達などと話していて「そろそろ行かなくちゃ」という時によく使われる言葉で、今回は「あなたたちが連れ出そうとするのなら、行くわ・帰るわ」という、意志を表す言葉として使っているのでしょう。

I'm going. という現在進行形は「今、部屋を出ているところよ、部屋を出つつあるわ」。

I'm gone. の gone は、go の過去分詞形が形容詞になったもので「去った、いなくなった」。
よって、I'm gone. は「私は去った、いなくなった、(部屋から)出てしまった」という感覚。
むりやり部屋から連れ出されたので、その様子を客観的に実況中継しているような表現になっているのが面白いと思います。

モニカを外に出した後、チャンドラーが One more game? と言っています。
モニカが Come on, one more game! と同じことを言った時は断り、「朝の2時半だ」とも言っていましたが、二人ともまだまだゲームはやりたい、ただモニカに一方的にやられるのが嫌だっただけ、ということがわかるエンディングも楽しいです。


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posted by Rach at 13:21| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年02月18日

みんなが〜みたいな男になるわけじゃない フレンズ1-12改その17

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20:27
[Scene: inside girls' apartment]
シーン:女子のアパートメントの中
モニカ: Ooh... hey, honey, are you all right? (あぁ…ねぇ、大丈夫?)
レイチェル: Oh... (あぁ…)
フィービー: You okay? (大丈夫?)
レイチェル: Medium. Hmm. Any cookies left? (ミディアム(中くらい)よ。クッキーは残ってる?)
フィービー: Yep! (ええ!)
ロス: See, Rach, uh, see, I don't think that swearing off guys altogether is the answer. I really don't. I think what you need is to develop a more sophisticated screening process. (ねぇ、レイチェル、ほら、完全に男を断つと誓うことが答えだとは僕は思わないな。本当にそうは思わない。君が必要なことはもっと精巧な選考過程を発展させることだと思うよ。)
レイチェル: No, no. I just need to be by myself for a while, you know? I just gotta figure out what I want. (いいえ、違うわ。私はただ、しばらくの間、一人きりになる必要があるだけなの。自分が望むものを見つけ出さないといけないのよ。)
ロス: Uh, no, no. See, because not... not all guys out there are gonna be a Paolo. (あぁ、いや、そうじゃないよ。ほら、だって、世間の男がみんな、パウロみたいな男になるわけじゃないんだから。)
レイチェル: No, I know. I know. And I'm sure your little boy's not gonna grow up to be one. (なるわけじゃないわね、(それは)わかってる、わかってるわ。それに、あなたのちっちゃな男の子が大きくなってあんな風にならないっていうことも確信してるし。)
ロス [astonished]: What? ([驚いて] 何だって?)
レイチェル: What? (何?)
ロス: I-I'm, I'm having a boy? (僕には男の子が生まれるの?)
レイチェル: Uh... no. No, no. In fact, you're not having a boy. (あー、違う違う違う。実際、あなたには男の子が生まれるわけじゃないわ。)
ロス: Oh, I'm having, I'm having a boy. [babbling] Huh, am I having a boy? (あぁ、僕には、僕には男の子が生まれるんだ。[不明瞭にぶつぶつ言う] あー、僕には男の子が生まれるの?)
女子たち: You're having a boy! [Monica runs over and hugs Ross] (あなたには男の子が生まれるわ! [モニカが走ってきてロスにハグする])
ロス: I'm having a boy! Oh, I'm having a boy! (僕には男の子が生まれるんだ! あぁ、僕には男の子が生まれるんだ!)
[Joey & Chandler run in]
ジョーイとチャンドラーが走って入ってくる。
ジョーイ&チャンドラー: What is it? (一体なんだ?[どうしたんだ?])
ロス: I'm having a boy! I-I'm having a boy! (僕には男の子が生まれるんだ! 僕には男の子が生まれるんだよ!)
ジョーイ&チャンドラー: We already knew that! [they hug] (そのことを俺たちはすでに知ってたけどな! [彼らはハグする])
ロス: I'm having a son. Um.... (僕には息子ができるんだ。あぁ…)
[Ross looks scared]
ロスは動揺した顔をする。

I don't think that swearing off guys altogether is the answer. について。
swear off は「〜をやめると誓う、誓って〜を断つ」。
swearは「誓う」、offは「分離」を表すので、「自分が〜から離れることを誓う」ということから、そのような意味になるわけです。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
swear something off, swear off something [phrasal verb]
to promise to stop doing something thatis bad for you
例)I'm swearing off alcohol after last night!

つまり、「(句動詞)自分にとって悪いことを行うことをやめると約束すること」。例文は「昨日の晩から、アルコール断ちをしてるんだ!」

altogether は副詞で「完全に、すっかり、全く」。
LAADでは、
altogether : a word meaning "completely" or "thoroughly," that is used to emphasize what you are saying
つまり「completely(完全に)や thoroughly(徹底的に)を意味する単語で、自分が言っていることを強調するために使われる」。

「もう男はこりごり、そばに寄るのも嫌」と言ったレイチェルに対して、「完全に男断ちをすることが答えだとは思えないよ」「男断ちをすることが答えじゃないと僕は思うよ」と言っていることになります。
男にうんざりしてるのはわかるけど、全ての男を拒否るっていうのはどうかと思う、と表現することで、自分が男として拒否られてしまう可能性を否定しようとしているのがわかります。

I really don't. について。
not という否定語の前に really が来ているので、not という否定を強調していますことになります。
つまり、I really don't think ... ということで、「本当に、そうは思わない」と、「思わない」ことを強調しているわけです。
I don't really think ... という語順なら、not really 「それほど〜ではない」とやんわり否定する形となり、否定の度合いを下げることになります。
そのような not の位置による意味の違いに注意しましょう。

develop a more sophisticated screening process は「もっと精巧な審査過程を開発する」。
sophisticated は「洗練された」と訳されることが多いですが、それ以外に、機械や技術に関して「精巧な、高機能・高性能の」という意味でも使われます。
screening process は「審査過程、選考過程」。
screen はいわゆる「スクリーン」ですが、その「遮蔽物(しゃへいぶつ)」という意味から、動詞では「〜を遮る(さえぎる)、遮断する」という意味になります。
また「(穀物など)をふるい分ける、ふるいにかける」という意味から、「(候補)をふるいにかける、審査・選抜する」という意味にもなるわけです。

LAADでは、
screen [verb, transitive]
to find out information about people in order to decide whether you can trust them or whether they are the right people to work for you

つまり、「人々に関する情報を見つけること、その人を信頼できるかどうか、またはこちらのために働くのに最適な人かどうかを決めるために」。

男が全部だめなんじゃなくて、今回はたまたま変な男を選んでしまっただけだ、もっときちんと見極める方法を見つければいいだけだ、男を見る目を養えばいいだけだ、と説得していることになります。
そういう内容を、お堅いイメージの単語を使って表現しているところがロスらしいと言える気がしました。

by oneself は「自分だけで、一人(ぼっち)で」。
figure out は「(答えなど)を見つけ出す」。
gotta = got to = have got to = have to で、「〜しなければならない」を意味する口語。

not all は部分否定で「すべての〜が…とは限らない」。
out there を直訳すると「外のあちらでは」という感覚ですが、これは「外の世界の、世間にいる、世の中の(全ての男たちが)」のような意味になります。
a Paolo のように人名であるパウロに不定冠詞の a が付いていますが、このような「a+固有名詞」で「〜のような人」という意味になります。
a Paolo だと「パウロのような男(somebody like Paolo、a guy like Paolo)」という意味になるわけです。

I'm sure your little boy's not gonna grow up to be one. について。
one はその前に出てきた「可算名詞」の代わりに使う代名詞。
この場合は a Paolo (= a guy like Paolo) の代わりに使っていることになります。

「男がみんなパウロみたいになるわけじゃない」と言われて、「そんなことわかってるわ、あなたの小さな boy だって、あんなパウロみたいなやつにはならない…」と、つい、ロスの赤ちゃんの性別(boy)を言ってしまった、という流れです。
モニカが目を丸くし、レイチェルもやばいという表情になって、観客からもオーというため息が聞こえます。

I'm having a boy? を直訳すると、「僕は男の子を持つことになるの?」。
「僕には息子が出来るの?」「息子が生まれるの?」「生まれてくる子は男の子なの?」というニュアンス。
確定している近い将来の予定を表す現在進行形です。
I'm having a baby in March. だと「3月に赤ちゃんが生まれるんだ」となります。

We already knew that! について。
赤ちゃんは男の子だー!と騒ぐロスたちと一緒に喜んだ後、「俺たちは、もうそのこと知ってたけどね!」と言っています。
わかってたけど、でもみんなが盛り上がっているから一緒に盛り上がってみたよ、というところでしょう。

ここまでずっと I'm having a boy. と表現していたロスですが、このシーンの最後だけ、I'm having a son. と言っています。
あえて違いを出すとすると「生まれてくるのは男の子」と「僕には息子ができる」のような違いになるでしょうか。
他のみんなは知っているのに、ロスだけが「生まれるまでは性別を知りたくない」と言って、知ることを拒否していましたが、性別が男子だとわかった後、 I'm having a boy. と言っていました。
男か女かという点においては男だとわかった、ということで、そう連呼していたわけですが、それまでの性別がどちらかということで頭がいっぱいだった時の「生まれてくる子は男の子」という段階を超えて、「僕には”息子”ができる」→「そして自分は父親になる」という事実に改めて気づいた、というのが、このラストシーンのロスの表情なんだろうなと思いました。


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posted by Rach at 13:59| Comment(3) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年12月03日

I've been better. フレンズ1-12改その16

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19:09
[Scene: balcony where Ross has climbed through the window]
シーン:バルコニー、そこにロスが窓を通り抜けて入ってくる。
ロス: Hey. (やあ。)
レイチェル: Hey. (はい。)
ロス: You all right? (大丈夫?)
レイチェル: Oh, I've been better. (あぁ、あまり気分[調子]はよくないわ[前の方が良かったわ]。)
ロス: Come here. [he hugs Rachel] Listen, you deserve so much better than him. You know, I mean, you, you, you should be with a guy who knows what he has when he has you. (おいで。[ロスはレイチェルをハグする] ねぇ、君は彼なんかよりもっといい男が似合うよ。ほら、つまり、君は、君を彼女にしている時に自分が持っているものが何かをわかっている男と一緒にいるべきなんだ。)
レイチェル: Oh, Ross. (あぁ、ロス。)
ロス: What? (何?)
レイチェル: I’m so sick of guys! I don't want to look at another guy. I don't' want to think about another guy, I don't even want to be near another guy. (私は男にはうんざりよ! もう(これ以上)他の男は見たくない。他の男のことは考えたくない、他の男のそばにすらいたくないわ。)
ロス: [Ross crosses arms] Huh. ([ロスは腕組みをする]そうか。)
レイチェル: Oh, Ross, you're so great. (あぁ、ロス、あなたは最高よ。)
ロス: Ohhhh. [hugs her & sighs] (あーあ。[レイチェルをハグしてため息をつく])

You all right? 「大丈夫?」と聞かれたレイチェルは、Oh, I've been better. と返しています。
better 「より良い」という単語が入っているので「気分・調子が良い」という意味に勘違いしてしまいそうですが、この I've been better. というのは「気分や調子が良くない時」に使う決まり文句です。
I've been better. は I have been better. という、これまでの「経験」を表す現在完了形となっており、直訳すると「これまでにもっと良い状態だったことがある」ということ。
つまり「前の方が気分・調子は良かった」と表現することで、今はあまり気分が良くないということを、bad などのダイレクトに「悪い」を意味する単語を使わずに婉曲に表現できるということです。
今回の場合も「大丈夫?」に対して「あまり良くない」と返事したことから、ロスは慰めようとして Come here. と言ってハグをする流れになります。

今回の I've been better. のような比較級が使われている表現は、反語的な意味で使われることも多く注意が必要ですので、ここでいくつか見ておきましょう。
今回と同じような気分を聞かれた時の表現 Couldn't be better. は「これ以上よくなることはない」ということから「最高だ、絶好調だ」という意味になります。
I've seen better. という表現だと、「私は(これまでに)もっといいものを見たことがある」→「今、見ているものは最高ってほどでもない、さほどでもない」という、軽い「けなし言葉」のニュアンスになります。

you deserve so much better than him. は 「君は彼よりももっとずっと素晴らしい男性がふさわしいよ」。
deserve は「〜の価値がある、〜がふさわしい」。
deserve は良い意味、悪い意味のどちらの場合も使われ、悪人が悲惨な状況になっている場合に、"You deserved it." 「お前には当然の報いだ。自業自得だよ」という風に使ったりもします。

You should be with a guy who knows what he has when he has you. について。
he has you を直訳すると「彼が君を持っている」となりますが、これは「彼が君を彼女(恋人)にしている、彼に君のような彼女がいる」というニュアンス。
それを踏まえてこの長い文を訳すと「君という彼女がいる時に、自分が持っているもの(君という彼女)が何であるかをわかっているような男と一緒に君はいるべきなんだ」となるでしょう。
who, what, when と続く文章ですが、前から順番に訳すと、
「君は、こういう男性と一緒にいるべきだ。(それはどういう男性かと言うと)自分が持っているものが何かを知っている男だ、その彼が君という恋人を持っている時に」となります。
つまり、レイチェルを彼女にしている時に、彼女であるレイチェルがどんなに素晴らしい女性かということをわかっている。自分はこんなに素敵な恋人を持っているんだということをしっかりわかっている男と一緒にいるべきだ、ということです。
パウロは、レイチェルという身に余る恋人を持ちながら、レイチェルの友人であるフィービーにちょっかいをかけた、そんな男は君とは釣り合わないよ、レイチェルの素晴らしさをわかっていなかった男だよ、と言ったことになります。

「レイチェルの素晴らしさや素敵さをわかっている男と一緒にいるべきだ」というのは、僕にはそれがよくわかっているという、ロス自身のアピールでもあったでしょう。
誰かとひどい別れ方をした後、いつもそばにいて自分のことを理解し想ってくれている男性に心が動く、というのはよくあるパターンで、レイチェルがこのロスの感動的なセリフを聞いて Oh, Ross. と言った時はそういう流れになると期待してロスも What? と続きを促したのでしょう。
、、が、その後に続く言葉が「男はもう嫌」の4連発で、いかにも「フレンズ」っぽいオチとなっています。

be sick of は「〜にうんざりしている」で、I’m so sick of guys! は「もう男にはうんざり!」という感覚。
ロマンティックな雰囲気になるどころか「男にはうんざり。見たくない、考えたくない、そばにもいたくない」とまくしたてられてしまい、ロスは「うーん、そうかぁ、、」という感じで腕を組んでいます。

「そばにすらいたくない」と男を毛嫌いするレイチェルが、その後、自分から手を伸ばして「ロス、あなたは最高よ」とハグをします。
男のそばにすらいたくないと言っているのにロスにはハグをするということは、ロスのことを「男」として全く見ていない表れですので、ロスとしてはため息をつくしかありません。


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posted by Rach at 13:18| Comment(6) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年09月09日

よくもまあそんなことができたわね フレンズ1-12改その15

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17:51
[Scene: Paolo's clothes falling down to the street shift zoom to Rachel emptying Paolo's suitcase over the balcony]
シーン:パウロの服が通りに落ちて行き、レイチェルがバルコニー越しにパウロのスーツケースをカラにしているところにカメラが移動しズームする。
パウロ: Hold it! Ascolta! (待って! (イタリア語で)聞いて!)
[Scene: inside girls' apartment]
女子のアパートメントの中。
ロス: How's it going? (どんな感じ?)
モニカ: Don't stare. Now she just finished throwing his clothes off the balcony. Now there's just a lot of gesturing and arm-waving. [shows Rachel gesturing with hands in front of her chest] Okay, that is either, "How could you?" or "Enormous breasts!" Here he comes. (じろじろ見ちゃだめよ。今、彼女(レイチェル)は彼(パウロ)の服をバルコニーから投げ(落とし)終えたばかりなの。今はたくさんジェスチャーをして、腕を振ってるわ。[レイチェルが胸の前で手でジェスチャーしている様子が映る] そうね、あれは「よくもまあ(そんなことができたわね)」か、または「巨乳よ」かのどちらかね。あぁ、彼が来るわ。)
フィービー: Ooh! (うー!)
[Paolo enters. Ross, Phoebe, and Monica scatter]
パウロが入ってくる。ロス、フィービー、モニカは散り散りになる。
パウロ: Uh, I am, uh, to say goodbye. (あー、僕は…さよならを言うよ。)
フィービー: Oh, okay, bye-bye. (あぁ、わかったわ、バイバイ。)
モニカ: Paolo, I really hate you for what you did to Rachel. But I still have five of these, [hands him a lasagna] so heat it at 375 until the cheese bubbles. (パウロ、あなたがレイチェルにしたことで、私は本当にあなたを憎んでるわ。でも私にはまだこれが5つ(も)あるの。[彼にラザニアを一つ手渡す] だから、そのラザニアはチーズが泡立つまで(華氏)375度で加熱して。)
パウロ: Grazie. (グラッツィエ(ありがとう)。)
ロス: Paolo, I-I just wanna tell you and I, I think I’d speak for everyone when I say... [shuts door in his face and walks away] (パウロ、ただ君に言いたいんだ、僕はみんなのために話してるという気持ちなんだよね[みんなを代表して僕から言わせてもらうと]それは… [パウロの目の前でドアを閉めて(ドアから)歩き去る])
フィービー: Oh, just look at her. [girls move toward Rachel on the balcony] (あぁ、見て彼女(のあの姿)を。[女子たちはバルコニーのレイチェルの方に向かう])
ロス: Oh, you guys, I-I really think only one of us should go out there, so she's not overwhelmed. (ねぇ(君たち)、僕はまさにこう思うんだよね、僕たちのうちの一人だけが向こうに行くべきだ、って、そうすれば彼女は圧倒されない[参ってしまわない]だろ。)
モニカ: Oh, you're right. (あぁ、それはもっともね。)
ロス: [pulls Monica back] And I really think it should be me. ([(バルコニーに行こうとする]モニカを引き戻して] そして僕はまさにこう思うんだよ、それは僕であるべきだ、って。)

ascolta はイタリア語で「聞く」を意味する動詞のようですので、英語で言うと Listen! 「聞いて!」と言っていることになるのでしょう。
How's it going? を直訳すると「it はどのように進んでいるの?」ということで、it は状況を表し、「今の状況はどんな感じで進んでるの? 今はどんな感じ?」と尋ねていることになります。

stare は「じっと見る、じろじろ見る」なので、Don’t stare. は「じろじろ見ちゃだめ」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
stare: to look at something or someone for a long time without moving your eyes
つまり、「何かや誰かを長い間見ること、目を動かすことなしに」。

「見る」を意味する動詞は英語にたくさんありますが、英英辞典の語義を調べることで、細かいニュアンスの違いを知ることができます。
今回の場合は「長時間、目を動かさずに」というのがポイントで、二人が喧嘩しているところを、見ているのが相手にわかるほど「じーっと見る」のはやめた方がいいと言っていることになります。

that is either, "How could you?" or "Enormous breasts!" について。
外のバルコニーで身振り手振りでパウロと話しているレイチェルの姿を見て、声が聞こえないので何と言っているのかわからないということで、that is either A or B 「あれはAかB(と言ってるの)ね」とモニカは言っています。
How could you! を直訳すると「あなたはどのようにして(そんな・あんなことが)できたの?」ということで、信じられないようなことをした人を非難する言葉として「よくもまあ(そんなことができたわね)、そんなことするなんて信じられない」という意味で使われます。
LAAD では、
how can/could you...? :
used when you are very surprised by something or disapprove strongly of something
例1) How can you say that about your own parents?
例2) How could you be so rude?

つまり、「何かにとても驚いている時、または何かを強く非難する時に使われる」。例文1は「自分の親についてどうしてそんなことが言えるんだ?→そんなことが言えるなんて信じられない」。例文2 は「どうしてそんなに無礼になれるんだ?→そんなに無礼だなんて信じられない」。
このロングマンの例文のように How can/could you の後に動詞が続いて「どうして〜する/〜であることが可能なんだ?」という形で使われることも多いですが、信じられないことをしたその内容が明白な場合には、具体的な動詞を省略した How could you! だけでも意味が通じるということになります。

Enormous breasts は「巨大な胸」ですから、いわゆる「巨乳」。
「よくもまあ!」とパウロを非難する時の手振りが、胸の前でのジェスチャーになっているので、見方によっては「胸が大きい」ことを示すような手振りにも見える、「パウロを非難してるようだけど、巨乳よ、と言ってるようにも見える」というジョークになります。

so heat it at 375 until the cheese bubbles について。
375度、という日本人にはピンと来ないこの温度は、自分の殻から出る フレンズ1-11改その6 で説明した「華氏(F)」です。
華氏の F は、温度単位の考案者である学者の Fahrenheit(ファーレンハイト)の頭文字。
1-11 では The high today was 45. 「今日の最高気温は(華氏)45度だった。」という形で出てきました。

「レイチェルにしたこと(レイチェルへの仕打ち)で、パウロのことを憎んでる」と言いながらも、ラザニアが余ってしまっているので、パウロに手土産として持たせ、「チーズが泡立つまで375で加熱」というレシピのような表現を使っているのが面白いです。

speak for everyone は「みんなを代弁する、みんなを代表して話す」。
when I say の後、その「みんなを代表して言いたいこと」を言うのかと思ったら、何も言わずにドアをバタンと閉めてしまいます。
shut the door in someone's face は「人の顔の前(眼前)でドアを閉める」という相手を拒絶するニュアンスが感じられる表現。
何か言うそぶりを見せながらも、何も言わなかったという面白さも感じられますが、どちらかと言うと、彼の眼前で思いっきりドアを閉めたことが、彼に対する言葉の代わり(=「もう来るな、もう二度と顔を見せるな」)だったと考える方が自然かなと思います。

overwhelmed は「圧倒される、困惑する、参る」。
LAAD では、
overwhelm : if an emotion, experience, or problem overwhelms you, it affects you so strongly that you cannot think clearly
つまり、「感情や経験や問題が自分に overwhelm するということは、それが自分に非常に強く影響を与えるため、自分が明瞭に考えることができない、ということ」。

よって、be overwhelmed は「大きなプレッシャーがかかって、物事を明瞭に考えられないようになってしまう」というようなイメージで考えるとよいでしょう。
パウロと別れた直後で動揺・混乱している時に、大勢で押しかけたらレイチェルはより混乱してしまうだろう、僕らのうちの一人だけが行けば、それを避けられる、とロスは言っていることになります。

そのロスの発言を聞いた後、モニカが一人でバルコニーに向かおうとするので、兄のロスはモニカの腕を引っ張って引き留め、And I really think... と続けます。
I really think 「僕はまさに(本当に)こう思うんだよね」というのは、「僕らのうちの一人だけが行くべき」という提案の際にも使われていましたが、その言葉の意味をわかってないのか、と言わんばかりに、また同じ表現 (And) I really think を使ったことになるでしょう。
同じフレーズで文を始めることで、先ほどの内容の続きであることが示され、「僕らのうちの一人だけが行くべき。そしてその一人というのは僕であるべき」というところまでが、僕の考えであり提案だったと強調していることになるでしょう。
「僕らのうちの誰か一人が」という発言でわかってもらえると思っていたのに、モニカがわからなかったので、はっきり言葉にして付け加えた、ということです。


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posted by Rach at 16:24| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年05月20日

破片を拾い集める→事態を収拾する フレンズ1-12改その14

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16:43
[Scene: foosball table]
シーン:フーズボールテーブル。
フィービー: I think she took it pretty well. You know, Paolo's over there right now, so.... (レイチェルはかなりよくわかってくれたと思うの。ほら、パウロはたった今、むこうにいるから…。)
モニカ: We should get over there and see if she's okay. [switching places with Ross] Just one...second. Score! [Monica scores, high-fives with Ross] (私たちはあっちに行って、レイチェルが大丈夫かどうかを確かめるべきね。[ロスと場所を交代して] あとちょっとだけ(待って)。点決まった! [モニカが点を決め、ロスとハイファイブ[ハイタッチ]をする])
ロス: Game! Nice! [or Us!] (ゲームに勝った! ナイス![or 僕らが!])
モニカ: Come on, Pheebs. [Monica and Phoebe leave] (行くわよ、フィーブス。[モニカとフィービーは去る])
ロス: [wiping his brow] Ah...ooh! Well, looks like, uh, we kicked your butts. ([額の汗をぬぐいながら] あぁ、オー! ほら、僕たちが君らを叩きのめした、って感じだね。)
ジョーイ: No, no, she kicked our butts. You could be on the Olympic "Standing There" team. (いやいや、(お前らじゃなくて)彼女(モニカ)が俺たちを叩きのめしたんだよ。お前はオリンピックの”そこに立ってるだけ”のチーム(の一員)になれるかもな。)
ロス: Come on. Two on one. (よし来い。2対1だ。)
チャンドラー: What are you still doing here? She just broke up with the guy. It's time for you to swoop in. (お前はいまだにここで何やってんだよ? 彼女(レイチェル)はたった今、あの男と別れたんだぞ。(今こそ)お前がさっと舞い降りる[颯爽と登場する]時だ。)
ロス: What, now? (何、今?)
ジョーイ: Yes, now is when you swoop. You gotta make sure that when Paolo walks out of there, the first guy Rachel sees is you. She's gotta know that you're everything he's not. You're like, like the anti-Paolo. (そうだ、お前が舞い降りるのは今だ。パウロが退場する時、レイチェルが最初に見る男がお前になるようにしなくちゃならないんだ。お前は、やつが持ってないものすべてだと[お前はやつとは全く違うってことを]彼女が知らなくちゃならないんだ。お前はまるで、まるで、アンチ(反)・パウロだよ。)
チャンドラー: My Catholic friend is right. She's distraught. You're there for her. You pick up the pieces, and then you usher in... "The Age of Ross." [Ross and Chandler look off into the distance. Joey, wondering what they are looking at, looks in the same direction] (我がカトリックの友人(の言うこと)は正しいな。彼女はひどく取り乱してる。お前は彼女のためにそこ(彼女のそば)にいるんだ。お前が事態を収拾し、それからお前が導くんだよ……「ロスの時代」に。[ロスとチャンドラーは離れたところを見る。ジョーイは、二人が何を見ているんだろうと思いながら、同じ方向を見る])

take it well は「それ・その状況を、よく受け入れる・受け止める」ということなので「よくわかる、納得する」という意味になります。
Score! は初めてフーズボール・テーブルが登場したシーンにも使われていましたが、文字通り「スコア・得点(を決めた)!」ということ。

兄妹チームが勝ち、二人は喜び合っていますが、その時のロスのセリフについて。
媒体によって英語字幕が異なっており、

DVD / Blu-ray では
Game! Us!

(以前配信されていた時の)Netflix では
Game! Nice!

と表記されていました。

音声的にはナイスに聞こえる気がするのと、「勝った、僕たちが」というようなことを言いたいのであれば、Game! Us! よりもシンプルに We won! と言いそうな気がするので、(断言はできませんが、どちらかというと)Netflix の表記の Game! Nice! が近いような気がしました。

kick someone's butt は 「人の尻を蹴る」ということから「叩きのめす、やっつける」。
そう表現したロスに対して、ジョーイは No, no, SHE kicked our butts. と she を強調して返しています。
ロスが主語を we にして、僕とモニカの二人で君らをやっつけてやった、のように表現したことに対して、「やっつけたのは she 「彼女、モニカ」であって、お前は何も勝利に貢献してないだろ」と言ったことになります。

You could be on the Olympic "Standing There" team. は「お前はオリンピックの”そこに立ってるだけ”のチーム(の一員)になれる」。
「その場に立ってるだけで何も貢献してない、って形ならオリンピックにも参加できそうだな」→「お前は勝った側のチームにいるけど、実際にはただ立ってただけだけどな」というようなことを言いたかったのだろうと思います。

Two on one. は「2対1、2人対1人(で)」。
バスケで3人対3人の「スリー・オン・スリー(3on3)」というものがあるように、「2on1」だと2人対1人になります。
モニカのおかげで勝てたみたいに言われたので、モニカが去った後、君ら二人と残った僕一人で再戦しようよということです。

What are you still doing here? は「お前はいまだにここで何やってんだよ?」。
言葉としては今やっていることを尋ねる形の疑問文ですが、今回のように非難っぽい口調で言うと、「お前は今ここでこんなことをしてる場合じゃないだろ」というニュアンスが出ます。

break up with someone は「(人)と別れる」という、恋愛における頻出表現。
It's time for you to swoop in. は「(今)お前が swoop in すべき時だ」ということですが、swoop は元々は「鳥が空から降りてきて獲物を襲う」という意味の動詞。
「急降下、急襲」のニュアンスで、パウロと別れて動揺しているレイチェルの元に、サーッと舞い降りて登場するんだよ、颯爽と現れるんだよ、と言っていることになるでしょう。

now is when you swoop は直訳通りの「今が、お前が swoop する時だ」。
少し前の It's time for you to swoop in. も含め、「今まさに〜すべき時だ」と言いたい場合には、It's time for you to do. / Now is when you do. という表現が使えるということです。

You gotta make sure that when Paolo walks out of there, the first guy Rachel sees is you. について。
make sure that SV は「間違いなく・確実にSがVする(形になる)ようにする」。
that 以下に when節が入っているので、文が長くなっていますが、「パウロがそこを出ていく時に、レイチェルが見る最初の男がお前である」という形に確実になるようにする、ということ。

She's gotta know that you're everything he's not. は everything he's not という表現を的確な日本語に訳すのが難しいと感じますが、「お前は、彼ではないすべてである」→「お前は、彼が持っていないものすべてである」、つまり「お前は(クズ男の)パウロとは全然違う男だ」ということを言っていると考えられるでしょう。

You're like, like the anti-Paolo. について。
anti- は日本語でも「アンチ」という通り、「反」という意味。
ジョーイが anti-Paolo という表現を使った後、チャンドラーは My Catholic friend is right. のように、カトリックという単語を使っています。

キリスト教に関しては、antichrist 「反キリスト」という単語があり、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では以下のように出ています。

antichrist [noun] the Antichrist also the antichrist :
the great enemy of Jesus Christ who represents the power of evil and is expected to appear just before the end of the world

つまり「悪の力を象徴し、世界の終わりの直前に現れると考えられている、イエス・キリストの大敵」。

anti- という言葉自体は、「反対、敵対」の意味で、様々な単語と結びつく接頭辞ですが、今回、チャンドラーがカトリックについて言及したのは、Paolo という名前も関係しているかもしれない、と思ったりしました。

今回のフレンズのエピソードが放映されたのは1995年ですが、その当時のローマ教皇(法王、Pope)はヨハネ・パウロ2世でした。
ローマ教皇はローマ・カトリック教会の首長であり、ヨハネ・パウロ2世は英語表記だと John Paul II となりますが、イタリア語表記だと Giovanni Paolo II となります。
ジョーイが Anti-Paolo と表現したことが、「Anti-Christ のキリストを、ローマ教皇の名前パウロで置き換えた」という連想が働いて、チャンドラーは「カトリック」という言葉を使ったのかな、と思ったということです。

distraught は「ひどく取り乱した、錯乱状態の」。
LAAD では、
distraught : so anxious or upset that you cannot think clearly
例)He was distraught over the breakup of his marriage.

つまり「非常に心配したり動揺したりして、明瞭に考えることができない」。例文は「彼は自分の結婚の破綻にひどく取り乱していた」。

ロングマンの例文も、人間関係の breakup について語られているように、人と別れた時の動揺を表現するのに適した言葉だということになるでしょう。

You're there for her. は「お前は彼女のためにそこにいてやるんだ」。
フレンズのおなじみのオープニングテーマ(テーマソング)は、ザ・レンブランツ(The Rembrandts)の I'll Be There for You ですが、それと同じ形です。
歌のタイトルの I’ll be there for you. は「君のためにそこにいてあげるよ」という意味。

pick up the pieces は直訳で「破片を拾い集める」ことから、「事態などを収拾する、後始末をする」という意味になります。
LAAD では、
pick up the pieces (of something) :
if you pick up the pieces of a business, relationship etc. that has had serious problems, you try to make it work again

つまり「深刻な問題が起こったビジネスや(人間)関係などの破片を拾い上げるというのは、それがもう一度うまく行くように頑張るということ」。

壊れてバラバラになった破片を拾い集める、という表現が、問題が起こってしまった事態を元通りに収拾する、という意味になるのは、イメージ湧きやすいなと思います。

usher in は「〜の到来を告げる」。
今回の usher は動詞ですが、名詞では「(劇場などの)案内係」という意味になります。
過去記事、俺と契約したいんだな フレンズ1-6改その7 では、
チャンドラー: the usher gave me this to give to you. (お前に渡してくれって、案内係が俺にこれをくれたんだ。)
というセリフで、名詞「案内係」として使われていました。
usher が人を招き入れるように「〜を案内して通す」という意味から「〜の到来を告げる」という意味になったわけです。
usher in a new era なら「新しい時代の到来を告げる」となります。

「ロスの時代」と言いながら、お芝居風に遠くを眺めるチャンドラーとロス。
二人の様子を見たジョーイが「一体何見てんの?」というように、同じ方向を見るのが、フレンズっぽくて面白いです。


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posted by Rach at 16:38| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年03月26日

How did I not see this? の not の位置 フレンズ1-12改その13

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15:29
レイチェル: I’m so sorry. (本当にごめんなさい。)
フィービー: No, I’m sorry. (いいえ、私の方こそごめんなさい。)
レイチェル&フィービー: No, I' m sorry! (私の方こそごめんなさい!)
フィービー: No, wait, oh, what are we sorry about? (いえ、待って、あぁ、私たちは何のことで謝ってるの?)
レイチェル: I don't know. Right. He's the pig. (わからない。そうだわ。あいつがブタ(野郎)なのよ。)
フィービー: Such a pig! (本当にブタ(野郎)だわ!)
レイチェル: Oh, God, he's such a pig! (あぁ、なんてこと、あいつは本当にブタ(野郎)よ!)
フィービー: Oh, he's like a... (あぁ、あいつはまるで…)
レイチェル: He's like a big disgusting... (あいつはまるで超むかつく…)
フィービー: ...like a... (…みたいな…)
レイチェル: ...pig...pig man! (…ブタ…ブタ男よ!)
フィービー: Yes, good! Okay. (そうね、うまい! そうよ。)
レイチェル: [voice wavers] Oh, but he was my pig man! How did I not see this? ([声が揺らぐ] あぁ、でもあいつは私のブタ男だったわ! どうして私にはこのことがわからなかったの?)
フィービー: [raises hand] Oh, I know! [Rachel startled] Because... he's gorgeous. And he's charming. And when he looks at you... ([手を挙げて] あぁ、わかった! [レイチェルがびっくりする] なぜなら…彼がかっこいいから。それに彼はチャーミングで。そして彼があなたを見る時には…)
レイチェル: Okay, Okay, Pheebs... (わかった、わかった、フィーブス…)
フィービー: The end. (ジ・エンド(おしまい)。)
レイチェル: Oh, God! (なんてこと。)
フィービー: Should I not have told you? (あなたに話さないべきだった?[話さないほうが良かった?])
レイチェル: No. No, trust me, it's, it's, it's much better that I know. Uh, I just liked it better before. It was better. (いいえ、信じて、知る方が(知らないより)ずっといいわ。あぁ、ただ、前の状況[状態]の方が、もっと好きだったけど。前の方がもっと良かった。)
[Phoebe scoots her chair over to Rachel and hugs her]
フィービーは椅子をレイチェルの方に動かして、レイチェルをハグする。

お互いが「ごめんなさい」とさんざん謝り合った後、フィービーは what are we sorry about? 「私たちは何のことで謝ってるの?」と言い、悪いのは私たちじゃなく、あいつだわ、と、今度はパウロを非難し合う言葉に変わります。

pig は「ブタ」で、日本でも(ブタさんには申し訳ないですが)「ブタ」は悪口としてよく使われます。
この英語の pig も「最低な男」というニュアンスで使われています。
アカデミックな辞典である LAAD (Longman Advanced American Dictionary) にもちゃんとその意味が載っていて、

pig : (spoken) someone who behaves in an unpleasant way toward other people
例)You're a selfish pig.

つまり「(口語)他の人々に対して不愉快な行動をする人」。

LAAD ではこの語義の下に male chauvinist pig という表現が参照されていました。
chauvinist は「同属偏愛・優越の排他主義者」のことで、「自分の国や民族が他より優れていると考える愛国主義者」や「女性より男性が優れていると考える女性蔑視主義者」を指します。
よって male 「男性の」という形容詞がついた male chauvinist は「男性優越・女性蔑視主義者」という意味に限定されることになります。

ドラマ「アリーmy Love(原題:Ally McBeal)」でも、"Male chauvinist pig!" 「男尊女卑のブタ!」と男性をののしるセリフがよく出てきており、そのドラマ特有の表現かと思っていたのですが、このようにアカデミックな辞書に載っているような一般的な表現なのですね。
pig は、そのような悪口との組み合わせに使われる単語だということです。

レイチェルの How did I not see this? は「どうして(どのようにして)私にはこのこと(彼がブタ野郎だということ)がわからなかったの?」。
日本人が一般的にイメージする否定疑問文だと
How didn't I see this?
という形になりそうな気がしますが、それと今回の How did I not see this? は、文の意味としてはほぼ同じです。
didn't という短縮形よりも did not のように not を単独で使った方が否定の意味が明確になるのと同様に、今回のセリフ How did I not see this? も How didn't I see this? よりも否定の意味がより強調された形となります。
not see のように否定語と動詞がくっついていることで「わからない、見えない」という「see という動詞を否定」していることが、より明確に伝わることになるでしょう。
そのニュアンスの違いを、無理やり日本語に出そうとすると、
How did I not see this? 「どうして”これがわからない”ということがあったの?」
How didn't I see this? 「どうして”これがわかる”ということがなかったの?」
となるでしょうか。
「これが”わからない”なんてどうして?」の方が、「わからなかった自分に対するいら立ち」が強調されるということです。

gorgeous は「ゴージャス」ですが、ここでのニュアンスは「(人が)素敵な、魅力的な」という意味。
LAAD では、
gorgeous [adjective] (informal) : extremely beautiful or attractive
つまり「極めて美しい、または魅力的な」。

彼がブタ野郎だという本質をわからなかったのも無理はない、とでもいうように、「ゴージャス(素敵)でチャーミングで、彼があなたを見る時には…」とさらに彼の素敵さを語ろうとしたフィービーですが、先ほど「ブタ野郎」とけなしていたばかりのあいつのことをそんなに褒めないでよと言いたげにレイチェルはフィービーを制し、フィービーも「ジ・エンド(おしまい)」と言って褒めるのをやめます。

Should I not have told you? も先ほど解説した How did I not see this? と同じように、not が動詞の方にくっついている形。
先ほどと同様に比較してみると、
Should I not have told you? 「あなたに話さないべきだった?」
Sholdn't I have told you? 「あなたに話すべきではなかった?」
という違いになるでしょうか。
今回のセリフの形の方が、私がすべきことは「話さない」ということだった? のように「話さない」という動詞 tell の否定であることをより強調していると言えるでしょう。
話したことでレイチェルを傷つけてしまったことに罪の意識を感じている様子が、より感じられる気がします。

it's, it's, it's much better that I know. Uh, I just liked it better before. It was better. 「知る方が(知らないより)ずっといいわ。あぁ、ただ、前の状況[状態]の方が、もっと好きだったけど。前の方がもっと良かった」について。

それぞれの it の指すものですが、まず、it's much better that I know. の it は、it = that I know ということ。
It's much better that I know. の that I know は、that 節 (名詞節)で「私が知ること」。
That I know is much better. 「私が知ることはずっと良い(ベターである)」の that 節を後ろに回して、それを形式主語の it にした構文が、レイチェルのセリフになります。

そして、2番目の liked it の方ですが、この it は、「状況」を漠然と指している感覚でしょう。
like it better before は「前の方がより好きだった」ということになるでしょうか。その後の、It was better. も、過去のその時の「状況」を指していると思われ、「あの時の方が、より良かった」ということになるでしょう。

つまり、レイチェルのこのセリフは、「フィービーが真実を教えてくれて良かった」と客観的に自分に言い聞かせながらも、でも知らなかった時の状況(it before)が、like better 「(知った後の今の状況)より好きである」→「前の知らなかった時の方が良かった」と自分の正直な気持ちを主観的に述べていることになると考えられます。

それぞれ何を比較しているかと言うと、
パウロがフィービーに手を出したことについては、知らないよりも知る方が良かった、知って良かった、教えてくれて良かった。
ただ、状況としては、知ってしまった今よりも、知らなかった昔の方が良かった、幸せだった。
ということになります。


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posted by Rach at 18:43| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする