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21:54
END CREDITS [Scene: foosball table]
エンドクレジット [シーン:フーズボール・テーブル]
モニカ: Yes! And that would be a shutdown! (よし! そしてそれでシャットダウンね!)
ジョーイ&チャンドラー: Shutout! ((それを言うなら)シャットアウトだ!)
モニカ: Where are you guys going? Come on, one more game! (あなたたちどこに行くの? ねぇ、もう1ゲームしましょうよ!)
ジョーイ: Uh, it's 2:30 in the morning. (あぁ、朝の2時半だぞ。)
チャンドラー: Yeah. Get out! (そうだ、出ていけ!)
モニカ: You guys are always hanging out in my apartment. Come on, I'll only use my left hand, huh? Come on, wussies! [Joey and Chandler pick her up] All right! Okay! I gotta go! I'm going. [they throw her out] And I'm gone. (あなたたちは、いっつも私のアパートメントで遊んで[たむろして]ばかりいるのに。ねぇ、左手だけを使うから、ね? ほら、弱虫くんたち! [ジョーイとチャンドラーはモニカを持ち上げる] いいわ! わかった! 出て行くわ[出て行かなくちゃね]。(ほら)出て行ってるとこ。[二人はモニカを放り出す] そして私は出て行った。)
チャンドラー: One more game? (もう1ゲーム(する)?)
ジョーイ: Oh, yeah! (あぁ、そうだな!)
モニカが shutdown と言った後、男子二人が shutout と返しています。
勝ち誇るモニカに対し、同じ shut という単語を使って「黙れ!」と言っているように聞こえなくもないですが、まず、「黙れ!」という意味であれば、Shut up!(日本語でも「シャラップ」として使われるもの)になるでしょう。
さらに、DVD英語字幕では、
And that would be a shutdown!
Shutout!
となっており、Shut out! という命令形ではなく、shutout という1語の名詞として表記されています。
また、(以前配信されていた)Netflix の字幕では、
And that would be a shut-down.
(together) Shut-out!
のようにどちらもハイフンの入った名詞として表記されていました。
DVD の a shutdown / shutout
Netflix の a shut-down / shut-out
という「二つの名詞が対比されたような表記」から判断するに、「黙れ!」という意味の命令形ではなく、モニカの使った間違った言葉を訂正した、ということなのかなと思いました。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) での shut-down と shut-out の意味を見ておくと、
shut-down [noun]
1. the act of stopping a factory, business etc. from operating
2. an occasion when a large machine, computer, or other piece of equipment stops operating
つまり「1. 工場やビジネスの操業を停止するという行為。2. 大きな機械、コンピューター、他の機器が操作を停止するという出来事」。
shut-out [noun]
a sports game in which one team prevents the other from getting any points
つまり「あるチームが、相手チームの得点を阻止する、スポーツの試合」。
シャットダウンとシャットアウトの違いについては、カタカナ英語のニュアンスがほぼ正しいようで、
シャットダウンは「工場などの閉鎖、機械やパソコンなどの電源を切ること」
シャットアウトは「(野球などの)完封」
という理解で良いかと思います。
英英辞典を見ても、shut out に「話をやめる、黙る」のような意味は載っていないので、意味から考えても、ここは「黙れ!」という意味ではないと思いました。
もしも、このやり取りが、
モニカ : And that would be a "shutout"!
ジョーイ&チャンドラー: Shut "up"!
になっていたとしたら、
「それでシャットアウトね!」
「黙れ!」
となり、同じ単語 shut を使って「言い返した」ということになったのかなと思います。
勝てて嬉しいモニカは、もう1ゲームやろうと言いますが、ジョーイの発言から朝(夜中)の2時半だということがわかります。
get out は「外に出る」なので、Get out! は「出ていけ!」というキツい命令形の言葉。
You guys are always hanging out in my apartment. について。
are always hanging out という「always+現在進行形」が使われていますが、この「always+現在進行形」は「いつも〜してばかりいる」という話者のいらだちを表現することができます。
hang out は「時を過ごす、ブラブラする」という意味。
フレンズたちのような大人が、友達と一緒に時間を過ごす、という意味でも hang out はよく使われます。
LAAD では、
hang out : (informal) to spend a lot of time in a particular place or with particular people.
つまり、「ある場所で、またはある人々と一緒に、多くの時間を過ごすこと」。
「(大人が)友達と遊ぶ」というようなニュアンスですね。
「遊ぶ」と聞くと、play という動詞が頭に浮かぶ方も多いと思いますが、英語の play だと子供たちがワーイと遊ぶニュアンスになりますので、「大人が友達と一緒に時間を過ごす」という意味の「遊ぶ」はこの hang out を使う、ということを覚えておきましょう。
モニカとしては「しょっちゅう私の部屋に来て、長い時間遊んでるくせに、私にはすぐに出ていけって言うの?」という気持ちがあって、このように言ったのでしょう。
I'll only use my left hand 「左手だけを使うわ」は、利き手の右手は封印するから、ということ。
wussies は wuss の複数形で、wuss は「弱虫、泣き虫、意気地なし、根性なし」という意味。
「いつも私の部屋で遊んでるくせに。利き手は封印してあげるわよ、弱虫さん」と言いたいことを言うモニカに対し、男子二人は黙ってモニカの両腕を抱え、部屋から連れ出します。
I gotta go! I'm going. And I'm gone. について。
go は「行く」で、この場合は「この部屋から外に出る」という感覚。
I gotta go! は、I have to go! ということで「部屋を出なきゃ」。
友達などと話していて「そろそろ行かなくちゃ」という時によく使われる言葉で、今回は「あなたたちが連れ出そうとするのなら、行くわ・帰るわ」という、意志を表す言葉として使っているのでしょう。
I'm going. という現在進行形は「今、部屋を出ているところよ、部屋を出つつあるわ」。
I'm gone. の gone は、go の過去分詞形が形容詞になったもので「去った、いなくなった」。
よって、I'm gone. は「私は去った、いなくなった、(部屋から)出てしまった」という感覚。
むりやり部屋から連れ出されたので、その様子を客観的に実況中継しているような表現になっているのが面白いと思います。
モニカを外に出した後、チャンドラーが One more game? と言っています。
モニカが Come on, one more game! と同じことを言った時は断り、「朝の2時半だ」とも言っていましたが、二人ともまだまだゲームはやりたい、ただモニカに一方的にやられるのが嫌だっただけ、ということがわかるエンディングも楽しいです。
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2024年05月07日
2024年02月18日
みんなが〜みたいな男になるわけじゃない フレンズ1-12改その17
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20:27
[Scene: inside girls' apartment]
シーン:女子のアパートメントの中
モニカ: Ooh... hey, honey, are you all right? (あぁ…ねぇ、大丈夫?)
レイチェル: Oh... (あぁ…)
フィービー: You okay? (大丈夫?)
レイチェル: Medium. Hmm. Any cookies left? (ミディアム(中くらい)よ。クッキーは残ってる?)
フィービー: Yep! (ええ!)
ロス: See, Rach, uh, see, I don't think that swearing off guys altogether is the answer. I really don't. I think what you need is to develop a more sophisticated screening process. (ねぇ、レイチェル、ほら、完全に男を断つと誓うことが答えだとは僕は思わないな。本当にそうは思わない。君が必要なことはもっと精巧な選考過程を発展させることだと思うよ。)
レイチェル: No, no. I just need to be by myself for a while, you know? I just gotta figure out what I want. (いいえ、違うわ。私はただ、しばらくの間、一人きりになる必要があるだけなの。自分が望むものを見つけ出さないといけないのよ。)
ロス: Uh, no, no. See, because not... not all guys out there are gonna be a Paolo. (あぁ、いや、そうじゃないよ。ほら、だって、世間の男がみんな、パウロみたいな男になるわけじゃないんだから。)
レイチェル: No, I know. I know. And I'm sure your little boy's not gonna grow up to be one. (なるわけじゃないわね、(それは)わかってる、わかってるわ。それに、あなたのちっちゃな男の子が大きくなってあんな風にならないっていうことも確信してるし。)
ロス [astonished]: What? ([驚いて] 何だって?)
レイチェル: What? (何?)
ロス: I-I'm, I'm having a boy? (僕には男の子が生まれるの?)
レイチェル: Uh... no. No, no. In fact, you're not having a boy. (あー、違う違う違う。実際、あなたには男の子が生まれるわけじゃないわ。)
ロス: Oh, I'm having, I'm having a boy. [babbling] Huh, am I having a boy? (あぁ、僕には、僕には男の子が生まれるんだ。[不明瞭にぶつぶつ言う] あー、僕には男の子が生まれるの?)
女子たち: You're having a boy! [Monica runs over and hugs Ross] (あなたには男の子が生まれるわ! [モニカが走ってきてロスにハグする])
ロス: I'm having a boy! Oh, I'm having a boy! (僕には男の子が生まれるんだ! あぁ、僕には男の子が生まれるんだ!)
[Joey & Chandler run in]
ジョーイとチャンドラーが走って入ってくる。
ジョーイ&チャンドラー: What is it? (一体なんだ?[どうしたんだ?])
ロス: I'm having a boy! I-I'm having a boy! (僕には男の子が生まれるんだ! 僕には男の子が生まれるんだよ!)
ジョーイ&チャンドラー: We already knew that! [they hug] (そのことを俺たちはすでに知ってたけどな! [彼らはハグする])
ロス: I'm having a son. Um.... (僕には息子ができるんだ。あぁ…)
[Ross looks scared]
ロスは動揺した顔をする。
I don't think that swearing off guys altogether is the answer. について。
swear off は「〜をやめると誓う、誓って〜を断つ」。
swearは「誓う」、offは「分離」を表すので、「自分が〜から離れることを誓う」ということから、そのような意味になるわけです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
swear something off, swear off something [phrasal verb]
to promise to stop doing something thatis bad for you
例)I'm swearing off alcohol after last night!
つまり、「(句動詞)自分にとって悪いことを行うことをやめると約束すること」。例文は「昨日の晩から、アルコール断ちをしてるんだ!」
altogether は副詞で「完全に、すっかり、全く」。
LAADでは、
altogether : a word meaning "completely" or "thoroughly," that is used to emphasize what you are saying
つまり「completely(完全に)や thoroughly(徹底的に)を意味する単語で、自分が言っていることを強調するために使われる」。
「もう男はこりごり、そばに寄るのも嫌」と言ったレイチェルに対して、「完全に男断ちをすることが答えだとは思えないよ」「男断ちをすることが答えじゃないと僕は思うよ」と言っていることになります。
男にうんざりしてるのはわかるけど、全ての男を拒否るっていうのはどうかと思う、と表現することで、自分が男として拒否られてしまう可能性を否定しようとしているのがわかります。
I really don't. について。
not という否定語の前に really が来ているので、not という否定を強調していますことになります。
つまり、I really don't think ... ということで、「本当に、そうは思わない」と、「思わない」ことを強調しているわけです。
I don't really think ... という語順なら、not really 「それほど〜ではない」とやんわり否定する形となり、否定の度合いを下げることになります。
そのような not の位置による意味の違いに注意しましょう。
develop a more sophisticated screening process は「もっと精巧な審査過程を開発する」。
sophisticated は「洗練された」と訳されることが多いですが、それ以外に、機械や技術に関して「精巧な、高機能・高性能の」という意味でも使われます。
screening process は「審査過程、選考過程」。
screen はいわゆる「スクリーン」ですが、その「遮蔽物(しゃへいぶつ)」という意味から、動詞では「〜を遮る(さえぎる)、遮断する」という意味になります。
また「(穀物など)をふるい分ける、ふるいにかける」という意味から、「(候補)をふるいにかける、審査・選抜する」という意味にもなるわけです。
LAADでは、
screen [verb, transitive]
to find out information about people in order to decide whether you can trust them or whether they are the right people to work for you
つまり、「人々に関する情報を見つけること、その人を信頼できるかどうか、またはこちらのために働くのに最適な人かどうかを決めるために」。
男が全部だめなんじゃなくて、今回はたまたま変な男を選んでしまっただけだ、もっときちんと見極める方法を見つければいいだけだ、男を見る目を養えばいいだけだ、と説得していることになります。
そういう内容を、お堅いイメージの単語を使って表現しているところがロスらしいと言える気がしました。
by oneself は「自分だけで、一人(ぼっち)で」。
figure out は「(答えなど)を見つけ出す」。
gotta = got to = have got to = have to で、「〜しなければならない」を意味する口語。
not all は部分否定で「すべての〜が…とは限らない」。
out there を直訳すると「外のあちらでは」という感覚ですが、これは「外の世界の、世間にいる、世の中の(全ての男たちが)」のような意味になります。
a Paolo のように人名であるパウロに不定冠詞の a が付いていますが、このような「a+固有名詞」で「〜のような人」という意味になります。
a Paolo だと「パウロのような男(somebody like Paolo、a guy like Paolo)」という意味になるわけです。
I'm sure your little boy's not gonna grow up to be one. について。
one はその前に出てきた「可算名詞」の代わりに使う代名詞。
この場合は a Paolo (= a guy like Paolo) の代わりに使っていることになります。
「男がみんなパウロみたいになるわけじゃない」と言われて、「そんなことわかってるわ、あなたの小さな boy だって、あんなパウロみたいなやつにはならない…」と、つい、ロスの赤ちゃんの性別(boy)を言ってしまった、という流れです。
モニカが目を丸くし、レイチェルもやばいという表情になって、観客からもオーというため息が聞こえます。
I'm having a boy? を直訳すると、「僕は男の子を持つことになるの?」。
「僕には息子が出来るの?」「息子が生まれるの?」「生まれてくる子は男の子なの?」というニュアンス。
確定している近い将来の予定を表す現在進行形です。
I'm having a baby in March. だと「3月に赤ちゃんが生まれるんだ」となります。
We already knew that! について。
赤ちゃんは男の子だー!と騒ぐロスたちと一緒に喜んだ後、「俺たちは、もうそのこと知ってたけどね!」と言っています。
わかってたけど、でもみんなが盛り上がっているから一緒に盛り上がってみたよ、というところでしょう。
ここまでずっと I'm having a boy. と表現していたロスですが、このシーンの最後だけ、I'm having a son. と言っています。
あえて違いを出すとすると「生まれてくるのは男の子」と「僕には息子ができる」のような違いになるでしょうか。
他のみんなは知っているのに、ロスだけが「生まれるまでは性別を知りたくない」と言って、知ることを拒否していましたが、性別が男子だとわかった後、 I'm having a boy. と言っていました。
男か女かという点においては男だとわかった、ということで、そう連呼していたわけですが、それまでの性別がどちらかということで頭がいっぱいだった時の「生まれてくる子は男の子」という段階を超えて、「僕には”息子”ができる」→「そして自分は父親になる」という事実に改めて気づいた、というのが、このラストシーンのロスの表情なんだろうなと思いました。
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20:27
[Scene: inside girls' apartment]
シーン:女子のアパートメントの中
モニカ: Ooh... hey, honey, are you all right? (あぁ…ねぇ、大丈夫?)
レイチェル: Oh... (あぁ…)
フィービー: You okay? (大丈夫?)
レイチェル: Medium. Hmm. Any cookies left? (ミディアム(中くらい)よ。クッキーは残ってる?)
フィービー: Yep! (ええ!)
ロス: See, Rach, uh, see, I don't think that swearing off guys altogether is the answer. I really don't. I think what you need is to develop a more sophisticated screening process. (ねぇ、レイチェル、ほら、完全に男を断つと誓うことが答えだとは僕は思わないな。本当にそうは思わない。君が必要なことはもっと精巧な選考過程を発展させることだと思うよ。)
レイチェル: No, no. I just need to be by myself for a while, you know? I just gotta figure out what I want. (いいえ、違うわ。私はただ、しばらくの間、一人きりになる必要があるだけなの。自分が望むものを見つけ出さないといけないのよ。)
ロス: Uh, no, no. See, because not... not all guys out there are gonna be a Paolo. (あぁ、いや、そうじゃないよ。ほら、だって、世間の男がみんな、パウロみたいな男になるわけじゃないんだから。)
レイチェル: No, I know. I know. And I'm sure your little boy's not gonna grow up to be one. (なるわけじゃないわね、(それは)わかってる、わかってるわ。それに、あなたのちっちゃな男の子が大きくなってあんな風にならないっていうことも確信してるし。)
ロス [astonished]: What? ([驚いて] 何だって?)
レイチェル: What? (何?)
ロス: I-I'm, I'm having a boy? (僕には男の子が生まれるの?)
レイチェル: Uh... no. No, no. In fact, you're not having a boy. (あー、違う違う違う。実際、あなたには男の子が生まれるわけじゃないわ。)
ロス: Oh, I'm having, I'm having a boy. [babbling] Huh, am I having a boy? (あぁ、僕には、僕には男の子が生まれるんだ。[不明瞭にぶつぶつ言う] あー、僕には男の子が生まれるの?)
女子たち: You're having a boy! [Monica runs over and hugs Ross] (あなたには男の子が生まれるわ! [モニカが走ってきてロスにハグする])
ロス: I'm having a boy! Oh, I'm having a boy! (僕には男の子が生まれるんだ! あぁ、僕には男の子が生まれるんだ!)
[Joey & Chandler run in]
ジョーイとチャンドラーが走って入ってくる。
ジョーイ&チャンドラー: What is it? (一体なんだ?[どうしたんだ?])
ロス: I'm having a boy! I-I'm having a boy! (僕には男の子が生まれるんだ! 僕には男の子が生まれるんだよ!)
ジョーイ&チャンドラー: We already knew that! [they hug] (そのことを俺たちはすでに知ってたけどな! [彼らはハグする])
ロス: I'm having a son. Um.... (僕には息子ができるんだ。あぁ…)
[Ross looks scared]
ロスは動揺した顔をする。
I don't think that swearing off guys altogether is the answer. について。
swear off は「〜をやめると誓う、誓って〜を断つ」。
swearは「誓う」、offは「分離」を表すので、「自分が〜から離れることを誓う」ということから、そのような意味になるわけです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
swear something off, swear off something [phrasal verb]
to promise to stop doing something thatis bad for you
例)I'm swearing off alcohol after last night!
つまり、「(句動詞)自分にとって悪いことを行うことをやめると約束すること」。例文は「昨日の晩から、アルコール断ちをしてるんだ!」
altogether は副詞で「完全に、すっかり、全く」。
LAADでは、
altogether : a word meaning "completely" or "thoroughly," that is used to emphasize what you are saying
つまり「completely(完全に)や thoroughly(徹底的に)を意味する単語で、自分が言っていることを強調するために使われる」。
「もう男はこりごり、そばに寄るのも嫌」と言ったレイチェルに対して、「完全に男断ちをすることが答えだとは思えないよ」「男断ちをすることが答えじゃないと僕は思うよ」と言っていることになります。
男にうんざりしてるのはわかるけど、全ての男を拒否るっていうのはどうかと思う、と表現することで、自分が男として拒否られてしまう可能性を否定しようとしているのがわかります。
I really don't. について。
not という否定語の前に really が来ているので、not という否定を強調していますことになります。
つまり、I really don't think ... ということで、「本当に、そうは思わない」と、「思わない」ことを強調しているわけです。
I don't really think ... という語順なら、not really 「それほど〜ではない」とやんわり否定する形となり、否定の度合いを下げることになります。
そのような not の位置による意味の違いに注意しましょう。
develop a more sophisticated screening process は「もっと精巧な審査過程を開発する」。
sophisticated は「洗練された」と訳されることが多いですが、それ以外に、機械や技術に関して「精巧な、高機能・高性能の」という意味でも使われます。
screening process は「審査過程、選考過程」。
screen はいわゆる「スクリーン」ですが、その「遮蔽物(しゃへいぶつ)」という意味から、動詞では「〜を遮る(さえぎる)、遮断する」という意味になります。
また「(穀物など)をふるい分ける、ふるいにかける」という意味から、「(候補)をふるいにかける、審査・選抜する」という意味にもなるわけです。
LAADでは、
screen [verb, transitive]
to find out information about people in order to decide whether you can trust them or whether they are the right people to work for you
つまり、「人々に関する情報を見つけること、その人を信頼できるかどうか、またはこちらのために働くのに最適な人かどうかを決めるために」。
男が全部だめなんじゃなくて、今回はたまたま変な男を選んでしまっただけだ、もっときちんと見極める方法を見つければいいだけだ、男を見る目を養えばいいだけだ、と説得していることになります。
そういう内容を、お堅いイメージの単語を使って表現しているところがロスらしいと言える気がしました。
by oneself は「自分だけで、一人(ぼっち)で」。
figure out は「(答えなど)を見つけ出す」。
gotta = got to = have got to = have to で、「〜しなければならない」を意味する口語。
not all は部分否定で「すべての〜が…とは限らない」。
out there を直訳すると「外のあちらでは」という感覚ですが、これは「外の世界の、世間にいる、世の中の(全ての男たちが)」のような意味になります。
a Paolo のように人名であるパウロに不定冠詞の a が付いていますが、このような「a+固有名詞」で「〜のような人」という意味になります。
a Paolo だと「パウロのような男(somebody like Paolo、a guy like Paolo)」という意味になるわけです。
I'm sure your little boy's not gonna grow up to be one. について。
one はその前に出てきた「可算名詞」の代わりに使う代名詞。
この場合は a Paolo (= a guy like Paolo) の代わりに使っていることになります。
「男がみんなパウロみたいになるわけじゃない」と言われて、「そんなことわかってるわ、あなたの小さな boy だって、あんなパウロみたいなやつにはならない…」と、つい、ロスの赤ちゃんの性別(boy)を言ってしまった、という流れです。
モニカが目を丸くし、レイチェルもやばいという表情になって、観客からもオーというため息が聞こえます。
I'm having a boy? を直訳すると、「僕は男の子を持つことになるの?」。
「僕には息子が出来るの?」「息子が生まれるの?」「生まれてくる子は男の子なの?」というニュアンス。
確定している近い将来の予定を表す現在進行形です。
I'm having a baby in March. だと「3月に赤ちゃんが生まれるんだ」となります。
We already knew that! について。
赤ちゃんは男の子だー!と騒ぐロスたちと一緒に喜んだ後、「俺たちは、もうそのこと知ってたけどね!」と言っています。
わかってたけど、でもみんなが盛り上がっているから一緒に盛り上がってみたよ、というところでしょう。
ここまでずっと I'm having a boy. と表現していたロスですが、このシーンの最後だけ、I'm having a son. と言っています。
あえて違いを出すとすると「生まれてくるのは男の子」と「僕には息子ができる」のような違いになるでしょうか。
他のみんなは知っているのに、ロスだけが「生まれるまでは性別を知りたくない」と言って、知ることを拒否していましたが、性別が男子だとわかった後、 I'm having a boy. と言っていました。
男か女かという点においては男だとわかった、ということで、そう連呼していたわけですが、それまでの性別がどちらかということで頭がいっぱいだった時の「生まれてくる子は男の子」という段階を超えて、「僕には”息子”ができる」→「そして自分は父親になる」という事実に改めて気づいた、というのが、このラストシーンのロスの表情なんだろうなと思いました。
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2023年12月03日
I've been better. フレンズ1-12改その16
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19:09
[Scene: balcony where Ross has climbed through the window]
シーン:バルコニー、そこにロスが窓を通り抜けて入ってくる。
ロス: Hey. (やあ。)
レイチェル: Hey. (はい。)
ロス: You all right? (大丈夫?)
レイチェル: Oh, I've been better. (あぁ、あまり気分[調子]はよくないわ[前の方が良かったわ]。)
ロス: Come here. [he hugs Rachel] Listen, you deserve so much better than him. You know, I mean, you, you, you should be with a guy who knows what he has when he has you. (おいで。[ロスはレイチェルをハグする] ねぇ、君は彼なんかよりもっといい男が似合うよ。ほら、つまり、君は、君を彼女にしている時に自分が持っているものが何かをわかっている男と一緒にいるべきなんだ。)
レイチェル: Oh, Ross. (あぁ、ロス。)
ロス: What? (何?)
レイチェル: I’m so sick of guys! I don't want to look at another guy. I don't' want to think about another guy, I don't even want to be near another guy. (私は男にはうんざりよ! もう(これ以上)他の男は見たくない。他の男のことは考えたくない、他の男のそばにすらいたくないわ。)
ロス: [Ross crosses arms] Huh. ([ロスは腕組みをする]そうか。)
レイチェル: Oh, Ross, you're so great. (あぁ、ロス、あなたは最高よ。)
ロス: Ohhhh. [hugs her & sighs] (あーあ。[レイチェルをハグしてため息をつく])
You all right? 「大丈夫?」と聞かれたレイチェルは、Oh, I've been better. と返しています。
better 「より良い」という単語が入っているので「気分・調子が良い」という意味に勘違いしてしまいそうですが、この I've been better. というのは「気分や調子が良くない時」に使う決まり文句です。
I've been better. は I have been better. という、これまでの「経験」を表す現在完了形となっており、直訳すると「これまでにもっと良い状態だったことがある」ということ。
つまり「前の方が気分・調子は良かった」と表現することで、今はあまり気分が良くないということを、bad などのダイレクトに「悪い」を意味する単語を使わずに婉曲に表現できるということです。
今回の場合も「大丈夫?」に対して「あまり良くない」と返事したことから、ロスは慰めようとして Come here. と言ってハグをする流れになります。
今回の I've been better. のような比較級が使われている表現は、反語的な意味で使われることも多く注意が必要ですので、ここでいくつか見ておきましょう。
今回と同じような気分を聞かれた時の表現 Couldn't be better. は「これ以上よくなることはない」ということから「最高だ、絶好調だ」という意味になります。
I've seen better. という表現だと、「私は(これまでに)もっといいものを見たことがある」→「今、見ているものは最高ってほどでもない、さほどでもない」という、軽い「けなし言葉」のニュアンスになります。
you deserve so much better than him. は 「君は彼よりももっとずっと素晴らしい男性がふさわしいよ」。
deserve は「〜の価値がある、〜がふさわしい」。
deserve は良い意味、悪い意味のどちらの場合も使われ、悪人が悲惨な状況になっている場合に、"You deserved it." 「お前には当然の報いだ。自業自得だよ」という風に使ったりもします。
You should be with a guy who knows what he has when he has you. について。
he has you を直訳すると「彼が君を持っている」となりますが、これは「彼が君を彼女(恋人)にしている、彼に君のような彼女がいる」というニュアンス。
それを踏まえてこの長い文を訳すと「君という彼女がいる時に、自分が持っているもの(君という彼女)が何であるかをわかっているような男と一緒に君はいるべきなんだ」となるでしょう。
who, what, when と続く文章ですが、前から順番に訳すと、
「君は、こういう男性と一緒にいるべきだ。(それはどういう男性かと言うと)自分が持っているものが何かを知っている男だ、その彼が君という恋人を持っている時に」となります。
つまり、レイチェルを彼女にしている時に、彼女であるレイチェルがどんなに素晴らしい女性かということをわかっている。自分はこんなに素敵な恋人を持っているんだということをしっかりわかっている男と一緒にいるべきだ、ということです。
パウロは、レイチェルという身に余る恋人を持ちながら、レイチェルの友人であるフィービーにちょっかいをかけた、そんな男は君とは釣り合わないよ、レイチェルの素晴らしさをわかっていなかった男だよ、と言ったことになります。
「レイチェルの素晴らしさや素敵さをわかっている男と一緒にいるべきだ」というのは、僕にはそれがよくわかっているという、ロス自身のアピールでもあったでしょう。
誰かとひどい別れ方をした後、いつもそばにいて自分のことを理解し想ってくれている男性に心が動く、というのはよくあるパターンで、レイチェルがこのロスの感動的なセリフを聞いて Oh, Ross. と言った時はそういう流れになると期待してロスも What? と続きを促したのでしょう。
、、が、その後に続く言葉が「男はもう嫌」の4連発で、いかにも「フレンズ」っぽいオチとなっています。
be sick of は「〜にうんざりしている」で、I’m so sick of guys! は「もう男にはうんざり!」という感覚。
ロマンティックな雰囲気になるどころか「男にはうんざり。見たくない、考えたくない、そばにもいたくない」とまくしたてられてしまい、ロスは「うーん、そうかぁ、、」という感じで腕を組んでいます。
「そばにすらいたくない」と男を毛嫌いするレイチェルが、その後、自分から手を伸ばして「ロス、あなたは最高よ」とハグをします。
男のそばにすらいたくないと言っているのにロスにはハグをするということは、ロスのことを「男」として全く見ていない表れですので、ロスとしてはため息をつくしかありません。
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19:09
[Scene: balcony where Ross has climbed through the window]
シーン:バルコニー、そこにロスが窓を通り抜けて入ってくる。
ロス: Hey. (やあ。)
レイチェル: Hey. (はい。)
ロス: You all right? (大丈夫?)
レイチェル: Oh, I've been better. (あぁ、あまり気分[調子]はよくないわ[前の方が良かったわ]。)
ロス: Come here. [he hugs Rachel] Listen, you deserve so much better than him. You know, I mean, you, you, you should be with a guy who knows what he has when he has you. (おいで。[ロスはレイチェルをハグする] ねぇ、君は彼なんかよりもっといい男が似合うよ。ほら、つまり、君は、君を彼女にしている時に自分が持っているものが何かをわかっている男と一緒にいるべきなんだ。)
レイチェル: Oh, Ross. (あぁ、ロス。)
ロス: What? (何?)
レイチェル: I’m so sick of guys! I don't want to look at another guy. I don't' want to think about another guy, I don't even want to be near another guy. (私は男にはうんざりよ! もう(これ以上)他の男は見たくない。他の男のことは考えたくない、他の男のそばにすらいたくないわ。)
ロス: [Ross crosses arms] Huh. ([ロスは腕組みをする]そうか。)
レイチェル: Oh, Ross, you're so great. (あぁ、ロス、あなたは最高よ。)
ロス: Ohhhh. [hugs her & sighs] (あーあ。[レイチェルをハグしてため息をつく])
You all right? 「大丈夫?」と聞かれたレイチェルは、Oh, I've been better. と返しています。
better 「より良い」という単語が入っているので「気分・調子が良い」という意味に勘違いしてしまいそうですが、この I've been better. というのは「気分や調子が良くない時」に使う決まり文句です。
I've been better. は I have been better. という、これまでの「経験」を表す現在完了形となっており、直訳すると「これまでにもっと良い状態だったことがある」ということ。
つまり「前の方が気分・調子は良かった」と表現することで、今はあまり気分が良くないということを、bad などのダイレクトに「悪い」を意味する単語を使わずに婉曲に表現できるということです。
今回の場合も「大丈夫?」に対して「あまり良くない」と返事したことから、ロスは慰めようとして Come here. と言ってハグをする流れになります。
今回の I've been better. のような比較級が使われている表現は、反語的な意味で使われることも多く注意が必要ですので、ここでいくつか見ておきましょう。
今回と同じような気分を聞かれた時の表現 Couldn't be better. は「これ以上よくなることはない」ということから「最高だ、絶好調だ」という意味になります。
I've seen better. という表現だと、「私は(これまでに)もっといいものを見たことがある」→「今、見ているものは最高ってほどでもない、さほどでもない」という、軽い「けなし言葉」のニュアンスになります。
you deserve so much better than him. は 「君は彼よりももっとずっと素晴らしい男性がふさわしいよ」。
deserve は「〜の価値がある、〜がふさわしい」。
deserve は良い意味、悪い意味のどちらの場合も使われ、悪人が悲惨な状況になっている場合に、"You deserved it." 「お前には当然の報いだ。自業自得だよ」という風に使ったりもします。
You should be with a guy who knows what he has when he has you. について。
he has you を直訳すると「彼が君を持っている」となりますが、これは「彼が君を彼女(恋人)にしている、彼に君のような彼女がいる」というニュアンス。
それを踏まえてこの長い文を訳すと「君という彼女がいる時に、自分が持っているもの(君という彼女)が何であるかをわかっているような男と一緒に君はいるべきなんだ」となるでしょう。
who, what, when と続く文章ですが、前から順番に訳すと、
「君は、こういう男性と一緒にいるべきだ。(それはどういう男性かと言うと)自分が持っているものが何かを知っている男だ、その彼が君という恋人を持っている時に」となります。
つまり、レイチェルを彼女にしている時に、彼女であるレイチェルがどんなに素晴らしい女性かということをわかっている。自分はこんなに素敵な恋人を持っているんだということをしっかりわかっている男と一緒にいるべきだ、ということです。
パウロは、レイチェルという身に余る恋人を持ちながら、レイチェルの友人であるフィービーにちょっかいをかけた、そんな男は君とは釣り合わないよ、レイチェルの素晴らしさをわかっていなかった男だよ、と言ったことになります。
「レイチェルの素晴らしさや素敵さをわかっている男と一緒にいるべきだ」というのは、僕にはそれがよくわかっているという、ロス自身のアピールでもあったでしょう。
誰かとひどい別れ方をした後、いつもそばにいて自分のことを理解し想ってくれている男性に心が動く、というのはよくあるパターンで、レイチェルがこのロスの感動的なセリフを聞いて Oh, Ross. と言った時はそういう流れになると期待してロスも What? と続きを促したのでしょう。
、、が、その後に続く言葉が「男はもう嫌」の4連発で、いかにも「フレンズ」っぽいオチとなっています。
be sick of は「〜にうんざりしている」で、I’m so sick of guys! は「もう男にはうんざり!」という感覚。
ロマンティックな雰囲気になるどころか「男にはうんざり。見たくない、考えたくない、そばにもいたくない」とまくしたてられてしまい、ロスは「うーん、そうかぁ、、」という感じで腕を組んでいます。
「そばにすらいたくない」と男を毛嫌いするレイチェルが、その後、自分から手を伸ばして「ロス、あなたは最高よ」とハグをします。
男のそばにすらいたくないと言っているのにロスにはハグをするということは、ロスのことを「男」として全く見ていない表れですので、ロスとしてはため息をつくしかありません。
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2023年09月09日
よくもまあそんなことができたわね フレンズ1-12改その15
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17:51
[Scene: Paolo's clothes falling down to the street shift zoom to Rachel emptying Paolo's suitcase over the balcony]
シーン:パウロの服が通りに落ちて行き、レイチェルがバルコニー越しにパウロのスーツケースをカラにしているところにカメラが移動しズームする。
パウロ: Hold it! Ascolta! (待って! (イタリア語で)聞いて!)
[Scene: inside girls' apartment]
女子のアパートメントの中。
ロス: How's it going? (どんな感じ?)
モニカ: Don't stare. Now she just finished throwing his clothes off the balcony. Now there's just a lot of gesturing and arm-waving. [shows Rachel gesturing with hands in front of her chest] Okay, that is either, "How could you?" or "Enormous breasts!" Here he comes. (じろじろ見ちゃだめよ。今、彼女(レイチェル)は彼(パウロ)の服をバルコニーから投げ(落とし)終えたばかりなの。今はたくさんジェスチャーをして、腕を振ってるわ。[レイチェルが胸の前で手でジェスチャーしている様子が映る] そうね、あれは「よくもまあ(そんなことができたわね)」か、または「巨乳よ」かのどちらかね。あぁ、彼が来るわ。)
フィービー: Ooh! (うー!)
[Paolo enters. Ross, Phoebe, and Monica scatter]
パウロが入ってくる。ロス、フィービー、モニカは散り散りになる。
パウロ: Uh, I am, uh, to say goodbye. (あー、僕は…さよならを言うよ。)
フィービー: Oh, okay, bye-bye. (あぁ、わかったわ、バイバイ。)
モニカ: Paolo, I really hate you for what you did to Rachel. But I still have five of these, [hands him a lasagna] so heat it at 375 until the cheese bubbles. (パウロ、あなたがレイチェルにしたことで、私は本当にあなたを憎んでるわ。でも私にはまだこれが5つ(も)あるの。[彼にラザニアを一つ手渡す] だから、そのラザニアはチーズが泡立つまで(華氏)375度で加熱して。)
パウロ: Grazie. (グラッツィエ(ありがとう)。)
ロス: Paolo, I-I just wanna tell you and I, I think I’d speak for everyone when I say... [shuts door in his face and walks away] (パウロ、ただ君に言いたいんだ、僕はみんなのために話してるという気持ちなんだよね[みんなを代表して僕から言わせてもらうと]それは… [パウロの目の前でドアを閉めて(ドアから)歩き去る])
フィービー: Oh, just look at her. [girls move toward Rachel on the balcony] (あぁ、見て彼女(のあの姿)を。[女子たちはバルコニーのレイチェルの方に向かう])
ロス: Oh, you guys, I-I really think only one of us should go out there, so she's not overwhelmed. (ねぇ(君たち)、僕はまさにこう思うんだよね、僕たちのうちの一人だけが向こうに行くべきだ、って、そうすれば彼女は圧倒されない[参ってしまわない]だろ。)
モニカ: Oh, you're right. (あぁ、それはもっともね。)
ロス: [pulls Monica back] And I really think it should be me. ([(バルコニーに行こうとする]モニカを引き戻して] そして僕はまさにこう思うんだよ、それは僕であるべきだ、って。)
ascolta はイタリア語で「聞く」を意味する動詞のようですので、英語で言うと Listen! 「聞いて!」と言っていることになるのでしょう。
How's it going? を直訳すると「it はどのように進んでいるの?」ということで、it は状況を表し、「今の状況はどんな感じで進んでるの? 今はどんな感じ?」と尋ねていることになります。
stare は「じっと見る、じろじろ見る」なので、Don’t stare. は「じろじろ見ちゃだめ」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
stare: to look at something or someone for a long time without moving your eyes
つまり、「何かや誰かを長い間見ること、目を動かすことなしに」。
「見る」を意味する動詞は英語にたくさんありますが、英英辞典の語義を調べることで、細かいニュアンスの違いを知ることができます。
今回の場合は「長時間、目を動かさずに」というのがポイントで、二人が喧嘩しているところを、見ているのが相手にわかるほど「じーっと見る」のはやめた方がいいと言っていることになります。
that is either, "How could you?" or "Enormous breasts!" について。
外のバルコニーで身振り手振りでパウロと話しているレイチェルの姿を見て、声が聞こえないので何と言っているのかわからないということで、that is either A or B 「あれはAかB(と言ってるの)ね」とモニカは言っています。
How could you! を直訳すると「あなたはどのようにして(そんな・あんなことが)できたの?」ということで、信じられないようなことをした人を非難する言葉として「よくもまあ(そんなことができたわね)、そんなことするなんて信じられない」という意味で使われます。
LAAD では、
how can/could you...? :
used when you are very surprised by something or disapprove strongly of something
例1) How can you say that about your own parents?
例2) How could you be so rude?
つまり、「何かにとても驚いている時、または何かを強く非難する時に使われる」。例文1は「自分の親についてどうしてそんなことが言えるんだ?→そんなことが言えるなんて信じられない」。例文2 は「どうしてそんなに無礼になれるんだ?→そんなに無礼だなんて信じられない」。
このロングマンの例文のように How can/could you の後に動詞が続いて「どうして〜する/〜であることが可能なんだ?」という形で使われることも多いですが、信じられないことをしたその内容が明白な場合には、具体的な動詞を省略した How could you! だけでも意味が通じるということになります。
Enormous breasts は「巨大な胸」ですから、いわゆる「巨乳」。
「よくもまあ!」とパウロを非難する時の手振りが、胸の前でのジェスチャーになっているので、見方によっては「胸が大きい」ことを示すような手振りにも見える、「パウロを非難してるようだけど、巨乳よ、と言ってるようにも見える」というジョークになります。
so heat it at 375 until the cheese bubbles について。
375度、という日本人にはピンと来ないこの温度は、自分の殻から出る フレンズ1-11改その6 で説明した「華氏(F)」です。
華氏の F は、温度単位の考案者である学者の Fahrenheit(ファーレンハイト)の頭文字。
1-11 では The high today was 45. 「今日の最高気温は(華氏)45度だった。」という形で出てきました。
「レイチェルにしたこと(レイチェルへの仕打ち)で、パウロのことを憎んでる」と言いながらも、ラザニアが余ってしまっているので、パウロに手土産として持たせ、「チーズが泡立つまで375で加熱」というレシピのような表現を使っているのが面白いです。
speak for everyone は「みんなを代弁する、みんなを代表して話す」。
when I say の後、その「みんなを代表して言いたいこと」を言うのかと思ったら、何も言わずにドアをバタンと閉めてしまいます。
shut the door in someone's face は「人の顔の前(眼前)でドアを閉める」という相手を拒絶するニュアンスが感じられる表現。
何か言うそぶりを見せながらも、何も言わなかったという面白さも感じられますが、どちらかと言うと、彼の眼前で思いっきりドアを閉めたことが、彼に対する言葉の代わり(=「もう来るな、もう二度と顔を見せるな」)だったと考える方が自然かなと思います。
overwhelmed は「圧倒される、困惑する、参る」。
LAAD では、
overwhelm : if an emotion, experience, or problem overwhelms you, it affects you so strongly that you cannot think clearly
つまり、「感情や経験や問題が自分に overwhelm するということは、それが自分に非常に強く影響を与えるため、自分が明瞭に考えることができない、ということ」。
よって、be overwhelmed は「大きなプレッシャーがかかって、物事を明瞭に考えられないようになってしまう」というようなイメージで考えるとよいでしょう。
パウロと別れた直後で動揺・混乱している時に、大勢で押しかけたらレイチェルはより混乱してしまうだろう、僕らのうちの一人だけが行けば、それを避けられる、とロスは言っていることになります。
そのロスの発言を聞いた後、モニカが一人でバルコニーに向かおうとするので、兄のロスはモニカの腕を引っ張って引き留め、And I really think... と続けます。
I really think 「僕はまさに(本当に)こう思うんだよね」というのは、「僕らのうちの一人だけが行くべき」という提案の際にも使われていましたが、その言葉の意味をわかってないのか、と言わんばかりに、また同じ表現 (And) I really think を使ったことになるでしょう。
同じフレーズで文を始めることで、先ほどの内容の続きであることが示され、「僕らのうちの一人だけが行くべき。そしてその一人というのは僕であるべき」というところまでが、僕の考えであり提案だったと強調していることになるでしょう。
「僕らのうちの誰か一人が」という発言でわかってもらえると思っていたのに、モニカがわからなかったので、はっきり言葉にして付け加えた、ということです。
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[Scene: Paolo's clothes falling down to the street shift zoom to Rachel emptying Paolo's suitcase over the balcony]
シーン:パウロの服が通りに落ちて行き、レイチェルがバルコニー越しにパウロのスーツケースをカラにしているところにカメラが移動しズームする。
パウロ: Hold it! Ascolta! (待って! (イタリア語で)聞いて!)
[Scene: inside girls' apartment]
女子のアパートメントの中。
ロス: How's it going? (どんな感じ?)
モニカ: Don't stare. Now she just finished throwing his clothes off the balcony. Now there's just a lot of gesturing and arm-waving. [shows Rachel gesturing with hands in front of her chest] Okay, that is either, "How could you?" or "Enormous breasts!" Here he comes. (じろじろ見ちゃだめよ。今、彼女(レイチェル)は彼(パウロ)の服をバルコニーから投げ(落とし)終えたばかりなの。今はたくさんジェスチャーをして、腕を振ってるわ。[レイチェルが胸の前で手でジェスチャーしている様子が映る] そうね、あれは「よくもまあ(そんなことができたわね)」か、または「巨乳よ」かのどちらかね。あぁ、彼が来るわ。)
フィービー: Ooh! (うー!)
[Paolo enters. Ross, Phoebe, and Monica scatter]
パウロが入ってくる。ロス、フィービー、モニカは散り散りになる。
パウロ: Uh, I am, uh, to say goodbye. (あー、僕は…さよならを言うよ。)
フィービー: Oh, okay, bye-bye. (あぁ、わかったわ、バイバイ。)
モニカ: Paolo, I really hate you for what you did to Rachel. But I still have five of these, [hands him a lasagna] so heat it at 375 until the cheese bubbles. (パウロ、あなたがレイチェルにしたことで、私は本当にあなたを憎んでるわ。でも私にはまだこれが5つ(も)あるの。[彼にラザニアを一つ手渡す] だから、そのラザニアはチーズが泡立つまで(華氏)375度で加熱して。)
パウロ: Grazie. (グラッツィエ(ありがとう)。)
ロス: Paolo, I-I just wanna tell you and I, I think I’d speak for everyone when I say... [shuts door in his face and walks away] (パウロ、ただ君に言いたいんだ、僕はみんなのために話してるという気持ちなんだよね[みんなを代表して僕から言わせてもらうと]それは… [パウロの目の前でドアを閉めて(ドアから)歩き去る])
フィービー: Oh, just look at her. [girls move toward Rachel on the balcony] (あぁ、見て彼女(のあの姿)を。[女子たちはバルコニーのレイチェルの方に向かう])
ロス: Oh, you guys, I-I really think only one of us should go out there, so she's not overwhelmed. (ねぇ(君たち)、僕はまさにこう思うんだよね、僕たちのうちの一人だけが向こうに行くべきだ、って、そうすれば彼女は圧倒されない[参ってしまわない]だろ。)
モニカ: Oh, you're right. (あぁ、それはもっともね。)
ロス: [pulls Monica back] And I really think it should be me. ([(バルコニーに行こうとする]モニカを引き戻して] そして僕はまさにこう思うんだよ、それは僕であるべきだ、って。)
ascolta はイタリア語で「聞く」を意味する動詞のようですので、英語で言うと Listen! 「聞いて!」と言っていることになるのでしょう。
How's it going? を直訳すると「it はどのように進んでいるの?」ということで、it は状況を表し、「今の状況はどんな感じで進んでるの? 今はどんな感じ?」と尋ねていることになります。
stare は「じっと見る、じろじろ見る」なので、Don’t stare. は「じろじろ見ちゃだめ」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
stare: to look at something or someone for a long time without moving your eyes
つまり、「何かや誰かを長い間見ること、目を動かすことなしに」。
「見る」を意味する動詞は英語にたくさんありますが、英英辞典の語義を調べることで、細かいニュアンスの違いを知ることができます。
今回の場合は「長時間、目を動かさずに」というのがポイントで、二人が喧嘩しているところを、見ているのが相手にわかるほど「じーっと見る」のはやめた方がいいと言っていることになります。
that is either, "How could you?" or "Enormous breasts!" について。
外のバルコニーで身振り手振りでパウロと話しているレイチェルの姿を見て、声が聞こえないので何と言っているのかわからないということで、that is either A or B 「あれはAかB(と言ってるの)ね」とモニカは言っています。
How could you! を直訳すると「あなたはどのようにして(そんな・あんなことが)できたの?」ということで、信じられないようなことをした人を非難する言葉として「よくもまあ(そんなことができたわね)、そんなことするなんて信じられない」という意味で使われます。
LAAD では、
how can/could you...? :
used when you are very surprised by something or disapprove strongly of something
例1) How can you say that about your own parents?
例2) How could you be so rude?
つまり、「何かにとても驚いている時、または何かを強く非難する時に使われる」。例文1は「自分の親についてどうしてそんなことが言えるんだ?→そんなことが言えるなんて信じられない」。例文2 は「どうしてそんなに無礼になれるんだ?→そんなに無礼だなんて信じられない」。
このロングマンの例文のように How can/could you の後に動詞が続いて「どうして〜する/〜であることが可能なんだ?」という形で使われることも多いですが、信じられないことをしたその内容が明白な場合には、具体的な動詞を省略した How could you! だけでも意味が通じるということになります。
Enormous breasts は「巨大な胸」ですから、いわゆる「巨乳」。
「よくもまあ!」とパウロを非難する時の手振りが、胸の前でのジェスチャーになっているので、見方によっては「胸が大きい」ことを示すような手振りにも見える、「パウロを非難してるようだけど、巨乳よ、と言ってるようにも見える」というジョークになります。
so heat it at 375 until the cheese bubbles について。
375度、という日本人にはピンと来ないこの温度は、自分の殻から出る フレンズ1-11改その6 で説明した「華氏(F)」です。
華氏の F は、温度単位の考案者である学者の Fahrenheit(ファーレンハイト)の頭文字。
1-11 では The high today was 45. 「今日の最高気温は(華氏)45度だった。」という形で出てきました。
「レイチェルにしたこと(レイチェルへの仕打ち)で、パウロのことを憎んでる」と言いながらも、ラザニアが余ってしまっているので、パウロに手土産として持たせ、「チーズが泡立つまで375で加熱」というレシピのような表現を使っているのが面白いです。
speak for everyone は「みんなを代弁する、みんなを代表して話す」。
when I say の後、その「みんなを代表して言いたいこと」を言うのかと思ったら、何も言わずにドアをバタンと閉めてしまいます。
shut the door in someone's face は「人の顔の前(眼前)でドアを閉める」という相手を拒絶するニュアンスが感じられる表現。
何か言うそぶりを見せながらも、何も言わなかったという面白さも感じられますが、どちらかと言うと、彼の眼前で思いっきりドアを閉めたことが、彼に対する言葉の代わり(=「もう来るな、もう二度と顔を見せるな」)だったと考える方が自然かなと思います。
overwhelmed は「圧倒される、困惑する、参る」。
LAAD では、
overwhelm : if an emotion, experience, or problem overwhelms you, it affects you so strongly that you cannot think clearly
つまり、「感情や経験や問題が自分に overwhelm するということは、それが自分に非常に強く影響を与えるため、自分が明瞭に考えることができない、ということ」。
よって、be overwhelmed は「大きなプレッシャーがかかって、物事を明瞭に考えられないようになってしまう」というようなイメージで考えるとよいでしょう。
パウロと別れた直後で動揺・混乱している時に、大勢で押しかけたらレイチェルはより混乱してしまうだろう、僕らのうちの一人だけが行けば、それを避けられる、とロスは言っていることになります。
そのロスの発言を聞いた後、モニカが一人でバルコニーに向かおうとするので、兄のロスはモニカの腕を引っ張って引き留め、And I really think... と続けます。
I really think 「僕はまさに(本当に)こう思うんだよね」というのは、「僕らのうちの一人だけが行くべき」という提案の際にも使われていましたが、その言葉の意味をわかってないのか、と言わんばかりに、また同じ表現 (And) I really think を使ったことになるでしょう。
同じフレーズで文を始めることで、先ほどの内容の続きであることが示され、「僕らのうちの一人だけが行くべき。そしてその一人というのは僕であるべき」というところまでが、僕の考えであり提案だったと強調していることになるでしょう。
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2023年05月20日
破片を拾い集める→事態を収拾する フレンズ1-12改その14
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16:43
[Scene: foosball table]
シーン:フーズボールテーブル。
フィービー: I think she took it pretty well. You know, Paolo's over there right now, so.... (レイチェルはかなりよくわかってくれたと思うの。ほら、パウロはたった今、むこうにいるから…。)
モニカ: We should get over there and see if she's okay. [switching places with Ross] Just one...second. Score! [Monica scores, high-fives with Ross] (私たちはあっちに行って、レイチェルが大丈夫かどうかを確かめるべきね。[ロスと場所を交代して] あとちょっとだけ(待って)。点決まった! [モニカが点を決め、ロスとハイファイブ[ハイタッチ]をする])
ロス: Game! Nice! [or Us!] (ゲームに勝った! ナイス![or 僕らが!])
モニカ: Come on, Pheebs. [Monica and Phoebe leave] (行くわよ、フィーブス。[モニカとフィービーは去る])
ロス: [wiping his brow] Ah...ooh! Well, looks like, uh, we kicked your butts. ([額の汗をぬぐいながら] あぁ、オー! ほら、僕たちが君らを叩きのめした、って感じだね。)
ジョーイ: No, no, she kicked our butts. You could be on the Olympic "Standing There" team. (いやいや、(お前らじゃなくて)彼女(モニカ)が俺たちを叩きのめしたんだよ。お前はオリンピックの”そこに立ってるだけ”のチーム(の一員)になれるかもな。)
ロス: Come on. Two on one. (よし来い。2対1だ。)
チャンドラー: What are you still doing here? She just broke up with the guy. It's time for you to swoop in. (お前はいまだにここで何やってんだよ? 彼女(レイチェル)はたった今、あの男と別れたんだぞ。(今こそ)お前がさっと舞い降りる[颯爽と登場する]時だ。)
ロス: What, now? (何、今?)
ジョーイ: Yes, now is when you swoop. You gotta make sure that when Paolo walks out of there, the first guy Rachel sees is you. She's gotta know that you're everything he's not. You're like, like the anti-Paolo. (そうだ、お前が舞い降りるのは今だ。パウロが退場する時、レイチェルが最初に見る男がお前になるようにしなくちゃならないんだ。お前は、やつが持ってないものすべてだと[お前はやつとは全く違うってことを]彼女が知らなくちゃならないんだ。お前はまるで、まるで、アンチ(反)・パウロだよ。)
チャンドラー: My Catholic friend is right. She's distraught. You're there for her. You pick up the pieces, and then you usher in... "The Age of Ross." [Ross and Chandler look off into the distance. Joey, wondering what they are looking at, looks in the same direction] (我がカトリックの友人(の言うこと)は正しいな。彼女はひどく取り乱してる。お前は彼女のためにそこ(彼女のそば)にいるんだ。お前が事態を収拾し、それからお前が導くんだよ……「ロスの時代」に。[ロスとチャンドラーは離れたところを見る。ジョーイは、二人が何を見ているんだろうと思いながら、同じ方向を見る])
take it well は「それ・その状況を、よく受け入れる・受け止める」ということなので「よくわかる、納得する」という意味になります。
Score! は初めてフーズボール・テーブルが登場したシーンにも使われていましたが、文字通り「スコア・得点(を決めた)!」ということ。
兄妹チームが勝ち、二人は喜び合っていますが、その時のロスのセリフについて。
媒体によって英語字幕が異なっており、
DVD / Blu-ray では
Game! Us!
(以前配信されていた時の)Netflix では
Game! Nice!
と表記されていました。
音声的にはナイスに聞こえる気がするのと、「勝った、僕たちが」というようなことを言いたいのであれば、Game! Us! よりもシンプルに We won! と言いそうな気がするので、(断言はできませんが、どちらかというと)Netflix の表記の Game! Nice! が近いような気がしました。
kick someone's butt は 「人の尻を蹴る」ということから「叩きのめす、やっつける」。
そう表現したロスに対して、ジョーイは No, no, SHE kicked our butts. と she を強調して返しています。
ロスが主語を we にして、僕とモニカの二人で君らをやっつけてやった、のように表現したことに対して、「やっつけたのは she 「彼女、モニカ」であって、お前は何も勝利に貢献してないだろ」と言ったことになります。
You could be on the Olympic "Standing There" team. は「お前はオリンピックの”そこに立ってるだけ”のチーム(の一員)になれる」。
「その場に立ってるだけで何も貢献してない、って形ならオリンピックにも参加できそうだな」→「お前は勝った側のチームにいるけど、実際にはただ立ってただけだけどな」というようなことを言いたかったのだろうと思います。
Two on one. は「2対1、2人対1人(で)」。
バスケで3人対3人の「スリー・オン・スリー(3on3)」というものがあるように、「2on1」だと2人対1人になります。
モニカのおかげで勝てたみたいに言われたので、モニカが去った後、君ら二人と残った僕一人で再戦しようよということです。
What are you still doing here? は「お前はいまだにここで何やってんだよ?」。
言葉としては今やっていることを尋ねる形の疑問文ですが、今回のように非難っぽい口調で言うと、「お前は今ここでこんなことをしてる場合じゃないだろ」というニュアンスが出ます。
break up with someone は「(人)と別れる」という、恋愛における頻出表現。
It's time for you to swoop in. は「(今)お前が swoop in すべき時だ」ということですが、swoop は元々は「鳥が空から降りてきて獲物を襲う」という意味の動詞。
「急降下、急襲」のニュアンスで、パウロと別れて動揺しているレイチェルの元に、サーッと舞い降りて登場するんだよ、颯爽と現れるんだよ、と言っていることになるでしょう。
now is when you swoop は直訳通りの「今が、お前が swoop する時だ」。
少し前の It's time for you to swoop in. も含め、「今まさに〜すべき時だ」と言いたい場合には、It's time for you to do. / Now is when you do. という表現が使えるということです。
You gotta make sure that when Paolo walks out of there, the first guy Rachel sees is you. について。
make sure that SV は「間違いなく・確実にSがVする(形になる)ようにする」。
that 以下に when節が入っているので、文が長くなっていますが、「パウロがそこを出ていく時に、レイチェルが見る最初の男がお前である」という形に確実になるようにする、ということ。
She's gotta know that you're everything he's not. は everything he's not という表現を的確な日本語に訳すのが難しいと感じますが、「お前は、彼ではないすべてである」→「お前は、彼が持っていないものすべてである」、つまり「お前は(クズ男の)パウロとは全然違う男だ」ということを言っていると考えられるでしょう。
You're like, like the anti-Paolo. について。
anti- は日本語でも「アンチ」という通り、「反」という意味。
ジョーイが anti-Paolo という表現を使った後、チャンドラーは My Catholic friend is right. のように、カトリックという単語を使っています。
キリスト教に関しては、antichrist 「反キリスト」という単語があり、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では以下のように出ています。
antichrist [noun] the Antichrist also the antichrist :
the great enemy of Jesus Christ who represents the power of evil and is expected to appear just before the end of the world
つまり「悪の力を象徴し、世界の終わりの直前に現れると考えられている、イエス・キリストの大敵」。
anti- という言葉自体は、「反対、敵対」の意味で、様々な単語と結びつく接頭辞ですが、今回、チャンドラーがカトリックについて言及したのは、Paolo という名前も関係しているかもしれない、と思ったりしました。
今回のフレンズのエピソードが放映されたのは1995年ですが、その当時のローマ教皇(法王、Pope)はヨハネ・パウロ2世でした。
ローマ教皇はローマ・カトリック教会の首長であり、ヨハネ・パウロ2世は英語表記だと John Paul II となりますが、イタリア語表記だと Giovanni Paolo II となります。
ジョーイが Anti-Paolo と表現したことが、「Anti-Christ のキリストを、ローマ教皇の名前パウロで置き換えた」という連想が働いて、チャンドラーは「カトリック」という言葉を使ったのかな、と思ったということです。
distraught は「ひどく取り乱した、錯乱状態の」。
LAAD では、
distraught : so anxious or upset that you cannot think clearly
例)He was distraught over the breakup of his marriage.
つまり「非常に心配したり動揺したりして、明瞭に考えることができない」。例文は「彼は自分の結婚の破綻にひどく取り乱していた」。
ロングマンの例文も、人間関係の breakup について語られているように、人と別れた時の動揺を表現するのに適した言葉だということになるでしょう。
You're there for her. は「お前は彼女のためにそこにいてやるんだ」。
フレンズのおなじみのオープニングテーマ(テーマソング)は、ザ・レンブランツ(The Rembrandts)の I'll Be There for You ですが、それと同じ形です。
歌のタイトルの I’ll be there for you. は「君のためにそこにいてあげるよ」という意味。
pick up the pieces は直訳で「破片を拾い集める」ことから、「事態などを収拾する、後始末をする」という意味になります。
LAAD では、
pick up the pieces (of something) :
if you pick up the pieces of a business, relationship etc. that has had serious problems, you try to make it work again
つまり「深刻な問題が起こったビジネスや(人間)関係などの破片を拾い上げるというのは、それがもう一度うまく行くように頑張るということ」。
壊れてバラバラになった破片を拾い集める、という表現が、問題が起こってしまった事態を元通りに収拾する、という意味になるのは、イメージ湧きやすいなと思います。
usher in は「〜の到来を告げる」。
今回の usher は動詞ですが、名詞では「(劇場などの)案内係」という意味になります。
過去記事、俺と契約したいんだな フレンズ1-6改その7 では、
チャンドラー: the usher gave me this to give to you. (お前に渡してくれって、案内係が俺にこれをくれたんだ。)
というセリフで、名詞「案内係」として使われていました。
usher が人を招き入れるように「〜を案内して通す」という意味から「〜の到来を告げる」という意味になったわけです。
usher in a new era なら「新しい時代の到来を告げる」となります。
「ロスの時代」と言いながら、お芝居風に遠くを眺めるチャンドラーとロス。
二人の様子を見たジョーイが「一体何見てんの?」というように、同じ方向を見るのが、フレンズっぽくて面白いです。
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16:43
[Scene: foosball table]
シーン:フーズボールテーブル。
フィービー: I think she took it pretty well. You know, Paolo's over there right now, so.... (レイチェルはかなりよくわかってくれたと思うの。ほら、パウロはたった今、むこうにいるから…。)
モニカ: We should get over there and see if she's okay. [switching places with Ross] Just one...second. Score! [Monica scores, high-fives with Ross] (私たちはあっちに行って、レイチェルが大丈夫かどうかを確かめるべきね。[ロスと場所を交代して] あとちょっとだけ(待って)。点決まった! [モニカが点を決め、ロスとハイファイブ[ハイタッチ]をする])
ロス: Game! Nice! [or Us!] (ゲームに勝った! ナイス![or 僕らが!])
モニカ: Come on, Pheebs. [Monica and Phoebe leave] (行くわよ、フィーブス。[モニカとフィービーは去る])
ロス: [wiping his brow] Ah...ooh! Well, looks like, uh, we kicked your butts. ([額の汗をぬぐいながら] あぁ、オー! ほら、僕たちが君らを叩きのめした、って感じだね。)
ジョーイ: No, no, she kicked our butts. You could be on the Olympic "Standing There" team. (いやいや、(お前らじゃなくて)彼女(モニカ)が俺たちを叩きのめしたんだよ。お前はオリンピックの”そこに立ってるだけ”のチーム(の一員)になれるかもな。)
ロス: Come on. Two on one. (よし来い。2対1だ。)
チャンドラー: What are you still doing here? She just broke up with the guy. It's time for you to swoop in. (お前はいまだにここで何やってんだよ? 彼女(レイチェル)はたった今、あの男と別れたんだぞ。(今こそ)お前がさっと舞い降りる[颯爽と登場する]時だ。)
ロス: What, now? (何、今?)
ジョーイ: Yes, now is when you swoop. You gotta make sure that when Paolo walks out of there, the first guy Rachel sees is you. She's gotta know that you're everything he's not. You're like, like the anti-Paolo. (そうだ、お前が舞い降りるのは今だ。パウロが退場する時、レイチェルが最初に見る男がお前になるようにしなくちゃならないんだ。お前は、やつが持ってないものすべてだと[お前はやつとは全く違うってことを]彼女が知らなくちゃならないんだ。お前はまるで、まるで、アンチ(反)・パウロだよ。)
チャンドラー: My Catholic friend is right. She's distraught. You're there for her. You pick up the pieces, and then you usher in... "The Age of Ross." [Ross and Chandler look off into the distance. Joey, wondering what they are looking at, looks in the same direction] (我がカトリックの友人(の言うこと)は正しいな。彼女はひどく取り乱してる。お前は彼女のためにそこ(彼女のそば)にいるんだ。お前が事態を収拾し、それからお前が導くんだよ……「ロスの時代」に。[ロスとチャンドラーは離れたところを見る。ジョーイは、二人が何を見ているんだろうと思いながら、同じ方向を見る])
take it well は「それ・その状況を、よく受け入れる・受け止める」ということなので「よくわかる、納得する」という意味になります。
Score! は初めてフーズボール・テーブルが登場したシーンにも使われていましたが、文字通り「スコア・得点(を決めた)!」ということ。
兄妹チームが勝ち、二人は喜び合っていますが、その時のロスのセリフについて。
媒体によって英語字幕が異なっており、
DVD / Blu-ray では
Game! Us!
(以前配信されていた時の)Netflix では
Game! Nice!
と表記されていました。
音声的にはナイスに聞こえる気がするのと、「勝った、僕たちが」というようなことを言いたいのであれば、Game! Us! よりもシンプルに We won! と言いそうな気がするので、(断言はできませんが、どちらかというと)Netflix の表記の Game! Nice! が近いような気がしました。
kick someone's butt は 「人の尻を蹴る」ということから「叩きのめす、やっつける」。
そう表現したロスに対して、ジョーイは No, no, SHE kicked our butts. と she を強調して返しています。
ロスが主語を we にして、僕とモニカの二人で君らをやっつけてやった、のように表現したことに対して、「やっつけたのは she 「彼女、モニカ」であって、お前は何も勝利に貢献してないだろ」と言ったことになります。
You could be on the Olympic "Standing There" team. は「お前はオリンピックの”そこに立ってるだけ”のチーム(の一員)になれる」。
「その場に立ってるだけで何も貢献してない、って形ならオリンピックにも参加できそうだな」→「お前は勝った側のチームにいるけど、実際にはただ立ってただけだけどな」というようなことを言いたかったのだろうと思います。
Two on one. は「2対1、2人対1人(で)」。
バスケで3人対3人の「スリー・オン・スリー(3on3)」というものがあるように、「2on1」だと2人対1人になります。
モニカのおかげで勝てたみたいに言われたので、モニカが去った後、君ら二人と残った僕一人で再戦しようよということです。
What are you still doing here? は「お前はいまだにここで何やってんだよ?」。
言葉としては今やっていることを尋ねる形の疑問文ですが、今回のように非難っぽい口調で言うと、「お前は今ここでこんなことをしてる場合じゃないだろ」というニュアンスが出ます。
break up with someone は「(人)と別れる」という、恋愛における頻出表現。
It's time for you to swoop in. は「(今)お前が swoop in すべき時だ」ということですが、swoop は元々は「鳥が空から降りてきて獲物を襲う」という意味の動詞。
「急降下、急襲」のニュアンスで、パウロと別れて動揺しているレイチェルの元に、サーッと舞い降りて登場するんだよ、颯爽と現れるんだよ、と言っていることになるでしょう。
now is when you swoop は直訳通りの「今が、お前が swoop する時だ」。
少し前の It's time for you to swoop in. も含め、「今まさに〜すべき時だ」と言いたい場合には、It's time for you to do. / Now is when you do. という表現が使えるということです。
You gotta make sure that when Paolo walks out of there, the first guy Rachel sees is you. について。
make sure that SV は「間違いなく・確実にSがVする(形になる)ようにする」。
that 以下に when節が入っているので、文が長くなっていますが、「パウロがそこを出ていく時に、レイチェルが見る最初の男がお前である」という形に確実になるようにする、ということ。
She's gotta know that you're everything he's not. は everything he's not という表現を的確な日本語に訳すのが難しいと感じますが、「お前は、彼ではないすべてである」→「お前は、彼が持っていないものすべてである」、つまり「お前は(クズ男の)パウロとは全然違う男だ」ということを言っていると考えられるでしょう。
You're like, like the anti-Paolo. について。
anti- は日本語でも「アンチ」という通り、「反」という意味。
ジョーイが anti-Paolo という表現を使った後、チャンドラーは My Catholic friend is right. のように、カトリックという単語を使っています。
キリスト教に関しては、antichrist 「反キリスト」という単語があり、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では以下のように出ています。
antichrist [noun] the Antichrist also the antichrist :
the great enemy of Jesus Christ who represents the power of evil and is expected to appear just before the end of the world
つまり「悪の力を象徴し、世界の終わりの直前に現れると考えられている、イエス・キリストの大敵」。
anti- という言葉自体は、「反対、敵対」の意味で、様々な単語と結びつく接頭辞ですが、今回、チャンドラーがカトリックについて言及したのは、Paolo という名前も関係しているかもしれない、と思ったりしました。
今回のフレンズのエピソードが放映されたのは1995年ですが、その当時のローマ教皇(法王、Pope)はヨハネ・パウロ2世でした。
ローマ教皇はローマ・カトリック教会の首長であり、ヨハネ・パウロ2世は英語表記だと John Paul II となりますが、イタリア語表記だと Giovanni Paolo II となります。
ジョーイが Anti-Paolo と表現したことが、「Anti-Christ のキリストを、ローマ教皇の名前パウロで置き換えた」という連想が働いて、チャンドラーは「カトリック」という言葉を使ったのかな、と思ったということです。
distraught は「ひどく取り乱した、錯乱状態の」。
LAAD では、
distraught : so anxious or upset that you cannot think clearly
例)He was distraught over the breakup of his marriage.
つまり「非常に心配したり動揺したりして、明瞭に考えることができない」。例文は「彼は自分の結婚の破綻にひどく取り乱していた」。
ロングマンの例文も、人間関係の breakup について語られているように、人と別れた時の動揺を表現するのに適した言葉だということになるでしょう。
You're there for her. は「お前は彼女のためにそこにいてやるんだ」。
フレンズのおなじみのオープニングテーマ(テーマソング)は、ザ・レンブランツ(The Rembrandts)の I'll Be There for You ですが、それと同じ形です。
歌のタイトルの I’ll be there for you. は「君のためにそこにいてあげるよ」という意味。
pick up the pieces は直訳で「破片を拾い集める」ことから、「事態などを収拾する、後始末をする」という意味になります。
LAAD では、
pick up the pieces (of something) :
if you pick up the pieces of a business, relationship etc. that has had serious problems, you try to make it work again
つまり「深刻な問題が起こったビジネスや(人間)関係などの破片を拾い上げるというのは、それがもう一度うまく行くように頑張るということ」。
壊れてバラバラになった破片を拾い集める、という表現が、問題が起こってしまった事態を元通りに収拾する、という意味になるのは、イメージ湧きやすいなと思います。
usher in は「〜の到来を告げる」。
今回の usher は動詞ですが、名詞では「(劇場などの)案内係」という意味になります。
過去記事、俺と契約したいんだな フレンズ1-6改その7 では、
チャンドラー: the usher gave me this to give to you. (お前に渡してくれって、案内係が俺にこれをくれたんだ。)
というセリフで、名詞「案内係」として使われていました。
usher が人を招き入れるように「〜を案内して通す」という意味から「〜の到来を告げる」という意味になったわけです。
usher in a new era なら「新しい時代の到来を告げる」となります。
「ロスの時代」と言いながら、お芝居風に遠くを眺めるチャンドラーとロス。
二人の様子を見たジョーイが「一体何見てんの?」というように、同じ方向を見るのが、フレンズっぽくて面白いです。
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2023年03月26日
How did I not see this? の not の位置 フレンズ1-12改その13
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15:29
レイチェル: I’m so sorry. (本当にごめんなさい。)
フィービー: No, I’m sorry. (いいえ、私の方こそごめんなさい。)
レイチェル&フィービー: No, I' m sorry! (私の方こそごめんなさい!)
フィービー: No, wait, oh, what are we sorry about? (いえ、待って、あぁ、私たちは何のことで謝ってるの?)
レイチェル: I don't know. Right. He's the pig. (わからない。そうだわ。あいつがブタ(野郎)なのよ。)
フィービー: Such a pig! (本当にブタ(野郎)だわ!)
レイチェル: Oh, God, he's such a pig! (あぁ、なんてこと、あいつは本当にブタ(野郎)よ!)
フィービー: Oh, he's like a... (あぁ、あいつはまるで…)
レイチェル: He's like a big disgusting... (あいつはまるで超むかつく…)
フィービー: ...like a... (…みたいな…)
レイチェル: ...pig...pig man! (…ブタ…ブタ男よ!)
フィービー: Yes, good! Okay. (そうね、うまい! そうよ。)
レイチェル: [voice wavers] Oh, but he was my pig man! How did I not see this? ([声が揺らぐ] あぁ、でもあいつは私のブタ男だったわ! どうして私にはこのことがわからなかったの?)
フィービー: [raises hand] Oh, I know! [Rachel startled] Because... he's gorgeous. And he's charming. And when he looks at you... ([手を挙げて] あぁ、わかった! [レイチェルがびっくりする] なぜなら…彼がかっこいいから。それに彼はチャーミングで。そして彼があなたを見る時には…)
レイチェル: Okay, Okay, Pheebs... (わかった、わかった、フィーブス…)
フィービー: The end. (ジ・エンド(おしまい)。)
レイチェル: Oh, God! (なんてこと。)
フィービー: Should I not have told you? (あなたに話さないべきだった?[話さないほうが良かった?])
レイチェル: No. No, trust me, it's, it's, it's much better that I know. Uh, I just liked it better before. It was better. (いいえ、信じて、知る方が(知らないより)ずっといいわ。あぁ、ただ、前の状況[状態]の方が、もっと好きだったけど。前の方がもっと良かった。)
[Phoebe scoots her chair over to Rachel and hugs her]
フィービーは椅子をレイチェルの方に動かして、レイチェルをハグする。
お互いが「ごめんなさい」とさんざん謝り合った後、フィービーは what are we sorry about? 「私たちは何のことで謝ってるの?」と言い、悪いのは私たちじゃなく、あいつだわ、と、今度はパウロを非難し合う言葉に変わります。
pig は「ブタ」で、日本でも(ブタさんには申し訳ないですが)「ブタ」は悪口としてよく使われます。
この英語の pig も「最低な男」というニュアンスで使われています。
アカデミックな辞典である LAAD (Longman Advanced American Dictionary) にもちゃんとその意味が載っていて、
pig : (spoken) someone who behaves in an unpleasant way toward other people
例)You're a selfish pig.
つまり「(口語)他の人々に対して不愉快な行動をする人」。
LAAD ではこの語義の下に male chauvinist pig という表現が参照されていました。
chauvinist は「同属偏愛・優越の排他主義者」のことで、「自分の国や民族が他より優れていると考える愛国主義者」や「女性より男性が優れていると考える女性蔑視主義者」を指します。
よって male 「男性の」という形容詞がついた male chauvinist は「男性優越・女性蔑視主義者」という意味に限定されることになります。
ドラマ「アリーmy Love(原題:Ally McBeal)」でも、"Male chauvinist pig!" 「男尊女卑のブタ!」と男性をののしるセリフがよく出てきており、そのドラマ特有の表現かと思っていたのですが、このようにアカデミックな辞書に載っているような一般的な表現なのですね。
pig は、そのような悪口との組み合わせに使われる単語だということです。
レイチェルの How did I not see this? は「どうして(どのようにして)私にはこのこと(彼がブタ野郎だということ)がわからなかったの?」。
日本人が一般的にイメージする否定疑問文だと
How didn't I see this?
という形になりそうな気がしますが、それと今回の How did I not see this? は、文の意味としてはほぼ同じです。
didn't という短縮形よりも did not のように not を単独で使った方が否定の意味が明確になるのと同様に、今回のセリフ How did I not see this? も How didn't I see this? よりも否定の意味がより強調された形となります。
not see のように否定語と動詞がくっついていることで「わからない、見えない」という「see という動詞を否定」していることが、より明確に伝わることになるでしょう。
そのニュアンスの違いを、無理やり日本語に出そうとすると、
How did I not see this? 「どうして”これがわからない”ということがあったの?」
How didn't I see this? 「どうして”これがわかる”ということがなかったの?」
となるでしょうか。
「これが”わからない”なんてどうして?」の方が、「わからなかった自分に対するいら立ち」が強調されるということです。
gorgeous は「ゴージャス」ですが、ここでのニュアンスは「(人が)素敵な、魅力的な」という意味。
LAAD では、
gorgeous [adjective] (informal) : extremely beautiful or attractive
つまり「極めて美しい、または魅力的な」。
彼がブタ野郎だという本質をわからなかったのも無理はない、とでもいうように、「ゴージャス(素敵)でチャーミングで、彼があなたを見る時には…」とさらに彼の素敵さを語ろうとしたフィービーですが、先ほど「ブタ野郎」とけなしていたばかりのあいつのことをそんなに褒めないでよと言いたげにレイチェルはフィービーを制し、フィービーも「ジ・エンド(おしまい)」と言って褒めるのをやめます。
Should I not have told you? も先ほど解説した How did I not see this? と同じように、not が動詞の方にくっついている形。
先ほどと同様に比較してみると、
Should I not have told you? 「あなたに話さないべきだった?」
Sholdn't I have told you? 「あなたに話すべきではなかった?」
という違いになるでしょうか。
今回のセリフの形の方が、私がすべきことは「話さない」ということだった? のように「話さない」という動詞 tell の否定であることをより強調していると言えるでしょう。
話したことでレイチェルを傷つけてしまったことに罪の意識を感じている様子が、より感じられる気がします。
it's, it's, it's much better that I know. Uh, I just liked it better before. It was better. 「知る方が(知らないより)ずっといいわ。あぁ、ただ、前の状況[状態]の方が、もっと好きだったけど。前の方がもっと良かった」について。
それぞれの it の指すものですが、まず、it's much better that I know. の it は、it = that I know ということ。
It's much better that I know. の that I know は、that 節 (名詞節)で「私が知ること」。
That I know is much better. 「私が知ることはずっと良い(ベターである)」の that 節を後ろに回して、それを形式主語の it にした構文が、レイチェルのセリフになります。
そして、2番目の liked it の方ですが、この it は、「状況」を漠然と指している感覚でしょう。
like it better before は「前の方がより好きだった」ということになるでしょうか。その後の、It was better. も、過去のその時の「状況」を指していると思われ、「あの時の方が、より良かった」ということになるでしょう。
つまり、レイチェルのこのセリフは、「フィービーが真実を教えてくれて良かった」と客観的に自分に言い聞かせながらも、でも知らなかった時の状況(it before)が、like better 「(知った後の今の状況)より好きである」→「前の知らなかった時の方が良かった」と自分の正直な気持ちを主観的に述べていることになると考えられます。
それぞれ何を比較しているかと言うと、
パウロがフィービーに手を出したことについては、知らないよりも知る方が良かった、知って良かった、教えてくれて良かった。
ただ、状況としては、知ってしまった今よりも、知らなかった昔の方が良かった、幸せだった。
ということになります。
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15:29
レイチェル: I’m so sorry. (本当にごめんなさい。)
フィービー: No, I’m sorry. (いいえ、私の方こそごめんなさい。)
レイチェル&フィービー: No, I' m sorry! (私の方こそごめんなさい!)
フィービー: No, wait, oh, what are we sorry about? (いえ、待って、あぁ、私たちは何のことで謝ってるの?)
レイチェル: I don't know. Right. He's the pig. (わからない。そうだわ。あいつがブタ(野郎)なのよ。)
フィービー: Such a pig! (本当にブタ(野郎)だわ!)
レイチェル: Oh, God, he's such a pig! (あぁ、なんてこと、あいつは本当にブタ(野郎)よ!)
フィービー: Oh, he's like a... (あぁ、あいつはまるで…)
レイチェル: He's like a big disgusting... (あいつはまるで超むかつく…)
フィービー: ...like a... (…みたいな…)
レイチェル: ...pig...pig man! (…ブタ…ブタ男よ!)
フィービー: Yes, good! Okay. (そうね、うまい! そうよ。)
レイチェル: [voice wavers] Oh, but he was my pig man! How did I not see this? ([声が揺らぐ] あぁ、でもあいつは私のブタ男だったわ! どうして私にはこのことがわからなかったの?)
フィービー: [raises hand] Oh, I know! [Rachel startled] Because... he's gorgeous. And he's charming. And when he looks at you... ([手を挙げて] あぁ、わかった! [レイチェルがびっくりする] なぜなら…彼がかっこいいから。それに彼はチャーミングで。そして彼があなたを見る時には…)
レイチェル: Okay, Okay, Pheebs... (わかった、わかった、フィーブス…)
フィービー: The end. (ジ・エンド(おしまい)。)
レイチェル: Oh, God! (なんてこと。)
フィービー: Should I not have told you? (あなたに話さないべきだった?[話さないほうが良かった?])
レイチェル: No. No, trust me, it's, it's, it's much better that I know. Uh, I just liked it better before. It was better. (いいえ、信じて、知る方が(知らないより)ずっといいわ。あぁ、ただ、前の状況[状態]の方が、もっと好きだったけど。前の方がもっと良かった。)
[Phoebe scoots her chair over to Rachel and hugs her]
フィービーは椅子をレイチェルの方に動かして、レイチェルをハグする。
お互いが「ごめんなさい」とさんざん謝り合った後、フィービーは what are we sorry about? 「私たちは何のことで謝ってるの?」と言い、悪いのは私たちじゃなく、あいつだわ、と、今度はパウロを非難し合う言葉に変わります。
pig は「ブタ」で、日本でも(ブタさんには申し訳ないですが)「ブタ」は悪口としてよく使われます。
この英語の pig も「最低な男」というニュアンスで使われています。
アカデミックな辞典である LAAD (Longman Advanced American Dictionary) にもちゃんとその意味が載っていて、
pig : (spoken) someone who behaves in an unpleasant way toward other people
例)You're a selfish pig.
つまり「(口語)他の人々に対して不愉快な行動をする人」。
LAAD ではこの語義の下に male chauvinist pig という表現が参照されていました。
chauvinist は「同属偏愛・優越の排他主義者」のことで、「自分の国や民族が他より優れていると考える愛国主義者」や「女性より男性が優れていると考える女性蔑視主義者」を指します。
よって male 「男性の」という形容詞がついた male chauvinist は「男性優越・女性蔑視主義者」という意味に限定されることになります。
ドラマ「アリーmy Love(原題:Ally McBeal)」でも、"Male chauvinist pig!" 「男尊女卑のブタ!」と男性をののしるセリフがよく出てきており、そのドラマ特有の表現かと思っていたのですが、このようにアカデミックな辞書に載っているような一般的な表現なのですね。
pig は、そのような悪口との組み合わせに使われる単語だということです。
レイチェルの How did I not see this? は「どうして(どのようにして)私にはこのこと(彼がブタ野郎だということ)がわからなかったの?」。
日本人が一般的にイメージする否定疑問文だと
How didn't I see this?
という形になりそうな気がしますが、それと今回の How did I not see this? は、文の意味としてはほぼ同じです。
didn't という短縮形よりも did not のように not を単独で使った方が否定の意味が明確になるのと同様に、今回のセリフ How did I not see this? も How didn't I see this? よりも否定の意味がより強調された形となります。
not see のように否定語と動詞がくっついていることで「わからない、見えない」という「see という動詞を否定」していることが、より明確に伝わることになるでしょう。
そのニュアンスの違いを、無理やり日本語に出そうとすると、
How did I not see this? 「どうして”これがわからない”ということがあったの?」
How didn't I see this? 「どうして”これがわかる”ということがなかったの?」
となるでしょうか。
「これが”わからない”なんてどうして?」の方が、「わからなかった自分に対するいら立ち」が強調されるということです。
gorgeous は「ゴージャス」ですが、ここでのニュアンスは「(人が)素敵な、魅力的な」という意味。
LAAD では、
gorgeous [adjective] (informal) : extremely beautiful or attractive
つまり「極めて美しい、または魅力的な」。
彼がブタ野郎だという本質をわからなかったのも無理はない、とでもいうように、「ゴージャス(素敵)でチャーミングで、彼があなたを見る時には…」とさらに彼の素敵さを語ろうとしたフィービーですが、先ほど「ブタ野郎」とけなしていたばかりのあいつのことをそんなに褒めないでよと言いたげにレイチェルはフィービーを制し、フィービーも「ジ・エンド(おしまい)」と言って褒めるのをやめます。
Should I not have told you? も先ほど解説した How did I not see this? と同じように、not が動詞の方にくっついている形。
先ほどと同様に比較してみると、
Should I not have told you? 「あなたに話さないべきだった?」
Sholdn't I have told you? 「あなたに話すべきではなかった?」
という違いになるでしょうか。
今回のセリフの形の方が、私がすべきことは「話さない」ということだった? のように「話さない」という動詞 tell の否定であることをより強調していると言えるでしょう。
話したことでレイチェルを傷つけてしまったことに罪の意識を感じている様子が、より感じられる気がします。
it's, it's, it's much better that I know. Uh, I just liked it better before. It was better. 「知る方が(知らないより)ずっといいわ。あぁ、ただ、前の状況[状態]の方が、もっと好きだったけど。前の方がもっと良かった」について。
それぞれの it の指すものですが、まず、it's much better that I know. の it は、it = that I know ということ。
It's much better that I know. の that I know は、that 節 (名詞節)で「私が知ること」。
That I know is much better. 「私が知ることはずっと良い(ベターである)」の that 節を後ろに回して、それを形式主語の it にした構文が、レイチェルのセリフになります。
そして、2番目の liked it の方ですが、この it は、「状況」を漠然と指している感覚でしょう。
like it better before は「前の方がより好きだった」ということになるでしょうか。その後の、It was better. も、過去のその時の「状況」を指していると思われ、「あの時の方が、より良かった」ということになるでしょう。
つまり、レイチェルのこのセリフは、「フィービーが真実を教えてくれて良かった」と客観的に自分に言い聞かせながらも、でも知らなかった時の状況(it before)が、like better 「(知った後の今の状況)より好きである」→「前の知らなかった時の方が良かった」と自分の正直な気持ちを主観的に述べていることになると考えられます。
それぞれ何を比較しているかと言うと、
パウロがフィービーに手を出したことについては、知らないよりも知る方が良かった、知って良かった、教えてくれて良かった。
ただ、状況としては、知ってしまった今よりも、知らなかった昔の方が良かった、幸せだった。
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2023年01月29日
フーズボール・テーブル フレンズ1-12改その12
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14:13
[Scene: guys' apartment. Ross, Chandler, Joey, and Monica admiring a new table]
シーン:男性陣のアパートメント。新しいテーブルに見とれているロス、チャンドラー、ジョーイ、モニカ。
チャンドラー: So what do you think? (それで、どう思う?)
ロス: I think It's the most beautiful table I've ever seen. (今まで見てきた中で、最も美しいテーブルだと思うよ。)
チャンドラー: I know. (そうだろ。)
画面にフーズボールテーブルが映る。チャンドラーがテーブルを叩く。
モニカ: So how does this work, you going to balance the plates on these little guys' heads? (それでこのテーブルはどうやって(テーブルとして)機能するの? お皿をこの小さな男たちの頭に載せてバランスを取るつもり?)
ジョーイ: Who cares? We'll eat at the sink. Come on. ((そんなこと)構うもんか。俺たちはシンク[流し]で食うよ。さあ(ゲームを)やるぞ。)
モニカ: Heads up, Ross. [Monica scores on Chandler and Joey] Score! [points at Chandler] You suck! (注意[用心]して、ロス。[モニカはチャンドラーとジョーイ相手に点を決める] 点決まった! [チャンドラーを指さして] あんた下手ね!)
[Chandler looks at Joey in amazement]
チャンドラーは驚いた顔でジョーイを見る。
I think It's the most beautiful table I've ever seen. は 「今まで見た中で最も美しいテーブルだと思うよ」。
前回の記事で解説したレイチェルのセリフ、These are the best oatmeal raisin cookies I've ever had. 「これは私が今まで食べた中で、最高のオートミール・レーズン・クッキーよ」と同じ構文で、「最上級+経験を表す現在完了形」の組み合わせです。
この後、画面にテーブルが映りますが、そこで4人が眺めていたのはフーズボール・テーブルだとわかります。
そのフーズボール・テーブルについて、英英辞典では以下のように説明されています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
Foosball [noun, uncountable] trademark :
a game played on a special table, in which two players move rods with small figures of soccer players on them, in order to hit a ball toward a hole at the end of the table.
つまり「(商標) 特別なテーブルの上でプレイされるゲーム、そのゲームの中では、テーブルの端の穴に向けてボールを打つ(蹴る)ために、サッカー選手の小さな人形がくっついている棒を二人のプレイヤーが動かす」。
Macmillan Dictionary では、
table football [noun, uncountable] or table soccer or foosball (American) :
a game based on football, played on a table with models of football players that are attached to rods. You move the rods to make the players hit the ball.
つまり「テーブル・フットボールまたはテーブル・サッカーまたはフーズボール(米語):フットボール(サッカー)に基づいたゲームで、棒に取り付けられたサッカー選手の模型のあるテーブルでプレイされる。人は、その選手たちがボールを打つ(蹴る)ように棒を動かす」。
この後、実際にそのフーズボールを使ってフレンズたちが遊ぶことになりますが、まさにこの英英辞典の解説の通りだということがわかります。
棒を動かすことで人形にボールを蹴らせてゴールさせるというゲームだということです。
So how does this work? は「それで、これ(このテーブル)はどうやって・どのように機能するの?」。
work は「目的どおりに正常に機能する・使える」で、こんなゲーム台がどうやってテーブルとして機能するの? ということ。
人形の頭の上にうまくバランスを取りながら食器を置くつもり? と聞きますが、ジョーイは、Who cares? と答えます。
Who cares? は、「誰が気にする・構うものか」→「誰も気にしない」→「知ったことか、構うもんか」という反語表現。
日本語でも「誰が気にするって言うんだ?」と言った場合、同じようなニュアンスがありますが「誰が〜だ?」という疑問文は、「誰も〜ないんだ」という否定の結論を導き出させる効果がある、ということです。
at the sink の at は場所を表す前置詞で、「シンク(台所の流し、流し台)で、シンクのところで」というニュアンス。
先ほどご紹介した英英辞典の foosball の語義の中で、何度も table という単語が使われていることから、やはりこれはテーブルということになるのでしょうが、ジョーイたちはこの新しいテーブルにはもはや食卓としての機能を求めていないことがわかります。
今回のエピソードではテーブル選びが難航していましたが、二人の意見が一致したのがこのテーブルだった、というオチですね。
Heads up. は「注意・用心して」という意味。
LAAD では、
heads up! : used to warn people that something is falling from above, or that something is being thrown to them
つまり「何かが上から落ちてくる、または何かが人々に向かって投げられているということをその人々に警告するために使われる」。
head 「頭」+up 「上」と叫んでいるわけですから、頭上に落ちてくるものに気をつけろという意味であることは納得しやすいでしょう。
「頭上に気をつけて」という意味から、頭上に限らず何かが飛んでくることに対する注意を喚起する意味でも使われ、今回の場合は、同じチームであるロスに対してモニカが言っていることを考えると、「チャンドラーとジョーイの攻撃に気をつけて」というニュアンスで使っていると思われます。
Score! は文字通り「スコア・得点(を決めた)!」ということ。
You suck! の suck はフレンズでよく登場する俗語で「最低だ、ひどい」という意味の自動詞。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
suck : BE BAD [intransitive] (spoken, informal) to be very bad
例) The food there sucks.
つまり、「(口語、インフォーマル) 非常に悪いこと」。例文は「あそこの食べ物は最低だ」。
「点決まったー! あんたたち下手ね!」と、自分が得点したことを得意げに言ったセリフになります。
14:34
[Scene: girls' apartment]
シーン:女性陣のアパートメント。
フィービー: Are you okay? (大丈夫?)
レイチェル: I need some milk. (ミルクが欲しいわ。)
フィービー: Okay, I've got milk. [takes thermos from her bag] Here you go. [Rachel drinks straight from thermos. Rachel finishes thermos] Better? (オッケー、ミルクあるわよ。[バッグからサーモス(魔法瓶)を取り出して(サーモスの蓋を開け、カップをレイチェルに差し出す)] さあどうぞ。[レイチェルは(フィービーの出したカップを受け取らず)サーモスから直接飲む。レイチェルはサーモスを飲み干す] (気分)良くなった?)
レイチェル: No. Oh! I feel so stupid! Oh, I think about the other day with you guys, you know. And I was all, "Oh, Paolo! He's so great! He makes me feel so--" Ugh! God. I'm so embarrassed! (いいえ。あぁ! 私ってすっごくバカみたい! あぁ、あなたたちと一緒にいたあの日のことを考えると、ほら。私はすっかりこんな感じだったわ。『あぁ、パウロ! 彼ってすっごく素敵! 彼のおかげで私はとっても…な気持ちになるの…』 あぁ、なんてこと! 私はすっごく恥ずかしいわ! [キッチンのペーパータオルをぐるぐる引っ張る])
フィービー: I'm so embarrassed. I'm the one he hit on. (恥ずかしいのは私よ。彼がモーションかけた人間は私なのよ。)
レイチェル: Pheobe, I unleashed him on you. If I'd never met him, this would've never happend to you. (フィービー、私が彼をあなたに解き放ったのよ。もし私が彼と出会っていなかったら、あなたにこんなことは決して起こらなかったでしょうに。)
パウロがフィービーにモーションをかけてきたと聞いて、レイチェルは呆然としています。
ミルクが欲しいと言うレイチェルに、フィービーは I've got milk. と言って、バッグからサーモス(魔法瓶)を取り出します。
I've got = I have got は「getした」という get の現在完了形の形をしていますが、アメリカ英語では have got = have の意味でよく使われます。
この場合も「ミルクを持ってるわ。ミルクがあるわ」という have の意味で理解すればよいでしょう。
ちなみに、このミルクについては過去記事、フレンズ1-12その4 のコメント欄 で貴重なご意見をいただいたことがありました。
要約させていただくと、
・アメリカでは、興奮気味の人に対して(ぬるめの)ミルクで落ち着かせるという習慣がある。
・パウロの話を暴露したらレイチェルが動揺すると考え、クッキーとミルクを用意していたフィービーの準備万端さが笑いのポイント。
ということでした。
「魔法瓶に入れたミルク」すなわち「ホットミルク」を持参していたのはそういう習慣に絡めた笑いに繋がっていたということですね。
And I was all, “Oh, Paolo! He’s so great! ...” は 「私はすっかりこんな感じだったわ。『あぁ、パウロ! 彼ってすっごく素敵!・・・』」。
I was all ... は「私はすっかり…という感じだった」というニュアンス。
友達のフィービーにもちょっかいをかけて来たようなパウロについて「彼って素敵!」とのぼせあがっていたことを恥ずかしいと語るレイチェルに対し、フィービーも同じフレーズ I'm so embarrassed. を使って返しています。
フィービーの方は主語の I を強めに言っており、このような場合には「恥ずかしいのはあなたじゃなく私の方よ」というニュアンスが出ます。
hit on は「モーションをかける、ナンパする、言い寄る、口説く」なので、I'm the one he hit on. は「私は彼(パウロ)がモーションをかけた人間(相手)である」→「彼がモーションをかけた相手は私よ」ということ。
その次のレイチェルのセリフ、Pheobe, I unleashed him on you. について。
この部分の音声はやや聞き取りにくく、メディアによって英語字幕に違いがありました。
DVD: I pushed him on you.
Blu-ray : I unleashed him on you.
Netflix : I unleashed him on you.
このような字幕表記の違いがあることを踏まえて、再度、音声を聞き直してみると、
I unleashed him on you.
と言っているように感じました。
また、メディアの新旧を考えると DVD→Blu-ray→Netflix という順序なので、後発の Blu-ray と Netflix の字幕表記の方が正しいと考えるのが自然でしょう。
仮にそれぞれの和訳をつけるとすると、
DVD: I pushed him on you. (私があなたに彼を押し付けた。)
Blu-ray : I unleashed him on you. (私があなたに彼を解き放った。)
となります。
レイチェルはパウロとラブラブだったので「フィービーに押し付けた」ということはありませんから、「解き放った」と表現したと考える方が、話の流れ的にも正解だろうと思います。
If I'd never met him, this would've never happend to you. は典型的な仮定法過去完了の文で「もし私が彼と出会っていなかったら、あなたにこんなことは決して起こらなかったでしょうに」。
「私とパウロが出会ったという過去の事実がなければ、パウロがフィービーにちょっかいをかけてフィービーが不愉快な思いをするということも起らなかったのに」と言っていることになります。
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14:13
[Scene: guys' apartment. Ross, Chandler, Joey, and Monica admiring a new table]
シーン:男性陣のアパートメント。新しいテーブルに見とれているロス、チャンドラー、ジョーイ、モニカ。
チャンドラー: So what do you think? (それで、どう思う?)
ロス: I think It's the most beautiful table I've ever seen. (今まで見てきた中で、最も美しいテーブルだと思うよ。)
チャンドラー: I know. (そうだろ。)
画面にフーズボールテーブルが映る。チャンドラーがテーブルを叩く。
モニカ: So how does this work, you going to balance the plates on these little guys' heads? (それでこのテーブルはどうやって(テーブルとして)機能するの? お皿をこの小さな男たちの頭に載せてバランスを取るつもり?)
ジョーイ: Who cares? We'll eat at the sink. Come on. ((そんなこと)構うもんか。俺たちはシンク[流し]で食うよ。さあ(ゲームを)やるぞ。)
モニカ: Heads up, Ross. [Monica scores on Chandler and Joey] Score! [points at Chandler] You suck! (注意[用心]して、ロス。[モニカはチャンドラーとジョーイ相手に点を決める] 点決まった! [チャンドラーを指さして] あんた下手ね!)
[Chandler looks at Joey in amazement]
チャンドラーは驚いた顔でジョーイを見る。
I think It's the most beautiful table I've ever seen. は 「今まで見た中で最も美しいテーブルだと思うよ」。
前回の記事で解説したレイチェルのセリフ、These are the best oatmeal raisin cookies I've ever had. 「これは私が今まで食べた中で、最高のオートミール・レーズン・クッキーよ」と同じ構文で、「最上級+経験を表す現在完了形」の組み合わせです。
この後、画面にテーブルが映りますが、そこで4人が眺めていたのはフーズボール・テーブルだとわかります。
そのフーズボール・テーブルについて、英英辞典では以下のように説明されています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
Foosball [noun, uncountable] trademark :
a game played on a special table, in which two players move rods with small figures of soccer players on them, in order to hit a ball toward a hole at the end of the table.
つまり「(商標) 特別なテーブルの上でプレイされるゲーム、そのゲームの中では、テーブルの端の穴に向けてボールを打つ(蹴る)ために、サッカー選手の小さな人形がくっついている棒を二人のプレイヤーが動かす」。
Macmillan Dictionary では、
table football [noun, uncountable] or table soccer or foosball (American) :
a game based on football, played on a table with models of football players that are attached to rods. You move the rods to make the players hit the ball.
つまり「テーブル・フットボールまたはテーブル・サッカーまたはフーズボール(米語):フットボール(サッカー)に基づいたゲームで、棒に取り付けられたサッカー選手の模型のあるテーブルでプレイされる。人は、その選手たちがボールを打つ(蹴る)ように棒を動かす」。
この後、実際にそのフーズボールを使ってフレンズたちが遊ぶことになりますが、まさにこの英英辞典の解説の通りだということがわかります。
棒を動かすことで人形にボールを蹴らせてゴールさせるというゲームだということです。
So how does this work? は「それで、これ(このテーブル)はどうやって・どのように機能するの?」。
work は「目的どおりに正常に機能する・使える」で、こんなゲーム台がどうやってテーブルとして機能するの? ということ。
人形の頭の上にうまくバランスを取りながら食器を置くつもり? と聞きますが、ジョーイは、Who cares? と答えます。
Who cares? は、「誰が気にする・構うものか」→「誰も気にしない」→「知ったことか、構うもんか」という反語表現。
日本語でも「誰が気にするって言うんだ?」と言った場合、同じようなニュアンスがありますが「誰が〜だ?」という疑問文は、「誰も〜ないんだ」という否定の結論を導き出させる効果がある、ということです。
at the sink の at は場所を表す前置詞で、「シンク(台所の流し、流し台)で、シンクのところで」というニュアンス。
先ほどご紹介した英英辞典の foosball の語義の中で、何度も table という単語が使われていることから、やはりこれはテーブルということになるのでしょうが、ジョーイたちはこの新しいテーブルにはもはや食卓としての機能を求めていないことがわかります。
今回のエピソードではテーブル選びが難航していましたが、二人の意見が一致したのがこのテーブルだった、というオチですね。
Heads up. は「注意・用心して」という意味。
LAAD では、
heads up! : used to warn people that something is falling from above, or that something is being thrown to them
つまり「何かが上から落ちてくる、または何かが人々に向かって投げられているということをその人々に警告するために使われる」。
head 「頭」+up 「上」と叫んでいるわけですから、頭上に落ちてくるものに気をつけろという意味であることは納得しやすいでしょう。
「頭上に気をつけて」という意味から、頭上に限らず何かが飛んでくることに対する注意を喚起する意味でも使われ、今回の場合は、同じチームであるロスに対してモニカが言っていることを考えると、「チャンドラーとジョーイの攻撃に気をつけて」というニュアンスで使っていると思われます。
Score! は文字通り「スコア・得点(を決めた)!」ということ。
You suck! の suck はフレンズでよく登場する俗語で「最低だ、ひどい」という意味の自動詞。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
suck : BE BAD [intransitive] (spoken, informal) to be very bad
例) The food there sucks.
つまり、「(口語、インフォーマル) 非常に悪いこと」。例文は「あそこの食べ物は最低だ」。
「点決まったー! あんたたち下手ね!」と、自分が得点したことを得意げに言ったセリフになります。
14:34
[Scene: girls' apartment]
シーン:女性陣のアパートメント。
フィービー: Are you okay? (大丈夫?)
レイチェル: I need some milk. (ミルクが欲しいわ。)
フィービー: Okay, I've got milk. [takes thermos from her bag] Here you go. [Rachel drinks straight from thermos. Rachel finishes thermos] Better? (オッケー、ミルクあるわよ。[バッグからサーモス(魔法瓶)を取り出して(サーモスの蓋を開け、カップをレイチェルに差し出す)] さあどうぞ。[レイチェルは(フィービーの出したカップを受け取らず)サーモスから直接飲む。レイチェルはサーモスを飲み干す] (気分)良くなった?)
レイチェル: No. Oh! I feel so stupid! Oh, I think about the other day with you guys, you know. And I was all, "Oh, Paolo! He's so great! He makes me feel so--" Ugh! God. I'm so embarrassed! (いいえ。あぁ! 私ってすっごくバカみたい! あぁ、あなたたちと一緒にいたあの日のことを考えると、ほら。私はすっかりこんな感じだったわ。『あぁ、パウロ! 彼ってすっごく素敵! 彼のおかげで私はとっても…な気持ちになるの…』 あぁ、なんてこと! 私はすっごく恥ずかしいわ! [キッチンのペーパータオルをぐるぐる引っ張る])
フィービー: I'm so embarrassed. I'm the one he hit on. (恥ずかしいのは私よ。彼がモーションかけた人間は私なのよ。)
レイチェル: Pheobe, I unleashed him on you. If I'd never met him, this would've never happend to you. (フィービー、私が彼をあなたに解き放ったのよ。もし私が彼と出会っていなかったら、あなたにこんなことは決して起こらなかったでしょうに。)
パウロがフィービーにモーションをかけてきたと聞いて、レイチェルは呆然としています。
ミルクが欲しいと言うレイチェルに、フィービーは I've got milk. と言って、バッグからサーモス(魔法瓶)を取り出します。
I've got = I have got は「getした」という get の現在完了形の形をしていますが、アメリカ英語では have got = have の意味でよく使われます。
この場合も「ミルクを持ってるわ。ミルクがあるわ」という have の意味で理解すればよいでしょう。
ちなみに、このミルクについては過去記事、フレンズ1-12その4 のコメント欄 で貴重なご意見をいただいたことがありました。
要約させていただくと、
・アメリカでは、興奮気味の人に対して(ぬるめの)ミルクで落ち着かせるという習慣がある。
・パウロの話を暴露したらレイチェルが動揺すると考え、クッキーとミルクを用意していたフィービーの準備万端さが笑いのポイント。
ということでした。
「魔法瓶に入れたミルク」すなわち「ホットミルク」を持参していたのはそういう習慣に絡めた笑いに繋がっていたということですね。
And I was all, “Oh, Paolo! He’s so great! ...” は 「私はすっかりこんな感じだったわ。『あぁ、パウロ! 彼ってすっごく素敵!・・・』」。
I was all ... は「私はすっかり…という感じだった」というニュアンス。
友達のフィービーにもちょっかいをかけて来たようなパウロについて「彼って素敵!」とのぼせあがっていたことを恥ずかしいと語るレイチェルに対し、フィービーも同じフレーズ I'm so embarrassed. を使って返しています。
フィービーの方は主語の I を強めに言っており、このような場合には「恥ずかしいのはあなたじゃなく私の方よ」というニュアンスが出ます。
hit on は「モーションをかける、ナンパする、言い寄る、口説く」なので、I'm the one he hit on. は「私は彼(パウロ)がモーションをかけた人間(相手)である」→「彼がモーションをかけた相手は私よ」ということ。
その次のレイチェルのセリフ、Pheobe, I unleashed him on you. について。
この部分の音声はやや聞き取りにくく、メディアによって英語字幕に違いがありました。
DVD: I pushed him on you.
Blu-ray : I unleashed him on you.
Netflix : I unleashed him on you.
このような字幕表記の違いがあることを踏まえて、再度、音声を聞き直してみると、
I unleashed him on you.
と言っているように感じました。
また、メディアの新旧を考えると DVD→Blu-ray→Netflix という順序なので、後発の Blu-ray と Netflix の字幕表記の方が正しいと考えるのが自然でしょう。
仮にそれぞれの和訳をつけるとすると、
DVD: I pushed him on you. (私があなたに彼を押し付けた。)
Blu-ray : I unleashed him on you. (私があなたに彼を解き放った。)
となります。
レイチェルはパウロとラブラブだったので「フィービーに押し付けた」ということはありませんから、「解き放った」と表現したと考える方が、話の流れ的にも正解だろうと思います。
If I'd never met him, this would've never happend to you. は典型的な仮定法過去完了の文で「もし私が彼と出会っていなかったら、あなたにこんなことは決して起こらなかったでしょうに」。
「私とパウロが出会ったという過去の事実がなければ、パウロがフィービーにちょっかいをかけてフィービーが不愉快な思いをするということも起らなかったのに」と言っていることになります。
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2022年12月26日
make a pass at someone フレンズ1-12改その11
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12:40
[Scene: girls' apartment. Rachel folding and packing clothes in suitcases. Phoebe enters]
シーン:女子のアパートメント。レイチェルは服を畳んでスーツケースに詰めている。フィービーが入ってくる。
フィービー: Hey! (はーい!)
レイチェル: Hi, Pheebs. (はーい、フィーブス。)
フィービー: Are you moving out? (あなた、引っ越すの?)
レイチェル: No, these aren't all my suitcases. [picks up small blue suitcase and shows to Phoebe] This one's Paolo's. (いいえ、これは全部が私のスーツケースってわけじゃないの。[小さな青いスーツケースを持ち上げて、フィービーに見せる] このスーツケースはパウロのものよ。)
フィービー: Um, um, Rachel, can we talk for a sec? (あー、レイチェル、少し話せる?)
レイチェル: Well, sure. Just a sec, though, 'cause Paolo's on his way over. (そうね、いいわよ。でも少しだけね、だってパウロがこっちに向かってるところだから。)
フィービー: Oh! [sits down] Ok, um, ok, um. (あぁ! [座る] よし、あの、いいわ、あのね。)
レイチェル: Oh, Pheebs, Pheebs... (あぁ、フィーブス、フィーブス…… [手をぐるぐるして急ぐようにせかす])
フィービー: Ok, um, [clears throat] we haven't known each other for that long a time, and, um, there are three things that you should know about me. One, my friends are the most important thing in my life. Two, I never lie. And three, I make the best oatmeal raisin cookies in the world. [Phoebe opens a tin and offers Rachel a cookie] (いいわ、あの、[咳払いをする] 私たちはそんなに長くお互いを知ってるわけじゃないけど、私についてあなたが知っておくべきことが三つあるの。一つ、私の人生において友達は一番大切なもの。二つ、私は決して嘘をつかない。そして三つ、私は世界で最高のオートミール・レーズン・クッキーを作るの。[フィービーは缶を開け、レイチェルにクッキーを勧める])
レイチェル: [taking cookie] Ok, thanks, Pheebs. [takes bite of cookie, overwhelmed] Oh, my God. ([クッキーを手に取る]オッケー、ありがとう、フィーブス。[クッキーを一口食べて、圧倒される] あぁ、もう。)
フィービー: I know. (でしょ。)
レイチェル: Why have I never tasted these before? (どうして今までこのクッキーを私が味わうことがなかったの?[どうして今までこれを食べさせてもらえなかったの?])
フィービー: Oh, I don't make them a lot, because I don't think it's fair to the other cookies. (あぁ、そのクッキーはあまり作らないの、だって他のクッキーに不公平だと思うから。)
レイチェル: All right, well, you're right. These are the best oatmeal raisin cookies I've ever had. (いいわ、そうね、あなたは正しい。これは私が今まで食べた中で、最高のオートミール・レーズン・クッキーよ。)
フィービー: Which proves that I never lie. (それで私は嘘をつかないことが証明されるわよね。)
レイチェル: I guess you don't. (あなたは嘘はつかないと思うわ。)
フィービー: Paolo made a pass at me. (パウロが私にちょっかい(モーション)をかけてきたの。)
[Rachel looks stunned]
レイチェルは衝撃を受けた顔をする。
move out を直訳すると「外に動く」ということですが、このフレーズはもっぱら「引っ越す、引っ越して(ここを)出ていく」という意味で使われます。
レイチェルが大量の服を荷造りしている様子を見て、「まるで引っ越しでもするかのような大量の荷物ね」と言ったことになるでしょう。
それに対するレイチェルの返事、No, these aren't all my suitcases. について。
この英語のセリフは、DVDやBlu-rayでは、No, these aren't all of my suitcases. と表記されていたのですが、Netflix では、No, these aren't all my suitcases. と表記されていました。
(残念ながら、2022年10月31日に Netflix で「フレンズ」が配信終了してしまいましたが、、、泣)
「all の後に of があるかないか」の違いですが、実際の音声を聞くと、of のない all my suitcases が正しいように思います(つまり、Netflix の字幕の方が正しいと思われる、ということ)。
カタカナで書くと、もし of が入っているなら「オーロブ・マイ・スーツケイシズ」になるところですが、実際の発音は「オー・マイ・スーツケイシズ」という感じに聞こえるので、of はないと判断できると思うわけです。
of のありなしで和訳を考えてみると、
(1) of ありの場合
these aren't all of my suitcases. 「これらは私のスーツケースのすべて(全部)ではない」(これら≠(ノットイコール)私のスーツケースすべて)→「私のスーツケースは他にもある」
(2) of なしの場合
These aren't all my suitcases. 「これらはすべて私のスーツケースというわけではない」(not all 「すべてが〜というわけではない」という部分否定)→「私以外の人のスーツケースも含まれている」
という意味になると考えられます。
of なしの場合については、この all を名詞にかかる形容詞「すべての」という意味に捉えれば、all of my suitcases 「私のスーツケースのすべて」に近い意味の all my suitcases 「すべての私のスーツケース」という意味に解釈することも可能ですが、上に書いた (2) の解釈では、この all を副詞として捉え、aren't all は「すべて〜というわけではない」という部分否定だと解釈し、These are my suitcases. 「これらは私のスーツケースである」という文を部分否定した形の「すべてがそうだというわけではない」という意味だと考えたわけです。
実際、この後のレイチェルのセリフで、小さな青いスーツケースを見せて「このスーツケースはパウロのもの」と言っていますので、そのセリフの流れを考えても、「これらはすべて私のスーツケースというわけではない」という部分否定(of がないセリフ)だと判断できると思いました。
フィービー:引っ越しするみたいな大荷物ね。
レイチェル:全部が私の荷物ってわけじゃないわ。これはパウロの荷物だし。
と言って見せたのが小さめのバッグだったので、「否定してたけど、やっぱりこの大荷物のほとんどはレイチェルのものじゃないか」とツッコミたくなるようなオチだということでしょう。
can we talk for a sec? の sec は second 「秒」の略。
for a sec 「1秒間」で、「ちょっと、少し」という短い時間を表します。
Paolo's on his way over の on one's way over は「こちらに向かっている」。
よく使われる表現 on one's way home だと「家に帰る途中で、帰り道に」。
over は「越えて、向こうへ」という意味でよく使われますが、今回の over は「こちら側へ、話し手の方・家に」という意味で使われています。
このような over について、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
over : to, from, or in a particular place
例1) Come over here (= in or to the place where you are, from somewhere else)!
例2) Let's go over there (= in or to another place) and see what's happening.
つまり、「ある場所へ、ある場所から、ある場所(の中)で」。例文1は「こっちに来いよ!(自分がいるところに・ところへ、別の場所から)」。例文2は「向こうへ行こう、そして何が起こってるか見てみよう(別の場所に・場所へ)」。
over here 「こちらへ」、over there 「あちらへ」とどちらの方向にも over が使えるということです。
フィービーはレイチェルに話をしようとしますが、言いよどんで切り出すことができません。
荷造り中のレイチェルにせかされ、フィービーはようやく話し始めます。
we haven't known each other for that long a time は、not that 「そんなに〜ではない」の形が使われています。
we haven't known each other 「私たちはお互いを知らなかった」というように know を否定しているのではなく、「お互いを知っているのはそんなに長い間ってわけではない」というように long を否定していることになります。
「まだそんなに長い付き合いってほどじゃないけど、私についてこの3点だけは知っておいてほしいの」と話を始めたフィービーは、1. 友達が一番大切、2. 私は決して嘘をつかない、3. 私は世界最高のオートミール・レーズン・クッキーを作る、と語ります。
2番目の I never lie. は「決して〜しない」という強い否定語 never を使った現在形で、「私は決して嘘はつかない」という自分の習性や性格を語っていることになります。
フィービーが持参した缶に入っていたクッキーを一口食べたレイチェルは、表情と口調でそのおいしさに感動した様子を表現しています。
Why have I never tasted these before? を直訳すると「どうして私はこれまで、この(おいしい)クッキーを味わったことが一度もなかったの?」。
つまり「どうして今までこれを一度も食べたことがないの? どうして今まで作ってくれなかったの?」と言っていることになるでしょう。
I don't make them a lot, because I don't think it's fair to the other cookies. は 「そのクッキーはあまり作らないの。だって、他のクッキーに対して不公平だと思うから」。
私の作るクッキーはものすごくおいしいから、あんまりしょちゅう作ると、他のクッキーに悪いもの、という意味でしょう。
「他のクッキーに対して不公平だと思う」をそのまま英語にしようとすると、I think it's unfair to the other cookies. になりそうなところですが、英語では否定語はできるだけ前に来る傾向があるので、I think it's not fair や、I think it's unfair ではなくて、I don't think it's fair という形になるということです。
ですから、I don't think it's fair to the other cookies. を和訳する場合も、「他のクッキーに対して、公平(フェアー)だとは思わない」みたいに訳すのではなく、「不公平だと思う」のように訳した方が自然な日本語になるでしょう。
These are the best oatmeal raisin cookies I've ever had. は 「これは、今まで食べた中で、最高のオートミール・レーズン・クッキーよ」。
最上級と、経験を表す現在完了形との組み合わせで、このような「今まで〜した中で最高に・最高の…」という表現は会話でよく登場します。
Which proves that I never lie. は「そのことが、私は嘘をつかない、ということを証明する」。
その前にレイチェルが言ったこと、最高のクッキーだとレイチェルが認めたことが、私が嘘をつかないってことの証明になるでしょ、と言っています。
which は前の文、この場合は、直前のレイチェルのセリフ全体を指しています。
フィービーが語った3番目の「最高のクッキー」が真実であるとわかったので、2番目の「私は嘘をつかない」ということが真実だと証明されるということです。
I guess you don't. は I guess you don't lie. の lie が省略された形。
make a pass at は 「言い寄る、口説く、(性的な)ちょっかい・モーションをかける」。
過去記事、口説く、ちょっかいをかける フレンズ1-12改その8 で、セントラルパークにいる(レイチェル以外の)フレンズたちに、
フィービー: Well, he made a move on me. (その……彼(パウロ)が私にちょっかいをかけてきたの。)
と言っていたことがありましたが、その make a move on と、今回の make a pass at は似た表現になります。
LAAD では、
pass [noun] : an attempt to kiss or touch another person with the intention of starting a sexual relationship with them
例)Her boss made a pass at her.
つまり、名詞 pass は「ある人と性的な関係を始めたいという意図を持って、その人にキスやタッチをしようと試みること」。例文は「彼女のボスは彼女にモーションをかけてきた」。
Macmillan Dictionary では、
make a pass at someone :
to try to start a sexual relationship with someone, for example by talking to them or touching them in a sexual way
つまり、「誰かと性的な関係を始めようとすること、例えばその人に話しかけたり、性的な感じでその人にタッチしたりすることで」。
どちらの語義にも「性的な関係を始めようとしてタッチする(など)」とあるように、そういう下心を持ってお触りしてくることを指しており、マッサージ中にフィービーの脚やお尻を触ってきたパウロの行為にぴったりの表現だと言えるでしょう。
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12:40
[Scene: girls' apartment. Rachel folding and packing clothes in suitcases. Phoebe enters]
シーン:女子のアパートメント。レイチェルは服を畳んでスーツケースに詰めている。フィービーが入ってくる。
フィービー: Hey! (はーい!)
レイチェル: Hi, Pheebs. (はーい、フィーブス。)
フィービー: Are you moving out? (あなた、引っ越すの?)
レイチェル: No, these aren't all my suitcases. [picks up small blue suitcase and shows to Phoebe] This one's Paolo's. (いいえ、これは全部が私のスーツケースってわけじゃないの。[小さな青いスーツケースを持ち上げて、フィービーに見せる] このスーツケースはパウロのものよ。)
フィービー: Um, um, Rachel, can we talk for a sec? (あー、レイチェル、少し話せる?)
レイチェル: Well, sure. Just a sec, though, 'cause Paolo's on his way over. (そうね、いいわよ。でも少しだけね、だってパウロがこっちに向かってるところだから。)
フィービー: Oh! [sits down] Ok, um, ok, um. (あぁ! [座る] よし、あの、いいわ、あのね。)
レイチェル: Oh, Pheebs, Pheebs... (あぁ、フィーブス、フィーブス…… [手をぐるぐるして急ぐようにせかす])
フィービー: Ok, um, [clears throat] we haven't known each other for that long a time, and, um, there are three things that you should know about me. One, my friends are the most important thing in my life. Two, I never lie. And three, I make the best oatmeal raisin cookies in the world. [Phoebe opens a tin and offers Rachel a cookie] (いいわ、あの、[咳払いをする] 私たちはそんなに長くお互いを知ってるわけじゃないけど、私についてあなたが知っておくべきことが三つあるの。一つ、私の人生において友達は一番大切なもの。二つ、私は決して嘘をつかない。そして三つ、私は世界で最高のオートミール・レーズン・クッキーを作るの。[フィービーは缶を開け、レイチェルにクッキーを勧める])
レイチェル: [taking cookie] Ok, thanks, Pheebs. [takes bite of cookie, overwhelmed] Oh, my God. ([クッキーを手に取る]オッケー、ありがとう、フィーブス。[クッキーを一口食べて、圧倒される] あぁ、もう。)
フィービー: I know. (でしょ。)
レイチェル: Why have I never tasted these before? (どうして今までこのクッキーを私が味わうことがなかったの?[どうして今までこれを食べさせてもらえなかったの?])
フィービー: Oh, I don't make them a lot, because I don't think it's fair to the other cookies. (あぁ、そのクッキーはあまり作らないの、だって他のクッキーに不公平だと思うから。)
レイチェル: All right, well, you're right. These are the best oatmeal raisin cookies I've ever had. (いいわ、そうね、あなたは正しい。これは私が今まで食べた中で、最高のオートミール・レーズン・クッキーよ。)
フィービー: Which proves that I never lie. (それで私は嘘をつかないことが証明されるわよね。)
レイチェル: I guess you don't. (あなたは嘘はつかないと思うわ。)
フィービー: Paolo made a pass at me. (パウロが私にちょっかい(モーション)をかけてきたの。)
[Rachel looks stunned]
レイチェルは衝撃を受けた顔をする。
move out を直訳すると「外に動く」ということですが、このフレーズはもっぱら「引っ越す、引っ越して(ここを)出ていく」という意味で使われます。
レイチェルが大量の服を荷造りしている様子を見て、「まるで引っ越しでもするかのような大量の荷物ね」と言ったことになるでしょう。
それに対するレイチェルの返事、No, these aren't all my suitcases. について。
この英語のセリフは、DVDやBlu-rayでは、No, these aren't all of my suitcases. と表記されていたのですが、Netflix では、No, these aren't all my suitcases. と表記されていました。
(残念ながら、2022年10月31日に Netflix で「フレンズ」が配信終了してしまいましたが、、、泣)
「all の後に of があるかないか」の違いですが、実際の音声を聞くと、of のない all my suitcases が正しいように思います(つまり、Netflix の字幕の方が正しいと思われる、ということ)。
カタカナで書くと、もし of が入っているなら「オーロブ・マイ・スーツケイシズ」になるところですが、実際の発音は「オー・マイ・スーツケイシズ」という感じに聞こえるので、of はないと判断できると思うわけです。
of のありなしで和訳を考えてみると、
(1) of ありの場合
these aren't all of my suitcases. 「これらは私のスーツケースのすべて(全部)ではない」(これら≠(ノットイコール)私のスーツケースすべて)→「私のスーツケースは他にもある」
(2) of なしの場合
These aren't all my suitcases. 「これらはすべて私のスーツケースというわけではない」(not all 「すべてが〜というわけではない」という部分否定)→「私以外の人のスーツケースも含まれている」
という意味になると考えられます。
of なしの場合については、この all を名詞にかかる形容詞「すべての」という意味に捉えれば、all of my suitcases 「私のスーツケースのすべて」に近い意味の all my suitcases 「すべての私のスーツケース」という意味に解釈することも可能ですが、上に書いた (2) の解釈では、この all を副詞として捉え、aren't all は「すべて〜というわけではない」という部分否定だと解釈し、These are my suitcases. 「これらは私のスーツケースである」という文を部分否定した形の「すべてがそうだというわけではない」という意味だと考えたわけです。
実際、この後のレイチェルのセリフで、小さな青いスーツケースを見せて「このスーツケースはパウロのもの」と言っていますので、そのセリフの流れを考えても、「これらはすべて私のスーツケースというわけではない」という部分否定(of がないセリフ)だと判断できると思いました。
フィービー:引っ越しするみたいな大荷物ね。
レイチェル:全部が私の荷物ってわけじゃないわ。これはパウロの荷物だし。
と言って見せたのが小さめのバッグだったので、「否定してたけど、やっぱりこの大荷物のほとんどはレイチェルのものじゃないか」とツッコミたくなるようなオチだということでしょう。
can we talk for a sec? の sec は second 「秒」の略。
for a sec 「1秒間」で、「ちょっと、少し」という短い時間を表します。
Paolo's on his way over の on one's way over は「こちらに向かっている」。
よく使われる表現 on one's way home だと「家に帰る途中で、帰り道に」。
over は「越えて、向こうへ」という意味でよく使われますが、今回の over は「こちら側へ、話し手の方・家に」という意味で使われています。
このような over について、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
over : to, from, or in a particular place
例1) Come over here (= in or to the place where you are, from somewhere else)!
例2) Let's go over there (= in or to another place) and see what's happening.
つまり、「ある場所へ、ある場所から、ある場所(の中)で」。例文1は「こっちに来いよ!(自分がいるところに・ところへ、別の場所から)」。例文2は「向こうへ行こう、そして何が起こってるか見てみよう(別の場所に・場所へ)」。
over here 「こちらへ」、over there 「あちらへ」とどちらの方向にも over が使えるということです。
フィービーはレイチェルに話をしようとしますが、言いよどんで切り出すことができません。
荷造り中のレイチェルにせかされ、フィービーはようやく話し始めます。
we haven't known each other for that long a time は、not that 「そんなに〜ではない」の形が使われています。
we haven't known each other 「私たちはお互いを知らなかった」というように know を否定しているのではなく、「お互いを知っているのはそんなに長い間ってわけではない」というように long を否定していることになります。
「まだそんなに長い付き合いってほどじゃないけど、私についてこの3点だけは知っておいてほしいの」と話を始めたフィービーは、1. 友達が一番大切、2. 私は決して嘘をつかない、3. 私は世界最高のオートミール・レーズン・クッキーを作る、と語ります。
2番目の I never lie. は「決して〜しない」という強い否定語 never を使った現在形で、「私は決して嘘はつかない」という自分の習性や性格を語っていることになります。
フィービーが持参した缶に入っていたクッキーを一口食べたレイチェルは、表情と口調でそのおいしさに感動した様子を表現しています。
Why have I never tasted these before? を直訳すると「どうして私はこれまで、この(おいしい)クッキーを味わったことが一度もなかったの?」。
つまり「どうして今までこれを一度も食べたことがないの? どうして今まで作ってくれなかったの?」と言っていることになるでしょう。
I don't make them a lot, because I don't think it's fair to the other cookies. は 「そのクッキーはあまり作らないの。だって、他のクッキーに対して不公平だと思うから」。
私の作るクッキーはものすごくおいしいから、あんまりしょちゅう作ると、他のクッキーに悪いもの、という意味でしょう。
「他のクッキーに対して不公平だと思う」をそのまま英語にしようとすると、I think it's unfair to the other cookies. になりそうなところですが、英語では否定語はできるだけ前に来る傾向があるので、I think it's not fair や、I think it's unfair ではなくて、I don't think it's fair という形になるということです。
ですから、I don't think it's fair to the other cookies. を和訳する場合も、「他のクッキーに対して、公平(フェアー)だとは思わない」みたいに訳すのではなく、「不公平だと思う」のように訳した方が自然な日本語になるでしょう。
These are the best oatmeal raisin cookies I've ever had. は 「これは、今まで食べた中で、最高のオートミール・レーズン・クッキーよ」。
最上級と、経験を表す現在完了形との組み合わせで、このような「今まで〜した中で最高に・最高の…」という表現は会話でよく登場します。
Which proves that I never lie. は「そのことが、私は嘘をつかない、ということを証明する」。
その前にレイチェルが言ったこと、最高のクッキーだとレイチェルが認めたことが、私が嘘をつかないってことの証明になるでしょ、と言っています。
which は前の文、この場合は、直前のレイチェルのセリフ全体を指しています。
フィービーが語った3番目の「最高のクッキー」が真実であるとわかったので、2番目の「私は嘘をつかない」ということが真実だと証明されるということです。
I guess you don't. は I guess you don't lie. の lie が省略された形。
make a pass at は 「言い寄る、口説く、(性的な)ちょっかい・モーションをかける」。
過去記事、口説く、ちょっかいをかける フレンズ1-12改その8 で、セントラルパークにいる(レイチェル以外の)フレンズたちに、
フィービー: Well, he made a move on me. (その……彼(パウロ)が私にちょっかいをかけてきたの。)
と言っていたことがありましたが、その make a move on と、今回の make a pass at は似た表現になります。
LAAD では、
pass [noun] : an attempt to kiss or touch another person with the intention of starting a sexual relationship with them
例)Her boss made a pass at her.
つまり、名詞 pass は「ある人と性的な関係を始めたいという意図を持って、その人にキスやタッチをしようと試みること」。例文は「彼女のボスは彼女にモーションをかけてきた」。
Macmillan Dictionary では、
make a pass at someone :
to try to start a sexual relationship with someone, for example by talking to them or touching them in a sexual way
つまり、「誰かと性的な関係を始めようとすること、例えばその人に話しかけたり、性的な感じでその人にタッチしたりすることで」。
どちらの語義にも「性的な関係を始めようとしてタッチする(など)」とあるように、そういう下心を持ってお触りしてくることを指しており、マッサージ中にフィービーの脚やお尻を触ってきたパウロの行為にぴったりの表現だと言えるでしょう。
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2022年10月24日
意見が合わないことを示す I don't know フレンズ1-12改その10
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11:52
ジョーイ: Will you pick one? Just pick one. Here, how about that one? [points to a table] ((テーブルを)一つ選べよ。ただ(とにかく)一つ選べ。ほら、あれはどうだ? [あるテーブルを指さす])
チャンドラー: That's patio furniture. (あれはパティオ(中庭)の家具だ。)
ジョーイ: So what? Like people are gonna come in and think, "Uh-oh, I'm outside again." (それが何だよ? 人が(部屋に)入ってきてこう思う、みたいな? 「おっとー、俺はまた外にいるぞ」って。)
チャンドラー: Fine. [gesturing towards another table] What about the birds? (いいさ[結構だ]。[別のテーブルを示すしぐさをして] あの鳥(柄)はどうだ?)
ジョーイ: I don't know. Birds just don't say, "Hello, sit here. Eat something." (どうかな。鳥は「こんにちは、ここに座って。何か食べて」って感じじゃないよ。)
チャンドラー: You pick one. ((じゃあ)お前が選べ。)
ジョーイ: All right, how about the ladybugs? (わかった、あのテントウムシはどうだ?)
チャンドラー: Oh, so forget about the birds, but big red insects suggest fine dining? (おぉ、それじゃあその鳥は忘れてくれ、でも大きな赤い虫は素敵な食事を示唆するんだな?)
ジョーイ: Fine! You want to get the birds? Get the birds! (いいさ! お前は鳥(柄の机)を買いたいんだな? (じゃあ)鳥(柄)を買えよ!)
チャンドラー: Not like that, I won't. [pauses] Kip would’ve liked the birds. [Joey turns and gives Chandler a dirty look] (そういうんじゃない、俺は買わないよ。[間があって] キップなら鳥を気に入ってくれてただろうに。[ジョーイは振り返り、チャンドラーに怒った顔をする])
Will you pick one? と言った後、Just pick one. と続けています。
このように命令形に just を付けると、「ただ〜しろ、つべこべ言わずに(とにかく)〜しろ」というニュアンスが出ます。
So what? は「それが何だよ? それがどうしたって言うんだよ?」という感覚。
日本語でも「それが何か?」と言うと、「それが何か問題でも?」というような相手に挑む感じが出ますが、それと同じようなニュアンスがあります。
Like people are gonna の Like SV は「SがVするみたいな(こと)」という感覚。
Fine. は、怒っている時の不満な気持ちを表現した言葉。
パティオ(中庭)のテーブルを選んだジョーイに対して、チャンドラーは鳥の柄のテーブルを示します。
ジョーイの I don't know. について。
I don't know. と言うと、「知らない、わからない」という意味がまず頭に浮かびがちですが、今回の場合は「(それは)どうかな」という日本語が似つかわしいでしょう。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
I don't know
used to show that you disagree slightly with what has just been said
例)"I couldn't live there." "Oh, I don't know. It might not be so bad."
つまり、「たった今、言われたばかりのことに対して少し意見が合わないことを示す時に使われる」。
例文は「私はそこには住めないわ」「あぁ、(それは)どうかな。そんなに悪くないかもよ」
チャンドラーが鳥柄を提案したところ、ジョーイは「ここに座って、何か食べて」って感じじゃないと否定し、チャンドラーは You pick one. と言っています。
命令文は通常、動詞の原形で始まりますが、このようにわかりきった主語の You をつけることで、命令文をさらに強調する効果が生まれます。
主語をわざわざつけた感じを出すために、日本語でも「お前が選べ(よ)」のように「お前が」をつけると、そのニュアンスを表現することができるでしょう。
ladybug は「テントウムシ」。
big red insects は「大きな赤い虫(昆虫)」。
テントウムシのことを、わざと「大きな赤い虫」と表現しています。
鳥を却下しておいて、代わりに出してきたのが「ムシ」かよ?! と怒っているのを表現するため、insects 「虫(ムシ)」の部分を強調しています。
You want to get the birds? Get the birds! について。
「お前が〜したいなら、〜しろ」は、"You want to 動詞? 動詞の原形(命令形)" という形になるために、get the birds というフレーズが2回繰り返されることになります。
最初は疑問文なので上がり調子、後の命令形は下がり調子になりますが、同じフレーズの繰り返しが面白いリズムを作り出していると感じます。
日本語で言うと「買いたきゃ買え!」というところで、ここでは怒りながら言っているので、「お前の好きにすればいいさ」的な投げやりなニュアンスが感じられます。
Not like that は「そういうのではない」ということですから、まさに日本語の「そういうんじゃない」という感覚。
Kip would’ve liked the birds. は「(元ルームメートの)キップなら、鳥柄を気に入ってくれただろうに」。
would には、もしキップなら、という仮定の意味が込められています。
キップなら俺の決めたことに素直に賛同してくれたのにな、と前のルームメイトと比較しているセリフで、前にもキップの名前を出した時にやきもちのようなことを言っていたジョーイは、今回もその名前を聞いて怒った顔をすることになります。
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11:52
ジョーイ: Will you pick one? Just pick one. Here, how about that one? [points to a table] ((テーブルを)一つ選べよ。ただ(とにかく)一つ選べ。ほら、あれはどうだ? [あるテーブルを指さす])
チャンドラー: That's patio furniture. (あれはパティオ(中庭)の家具だ。)
ジョーイ: So what? Like people are gonna come in and think, "Uh-oh, I'm outside again." (それが何だよ? 人が(部屋に)入ってきてこう思う、みたいな? 「おっとー、俺はまた外にいるぞ」って。)
チャンドラー: Fine. [gesturing towards another table] What about the birds? (いいさ[結構だ]。[別のテーブルを示すしぐさをして] あの鳥(柄)はどうだ?)
ジョーイ: I don't know. Birds just don't say, "Hello, sit here. Eat something." (どうかな。鳥は「こんにちは、ここに座って。何か食べて」って感じじゃないよ。)
チャンドラー: You pick one. ((じゃあ)お前が選べ。)
ジョーイ: All right, how about the ladybugs? (わかった、あのテントウムシはどうだ?)
チャンドラー: Oh, so forget about the birds, but big red insects suggest fine dining? (おぉ、それじゃあその鳥は忘れてくれ、でも大きな赤い虫は素敵な食事を示唆するんだな?)
ジョーイ: Fine! You want to get the birds? Get the birds! (いいさ! お前は鳥(柄の机)を買いたいんだな? (じゃあ)鳥(柄)を買えよ!)
チャンドラー: Not like that, I won't. [pauses] Kip would’ve liked the birds. [Joey turns and gives Chandler a dirty look] (そういうんじゃない、俺は買わないよ。[間があって] キップなら鳥を気に入ってくれてただろうに。[ジョーイは振り返り、チャンドラーに怒った顔をする])
Will you pick one? と言った後、Just pick one. と続けています。
このように命令形に just を付けると、「ただ〜しろ、つべこべ言わずに(とにかく)〜しろ」というニュアンスが出ます。
So what? は「それが何だよ? それがどうしたって言うんだよ?」という感覚。
日本語でも「それが何か?」と言うと、「それが何か問題でも?」というような相手に挑む感じが出ますが、それと同じようなニュアンスがあります。
Like people are gonna の Like SV は「SがVするみたいな(こと)」という感覚。
Fine. は、怒っている時の不満な気持ちを表現した言葉。
パティオ(中庭)のテーブルを選んだジョーイに対して、チャンドラーは鳥の柄のテーブルを示します。
ジョーイの I don't know. について。
I don't know. と言うと、「知らない、わからない」という意味がまず頭に浮かびがちですが、今回の場合は「(それは)どうかな」という日本語が似つかわしいでしょう。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
I don't know
used to show that you disagree slightly with what has just been said
例)"I couldn't live there." "Oh, I don't know. It might not be so bad."
つまり、「たった今、言われたばかりのことに対して少し意見が合わないことを示す時に使われる」。
例文は「私はそこには住めないわ」「あぁ、(それは)どうかな。そんなに悪くないかもよ」
チャンドラーが鳥柄を提案したところ、ジョーイは「ここに座って、何か食べて」って感じじゃないと否定し、チャンドラーは You pick one. と言っています。
命令文は通常、動詞の原形で始まりますが、このようにわかりきった主語の You をつけることで、命令文をさらに強調する効果が生まれます。
主語をわざわざつけた感じを出すために、日本語でも「お前が選べ(よ)」のように「お前が」をつけると、そのニュアンスを表現することができるでしょう。
ladybug は「テントウムシ」。
big red insects は「大きな赤い虫(昆虫)」。
テントウムシのことを、わざと「大きな赤い虫」と表現しています。
鳥を却下しておいて、代わりに出してきたのが「ムシ」かよ?! と怒っているのを表現するため、insects 「虫(ムシ)」の部分を強調しています。
You want to get the birds? Get the birds! について。
「お前が〜したいなら、〜しろ」は、"You want to 動詞? 動詞の原形(命令形)" という形になるために、get the birds というフレーズが2回繰り返されることになります。
最初は疑問文なので上がり調子、後の命令形は下がり調子になりますが、同じフレーズの繰り返しが面白いリズムを作り出していると感じます。
日本語で言うと「買いたきゃ買え!」というところで、ここでは怒りながら言っているので、「お前の好きにすればいいさ」的な投げやりなニュアンスが感じられます。
Not like that は「そういうのではない」ということですから、まさに日本語の「そういうんじゃない」という感覚。
Kip would’ve liked the birds. は「(元ルームメートの)キップなら、鳥柄を気に入ってくれただろうに」。
would には、もしキップなら、という仮定の意味が込められています。
キップなら俺の決めたことに素直に賛同してくれたのにな、と前のルームメイトと比較しているセリフで、前にもキップの名前を出した時にやきもちのようなことを言っていたジョーイは、今回もその名前を聞いて怒った顔をすることになります。
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2022年09月04日
could have+過去分詞 フレンズ1-12改その9
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0:10:48
モニカ: What happened? (何があったの?)
フィービー: He came in for a massage... and everything was fine until... (彼(パウロ)がマッサージのために(部屋に)入ってきて…それで、すべては順調だったのよ、その時までは…)
マッサージ中にフィービーの脚(太もも)を触っているパウロの映像。
ジョーイ&チャンドラー: Whoa! (おー!)
ロス: Oh, my God. (なんてこった。)
モニカ: Are you sure? (確かなの?)
[Flashback: Paolo, lying on massage table, grabs Phoebe's butt]
フラッシュバック:マッサージ台に寝ているパウロがフィービーのお尻を掴む。
フィービー: Oh, yeah, I'm sure. [Flashback resumes while Phoebe does voice-over] And all of a sudden, his hands weren't the problem anymore. [Flashback continues: Paolo rolls over, Phoebe looks down, then quickly looks up, bites lip, shakes her head] (ええ、確かよ。[フィービーの声がボイスオーバーしながら、フラッシュバック映像が再開する] それから突然、彼の手はもう問題ではなくなってたの。[フラッシュバックが続く:パウロは寝返り[うつぶせから向きを変え]、フィービーは視線を下にやる、それから急いで視線を上に向ける、唇を噛んで、頭を振る])
モニカ: Was it...? (それが…だったの?)
フィービー: Oh, boy scouts could've camped under there. (ボーイスカウトがその下でキャンプできたでしょうね[できそう(なくらい)だったわ]。)
男性陣: Ooh. (ウー。)
[Rachel runs over]
レイチェルが走ってくる。
レイチェル: "Ooh," what?(ウー、何?)
フィービー: --ma (Uma) Thurman. ((ウー)マ・サーマン。)
モニカ: Oh! (あぁ!)
ロス: The actress! (あの女優!)
みんな: Uma Thurman! (ウーマ[ユマ]・サーマン!)
[all talking indistinctly, high-fiving]
みんなは何やら(不明瞭に)話し、ハイ・ファイブする。
ロス: Thanks, Rach. (ありがとう、レイチ。)
[Rachel walks away]
レイチェルは歩き去る。
チャンドラー: So what are you gonna do? (それでフィービーはどうするつもりだ?)
ロス: You have to tell her. You have to tell her! It's your moral obligation as a friend, as a woman. I think it's a feminist issue. Guys? Guys? [waiting for guys to chime in] (レイチェルに言わなきゃだめだよ。彼女に言わなきゃ! 道徳的責務だよ、友達として、女性としての。フェミニスト問題だと思う。(そうだろ?) 男性陣? 男性陣? [男性陣が同意するのを待ちながら])
チャンドラー: Oh, yeah. You have to tell her. (あぁ、そうだ。彼女に言わなきゃだめだ。)
ジョーイ: Feminist issue? That's where I went. (フェミニスト・イシュー? そこ、俺が行った場所だ[そこに俺、行ったよ]。)
フィービー: She is gonna hate me! (レイチェルに憎まれちゃうわ!)
ロス: [sympathetic yet...] Yeah, well. ([同情的なようだが…] そうだね、まあ。)
前回解説したシーンで、「(レイチェルの恋人である)パウロが私にちょっかいをかけてきた」とフィービーが言い、その後の話を(レイチェル以外の)フレンズたちが聞いているところ。
He came in for a massage... and everything was fine until... を聞こえた通りにイメージすると「彼(パウロ)はマッサージのために部屋に入ってきた…そしてすべては順調だった、〜までは」となるでしょう。
「〜までは順調だった・問題なかった」という話の流れから、until の後に何かしらの問題が語られることが想像できます。
until の後、フィービーはその場にいるフレンズたちに対して、口頭で状況を説明したでしょうが、画面ではその時の様子を映像で見せる形のフラッシュバック形式をとっています。
映像の通り、まずはフィービーの脚(太もも)をお触りしてきたパウロですが、モニカが「確かなの?」と尋ねた後、フラッシュバック映像が再開し、今度はお尻をぐっと掴む様子が映ります。
脚に触れた程度ではなく、お尻をぐっと掴まれたんだから私の勘違いなんかじゃない、というところですが、Oh yeah, I'm sure. 「ええ、確かよ(間違いないわ)」と言いながら、何だかちょっと嬉しそうに一瞬笑顔を見せるのにも笑えます。
And all of a sudden, his hands weren't the problem anymore. は「それから突然、彼の手はもう問題ではなくなっていた」。
私の脚やお尻を触ってきたという「手」はもはや問題ではなくなってた、ということから、問題はお触りだけではなかったことが察せられます。
お触り以上の問題については、その後のフラッシュバック映像でフィービーが見た視線の先に問題があったことがわかりますが、それをフィービーは、boy scouts ... と表現しています。
Boy scouts could've camped under there. は「ボーイスカウトがその下でキャンプできたでしょう[できそう(なくらい)だった]」。
camp はここでは動詞で「キャンプする、テントを張る、野営・野宿する」。
could have+過去分詞は「(もし〜だったら)…できただろう(に)」というニュアンス。
「やろうと思えば、ボーイスカウトがその下でキャンプができたでしょうね、キャンプできそうなくらい[ほど]だった」ということで、ボーイスカウトがキャンプをするために立てるテントのように、パウロの大事な部分を覆ったタオルが、その部分だけ大きく盛り上がっていたことを示唆しています。
日本語でも「ズボンにテントを張る」のような表現があったりするので、「テント」のことだとわかればイメージも湧きやすいでしょう。
フィービーのお尻を触ったのはアクシデントや偶然ではなく、パウロはフィービーを誘う気満々だった、ということがわかるということです。
フィービーのその表現を聞いて男性陣が Ooh. 「ウー」と言ったのを聞いて、その場にはいなかったレイチェルが寄ってきて、"Ooh," what? 「ウー、って何?」と尋ねます。
レイチェルの恋人パウロがフィービーを誘おうとしていたとも言えず、フィービーはとっさに、「ウー」に続ける形で、--ma Thurman. と答えます。
Uma Thurman は「ユマ・サーマン」。「パルプ・フィクション」「キル・ビル」などで有名なアメリカの女優さん。
日本では「ユマ」と表記されていますが、実際の英語の発音は「ウーマ」が近いです。
「ウー」と言っていた会話の内容をごまかそうと、ウーのつくものを探し、ちょうどウーで始まる、「ウーマ・サーマン」の名前を出した、という流れです。
名前の読みを「ユマ・サーマン」だと思っている日本人には、ちょっとわかりにくいジョークだったかもしれません。
レイチェルが去り、ロスは「フィービーはそのことをレイチェルに言わなきゃだめだ」と強く主張しています。
moral obligation は「道徳的義務・責任」。
issue は「問題(点)、争点、論点」。
feminist は「男女同権主義者」。
少し前の日本では「女性に甘い、女性に優しい男性」という意味でフェミニストという言葉が使われていたような気がしますが、英語の feminist にはそういう意味はありません。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
feminist : someone who supports the idea that women should have the same rights and opportunities as men
つまり、「女性は男性と同じ権利と機会を持つべきだという考えを支持する人」。
マッサージという仕事中にエッチなモーションをかけるなんてことは、女性を性的対象としてしか見ていない、男女同権者にとっては大問題になるような行為だ、とロスは言おうとしていることになります。
レイチェルが好きなロスとしては、今回のパウロの行為が元で、レイチェルがパウロを嫌い別れたらいいと思っているのは明らかですが、そういう本音を隠すために「女性としてそんなことをされたら怒るべきだし、同じ女性であるレイチェルにそれを告げるべきだ」という男女同権論を建て前にしているということです。
ロスは「僕は男性としてそう進言する。他の男性陣もそう思うよな?」という感じで、一緒に聞いていたチャンドラーとジョーイに Guys? Guys? と同意の言葉を求めます。
チャンドラーは(いつものようにジョークにすることはなく)「フィービーはレイチェルに言うべきだ」と素直に同意し、その後でジョーイは Feminist issue? That's where I went. と続けます。
そのジョーイのセリフ、Feminist issue? That's where I went. について。
このセリフを直訳すると「フェミニスト問題? それは俺が行った場所だ」になるでしょうか。
That's the place where I went. のように「場所」を意味する先行詞が省略されていると考えればわかりやすいでしょう。
went、つまり原形だと go は、超基本単語なので、状況によってさまざまなニュアンスで使われることが可能で、漠然と「俺が行ったところ」と表現することで「俺もそれ(そういう問題)を経験した(ことがある)」のような意味で使っているという可能性もなくはない、とも思います、、が、この時のロスの反応を見ていると、ジョーイがトンチンカンなことを言っている描写に私には思えました。
ジョーイがちょっと得意げにそう言った後、ロスはジョーイの方を見ながら、一瞬固まり、軽くうなずいてから、まあいいやというような顔で、フィービーの方にまた顔を向けている、、という流れになっていると私には見えたので、ロスが期待した答えではなかった、ピント外れの答えだったので、もういいや、という感じでジョーイの答えをスルーする感じでフィービーとの会話に戻った感じがしたわけです。
、、ということで、私も確信があるわけではないのですが、この Feminist issue? That's where I went. というのは直訳通りの「フェミニスト・イシュー? そこ、俺が行った場所だ」という意味だったように思います。
相手が言った言葉に対して、「なにそれ? おいしいの?」と言ったら、「それを食べ物と勘違いしている→それが何なのか全くわかってない」ことを示すという会話のお約束みたいなものがありますが、今回のジョーイのセリフも「聞き慣れない難しい言葉を、どこかの店か何かの場所だと勘違いしたことを示した」という気がしたということです。
ジョーイのこの発言の後、大爆笑という感じではないですが、観客からはラフトラック(笑い声)が起こっています。
この状況で笑い声が起こる、つまりジョークであるとすると、「ジョーイがその言葉の意味を勘違いしている」と考えるのが一番自然だろうと。
また、先ほどの解説で
チャンドラーは(いつものようにジョークにすることはなく)「フィービーはレイチェルに言うべきだ」と素直に同意し、
と書きましたが、チャンドラーが何のひねりもない(ごめん)返しをしたということは、その後のジョーイの部分にジョークのオチがあるからではないかとも思いました。
大爆笑ではないので、そんなに見事なオチでも面白いオチでもないという気はするのですが、「チャンドラーのセリフ(笑いなし)、ジョーイのセリフ(笑いあり)」という流れからもジョーイのセリフはジョークのオチであり、フェミニスト問題に興味なさそうなプレイボーイのジョーイが言うオチのセリフとしては、「別のものと勘違いしている」と解釈するのが一番妥当だと思ったということです。
(長くなりましたが、フィービーのセリフに戻ります。)
フィービーは「(パウロのことを話したら)レイチェルは私を嫌いになるわ、憎むわ」と言います。
それに対してロスは Yeah, well. と言っていますが、その言い方と表情から「そうだけど、それがどうしたの? まあしょうがないよね」というニュアンスが感じられる気がします。
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0:10:48
モニカ: What happened? (何があったの?)
フィービー: He came in for a massage... and everything was fine until... (彼(パウロ)がマッサージのために(部屋に)入ってきて…それで、すべては順調だったのよ、その時までは…)
マッサージ中にフィービーの脚(太もも)を触っているパウロの映像。
ジョーイ&チャンドラー: Whoa! (おー!)
ロス: Oh, my God. (なんてこった。)
モニカ: Are you sure? (確かなの?)
[Flashback: Paolo, lying on massage table, grabs Phoebe's butt]
フラッシュバック:マッサージ台に寝ているパウロがフィービーのお尻を掴む。
フィービー: Oh, yeah, I'm sure. [Flashback resumes while Phoebe does voice-over] And all of a sudden, his hands weren't the problem anymore. [Flashback continues: Paolo rolls over, Phoebe looks down, then quickly looks up, bites lip, shakes her head] (ええ、確かよ。[フィービーの声がボイスオーバーしながら、フラッシュバック映像が再開する] それから突然、彼の手はもう問題ではなくなってたの。[フラッシュバックが続く:パウロは寝返り[うつぶせから向きを変え]、フィービーは視線を下にやる、それから急いで視線を上に向ける、唇を噛んで、頭を振る])
モニカ: Was it...? (それが…だったの?)
フィービー: Oh, boy scouts could've camped under there. (ボーイスカウトがその下でキャンプできたでしょうね[できそう(なくらい)だったわ]。)
男性陣: Ooh. (ウー。)
[Rachel runs over]
レイチェルが走ってくる。
レイチェル: "Ooh," what?(ウー、何?)
フィービー: --ma (Uma) Thurman. ((ウー)マ・サーマン。)
モニカ: Oh! (あぁ!)
ロス: The actress! (あの女優!)
みんな: Uma Thurman! (ウーマ[ユマ]・サーマン!)
[all talking indistinctly, high-fiving]
みんなは何やら(不明瞭に)話し、ハイ・ファイブする。
ロス: Thanks, Rach. (ありがとう、レイチ。)
[Rachel walks away]
レイチェルは歩き去る。
チャンドラー: So what are you gonna do? (それでフィービーはどうするつもりだ?)
ロス: You have to tell her. You have to tell her! It's your moral obligation as a friend, as a woman. I think it's a feminist issue. Guys? Guys? [waiting for guys to chime in] (レイチェルに言わなきゃだめだよ。彼女に言わなきゃ! 道徳的責務だよ、友達として、女性としての。フェミニスト問題だと思う。(そうだろ?) 男性陣? 男性陣? [男性陣が同意するのを待ちながら])
チャンドラー: Oh, yeah. You have to tell her. (あぁ、そうだ。彼女に言わなきゃだめだ。)
ジョーイ: Feminist issue? That's where I went. (フェミニスト・イシュー? そこ、俺が行った場所だ[そこに俺、行ったよ]。)
フィービー: She is gonna hate me! (レイチェルに憎まれちゃうわ!)
ロス: [sympathetic yet...] Yeah, well. ([同情的なようだが…] そうだね、まあ。)
前回解説したシーンで、「(レイチェルの恋人である)パウロが私にちょっかいをかけてきた」とフィービーが言い、その後の話を(レイチェル以外の)フレンズたちが聞いているところ。
He came in for a massage... and everything was fine until... を聞こえた通りにイメージすると「彼(パウロ)はマッサージのために部屋に入ってきた…そしてすべては順調だった、〜までは」となるでしょう。
「〜までは順調だった・問題なかった」という話の流れから、until の後に何かしらの問題が語られることが想像できます。
until の後、フィービーはその場にいるフレンズたちに対して、口頭で状況を説明したでしょうが、画面ではその時の様子を映像で見せる形のフラッシュバック形式をとっています。
映像の通り、まずはフィービーの脚(太もも)をお触りしてきたパウロですが、モニカが「確かなの?」と尋ねた後、フラッシュバック映像が再開し、今度はお尻をぐっと掴む様子が映ります。
脚に触れた程度ではなく、お尻をぐっと掴まれたんだから私の勘違いなんかじゃない、というところですが、Oh yeah, I'm sure. 「ええ、確かよ(間違いないわ)」と言いながら、何だかちょっと嬉しそうに一瞬笑顔を見せるのにも笑えます。
And all of a sudden, his hands weren't the problem anymore. は「それから突然、彼の手はもう問題ではなくなっていた」。
私の脚やお尻を触ってきたという「手」はもはや問題ではなくなってた、ということから、問題はお触りだけではなかったことが察せられます。
お触り以上の問題については、その後のフラッシュバック映像でフィービーが見た視線の先に問題があったことがわかりますが、それをフィービーは、boy scouts ... と表現しています。
Boy scouts could've camped under there. は「ボーイスカウトがその下でキャンプできたでしょう[できそう(なくらい)だった]」。
camp はここでは動詞で「キャンプする、テントを張る、野営・野宿する」。
could have+過去分詞は「(もし〜だったら)…できただろう(に)」というニュアンス。
「やろうと思えば、ボーイスカウトがその下でキャンプができたでしょうね、キャンプできそうなくらい[ほど]だった」ということで、ボーイスカウトがキャンプをするために立てるテントのように、パウロの大事な部分を覆ったタオルが、その部分だけ大きく盛り上がっていたことを示唆しています。
日本語でも「ズボンにテントを張る」のような表現があったりするので、「テント」のことだとわかればイメージも湧きやすいでしょう。
フィービーのお尻を触ったのはアクシデントや偶然ではなく、パウロはフィービーを誘う気満々だった、ということがわかるということです。
フィービーのその表現を聞いて男性陣が Ooh. 「ウー」と言ったのを聞いて、その場にはいなかったレイチェルが寄ってきて、"Ooh," what? 「ウー、って何?」と尋ねます。
レイチェルの恋人パウロがフィービーを誘おうとしていたとも言えず、フィービーはとっさに、「ウー」に続ける形で、--ma Thurman. と答えます。
Uma Thurman は「ユマ・サーマン」。「パルプ・フィクション」「キル・ビル」などで有名なアメリカの女優さん。
日本では「ユマ」と表記されていますが、実際の英語の発音は「ウーマ」が近いです。
「ウー」と言っていた会話の内容をごまかそうと、ウーのつくものを探し、ちょうどウーで始まる、「ウーマ・サーマン」の名前を出した、という流れです。
名前の読みを「ユマ・サーマン」だと思っている日本人には、ちょっとわかりにくいジョークだったかもしれません。
レイチェルが去り、ロスは「フィービーはそのことをレイチェルに言わなきゃだめだ」と強く主張しています。
moral obligation は「道徳的義務・責任」。
issue は「問題(点)、争点、論点」。
feminist は「男女同権主義者」。
少し前の日本では「女性に甘い、女性に優しい男性」という意味でフェミニストという言葉が使われていたような気がしますが、英語の feminist にはそういう意味はありません。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
feminist : someone who supports the idea that women should have the same rights and opportunities as men
つまり、「女性は男性と同じ権利と機会を持つべきだという考えを支持する人」。
マッサージという仕事中にエッチなモーションをかけるなんてことは、女性を性的対象としてしか見ていない、男女同権者にとっては大問題になるような行為だ、とロスは言おうとしていることになります。
レイチェルが好きなロスとしては、今回のパウロの行為が元で、レイチェルがパウロを嫌い別れたらいいと思っているのは明らかですが、そういう本音を隠すために「女性としてそんなことをされたら怒るべきだし、同じ女性であるレイチェルにそれを告げるべきだ」という男女同権論を建て前にしているということです。
ロスは「僕は男性としてそう進言する。他の男性陣もそう思うよな?」という感じで、一緒に聞いていたチャンドラーとジョーイに Guys? Guys? と同意の言葉を求めます。
チャンドラーは(いつものようにジョークにすることはなく)「フィービーはレイチェルに言うべきだ」と素直に同意し、その後でジョーイは Feminist issue? That's where I went. と続けます。
そのジョーイのセリフ、Feminist issue? That's where I went. について。
このセリフを直訳すると「フェミニスト問題? それは俺が行った場所だ」になるでしょうか。
That's the place where I went. のように「場所」を意味する先行詞が省略されていると考えればわかりやすいでしょう。
went、つまり原形だと go は、超基本単語なので、状況によってさまざまなニュアンスで使われることが可能で、漠然と「俺が行ったところ」と表現することで「俺もそれ(そういう問題)を経験した(ことがある)」のような意味で使っているという可能性もなくはない、とも思います、、が、この時のロスの反応を見ていると、ジョーイがトンチンカンなことを言っている描写に私には思えました。
ジョーイがちょっと得意げにそう言った後、ロスはジョーイの方を見ながら、一瞬固まり、軽くうなずいてから、まあいいやというような顔で、フィービーの方にまた顔を向けている、、という流れになっていると私には見えたので、ロスが期待した答えではなかった、ピント外れの答えだったので、もういいや、という感じでジョーイの答えをスルーする感じでフィービーとの会話に戻った感じがしたわけです。
、、ということで、私も確信があるわけではないのですが、この Feminist issue? That's where I went. というのは直訳通りの「フェミニスト・イシュー? そこ、俺が行った場所だ」という意味だったように思います。
相手が言った言葉に対して、「なにそれ? おいしいの?」と言ったら、「それを食べ物と勘違いしている→それが何なのか全くわかってない」ことを示すという会話のお約束みたいなものがありますが、今回のジョーイのセリフも「聞き慣れない難しい言葉を、どこかの店か何かの場所だと勘違いしたことを示した」という気がしたということです。
ジョーイのこの発言の後、大爆笑という感じではないですが、観客からはラフトラック(笑い声)が起こっています。
この状況で笑い声が起こる、つまりジョークであるとすると、「ジョーイがその言葉の意味を勘違いしている」と考えるのが一番自然だろうと。
また、先ほどの解説で
チャンドラーは(いつものようにジョークにすることはなく)「フィービーはレイチェルに言うべきだ」と素直に同意し、
と書きましたが、チャンドラーが何のひねりもない(ごめん)返しをしたということは、その後のジョーイの部分にジョークのオチがあるからではないかとも思いました。
大爆笑ではないので、そんなに見事なオチでも面白いオチでもないという気はするのですが、「チャンドラーのセリフ(笑いなし)、ジョーイのセリフ(笑いあり)」という流れからもジョーイのセリフはジョークのオチであり、フェミニスト問題に興味なさそうなプレイボーイのジョーイが言うオチのセリフとしては、「別のものと勘違いしている」と解釈するのが一番妥当だと思ったということです。
(長くなりましたが、フィービーのセリフに戻ります。)
フィービーは「(パウロのことを話したら)レイチェルは私を嫌いになるわ、憎むわ」と言います。
それに対してロスは Yeah, well. と言っていますが、その言い方と表情から「そうだけど、それがどうしたの? まあしょうがないよね」というニュアンスが感じられる気がします。
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