2021年06月21日

または、そういう趣旨のこと フレンズ1-11改その19

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19:13
[Scene 8: Chandler and Joey's. Chandler is talking with his mom]
シーン8:チャンドラーとジョーイの部屋。チャンドラーは彼のママと話している。
ノーラ: The car's waiting downstairs. I just wanted to drop off these copies of my book for your friends. Anything you want from Lisbon? (車が下で待ってるの。私はただ、あなたのお友達のために私のこの本を置いていきたかっただけなの。リスボンで何か欲しいものある?)
チャンドラー: No, just knowing you're gonna be there is enough. (いや、ママがそこに行くってわかっただけで十分だよ。)
ノーラ: All right. Well, be good. I love you. [Kisses him and goes to leave] (よし。じゃあ、いい子でね。愛してるわ。[チャンドラーにキスして去ろうとする])
チャンドラー: You kissed my best Ross! Or something to that effect. (ママは俺の親友のロスにキスした! もしくは[って言うか]そういう趣旨のこと。)
ノーラ : [Reentering] O-kay. Look, it, it was stupid. ([再び部屋に入って] わかった。ねぇ、ばか(なこと)だったわ。)
チャンドラー: Really stupid. (本当にばかだ。)
ノーラ: Really stupid. And I don't even know how it happened. I'm sorry, honey, I promise it will never happen again. Are we okay now? (本当にばかだわ。そして私はそれがどんな風に始まったのかすらわからないの[いつの間にかそういうことになってたの]。ごめんなさい、ハニー、約束するわ、二度とそんなことは起こらない、って。(これで)もう、私たちは大丈夫[問題ない]?)
チャンドラー: Yeah. No. No... (ああ。いや、いや(大丈夫じゃない)…)
[Cut to Joey listening at the door. Ross walks up]
ドアのところで聴いているジョーイへ画面がカット。ロスが歩いて近づいてくる。
ロス: Ah, the forbidden love of a man and his door. (あぁ、人間の男と彼のドアとの禁じられた愛だな。)
ジョーイ: Shh. He did it. He told her off. And not just about the kiss, about everything. (シーッ。チャンドラーはやった。自分のママに文句を言ったんだ。それにあのキスのことだけじゃなく、すべてのことについて。)
ロス: You're kidding? (冗談だろ?)
ジョーイ: No, no. He said, "When are you gonna grow up and start being a mom?" (いや、いや。あいつは言ったんだ、「あんたはいつ成長して(大人になって)、母親になり始めるんだよ?」って。)
ロス: Wow! (ワォ!)

drop off は「(乗り物から)(人)を降ろす、(荷物)をおろす」という意味があり、この場合は、「この本を置いていく」という感覚。
copy は「(本の)1冊、1部」。
日本語で「コピー」というと、「複写、転写、写し」のニュアンスが強いですが、本や雑誌を何部という場合には、このように copy という単語を使います。
過去記事、彼みたいな男のために325頁もめくらない[読まない] フレンズ1-11改その8 でも、ノーラ: I have sold 100 million copies of my books, and y'know why? (私はこれまでに自分の本を1億部も売ってきたの、なぜだかわかる?)というセリフで、copy という単語が使われていました。

今回のノーラのセリフでも、友人たちの分の冊数の本のことを、these copies of my book と表現しています。
「copy =複写のコピー」だという思い込みがあると、本をコピー機でコピーしたものを置いていくかのように勘違いしてしまうかもしれませんのでご注意下さい。
このセリフは、本そのものを複数部数置いていく、ということになります。

Anything you want from Lisbon? (リスボンで何か欲しいものはある?)と聞かれたチャンドラーは、No, just knowing you're gonna be there is enough. (ママがそこに行く予定だってことを知っただけで十分だよ。)と返します。
ニューヨークに来る時も、そのことをテレビ番組の中で言っていただけのママでしたが、今度の行き先も「リスボンで何か欲しいものは?」という言い方で、次の行き先はポルトガルの首都リスボンであることをそれとなく知らせています。
今の言葉でママの行き先がわかったから、それで十分だよ、ということで、そんな言い方で行き先を知らせるママに対して、わずかながらの皮肉を込めた言い方かもしれません。

Be good. は「良い状態でいろ、いなさい」ということですから、親が子供に言う「いい子でいてね、いい子にしててね」ということ。

チャンドラーの You kissed my best Ross! Or something to that effect. について。
something to that effect は「そういったようなこと、そういう趣旨のこと」。
to that/this effect で「その/この趣旨で・趣旨の」という意味になります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
to this/that/the effect : used when you are giving the general meaning of what someone says, rather than the exact words
例1)Barkley's response was, "Go away," or words to that effect.
例2)The letter said something to the effect that her job was no longer safe.

つまり、「正確な言葉そのものというよりも、誰かが言うことの一般的な意味を与えている時に使われる」。
例文1は「バークレーの返答は「あっちに行け」、またはそういう趣旨の言葉だった」。
例文2は「その手紙は、彼女の仕事がもはや安全ではないという趣旨のことを言っていた」。

発言や言葉そのものの正確な表現ではなく、内容や趣旨を指す表現となります。

今回のチャンドラーも、そこまでダイレクトで決定的なセリフとして言うつもりはなかったのに、「俺の親友のロスにキスしたくせに!」と、つい大声で叫んでしまったので、言葉の直接的な感じを弱めるために、「とか、まぁ、そんな趣旨のことだ。とかまぁ、そういうことが言いたかったわけだ」みたいにぼかした表現になるでしょう。
これまでは母親と面と向かって対決するのを避けていましたが、今回は思い切って言葉に出して初めて言ってみた、今まで言えなかったことを大声で言ってしまった、そういう自分自身に驚いて、表現を濁した、和らげてみたのでしょう。
本当はもっと遠回しに言いたかったのに、去っていくママに早く何か言わなければと思うあまりに、直接的な表現を使ってしまったことに対する戸惑いを隠すようなものだと思われます。

その後、部屋の中でチャンドラーとママとの議論が始まり、ジョーイはドアに耳をつけて中の会話を聞いています。
The forbidden love of a man and his door. は「人間とドアとの禁断の愛」。
forbid は「〜を禁じる」なので、その過去分詞形の forbidden は「禁じられた、禁断の」。聞き耳を立ててドアにぴったりくっついている様子を、愛しいドアから離れられない男であるかのように表現しています。
forbidden fruit だと「禁断の木の実」。
LAAD にも、
forbidden fruit = something you should not have, but that you want
つまり「持つべきではないが、欲しいもの」という意味が出ています。

tell off は「文句を言う」。
親が子供に対してなど、立場の上の者が下の者を叱る、というニュアンスもあります。
LAAD では、
tell somebody off [phrasal verb] :
to talk angrily to someone because they have done something wrong
例)My mother told him off.

つまり、「誰かが悪いことをしたという理由で、怒りながらその人と話をすること」。
例文は「私の母が彼を叱った」。

今までママの言動について、面と向かって文句や注意を言えなかったチャンドラーが、今回はきちんと向き合って会話している様子が連想されます。

When are you gonna grow up and start being a mom? は「あんたはいつ大人になって、母親になり始めるんだよ?」。
つまり、立派に成長した大人になりきれていない、また立派なママでもないことを非難するセリフ。
いつまでも年頃の女の子のように、恋愛にうつつを抜かして、少しもママとして振舞おうとしない、人の母親らしい行いをしたらどうなんだ? と責めているということです。


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posted by Rach at 14:25| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月22日

じゃあまたどこかで会おう フレンズ1-11改その18

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18:07
モニカ: I got you the foot massager. (私はあなたに足マッサージ器をあげたのよ。)
フィービー: You know who shaved you? That was me. (あなたのひげを剃ったのは誰だと思う? それは私だったのよ。)
モニカ: I read to you. (私はあなたに(新聞を)読み聞かせしたわ。)
フィービー: I sang. [To Monica] Hah! (私は歌った! [モニカに] ハッ![どうよ!])
昏睡男: Well, thanks. (あぁ、ありがとう。)
モニカ: Oh, my pleasure. (あぁ、どういたしまして。)
フィービー: You're welcome. (どういたしまして。)
昏睡男: So I guess I'll see you around. (それじゃあ、またどこかで。)
フィービー: What? That's it? (何? それだけ?)
モニカ: "See you around"? (「またどこかで」?)
昏睡男: Well, what do you want me to say? (あぁ、君たちは僕に何て言ってほしいんだ?)
モニカ: Oh, I don't know. Maybe, um, "That was nice." "It meant something to me." "I'll call you." (あぁ、わからないけど、多分その、「ありがたかったよ」「僕にとっては意味があったよ」「電話するよ」(とか))
昏睡男: Alright. I'll call you. (わかった、電話するよ。)
フィービー: I don't think you mean that. (その言葉を本心から言ってるとは思えないわ。)
モニカ: This is so typical. Y'know, we give, and we give, and we give. And then we just get nothing back. And then one day, it's just, you know, you wake up, and "See you around." Let's go, Phoebe. (これってすっごく典型的ね。ほら、私たち(女)が、与えて、与えて、与えて。それでその後、私たちに返ってくるものはないの。それからいつか、ただ、ほら、あなたが目覚めて、そして「またどこかで」って。行きましょ、フィービー。)
フィービー: Y'know what? We thought you were different. But I guess it was just the coma. (ねえ? あなたは違うと私たちは思ってた。でもそれはただ昏睡のせいだったみたいね。)

I got you the foot massager. は「私はあなたに足マッサージ器をあげた」。
got you something が「あなたに〜をあげた」という意味になります。
「買ってあげた」ということなので、buy+人+物で「人に物を買ってあげる」という形で 動詞 buy を使うことも可能ですが、お金を出して買ったというニュアンスを出さない場合には、あなたにゲットしてあげた、という感覚で I got you something. という表現を使うことが多いです。

shave は「シェーバー」「シェービング・クリーム」などから連想できるように「ひげ・毛を剃る」という動詞。
日本語だと「あなたのひげを剃る」となるところですが、英語では shave someone のように人を目的語に取る形で「(人の)ひげ・顔・頭を剃る」という意味になります。
わざわざ「ひげ」と言わなくても「人を剃る」という形で英語では成立するということです。

read to someone は「人に(本などを)読んで聞かせる」。
I read to you. の read は過去形(発音はレッド)です。
今回のエピソード、自分の殻から出る フレンズ1-11改その6 では、モニカが彼に新聞を読んであげているシーンがありましたが、その時のト書きも、
It starts with Monica reading Coma Guy a newspaper. (モニカが昏睡男に新聞を読んであげるところから始まる。)
と表現されていました。
自分で本を読む場合は基本、黙読ですが、「人に(本・新聞を)読む」場合は黙読では伝わらないので(笑)、「声に出して読んで(相手に)聞かせる」という意味になるわけです。

My pleasure. / You're welcome. はどちらもお礼に対する返事で「どういたしまして」。

See you around. は「じゃあまたどこかで会おう」。
次に会う予定を具体的に決めていない場合の別れの挨拶。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
see you around : (spoken) used to say goodbye to someone when you have not made a definite arrangement to meet again
つまり「(口語)もう一度会うための明確な約束をしなかった時に、相手にさよならを言うために使われる」。

英英辞典の語義にもこのように「次に会う約束をしていない」という説明が入っているのがポイントと言えるでしょう。
こういう挨拶をしていることから、特に次回に会う予定を決めるつもりはないこともわかりますので、二人は「それだけ? See you around ですって?」と言っているわけです。

Well, what do you want me to say? は「じゃあ、僕に何て言って欲しいわけ?[僕は何って言ったらいいの?]」。
mean something は「意味がある」。
mean a lot to me 「私にとってものすごく意味がある」という表現もあります。

"I'll call you." とかの言葉はないの? と言われ、彼はオウム返しのように "I'll call you." と言っています。
I don't think you mean that. は「あなたがそれを本心から言っているとは思えない。本心で言ってないと思う」。
言葉をただ機械的に繰り返しただけで心がこもってない、本当はそんなつもりもないくせに言えって言われたから言ってるだけね、ということ。
It means something to me. / I don't think you mean that. のように動詞 mean が連続して使われていますが、前者は「意味がある」、後者は「本気で言っている」という意味の違いがあることに注意しましょう。

This is so typical. は「これってすごく典型的だわ」。
いかにもって感じ、よくあるやつね、というニュアンス。

we give, and we give, and we give はまるで日本の演歌にあるような「尽くしに尽くす」という感覚になるでしょう。
we give を3回繰り返すところに「尽くして、尽くして、(さらに)尽くしたのに」という感じが出ています。
女が男に尽くしても、何も返ってこない、それはいつものパターンだわ、と嘆いているということです。

We thought you were different. But I guess it was just the coma. について。
We thought という過去形で、「そう思っていたけれど、実際は違っていた」という感覚。
「あなたは(他の男とは)違うと思ってたのに」と語尾に「のに」を付けると、そのニュアンスが出るでしょう。
昏睡していた状態だったから素敵に見えたけど、起きてこうやってしゃべってみれば、やっぱりあなたも他の男と同じだったわ、という捨て台詞。

But I guess it was just the coma. を直訳すると「でも、それはただ昏睡だった、って私は思う」となりますが、この It is just the coma. のような It's は「昏睡のせいだ、昏睡が原因だ」というニュアンスで理解すると良いでしょう。
この it はここで話題の焦点となっていることを指し、それが「昏睡」だった、ということですから、この場合は「あなたは別の男とは違うと思っていた、というその原因が」昏睡だった、と言っていることになります。


★「フレンズ」関連のニュース
フレンズのメンバー6人が再集結する特別番組「フレンズ・ザ・リユニオン」(Friends: The Reunion)の予告動画が 5月20日に YouTube で公開されました。
その動画はこちら↓(ドラマ本編のネタバレシーンあり! ネタバレ避けたい方はご注意下さい!
Friends: The Reunion | Official Trailer | HBO Max

2分10秒の動画となっており、英語字幕がついているのも嬉しいところ。
予告編公開から2日で、1,400万回視聴、33万いいね、1万8千件のコメントがついています。
「フレンズ」がそんなにも多くの人々に愛され続けていることを改めて感じることができ、ファンの一人として私もとても嬉しいです♪
本国アメリカでは、ワーナーの動画配信サービス HBO Max で5月27日から配信開始とのこと。
日本ではいつ、どのような形で見られるようになるのかはわかりませんが、期待して待ちたいと思います(^^)


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posted by Rach at 16:46| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月08日

エッチ・ア・スケッチ フレンズ1-11改その17

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17:33
[Cut to the hospital. Monica bursts in, closely followed by Phoebe. There is no sign of Coma Guy- his bed is empty]
病院に画面がカット。モニカが突然(病室に)入ってきて、すぐ後にフィービーが続く。昏睡男の形跡がなく、彼のベッドはカラである。
フィービー: Alright, what did you do with him? (いいわ、あなたは彼をどうしたの[彼に何をしたの]?)
[There is the sound of a flushing toilet and Coma Guy emerges from the bathroom]
トイレを流す音がして、昏睡男がバスルーム(トイレ)から出てくる。
モニカ: Oh! You're awake! (まぁ! あなた、目覚めたのね!)
フィービー: Look at you! How do you, how do you feel? (あなたのその姿![元気そうね!] どんな、どんな感じ?[体調はどう?])
昏睡男: Uh, a little woozy, but basically okay. (あぁ、ちょっと頭がぼんやりしてるけど、基本的には大丈夫だ。)
モニカ: Gosh, you look good! (まぁ、あなた、元気そうだわ!)
昏睡男: I feel good. Who are you? (元気だよ。君は誰?)
モニカ: Oh, sorry. (あら、ごめんなさい。)
フィービー: I'm Phoebe Buffay. (私はフィービー・ブッフェ。)
モニカ: I'm Monica Geller. I've been taking care of you. (私はモニカ・ゲラーよ。私がずっとあなたのお世話をしていたの。)
フィービー: Well, we both have. (まぁ、私たち二人が、ね。)
昏睡男: So, the Etch a Sketch is from you guys? (それじゃあ、そのエッチ・ア・スケッチは君たちから(のプレゼント)?)
フィービー: Well, actually, it's just from me. (そうね、実は、それは私からなの。)

昏睡男の病室に、モニカとフィービーが駆け込んできます。
過去記事、関係代名詞で情報を付け足しながら話す英語の感覚 フレンズ1-11改その14 で、セントラルパークでのフィービーのライブの最中にモニカがこっそり抜け出そうとしたのを見て、フィービーはライブを切り上げてモニカを追いかけて行きましたが、その二人が走ってきて、今、病院に到着したということです。

What did you do with him? は「あなたは彼に何をしたの? 彼をどうしたの?」ということで、ベッドがもぬけの殻になっているのを見て、私の知らない間に彼を移動したとか、私に隠れて何かしたんじゃないの? と疑っているセリフとなります。

ベッドで眠っていた昏睡男(Coma Guy)がトイレから出てきたのを見て、モニカは You're awake! 「あなたは目覚めたのね!」と言い、フィービーは Look at you! と言っています。
Look at you! の直訳は「あなたを見て!」ですが、これは「ほらあなたのその姿!」というようなニュアンス。
今回は昏睡から目覚めて、普通に行動している姿に感動している言葉。
ドレスアップしてきれいになった相手などに使ったりもしますし、逆に、げっそりしていたり、あまりにもひどい恰好をしている時に使ったりもします。

woozy は「頭がふらふら、くらくらする、頭がはっきりしない、ぼんやりした」。
Gosh は Oh, my God. の God を言い換えた婉曲語。
神とは無関係な状況で神の名をみだりに唱えることは不謹慎とされているために、よく似た音で代用される婉曲語ですが、目覚めたこの男性によく思われようと、少し上品な言葉遣いをした、ということかもしれません。

I've been taking care of you. の have been taking は「ずっと〜していた」という継続を表す現在完了進行形。
その次のフィービーの we both have は、we both have been taking... が省略されたもので、「私がずっとあなたのお世話をしていたのよ」と自分一人をアピールするモニカに対して、「ずっとお世話をしていたのはモニカだけじゃないわ。私たち二人でお世話してたのよ」と主語を言い換えた形になります。

Etch a Sketch は「エッチ・ア・スケッチ」。
このシーンでモニカとフィービーが部屋に入ってきた時から、ベッドの足側にある机の上に、赤い四角で、白いダイヤルが2つ付いているものが映っていますが、それが「エッチ・ア・スケッチ」です。
左右のノブ・ダイヤルを動かして、一筆書きの要領で絵を描くおもちゃで、日本でも「エッチ・ア・スケッチ」の名前で販売されています。
日本では、磁石のついたペン(マグネットペン)でスクリーンをなぞると絵が描け、レバーを動かすとそれが消える、というタカラトミーの「せんせい」という名前のおもちゃがありますが、それがペンではなくて、ノブ・ダイヤルを動かして書く、というのが「エッチ・ア・スケッチ」の特徴。
美術で「エッチング」というものがありますが、それは「銅板の表面を化学処理で腐食させて絵を描く技法」のこと。
またそこから、etch という動詞は「鮮明に、くっきり描く」という意味にもなります。
Etch a Sketch という名前は -etch の部分が韻を踏んで、覚えやすいネーミングになっています。
もう死語になってしまいましたが70年代くらいに流行った言葉で「エッチ・スケッチ・ワンタッチ」というのもありました。
それも韻を踏んでいるのがポイントでしたが、それと同じ雰囲気のある名前と言えるでしょう。

映画「トイ・ストーリー」にも、エッチ・ア・スケッチが登場しています。
[5:28] から始まるシーンで、ウッディがエッチ・ア・スケッチとすれ違った後、振り返ってこう言います。
ウッディ: Hey, Etch. Draw!
ウッディはエッチに対して銃を構えるふりをする。エッチは白い左右のダイヤル(ノブ、つまみ)を素早く動かして、拳銃の絵を描く。
ウッディ: Oh! Got me again. Etch, you've been working on that draw. Fastest knobs in the West. (あぁ! またやられた。エッチ、お前はそのドローをずっと練習してたんだな。西部一速いノブだよ。)

ウッディが Etch 「エッチ」と呼び掛けていることからも、これが「エッチ・ア・スケッチ」であることが確認できます。
このウッディのセリフは動詞 draw の2つの意味を使った、言葉遊びのような面白さになっています。
draw は一般的に「引く」の意味で、「銃を抜く、刀を抜く」時にも使います。
また「ドローイング」のように「描く、絵を描く」という意味でも使えます。
保安官のカウボーイ人形であるウッディは、すれ違いざまに相手に「銃を抜け」と言って、銃の早抜き・早撃ち競争を挑んだ形になっており、相手のエッチの方は「銃を抜く」のではなく「(拳銃の)絵を描く」ことで draw し、拳銃を素早く描いたエッチがウッディに draw 競争で勝った、かのようなやりとりになっているわけです。
エッチが拳銃を描く(draw)のが白いノブ(knob)なので、(西部劇風に)「西部一速いノブだ」と褒めた流れになっているのも面白いシーンでした。


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posted by Rach at 17:41| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月14日

複雑なcomplex フレンズ1-11改その16

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16:53
ロス: Okay, well, if she always behaves like this, why don't you say something? (なぁ、もしあの人がいつもこんな風に行動するのなら、何か言ったらどうだよ?[どうして何か言わないんだよ?])
チャンドラー: Because it's complicated. It's complex! Hey, you kissed my mom! (それ(言わない理由)は複雑だからだよ。複雑なんだ! なぁ、お前は俺のママにキスしたんだぞ!)
[People turn to look]
人々が振り向いて見る。
ロス: [To the rest of Central Perk] We're rehearsing a Greek play. ([セントラルパークの(自分以外の)人たちに] 僕たちはギリシャの芝居のリハーサルをしてるんです。)
チャンドラー: That's very funny. We done now? (それはすごく面白いな。もう(俺たちの話は)終わりだな?)
ロス: No! Okay, you mean, you're not gonna talk to her, you're not gonna tell her how you feel? (違うよ! 君は君のママに話すつもりはないのか? 君は自分の気持ちをママに話さないつもりなのか?)
チャンドラー: That would be no. Look, just because you played tonsil tennis with my mom doesn't mean you know her. Alright? Trust me, you can't talk to her. (その答えはノー[言わない]、だな。なぁ、ただ俺のママと扁桃腺でテニスをしたからって、それであの人をわかったことにはならないんだぞ。いいか? 嘘じゃない、あの人とは話なんてできないんだ。)
ロス: Okay. "You can't" or [Points to Chandler] you can't? [Chandler grabs his finger] Okay, that's my finger. [Chandler twists it and Ross goes down on one knee] Okay, that's, that's my knee. [To Central Perk] Still doing the play. Aaah! [turns groan into singing] (そうか、話なんて「誰にもできない」のか、それとも[チャンドラーを指さして]君が話ができない、のか? [チャンドラーはロスの指を摑む] よし、それは僕の指だ。[チャンドラーはロスの指をひねり、ロスは片膝をつく] よし、それ[今度]は僕の膝だ。[セントラルパークの人に向かって] (僕たち)まだ芝居をやってるんだ。アー! [唸るのが歌っているのに変わる])

Why don't you say something? は「(君のママに)何か言ったらどうだ?」。
Why don’t you...? を直訳すると「なぜ…しないのか?」ですが、これは親しい相手に提案する時の決まり文句で「…したらどう(ですか)?」と訳すことができます。
ただ、今回の場合は、ロスがこう言った後、チャンドラーは Because「なぜなら、(なぜ…しないのか、という)その理由は」と答えていますので、文字通りの「なぜ?」の意味で捉えてもよいでしょう。

complicated は「複雑な」。
complex は形容詞で「複雑な、込み入った」。名詞で「コンプレックス、強迫観念」、また精神分析用語の「コンプレックス、複合」という意味もあります。
そして、精神分析の用語としては、エディプス・コンプレックス(Oedipus complex)、エレクトラ・コンプレックス(Electra complex)というものも有名です。
Oedipus complex 「エディプス(オイディプス)・コンプレックス」とは、息子が母親に対して、無意識のうちに性的欲求を持ち、同時に父親に対しては憎しみの気持ちを持つことを指します。フロイトが提唱した概念です。
Electra complex 「エレクトラ・コンプレックス」はその逆バージョンで、娘が父親に対して、無意識のうちに性的欲求を持ち、同時に母親に対しては憎しみの気持ちを持つことです。こちらはユングが提唱した概念です。
エディプス(オイディプス)・コンプレックスの名前の由来は、ギリシャ悲劇「オイディプス王」の主人公オイディプスが「父を殺し、母と交わった」ことから。
エレクトラ・コンプレックスも、同じくギリシャ悲劇の「エレクトラ」の主人公エレクトラが「父への愛情から、父を殺した母に復讐する」ことから来た言葉。
(エレクトラ、と言えば私は、庵野監督の「ふしぎの海のナディア」のエレクトラさんを思い出す、、)

チャンドラーのセリフは、Because it's complicated. It's complex! という風に、complicated, complex という「複雑な」という似た言葉を繰り返していますが、2番目の complex は上で説明したようなそういう「精神分析上のコンプレックス」も匂わせているような気がします。
complex は、「いろんな要素が絡み合っていて簡単ではない、簡単には解決できない」という意味の「複雑」と、エディプス・コンプレックスのように、自分の母親が男性に対してだらしないことで、言いようのない気持ちを感じてしまう、という異性の親に対する精神分析上の complex 「複合」の意味をも含めていると考えられるのではないかということです。
このセリフの前に、Freudian nightmare 「フロイト的な悪夢」という言葉が出てきたのも、そういう母親に対する複雑な感情(complex)を指す言葉であるフロイト心理学(精神分析論)の「エディプス・コンプレックス」がイメージとしてあった、ということでしょう。

「俺のママにキスした!」と言われたロスは、とっさに「ギリシャの芝居のリハーサル中だ」と言って、周りの目をごまかそうとしています。
Greek play は「ギリシャの劇、芝居」ということですが、この場合は、「ギリシャ悲劇(Greek tragedy)」を指しています。
古代ギリシャのアテナイ(現在のギリシャの首都アテネ)で上演されていた劇のことで、ギリシャ文化の代表として、高校の世界史にも登場します。
三大悲劇詩人として、アイスキュロス、ソポクレス、エウリピデスの三人が有名です。

ギリシャ悲劇は、ギリシャ神話の登場人物が使われることが多く、そういう神話では、近親相姦的な話も多いです。
チャンドラーが言ったのは「お前は俺のママにキスした」ですから、近親相姦ではないですが、友人の母親にキスするということは、現在の倫理観では不道徳ということになるでしょう。
ギリシャ悲劇の世界なら大いにあり得る話なので、そのお芝居の練習をしてるところなんだとごまかしたわけです。

ソポクレスは、ギリシャ悲劇の中で最も有名と言われる「オイディプス王」の作者。さきほど説明した、「オイディプス・コンプレックス」の言葉の元になった悲劇です。
そこでも説明したように、「オイディプス王」という作品は、主人公オイディプスが「父を殺し、母と交わった」話ですから、(友人の母ではあるものの)母親との性的な話の流れでここでロスが言っている a Greek play も、「オイディプス王」をイメージしたものだと思われます。

「エレクトラ・コンプレックス」の語源となったエレクトラは、ギリシャ神話に登場する人物であるために、アイスキュロスの「オレステイア」、ソポクレス、エウリピデスの「エレクトラ」など、複数のギリシャ悲劇に登場します。
このエレクトラの父親がアガメムノンです。

アガメムノンは、今回のエピソードの過去記事、自分の殻から出る フレンズ1-11改その6 の以下の会話に登場していました。
フィービー: What about Glen? He could be a Glen. (グレンはどう? 彼がグレンって名前なの、ありそうだわ。)
モニカ: Nah... not-not special enough. (んーん、あまり特別な感じがしないわね。)
フィービー: Ooh! How about Agamemnon? (あぁ! アガメムノンはどう?)
モニカ: Way too special. (あまりにも特別すぎる。)

つまり、フィービーが a coma guy の名前の候補に挙げていた名前がアガメムノンで、その会話では「何の脈絡もなく唐突に出てきたような突拍子もない名前」という印象でしたが、チャンドラーとママとの関係を示唆する「オイディプス・コンプレックス」やそれと同じ流れの「エレクトラ・コンプレックス」という言葉と、a Greek play の登場人物という共通項で繋がっていた、ということになるでしょう。
つまり、
・complex という単語、「ママにキスした」という母親にまつわる性的な話、ギリシャ悲劇
そこからイメージされる、親との関係性にまつわる精神分析上のコンプレックスは「エディプス・コンプレックス」と「エレクトラ・コンプレックス」
・エレクトラ・コンプレックスの元となったエレクトラの父親がアガメムノン。
・昏睡男の名前候補として、フィービーが適当に挙げたような名前「アガメムノン」は、「ギリシャ悲劇が語源となったコンプレックス」に深い関係ある人物だった。
ということで、今回のエピソードでは、フロイト/ユング的精神分析とそのコンプレックスの話が密かなテーマとして隠されていた、という感じです。

Look, just because you played tonsil tennis with my mom doesn't mean you know her. について。
tonsil は「扁桃腺(へんとうせん)」。
つまり、tonsil tennis は「扁桃腺でテニスをする」ということで、扁桃腺をラケットに見立てて(形も似ているようですし)ラリーをするようなニュアンスが出るために、下を奥まで入れるような激しいディープキスという感覚に繋がるようです。
「自分の気持ちを言わないつもりなのか?」とえらそうに説教されたのがムカついたのでしょう、一度そういうキスをしたくらいで、あの人をわかったつもりになるなよ!と言いたいということです。

チャンドラーは Trust me, you can't talk to her. と言っています。
この you は、チャンドラーから見た「あなた」であるロスのことを言っているというよりも、「あなたを含めた人々」という「一般の人々」を指す感覚になるように思います。
you can't と言う時に、手がややロスの方を向いている気もしますが、ロスを指さしているというよりも「できない」という否定の意味を強調するように手を斜め横に動かしているように感じました。
「(ロスも含めて)人は誰も、ママ(ノーラ・ビング)と話をすることができないんだ、話をしようとしても話にならないんだ、説き伏せたりわかり合えたりすることは不可能なんだ」と言っている感覚だと思います。
DVDの日本語音声(吹替)では「あの人には何言っても無駄なんだよ」と訳されていましたが、まさにそんな感じで、ロスが話しても他の誰が話しても無駄なんだ、というニュアンスだと思うわけです。

その後のロスのセリフでは、You can't. というセリフを2回言っています。
1回目は "you can't" の部分で、指を曲げることで引用符マークを作っています。このようにしぐさで引用符マークをつけると、「いわゆる you can't」のような感覚になります。
「いわゆる you」だと、you=あなた、という文字通りの意味としてロスを指している可能性も考えられますが、ロスがこの you で自分を指しているとすると、引用符ジェスチャーではなく、自分を指さすような気がします。
もしくは I can't のように、話者であるロスの立場に合わせて代名詞を変えるように思います("I love you." "You love me?" のように瞬時に代名詞を入れ替えるイメージ)。
ロスの1回目の you can't では、自分を指さしてもいないし、主語を I に言い直してもいないので、「いわゆる you can't」が指す you は、英語でよく使われる(という意味での「いわゆる」の)「一般の人々」を指しているように思いました。

ロスの2回目の you can't では、you というのはお前のこと? のようにチャンドラーを指さしています。
これは意味としてはまさに「会話の相手となる”あなた、君”」であるチャンドラーのことを言っています。
さきほど「一般の人々を表す you」について説明しましたが、「あなたを含めた人々」から「一般の人々」を意味することになる you は、回り回って話者本人(自分)も含むことになるため、自分のことを話す際に主語を you にすることも英語ではよくあります。
そのように「一般の人々」を表す you には、話者自身を指す用法もあることから、ロスはそのことを指摘するように、「今、君が言った you は”一般の人々”の you か? それとも自分自身のことか?」のように返した、ということかなと思います。

ママはあんな人だから話にならないんだ、話をしても無駄なんだ、とママのせいにしたチャンドラーに対して、「問題はママじゃなくて、話そうとしない君にあるんじゃないのか?」と、チャンドラーの気持ちの問題じゃないか、と指摘している感覚なのだろうと思いました。

そう言われたチャンドラーは、言葉で反論せず、「君が」と指さしたロスの指を強く掴みます。
片膝をついたロスは、周りの客の視線を浴びながら、まだ芝居をやってるんだと言い、痛くて声が出てしまうとそれが芝居の歌であるかのように手ぶりをつけて歌い始めます。
チャンドラーの無言の攻撃を、ギリシャの芝居ネタが続いているかのように見せながらごまかしているのが面白いシーンとなっています。


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posted by Rach at 17:33| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月17日

マザー・キッサー フレンズ1-11改その15

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16:24
[Enter Chandler]
チャンドラー登場。(慌てて出て行ったモニカとフィービーを見ながら、店に入ってきて)
チャンドラー: What the hell was that? (今のは一体何だったんだ?)
ロス: Oh, uh, Phoebe just started her... (あぁ、その、フィービーがちょうど彼女の(ライブ)を始めたところで…)
チャンドラー: Yeah, I believe I was talking to Joey. All right, there, mother-kisser? [Goes to the counter] (あぁ、俺はジョーイに話してたつもりだったんだけどな。いいか、マザー・キッサー[ママにキスするやつ]? [カウンターのほうに行く])
ジョーイ: [Laughing] "Mother-kisser." [Sees Ross's look] I'll shut up. ([笑いながら]「マザー・キッサー」(だって)。[ロスの視線を見る] 俺、黙るよ。)
ロス: Chandler, can I just say something? I-I know you're still mad at me, I just wanna say that there were two people there that night. Okay? There were two sets of lips. (チャンドラー、ちょっと言わせてもらっていいか? 君が僕にまだ怒ってるのはわかってるけど、ただこう言いたいんだよ、あの夜あの場所には2人の人間がいたんだ、って。だろ? 2組の唇があったんだよ。)
チャンドラー: Yes, well, I expect this from her. Okay? She's always been a Freudian nightmare. (あぁ、そうだな、こういうこと(が起こりえること)はあの人から予想できるよ。だろ? あの人はずーっとフロイト的悪夢だったんだ。)

モニカとフィービーが店から走って出て行ったので、チャンドラーは「今のは一体何だったんだ?」と言いながら、店に入ってきます。
ロスが「フィービーがライブを始めたところで…」と説明しようとすると、チャンドラーは「俺はジョーイに話してたんだけど」と言った後、ロスに mother-kisser と言います。
その後、その言葉を聞いたジョーイは大ウケしてその言葉を繰り返し、ロスに睨まれて「俺、口閉じとくよ[黙っとくよ]」と言います。

mother-f*cker(または ハイフンなしの motherf*cker)という卑語があり(f*ckがかなりキツい卑語なので伏字にしています)、mother-kisser は、それをもじったもの。
f*ck は、アクション系やマフィア系の荒っぽい映画などで、f*cking の形で「ひどい、いまいましい」という強調語として登場したりする単語ですが、f*ck というのは「性交(する)」という意味を最も直接的に表現する卑語なので、f*cking などと一部が伏せ字にされることも多い、いわゆる「タブー(taboo)語」です。
F*ck you! などの「ののしり言葉」を知っている人は日本人にも多いですが、日本人が想像している以上にキツい表現ですから、そういう単語を知ったかぶりして使うのは大きなトラブルの元になるので気をつけたいところ。

ゴールデンタイムに放送されていたテレビドラマであるフレンズでは、当然、f*ck のような単語は出てきませんが、今回のセリフは、「motherf*cker という卑語を知っているから、motherkisser という言葉に笑える」という、放送コードを巧妙にクリアした感じの、ある種の変化球とも言えるもので、いかにもフレンズっぽい表現だと思います。

上で説明したように、f*ck は「エッチする」を露骨に表現した卑語ですから、motherf*cker は「自分の母親とエッチするような最低のやつ、軽蔑すべきやつ」という、相手をののしる言葉です。
ここでは、実際に、ロスはママ(自分のママではなく、友人チャンドラーのママではありますが)とキスしているので、f*ck を kiss に変えて使って、「お前は最低なやつだ」と、ののしっているわけです。
よく使われる卑語とかけた形で、なおかつ、ロスが実際にしたことも盛り込まれているという二重の非難が込められた言葉、それが、mother-kisser だということです。

なお、motherf*cker という卑語は、「最低なやつ」と人をののしる言葉として使われる以外に、物や出来事に対して「ちくしょう、くそっ、ふざけるな」と毒づく言葉としても使われます。

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』[2:28:41] では(ネタバレになるので状況の説明は伏せますが)、
ニック・フューリー: Oh, no. Mother... (あぁ、だめだ。ちくしょう……)
というセリフがありました。
このマザーは「お母さーん…」ではなく、motherf*cker と言おうとして、セリフが途中で途切れていることを示しています。
「くそっ! ちくしょう!」のような、悪態をつく、ののしり言葉(curse word)ということです。
フューリー役の俳優サミュエル・L・ジャクソンが様々な作品で使っている、彼の代名詞とも言えるフレーズであることもポイントの一つでしょう。
このセリフをよく聞いてみると(字幕には出ていませんが)Mother の後にかすかに f の摩擦音が聞こえます。文字にすると、Motherf... のような感じです。

卑語の話の流れで、同じく映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』[1:19:57] では、
ピーター・クイル: Chill the eff out. (落ち着きやがれ[落ち着けってんだ]。)
というセリフが出てきました。

chill out は「落ち着く、冷静になる」。chill は動詞で「冷える、冷やす」、名詞で「冷え、冷たさ、寒さ」という意味があります。
「落ち着け」と言いたい場合には、Chill out. の他に、Take a chill pill.(直訳すると「鎮静剤を飲め」)も使えます。また、一語で Chill. と表現することもできます。

Chill out. の間に入っている the eff の eff の読みは「エフ」。
卑語 f*ck の頭文字 f (エフ)から来た単語で、f と表現することで、f*ck(または f*cking)の意味だということを示唆しています。
このクイルのセリフは、意味としては f*cking で強調している感覚で、でも、その言葉を直接使うのははばかられるため、頭文字の f = eff だけにとどめたことになります。
和訳を通常より、荒っぽく下品な言い方にしてみると、卑語で強調したニュアンスが出るように思います。

ピーター・クイルはガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーで、彼らはラフで下品な言葉もあまり抵抗なく使う人たちですが、そのクイルでさえ(実際には、放送・上映コードの問題ですが)、Chill the eff out. のように、ダイレクトに f*ck という言葉を使うのは避け、eff で代用した、ということになります。
アベンジャーズはヒーロー映画で、ちびっこたちにも広く見てもらいたいわけですから、卑語っぽい表現であっても、Mother(f)... のように卑語が出てくる直前で止めたり、eff = f を使って卑語の代わりであることを示したりと、表現に様々な工夫を凝らしているのに注目してみるのも面白いなと思います。

フレンズの解説に戻ります。
一方的に責められたので、ロスは反論しています。
I just wanna say that 「僕は言いたいことはこうだ」と言って、
there were two people there that night. 「あの晩、あの場所には2人の人間がいた」
There were two sets of lips. 「2組の唇があった」
と続けます。

lip は「唇」で、単数形の a lip は「上唇または下唇(上下の唇の片方)」を示します。
上唇なら the upper lip、下唇なら the lower lip で、「彼は彼女の唇にキスした」なら He kissed her on the lips. と複数形になります。
ですから、two sets of lips は「上下の唇(一人の人間の唇)が2セット」という感覚で、キスする唇を持った人間が2人いた、ということ。
2人の人間がいて、唇だって2つあった。君は1つの方の僕ばかりを責めるけど、君のママの方はどうなんだよ? とロスは言いたいわけです。

Freudian nightmare は「フロイト的な悪夢」。
Freudian は「フロイトの、フロイト的な」。
フロイトは、精神分析学者ジークムント・フロイト(Sigmund Freud)のこと。

研究社 新英和中辞典では、Freudian は「フロイト(派)の」という意味以外にも、
《口語》〈言動が〉無意識層における性に関する[から生じる]
という意味も出ています。
また、同じく研究社 新英和中辞典には、以下のような表現も出ていました。
Freudian slip=【名】【C】 フロイト的失言 《無意識の動機・願望などを露呈するような失言》

LAAD では、
Freudian [adjective] :
2. a Freudian remark or action is connected with the ideas about sex that people have in their minds but do not usually talk about

つまり「フロイト的発言・行動は、人が心に抱く、しかし普段はそれについて語らない、性についての考えに関係している」。

フレンズ1-6 では、俳優であるジョーイが Freud! 「フロイト!」というタイトルの芝居に主演しており、過去記事、フロイト的精神分析を歌にする フレンズ1-6改その2 でも、フロイト的精神分析について触れました。
フロイトの精神分析論では、リビドー(性衝動)などに関する性理論が有名で、そのため日常会話で性的な話題になった場合にもフロイトの名前が持ち出されることが多いです。

拙著『リアルな英語の9割はアカデミー賞映画で学べる!』の p178-179 では、「性的な話題で名前が挙がるフロイト」という項目で、映画『タイタニック』のイズメイとローズの会話を取り上げています。
タイタニック号を建造した会社の社長であるイズメイが、タイタニック号の「サイズ」について語るのを聞いて、
ローズ: Do you know of Dr. Freud, Mr. Ismay? His ideas about the male preoccupation with size might be of particular interest to you. (フロイト博士のことをご存じですか、イズメイさん? 男性がサイズにこだわることについてのフロイト博士の考えは、あなたにとっては特に興味のあるものとなるかもしれませんね。)

男性がサイズ(大きさ)の話をしている時に、「フロイト」という性を連想しがちな言葉を持ち出すことで、「男性の象徴である部位のサイズに男性はこだわりがち」という話題にすり替えたことになります。

今回のフレンズのセリフでも、チャンドラーは「性的な事柄と関連づけられやすい」フロイトの名前を持ち出して、母親が性に奔放な人であるために息子の自分はずっと悩み苦しんできたことを言っていることになるでしょう。


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posted by Rach at 19:43| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月19日

関係代名詞で情報を付け足しながら話す英語の感覚 フレンズ1-11改その14

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15:33
レイチェル: [Into microphone] Central Perk is proud to present Miss Phoebe Buffay. ([マイクに向かって] セントラルパークが自信をもってご紹介します、ミス・フィービー・ブッフェ。)
フィービー: Thanks. Hi, um, 'kay. I'd like to start with a song that's about a man that I recently met, who's, um, come to be very important to me. [Monica gives her a look] 'Kay. (ありがとう。はーい、オッケー。私はある歌で始めたいと思います。最近会った男性についての歌で、その人は私にとって、とても大切になっているの。[モニカはフィービーに視線を向ける] オッケー。)
You don’t have to be awake
To be my man
Long as you have brain waves
I’ll be there to hold your hand
Though we just met the other day
There’s something I have got to say

(あなたは起きる必要はないの
私の人でなくてもいいの
(→訂正:私の人[彼氏]になるのに目覚めている[覚醒している]必要はないの 訂正ここまで)
あなたに脳波がある間
私はあなたの手を握るためにそこにいるわ
こないだ私たちは出会ったばかりだけど
私には言わなければならないことがあるの)
[She sees Monica sneaking out] Okay, thank you very much. I'm gonna take a short break. [Runs out, knocking over the mike stand] ([フィービーはモニカがそっと抜け出すのを見る] いいわ、どうもありがとう。私はちょっと休憩を取るわね。[走って出て行く、マイクスタンドを倒しつつ])
レイチェル: [Into mike] Okay, that was Phoebe Buffay, everybody. Woo! ([マイクに向かって] オッケー、今のがフィービー・ブッフェでした、みなさん。ウー!)

Central Perk is proud to present... は「セントラルパークが…を、誇らしく[誇りを持って]ご紹介する」。つまり「自信を持ってお届けする」というような感覚。
present は日本語にもなっている「プレゼント、贈り物」の意味があり、動詞で「贈呈する、贈る」という意味もありますが、ここでは「紹介する」という意味になります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
present [verb] : INTRODUCE SOMEBODY [transitive] (formal) to introduce someone formally, especially to someone important
例)May I present my parents, Mr. and Mrs. Benning?

つまり「誰かを正式に紹介すること、特に重要な人に対して」。例文は「私の両親を紹介させていただいてよろしいですか? ベニングご夫妻」。

formally 「正式に」、someone important 「重要な人」に対して、というところがポイントで、
Macmillan Dictionary でも、
present [verb] : to introduce someone formally to someone else, especially to an important person
のように、語義に formally, an important person という同様の言葉が見られます。

セントラルパークの店員であるレイチェルが、お客様にフィービーを紹介する、という状況ですから、まさにこの動詞 present のニュアンスがぴったりだと言えるでしょう。

フィービーのセリフ I'd like to start with a song that's about a man that I recently met, who's come to be very important to me. について。
文末のピリオドまでが、非常に長い文になっていますが、「情報を付け足しながら話すという英語の感覚」を掴むのに最適なセリフだと思います。
後ろから訳し上げたりせずに、前から情報を拾っていく感覚で理解しましょう。

前から順番にかたまりごとイメージして訳していくと、「私はある歌で(ライブを)始めたいと思います」「その歌はある男性についての歌です」「その男性は、私が最近会った人です」「その人は、私にとってとても大切(な人)になっています[なりました]」。
日本語っぽい語順にすると、, who’s という関係代名詞の非制限用法の前でいったん文章は切れますが、その前の文章は後ろから訳し上げる形になるでしょう。
「私が最近会ったある男性に関する歌でライブを始めたいと思います。その男性は私にとって非常に大切になった人です」という感じです。

「〜する(名詞)」のように、形容詞(句)が名詞を上から修飾する形が自然な日本語の場合は、「私が最近会ったある男性に関する歌」のような表現になりますが、英語では、まず「私はある歌でライブをスタートさせる」と言っておいてから、その歌の説明を後から付け足す形で文が続いていきます。
最後まで聞いてから、日本語の語順に並べて訳そうとしていては、英語のスピードについて行けません。
英語は英語が話された順序のまま、前から順番にイメージしていって、情報がどんどん継ぎ足されて、詳しくなっていく様子を感じて下さい。
話し言葉の場合は特に、このフィービーのセリフのように、考えながら話す場合が多いです。
日本人英語学習者である我々が英語を話す場合でも、まず最初に大事なことをSVで言っておいて(私はある歌で始める)、その後、「その歌と言うのは、その男性というのは」と言葉をつなげていけばよいということです。

歌詞の "You don’t have to be awake / To be my man" の to be my man は、to があることで、前文の You don't have to が省略されていることが示されています。
つまり、You don't have to be awake. You don't have to be my man. 「目覚めてくれなくてもいい。私の人でなくてもいい」と歌っているわけです。
昏睡状態の相手に「私の人になって」というのは無理がありますから、「私の人になって」と読み違えることは少ないかもしれませんが、仮に「私の人になって」と言いたい場合には、to はつけずに、Be my man. または Just be my man. 「ただ私の人になって」のように表現することになるでしょう。
(2021.2.21 追記)
コメント欄で、You don't have to be awake to be my man. は「私の彼氏になるのに覚醒している必要はない」という意味だというご意見を頂戴し、確かにその通りだと思いました。
コメント欄にて追記しておりますので、併せてご覧いただけると幸いです。
(追記はここまで)

As long as you have brainwaves は「あなたに脳波がある間は、脳波があれば」。
brain waves 「脳波」があればそれでいい、と、想い人が昏睡状態の男性であることならではの歌詞になっています。
このエピソードを見ている視聴者は、これが今、病院で寝ている coma guy のことだとわかりますが、セントラルパークでフィービーのライブを聞いている一般のお客さんは「脳波?」となっていることが想像できるのが笑いのポイントでしょう。

take a short break は「短い休憩をとる、ひと休みする、小休止する」。
フィービーが歌っている間に、モニカがこっそり抜け出してぬけがけしようとしているのに気づき、フィービーは途中で歌をやめ、休憩を取ると言って、モニカの後を追いかけます。

その後、レイチェルが that was Phoebe Buffay と言っていますが、「今のがフィービー・ブッフェ”でした”」と「過去形」で表現しているところに、フィービーのライブが終わってしまった感じが出ています。
最初に Central Perk is proud to present Miss Phoebe Buffay. と、丁寧な定番表現を使って紹介したこととの対比も面白いと言えるでしょう。


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posted by Rach at 15:25| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月06日

ただ彼女が〜じゃないと想像してみろよ フレンズ1-11改その13

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14:25
[Scene 7: Central Perk- no Chandler. Rachel is writing something and Monica walks up]
シーン7。セントラルパーク。チャンドラーはいない。レイチェルは何かを書いていて、モニカが歩いて近づく。
モニカ: Hey. (はーい。)
レイチェル: Hey. (はーい。)
モニカ: [Reading] "A Woman Undone. By Rachel Karen Green." ([読みながら] ボタンの外れた女。作レイチェル・カレン・グリーン。)
レイチェル: Yeah. Thought I'd give it a shot. I'm still on the first chapter. Now, do you think his “love stick” can be “liberated from its denim prison”? (えぇ。私もやってみようと思ったの。まだ第1章なのよ。それで、彼の「愛の棒」は「デニムの牢獄から自由になる」って可能だと思う?)
モニカ: [Reads] Yeah, I'd say so. And there's no “j” in “engorged.” ([読んで] えぇ、そう思うわ[いいんじゃない]。それから engorged 「充血した、膨れた」には j はないわよ。)
フィービー: [Walks up with her guitar] Hey, Rach. ([ギターを持ってレイチェルに近づく] はーい、レイチ。)
レイチェル: Hey. (はーい。)
フィービー: Hello. (こんにちは。)
モニカ: Hello. (こんにちは。)
フィービー: Going to the hospital tonight? (今夜は病院に行くの?)
モニカ: No. You? (いいえ。あなたは?)
フィービー: No. You? (いいえ。あなたは?)
モニカ: You just asked me. (あなた、さっき尋ねたばかりよ。)
フィービー: Okay, maybe it was a trick question. [Plays a few chords] Um, Rachel, can we do this now? (そうね、それはひっかけの質問だったかも。[いくつかコードを弾いて] あの、レイチェル、今、これ(ライブ)できる?)
レイチェル: Okay. [Writes a little more] I am so hot! (いいわよ。[もう少し書いて] 私ってすっごくセクシー!)
ジョーイ: [To Ross, on the couch] Now, here's a picture of my mother and father on their wedding day. Now, you tell me she's not a knockout. ([カウチに座りながら、ロスに] なぁ、これは結婚式の日の俺の母さんと父さんの写真だ。で、俺の母さんが美人(イケてる女)じゃない、って言ってみろよ。)
ロス: I cannot believe we're having this conversation. (僕と君がこんな会話してるなんて信じられないよ。)
ジョーイ: C'mon! Just try to picture her not pregnant, that's all. (なぁ! 母さんが妊娠してないって、ただ想像してみろよ、それだけだ。)

チャンドラーのママである、ノーラ・ビングの影響を受けて、何か書き始めているレイチェル。
タイトル A Woman Undone の undone は、undo 「(一度したことを)元通りにする、元に戻す」の過去分詞形。
undo は「(結び目を)ほどく、(包みを)あける、(ボタンを)外す」という意味でも使われるので、その過去分詞形の undone は「ほどけた、外れた」という意味の形容詞にもなります。

Macmillan Dictionary では、
undone : not closed, tied, or fastened
例)Leave the top button of your shirt undone.

つまり「閉まっていない、結ばれていない、締め・留められていない」。例文は「あなたのシャツの上のボタンは留めないままでおきなさい」。

今回の A Woman Undone も、ボタンなど留めるべき部分が留められていない、ボタンが外れている、というようなニュアンスかなと思いました。

give it a shot は「試しにやってみる、挑戦してみる」。
試しに小説を書いてみた、トライしてみた、ということ。
ノーラの助言通り、性器を婉曲に表現した love stick 「愛の棒」という言葉が使われています。
be liberated from... は「…から解放されている、解放された」。 liberty なら名詞で「自由、解放」。
“liberated from its denim prison” とは「デニム(のジーンズ)という牢屋から解放された」ということ。

I'd say so. は I agree with you. と同じような意味で、相手への同意を表す表現。
engorged は「充血した、(体の部分などが)膨(ふく)れた」。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
engorged : having become larger or filled with something
例)a river engorged with water from the storm

つまり「より大きくなってしまうこと、または何かで満ちること」。例は「嵐による水で満ちた川」。

Macmillan Dictionary では、
engorged : swollen
つまり「膨れた、膨れ上がった」。

その単語には j の文字はないわよ、と言うことで、レイチェルが engorge の綴りを間違えていることをモニカは指摘しています。
engorje のように g が j になっている、というようなことでしょう。
モニカのセリフから、レイチェルが書いた小説には、「愛の棒」の後に「膨れた」という単語も出てきていることがわかり、いかにも官能小説っぽい感じが出ています。

Going to the hospital tonight? は「今夜、病院に行くつもり?」。現在進行形は、することが決まっている近い予定を表します。
No. You? は 「いいえ、あなたは?」。どちらも同じセリフを言っていることで、「行かないわよ、あなたこそどうなの?」と互いにけん制し合っている様子が伺えます。
trick question は「落とし穴のある問題、ひっかけ問題」。
I am so hot! の hot は「性的に興奮した、みだらな」「セクシーな」。
この場合は、ノーラの真似をしてエッチな小説を書きながら、みだらな文章を書いている自分のことを、「私ってすごくみだら、エッチ」みたいなことを言っているのでしょう。

ジョーイがロスに言ったセリフ、Now, you tell me she's not a knockout. を直訳すると、「さあ今、俺の母親がノックアウトじゃないって言ってみろ」という感じの命令文になります。tell me に主語の you がついてさらに強調している感覚です。
knock out という句動詞は「殴り倒す、打ち負かす、ノックアウトする」という意味。
名詞の knockout もそういうボクシングなどの「ノックアウト」という意味ですが、そこから、ノックアウトされるほど「圧倒的なもの、素晴らしいもの、美人・美男」という意味があります。
LAAD では、
knockout : (informal) someone or something that is very attractive or exciting
例)Leslie's a real knockout.

つまり「(インフォーマル)非常に魅力的またはワクワクするような人または物」。例文は「レスリーは本当に美人だ(魅力的だ)」。

ジョーイのママはチャンドラーのママほどセクシーじゃない、と言われたことをジョーイはずっと根に持っていたようで、ママの若い頃の写真をロスに見せ、「これを見たら、ママはセクシーだって認める気になるだろ?」と言っていることになります。
ロスの I cannot believe... は、友人のママとキスしたことで友達関係がおかしくなっているこの時に、ジョーイのママがセクシーかどうかの話題をどうして今しなくちゃいけないんだ、というところでしょう。

Just try to picture her not pregnant は「ただ、彼女が妊娠していないと想像してみろ」。
here's a picture of というセリフでは、picture は「写真」ですが、try to picture の picture は動詞で、「想像する、心(の中)に描く」という意味。
ママが not pregnant である状態を想像してみろよ、ということから、結婚式の日にはすでにかなりお腹が大きかったことがこのセリフでわかるということです。


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posted by Rach at 12:30| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月23日

さもないと、どうなっていたことか フレンズ1-11改その12

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13:30
ロス: I was really upset about Rachel and Paolo and I think I had too much tequila, and Nora... um, Mrs. Mom, your Bing, was just being nice, y'know, and- But nothing happened. Nothing. Ask Joey. Joey, uh, came in-- (僕はレイチェルとパウロのことで本当に動揺していて、それにテキーラをかなり飲みすぎたと思うんだ。そしたら、ノーラが、えーっと、ミセス・ママが、君のビングが、ただ優しくしてくれたんだよ、ほら、それで…でも何も起こらなかった。何も。ジョーイに聞いてくれよ。ジョーイが(その時)入ってきて…)
チャンドラー: [To Joey] You knew about this? ([ジョーイに] お前はこのことを知ってたのか?)
ジョーイ: Uh... y'know, knowledge is a tricky thing. (あー…ほら、知識ってのは、なかなか難しい問題なんだよな。)
チャンドラー: I spent the entire day with you. Why didn't you tell me?! (俺はお前と一緒にまる一日過ごしてたんだぞ。どうして俺に言わなかったんだ?)
ジョーイ: Hey, hey, hey. You're lucky I caught them when I did, or else who knows what would’ve happened. (おいおいおい。俺があの時に二人の姿を見つけて、お前はラッキーだったんだぞ。さもないと(あの後)何が起こってただろうかってことか誰にわかる?[誰にもわからないんだぞ])
ロス: Thanks, man. Big help. (ありがと。大いに助かるよ。)
チャンドラー: [To Ross] I can't believe this! What the hell were you thinking? ([ロスに] こんなの信じられないよ! お前は一体何を考えてたんだ?)
ロス: I wasn't. I don't know.... (僕は考えてなかった。わからないよ…)
チャンドラー: Y'know, of all my friends, no one knows the crap I go through with my mom more than you. (なぁ、俺の友達の中で、俺がママのことで経験してきたひどいことをお前より知っているやつはいない、ってのに。)
ロス: I know-- (そうだよな。)
チャンドラー: I can't believe you did this! [Walks toward the door] (お前がこんなことをしたなんて信じられないよ! [ドアに向かって歩いていく])
ロス: Chandler. (チャンドラー。)
ジョーイ: Me neither, y'know what-- (俺も信じられないよ、わかるだろ…)
チャンドラー: I'm still mad at you for not telling me. (俺に言わなかったことで、俺はまだお前に怒ってるんだぞ。)
ジョーイ: What are you mad at me for?! (お前は何で俺に怒ってるんだよ?)
ロス: Chandler-- (チャンドラー…)
チャンドラー: You gotta let me slam the door! [Leaves; slams the door] (俺にドアをバタンと閉めさせろよ! [立ち去り、ドアをバタンと閉める])
ジョーイ: [Shouting after him] Chandler, I didn't kiss her. He did! [To Ross] See what happens when you break the code? ([去ろうとする彼の後ろから大声で叫びながら] チャンドラー、俺は彼女(お前のママ)とキスしなかった。ロスが(キス)したんだぞ! [ロスに] コード(掟)を破ると何が起こるかわかるだろ。)
ロス: Joey-- (ジョーイ…)
ジョーイ: Ah! [Points to door] Huh? [Leaves and slams the door] (あぁ! [ドアを指さして] は? [立ち去り、ドアをバタンと閉める])

be upset about は「〜について動揺する、混乱する、動転する、憤慨する」。
upset は元々動詞で「ひっくり返す」という意味で、そこから「(人の)気持ちを動揺・動転させる」など、人の気持ちをひっくり返したり乱したりする状態を表します。穏やかな状態ではなく、気持ちが落ち着かない状態ということです。

Nora... um, Mrs. Mom, your Bing... のように、チャンドラーのママを指すロスの言葉が、二転三転しています。
最初につい「ノーラ」とファーストネームを使ってしまい、それでは男女の親密な関係を示唆するようで、また、チャンドラーのママを一人の女性として見ているように聞こえてしまいそうでマズいと思ったロスは、続けて、Mrs. Mom, your Bing と言っています。
本来なら、Mrs. Bing 「ミセス・ビング、ビング夫人」、your Mom 「君のママ」と言うはずが、パニクっているために、両者の一部が入れ替わってしまったわけで、ロスが動揺していることがわかる面白い表現だと言えるでしょう。

Nothing happened. は浮気を疑われた時などに「何もなかったんだ」と言い訳するのによく使われる表現ですが、ここでは、キスは確かにしたけど、それ以上のことはしなかった、ということ。
ジョーイは目撃者だから、ジョーイに聞いてくれ、と言ったことで、今度はチャンドラーの怒りがジョーイにも向かいます。
何か悪いことをした相手を憎む気持ちは当然として、そのことを知っていたのに黙っていた人に対しても怒りを覚えるということはよくあります。
過去記事 であなたはそれを知ってたの? フレンズ1-2改その18 では、ロスが「元妻は実はレズビアンで、その妻は僕の子を妊娠している」と両親に告白した時、ママはロスではなくて、モニカに対して、And you knew about this?! 「それであなたはそのことを知ってたの?!」と非難めいた口調で言うシーンもありました。

「お前、知ってたのか?」と強い調子で聞かれたジョーイは、Knowledge is a tricky thing. と答えます。
tricky は「扱いにくい、やっかいな、やりにくい」、knowledge は「知っていること、知識」。
ですから、直訳すると「知識ってのはやっかいな代物なんだよね、クセモノなんだよね」みたいな感じでしょう。
「知っているとか知っていないとかの概念は難しい、どこまで知ってて、どこからは知らないかの線引きは難しい」みたいな感覚かな、と思います。
このように、... is a tricky thing. 「・・・は難しい問題だ、扱いにくい問題だ」という表現はよく使われます。
過去記事 彼女より俺の方が多くの人間と付き合ってるなら フレンズ1-6改その12 では、ロス: Well, y'know, monogamy can be a tricky concept. (ほら、一夫一婦制が扱いにくい概念なんだよ。)というセリフで tricky が使われていました。
また、Knowledge is a tricky thing. に似た、A little knowledge is a dangerous thing. 「生兵法は大けがのもと」ということわざもあります。
「わずかの知識は危険なものである」→「少しばかりの知識を持っていることは、却って危険だ」という意味です。

一日中一緒にいたのに、どうして俺に話してくれなかったのか? と責められたジョーイは、You're lucky... と返します。
or else は「でなければ、さもないと」。ジョーイは「俺があの時、二人を発見していなかったら、どうなっていたことか…」みたいなことを言っています。
who knows what would’ve happened は「何が起こっただろうかが誰にわかるか?」ということで、「誰にわかるか」は「誰にもわからない」という意味の反語的なニュアンス。
もし俺が目撃してなかったら、その後、何が起こっていたかなんて誰にもわからないんだ、という感じです。
俺が見たのに言わなかったことを怒ってるけど、俺が見つけたからお前は助かったんだぞ。俺が目撃せずに、二人があのままの状態だったら、どんなことになってたか…と、邪魔が入らなかったら、もっとエスカレートしていたかもしれない可能性を示唆しています。

ロスはナイスフォローをありがとう、みたいに親指を立てて(サムアップして)感謝の言葉を述べていますが、内心は「それじゃ全然フォローになってない! 二人はどんだけロマンティックになってたかと思われちゃうだろ!」とジョーイの発言に怒っているでしょう。
「大いに助かる」というのは皮肉で、「さらに状況を悪くするようなことを言ってくれちゃって!」というのが本音です。

no one knows ... more than you. は「お前よりも…をよく知っている人はいない」つまり「お前が一番…をよく知っている」。
否定+比較級で、最上級の意味を表しています。
the crap は「ひどいこと、最低なこと」で、「俺がママとのことで経験してきた(いろんな)ひどいこと」というのは、ママが他の男性とすぐに恋愛関係になり、そのせいで息子である俺は複雑な思いをしてきた、ということでしょう。

slam the door は「ドアをバタンと閉める」。
ト書きによく使われる表現でもあります。
Macmillan Dictionary では、
slam : to shut a door or a lid with great force so that it makes a loud noise, often because you are angry
つまり「大きな音を立てるように、ドアや蓋を大きな力で閉めること、しばしば怒っているからという理由で」。
語義にも angry という言葉が使われているように、ドアをバタンと閉めて出ていくのは怒りの表現でもありますので、「もうお前たちとは話したくない、このままドアをバタンと閉めて俺は出て行かせてもらう」という気持ちが出ています。
チャンドラーに怒りを向けられたジョーイは、話しかけようとするロスに Ah! Huh? と言いながら、ドアを指さし、チャンドラーと同じようにドアをバタンと閉めて去っていきます。
俺に怒ってチャンドラーがそうしたように、俺はお前に怒って同じことをするからな、ということになります。


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posted by Rach at 20:32| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月09日

後で立ち寄る、途中でこれを置いていく フレンズ1-11改その11

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(遅ればせながら)明けましておめでとうございます。
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12:09
[Scene 6: Hospital. Phoebe is there stroking Coma Guy's hair, when Monica enters with a bunch of balloons]
シーン6。病院。フィービーはそこにいて、昏睡男の髪の毛を撫でている。そこにモニカがたくさんの風船を持って入ってくる。
モニカ: Hi. (はーい。)
フィービー: Hi. (はーい。)
モニカ: What are you doing here? (ここで何してるの[どうしてここにいるの]?)
フィービー: Nothing. I just thought I'd stop by, y'know, after the uh... that I.. y'know. So what are you doing here? (何も。私はただ立ち寄ろうかなと思っただけよ、ほら、私が…した後で…。それであなたは[そういうあなたこそ]ここで何してるの?)
モニカ: I'm not really here. Just thought I'd drop these off on the way. My way. Do you come here a lot... without me? (私はここにいるってほどじゃないわ。ただ思ったのよ、途中でこれを置いていこうって。途中でね。あなたは何度もここに来るの?…私抜きで?)
フィービー: No. [Monica brushes Coma Guy's hair in the other direction] No! No! ...So, um, do you think he's doing any better than he was this morning? (いいえ。[モニカが昏睡男の髪の毛を別の方向にとく] だめ、だめよ! それで、その、彼は今朝の状態よりも少しは良くなってるって思う?)
モニカ: How would I know? I-I wasn't here. (どうやって私がそんなことを知るっていうのよ? 私は(今朝)ここにはいなかったわ。)
フィービー: Really? Not even to, um, change his pajamas? [Whips back the sheet] (ほんとに? 彼のパジャマを着替えるためにさえもいなかった(って言う)の? [シーツをさっとめくる(昏睡男が前とは違うパジャマを着ているのがわかる。)]

ト書きの stroking Coma Guy's hair の stroke は「(人の髪や動物などを優しく)撫でる、撫でつける」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
stroke : to move your hand gently over something
例)She was sitting on the sofa, stroking her cat.

つまり「何かの上で優しく手を動かすこと」。例文は「彼女はネコを撫でながら、ソファに座っていた」。

寝ている男性の髪の毛を優しく撫でているのは愛しさの表現ですし、風船をたくさん持って入ってきたのも彼へのプレゼントなのが明白ですから、二人の間に気まずい空気が流れます。

What are you doing here? は「ここで何してるの?」ということですが、「一人で彼の病室で何してるの?」という意味はもちろんのこと、「どうしてあなたがここにいるの?」というニュアンスも含まれています。
フィービーがここにいることが意外だった、フィービーがいるとは思わずにやって来たことがよくわかります。
I just thought I'd = I just thought I would ということで「ただ〜しようかなと思っただけ」。
stop by は「立ち寄る」。
after the uh... that I.. y'know. と言って「ただ〜した後にちょっと立ち寄ろうと思っただけよ」と説明しようとしたのですが、メインの用事が何だったかを説明できない感じが出ています。
この言い回しで「何かのついでというのは嘘で、ここに来ることが主目的だった」ことがわかるということ。

他の用事を思いつかなくて、すぐに相手への質問に切り替えるフィービー。
「あなたこそ、どうしてここに来たの? ここにいるの?」と言われたモニカは「別に”ここにいる”ってほどでもなくて」と言ってから、Just thought I'd drop... と、さきほどのフィービーと同じような言い回しで「ただ〜しようと思っただけなの」と説明します。
drop off は「(物)を置いていく」。drop は「落とす、降ろす」で、off は「分離」のニュアンスですから、「持ってきたものを(自分から離す形で)置く」という感覚になるのはわかりやすいでしょう。
on the way / on one's way は「途中に、行きがけに、帰り道に」。
モニカも「あることの途中で、これを置くために立ち寄っただけ」と説明しているのですが、on the way. My way. としか言えないところに、具体的に「どこに行く途中か」を説明できない、メインの用事がこれだったことが表れています。

Do you come here a lot... without me? のように、without me の前に間(ま)があるので、「あなたはよくここに来るのかしら…”それも私抜きで一人で”」という最後の部分がより強調されています。
それに対してフィービーは No. 「いいえ。あなた抜きで、私一人が何度も来たりはしないわ」と否定するのですが、モニカが、さっきフィービーが撫でていた髪の毛を、それとは反対方向にとくので、次の No! No! は「やめて!(彼の髪の毛をそんな風に撫でるのはやめて!)」という意味になっているのも面白いところです。

any better は「多少は・少しでも、よりよく(なる)」という感覚。
彼が今朝の状態よりも少しでも体調が良くなったとあなたは思う? と聞かれたので、モニカは「私は今朝ここにいたわけじゃないのに、朝と比べて体調がどうかなんて、どうやって私にわかるのよ?」と返します。

Really? Not even to, um, change his pajamas? は Really? You were not even to...? 「(モニカは今朝ここにいなかったって言うけど)ほんとに? 〜するためにさえいなかったの?」と先に言ってから、少し間を置き、シーツをめくるのと同時に「彼のパジャマを替える(着替えさせる)ために」と言っていることになります。
フィービーは彼のパジャマが違っていることに気づいていて、しらばっくれているモニカに証拠を突き付けた感じです。


13:05
[Cut to Chandler and Joey's place. Ross is talking to Chandler. Joey is making a snack at the bar]
チャンドラーとジョーイの家に画面がカット。ロスはチャンドラーと話している。ジョーイはバーで軽食を作っている。
チャンドラー: Oh my God. (なんてこった。)
ロス: You're my friend. I-I had to tell you. (君は僕の友達だ。(だから)僕は君に言わないといけなかったんだ。)
チャンドラー: I can't believe it. Paolo kissed my mom? (信じられない。パウロが俺のママにキスしたのか?)
ロス: Yeah, I mean, I don't know if you noticed, but he had a lot to drink. I mean, you know how he gets when he's drun..uh... [He has caught sight of Joey scowling at him] I can't do this. I did it. It was me. I'm sorry. I kissed your mom. (あぁ、ほら、君が気づいてたかどうかはわからないけど、やつは酒をたくさん飲んでた。ほら、酔っぱらうとやつがどうなるか知ってるだろ…あぁ… [ロスはジョーイが自分をにらみつけているのが目に留まる] 僕にはこんなことはできない。僕がしたんだ。僕だったんだ。ごめん。僕は君のママにキスした。)
チャンドラー: What? (何だって?)

ロスを前にしてチャンドラーが Oh, my God. と言い、「君は僕の友達だから、(真実を)話さないといけなかった」と言っているので、チャンドラーのママとキスしてしまったことを正直に告白しているのかと思いきや、チャンドラーの「信じられない。パウロが俺のママにキスしたなんて」という発言で、ロスが嘘を語っていることがわかります。

その後も、「酒をたくさん飲んでて、飲むとどうなっちゃうかわかるだろ」と、自分に起こったことをパウロがやったことのように語っているので、ジョーイはパンに何かを塗りながら、ロスの方を怖い顔で睨みます。
ト書きの catch sight of は「光景をキャッチする」ということから、「〜を見かける、〜(という光景・姿)が目に留まる」という感覚。
scowl は「(怒って・不機嫌で)顔をしかめる、にらみつける」。発音は「スカウル」。
LAAD では
scowl [verb, intransitive] : to look at someone in an angry way
つまり「怒った様子で人を見ること」。自動詞なのでこのト書きの scowl at のように、前置詞 at が必要になります。

ジョーイに怖い顔でにらまれて、嘘を続けられなくなったロスは「こんなことはできない=嘘をつくことはできない」と言って、I did it. It was me. と告白します。
「僕がそれをした。それは(パウロじゃなくて)僕だった」ということですが、最初はこのようにダイレクトな表現は使わずに告げて、謝罪の後、はっきり I kissed your mom. 「僕は君のママにキスした」と告白することになります。


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posted by Rach at 15:09| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月13日

scum 浮きかす、人間のクズ フレンズ1-11改その10

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10:45
ロス: Okay, I'm scum, I'm scum. (あぁ、僕は(人間の)クズだ、僕はクズ野郎だ。)
ジョーイ: Ross, how could you let this happen? (ロス、どうやってこんなことを起きさせちまったんだよ?)
ロス: I don't know, God, I- well, it's not like she's a regular mom, y'know? She's, she's sexy, she's... (わからないよ、あぁ、僕はその、彼女は標準的なママってわけじゃないだろ? 彼女はセクシーで、彼女は…)
ジョーイ: You don't think my mom's sexy? (俺のママはセクシーじゃないとお前は思ってるのか?)
ロス: Well, not in the same way. (うーんと、同じように[同じような感じで]セクシー、ってことはないよね。)
ジョーイ: Hey, I'll have you know that Gloria Tribbiani was a handsome woman in her day, alright? You think it's easy giving birth to seven children? (おい、グロリア・トリビアーニは若い頃はハンサム・ウーマン(堂々として魅力的な女性)だったってことをお前に教えてやるよ。7人の子供を産むことが簡単なことだとお前は思うのか?)
ロス: Okay, I think we're getting into a weird area here. (わかった、(今)ここで僕たちは奇妙なエリア(領域)に入りつつあると思うんだけど。)

scum は元々「浮きかす、浮き泡」で、そこから、「人間のカス、人間のクズ、クズ野郎」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
scum [noun] :
1. a dirty substance that forms on the surface of a liquid
例)soap scum on the bathtub
2. a bad and nasty person
例)They treated me like scum.
scum of the earth (= the worst people you can imagine)

つまり、
1. は「液体の表面に形成する[できる]汚い物質」。例は「浴槽の表面の石鹸かす」。
2. は「悪い、またはひどい人間」。例文は「彼らは私をクズのように扱った」。
scum of the earth は「想像できうる限りで最低の人」。

Macmillan Dictionary にも、この scum of the earth は載っていて、以下のように説明されています。
(the) scum of the earth : an insulting expression for people who you think are very unpleasant
つまり「非常に不快だと思うような人に対しての侮辱的な表現」。

直訳すると「地球のカス、クズ」ということですから、地球という大きなスケールの言葉を使った、それはもうひどい表現であることが想像できます。

regular mom は「普通の・標準的なママ(母親)」。
in one's day は「若い頃は、若かりし頃は、全盛期は」、give birth to ... は「…を出産する、産む」。

handsome は「ハンサムな」ということで、「男前の、二枚目の」のような男性の美形を形容する言葉ですが、女性の形容に使うと「(体格や態度について)威厳のある、堂々とした」のような意味になります。
LAAD では、
handsome [adjective] : a woman who is handsome is attractive in a strong healthy way
例)a handsome gray-haired woman
つまり「ハンサムな女性とは、強くて健康的な風に魅力的である」。例は「(堂々として)魅力的な白髪の女性」。

「か弱くて華奢(きゃしゃ)な女性」とは対照的なイメージを指していることになるでしょう。

I think we're getting into a weird area here. は「僕たちは奇妙な領域に入っている[入りつつある]ように思うけど」。
友人のママにキスするなんて! と非難されていたのが、「チャンドラーのママに比べて俺のママは色っぽくないって言うのか? 俺のママだって若い頃はすごくイケてたんだぞ!」と、話が変な方向に進んでいることを言っています。


11:15
[Mon+Rach's door opens and Rachel and Paolo emerge]
モニカとレイチェルの部屋のドアが開き、レイチェルとパウロが現れる。
レイチェル: Hey. (どうも。)
ロス: Hey. (どうも。)
レイチェル: What're you guys doing out here? (こんな外(廊下)で二人は何してるの?)
ロス: Well, not playing racquetball. (うーんと、ラケットボールはしてないね[今ここでやってるのはラケットボールじゃない、とは言えるね]。)
ジョーイ: He forgot to leave his grip size. (こいつがグリップサイズを伝えるのを忘れたんだよ。)
ロス: He didn't get the goggles. (こいつはゴーグルを持ってこなかった。)
レイチェル: Well, sounds like you two have issues. (まぁ、あなたたち二人には問題があるみたいね。)
[She and Paolo walk a little way down the hall]
彼女とパウロは少し廊下を歩く。
レイチェル: Goodbye, baby. (じゃあね、ベイビー。)
パウロ: Ciao, bella. (チャオ、ベッラ[じゃあね、かわいこちゃん]。)
[They kiss. Ross is watching them]
二人はキスする。ロスは二人を見ている。
ロス: Do they wait for me to do this? (彼らはこれ(キス)をするのに僕を待つのか?[僕を待ってキスするのか?])
[Joey and Ross go into Monica and Rachel's apartment]
ジョーイとロスがモニカとレイチェルのアパートメントに入る。
ジョーイ: So are you gonna tell him? (それでやつ(チャンドラー)に言うつもりか?)
ロス: No, I'm not gonna tell him. Why would I tell him? (いや、僕はやつには言わないよ。どうして僕がやつに言ったりするんだよ?)
ジョーイ: How about 'cause if you don't, his mother might. (お前が言わなくても、やつの母親が言うかもしれないから、って理由はどうだ?)
ロス: Oh... (あぁ…)
モニカ: [Entering] What are you guys doing here? ([(自室からリビングに)入ってきて] あなたたちここで何してるの?)
ジョーイ: Uhhhh.... he's not even wearing a jock strap! (あぁ…やつは局部サポーター(股当て)を履いてさえいないんだよ。)
モニカ: What did I ask? (私、何を尋ねたっけ?[私の質問、何だっけ?])

ロスとジョーイが何を話し込んでいるのかを尋ねたレイチェルに、さっきチャンドラーに話したのと同じ、ラケットボールの話をする二人。
レイチェルが What're you guys doing out here? 「こんな外(廊下)で二人は何してるの?」と尋ねたことに対して、ロスは親指でジョーイの方を指さしながら Well, not playing racquetball. と言っています。
What are you guys doing? に対して、not playing racquetball と答えたことになるので、We are not playing racquetball. 「(今ここで何してるの? と聞かれたけど)僕たちは(ここで今)ラケットボールはしていない」と返した感覚になるでしょう。
「ラケットボールをしてない、とは言えるね」と言いながらジョーイを指さすことで、「今本当ならしているはずのことをしていない(で、こんなところにいる)のは、こいつのせいなんだ」と言いたい様子が感じられます。

いきなりラケットボールの話を出して、相手を非難する形でポイントとなる部分だけを話しているので、チャンドラーとの会話を聞いていなかったレイチェルには何のことかわかりません。
Sounds like you two have issues. は「あなたたち二人は何か問題を抱えているようね」。
何だかよくわからないけど、とにかくあなたたち二人は問題を抱えているみたいね、モメてるらしいことだけはわかるけど、と言ったことになるでしょう。
have issues「問題がある、問題を抱えている」は、過去記事 カーペットからマストドンのにおいを消す フレンズ1-2改その3 にも出てきました。

goggle は「ゴーグル」ですが、英語の発音は「ガゴー」という感じ。
「JARA−日本ラケットボール協会−」公式サイトの「ラケットボールについて」の「ラケットボールの用具」のところに「競技中は、目を保護するために、アイガードを着用します」との記述があります。
同じページに「サーバーが正面の壁にボールを当てて、レシーバーが返ってくるボールを打ち返しラリーを行うという簡単なスポーツです」「ボールのスピードは、初心者で70km/h、上級者では300km/hにもなります」という記述もあります。
跳ね返ってきたボールがそんな高速ならアイガードが必要なのも納得で、ロスが言っているゴーグルもそのようなアイガードを指していることになるでしょう。

ciao は「チャオ」で、イタリア語の「やあ、こんにちは、さようなら」のような挨拶の言葉。
bella はイタリア語で「美しい」という意味で、Ciao, bella. は「じゃあね、美しい[かわいい]人・かわいこちゃん」のような意味になります。

レイチェルとパウロがキスしているのを見たくない様子のロスは、モニカとレイチェルの部屋に入ります。
「チャンドラーのママとキスしたことをチャンドラーに言うのか?」と問われたロスは「言わない」と宣言した後、「どうして僕がチャンドラーに言ったりするんだよ?」と返します。

How about 'cause... は「(なぜ言うか、については)…だから、っていう理由はどうだ?」と言っている感覚になるでしょう。
ロスはわざわざ言う必要なんかない、と思っているのですが、ジョーイは「もしお前が言わないとしても、彼の母(ノーラ)が息子のチャンドラーに言ってしまうかもしれない」という可能性を語ります。
それを聞いたロスは「それはまずいな」という沈んだ表情をします。

今度はモニカに「こんなところで二人は何してるの?」と言われ、また話の内容をごまかすためにラケットボールの件を持ち出しますが、今度は「ラケットボール」という名前を出すことすらなく、いきなり細かい話をしています。

jockstrap は「(スポーツをする時につける)局部用サポーター」。
jock だと「スポーツマン、スポーツばかりしている人」という意味。

「何してるの?」と尋ねたのに、「局部サポーターを…」という唐突な返事が返ってきたので、「私は何を質問したんだっけ?」とモニカは言っています。
この会話をしているロスとジョーイ、そしてそれをずっと見ている視聴者には「ごまかすのにまたラケットボールの話題を持ち出している」ことがわかりますが、チャンドラー、レイチェル、モニカと連続してみんなに同じような質問をされたことから、ロスとジョーイの会話は最初の経緯から説明することがどんどん省かれていっています。
尋ねたモニカの方は「唐突に「局部サポーター」と言われても、そんな答えが出てくるような質問したっけ? 一体何の話をしてるのよ」とポカンとしてしまう面白さとなるでしょう。


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posted by Rach at 23:14| Comment(3) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする