2020年10月24日

彼みたいな男のために325頁もめくらない[読まない] フレンズ1-11改その8

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7:33
[Cut to Mrs. Bing on the telephone]
電話中のミセス・ビング(ノーラ)に画面がカットする。
ノーラ: Yeah, any messages for room 226? (えぇ、226号室へ何か伝言は入ってない?)
[Ross emerges from a toilet marked 'Chicas']
ロスは Chicas (スペイン語で「女の子」の意味)のマークがあるトイレから出てくる。
ノーラ: You okay there, slugger? (大丈夫、スラッガー?)
ロス: Oh, yeah. I'm fine, I'm fine. [A woman emerges from the toilet behind him and he tries to pretend he was in the other one] (あぁ、はい。僕は大丈夫、大丈夫です。[彼の後ろのトイレから女性が出てきたので、ロスは別のトイレから出てきたようなふりをする])
ノーラ: What is with you tonight? (あなた、今夜はどうしたの?)
ロス: Nothing. Nothing, nothing, nothing. (何も。何も、何も何もないです。)
ノーラ: [To phone] Okay, thank you. [To Ross] It's the Italian hand-licker, isn't it? ([電話に] えぇ、ありがとう。[ロスに] イタリアの手舐め男のせいでしょ?)
ロス: No. It's the one he's licking. (いいえ。彼が舐めてる方(のせい)です。)
ノーラ: She's supposed to be with you. (彼女はあなたと一緒にいる[付き合う]ことになるわ。)
ロス: You're good. (優しいですね。)
ノーラ: Oh, Ross, listen to me. I have sold 100 million copies of my books, and y'know why? (まぁ、ロス、聞いて。私はこれまでに自分の本を1億部も売ってきたの、なぜだかわかる?)
ロス: The girl on the cover with her nipples showing? (乳首を見せてる表紙の女の子(のおかげ)?)
ノーラ: No, because I know how to write men that women fall in love with. Believe me, I cannot sell a Paolo. People will not turn 325 for a Paolo. C'mon, the guy's a secondary character, just a... y'know, complication you eventually kill off. (いいえ、それは女性が恋に落ちるような男性の描き方を私が知ってるからよ。信じて、私はパウロを売り込むことなんかできないわ。パウロみたいな男のために人は325ページもめくらない[読まない]もの。ねぇ、あの男は脇役のキャラクターよ、ただ、ほら、最後には殺して退場させるような、(話を)複雑化するためだけの(要素)ね。)
ロス: When? ((殺されるのは)いつですか?)
ノーラ: He's not a hero. You know who our hero is? (彼はヒーローじゃないわ。私たちのヒーローが誰だか知ってる?)
ロス: The guy on the cover with his nipples showing? (乳首を見せてる表紙の男?)
ノーラ: No, it's you. (いいえ、あなたよ。)
ロス: Please. (やめてくださいよ。)
ノーラ: No, really. Come on. You're smart. You're sexy. (いいえ、ほんとに。ねぇ。あなたは頭がいいし。あなたはセクシーだし。)
ロス: Right. (そうですよねぇ。)
ノーラ: Come on, kiddo. You're gonna be fine, believe me. (よしてよ、坊や。あなたは大丈夫よ、信じて。)
[She kisses him on the cheek]
ノーラはロスの頬にキスをする。
ロス: Uh-oh... (あ、あぁ…)
[...Then full on the mouth]
…それから、口でキスをする。
[Enter Joey]
ジョーイ登場。
ジョーイ: Uhhhh.... I'll just pee in the street. (あぁぁぁ… 俺、通りでおしっこしてくるわ。)
[Commercial]
コマーシャル

slugger は日本でも野球で「スラッガー」と使われる通り「野球の強打者」という意味。またボクシングでハードなパンチを繰り出す強打者のことも指します。
動詞 slug が「ボールを強打する、人を(握った拳で)強打する」という意味があることから来ています。
ここでは、野球やボクシングは関係ないものの、「強打する男」→「強い男」のイメージでそう呼び掛けたのでしょう。
その後、ロスの出てきたトイレから女性が出てきたので、ロスはあわあわしています。
トイレの扉に書いてある文字 Chicas はスペイン語で「女の子」の意味。
ベロベロに酔っぱらっているロスがトイレの男女を間違えたのは、メキシコ料理店だからスペイン語で書かれていたことも一つの原因なのでしょう。

It's the Italian hand-licker, isn't it? は「イタリア人の手舐め男のことでしょ、手舐め男のせいでしょ?」。
ここでの It's ... は「問題の焦点・ポイントは…である」という感覚。
「(今こんな状況・状態であるのは)…が原因だ」と訳してもよいでしょう。
「それって…よね、…でしょ」のように漠然と表現しても、そのニュアンスは出る気はします。

ノーラはパウロを the Italian hand-licker 「イタリア(人)の手舐め男」と表現しています。
少し前のシーンで、レイチェルがパウロに何かを食べさせた時に、レイチェルの手も舐めていたことを言っているわけですが、ロスがパウロを嫌いなことを知っていて、また、ノーラ自身もパウロをあまり良く思っていないことがわかる言い回しだと思います。

ロスの返事 It's the one he's licking. は、licker(パウロ)が原因・問題じゃなくて、彼が舐められてる対象の方が問題なんです、パウロのことはどうでもよくて、僕が気にしているのはレイチェルの方なんです、ということ。
パウロが何をしようと興味はないが、レイチェルが男に手を舐められているのがいやなんです、ということになるでしょう。

I have sold 100 million copies of my books, and y'know why? について。
日本語で「コピー」というと、「複写、転写、写し」のニュアンスが強いですが、本や雑誌を何部という場合には、このように copy という単語を使います。
I have sold 100 million copies of my books. を直訳すると、「私は私の本を1億部(これまでに)売ってきた」ということで、現在に至るまでそれだけ売れた、ということを表す現在完了形です。ノーラは今でも作家を続けているので今後も本は売れ続けるでしょうから、「今までのところはこれだけ売れた」という感覚から、現在完了形を使うことになります。

ロスは本が売れている理由を、The girl (on the cover with...) だと言っています。
with her nipples showing は「乳首を見せた状態で」ということ。
何とも露骨な表現ですが、表紙に裸かそれに近い姿の女性が描かれていて、その表紙につられてみんな買うんでしょ? みたいなジョークです。

sell は「売る」なので、「売り込む、価値を納得させる、(人に〜を)良いと思わせる」。
turn (over) the pages は「ページをめくる」なので、People will not turn 325 for a Paolo. は「パウロみたいな男のために、読者は 325ページものページをめくりはしない」、つまり「325ページも読まない」。
固有名詞に a をつけた形の a Paolo で「パウロのような男、パウロのようなタイプの男」という意味になります。
「ああいうタイプの男を主役にしたら、誰も本を最後まで読み通してくれないわ。つまらなくなって途中で読むのをやめちゃうわ」ということで、パウロは男性としてそれほど魅力的ではないことを、恋愛小説家らしく説明したことになるでしょう。

secondary character は「二次的な役、脇役、サブキャラ」。
complication は「複雑(化)、紛糾、やっかいな問題」なので、just a complication は「物語や筋書きを複雑にするためにいるだけの存在」というニュアンスでしょう。
メインキャラクターだけでは話が単調になるので、そういう脇役を登場させれば、話が複雑になり、いろんなドラマを生む効果がある、という感じです。

eventually は「最終的には、結局は、最後には、いずれは」。
kill off は「全滅、絶滅させる」という意味で使われることが多いですが、この場合は、「殺して(小説の筋書きから)退場させる」というニュアンスだと思われます。
「殺されるってそれはいつ?」「じゃあそのサブキャラのパウロはいつ殺される予定なんですか?」という意味で、即座に When? と尋ねるロスが面白いです。

最初に You know why? と尋ねたのと同じ感覚で、今度は、You know who our hero is? と尋ねるノーラ。
それに対して、girl を guy に変えただけの「同じセリフの男バージョン」になっているのが楽しいです。
ヒーローは表紙の裸の男でしょ、と、またエッチな表紙が読者を引き付けるんだ、という話を言っていることになります。
The girl on the cover with... というセリフがあった後、しばらく経ってから、また、The guy on the cover with... という同じパターンのセリフが出てきた時に、英語で聞いて「またその話かい!」とクスッと笑えるようになるといいですね。

ロスの Please. は「やめて下さいよ。そんな気休めや励ましを言うのはよして下さいよ」という感覚。
「僕が恋愛小説のヒーローになれるなんて…」と、ノーラの言葉をただの社交辞令だと思っている様子が伺えます。
「あなたはセクシーだし」と言われた後のロスの Right. も言葉としては「そうですね」という肯定ですが、本音は「またそんなこと(気休めを)言って」という否定の気持ち。
kiddo は、子供や年下の人物への親しい呼び掛け語で、あなたよりずっと年上の私には、本当の男性の魅力がわかるのよ、と言いたげな感じが出ている気がします。

ロスを励ますように頬にキスしたノーラですが、その後、二人は口でキスしてしまいます。
ちょうどそこにトイレしにきたジョーイが現われて、大変なものを目撃してしまったとばかりに「(ここのトイレじゃなく)通りでおしっこしてくるわ」と言って去っていくのも笑えます。


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posted by Rach at 13:00| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月04日

Aから始めてBを放り込んだらCの出来上がり! フレンズ1-11改その7

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6:30
ノーラ: Well, I think we're ready for some tequila. (そうね、私たち、テキーラを飲みたい気分になってるかと思うんだけど。)
チャンドラー: I know I am. (俺は飲みたいね。)
ノーラ: Who's doing shots? (ショット(用の一口グラス)で飲みたい人は誰?)
モニカ: Yeah. Hit me. (ええ。(私の分を)もう一杯(追加で)。)
フィービー: I'm in. (私も乗った。)
ノーラ: There you go. Ross? (そうね。ロスは?)
ロス: Uh, I'm not really a shot-drinking kinda guy. (あー。僕はテキーラのようなキツい酒をショットグラスで飲むようなタイプの人間じゃないんですよ。)
[Enter Rachel and Paolo. They are both somewhat flustered]
レイチェルとパウロが入ってくる。二人はいくぶんあわてている。
レイチェル: Hi! Sorry- sorry we're late, we, uh, kinda just, y'know, lost track of time. (はーい! ごめんなさい、遅れちゃって。私たち、その、ほら、時間が経つのを忘れちゃって。)
ロス: But a man can change. [Downs a shot] (でも、男は変われるんだ。[ショットを飲み干す])
[Time lapse. Ross is now clearly drunk. He is holding up a shot glass to his eye like a jeweller's eye]
時間が経過。今ロスは完全に酔っぱらっている。彼は宝石鑑定師の目のように自分の目のところにショットグラスを掲げている。
ロス: Anyone want me to appraise anything? (僕に何かを鑑定してほしい人はいるかな?)
[Rachel feeds something to Paolo. He eats it and licks her hand]
レイチェルは何かをパウロに食べさせる。彼はそれを食べ、彼女の手を舐める。
レイチェル: Mrs. Bing, I have to tell you. I have read everything you've ever written. No, I mean it! I mean, when I read Euphoria at Midnight, all I wanted to do was become a writer. (ビングさん、こう言わせて下さい。あなたがこれまでに書いたものを私は全部読みました。いいえ、ほんとの話なんです。私は「真夜中の絶頂」を読んだ時、ただ作家になりたいと思ったんです。)
ノーラ: Oh, please, honey. Listen, if I can do it, anybody can. You just start with half a dozen European cities, throw in 30 euphemisms for male genitalia, and bam! You have got yourself a book! (あぁ、(そんなに褒め過ぎるのは)よして、ハニー。ねぇ、もし私ができるなら、誰にでもできるわ。ただ半ダース(6個)のヨーロッパの都市から始めて、そこに男性器の30個の婉曲表現を放り込んだら、バン![あっという間に] 1冊の本の出来上がりよ!)
チャンドラー: My mother, ladies and gentlemen! ((これが)私の母です、(紳士淑女の)皆さん!)

shot は「酒の一口、一杯」。
Hit me. はこのようにお酒の席で言うと「もう一杯」(Give me another drink.)という意味になります。

I’m not really a shot-drinking kind of guy. は「テキーラのようなキツい酒をショットグラスで飲むようなタイプの人間じゃない」。
ノーラがその前に、テキーラ(tequila)という酒の具体的な名前を出していますので、それに対する返事です。
shot glass は「度数の強い酒(テキーラ・ウォッカなど)を飲むための一口用の小さなグラス」のこと。

レイチェルとパウロが遅れて登場します。
lose track of time 「時間が経つのを忘れる」。lose track of は「〜を忘れる、〜の跡を見失う」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) には以下の例文が出ています。
It's easy to lose track of time (= forget to check the time) when you're working hard.
lose track of time = forget to check the time 「時間をチェックするのを忘れる」と説明されていますので、この例文の意味は「一生懸命働いている時は、時が経つのを忘れやすい・忘れがちである」となります。
恋人同士の二人が「時間が経つのも忘れちゃって」と言えば、エッチに夢中だったということになりますから、レイチェルのことが好きなロスはそんな話を聞いて冷静でいられるはずもなく、「さっきはショットなんか飲めないって言ったけど、男は変われるから」と言って、ショットグラスをぐっと飲み干すことになります。

appraise は「鑑定する、査定する、評価する」。
ここでのロスは、テキーラのショットグラスを宝石などの鑑定人が使うルーペのように持ち、鑑定人(appraiser)の真似をしています。
「私に何か鑑定してほしい人はいますか?」「何か鑑定いたしましょうか?」というニュアンス。
この様子から、ロスはテキーラをやけ飲みしてすっかり酔っぱらっていることがわかるわけです。

mean は「〜のつもりで言う、本気で言う」という意味なので、No, I mean it! は「いいえ、(お世辞や社交辞令じゃなくて)ほんとの話なんです。本心からそう言っているんです」ということ。
euphoria は「幸福(感)、陶酔、絶頂(感)」。
LAAD では、
euphoria : a feeling of extreme happiness and excitement
つまり「極度の幸福と興奮の感情」。
ノーラが官能小説の作家であることを考えると、本のタイトル Euphoria at Midnight は「真夜中の絶頂」と訳せばそれっぽい感じに聞こえるでしょう。

「あなたの本は全部読んだ。私も作家になりたいと思った」と熱く語るレイチェルに、ノーラは「私ができるなら、誰にだってできるわ」と言った後、You just start with... の長めのセリフを言っています。
half a dozen は「半ダース、6つ」。
throw in は「投げ込む、投入する」。
euphemism は「婉曲表現、婉曲語句」。
LAAD では、
euphemism : a polite word or expression that you use instead of a more direct one, to avoid shocking or upsetting someone
例)"Pass away" is a euphemism for "die."

つまり「より直接的な単語・表現の代わりに使う、丁寧・上品な単語・表現、人にショックを与えたり、動揺させたりするのを避けるために」。
例文は「pass away は die の婉曲表現だ」。

genitalia は「性器、生殖器」なので、male genitalia は「男性器」。
bam は音の通り「バン」という衝撃音を表す言葉で、and bam! は「そしたらすぐに、あっと言う間に」というニュアンスになります。
LAAD では、
bam : used to say that something happens quickly
例)Just turn it on, and bam, you're ready to go.

つまり「何かがすぐに起こるということを言う時に使われる」。例文は「ただスイッチを入れたら、そしたらすぐに、行く準備が整います」。

and bam! を使った表現は、過去記事、ちょっとした巧みな動きで フレンズ1-5改その1 の以下のセリフにも出てきました。
ロス: Ok, you just reach in there, there's one little maneuver, and bam! A bra. Right out the sleeve. (ほら、君ら女性は、そこに手を入れて、ちょっとした巧みな動き(操作)で、バン![あっという間に] ブラが、袖から出てくる。)

You have got yourself a book. を直訳すると「あなたがあなた自身に1冊の本を手に入れてあげられる」→「あなたは1冊の本を手に入れる(You have got a book)、あなたに1冊の本が出来てしまう」という感覚。

官能小説の書き方指南として、「おしゃれな感じでヨーロッパの都市を6個ほど出しておいて、男性器を様々な遠回し表現を使って散りばめといたら、それで官能小説が1冊出来上がっちゃうわよ」と言ったことになり、「ストーリーや筋書きなんてそんなに考えなくてもいい」みたいに言った感じが出ています。
また、30個という数が出ていますが、婉曲表現とは言え、要はそれだけの数(もしくはそれ以上)の男性器が話の中に出てくるということですから、性的な場面だらけだということも想像できます。

このノーラのセリフをシンプルな形にすると、You start with A, throw in B, and bam! You have got yourself C! で「Aで始めて、(それに)Bを放り込んだら、Cが手に入る![Cの完成・出来上がり!]」という意味になるわけですが、
(今回のお話より、先のエピソードになってしまいますが)フレンズ2-10 で、
チャンドラー: Throw in a tree and a fat guy and you've got Christmas! (木と太った男を放り込んだら、クリスマスが手に入る![クリスマスの出来上がり!](って感じだろ)。)
というセリフも出てきます。

フレンズ2-10 だと、Throw in A and B and you've got C.
今回のフレンズ1-11 だと、You start with A, throw in B, and bam! You have got yourself C!
となりますが、throw in と you have got が使われている構造がよく似ており、どちらも「(Aと)Bを放り込んだら、Cの出来上がり!」となる感覚も非常に似ていると思います。

チャンドラーの My mother, ladies and gentlemen! について。
本当なら他人のふりをしたいような時に、よくこのような表現が使われます。
「そんなこと言ったら、身内の俺が恥ずかしいよー」というところを、「紳士淑女の皆さん、見て下さい。すごいでしょ? これが私の母親ですよ!」と誇らしく宣言しているかのように言う表現。
あまりの大胆発言に、身内としては開き直り、逆にそれを自慢しているような感覚になります。


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posted by Rach at 00:12| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月12日

自分の殻から出る フレンズ1-11改その6

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5:02
[Scene 3: A montage of Mon+Pheebs' visits to the hospital, with 'My Guy' playing in the background. It starts with Monica reading Coma Guy a newspaper]
シーン3: モニカとフィービーの病院の訪問の映像。BGMで「マイ・ガイ」がかかっている。モニカが昏睡男に新聞を読んであげるところから始まる。
モニカ: Let's see. "Congress is debating a new deficit-reduction bill. The mayor wants to raise subway fares again. The high today was 45." And- oh, teams played sports. (えーっと。議会は赤字削減法案を議論中。市長は地下鉄の運賃をまた上げたいと思ってる。今日の最高気温は(華氏)45度だった。それから、あぁ、(いろんな)チームがスポーツをした。)
[Next is a shot of them dragging an enormous plant into the room, then Monica knitting a sweater, then Phoebe singing, then Phoebe shaving him and chatting to Monica]
次に、部屋に巨大な植物を引きずって持ち込む二人のショット、それから、モニカはセーターを編み、フィービーは歌い、フィービーは彼のひげを剃り、モニカと話す。
フィービー: What about Glen? He could be a Glen. (グレンはどう? 彼がグレンって名前なの、ありそうだわ。)
モニカ: Nah... not-not special enough. (んーん、あまり特別な感じがしないわね。)
フィービー: Ooh! How about Agamemnon? (あぁ! アガメムノンはどう?)
モニカ: Way too special. (あまりにも特別すぎる。)

昏睡男さんのお世話をしている二人の映像のBGMとして流れているのは、メアリー・ウェルズ(Mary Wells)の1964年のヒット曲「My Guy」。
(2020.9.16 追記)
9月15日(水)放送の「スッキリ」で、ウエンツ瑛士さんが、映画『メイキング・オブ・モータウン』(9月18日公開)について解説されていました。
その中のクイズ(エイジQ〈クイズ〉)で「モータウンのプロデューサーのスモーキーが、テンプテーションズの名曲「マイ・ガール」の前に出した曲は?」という二択問題があり、その答えがメアリー・ウェルズの「マイ・ガイ」でした!
メアリー・ウェルズが歌っている当時の映像が流れ、「何を言われても 私は彼氏(マイ・ガイ)から離れない」という歌詞もテロップで表示されました。(歌詞が、このシーンのモニカとフィービーの気持ちを表しているわけですね^^)
近藤春菜さんが「この曲も知ってますよ」とおっしゃっていたのが嬉しかったです。
このブログ記事を投稿したのが9月12日(土)で、その3日後にテレビで「マイ・ガイ」の映像と音楽が流れるなんて、すっごくタイムリー!と思ったので、追記にてお知らせさせていただきました♪(追記はここまで)

congress は「議会」、deficit reduction bill は「赤字削減法案」、mayor は「市長」。
fare は「(乗り物の)料金、運賃」を指します。

The high today was 45. は「今日の最高気温は45度」ということで、気温の話をしています。
45度というのは摂氏ではなく、華氏45度ということ。
アメリカ・カリフォルニア州のデスバレー(Death Valley)で、今年8月16日に54.4℃(摂氏54.4度)を記録したとしてニュースになっていましたので、近年は摂氏45度もあり得ない数字と言いきれなくなっていますが、冒頭のシーンで道に雪が積もっていたように今回は冬の話なので、摂氏ではやはりおかしいと感じる数字です。

日本の気温は摂氏表示(℃)ですが、アメリカは華氏表示(F)が多いようです。華氏45度は摂氏7度になります。
華氏の F は、Fahrenheit、摂氏の C は Celsius または Centigrade の頭文字。Fahrenheit(ファーレンハイト)、Celsius(セルシウス)はどちらも温度単位の考案者である学者の名前。
アメリカでは、温度だけではなく、長さもマイル、ヤード、フィート、インチなど、日本のメートル法とは異なる単位を使うことが多いので、セリフで「身長が何フィート何インチ」とか言われても、いまいちピンと来ない、という不便なこともよくあります。

Teams played sports. は「(いろいろな)チームがスポーツをした[プレイした]」。
男性はスポーツの話が好きで、女性はおしゃれの話が好き、という一般的なイメージがありますが、このモニカの場合も、あまりスポーツには興味がなくて適当に説明している様子が出ています。
いろんなチームがいろんなスポーツの試合をしたという記事が載ってる、という程度で、チーム名などに詳しくないのがわかります。

昏睡男さんの名前を考えている二人。
Agamemnon は「アガメムノン」。ギリシャ神話に登場する、ミュケナイ(ミケーネ)の王で、トロイ戦争でギリシャ軍の総大将だった人物の名前。
way too は「あまりにも〜すぎる」。way は「はるかに、ずっと」という意味で、too を強調する副詞。
Glen という名前では、not special enough 「十分に特別であるとはいえない」→「あまりにもありきたりな名前すぎる」と言われたフィービーは、とびっきり変わったギリシャ神話に出てくるような名前を出してきます。
「アガメムノン、って、それはまた、極度に特別すぎる名前だわ」という感じです。


06:00
[Scene 4: A Mexican restaurant. Monica, Phoebe, Joey, Chandler and his mom are there]
シーン4: メキシコ料理店。モニカ、フィービー、ジョーイ、チャンドラー、彼の母親(ノーラ・ビング)がそこにいる。
ノーラ(ミセス・ビング): I am famished. What do I want? [Looks at Chandler's menu] (お腹ペコペコよ。何を食べようかしら? [チャンドラーのメニューを見る])
チャンドラー: Please, God, don't let it be Kung Pao chicken. (どうか頼むから、クンパオチキンにしないでよ。)
ノーラ: Oh, you watched the show! What did you think? (まぁ、番組を見てくれたのね! どう思った?)
チャンドラー: Well, I think you need to come out of your shell just a little. (そうだな、自分の殻から出て心を開く必要があると思うよ、もう少しだけね。)
ロス: [Entering] What is this dive? Only you could've picked this place. ([入ってきて] この店は何? こんな場所を選ぶことができたのはあなただけだったでしょうね。)
ノーラ: Oooh, c'mon. Shut up. It's fun. Give me a hug. [They both sit down] (あぁ、もう。黙って。楽しいわ。ハグしてちょうだい。[二人は座る])

I am famished. は「お腹がペコペコよ」。
famish は「〜を飢えさせる」という他動詞で、famished という過去分詞形で「空腹だ」という意味の形容詞として使われます。名詞形は famine 「飢饉(ききん)」。
「私は何が食べたいかしら?」→「何を食べようかしらねぇ?」と言っている母に、チャンドラーは「どうか頼むから、その食べたいものをクンパオチキンにしないでよ」と言っています。
テレビ出演の際、「男性と親密になった後は、クンパオチキンが食べたくなるの」と言っていたので、クンパオチキンを食べたい=ついさっき男性と寝たばかり、ということになってしまうから、クンパオチキンってのはやめてよね、と言っていることになるでしょう。
クンパオチキンは中華料理なので、メキシコ料理店のメニューには書いていないのでしょうが、チャンドラーがその名前を出したことでテレビ出演を息子が観ていたことを知り、母ノーラは喜んでいます。

come out of one's shell の shell は「殻(から)、貝殻」なので、直訳は「自分の殻から出る」。つまり「自分の殻から出て、打ち解ける、心を開く」という意味。
「自分の殻から出て心を開く必要があると思うね、もう少しだけ」のように言っていますが、ノーラが公共のテレビの前であまりにも自分をさらけ出しすぎたことを皮肉っていることになります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
somebody's shell : if someone goes into their shell, they are shy and do not want to talk to people; if they come out of their shell, they become more confident and less shy
例1)She's really come out of her shell since she went to college.
例2)The more his father shouted, the more he retreated into his shell.

つまり「人が自分のシェルに入る、というのは、その人はシャイで人と話したくない。人がシェルから出る、というのは、より自信があって、よりシャイではない」。例文1は「大学に行ってから、彼女は本当に自分の殻から出た[自信を持って、シャイではなくなった]」。例文2は「彼の父が叫べば叫ぶほど、彼はますます自分の殻に引きこもった」。

retreat は「後退する、撤退する」ですが、「(不快な場所から快適・安全な場所へ)退く、逃げる」という意味もあるので、retreat into one's shell はまさに「自分の殻に引きこもる」→「打ち解けない、無口になる」という意味になります。

dive は「いかがわしい店」。
LAAD では、
dive [noun] : BAR/HOTEL/RESTAURANT (informal) a place such as a bar or a hotel that is cheap and dirty.

つまり「(バー、ホテル、レストラン)(インフォーマル)安くて汚いバーやホテルのような場所」。

やってきたロスを見て、ノーラは熱烈なハグをしていますが、それを見た息子チャンドラーはちょっとあきれた顔をして「息子の友達にちょっとやりすぎなんじゃないの?」と言いたげな様子です。


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posted by Rach at 16:53| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月22日

たいていのママは電話を使うもんだ フレンズ1-11改その5

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4:26
ジェイ・レノ: So now you're doing this whole book tour thing. How's that going? (それであなたは今、本の(宣伝)ツアーというのをやっていますが、それはどんな感じに進んでますか?[ツアーの状況・様子はどうですか?])
ミセス・ビング: Oh, fine. I'm leaving for New York tomorrow, which I hate. But I get to see my son, who I love! (あぁ、上々よ。明日はニューヨークに発つの、ニューヨークは嫌いなんだけどね。でも息子に会えるの、愛する息子に!)
みんな: Awww! (おぉ〜!)
チャンドラー: This is the way that I find out. Most moms use the phone. (これが俺が知る方法なんだ[俺はこんな風に知るんだよ]。たいていのママは電話を使うもんだぞ。)
ジェイ・レノ: Y'know, don't take this wrong, I-I just don't see you as a mom, somehow. I don't mean that, I don't mean that bad. (あの、悪く取らないで下さいね。ただ、あなたはどことなく、母親には見えないんですよ。そういう意味じゃなく、悪い意味でそう言っているのではなくて。)
ミセス・ビング: Oh, no. I am a fabulous mom! I bought my son his first condoms. (まぁ、そんなことないわ。私は素晴らしい母親よ! 私は息子に最初のコンドームを買ってやったんですもの。)
[The gang turn to look at Chandler]
フレンズたちはチャンドラーの方を見る。
チャンドラー: And then he burst into flames. (そしてそれからその息子は性に目覚めた[or 恥ずかしさで顔が真っ赤になった]。)

How's that going? は How is that going? で「それはどのように進んでいるか?」→「本の宣伝ツアーの状況・様子・調子はどうですか?」ということ。

leave for は「〜に向かって出発する」。
その後、, which I hate そして , who I love というように、関係代名詞の非制限用法(カンマ+which / who)が使われています。
which I hate の which は New York を指していると考えられるでしょう。
my son, who I love は、カンマのない形の関係代名詞の制限用法だと my son who I love となり、「私が愛する息子(に会える)」という意味になりますが、I get to see my son, who I love! とカンマが挿入されると、「私は自分の息子に会える、その息子を私は愛しているんだけどね」のように、カンマの後に情報を付け足した感覚になります。
..., which I hate. But ..., who I love! で「…は大嫌いだけど、…は大好きなの!」というように、嫌いなものと好きなものが対比されているのがポイントです。
嫌いを表現するには、don't like, dislike もありますが、hate は嫌いを意味する単語の中でも特にキツい言葉。
NYが嫌い(hate)とはっきり言っていますが、このセリフから、ノーラが自分の言いたいことを言う毒舌家であることもわかります。

This is the way that I find out. は「これが、俺が(そのことを)知る方法だ」→「俺はこんな風に(そのことを)知るんだ」。
明日はニューヨークに行くから、息子に会えるわ! と言っているテレビでのママの発言で、チャンドラーはママが自分に会いに来ることを知ったということです。
どうしてそんなプライベートなことをテレビ越しに伝えるんだ、という気持ちが出ています。

Most moms use the phone. は「たいていのママは電話を使うもんだろ」。
普通そういうことはまず電話で知らせるもんだろ、ということ。
Most moms use the phone. の 現在形 use は、「習慣・習性」を表す現在形。たいていのママは、普通ママってのは、息子との連絡に電話を使うものだ、それが普通のやり方だ、というニュアンス。

Don't take this wrong. は「(今から言うことを)悪く取らないで。誤解しないで欲しいんですが」。
take ... wrong は「間違って受け取る、誤解する、勘違いする」。
get ... wrong とも言います。Don’t get me wrong. だと「(私のことを)誤解しないで」。
see you as a mom は「あなたを一人の母親として見る」なので、I just don't see you as a mom, somehow. は「どことなく、私には、あなたのことは母親(である人)には見えないんですよね」ということ。

I don't mean that bad. は「悪い意味でそう言っているのではない」。
mean は「…の意味・つもりで言っている」。
bad は形容詞で「悪い」ですが、bad を badly の意味で副詞として使うこともできます。
アカデミックな英英辞典である LAAD (Longman Advanced American Dictionary) には、以下のように出ています。
bad [adverb] (spoken, nonstandard) : badly
例)He needed a drink pretty bad.

つまり「(話し言葉、非標準的)悪く・ひどく」。例文は「彼はひどく飲み物を欲しがった」。
この例文の badly はもはや「悪」の意味はなく、very much のような強調の意味で使われています。

ロングマンに nonstandard 「非標準的(用法)」と記載されていることがポイントでしょう。
badly という副詞が存在する以上、そちらを使う方が標準的であり、bad を badly の意味の副詞で使うのはやはり非標準的ということですが、口語では、形容詞 real を really の意味の副詞として使うことも多いので、-ly がないという見た目の形だけにとらわれず、文の構成や全体の意味から、形容詞なのか副詞なのかを見極める目を養いたいところです。

レノのセリフは I don't mean that badly. 「それを悪いように[悪い意図で、悪意を持って]言っているのではない」ということで、別に悪口ではないんですよ、という弁解です。
セクシーな作品の作家としてセクシーな部分が強調されているので、「女」ではない「母親」というイメージが浮かばないということでしょう。

fabulous は「素晴らしい、素敵な」。イギリス・リバプール出身のビートルズ(The Beatles)には、FAB4(ファブフォー)という愛称がありますが、これは Fabulous four 「素晴らしい4人組」の略です。
buy someone something で「人に物を買ってやる」。

And then he burst into flames. について。
burst は「バースト」というカタカナにもなっていますが、「破裂する、爆発する」。
そして burst into ... は「突然…の状態になる」という意味で使われます。
burst into laughter. なら「突然(どっと)笑い出す」。
flame は「炎」なので、burst into flames は「炎を出して急に・ぱっと燃え上がる」。

burst は過去形も burst で、bursts のように3単現の -s がついていないことから、この burst into flames は過去形であることがわかります。
ですからこのセリフを直訳すると、「(母は息子に最初のコンドームを買い与え)そしてそれからその息子は、ぱっと燃え上がった」ということになります。
「過去形」なので、ノーラが買い与えた話をテレビで聞いた後の、今の自分のことを言っているのではなく、買い与えられた当時のことを言っていると考えられるでしょう。

その「燃え上がった」の意味については、正直よくわかりません。
「体がカーッと燃え上がった」ということなので、「(体が火照る感じで? もしくは本能に火がついた感じで?)性に目覚めた」ということか、「顔が熱くなるほど、恥ずかしさで顔が真っ赤になった」ということかのどちらかかなぁ、と。
チャンドラーはジョーイと違い、プレイボーイやモテ男のキャラではないので、それを親に堂々と買ってもらったからと言って、あちこちでそれを使うチャンスがあったようにも思えません(チャン、ごめん)。
ならば「恥ずかしくて真っ赤になり顔から火が出た」ということかなとも思うのですが、それだとオチとしてそんなに大爆笑でもない気がするんですよね、、、
「恥ずかしさで顔が真っ赤になる」という表現としては他に、blush with shame(blush は「顔を赤らめる、顔が赤くなる」という自動詞)や、turn red with embarrassment などが考えられますが、このセリフが(意味が同じの)And then he blushed with shame. だったら、それはオチとして面白いだろうか? と。

ノーラとしては「私は良い母親で、性教育の一環としてコンドームまで買ってあげた」ということだったのですが、それが逆に作用して、「エッチなことで頭がいっぱい、みたいな状態になるよう火をつけてしまった、焚きつけてしまった」という結果になった(つまりは逆効果だった)、という方が話のオチとしては面白いのではないかな、と思ったということです。


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posted by Rach at 12:02| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月08日

誇りで幸せそうに微笑む フレンズ1-11改その4

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3:31
[Rachel opens the door to Paolo]
レイチェルがパウロのためにドアを開ける。
パウロ: Bona sera. (ボナセーラ。)
レイチェル: Oh, hi, sweetie! [They kiss] (あぁ、はーい、スウィーティ! [二人はキスする])
ロス: When did "Rigatoni" get back from Rome? (リガトーニはいつローマから帰ってきたの?)
モニカ: Last night. (昨日の夜よ。)
ロス: Really? So then his plane didn't explode in a big ball of fire? Just a dream I had. But... phew. (ほんとに? それじゃあ、彼の乗った飛行機が大きな火の玉になって爆発しなかったの? 僕が見たただの夢か。でも……フュー(ほっとしたよ)。)
フィービー: Hey hey hey! She's on! (ねえねえねえ! 彼女が出るわ!)
パウロ: Ah! Nora Bing! (あー! ノーラ・ビング!)
ジェイ・レノ(テレビ): ...Now what is this about you-you being arrested in London? What is that all about? (…ロンドンであなたが逮捕されたということについてのこの件はどうですか? それはどういうことなんですか?)
フィービー: Your mom was arrested? (あなたのママ、逮捕されたの?)
チャンドラー: Shhh, busy beaming with pride. (シー、誇らしくて微笑むのに忙しいんだから(黙ってて)。)
ミセス・ビング(テレビ): This is kind of embarrassing, but occasionally after I've been intimate with a man.... (これはちょっと恥ずかしいんだけど、男性と親密な関係になった後に時々…)
チャンドラー: Now why would she say that's embarrassing? (あの人はどうしてそんなことが恥ずかしいって言うんだ?)
みんな: Shhh. (シー。)
ミセス・ビング: ...I just get this craving for Kung Pao chicken. (ただ、クンパオチキンがものすごく食べたくなるの。)
チャンドラー: That's too much information! (それは余計な情報だ!)

パウロがやってきて、レイチェルと長いキスをしています。
rigatoni は「リガトーニ」という名前の、表面に溝のついた、太くて短い筒型のパスタ。
レイチェルのことが好きなロスは、レイチェルの恋人のパウロを「あのイタリア野郎」と呼ぶ代わりに、「パスタ野郎」というニュアンスで「あのリガトーニ」と呼んでいることになります。

explode in a big ball of fire は「大きな火の玉になって爆発する」。
「パウロの飛行機は爆発しなかったのか。ただ僕が夢で見ただけか」のように言った後、But... phew. と言っています。
phew は「ヒュー」という音の通り、ホッとした時になどに出る声。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
phew [interjection] said when you feel tired, hot, or relieved
例)Phew! I am so glad it's Friday.

つまり「(間投詞)疲れた時、熱い時、ほっとした時に言われる」。例文は「フュー! 今日が金曜日で嬉しい」。

今回のロスの phew も「フュー、ほっとした」という意味で使っていると思います。
いくら恋敵のパウロでも「飛行機が爆発したら(そして死んだら)良かったのに」と口に出しては言えないでしょうから、「彼の乗った飛行機が爆発する夢を見たんだけど、ただの夢だったみたいでホッとしたよ」と言葉では言ってみせた、ということでしょう。

ノーラ・ビングがテレビに出てきた時、パウロはそれを指して、彼女の名前を叫んでいます。
フレンズ1-7 でパウロが初登場した時、ボードゲームのモノポリーを見て、”Monopoly!” と叫んでいたのと同じノリです。
エッチな小説家だからパウロも知っていた、プレイボーイのパウロが知っているぐらいだから官能小説家として彼女はかなり有名なんだな、ということがここからもわかります。

arrest は「(人)を逮捕する」なので、be arrested は「逮捕される」。
beam with pride は「誇りで幸せそうに微笑む、誇らしくて微笑む」。
beam は日本語にもなっている「ビーム、光線」ですが、そこから「(顔・表情の)輝き」という意味にもなり、動詞 beam は「(喜びで)微笑む」という意味にもなります。
LAAD では、
beam [intransitive] to smile very happily
例)He looked at his son and beamed proudly.
例)Meg beamed with pleasure.

つまり「(自動詞)とても幸せそうに微笑むこと」。例文は「彼は自分の息子を見て、誇らしげに微笑んだ」「メグは喜びで微笑んだ」。

ママがロンドンで逮捕されたなんて「恥ずかしい、みっともない」となるところを、「誇らしくて微笑んじゃうのに忙しい」と正反対のことを言っています。
実際のチャンドラーの顔にも全く笑顔はなく、難しい顔をしているので、実際とは全く逆のことを言っていることがわかります。
Shh, (I'm) busy beaming with pride. 「シー、俺は今〜するのに忙しいんだから」と表現することで「俺にそんなことで話しかけないでくれ、いちいちそんなこと言わないでくれ」と言っていることになるでしょう。

embarrassing は「恥ずかしい、気恥ずかしい、きまりが悪い、ばつの悪い」。
intimate は「親密な」という意味ですが、たいていは男女関係の親密さ、深い関係があること、肉体関係を示唆する言葉です。
この場合も「ある男性と親密になる」というのは「深い関係になる」「エッチする」という意味。

息子としてはそんな話をフレンズのみんなに聞かせたくないのでしょう、それで「何でそんなことが恥ずかしいとか言ってるんだ?」と口を挟むのですが、ノーラの話に興味津々のフレンズたちに今後はチャンドラーの方がシーと言われてしまいます。

crave for は「〜を渇望する、切望する、しきりに欲しがる」。
Kung Pao chicken は「クン・パオ・チキン(宮保鶏丁)」。鶏肉とピーナッツ(またはカシューナッツ)他を唐辛子で炒めた四川料理。
Wikipedia 日本語版: 宮保鶏丁

ウィキペディアの説明に以下の記述があります。
「丁」は中国語で「さいの目に切った」と言う意味である。さいの目に切った鶏肉、キュウリにピーナッツ、鷹の爪を加え炒める。

その「クンパオチキン」の話を聞いた後のチャンドラーの反応、That's too much information! について。
「それは多すぎる情報だ!」というところで「そんなことまで言わなくていい」ということでしょう。

この部分については、過去記事でもいろいろ意見交換させていただいたのですが、「これだ!」と一つに決まる解釈はまだ見つけられていません。
以下に、今の私の見解をいくつか書かせていただきます。

レノの質問は「ノーラがロンドンで逮捕された件」についてだったので、ノーラの答えは「ロンドンで逮捕された理由」を語っていると考えるのが自然かなとまずは考えました。
官能小説作家ですから、性的な事柄である可能性が高いので「クンパオチキン」が何か性的なもの(体の一部など)を指しているのかな、とも思ったのですが、先ほど説明したように「さいの目に切った鶏肉」で、あまり「部位」っぽい形でもありません。
また、ノーラの発言 occasionally after I've been intimate with a man... I just get this craving for Kung Pao chicken. を言葉通り解釈すると、「男性とエッチした後には時々、クンパオチキンがものすごく食べたくなる」ということ。
相手と intimate な関係になった「後」なので、やはりそれは「エッチの後に私はこういうものが食べたくなっちゃうの」という「食べ物」の話をしていると考えるべきなんだろうと思います。
ただ「クンパオチキン」と言う時のノーラの発音がセクシーな物・ことを言うようなトーンであることと、(too much information の後ではなく)「クンパオチキン」と言った直後に観客がどっと笑っているようであることを考えると、「クンパオチキン」という言葉そのものに何らかの意味があるという可能性も残っている気はします。
(ただ、これ以降は、あくまで「食べ物、料理の名前」という観点で話を進めます。)

このクンパオチキンの話が直接「逮捕された話」と結びつくとすると、「中華料理店で(人目もはばからず公然わいせつと判断されるような状況で)エッチしていた」ということを示唆しているのかなぁ、と。
この番組では「ロンドンで逮捕されたこと」と尋ねていますが、ここで質問されているということは「どこで何をしていて逮捕されたか」ということがニュースとしてある程度、人々に伝わっていると考えられるのではないかと。
その部分の状況説明を省略して、「なぜ中華料理店にいたか」ということだけを説明したのが、このノーラのセリフなのかなぁ、と。
「男性と親密になるとクンパオチキンが食べたくなる。それで中華料理店に行ったけれど、またその場所でエッチの続きをしてしまって、、、」みたいなこととか。

お店でエッチするのは大胆すぎる感じもしますが、今回のエピソードのもう少し後のシーンでも、店で男性といいムードになるとそのまま行為に進んでしまいそうな感じの人だとわかる場面がありますので、(考えすぎかもしれませんが)それの伏線だったのかも、とか。

息子であるチャンドラーの That's too much information! については「それは余計な情報だ! そんなことまで言わなくていい!」的なものだと思われます。
テレビで「男性とエッチした」という話をするのもやめてほしいのに、「そういう時にはこんなものが食べたくなるの」と具体的な料理名まで出されては、人にそれを知られるのも嫌だし、自分もそれ以降、その料理を見た時にそんなことを思い出してしまうし。
またはノーラがクンパオチキンを食べているのを見たら、その前にエッチしたばかりだと自分を含めみんなにわかってしまう、等々で「そんな具体的なことまでペラペラしゃべるな!」という気持ちの発言だったのかな、と思います。


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posted by Rach at 20:24| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月25日

飛行機に乗る時には必ず彼女の本を フレンズ1-11改その3

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02:32
[Scene 2: Mon+Rach's]
シーン2: モン(モニカ)とレイチ(レイチェル)の家。
チャンドラー: Are there no conscious men in the city for you two? (君らには、この街に意識のある男は存在しないのか?)
モニカ: He doesn't have anyone. (彼には誰もいないのよ。)
フィービー: Yeah, we, we feel kinda responsible. (そうなの、私たち、ちょっと責任を感じるしね。)
ジョーイ: I can't believe you said, "Woo-hoo!" I don't even say, "Woo-hoo!" (モニカが「ウーフー!」って言ったなんて信じられないな。俺は「ウーフー!」なんて言わないぞ。)
レイチェル: Oh, she's coming up! She's coming up! [Turns on the TV] (あぁ、彼女が出る! 彼女が出るわ! [テレビをつける])
ジェイ:レノ(TV): Folks, when we come back, we'll be talking about her new book Euphoria Unbound. The always-interesting Nora Tyler Bing. You might wanna put the kids to bed for this one. (皆さん、CMの後には、彼女の新刊「解放された絶頂」について語ります。常に興味深い、あの、ノーラ・タイラー・ビングです。このコーナーのために、お子さんを寝かしておいた方がいいですよ。)
[Everyone has settled down to watch, except Chandler]
みんなはテレビを見るために既に座っている、チャンドラーを除いて。
チャンドラー: Y'know, we don't have to watch this. Weekend at Bernie's is on Showtime, HBL and Cinemax. (ほら、こんなの見なくていいよ。「ウィークエンド・アット・バーニーズ」が、ショータイムとHBOとシネマックスでやってるぞ。)
レイチェル: No way! (だめよ!)
ジョーイ: Come on! She's your mom! (おいおい! 彼女はお前のママだろ!)
チャンドラー: Exactly. Weekend at Bernie's. Dead guy getting hit in the groin 20, 30 times. (確かに(そうだけどさ)。ウィークエンド・アット・バーニーズだよ。股間を2、30回蹴られる、死んだ男(が出てくるん)だぞ。)
レイチェル: Chandler, I gotta tell you, I love your mom's books! I love her books! I cannot get on a plane without one. I mean, this is so cool! (チャンドラー、これは言わせて、私、あなたのママの本が大好きなの! 彼女の本が大好きなのよ! 彼女の本なしに飛行機には乗れないわ[飛行機に乗る時には必ず彼女の本を持ってくの]。ほら、これってすっごく素敵なんだもん!)
チャンドラー: Yeah, well, you wouldn't think it was cool if you were 11 years old and all your friends are passing around page 79 of Mistress Bitch. (もしレイチェルが11歳で、自分の友達全員が「ミストレス・ビッチ(淫乱な愛人)」の79ページを回覧しているとしたら、素敵だなんて思わないだろうね。)
ロス: C'mon, Chandler, I love your mom! I think she's a blast! (おいおい、チャンドラー、僕は君のママが大好きだよ! 僕は彼女を実に楽しい人だと思うよ。)
チャンドラー: You can say that because she's not your mom. (あの人はお前のママじゃないから、お前にはそんなことが言えるんだよ。)
ロス: Oh, please! She's the-- (あぁ、頼むから(そんなこと言うなよ)。彼女は…)

Are there no conscious men in the city for you two? は「君らには、この街に意識のある男は存在しないのか?」。
昏睡状態の彼に付き添っていたモニカとフィービーの話を聞いて、この街には意識のある男性がたくさんいるのに、そいつらには目もくれず、どうしてわざわざ意識のない男性に二人はべったりくっついてるの? と言いたいようです。

She's coming up! と言いながらレイチェルがテレビをつけるので、これからある女性がその番組に登場することがわかります。
この番組は、NBCの The Tonight Show With Jay Leno というトーク番組。
番組名に名前があるように、ジェイ・レノ(Jay Leno)が番組のホスト、司会者です。
ちなみに、フレンズを放映しているのもNBCです。
いろいろなゲストが登場する人気番組でしたが、2014年2月6日がこの番組の最終回となりました。

Folks は呼び掛け語で「みなさん」。folk, folks は「人々」という意味。
when we come back は「我々が戻ってきた時」ですが、これは、CM の後で、また番組の続きが始まった時、を言っているのだと思います。

本のタイトル Euphoria Unbound について。
euphoria は「多幸感、幸福感、高揚感、絶頂感」。
unbound は「(束縛から)解放された」。
動詞 bind が「〜を縛る・くくる」という意味で、反対の動作を示す接頭辞 un- をつけた unbind は「(縄など)を解く・ほどく、(人)を釈放・解放する」という意味になります。

The always-interesting Nora Tyler Bing は always-interesting が ノーラという人物を形容しています。
「いつも興味深い、いつも面白い話題を提供してくれる」というようなニュアンスでしょう。

You might wanna put the kids to bed for this one. は「これ(これから始まるノーラのコーナー・トーク)のために、お子さんを寝かした方がいいですよ」。
might wanna は「〜した方がいいですよ、いいかもしれませんよ」と軽く忠告するニュアンス。
今回のトークは大人のエッチな話になりそうなので、お子様は寝かせておいてくださいね、というところ。
先ほど出た本のタイトルと、ノーラを紹介するこの言葉で、大人向けの小説を書いている作家であることが想像できます。

みんなはその番組を見ようと興味津々ですが、チャンドラー一人だけが見るのを反対しています。
ノーラの名字がビングだと紹介されていたので、そこでチャンドラーの関係者だと気付く人もいるでしょうし、少し後にジョーイが「彼女はお前のママだろ」と言うことで、ノーラがチャンドラーの母親であることがはっきりします。

Weekend at Bernie's は映画のタイトルで、邦題は「バーニーズ/あぶない!?ウィークエンド」。
保険会社の社員が、殺されていた社長を生きているように見せかけるブラックコメディの映画。
週末に社長であるバーニーの別荘で事件が起こったので、英語のタイトルは、「バーニーの別荘(Bernie’s place のような意味の所有格)での週末」というタイトルになっています。

Showtime, HBO, Cinemax はすべてアメリカの有料チャンネル(ペイTVチャンネル)の名前。
HBO は Home Box Office の略で「セックス・アンド・ザ・シティ」や「ゲーム・オブ・スローンズ」などを放送しているチャンネル。

No way! は「だめよ! いやよ!」。
自分のママのトークを見たくないチャンドラーは、Weekend at Bernie's を見ようと言いますが、レイチェルに却下されています。
実は、これよりずっと後のエピソード、フレンズ4-12 で「レイチェルが好きな映画は Weekend at Bernie's だ」というセリフが出てきます。
フレンズ4-12 から、今回のエピソード フレンズ1-11 を振り返って見ると、「レイチェルが好きなはずのその映画よりも、チャンドラーのママの番組を見たい」と言っている面白さにもなるでしょう。

Dead guy getting hit in the groin 20, 30 times. の groin は「股間、(婉曲的に)男性性器」。
自分のママを見るくらいなら、そういう場面を見る方が楽しいよ、と言わんばかりに、映画の悪趣味な部分を強調していることになるのでしょう。

I cannot get on a plane without one. は「チャンドラーのママの本(one = her book)なしでは飛行機に乗れない」→「飛行機に乗るときは必ず手にしている、持っている」。
cannot 〜 without ... は「…なしでは〜できない」。
I cannot live without you. なら「あなたがいないと生きていけない」となり、恋人に言うセリフの定番。

pass around は「順番に回す」。そのページを回覧して、みんなで見る、回し読みしているというニュアンス。
mistress は「愛人、情婦」
bitch は元々は「メス犬」という意味で、それが人間の女性に対して使われると、「淫乱女、尻軽女、アマ」のような蔑称になります。

79ページには、エッチな挿絵が書いてあったか、もしくはその部分の描写が激しかった、ということが想像されます(多分、挿絵の方が可能性が高そう)。

you wouldn't think it was cool if you were 11 years old and all your friends are passing around page 79 of Mistress Bitch. の you woudln't think ... if you were 〜 は「もし〜なら、…とは思わないだろう」という仮定法過去。
このセリフの内容は、11歳の時のチャンドラーの実体験であることがわかります。
もし君が俺の立場で、11歳の悲惨な状況を体験したら、クールだなんて言ってられないよ、ということです。

She's a blast. の blast は「とても楽しいこと」という名詞で、「彼女は最高に楽しい、エキサイティングだ」というようなニュアンス。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
blast [noun] : FUN
a blast (informal) an enjoyable and exciting experience
例)The concert was a blast.

つまり「楽しめて、ワクワクするような体験」。例文は「そのコンサートはワクワクして楽しめるものだった」。

You can say that because she's not your mom. は「あの人がお前のママじゃないから、お前はそんなことが言える」。
他人事だからそんな風に言えるんであって、自分のママだったらそんなこと言ってられないぞ、ということです。


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posted by Rach at 15:28| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月11日

弁護士で、副業で彫刻を教えてる フレンズ1-11改その2

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01:27
[Scene 1: Hospital. The guy is in a coma and Mon and Pheebs are visiting]
シーン1: 病院。その男性は昏睡状態で、モン(モニカ)とフィーブズ(フィービー)が訪れている。
モニカ: Why did I woo-hoo? What was I hoping would happen? That-that he'd turn around and say, "Ohh, I love that sound. I must have you now"? (私ったらどうして「ウーフー」って声出しちゃったんだろう? 私は何が起こるのを願ってたわけ? 彼が振り向いて、「あぁ、その声好きだな。今、僕は君と付き合わなくちゃね」って言うことを(私は期待してたの)?)
フィービー: I just wish there was something we could do. [Bends down and talks to him] Hello. Hello, coma guy. Get up, you Girl Scout! Up, up up! (私たちにできることが何かあればいいのに、ってただ思うわ。[かがんで、彼に話しかける] ハロー、ハロー、昏睡男さん。起きろ、ガールスカウト! 起きろ、起きろ、起きろ!)
モニカ: Phoebe, what are you doing? (フィービー、何やってるの?)
フィービー: Maybe nobody's tried this. (多分、こういうのは(今まで)誰も試したことなかっただろうから。)
モニカ: I wish we at least knew his name. Look at that face. I mean, even sleeping, he looks smart. I bet he's a lawyer. (少なくとも彼の名前を知っていればいいのにって思うわ。ほら、眠っていても、彼は賢そうに見える。きっと彼は弁護士よ。)
フィービー: Yeah, but did you see the dents in his knuckles? That means he's artistic. (そうね、でも彼の指関節にあるくぼみを見た? それは彼が芸術的な人[芸術家肌の人]ってことだわ。)
モニカ: Okay. He's a lawyer who teaches sculpting on the side. And he can dance! (わかった。彼は弁護士で、副業で彫刻(を彫ること)を教えてるの。それに彼はダンスもできる!)
フィービー: Oh! And he's the kinda guy who, when you're talking, he's listening, y'know, and not saying, “Yeah, I understand” but really wondering what you look like naked. (あぁ! それから彼はこういう感じの人ね、相手が話している時、彼は聞いているの。そして「そうだね、わかるよ」とも言わずに、本当は相手の裸がどんな風なのかな、って考えてる。)
モニカ: I wish all guys could be like him. (全ての男性が彼みたいだったらいいのに。)
フィービー: I know. (そうね。)

What was I hoping would happen? は I was hoping (something) would happen. 「私は〜が起こるだろうと願っていた」の something 部分を疑問詞(=何)にして前に出した形の疑問文。
ですから「私は何が起こるだろうと願っていたわけ?」というところ。
次の文が、That he's turn で始まっていますが、これは Was I hoping that he would...? 「彼が…するだろうってことを私は願ってたわけ?」ということで、I was hoping の内容が that SV 「SVすること」で表現されていることになります。
I must have you now. を直訳すると「今、僕は君を所有しなければならない」という感じですが、つまりは「君を僕のものにする」→「君と付き合う」というようなことでしょう。

I just wish there was something we could do. は「私たちにできることがあればいいのに、とただ思う」。
<I wish we+過去形>は、「現実では不可能なことを仮定する」仮定法過去。
実際には私たちには彼にしてあげられることが何もないことを表現しています。

フィービーは(後にも語られますが)彼の名前を知らないので、coma guy 「コーマ・ガイ、昏睡男さん」と呼びかけています。
coma は「昏睡(こんすい)、昏睡状態」。フレンズ1-4 の病院での会話にも出てきました。in a coma で「昏睡状態に陥って」。

Get up, you Girl Scout! Up, up up! はガールスカウトと言っていますが、ガールスカウトというよりは軍隊チックな言い方になっています。
軍隊において、「お前らはガールスカウトか(女の子か)」「もたもたすんなよ、お嬢ちゃん」のように女の子扱いすることで、テキパキやれ、さっさと動けと尻を叩いているような感覚なのでしょう。
Maybe nobody's tried this. は Maybe nobody has tried this. 「こんなことにトライした(やってみた)人は多分今まで誰もいなかった」という、経験を表す現在完了形。
昏睡状態に人に「ねぇ、起きて」と優しく声を掛けることは誰でもやってるだろうから、その逆で軍隊のように脅してみたの、というところでしょう。

I wish we at least knew his name. は「少なくとも彼の名前を知っているのなら良かったのに、せめて彼の名前だけでもわかっていればいいのに」。
先ほどの I just wish there was something we could do. と同じ「現実では不可能なことを仮定する」仮定法過去。

I bet he's a lawyer. は「彼はきっと弁護士よ、弁護士に違いないわ」。
bet の元々の意味は、「(〜であると)金などを賭ける」という意味なので、「(金を賭けてもいいほど)断言する、主張する、きっと〜だと確信する」。
この smart(賢そうな・頭が良さそうな)顔を見たらそうだと断言できる、という感覚。

dent は「くぼみ、へこみ」。knuckle は「指関節」。artistic は「芸術的な、芸術家の、芸術家肌の」。
That means he's artistic. は「それ(指関節にくぼみがあること)は彼が芸術的な人であることを意味する」。

モニカが「弁護士だ」と言った後、フィービーが「でも芸術家っぽいところがある」と言ったので、モニカは「じゃあ、その両方ね」と言うように、「弁護士かつ芸術家」だという意見を述べています。
on the side の直訳は「サイドで、傍らで」なので、「副業として」という意味で使われます。
名詞の「副業」は side job と表現できます。
サイドの仕事というカタカナでも「メインではない別の」というニュアンスはわかる気がします。

sculpting は「彫刻を彫ること」。sculpt は動詞で「彫刻する」、sculptor なら「彫刻家」。
モニカはさらに「彼はダンスもできるの!」と特に根拠もない話まで付け足しており、勝手に妄想だけがどんどん膨らんでいっている様子がよくわかります。

he's the kinda guy who... は「彼は…するようなタイプの人なのよ」。
先にまずは「こういう感じの人」(the kinda guy = the kind of guy)と言っておいてから、どういうことをするタイプの人かを 関係代名詞 who 以下で詳しく述べるという、英語っぽい構造になっています。

「彼は話を聞きながら、「わかるよ」などと相槌も入れずに、こんなエッチなことを考えてるのよ」とモニカ以上に妙な想像を膨らませているフィービー。
not saying, but wondering という not A but B 「AではなくB」の構文が使われています。
wondering what you look like naked は、相手が裸の状態で(naked)、どんな風に見えるか(what you look like = you look like something の something が what で前に出た形)かを wonder what 「どうなのかと思う、どうなのだろうかと考える」。

I wish all guys could be like him. とここでもまた仮定法過去が出てきています。
I wish+S+V(過去形)は、「SがVならいいのに」という願望を表す表現ですが、二人がこの男性のことを素敵な人だと思っていて「ああならいいのに、こうならいいのに」と助けてあげたい気持ち、してあげたいこと、願望などばかりを言っていることが、頻出する I wish+S+V(過去形)によく表れていると言えるでしょう。
お互いの勝手な妄想にツッコミを入れるどころか、二人はその妄想にどっぷり浸かって「全ての男性が彼みたいだったらいいのに」と言っています。
現実の彼を知らない二人が、勝手に彼を理想的な男性に仕立て上げたあげくに、「彼はこんなに素敵なのに、どうして現実にいる男は彼みたいに素敵じゃないの?」とまで言っている面白さになるでしょう。


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posted by Rach at 13:52| Comment(5) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月26日

心を引き裂いて憂鬱の底に陥れる フレンズ1-11改その1

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シーズン1 第11話
The One With Mrs. Bing
原題訳:ミセス・ビングの話
邦題:チャンドラーのママ登場!


[Pre-intro scene: Monica and Phoebe are walking to a newsstand]
イントロ前のシーン。モニカとフィービーは新聞販売店に歩いていく。
フィービー: Do you think they have yesterday's Daily News? (昨日のデイリーニューズあると思う?)
モニカ: Why? (どうして?)
フィービー: I just wanna check my horoscope to see if it was right. (私の星占いが当たってたかどうか、チェックしたくて。)
モニカ: Oh my God. [Grabs Phoebe and turns her away] Phoebe. Don't look now. Behind you is a guy who has the potential to break our hearts and plunge us into a pit of depression. (まぁなんてこと。[フィービーを掴んで、彼女の向きを変える] フィービー、今は見ちゃだめ。あなたの後ろに男性がいるのよ、私たちの心を引き裂いて、私たちを憂鬱の底に陥れる可能性を持った男性がね。)
フィービー: Where? [Turns to face him] Ooh. Come to Mama! (どこに? [振り返って彼の方を見る] うー、ママのところにいらっしゃい!)
モニカ: He's coming. Be cool! Be cool! Be cool! (彼が来るわ。落ち着いて! 落ち着いて! 落ち着いて!)
[The guy walks past them]
その男性が二人の横を通り過ぎる。
男性: Nice hat. (素敵な帽子だね。)
モニカとフィービー: [unison] Thanks. ([声をそろえて] ありがと。)
[The guy walks on]
その男性は歩いていく。
フィービー: We should do something. Whistle. (私たち、何かしなくちゃ。フューって音、出して]。)
モニカ: We are not going to whistle. (フューなんて音、出さないわよ。)
フィービー: Come on, do it! (ねえ、やって!)
モニカ: No! (いやよ!)
フィービー: Do it! Do it! Do it! (やって! やって! やって!)
モニカ: [Shouts to the guy] Whoo-hoo! ([その男性に向かって叫ぶ] ウーフー!)
[The guy turns round, startled. Monica points to Phoebe. The guy gets hit by a truck]
その男性は驚いて振り返る。モニカはフィービーを指さす。その男性はトラックにぶつかられる。
フィービー: I can't believe you did that! (あなたがあんなことするなんて信じられないわ!)

Daily News 「デイリーニューズ」はニューヨークのタブロイド紙。horoscope は「星占い、占星術」。
昨日の新聞に載ってた占いが本当に当たったかどうか確かめたいと言っているのがフィービーらしくて面白いです。

Behind you is a guy who... は、A guy who... is behind you. が倒置になった形。
a guy who... 「…する人」の who 以下の説明が長くなっているので、それを主語にすると主語が重たくなってしまうため、「あなたの後ろにいるのは…する人なのよ」のように、先に Behind you を持ってきたことになります。
「あなたの後ろにある男性がいるのよ」と先に言っておいてから、関係代名詞 who を使って、その男性の説明を詳しく語っているという、英語っぽい構造になっています。

have the potential to は「〜する可能性がある、する可能性を持つ」。
plunge us into a pit of depression は「私たちを憂鬱の底に陥れる」。
plunge は自動詞だと「急に下がる、急落する」、他動詞だと「…を〜の状態に陥れる、落ち込ませる」。
pit は「穴、くぼみ、落とし穴」。
the pit of darkness, the pit of hell または the pit で「地獄、奈落(ならく)」の意味があるので、the pit of depression は「憂鬱地獄、落ち込み・憂鬱の底」のようなニュアンス。

Come to Mama! について。
直訳すると「ママのところに来なさい、おいで!」ということで、母親が歩き始めたばかりの子供に言う言葉。
そこから、こちらに向かってくるものについて、それが欲しい、自分のところに来て欲しいと思った時に「(坊や、)私[ママ]のところにおいで」というニュアンスで使います。

レディー・ガガのアルバム「ジョアン」(Joanne)にも Come To Mama という曲がありますが、これは文字通りの「ママのところにおいで・いらっしゃい」という意味のようです。

Be cool! は「冷静に、落ち着いて!」。
彼のことをかっこいい!と騒いでいるのを気取られないように、平静を装え、ということ。

Nice hat と褒めてくれたものの、そのまま歩き去ってしまいそうなので、何とか彼を引き留めなきゃという意味で「何かしなくちゃ」とフィービーは言っています。
whistle は「口笛を吹く、口笛で呼ぶ、口笛で合図をする」。
メロディを奏でる「口笛」だけではなく、口でピー、ヒューという高い音を出すことも含みます。

Macmillan Dictionary では、音楽を奏でる口笛以外の意味で、以下の意味も出ています。
whistle : to make a high sound by forcing air through your mouth in order to get someone's attention, or to show that you like or dislike something
つまり「口を通して空気を押し出すことで高い音を出すこと、誰かの注意を引くために、または、自分がそれが好き、または嫌いであることを示すために」。
少し後のシーンでわかるように、今回のモニカの whistle はまさに「相手の注意を引くために出す高い音」を指しているということです。

なお口笛は日本語で「ホイッスル」と表記されますが、英語の発音は「ウィソー」という感じ。
串田アキラさんの「キン肉マン Go Fight!」で、Go! Go! Muscle! が(マッスルではなく)マソー! になるのと同じ原理ですね^^

文字で whistle と書かれてあるのを見れば「ホイッスル…あぁ、口笛か」とわかるでしょうが、実際の英語が日本でのカタカナ語からかけ離れた音であった場合には気づきにくいことも多いです。
英語学習に使う作品に「英語字幕があるもの」をお勧めしているのも「日本語化していて知っているはずの単語でも、英語では音が全く異なる」場合が多々あるからで、意味がわからない音を何度も聞いてわかろうとすることに時間を割くよりは、1回テストで聞いてみて、わからないと思った単語は、すぐに綴りや意味を確認した方がいいと私は考えています。

「ヒュー!ってやって!」「やらない!」という問答が続きますが、フィービーの圧に負けたモニカがサイレンのような声を出します。
去っていこうとした男性は驚いて振り向き、モニカは「この人(フィービー)がやれって言うもんだから」のようにフィービーを指さし、女子二人は微笑むのですが、モニカの声に気を取られ道路の中央に立ち止まってしまった男性は、走ってきた救急車にぶつかってしまうことになります。
走ってきた救急車の前方の文字が *AMBULANCE* を鏡文字(かがみもじ)にしたものが書かれていますが、これは前の車が後ろを走る救急車をバックミラーで見た時に、AMBULANCE(救急車)と読めるようにしたもの。

彼に何か合図を送れ、とさんざんけしかけたのはフィービーなのに、とんでもない結果になると、「あんなことするなんて信じられない」と自分勝手なことを言うフィービー。
吉本新喜劇でも、秘密をポロッとしゃべってしまった本人が「誰が言うたんや?」と言って、一斉に「お前や!」とツッコまれるパターンがありますが、このような笑いのパターンは日英共通するところがあり、楽しいです。


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posted by Rach at 17:34| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月12日

おざなりの反応を返すだけ フレンズ1-10改その20

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21:32
チャンドラー: Y'know, I uh.. just thought I'd throw this out here. I'm no math whiz, but I do believe there are three girls and three guys right here. [Makes kiss noise] (ほら、ここでこの件をそれとなく言おうと思ってたんだけどさ。俺は数学の達人じゃないけど、今ここには3人の女子と3人の男がいるな、って俺は(確かに)思うんだよ。[ん、ん、とキスの音を出す])
フィービー: Oh, I don't feel like kissing anyone tonight. (あぁ、私は今夜は誰ともキスしたくない気分よ。)
レイチェル: I can't kiss anyone. (私は(唇が腫れているから)誰ともキスできないわ。)
モニカ: So I'm kissing everyone? (それじゃあ、私が全員にキスする(ことになる)の?)
ジョーイ: No, no, no, you can't kiss Ross. That's your brother. (いやいやいや、モニカはロスにキスしちゃだめだ。あいつはお前の兄貴だぞ。)
ロス: Perfect. Perfect. So now everybody's getting kissed but me. (完璧。完璧だよ。それじゃあ、今から僕以外のみんなはキスされるんだな。)
チャンドラー: All right, somebody kiss me. Somebody kiss me! It's midnight! Somebody kiss me! It’s midnight. (よし、誰か俺にキスして。誰か俺にキスして! 真夜中だ! 誰か俺にキスして! 真夜中だぞ。)
ジョーイ: All right, all right, all right. [Kisses him. Ross takes a photo] There. (わかった、わかった、わかった。[ジョーイはチャンドラーにキスする。ロスが写真を撮る]ほらな。)

真夜中となり、パーティーに参加しているカップルたちがキスする中、キスの相手がおらず取り残された状態のフレンズ6人。
throw out は「外へ投げ出す」ということから、「〜を投げ捨てる、放り出す」という意味で使われますが、ここでは「(考えなどを)さりげなく・それとなく言う、ほのめかす」という意味で使われています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
throw out an idea : to suggest an idea
つまり「考えを提案する」と出ています。

whiz は「名人、達人」を意味する口語。
ウィズという音からウィザード(wizard=魔法使い)を連想してしまうかもしれませんが、h が入っていないことからもわかるように whiz は wizard の略語ではなく、whiz は元々、動詞「風を切ってピューと飛ぶ」、名詞「ピュー(という風を切る音)」のように擬音語から来た単語。
ピューと素早く物事をこなす感覚から「名人、達人」という意味になった、ということだろうと。
魔法使いの wizard の語源は wise 「賢い、賢明な、博学の」であるとのこと。

俺は数学の達人じゃないけど、3人ずつ男女がいるってことは、ぴったり数が合うんじゃないかな? それぞれがペアになったらちょうど誰もあぶれないでキスできるよ、と言っていることになります。

デビッドと切ない別れをしたばかりのフィービーは今夜は誰ともキスしようって気分にはならない、と言います。
レイチェルも「私もキスできない」と言っていますが、これはタクシーに乗る時に女性と喧嘩になって、現在、唇が腫れているため。
レイチェルが人と喧嘩してボロボロになって帰ってきたのは、脚本上、キスできない理由を作るためだったということです。
女性3人のうち、2人がダメだと言うので、残ったモニカは「私が男全員にキスするの?」と言っています。
ジョーイは「ロスとモニカは兄妹だからキスしちゃだめだ」と指摘し、ロスは「じゃあ、僕だけキスされないってことか」と怒ります。
Perfect. は言葉としては「完璧な」ですが、ここでは皮肉。最悪な状況の時に Oh, great. 「あぁ、もう最高だよ」と言ったりするのと同じです。
getting kissed but me の get kissed は「キスされる、キスしてもらう」という感覚。
but me の but は「〜を除いて、〜以外に」という意味の前置詞。

Somebody kiss me. は Kiss me. 「俺にキスして」に主語の somebody 「誰か」を付けた形。
「誰かが俺にキスする」という文なら、Somebody kisses me. のように 3単現の -s がつくことになりますから、その違いに注意しましょう。
「誰かキスして!」と、子供みたいにピョンピョン飛び跳ねているチャンドラーに、ジョーイがキスをして、その瞬間、ロスが写真を撮る、という流れでシーンは終わります。


22:09
[Credits scene: Still the party. Time lapse]
クレジットシーン。まだパーティ―中。時間が経過。
ロス: [Watching Marcel and talking to Rachel] I wanted this to work so much. I'm still in there, you know? Changing his diapers. Picking his fleas. But he's just phoning it in. It's just so hard to accept the fact that something you love so much doesn't love you back, you know? ([マルセルを見ながら、レイチェルと話している] このことがとてもうまく行ってほしかったんだ。僕はまだ頑張ってるんだよ、だろ? 彼のおしめを取り替えて。彼のノミを取って。でも彼は適当におざなりな対応を返してくるだけなんだ。とても愛している相手が、愛し返してくれないという事実を認めるのは、ただすっごくつらいよね。)
レイチェル: I think that bitch cracked my tooth. (あの女、私の歯を折ったみたいだわ。)

I wanted this to work so much. の work は自動詞で「うまくいく」。
マルセルを見ながらそう言っているので、マルセルと僕(ロス)との関係について語っていることがわかります。
change his diapers は「彼のおしめを取り替える」。
pick his fleas は「彼のノミを取る」。
フリーマーケットの看板に、free market と書いてあるのを時々見かけますが、本来、フリーマーケットとは「のみの市」のことなのでで、英語の綴りは flea market になります。

he's just phoning it in について。
phone in は一般的には「電話を入れる、電話で報告する、電話で参加する」という意味。

今回のセリフでの意味については、以下のネットスラング辞典である Urban Dictionary の語義が参考になると思います。
Urban Dictionary : phone it in
phone it in
672 up, 76 down
Perform an act in a perfunctory, uncommitted fashion, as if it didn't matter.
例)She sang the National Anthem, but she was just phoning it in as far as I could tell.

つまり、「おざなりで、全力を傾けることのないやり方で行動すること、まるで重要なことではないかのように」。
例文は、「彼女は国歌を歌ったが、私のわかる限りでは、ただおざなりでそうしていただけだった」。

また、ネット辞書 Wictionary にも以下のように出ています。
Wictionary : phone in
Verb
phone in
3. (idiomatic) To fulfill a responsibility with a minimum effort rather than the appropriate level of effort.

つまり、「(慣用的表現) 適切なレベルの努力というよりもむしろ最小の努力で責任を果たすこと」。

言い換えると、「責任を果たすのに必要な最小レベルの努力しかしない」ということですから、上の Urban Dictionary の perfunctory, uncommitted 「おざなりで、全力を傾けることのない」に通じるものがあります。
ロスに言わせると、「僕はこんなに尽くしてるっていうのに、マルセルの方はおざなりの、必要最小限の反応を返してくるだけなんだ」ということなのでしょう。
無反応や無視ってことはないけど、「ん、ありがと」程度にチラッと視線を向けるだけで、適当にあしらわれている感じがする、ということだろうと。

ここからは私の推測ですが、どうして元々は「電話で報告する」という意味の phone it in がそういう「おざなりな対応」みたいな意味になるかについて少し考えてみると、、、
実際に本人が出向いて行って、直接報告したり意見を言ったりするのと比較すると、「電話という機械越しに、顔も合わせずに報告する」という行為が、心がこもっていないように受け取られる、熱意がないように取られる、という感覚から来たのかも…と思ったりします。
現代社会においては、電話やメールでは失礼、という感覚もずいぶん減ったとは思いますが、直接会う(in person)の方が、電話で話す(on/over the phone)よりも、熱心さが感じられる、ということは今でもあるのかな、という気はします。

先のエピソードになりますが、フレンズ3-6その13 で、
エリック: But, he told me over the phone... (でも、チャンドラーは電話で僕に言ったんですよ…)
ヘッケルさん: He told me in person. (チャンドラーは私に直接言ったぞ。)
というやり取りがあり、この会話からも、over the phone よりは in person の方が信頼できる、心がこもっているという感覚が感じられると思います。

bitch は元々「メス犬」という意味ですが、嫌な女のことを「あの女」と軽蔑的に表現する時の言葉としてよく使われます。
crack は「〜にひびを入れる、〜を割る」。口をもごもごして、口の中で歯が欠けているのがわかったような様子ですから、「歯を折った」という感覚が近いでしょう。
ロスがマルセルとの関係について一生懸命語っていたのに、レイチェルは自分の歯のことを言っていて、レイチェルがロスの話をあまり真剣に聞いていなかったことが見てとれます。
マルセルだけではなく、レイチェルにも「おざなりの対応(phone it in)」をされた、という面白さかな、と思いました。


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posted by Rach at 16:12| Comment(4) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月05日

どう言えばいいかわかんないけど(と言いつつ)言えちゃったな フレンズ1-10改その19

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20:26
テレビの中継画面が写る。画面の名前には、Dick Clark の文字。
ディック・クラーク(TV): Hi, this is Dick Clark live in Times Square. We're in a virtual snowstorm of confetti here in Times Square. It gets bigger and better every year. (こんにちは、こちらは、タイムズスクエアから実況中のディック・クラークです。ここタイムズスクエアで、紙吹雪の中にいます。毎年、より大きく、より素敵になっています。)
[Joey puts a blanket over Sandy's kids]
ジョーイはサンディーの子供に毛布を掛ける。
ジョーイ: Here you go, kids. (おやすみ、子供たち。)
チャンドラー: [To a woman who he has clearly just met] And then the peacock bit me. [Laughs] Please kiss me at midnight! [She leaves] ([明らかに会ったばかりの女性に] で、その時、そのクジャクが俺を噛んだんだよ。[チャンドラーは笑う] どうか、今夜、俺にキスして! [その女性は立ち去る])
ジョーイ: You seen Sandy? (サンディーを見た?)
チャンドラー: Ooh. Uh, I don't know how to tell you this, but she's in Monica's bedroom, getting it on with Max, that scientist geek. Cool, look at that. I did know how to tell you. (あぁ、このことをどうやってお前に言えばいいかわからないんだけど、でも、サンディーはモニカの寝室にいて、あの科学者オタクのマックスとヤってる。すごい、今の見たか、俺はお前にどうやって言えばいいか(わからないと思ってたけど)わかってたな。)
レイチェル: Hey, everybody, the ball is going. (ねえ、みんな。ボールが落ちるわよ。)
みんな: What? (何て?)
レイチェル: The ball is dropping! (ボールが落ちるんだってば。)
ディック・クラーク(TV): In 20 seconds, it'll be midnight. (20秒後に[あと20秒で]、真夜中になります。)
チャンドラー: And the moment of joy is upon us. (そして、喜びの瞬間が我々に訪れる。)
ジョーイ: Looks like that "No-Date Pact" thing worked out. (例の「デート(デート相手)なしの協定」ってやつは、うまく行ったみたいだな。)
フィービー: Everybody looks so happy. I hate that! (みんなすっごく幸せそう。そういうの嫌だわ!)
モニカ: Not everybody is happy. Hey, Bobby! (みんなが幸せなわけじゃないわよ。ねえ、ボビー!)
[Bobby waves and then bursts into tears.]
ボビーは(僕はもうダメだよという感じで)手を振り、それから泣き出す。
(フレンズを除く)全員: ...One! Happy new year!
[Midnight comes and everyone at the party except for the gang cheers and kisses]
真夜中が来て、パーティーにいる、フレンズ以外のみんなは喝采し、キスする。

テレビで喋っている男性に、Dick Clark というテロップが出ています。
この人が、大晦日のボール・ドロップを中継するABCの番組の司会者、ディック・クラークです。
その番組のタイトルは、「Dick Clark's New Year's Rockin Eve」で、2009年からは、共同司会者である Ryan Seacrest の名前も番組名に入った、「Dick Clark's New Year's Rockin' Eve with Ryan Seacrest」というタイトルに変更になりました。
New Year's Rockin Eve は略称では NYRE と表記されます。

司会のディック・クラークさんは2012年に亡くなられましたが、亡くなられた後も番組名は、Dick Clark's 「ディック・クラークの」とついた、 Dick Clark's New Year's Rockin' Eve with Ryan Seacrest のままで現在に至ります。
今年の Dick Clark's New Year's Rockin Eve with Ryan Seacrest 2020 には、韓国の人気グループBTSが出演したことでも話題となりました。

virtual snowstorm of confetti は「紙吹雪」のこと。
virtual は「仮想の」、snowstorm は「雪の嵐」すなわち「吹雪」。
confetti は「紙吹雪、紙テープ」。ticker tape とも言います。
ticker tape は情報などが印字された紙で、それを小さく刻んで紙吹雪として使います。
「紙テープの仮想の吹雪」ですから、「本物の吹雪のように見せた紙吹雪」ということです。
実際にカウントダウンの時には、大量の紙吹雪が舞います。メジャーリーグの優勝パレードなどでも使われるので、ご存じの方も多いでしょう。

何とか真夜中にキスする相手を見つけようと、必死に女性に話しかけているチャンドラー。
チャンドラーは「クジャクが俺を噛んだ」という話をしていますが、チャンドラーがクジャクに噛まれた話は、フレンズ1-7 にも出てきました。
私は最後から2番目だったみたいね フレンズ1-7改その16 で、「何かを知る最後の人間はいつも私」と怒るフィービーのセリフで、
フィービー: I was the last one to know when Chandler got bit by the peacock at the zoo. (チャンドラーがあの動物園でクジャクに噛まれた時、それを最後に知ったのは私だった。)

このように「チャンドラーがクジャクに噛まれた」という話は、2つのエピソードで語られていますが、結局、「チャンドラーがクジャクに噛まれた」という部分だけで、どうしてそんなことになったのか、そしてその後どうなったのか? という前後の話が結局わからずじまいなのが面白いところ。

三谷幸喜さん脚本の刑事ドラマ「古畑任三郎」でも、何度か話に登場するも結局結末は語られないという「赤い洗面器の男の話(赤い洗面器を頭の上に乗せた男の話)」というのがあります。
チャンドラーのクジャクの話も、何度も出てきたらこの「赤い洗面器の男の話」みたいな「お約束」話になったかもしれませんが、残念ながら、これ以降のエピソードで、「チャンドラーがクジャクに噛まれた話」が出てくることはありません、、、。

get it on with は「〜とエッチする、いちゃいちゃする」を意味するスラング。「〜とヤる」というニュアンスが近いです。
Cambridge Dictionary でも、
get it on : (slang) to have sex
とダイレクトな意味が出ています。
どう言えばいいかわかんない、言いにくいんだけど…と切り出したチャンドラーでしたが、実際には特に躊躇することもなく、あっさりそのものズバリを言ってしまい、「どう言えばいいかわからないと思ってたけど、俺、ちゃんとわかってたな(言えないと思ってたけど、言えちゃったな)」と言っているわけです。

今回解説しているシーンの始めに、ディック・クラークが紙吹雪のことを言っていた時、テレビの向かって左側に、すでにサンディーとマックスが仲良さそうに向き合っている姿が見えていました。
その後、レイチェルが The ball is dropping! と言う時には、レイチェルの背後に、寝室から出てくるサンディーが映っており、その後、またテレビの左側で二人は楽しそうに会話しています。
チャンドラーが説明した状況が、きちんと映像化されていることになります。

In 20 seconds, it'll be midnight. は「(20秒後に[あと20秒で]、真夜中になります」。
in は「〜後には、〜たてば」。within 「〜以内に」と混同しないように注意。
新年へのカウントダウンですから、20秒以内(つまり、2秒後かも、10秒後かも、20秒後かもしれない)にみたいなあやふやなことではおかしいですし、ちょうど20秒後、だと言っていることがわかります。

Looks like that "No-Date Pact" thing worked out. の work out は「うまく行く」。
みんなが頑張ってそういう結果になったわけではないけれど、いろんな事情が重なって、みんな独り身で新年を迎えることになり、結局、最初の協定が守られることになったな、ということ。
カメラが右から移動して、チャンドラー、ジョーイ、レイチェル、フィービー、モニカ、(かすかに肩だけの)ロスを映し、「デートなしの協定を守った、ぼっちの6人」の姿を見せています。

Not everybody is happy. の not everyone は部分否定で「みんなが〜というわけじゃない」。
フレンズ以外の全員が幸せってことじゃなくて、私たち以外にも幸せじゃない人がいるわよ、と言って、ボビーに声を掛け、おじいちゃんが亡くなったことで悲しんでいるボビーの姿を見せています。

フレンズ以外のみんなはカウントダウンで盛り上がり、真夜中になった瞬間、喜びハグしキスしていますが、サンディーとマックスもちゃっかりキスしています。


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posted by Rach at 17:02| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする