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12:09
[Scene 6: Hospital. Phoebe is there stroking Coma Guy's hair, when Monica enters with a bunch of balloons]
シーン6。病院。フィービーはそこにいて、昏睡男の髪の毛を撫でている。そこにモニカがたくさんの風船を持って入ってくる。
モニカ: Hi. (はーい。)
フィービー: Hi. (はーい。)
モニカ: What are you doing here? (ここで何してるの[どうしてここにいるの]?)
フィービー: Nothing. I just thought I'd stop by, y'know, after the uh... that I.. y'know. So what are you doing here? (何も。私はただ立ち寄ろうかなと思っただけよ、ほら、私が…した後で…。それであなたは[そういうあなたこそ]ここで何してるの?)
モニカ: I'm not really here. Just thought I'd drop these off on the way. My way. Do you come here a lot... without me? (私はここにいるってほどじゃないわ。ただ思ったのよ、途中でこれを置いていこうって。途中でね。あなたは何度もここに来るの?…私抜きで?)
フィービー: No. [Monica brushes Coma Guy's hair in the other direction] No! No! ...So, um, do you think he's doing any better than he was this morning? (いいえ。[モニカが昏睡男の髪の毛を別の方向にとく] だめ、だめよ! それで、その、彼は今朝の状態よりも少しは良くなってるって思う?)
モニカ: How would I know? I-I wasn't here. (どうやって私がそんなことを知るっていうのよ? 私は(今朝)ここにはいなかったわ。)
フィービー: Really? Not even to, um, change his pajamas? [Whips back the sheet] (ほんとに? 彼のパジャマを着替えるためにさえもいなかった(って言う)の? [シーツをさっとめくる(昏睡男が前とは違うパジャマを着ているのがわかる。)]
ト書きの stroking Coma Guy's hair の stroke は「(人の髪や動物などを優しく)撫でる、撫でつける」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
stroke : to move your hand gently over something
例)She was sitting on the sofa, stroking her cat.
つまり「何かの上で優しく手を動かすこと」。例文は「彼女はネコを撫でながら、ソファに座っていた」。
寝ている男性の髪の毛を優しく撫でているのは愛しさの表現ですし、風船をたくさん持って入ってきたのも彼へのプレゼントなのが明白ですから、二人の間に気まずい空気が流れます。
What are you doing here? は「ここで何してるの?」ということですが、「一人で彼の病室で何してるの?」という意味はもちろんのこと、「どうしてあなたがここにいるの?」というニュアンスも含まれています。
フィービーがここにいることが意外だった、フィービーがいるとは思わずにやって来たことがよくわかります。
I just thought I'd = I just thought I would ということで「ただ〜しようかなと思っただけ」。
stop by は「立ち寄る」。
after the uh... that I.. y'know. と言って「ただ〜した後にちょっと立ち寄ろうと思っただけよ」と説明しようとしたのですが、メインの用事が何だったかを説明できない感じが出ています。
この言い回しで「何かのついでというのは嘘で、ここに来ることが主目的だった」ことがわかるということ。
他の用事を思いつかなくて、すぐに相手への質問に切り替えるフィービー。
「あなたこそ、どうしてここに来たの? ここにいるの?」と言われたモニカは「別に”ここにいる”ってほどでもなくて」と言ってから、Just thought I'd drop... と、さきほどのフィービーと同じような言い回しで「ただ〜しようと思っただけなの」と説明します。
drop off は「(物)を置いていく」。drop は「落とす、降ろす」で、off は「分離」のニュアンスですから、「持ってきたものを(自分から離す形で)置く」という感覚になるのはわかりやすいでしょう。
on the way / on one's way は「途中に、行きがけに、帰り道に」。
モニカも「あることの途中で、これを置くために立ち寄っただけ」と説明しているのですが、on the way. My way. としか言えないところに、具体的に「どこに行く途中か」を説明できない、メインの用事がこれだったことが表れています。
Do you come here a lot... without me? のように、without me の前に間(ま)があるので、「あなたはよくここに来るのかしら…”それも私抜きで一人で”」という最後の部分がより強調されています。
それに対してフィービーは No. 「いいえ。あなた抜きで、私一人が何度も来たりはしないわ」と否定するのですが、モニカが、さっきフィービーが撫でていた髪の毛を、それとは反対方向にとくので、次の No! No! は「やめて!(彼の髪の毛をそんな風に撫でるのはやめて!)」という意味になっているのも面白いところです。
any better は「多少は・少しでも、よりよく(なる)」という感覚。
彼が今朝の状態よりも少しでも体調が良くなったとあなたは思う? と聞かれたので、モニカは「私は今朝ここにいたわけじゃないのに、朝と比べて体調がどうかなんて、どうやって私にわかるのよ?」と返します。
Really? Not even to, um, change his pajamas? は Really? You were not even to...? 「(モニカは今朝ここにいなかったって言うけど)ほんとに? 〜するためにさえいなかったの?」と先に言ってから、少し間を置き、シーツをめくるのと同時に「彼のパジャマを替える(着替えさせる)ために」と言っていることになります。
フィービーは彼のパジャマが違っていることに気づいていて、しらばっくれているモニカに証拠を突き付けた感じです。
13:05
[Cut to Chandler and Joey's place. Ross is talking to Chandler. Joey is making a snack at the bar]
チャンドラーとジョーイの家に画面がカット。ロスはチャンドラーと話している。ジョーイはバーで軽食を作っている。
チャンドラー: Oh my God. (なんてこった。)
ロス: You're my friend. I-I had to tell you. (君は僕の友達だ。(だから)僕は君に言わないといけなかったんだ。)
チャンドラー: I can't believe it. Paolo kissed my mom? (信じられない。パウロが俺のママにキスしたのか?)
ロス: Yeah, I mean, I don't know if you noticed, but he had a lot to drink. I mean, you know how he gets when he's drun..uh... [He has caught sight of Joey scowling at him] I can't do this. I did it. It was me. I'm sorry. I kissed your mom. (あぁ、ほら、君が気づいてたかどうかはわからないけど、やつは酒をたくさん飲んでた。ほら、酔っぱらうとやつがどうなるか知ってるだろ…あぁ… [ロスはジョーイが自分をにらみつけているのが目に留まる] 僕にはこんなことはできない。僕がしたんだ。僕だったんだ。ごめん。僕は君のママにキスした。)
チャンドラー: What? (何だって?)
ロスを前にしてチャンドラーが Oh, my God. と言い、「君は僕の友達だから、(真実を)話さないといけなかった」と言っているので、チャンドラーのママとキスしてしまったことを正直に告白しているのかと思いきや、チャンドラーの「信じられない。パウロが俺のママにキスしたなんて」という発言で、ロスが嘘を語っていることがわかります。
その後も、「酒をたくさん飲んでて、飲むとどうなっちゃうかわかるだろ」と、自分に起こったことをパウロがやったことのように語っているので、ジョーイはパンに何かを塗りながら、ロスの方を怖い顔で睨みます。
ト書きの catch sight of は「光景をキャッチする」ということから、「〜を見かける、〜(という光景・姿)が目に留まる」という感覚。
scowl は「(怒って・不機嫌で)顔をしかめる、にらみつける」。発音は「スカウル」。
LAAD では
scowl [verb, intransitive] : to look at someone in an angry way
つまり「怒った様子で人を見ること」。自動詞なのでこのト書きの scowl at のように、前置詞 at が必要になります。
ジョーイに怖い顔でにらまれて、嘘を続けられなくなったロスは「こんなことはできない=嘘をつくことはできない」と言って、I did it. It was me. と告白します。
「僕がそれをした。それは(パウロじゃなくて)僕だった」ということですが、最初はこのようにダイレクトな表現は使わずに告げて、謝罪の後、はっきり I kissed your mom. 「僕は君のママにキスした」と告白することになります。
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