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15:29
レイチェル: I’m so sorry. (本当にごめんなさい。)
フィービー: No, I’m sorry. (いいえ、私の方こそごめんなさい。)
レイチェル&フィービー: No, I' m sorry! (私の方こそごめんなさい!)
フィービー: No, wait, oh, what are we sorry about? (いえ、待って、あぁ、私たちは何のことで謝ってるの?)
レイチェル: I don't know. Right. He's the pig. (わからない。そうだわ。あいつがブタ(野郎)なのよ。)
フィービー: Such a pig! (本当にブタ(野郎)だわ!)
レイチェル: Oh, God, he's such a pig! (あぁ、なんてこと、あいつは本当にブタ(野郎)よ!)
フィービー: Oh, he's like a... (あぁ、あいつはまるで…)
レイチェル: He's like a big disgusting... (あいつはまるで超むかつく…)
フィービー: ...like a... (…みたいな…)
レイチェル: ...pig...pig man! (…ブタ…ブタ男よ!)
フィービー: Yes, good! Okay. (そうね、うまい! そうよ。)
レイチェル: [voice wavers] Oh, but he was my pig man! How did I not see this? ([声が揺らぐ] あぁ、でもあいつは私のブタ男だったわ! どうして私にはこのことがわからなかったの?)
フィービー: [raises hand] Oh, I know! [Rachel startled] Because... he's gorgeous. And he's charming. And when he looks at you... ([手を挙げて] あぁ、わかった! [レイチェルがびっくりする] なぜなら…彼がかっこいいから。それに彼はチャーミングで。そして彼があなたを見る時には…)
レイチェル: Okay, Okay, Pheebs... (わかった、わかった、フィーブス…)
フィービー: The end. (ジ・エンド(おしまい)。)
レイチェル: Oh, God! (なんてこと。)
フィービー: Should I not have told you? (あなたに話さないべきだった?[話さないほうが良かった?])
レイチェル: No. No, trust me, it's, it's, it's much better that I know. Uh, I just liked it better before. It was better. (いいえ、信じて、知る方が(知らないより)ずっといいわ。あぁ、ただ、前の状況[状態]の方が、もっと好きだったけど。前の方がもっと良かった。)
[Phoebe scoots her chair over to Rachel and hugs her]
フィービーは椅子をレイチェルの方に動かして、レイチェルをハグする。
お互いが「ごめんなさい」とさんざん謝り合った後、フィービーは what are we sorry about? 「私たちは何のことで謝ってるの?」と言い、悪いのは私たちじゃなく、あいつだわ、と、今度はパウロを非難し合う言葉に変わります。
pig は「ブタ」で、日本でも(ブタさんには申し訳ないですが)「ブタ」は悪口としてよく使われます。
この英語の pig も「最低な男」というニュアンスで使われています。
アカデミックな辞典である LAAD (Longman Advanced American Dictionary) にもちゃんとその意味が載っていて、
pig : (spoken) someone who behaves in an unpleasant way toward other people
例)You're a selfish pig.
つまり「(口語)他の人々に対して不愉快な行動をする人」。
LAAD ではこの語義の下に male chauvinist pig という表現が参照されていました。
chauvinist は「同属偏愛・優越の排他主義者」のことで、「自分の国や民族が他より優れていると考える愛国主義者」や「女性より男性が優れていると考える女性蔑視主義者」を指します。
よって male 「男性の」という形容詞がついた male chauvinist は「男性優越・女性蔑視主義者」という意味に限定されることになります。
ドラマ「アリーmy Love(原題:Ally McBeal)」でも、"Male chauvinist pig!" 「男尊女卑のブタ!」と男性をののしるセリフがよく出てきており、そのドラマ特有の表現かと思っていたのですが、このようにアカデミックな辞書に載っているような一般的な表現なのですね。
pig は、そのような悪口との組み合わせに使われる単語だということです。
レイチェルの How did I not see this? は「どうして(どのようにして)私にはこのこと(彼がブタ野郎だということ)がわからなかったの?」。
日本人が一般的にイメージする否定疑問文だと
How didn't I see this?
という形になりそうな気がしますが、それと今回の How did I not see this? は、文の意味としてはほぼ同じです。
didn't という短縮形よりも did not のように not を単独で使った方が否定の意味が明確になるのと同様に、今回のセリフ How did I not see this? も How didn't I see this? よりも否定の意味がより強調された形となります。
not see のように否定語と動詞がくっついていることで「わからない、見えない」という「see という動詞を否定」していることが、より明確に伝わることになるでしょう。
そのニュアンスの違いを、無理やり日本語に出そうとすると、
How did I not see this? 「どうして”これがわからない”ということがあったの?」
How didn't I see this? 「どうして”これがわかる”ということがなかったの?」
となるでしょうか。
「これが”わからない”なんてどうして?」の方が、「わからなかった自分に対するいら立ち」が強調されるということです。
gorgeous は「ゴージャス」ですが、ここでのニュアンスは「(人が)素敵な、魅力的な」という意味。
LAAD では、
gorgeous [adjective] (informal) : extremely beautiful or attractive
つまり「極めて美しい、または魅力的な」。
彼がブタ野郎だという本質をわからなかったのも無理はない、とでもいうように、「ゴージャス(素敵)でチャーミングで、彼があなたを見る時には…」とさらに彼の素敵さを語ろうとしたフィービーですが、先ほど「ブタ野郎」とけなしていたばかりのあいつのことをそんなに褒めないでよと言いたげにレイチェルはフィービーを制し、フィービーも「ジ・エンド(おしまい)」と言って褒めるのをやめます。
Should I not have told you? も先ほど解説した How did I not see this? と同じように、not が動詞の方にくっついている形。
先ほどと同様に比較してみると、
Should I not have told you? 「あなたに話さないべきだった?」
Sholdn't I have told you? 「あなたに話すべきではなかった?」
という違いになるでしょうか。
今回のセリフの形の方が、私がすべきことは「話さない」ということだった? のように「話さない」という動詞 tell の否定であることをより強調していると言えるでしょう。
話したことでレイチェルを傷つけてしまったことに罪の意識を感じている様子が、より感じられる気がします。
it's, it's, it's much better that I know. Uh, I just liked it better before. It was better. 「知る方が(知らないより)ずっといいわ。あぁ、ただ、前の状況[状態]の方が、もっと好きだったけど。前の方がもっと良かった」について。
それぞれの it の指すものですが、まず、it's much better that I know. の it は、it = that I know ということ。
It's much better that I know. の that I know は、that 節 (名詞節)で「私が知ること」。
That I know is much better. 「私が知ることはずっと良い(ベターである)」の that 節を後ろに回して、それを形式主語の it にした構文が、レイチェルのセリフになります。
そして、2番目の liked it の方ですが、この it は、「状況」を漠然と指している感覚でしょう。
like it better before は「前の方がより好きだった」ということになるでしょうか。その後の、It was better. も、過去のその時の「状況」を指していると思われ、「あの時の方が、より良かった」ということになるでしょう。
つまり、レイチェルのこのセリフは、「フィービーが真実を教えてくれて良かった」と客観的に自分に言い聞かせながらも、でも知らなかった時の状況(it before)が、like better 「(知った後の今の状況)より好きである」→「前の知らなかった時の方が良かった」と自分の正直な気持ちを主観的に述べていることになると考えられます。
それぞれ何を比較しているかと言うと、
パウロがフィービーに手を出したことについては、知らないよりも知る方が良かった、知って良かった、教えてくれて良かった。
ただ、状況としては、知ってしまった今よりも、知らなかった昔の方が良かった、幸せだった。
ということになります。
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2023年03月26日
2023年01月29日
フーズボール・テーブル フレンズ1-12改その12
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14:13
[Scene: guys' apartment. Ross, Chandler, Joey, and Monica admiring a new table]
シーン:男性陣のアパートメント。新しいテーブルに見とれているロス、チャンドラー、ジョーイ、モニカ。
チャンドラー: So what do you think? (それで、どう思う?)
ロス: I think It's the most beautiful table I've ever seen. (今まで見てきた中で、最も美しいテーブルだと思うよ。)
チャンドラー: I know. (そうだろ。)
画面にフーズボールテーブルが映る。チャンドラーがテーブルを叩く。
モニカ: So how does this work, you going to balance the plates on these little guys' heads? (それでこのテーブルはどうやって(テーブルとして)機能するの? お皿をこの小さな男たちの頭に載せてバランスを取るつもり?)
ジョーイ: Who cares? We'll eat at the sink. Come on. ((そんなこと)構うもんか。俺たちはシンク[流し]で食うよ。さあ(ゲームを)やるぞ。)
モニカ: Heads up, Ross. [Monica scores on Chandler and Joey] Score! [points at Chandler] You suck! (注意[用心]して、ロス。[モニカはチャンドラーとジョーイ相手に点を決める] 点決まった! [チャンドラーを指さして] あんた下手ね!)
[Chandler looks at Joey in amazement]
チャンドラーは驚いた顔でジョーイを見る。
I think It's the most beautiful table I've ever seen. は 「今まで見た中で最も美しいテーブルだと思うよ」。
前回の記事で解説したレイチェルのセリフ、These are the best oatmeal raisin cookies I've ever had. 「これは私が今まで食べた中で、最高のオートミール・レーズン・クッキーよ」と同じ構文で、「最上級+経験を表す現在完了形」の組み合わせです。
この後、画面にテーブルが映りますが、そこで4人が眺めていたのはフーズボール・テーブルだとわかります。
そのフーズボール・テーブルについて、英英辞典では以下のように説明されています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
Foosball [noun, uncountable] trademark :
a game played on a special table, in which two players move rods with small figures of soccer players on them, in order to hit a ball toward a hole at the end of the table.
つまり「(商標) 特別なテーブルの上でプレイされるゲーム、そのゲームの中では、テーブルの端の穴に向けてボールを打つ(蹴る)ために、サッカー選手の小さな人形がくっついている棒を二人のプレイヤーが動かす」。
Macmillan Dictionary では、
table football [noun, uncountable] or table soccer or foosball (American) :
a game based on football, played on a table with models of football players that are attached to rods. You move the rods to make the players hit the ball.
つまり「テーブル・フットボールまたはテーブル・サッカーまたはフーズボール(米語):フットボール(サッカー)に基づいたゲームで、棒に取り付けられたサッカー選手の模型のあるテーブルでプレイされる。人は、その選手たちがボールを打つ(蹴る)ように棒を動かす」。
この後、実際にそのフーズボールを使ってフレンズたちが遊ぶことになりますが、まさにこの英英辞典の解説の通りだということがわかります。
棒を動かすことで人形にボールを蹴らせてゴールさせるというゲームだということです。
So how does this work? は「それで、これ(このテーブル)はどうやって・どのように機能するの?」。
work は「目的どおりに正常に機能する・使える」で、こんなゲーム台がどうやってテーブルとして機能するの? ということ。
人形の頭の上にうまくバランスを取りながら食器を置くつもり? と聞きますが、ジョーイは、Who cares? と答えます。
Who cares? は、「誰が気にする・構うものか」→「誰も気にしない」→「知ったことか、構うもんか」という反語表現。
日本語でも「誰が気にするって言うんだ?」と言った場合、同じようなニュアンスがありますが「誰が〜だ?」という疑問文は、「誰も〜ないんだ」という否定の結論を導き出させる効果がある、ということです。
at the sink の at は場所を表す前置詞で、「シンク(台所の流し、流し台)で、シンクのところで」というニュアンス。
先ほどご紹介した英英辞典の foosball の語義の中で、何度も table という単語が使われていることから、やはりこれはテーブルということになるのでしょうが、ジョーイたちはこの新しいテーブルにはもはや食卓としての機能を求めていないことがわかります。
今回のエピソードではテーブル選びが難航していましたが、二人の意見が一致したのがこのテーブルだった、というオチですね。
Heads up. は「注意・用心して」という意味。
LAAD では、
heads up! : used to warn people that something is falling from above, or that something is being thrown to them
つまり「何かが上から落ちてくる、または何かが人々に向かって投げられているということをその人々に警告するために使われる」。
head 「頭」+up 「上」と叫んでいるわけですから、頭上に落ちてくるものに気をつけろという意味であることは納得しやすいでしょう。
「頭上に気をつけて」という意味から、頭上に限らず何かが飛んでくることに対する注意を喚起する意味でも使われ、今回の場合は、同じチームであるロスに対してモニカが言っていることを考えると、「チャンドラーとジョーイの攻撃に気をつけて」というニュアンスで使っていると思われます。
Score! は文字通り「スコア・得点(を決めた)!」ということ。
You suck! の suck はフレンズでよく登場する俗語で「最低だ、ひどい」という意味の自動詞。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
suck : BE BAD [intransitive] (spoken, informal) to be very bad
例) The food there sucks.
つまり、「(口語、インフォーマル) 非常に悪いこと」。例文は「あそこの食べ物は最低だ」。
「点決まったー! あんたたち下手ね!」と、自分が得点したことを得意げに言ったセリフになります。
14:34
[Scene: girls' apartment]
シーン:女性陣のアパートメント。
フィービー: Are you okay? (大丈夫?)
レイチェル: I need some milk. (ミルクが欲しいわ。)
フィービー: Okay, I've got milk. [takes thermos from her bag] Here you go. [Rachel drinks straight from thermos. Rachel finishes thermos] Better? (オッケー、ミルクあるわよ。[バッグからサーモス(魔法瓶)を取り出して(サーモスの蓋を開け、カップをレイチェルに差し出す)] さあどうぞ。[レイチェルは(フィービーの出したカップを受け取らず)サーモスから直接飲む。レイチェルはサーモスを飲み干す] (気分)良くなった?)
レイチェル: No. Oh! I feel so stupid! Oh, I think about the other day with you guys, you know. And I was all, "Oh, Paolo! He's so great! He makes me feel so--" Ugh! God. I'm so embarrassed! (いいえ。あぁ! 私ってすっごくバカみたい! あぁ、あなたたちと一緒にいたあの日のことを考えると、ほら。私はすっかりこんな感じだったわ。『あぁ、パウロ! 彼ってすっごく素敵! 彼のおかげで私はとっても…な気持ちになるの…』 あぁ、なんてこと! 私はすっごく恥ずかしいわ! [キッチンのペーパータオルをぐるぐる引っ張る])
フィービー: I'm so embarrassed. I'm the one he hit on. (恥ずかしいのは私よ。彼がモーションかけた人間は私なのよ。)
レイチェル: Pheobe, I unleashed him on you. If I'd never met him, this would've never happend to you. (フィービー、私が彼をあなたに解き放ったのよ。もし私が彼と出会っていなかったら、あなたにこんなことは決して起こらなかったでしょうに。)
パウロがフィービーにモーションをかけてきたと聞いて、レイチェルは呆然としています。
ミルクが欲しいと言うレイチェルに、フィービーは I've got milk. と言って、バッグからサーモス(魔法瓶)を取り出します。
I've got = I have got は「getした」という get の現在完了形の形をしていますが、アメリカ英語では have got = have の意味でよく使われます。
この場合も「ミルクを持ってるわ。ミルクがあるわ」という have の意味で理解すればよいでしょう。
ちなみに、このミルクについては過去記事、フレンズ1-12その4 のコメント欄 で貴重なご意見をいただいたことがありました。
要約させていただくと、
・アメリカでは、興奮気味の人に対して(ぬるめの)ミルクで落ち着かせるという習慣がある。
・パウロの話を暴露したらレイチェルが動揺すると考え、クッキーとミルクを用意していたフィービーの準備万端さが笑いのポイント。
ということでした。
「魔法瓶に入れたミルク」すなわち「ホットミルク」を持参していたのはそういう習慣に絡めた笑いに繋がっていたということですね。
And I was all, “Oh, Paolo! He’s so great! ...” は 「私はすっかりこんな感じだったわ。『あぁ、パウロ! 彼ってすっごく素敵!・・・』」。
I was all ... は「私はすっかり…という感じだった」というニュアンス。
友達のフィービーにもちょっかいをかけて来たようなパウロについて「彼って素敵!」とのぼせあがっていたことを恥ずかしいと語るレイチェルに対し、フィービーも同じフレーズ I'm so embarrassed. を使って返しています。
フィービーの方は主語の I を強めに言っており、このような場合には「恥ずかしいのはあなたじゃなく私の方よ」というニュアンスが出ます。
hit on は「モーションをかける、ナンパする、言い寄る、口説く」なので、I'm the one he hit on. は「私は彼(パウロ)がモーションをかけた人間(相手)である」→「彼がモーションをかけた相手は私よ」ということ。
その次のレイチェルのセリフ、Pheobe, I unleashed him on you. について。
この部分の音声はやや聞き取りにくく、メディアによって英語字幕に違いがありました。
DVD: I pushed him on you.
Blu-ray : I unleashed him on you.
Netflix : I unleashed him on you.
このような字幕表記の違いがあることを踏まえて、再度、音声を聞き直してみると、
I unleashed him on you.
と言っているように感じました。
また、メディアの新旧を考えると DVD→Blu-ray→Netflix という順序なので、後発の Blu-ray と Netflix の字幕表記の方が正しいと考えるのが自然でしょう。
仮にそれぞれの和訳をつけるとすると、
DVD: I pushed him on you. (私があなたに彼を押し付けた。)
Blu-ray : I unleashed him on you. (私があなたに彼を解き放った。)
となります。
レイチェルはパウロとラブラブだったので「フィービーに押し付けた」ということはありませんから、「解き放った」と表現したと考える方が、話の流れ的にも正解だろうと思います。
If I'd never met him, this would've never happend to you. は典型的な仮定法過去完了の文で「もし私が彼と出会っていなかったら、あなたにこんなことは決して起こらなかったでしょうに」。
「私とパウロが出会ったという過去の事実がなければ、パウロがフィービーにちょっかいをかけてフィービーが不愉快な思いをするということも起らなかったのに」と言っていることになります。
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[Scene: guys' apartment. Ross, Chandler, Joey, and Monica admiring a new table]
シーン:男性陣のアパートメント。新しいテーブルに見とれているロス、チャンドラー、ジョーイ、モニカ。
チャンドラー: So what do you think? (それで、どう思う?)
ロス: I think It's the most beautiful table I've ever seen. (今まで見てきた中で、最も美しいテーブルだと思うよ。)
チャンドラー: I know. (そうだろ。)
画面にフーズボールテーブルが映る。チャンドラーがテーブルを叩く。
モニカ: So how does this work, you going to balance the plates on these little guys' heads? (それでこのテーブルはどうやって(テーブルとして)機能するの? お皿をこの小さな男たちの頭に載せてバランスを取るつもり?)
ジョーイ: Who cares? We'll eat at the sink. Come on. ((そんなこと)構うもんか。俺たちはシンク[流し]で食うよ。さあ(ゲームを)やるぞ。)
モニカ: Heads up, Ross. [Monica scores on Chandler and Joey] Score! [points at Chandler] You suck! (注意[用心]して、ロス。[モニカはチャンドラーとジョーイ相手に点を決める] 点決まった! [チャンドラーを指さして] あんた下手ね!)
[Chandler looks at Joey in amazement]
チャンドラーは驚いた顔でジョーイを見る。
I think It's the most beautiful table I've ever seen. は 「今まで見た中で最も美しいテーブルだと思うよ」。
前回の記事で解説したレイチェルのセリフ、These are the best oatmeal raisin cookies I've ever had. 「これは私が今まで食べた中で、最高のオートミール・レーズン・クッキーよ」と同じ構文で、「最上級+経験を表す現在完了形」の組み合わせです。
この後、画面にテーブルが映りますが、そこで4人が眺めていたのはフーズボール・テーブルだとわかります。
そのフーズボール・テーブルについて、英英辞典では以下のように説明されています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
Foosball [noun, uncountable] trademark :
a game played on a special table, in which two players move rods with small figures of soccer players on them, in order to hit a ball toward a hole at the end of the table.
つまり「(商標) 特別なテーブルの上でプレイされるゲーム、そのゲームの中では、テーブルの端の穴に向けてボールを打つ(蹴る)ために、サッカー選手の小さな人形がくっついている棒を二人のプレイヤーが動かす」。
Macmillan Dictionary では、
table football [noun, uncountable] or table soccer or foosball (American) :
a game based on football, played on a table with models of football players that are attached to rods. You move the rods to make the players hit the ball.
つまり「テーブル・フットボールまたはテーブル・サッカーまたはフーズボール(米語):フットボール(サッカー)に基づいたゲームで、棒に取り付けられたサッカー選手の模型のあるテーブルでプレイされる。人は、その選手たちがボールを打つ(蹴る)ように棒を動かす」。
この後、実際にそのフーズボールを使ってフレンズたちが遊ぶことになりますが、まさにこの英英辞典の解説の通りだということがわかります。
棒を動かすことで人形にボールを蹴らせてゴールさせるというゲームだということです。
So how does this work? は「それで、これ(このテーブル)はどうやって・どのように機能するの?」。
work は「目的どおりに正常に機能する・使える」で、こんなゲーム台がどうやってテーブルとして機能するの? ということ。
人形の頭の上にうまくバランスを取りながら食器を置くつもり? と聞きますが、ジョーイは、Who cares? と答えます。
Who cares? は、「誰が気にする・構うものか」→「誰も気にしない」→「知ったことか、構うもんか」という反語表現。
日本語でも「誰が気にするって言うんだ?」と言った場合、同じようなニュアンスがありますが「誰が〜だ?」という疑問文は、「誰も〜ないんだ」という否定の結論を導き出させる効果がある、ということです。
at the sink の at は場所を表す前置詞で、「シンク(台所の流し、流し台)で、シンクのところで」というニュアンス。
先ほどご紹介した英英辞典の foosball の語義の中で、何度も table という単語が使われていることから、やはりこれはテーブルということになるのでしょうが、ジョーイたちはこの新しいテーブルにはもはや食卓としての機能を求めていないことがわかります。
今回のエピソードではテーブル選びが難航していましたが、二人の意見が一致したのがこのテーブルだった、というオチですね。
Heads up. は「注意・用心して」という意味。
LAAD では、
heads up! : used to warn people that something is falling from above, or that something is being thrown to them
つまり「何かが上から落ちてくる、または何かが人々に向かって投げられているということをその人々に警告するために使われる」。
head 「頭」+up 「上」と叫んでいるわけですから、頭上に落ちてくるものに気をつけろという意味であることは納得しやすいでしょう。
「頭上に気をつけて」という意味から、頭上に限らず何かが飛んでくることに対する注意を喚起する意味でも使われ、今回の場合は、同じチームであるロスに対してモニカが言っていることを考えると、「チャンドラーとジョーイの攻撃に気をつけて」というニュアンスで使っていると思われます。
Score! は文字通り「スコア・得点(を決めた)!」ということ。
You suck! の suck はフレンズでよく登場する俗語で「最低だ、ひどい」という意味の自動詞。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
suck : BE BAD [intransitive] (spoken, informal) to be very bad
例) The food there sucks.
つまり、「(口語、インフォーマル) 非常に悪いこと」。例文は「あそこの食べ物は最低だ」。
「点決まったー! あんたたち下手ね!」と、自分が得点したことを得意げに言ったセリフになります。
14:34
[Scene: girls' apartment]
シーン:女性陣のアパートメント。
フィービー: Are you okay? (大丈夫?)
レイチェル: I need some milk. (ミルクが欲しいわ。)
フィービー: Okay, I've got milk. [takes thermos from her bag] Here you go. [Rachel drinks straight from thermos. Rachel finishes thermos] Better? (オッケー、ミルクあるわよ。[バッグからサーモス(魔法瓶)を取り出して(サーモスの蓋を開け、カップをレイチェルに差し出す)] さあどうぞ。[レイチェルは(フィービーの出したカップを受け取らず)サーモスから直接飲む。レイチェルはサーモスを飲み干す] (気分)良くなった?)
レイチェル: No. Oh! I feel so stupid! Oh, I think about the other day with you guys, you know. And I was all, "Oh, Paolo! He's so great! He makes me feel so--" Ugh! God. I'm so embarrassed! (いいえ。あぁ! 私ってすっごくバカみたい! あぁ、あなたたちと一緒にいたあの日のことを考えると、ほら。私はすっかりこんな感じだったわ。『あぁ、パウロ! 彼ってすっごく素敵! 彼のおかげで私はとっても…な気持ちになるの…』 あぁ、なんてこと! 私はすっごく恥ずかしいわ! [キッチンのペーパータオルをぐるぐる引っ張る])
フィービー: I'm so embarrassed. I'm the one he hit on. (恥ずかしいのは私よ。彼がモーションかけた人間は私なのよ。)
レイチェル: Pheobe, I unleashed him on you. If I'd never met him, this would've never happend to you. (フィービー、私が彼をあなたに解き放ったのよ。もし私が彼と出会っていなかったら、あなたにこんなことは決して起こらなかったでしょうに。)
パウロがフィービーにモーションをかけてきたと聞いて、レイチェルは呆然としています。
ミルクが欲しいと言うレイチェルに、フィービーは I've got milk. と言って、バッグからサーモス(魔法瓶)を取り出します。
I've got = I have got は「getした」という get の現在完了形の形をしていますが、アメリカ英語では have got = have の意味でよく使われます。
この場合も「ミルクを持ってるわ。ミルクがあるわ」という have の意味で理解すればよいでしょう。
ちなみに、このミルクについては過去記事、フレンズ1-12その4 のコメント欄 で貴重なご意見をいただいたことがありました。
要約させていただくと、
・アメリカでは、興奮気味の人に対して(ぬるめの)ミルクで落ち着かせるという習慣がある。
・パウロの話を暴露したらレイチェルが動揺すると考え、クッキーとミルクを用意していたフィービーの準備万端さが笑いのポイント。
ということでした。
「魔法瓶に入れたミルク」すなわち「ホットミルク」を持参していたのはそういう習慣に絡めた笑いに繋がっていたということですね。
And I was all, “Oh, Paolo! He’s so great! ...” は 「私はすっかりこんな感じだったわ。『あぁ、パウロ! 彼ってすっごく素敵!・・・』」。
I was all ... は「私はすっかり…という感じだった」というニュアンス。
友達のフィービーにもちょっかいをかけて来たようなパウロについて「彼って素敵!」とのぼせあがっていたことを恥ずかしいと語るレイチェルに対し、フィービーも同じフレーズ I'm so embarrassed. を使って返しています。
フィービーの方は主語の I を強めに言っており、このような場合には「恥ずかしいのはあなたじゃなく私の方よ」というニュアンスが出ます。
hit on は「モーションをかける、ナンパする、言い寄る、口説く」なので、I'm the one he hit on. は「私は彼(パウロ)がモーションをかけた人間(相手)である」→「彼がモーションをかけた相手は私よ」ということ。
その次のレイチェルのセリフ、Pheobe, I unleashed him on you. について。
この部分の音声はやや聞き取りにくく、メディアによって英語字幕に違いがありました。
DVD: I pushed him on you.
Blu-ray : I unleashed him on you.
Netflix : I unleashed him on you.
このような字幕表記の違いがあることを踏まえて、再度、音声を聞き直してみると、
I unleashed him on you.
と言っているように感じました。
また、メディアの新旧を考えると DVD→Blu-ray→Netflix という順序なので、後発の Blu-ray と Netflix の字幕表記の方が正しいと考えるのが自然でしょう。
仮にそれぞれの和訳をつけるとすると、
DVD: I pushed him on you. (私があなたに彼を押し付けた。)
Blu-ray : I unleashed him on you. (私があなたに彼を解き放った。)
となります。
レイチェルはパウロとラブラブだったので「フィービーに押し付けた」ということはありませんから、「解き放った」と表現したと考える方が、話の流れ的にも正解だろうと思います。
If I'd never met him, this would've never happend to you. は典型的な仮定法過去完了の文で「もし私が彼と出会っていなかったら、あなたにこんなことは決して起こらなかったでしょうに」。
「私とパウロが出会ったという過去の事実がなければ、パウロがフィービーにちょっかいをかけてフィービーが不愉快な思いをするということも起らなかったのに」と言っていることになります。
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2022年12月26日
make a pass at someone フレンズ1-12改その11
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
12:40
[Scene: girls' apartment. Rachel folding and packing clothes in suitcases. Phoebe enters]
シーン:女子のアパートメント。レイチェルは服を畳んでスーツケースに詰めている。フィービーが入ってくる。
フィービー: Hey! (はーい!)
レイチェル: Hi, Pheebs. (はーい、フィーブス。)
フィービー: Are you moving out? (あなた、引っ越すの?)
レイチェル: No, these aren't all my suitcases. [picks up small blue suitcase and shows to Phoebe] This one's Paolo's. (いいえ、これは全部が私のスーツケースってわけじゃないの。[小さな青いスーツケースを持ち上げて、フィービーに見せる] このスーツケースはパウロのものよ。)
フィービー: Um, um, Rachel, can we talk for a sec? (あー、レイチェル、少し話せる?)
レイチェル: Well, sure. Just a sec, though, 'cause Paolo's on his way over. (そうね、いいわよ。でも少しだけね、だってパウロがこっちに向かってるところだから。)
フィービー: Oh! [sits down] Ok, um, ok, um. (あぁ! [座る] よし、あの、いいわ、あのね。)
レイチェル: Oh, Pheebs, Pheebs... (あぁ、フィーブス、フィーブス…… [手をぐるぐるして急ぐようにせかす])
フィービー: Ok, um, [clears throat] we haven't known each other for that long a time, and, um, there are three things that you should know about me. One, my friends are the most important thing in my life. Two, I never lie. And three, I make the best oatmeal raisin cookies in the world. [Phoebe opens a tin and offers Rachel a cookie] (いいわ、あの、[咳払いをする] 私たちはそんなに長くお互いを知ってるわけじゃないけど、私についてあなたが知っておくべきことが三つあるの。一つ、私の人生において友達は一番大切なもの。二つ、私は決して嘘をつかない。そして三つ、私は世界で最高のオートミール・レーズン・クッキーを作るの。[フィービーは缶を開け、レイチェルにクッキーを勧める])
レイチェル: [taking cookie] Ok, thanks, Pheebs. [takes bite of cookie, overwhelmed] Oh, my God. ([クッキーを手に取る]オッケー、ありがとう、フィーブス。[クッキーを一口食べて、圧倒される] あぁ、もう。)
フィービー: I know. (でしょ。)
レイチェル: Why have I never tasted these before? (どうして今までこのクッキーを私が味わうことがなかったの?[どうして今までこれを食べさせてもらえなかったの?])
フィービー: Oh, I don't make them a lot, because I don't think it's fair to the other cookies. (あぁ、そのクッキーはあまり作らないの、だって他のクッキーに不公平だと思うから。)
レイチェル: All right, well, you're right. These are the best oatmeal raisin cookies I've ever had. (いいわ、そうね、あなたは正しい。これは私が今まで食べた中で、最高のオートミール・レーズン・クッキーよ。)
フィービー: Which proves that I never lie. (それで私は嘘をつかないことが証明されるわよね。)
レイチェル: I guess you don't. (あなたは嘘はつかないと思うわ。)
フィービー: Paolo made a pass at me. (パウロが私にちょっかい(モーション)をかけてきたの。)
[Rachel looks stunned]
レイチェルは衝撃を受けた顔をする。
move out を直訳すると「外に動く」ということですが、このフレーズはもっぱら「引っ越す、引っ越して(ここを)出ていく」という意味で使われます。
レイチェルが大量の服を荷造りしている様子を見て、「まるで引っ越しでもするかのような大量の荷物ね」と言ったことになるでしょう。
それに対するレイチェルの返事、No, these aren't all my suitcases. について。
この英語のセリフは、DVDやBlu-rayでは、No, these aren't all of my suitcases. と表記されていたのですが、Netflix では、No, these aren't all my suitcases. と表記されていました。
(残念ながら、2022年10月31日に Netflix で「フレンズ」が配信終了してしまいましたが、、、泣)
「all の後に of があるかないか」の違いですが、実際の音声を聞くと、of のない all my suitcases が正しいように思います(つまり、Netflix の字幕の方が正しいと思われる、ということ)。
カタカナで書くと、もし of が入っているなら「オーロブ・マイ・スーツケイシズ」になるところですが、実際の発音は「オー・マイ・スーツケイシズ」という感じに聞こえるので、of はないと判断できると思うわけです。
of のありなしで和訳を考えてみると、
(1) of ありの場合
these aren't all of my suitcases. 「これらは私のスーツケースのすべて(全部)ではない」(これら≠(ノットイコール)私のスーツケースすべて)→「私のスーツケースは他にもある」
(2) of なしの場合
These aren't all my suitcases. 「これらはすべて私のスーツケースというわけではない」(not all 「すべてが〜というわけではない」という部分否定)→「私以外の人のスーツケースも含まれている」
という意味になると考えられます。
of なしの場合については、この all を名詞にかかる形容詞「すべての」という意味に捉えれば、all of my suitcases 「私のスーツケースのすべて」に近い意味の all my suitcases 「すべての私のスーツケース」という意味に解釈することも可能ですが、上に書いた (2) の解釈では、この all を副詞として捉え、aren't all は「すべて〜というわけではない」という部分否定だと解釈し、These are my suitcases. 「これらは私のスーツケースである」という文を部分否定した形の「すべてがそうだというわけではない」という意味だと考えたわけです。
実際、この後のレイチェルのセリフで、小さな青いスーツケースを見せて「このスーツケースはパウロのもの」と言っていますので、そのセリフの流れを考えても、「これらはすべて私のスーツケースというわけではない」という部分否定(of がないセリフ)だと判断できると思いました。
フィービー:引っ越しするみたいな大荷物ね。
レイチェル:全部が私の荷物ってわけじゃないわ。これはパウロの荷物だし。
と言って見せたのが小さめのバッグだったので、「否定してたけど、やっぱりこの大荷物のほとんどはレイチェルのものじゃないか」とツッコミたくなるようなオチだということでしょう。
can we talk for a sec? の sec は second 「秒」の略。
for a sec 「1秒間」で、「ちょっと、少し」という短い時間を表します。
Paolo's on his way over の on one's way over は「こちらに向かっている」。
よく使われる表現 on one's way home だと「家に帰る途中で、帰り道に」。
over は「越えて、向こうへ」という意味でよく使われますが、今回の over は「こちら側へ、話し手の方・家に」という意味で使われています。
このような over について、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
over : to, from, or in a particular place
例1) Come over here (= in or to the place where you are, from somewhere else)!
例2) Let's go over there (= in or to another place) and see what's happening.
つまり、「ある場所へ、ある場所から、ある場所(の中)で」。例文1は「こっちに来いよ!(自分がいるところに・ところへ、別の場所から)」。例文2は「向こうへ行こう、そして何が起こってるか見てみよう(別の場所に・場所へ)」。
over here 「こちらへ」、over there 「あちらへ」とどちらの方向にも over が使えるということです。
フィービーはレイチェルに話をしようとしますが、言いよどんで切り出すことができません。
荷造り中のレイチェルにせかされ、フィービーはようやく話し始めます。
we haven't known each other for that long a time は、not that 「そんなに〜ではない」の形が使われています。
we haven't known each other 「私たちはお互いを知らなかった」というように know を否定しているのではなく、「お互いを知っているのはそんなに長い間ってわけではない」というように long を否定していることになります。
「まだそんなに長い付き合いってほどじゃないけど、私についてこの3点だけは知っておいてほしいの」と話を始めたフィービーは、1. 友達が一番大切、2. 私は決して嘘をつかない、3. 私は世界最高のオートミール・レーズン・クッキーを作る、と語ります。
2番目の I never lie. は「決して〜しない」という強い否定語 never を使った現在形で、「私は決して嘘はつかない」という自分の習性や性格を語っていることになります。
フィービーが持参した缶に入っていたクッキーを一口食べたレイチェルは、表情と口調でそのおいしさに感動した様子を表現しています。
Why have I never tasted these before? を直訳すると「どうして私はこれまで、この(おいしい)クッキーを味わったことが一度もなかったの?」。
つまり「どうして今までこれを一度も食べたことがないの? どうして今まで作ってくれなかったの?」と言っていることになるでしょう。
I don't make them a lot, because I don't think it's fair to the other cookies. は 「そのクッキーはあまり作らないの。だって、他のクッキーに対して不公平だと思うから」。
私の作るクッキーはものすごくおいしいから、あんまりしょちゅう作ると、他のクッキーに悪いもの、という意味でしょう。
「他のクッキーに対して不公平だと思う」をそのまま英語にしようとすると、I think it's unfair to the other cookies. になりそうなところですが、英語では否定語はできるだけ前に来る傾向があるので、I think it's not fair や、I think it's unfair ではなくて、I don't think it's fair という形になるということです。
ですから、I don't think it's fair to the other cookies. を和訳する場合も、「他のクッキーに対して、公平(フェアー)だとは思わない」みたいに訳すのではなく、「不公平だと思う」のように訳した方が自然な日本語になるでしょう。
These are the best oatmeal raisin cookies I've ever had. は 「これは、今まで食べた中で、最高のオートミール・レーズン・クッキーよ」。
最上級と、経験を表す現在完了形との組み合わせで、このような「今まで〜した中で最高に・最高の…」という表現は会話でよく登場します。
Which proves that I never lie. は「そのことが、私は嘘をつかない、ということを証明する」。
その前にレイチェルが言ったこと、最高のクッキーだとレイチェルが認めたことが、私が嘘をつかないってことの証明になるでしょ、と言っています。
which は前の文、この場合は、直前のレイチェルのセリフ全体を指しています。
フィービーが語った3番目の「最高のクッキー」が真実であるとわかったので、2番目の「私は嘘をつかない」ということが真実だと証明されるということです。
I guess you don't. は I guess you don't lie. の lie が省略された形。
make a pass at は 「言い寄る、口説く、(性的な)ちょっかい・モーションをかける」。
過去記事、口説く、ちょっかいをかける フレンズ1-12改その8 で、セントラルパークにいる(レイチェル以外の)フレンズたちに、
フィービー: Well, he made a move on me. (その……彼(パウロ)が私にちょっかいをかけてきたの。)
と言っていたことがありましたが、その make a move on と、今回の make a pass at は似た表現になります。
LAAD では、
pass [noun] : an attempt to kiss or touch another person with the intention of starting a sexual relationship with them
例)Her boss made a pass at her.
つまり、名詞 pass は「ある人と性的な関係を始めたいという意図を持って、その人にキスやタッチをしようと試みること」。例文は「彼女のボスは彼女にモーションをかけてきた」。
Macmillan Dictionary では、
make a pass at someone :
to try to start a sexual relationship with someone, for example by talking to them or touching them in a sexual way
つまり、「誰かと性的な関係を始めようとすること、例えばその人に話しかけたり、性的な感じでその人にタッチしたりすることで」。
どちらの語義にも「性的な関係を始めようとしてタッチする(など)」とあるように、そういう下心を持ってお触りしてくることを指しており、マッサージ中にフィービーの脚やお尻を触ってきたパウロの行為にぴったりの表現だと言えるでしょう。
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12:40
[Scene: girls' apartment. Rachel folding and packing clothes in suitcases. Phoebe enters]
シーン:女子のアパートメント。レイチェルは服を畳んでスーツケースに詰めている。フィービーが入ってくる。
フィービー: Hey! (はーい!)
レイチェル: Hi, Pheebs. (はーい、フィーブス。)
フィービー: Are you moving out? (あなた、引っ越すの?)
レイチェル: No, these aren't all my suitcases. [picks up small blue suitcase and shows to Phoebe] This one's Paolo's. (いいえ、これは全部が私のスーツケースってわけじゃないの。[小さな青いスーツケースを持ち上げて、フィービーに見せる] このスーツケースはパウロのものよ。)
フィービー: Um, um, Rachel, can we talk for a sec? (あー、レイチェル、少し話せる?)
レイチェル: Well, sure. Just a sec, though, 'cause Paolo's on his way over. (そうね、いいわよ。でも少しだけね、だってパウロがこっちに向かってるところだから。)
フィービー: Oh! [sits down] Ok, um, ok, um. (あぁ! [座る] よし、あの、いいわ、あのね。)
レイチェル: Oh, Pheebs, Pheebs... (あぁ、フィーブス、フィーブス…… [手をぐるぐるして急ぐようにせかす])
フィービー: Ok, um, [clears throat] we haven't known each other for that long a time, and, um, there are three things that you should know about me. One, my friends are the most important thing in my life. Two, I never lie. And three, I make the best oatmeal raisin cookies in the world. [Phoebe opens a tin and offers Rachel a cookie] (いいわ、あの、[咳払いをする] 私たちはそんなに長くお互いを知ってるわけじゃないけど、私についてあなたが知っておくべきことが三つあるの。一つ、私の人生において友達は一番大切なもの。二つ、私は決して嘘をつかない。そして三つ、私は世界で最高のオートミール・レーズン・クッキーを作るの。[フィービーは缶を開け、レイチェルにクッキーを勧める])
レイチェル: [taking cookie] Ok, thanks, Pheebs. [takes bite of cookie, overwhelmed] Oh, my God. ([クッキーを手に取る]オッケー、ありがとう、フィーブス。[クッキーを一口食べて、圧倒される] あぁ、もう。)
フィービー: I know. (でしょ。)
レイチェル: Why have I never tasted these before? (どうして今までこのクッキーを私が味わうことがなかったの?[どうして今までこれを食べさせてもらえなかったの?])
フィービー: Oh, I don't make them a lot, because I don't think it's fair to the other cookies. (あぁ、そのクッキーはあまり作らないの、だって他のクッキーに不公平だと思うから。)
レイチェル: All right, well, you're right. These are the best oatmeal raisin cookies I've ever had. (いいわ、そうね、あなたは正しい。これは私が今まで食べた中で、最高のオートミール・レーズン・クッキーよ。)
フィービー: Which proves that I never lie. (それで私は嘘をつかないことが証明されるわよね。)
レイチェル: I guess you don't. (あなたは嘘はつかないと思うわ。)
フィービー: Paolo made a pass at me. (パウロが私にちょっかい(モーション)をかけてきたの。)
[Rachel looks stunned]
レイチェルは衝撃を受けた顔をする。
move out を直訳すると「外に動く」ということですが、このフレーズはもっぱら「引っ越す、引っ越して(ここを)出ていく」という意味で使われます。
レイチェルが大量の服を荷造りしている様子を見て、「まるで引っ越しでもするかのような大量の荷物ね」と言ったことになるでしょう。
それに対するレイチェルの返事、No, these aren't all my suitcases. について。
この英語のセリフは、DVDやBlu-rayでは、No, these aren't all of my suitcases. と表記されていたのですが、Netflix では、No, these aren't all my suitcases. と表記されていました。
(残念ながら、2022年10月31日に Netflix で「フレンズ」が配信終了してしまいましたが、、、泣)
「all の後に of があるかないか」の違いですが、実際の音声を聞くと、of のない all my suitcases が正しいように思います(つまり、Netflix の字幕の方が正しいと思われる、ということ)。
カタカナで書くと、もし of が入っているなら「オーロブ・マイ・スーツケイシズ」になるところですが、実際の発音は「オー・マイ・スーツケイシズ」という感じに聞こえるので、of はないと判断できると思うわけです。
of のありなしで和訳を考えてみると、
(1) of ありの場合
these aren't all of my suitcases. 「これらは私のスーツケースのすべて(全部)ではない」(これら≠(ノットイコール)私のスーツケースすべて)→「私のスーツケースは他にもある」
(2) of なしの場合
These aren't all my suitcases. 「これらはすべて私のスーツケースというわけではない」(not all 「すべてが〜というわけではない」という部分否定)→「私以外の人のスーツケースも含まれている」
という意味になると考えられます。
of なしの場合については、この all を名詞にかかる形容詞「すべての」という意味に捉えれば、all of my suitcases 「私のスーツケースのすべて」に近い意味の all my suitcases 「すべての私のスーツケース」という意味に解釈することも可能ですが、上に書いた (2) の解釈では、この all を副詞として捉え、aren't all は「すべて〜というわけではない」という部分否定だと解釈し、These are my suitcases. 「これらは私のスーツケースである」という文を部分否定した形の「すべてがそうだというわけではない」という意味だと考えたわけです。
実際、この後のレイチェルのセリフで、小さな青いスーツケースを見せて「このスーツケースはパウロのもの」と言っていますので、そのセリフの流れを考えても、「これらはすべて私のスーツケースというわけではない」という部分否定(of がないセリフ)だと判断できると思いました。
フィービー:引っ越しするみたいな大荷物ね。
レイチェル:全部が私の荷物ってわけじゃないわ。これはパウロの荷物だし。
と言って見せたのが小さめのバッグだったので、「否定してたけど、やっぱりこの大荷物のほとんどはレイチェルのものじゃないか」とツッコミたくなるようなオチだということでしょう。
can we talk for a sec? の sec は second 「秒」の略。
for a sec 「1秒間」で、「ちょっと、少し」という短い時間を表します。
Paolo's on his way over の on one's way over は「こちらに向かっている」。
よく使われる表現 on one's way home だと「家に帰る途中で、帰り道に」。
over は「越えて、向こうへ」という意味でよく使われますが、今回の over は「こちら側へ、話し手の方・家に」という意味で使われています。
このような over について、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
over : to, from, or in a particular place
例1) Come over here (= in or to the place where you are, from somewhere else)!
例2) Let's go over there (= in or to another place) and see what's happening.
つまり、「ある場所へ、ある場所から、ある場所(の中)で」。例文1は「こっちに来いよ!(自分がいるところに・ところへ、別の場所から)」。例文2は「向こうへ行こう、そして何が起こってるか見てみよう(別の場所に・場所へ)」。
over here 「こちらへ」、over there 「あちらへ」とどちらの方向にも over が使えるということです。
フィービーはレイチェルに話をしようとしますが、言いよどんで切り出すことができません。
荷造り中のレイチェルにせかされ、フィービーはようやく話し始めます。
we haven't known each other for that long a time は、not that 「そんなに〜ではない」の形が使われています。
we haven't known each other 「私たちはお互いを知らなかった」というように know を否定しているのではなく、「お互いを知っているのはそんなに長い間ってわけではない」というように long を否定していることになります。
「まだそんなに長い付き合いってほどじゃないけど、私についてこの3点だけは知っておいてほしいの」と話を始めたフィービーは、1. 友達が一番大切、2. 私は決して嘘をつかない、3. 私は世界最高のオートミール・レーズン・クッキーを作る、と語ります。
2番目の I never lie. は「決して〜しない」という強い否定語 never を使った現在形で、「私は決して嘘はつかない」という自分の習性や性格を語っていることになります。
フィービーが持参した缶に入っていたクッキーを一口食べたレイチェルは、表情と口調でそのおいしさに感動した様子を表現しています。
Why have I never tasted these before? を直訳すると「どうして私はこれまで、この(おいしい)クッキーを味わったことが一度もなかったの?」。
つまり「どうして今までこれを一度も食べたことがないの? どうして今まで作ってくれなかったの?」と言っていることになるでしょう。
I don't make them a lot, because I don't think it's fair to the other cookies. は 「そのクッキーはあまり作らないの。だって、他のクッキーに対して不公平だと思うから」。
私の作るクッキーはものすごくおいしいから、あんまりしょちゅう作ると、他のクッキーに悪いもの、という意味でしょう。
「他のクッキーに対して不公平だと思う」をそのまま英語にしようとすると、I think it's unfair to the other cookies. になりそうなところですが、英語では否定語はできるだけ前に来る傾向があるので、I think it's not fair や、I think it's unfair ではなくて、I don't think it's fair という形になるということです。
ですから、I don't think it's fair to the other cookies. を和訳する場合も、「他のクッキーに対して、公平(フェアー)だとは思わない」みたいに訳すのではなく、「不公平だと思う」のように訳した方が自然な日本語になるでしょう。
These are the best oatmeal raisin cookies I've ever had. は 「これは、今まで食べた中で、最高のオートミール・レーズン・クッキーよ」。
最上級と、経験を表す現在完了形との組み合わせで、このような「今まで〜した中で最高に・最高の…」という表現は会話でよく登場します。
Which proves that I never lie. は「そのことが、私は嘘をつかない、ということを証明する」。
その前にレイチェルが言ったこと、最高のクッキーだとレイチェルが認めたことが、私が嘘をつかないってことの証明になるでしょ、と言っています。
which は前の文、この場合は、直前のレイチェルのセリフ全体を指しています。
フィービーが語った3番目の「最高のクッキー」が真実であるとわかったので、2番目の「私は嘘をつかない」ということが真実だと証明されるということです。
I guess you don't. は I guess you don't lie. の lie が省略された形。
make a pass at は 「言い寄る、口説く、(性的な)ちょっかい・モーションをかける」。
過去記事、口説く、ちょっかいをかける フレンズ1-12改その8 で、セントラルパークにいる(レイチェル以外の)フレンズたちに、
フィービー: Well, he made a move on me. (その……彼(パウロ)が私にちょっかいをかけてきたの。)
と言っていたことがありましたが、その make a move on と、今回の make a pass at は似た表現になります。
LAAD では、
pass [noun] : an attempt to kiss or touch another person with the intention of starting a sexual relationship with them
例)Her boss made a pass at her.
つまり、名詞 pass は「ある人と性的な関係を始めたいという意図を持って、その人にキスやタッチをしようと試みること」。例文は「彼女のボスは彼女にモーションをかけてきた」。
Macmillan Dictionary では、
make a pass at someone :
to try to start a sexual relationship with someone, for example by talking to them or touching them in a sexual way
つまり、「誰かと性的な関係を始めようとすること、例えばその人に話しかけたり、性的な感じでその人にタッチしたりすることで」。
どちらの語義にも「性的な関係を始めようとしてタッチする(など)」とあるように、そういう下心を持ってお触りしてくることを指しており、マッサージ中にフィービーの脚やお尻を触ってきたパウロの行為にぴったりの表現だと言えるでしょう。
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2022年10月28日
『SHERLOCKで身につく英文法』本日発売です!
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は6位、「にほんブログ村」は24位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
私の著書11冊目『SHERLOCKで身につく英文法』が、本日2022年10月28日(金)に KADOKAWA より発売となります!
アマゾンではこちら。
Amazon.co.jp: SHERLOCKで身につく英文法
これまで、海外ドラマや洋画のセリフを例文として使った本を何冊も出させていただくことができましたが、「海外ドラマのセリフを例文にした英文法の本」は今回が初めてです。
私のこのブログでも、セリフの意味を解説する際には英文法の話をすることが多く、いつかセリフを例文にした英文法の本を出したいとずっと思ってきました。
11冊目にしてその願いが叶えられたことを本当に光栄でありがたく思っております。
大好きなドラマ『SHERLOCK』のセリフを英文法の例文に使えるなんて、シャーロキアンとしてこんなに嬉しいことはありません!
『SHERLOCK』はイギリスの大人気ドラマということで、既刊の2冊でも、そのセリフを使わせていただいたことがありました(2017年の『リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!』と2019年の『海外ドラマ英和辞典』)。
先ほど、自分のことをシャーロキアンだと説明しましたが、2017年に初めて自著で『SHERLOCK』のセリフを使わせてもらって以来、過去に出した3冊の著作の中で、シャーロック・ホームズシリーズの登場人物の名前を英語の例文の仮名に使ったことがありました。
1つ目
2017年の『リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!』 p.216の例文
Have you ever heard of a person called James Adler?
ジェームズ・アドラーって名前の人のこと、聞いたことある?
2つ目
2021年の『Avengers: Endgameで英語が話せる本 上』 別冊解説p.24の例文
I don’t think we’ve met. I’m James Adler.
初めまして、ですよね。私はジェームズ・アドラーです。
3つ目
2021年の『Avengers: Endgameで英語が話せる本 下』 別冊解説p.45の例文
Our baby’s name? Well, James, if it’s a boy, Irene, if it’s a girl.
赤ちゃんの名前? そうね、男の子ならジェームズ、女の子ならアイリーンね。
1つ目と2つ目については、例文に使う仮の名前として、「ジェームズ・アドラー(James Adler)」という名前を使っています。
これは「シャーロック・ホームズの宿敵」である、モリアーティ教授ことジェームズ・モリアーティ(James Moriarty)と、「シャーロック・ホームズにとっての the woman(あの女(ひと))」である、アイリーン・アドラー(Irene Adler)の二人の名前を足して二で割ったもの。
これが「アイリーン・モリアーティ」だったら、あまりにもバレバレだったでしょうが、逆の組み合わせを選ぶと意外と目を引かないものですね(^^)
3つ目では、赤ちゃんの男の子と女の子の名前候補として、二人のファーストネームを使っていました。
いつか『SHERLOCK』単独で本を出せることがあれば、以前からこんな風にひそかにシャーロキアンだとアピールをしてたんですよ、と言いたいなと思っていました。
ご披露ついでにもうひとつ。
シャーロキアンは世界中にそれはもう大勢いらっしゃいますが、世界中のシャーロキアンにうらやましがられるだろうということをひとつ自慢させて下さい。それは、、、
シャーロック・ホームズと誕生日が同じ。
ということ。
私は2005年にブログを開始して以来、ブログでもSNSでも自分の誕生日がいつかを言ったことはありませんでした。
生年に関しては、自分が共通一次世代であり、入試にリスニングがなかった時代の人間であることを示すために必要と思い、1969年であると言ってきましたが、誕生日は英語学習の経歴に何の関係もないので言う必要もないと思っていました。
ただ、これも先ほどの「ジェームズ・アドラー」の件と同じで、いつか『SHERLOCK』単独で本を出せることがあれば、シャーロキアンとして光栄すぎることなので言いたいな、とずっと思っておりましたので、今回晴れてご披露できてとても嬉しく思います♪
なお、誕生日が同じだからホームズを好きになったわけではなく、誕生日が一緒だとわかったのはホームズを好きになった後のこと。
『古畑任三郎スペシャル 黒岩博士の恐怖』で、西園寺くんが「古畑さんと誕生日が同じ有名人」としてシャーロック・ホームズを挙げた時、古畑さんが「ホント! 出来過ぎだよ。出来過ぎだよ。」と言っていたのですが、私もまさにそういう気持ちでした(古畑さんと同じというのも嬉しい)。
シャーロキアンだと名乗らせていただいたことに恥じぬよう、アーサー・コナン・ドイルの原作『シャーロック・ホームズシリーズ』、BBCドラマの『SHERLOCK』、どちらのファンの方にも楽しんでいただけるように丁寧に書かせていただいたつもりです。
「原作とのつながり」として、『SHERLOCK』に出てくる原作オマージュを解説するのは、書いている私自身もとても楽しかったです。
ドラマ『SHERLOCK』をまだ見たことがないという方は、現在、Amazon Prime Video で配信もされていますので、興味を持っていただけると嬉しいです。
大好きな『SHERLOCK』の英文法の本をこうして出させていただくことができましたのも、拙ブログを読み、応援して下さる皆様、拙著をお買い上げ下さった皆様のおかげと心より感謝しております。
本当にありがとうございます<(_ _)>
海外ドラマの生きたセリフから英語を学ぶことはこんなに楽しい、こんなに多くのことが学べる! ということをお伝えすることができるよう、これからも全力で頑張ります!
どうかこれからもよろしくお願いします。
これからも頑張れ〜! と応援して下さる方は、下のランキングをクリックしていただけると嬉しいです。
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私の著書11冊目『SHERLOCKで身につく英文法』が、本日2022年10月28日(金)に KADOKAWA より発売となります!
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Amazon.co.jp: SHERLOCKで身につく英文法
これまで、海外ドラマや洋画のセリフを例文として使った本を何冊も出させていただくことができましたが、「海外ドラマのセリフを例文にした英文法の本」は今回が初めてです。
私のこのブログでも、セリフの意味を解説する際には英文法の話をすることが多く、いつかセリフを例文にした英文法の本を出したいとずっと思ってきました。
11冊目にしてその願いが叶えられたことを本当に光栄でありがたく思っております。
大好きなドラマ『SHERLOCK』のセリフを英文法の例文に使えるなんて、シャーロキアンとしてこんなに嬉しいことはありません!
『SHERLOCK』はイギリスの大人気ドラマということで、既刊の2冊でも、そのセリフを使わせていただいたことがありました(2017年の『リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!』と2019年の『海外ドラマ英和辞典』)。
先ほど、自分のことをシャーロキアンだと説明しましたが、2017年に初めて自著で『SHERLOCK』のセリフを使わせてもらって以来、過去に出した3冊の著作の中で、シャーロック・ホームズシリーズの登場人物の名前を英語の例文の仮名に使ったことがありました。
1つ目
2017年の『リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!』 p.216の例文
Have you ever heard of a person called James Adler?
ジェームズ・アドラーって名前の人のこと、聞いたことある?
2つ目
2021年の『Avengers: Endgameで英語が話せる本 上』 別冊解説p.24の例文
I don’t think we’ve met. I’m James Adler.
初めまして、ですよね。私はジェームズ・アドラーです。
3つ目
2021年の『Avengers: Endgameで英語が話せる本 下』 別冊解説p.45の例文
Our baby’s name? Well, James, if it’s a boy, Irene, if it’s a girl.
赤ちゃんの名前? そうね、男の子ならジェームズ、女の子ならアイリーンね。
1つ目と2つ目については、例文に使う仮の名前として、「ジェームズ・アドラー(James Adler)」という名前を使っています。
これは「シャーロック・ホームズの宿敵」である、モリアーティ教授ことジェームズ・モリアーティ(James Moriarty)と、「シャーロック・ホームズにとっての the woman(あの女(ひと))」である、アイリーン・アドラー(Irene Adler)の二人の名前を足して二で割ったもの。
これが「アイリーン・モリアーティ」だったら、あまりにもバレバレだったでしょうが、逆の組み合わせを選ぶと意外と目を引かないものですね(^^)
3つ目では、赤ちゃんの男の子と女の子の名前候補として、二人のファーストネームを使っていました。
いつか『SHERLOCK』単独で本を出せることがあれば、以前からこんな風にひそかにシャーロキアンだとアピールをしてたんですよ、と言いたいなと思っていました。
ご披露ついでにもうひとつ。
シャーロキアンは世界中にそれはもう大勢いらっしゃいますが、世界中のシャーロキアンにうらやましがられるだろうということをひとつ自慢させて下さい。それは、、、
シャーロック・ホームズと誕生日が同じ。
ということ。
私は2005年にブログを開始して以来、ブログでもSNSでも自分の誕生日がいつかを言ったことはありませんでした。
生年に関しては、自分が共通一次世代であり、入試にリスニングがなかった時代の人間であることを示すために必要と思い、1969年であると言ってきましたが、誕生日は英語学習の経歴に何の関係もないので言う必要もないと思っていました。
ただ、これも先ほどの「ジェームズ・アドラー」の件と同じで、いつか『SHERLOCK』単独で本を出せることがあれば、シャーロキアンとして光栄すぎることなので言いたいな、とずっと思っておりましたので、今回晴れてご披露できてとても嬉しく思います♪
なお、誕生日が同じだからホームズを好きになったわけではなく、誕生日が一緒だとわかったのはホームズを好きになった後のこと。
『古畑任三郎スペシャル 黒岩博士の恐怖』で、西園寺くんが「古畑さんと誕生日が同じ有名人」としてシャーロック・ホームズを挙げた時、古畑さんが「ホント! 出来過ぎだよ。出来過ぎだよ。」と言っていたのですが、私もまさにそういう気持ちでした(古畑さんと同じというのも嬉しい)。
シャーロキアンだと名乗らせていただいたことに恥じぬよう、アーサー・コナン・ドイルの原作『シャーロック・ホームズシリーズ』、BBCドラマの『SHERLOCK』、どちらのファンの方にも楽しんでいただけるように丁寧に書かせていただいたつもりです。
「原作とのつながり」として、『SHERLOCK』に出てくる原作オマージュを解説するのは、書いている私自身もとても楽しかったです。
ドラマ『SHERLOCK』をまだ見たことがないという方は、現在、Amazon Prime Video で配信もされていますので、興味を持っていただけると嬉しいです。
大好きな『SHERLOCK』の英文法の本をこうして出させていただくことができましたのも、拙ブログを読み、応援して下さる皆様、拙著をお買い上げ下さった皆様のおかげと心より感謝しております。
本当にありがとうございます<(_ _)>
海外ドラマの生きたセリフから英語を学ぶことはこんなに楽しい、こんなに多くのことが学べる! ということをお伝えすることができるよう、これからも全力で頑張ります!
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2022年10月24日
意見が合わないことを示す I don't know フレンズ1-12改その10
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11:52
ジョーイ: Will you pick one? Just pick one. Here, how about that one? [points to a table] ((テーブルを)一つ選べよ。ただ(とにかく)一つ選べ。ほら、あれはどうだ? [あるテーブルを指さす])
チャンドラー: That's patio furniture. (あれはパティオ(中庭)の家具だ。)
ジョーイ: So what? Like people are gonna come in and think, "Uh-oh, I'm outside again." (それが何だよ? 人が(部屋に)入ってきてこう思う、みたいな? 「おっとー、俺はまた外にいるぞ」って。)
チャンドラー: Fine. [gesturing towards another table] What about the birds? (いいさ[結構だ]。[別のテーブルを示すしぐさをして] あの鳥(柄)はどうだ?)
ジョーイ: I don't know. Birds just don't say, "Hello, sit here. Eat something." (どうかな。鳥は「こんにちは、ここに座って。何か食べて」って感じじゃないよ。)
チャンドラー: You pick one. ((じゃあ)お前が選べ。)
ジョーイ: All right, how about the ladybugs? (わかった、あのテントウムシはどうだ?)
チャンドラー: Oh, so forget about the birds, but big red insects suggest fine dining? (おぉ、それじゃあその鳥は忘れてくれ、でも大きな赤い虫は素敵な食事を示唆するんだな?)
ジョーイ: Fine! You want to get the birds? Get the birds! (いいさ! お前は鳥(柄の机)を買いたいんだな? (じゃあ)鳥(柄)を買えよ!)
チャンドラー: Not like that, I won't. [pauses] Kip would’ve liked the birds. [Joey turns and gives Chandler a dirty look] (そういうんじゃない、俺は買わないよ。[間があって] キップなら鳥を気に入ってくれてただろうに。[ジョーイは振り返り、チャンドラーに怒った顔をする])
Will you pick one? と言った後、Just pick one. と続けています。
このように命令形に just を付けると、「ただ〜しろ、つべこべ言わずに(とにかく)〜しろ」というニュアンスが出ます。
So what? は「それが何だよ? それがどうしたって言うんだよ?」という感覚。
日本語でも「それが何か?」と言うと、「それが何か問題でも?」というような相手に挑む感じが出ますが、それと同じようなニュアンスがあります。
Like people are gonna の Like SV は「SがVするみたいな(こと)」という感覚。
Fine. は、怒っている時の不満な気持ちを表現した言葉。
パティオ(中庭)のテーブルを選んだジョーイに対して、チャンドラーは鳥の柄のテーブルを示します。
ジョーイの I don't know. について。
I don't know. と言うと、「知らない、わからない」という意味がまず頭に浮かびがちですが、今回の場合は「(それは)どうかな」という日本語が似つかわしいでしょう。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
I don't know
used to show that you disagree slightly with what has just been said
例)"I couldn't live there." "Oh, I don't know. It might not be so bad."
つまり、「たった今、言われたばかりのことに対して少し意見が合わないことを示す時に使われる」。
例文は「私はそこには住めないわ」「あぁ、(それは)どうかな。そんなに悪くないかもよ」
チャンドラーが鳥柄を提案したところ、ジョーイは「ここに座って、何か食べて」って感じじゃないと否定し、チャンドラーは You pick one. と言っています。
命令文は通常、動詞の原形で始まりますが、このようにわかりきった主語の You をつけることで、命令文をさらに強調する効果が生まれます。
主語をわざわざつけた感じを出すために、日本語でも「お前が選べ(よ)」のように「お前が」をつけると、そのニュアンスを表現することができるでしょう。
ladybug は「テントウムシ」。
big red insects は「大きな赤い虫(昆虫)」。
テントウムシのことを、わざと「大きな赤い虫」と表現しています。
鳥を却下しておいて、代わりに出してきたのが「ムシ」かよ?! と怒っているのを表現するため、insects 「虫(ムシ)」の部分を強調しています。
You want to get the birds? Get the birds! について。
「お前が〜したいなら、〜しろ」は、"You want to 動詞? 動詞の原形(命令形)" という形になるために、get the birds というフレーズが2回繰り返されることになります。
最初は疑問文なので上がり調子、後の命令形は下がり調子になりますが、同じフレーズの繰り返しが面白いリズムを作り出していると感じます。
日本語で言うと「買いたきゃ買え!」というところで、ここでは怒りながら言っているので、「お前の好きにすればいいさ」的な投げやりなニュアンスが感じられます。
Not like that は「そういうのではない」ということですから、まさに日本語の「そういうんじゃない」という感覚。
Kip would’ve liked the birds. は「(元ルームメートの)キップなら、鳥柄を気に入ってくれただろうに」。
would には、もしキップなら、という仮定の意味が込められています。
キップなら俺の決めたことに素直に賛同してくれたのにな、と前のルームメイトと比較しているセリフで、前にもキップの名前を出した時にやきもちのようなことを言っていたジョーイは、今回もその名前を聞いて怒った顔をすることになります。
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11:52
ジョーイ: Will you pick one? Just pick one. Here, how about that one? [points to a table] ((テーブルを)一つ選べよ。ただ(とにかく)一つ選べ。ほら、あれはどうだ? [あるテーブルを指さす])
チャンドラー: That's patio furniture. (あれはパティオ(中庭)の家具だ。)
ジョーイ: So what? Like people are gonna come in and think, "Uh-oh, I'm outside again." (それが何だよ? 人が(部屋に)入ってきてこう思う、みたいな? 「おっとー、俺はまた外にいるぞ」って。)
チャンドラー: Fine. [gesturing towards another table] What about the birds? (いいさ[結構だ]。[別のテーブルを示すしぐさをして] あの鳥(柄)はどうだ?)
ジョーイ: I don't know. Birds just don't say, "Hello, sit here. Eat something." (どうかな。鳥は「こんにちは、ここに座って。何か食べて」って感じじゃないよ。)
チャンドラー: You pick one. ((じゃあ)お前が選べ。)
ジョーイ: All right, how about the ladybugs? (わかった、あのテントウムシはどうだ?)
チャンドラー: Oh, so forget about the birds, but big red insects suggest fine dining? (おぉ、それじゃあその鳥は忘れてくれ、でも大きな赤い虫は素敵な食事を示唆するんだな?)
ジョーイ: Fine! You want to get the birds? Get the birds! (いいさ! お前は鳥(柄の机)を買いたいんだな? (じゃあ)鳥(柄)を買えよ!)
チャンドラー: Not like that, I won't. [pauses] Kip would’ve liked the birds. [Joey turns and gives Chandler a dirty look] (そういうんじゃない、俺は買わないよ。[間があって] キップなら鳥を気に入ってくれてただろうに。[ジョーイは振り返り、チャンドラーに怒った顔をする])
Will you pick one? と言った後、Just pick one. と続けています。
このように命令形に just を付けると、「ただ〜しろ、つべこべ言わずに(とにかく)〜しろ」というニュアンスが出ます。
So what? は「それが何だよ? それがどうしたって言うんだよ?」という感覚。
日本語でも「それが何か?」と言うと、「それが何か問題でも?」というような相手に挑む感じが出ますが、それと同じようなニュアンスがあります。
Like people are gonna の Like SV は「SがVするみたいな(こと)」という感覚。
Fine. は、怒っている時の不満な気持ちを表現した言葉。
パティオ(中庭)のテーブルを選んだジョーイに対して、チャンドラーは鳥の柄のテーブルを示します。
ジョーイの I don't know. について。
I don't know. と言うと、「知らない、わからない」という意味がまず頭に浮かびがちですが、今回の場合は「(それは)どうかな」という日本語が似つかわしいでしょう。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
I don't know
used to show that you disagree slightly with what has just been said
例)"I couldn't live there." "Oh, I don't know. It might not be so bad."
つまり、「たった今、言われたばかりのことに対して少し意見が合わないことを示す時に使われる」。
例文は「私はそこには住めないわ」「あぁ、(それは)どうかな。そんなに悪くないかもよ」
チャンドラーが鳥柄を提案したところ、ジョーイは「ここに座って、何か食べて」って感じじゃないと否定し、チャンドラーは You pick one. と言っています。
命令文は通常、動詞の原形で始まりますが、このようにわかりきった主語の You をつけることで、命令文をさらに強調する効果が生まれます。
主語をわざわざつけた感じを出すために、日本語でも「お前が選べ(よ)」のように「お前が」をつけると、そのニュアンスを表現することができるでしょう。
ladybug は「テントウムシ」。
big red insects は「大きな赤い虫(昆虫)」。
テントウムシのことを、わざと「大きな赤い虫」と表現しています。
鳥を却下しておいて、代わりに出してきたのが「ムシ」かよ?! と怒っているのを表現するため、insects 「虫(ムシ)」の部分を強調しています。
You want to get the birds? Get the birds! について。
「お前が〜したいなら、〜しろ」は、"You want to 動詞? 動詞の原形(命令形)" という形になるために、get the birds というフレーズが2回繰り返されることになります。
最初は疑問文なので上がり調子、後の命令形は下がり調子になりますが、同じフレーズの繰り返しが面白いリズムを作り出していると感じます。
日本語で言うと「買いたきゃ買え!」というところで、ここでは怒りながら言っているので、「お前の好きにすればいいさ」的な投げやりなニュアンスが感じられます。
Not like that は「そういうのではない」ということですから、まさに日本語の「そういうんじゃない」という感覚。
Kip would’ve liked the birds. は「(元ルームメートの)キップなら、鳥柄を気に入ってくれただろうに」。
would には、もしキップなら、という仮定の意味が込められています。
キップなら俺の決めたことに素直に賛同してくれたのにな、と前のルームメイトと比較しているセリフで、前にもキップの名前を出した時にやきもちのようなことを言っていたジョーイは、今回もその名前を聞いて怒った顔をすることになります。
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