2022年10月28日

『SHERLOCKで身につく英文法』本日発売です!

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は6位、「にほんブログ村」は24位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
にほんブログ村 英語ブログへ


私の著書11冊目『SHERLOCKで身につく英文法』が、本日2022年10月28日(金)に KADOKAWA より発売となります!

アマゾンではこちら。
Amazon.co.jp: SHERLOCKで身につく英文法

221028_Sherlock_grammar_480px.jpg

これまで、海外ドラマや洋画のセリフを例文として使った本を何冊も出させていただくことができましたが、「海外ドラマのセリフを例文にした英文法の本」は今回が初めてです。
私のこのブログでも、セリフの意味を解説する際には英文法の話をすることが多く、いつかセリフを例文にした英文法の本を出したいとずっと思ってきました。
11冊目にしてその願いが叶えられたことを本当に光栄でありがたく思っております。
大好きなドラマ『SHERLOCK』のセリフを英文法の例文に使えるなんて、シャーロキアンとしてこんなに嬉しいことはありません!

『SHERLOCK』はイギリスの大人気ドラマということで、既刊の2冊でも、そのセリフを使わせていただいたことがありました(2017年の『リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!』と2019年の『海外ドラマ英和辞典』)。
先ほど、自分のことをシャーロキアンだと説明しましたが、2017年に初めて自著で『SHERLOCK』のセリフを使わせてもらって以来、過去に出した3冊の著作の中で、シャーロック・ホームズシリーズの登場人物の名前を英語の例文の仮名に使ったことがありました。

1つ目
2017年の『リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!』 p.216の例文
Have you ever heard of a person called James Adler?
ジェームズ・アドラーって名前の人のこと、聞いたことある?

2つ目
2021年の『Avengers: Endgameで英語が話せる本 上』 別冊解説p.24の例文
I don’t think we’ve met. I’m James Adler.
初めまして、ですよね。私はジェームズ・アドラーです。

3つ目
2021年の『Avengers: Endgameで英語が話せる本 下』 別冊解説p.45の例文
Our baby’s name? Well, James, if it’s a boy, Irene, if it’s a girl.
赤ちゃんの名前? そうね、男の子ならジェームズ、女の子ならアイリーンね。

221028_Adler_1200px646px.jpg

1つ目と2つ目については、例文に使う仮の名前として、「ジェームズ・アドラー(James Adler)」という名前を使っています。
これは「シャーロック・ホームズの宿敵」である、モリアーティ教授ことジェームズ・モリアーティ(James Moriarty)と、「シャーロック・ホームズにとっての the woman(あの女(ひと))」である、アイリーン・アドラー(Irene Adler)の二人の名前を足して二で割ったもの。
これが「アイリーン・モリアーティ」だったら、あまりにもバレバレだったでしょうが、逆の組み合わせを選ぶと意外と目を引かないものですね(^^)
3つ目では、赤ちゃんの男の子と女の子の名前候補として、二人のファーストネームを使っていました。

いつか『SHERLOCK』単独で本を出せることがあれば、以前からこんな風にひそかにシャーロキアンだとアピールをしてたんですよ、と言いたいなと思っていました。

ご披露ついでにもうひとつ。
シャーロキアンは世界中にそれはもう大勢いらっしゃいますが、世界中のシャーロキアンにうらやましがられるだろうということをひとつ自慢させて下さい。それは、、、

シャーロック・ホームズと誕生日が同じ。

ということ。

221028_birthday_480px.jpg

私は2005年にブログを開始して以来、ブログでもSNSでも自分の誕生日がいつかを言ったことはありませんでした。
生年に関しては、自分が共通一次世代であり、入試にリスニングがなかった時代の人間であることを示すために必要と思い、1969年であると言ってきましたが、誕生日は英語学習の経歴に何の関係もないので言う必要もないと思っていました。
ただ、これも先ほどの「ジェームズ・アドラー」の件と同じで、いつか『SHERLOCK』単独で本を出せることがあれば、シャーロキアンとして光栄すぎることなので言いたいな、とずっと思っておりましたので、今回晴れてご披露できてとても嬉しく思います♪

なお、誕生日が同じだからホームズを好きになったわけではなく、誕生日が一緒だとわかったのはホームズを好きになった後のこと。
『古畑任三郎スペシャル 黒岩博士の恐怖』で、西園寺くんが「古畑さんと誕生日が同じ有名人」としてシャーロック・ホームズを挙げた時、古畑さんが「ホント! 出来過ぎだよ。出来過ぎだよ。」と言っていたのですが、私もまさにそういう気持ちでした(古畑さんと同じというのも嬉しい)。

シャーロキアンだと名乗らせていただいたことに恥じぬよう、アーサー・コナン・ドイルの原作『シャーロック・ホームズシリーズ』、BBCドラマの『SHERLOCK』、どちらのファンの方にも楽しんでいただけるように丁寧に書かせていただいたつもりです。
「原作とのつながり」として、『SHERLOCK』に出てくる原作オマージュを解説するのは、書いている私自身もとても楽しかったです。
ドラマ『SHERLOCK』をまだ見たことがないという方は、現在、Amazon Prime Video で配信もされていますので、興味を持っていただけると嬉しいです。

大好きな『SHERLOCK』の英文法の本をこうして出させていただくことができましたのも、拙ブログを読み、応援して下さる皆様、拙著をお買い上げ下さった皆様のおかげと心より感謝しております。
本当にありがとうございます<(_ _)>

海外ドラマの生きたセリフから英語を学ぶことはこんなに楽しい、こんなに多くのことが学べる! ということをお伝えすることができるよう、これからも全力で頑張ります!
どうかこれからもよろしくお願いします。

これからも頑張れ〜! と応援して下さる方は、下のランキングをクリックしていただけると嬉しいです。
にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 11:21| Comment(7) | 著書11冊目 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年10月24日

意見が合わないことを示す I don't know フレンズ1-12改その10

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は6位、「にほんブログ村」は21位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
にほんブログ村 英語ブログへ


11:52
ジョーイ: Will you pick one? Just pick one. Here, how about that one? [points to a table] ((テーブルを)一つ選べよ。ただ(とにかく)一つ選べ。ほら、あれはどうだ? [あるテーブルを指さす])
チャンドラー: That's patio furniture. (あれはパティオ(中庭)の家具だ。)
ジョーイ: So what? Like people are gonna come in and think, "Uh-oh, I'm outside again." (それが何だよ? 人が(部屋に)入ってきてこう思う、みたいな? 「おっとー、俺はまた外にいるぞ」って。)
チャンドラー: Fine. [gesturing towards another table] What about the birds? (いいさ[結構だ]。[別のテーブルを示すしぐさをして] あの鳥(柄)はどうだ?)
ジョーイ: I don't know. Birds just don't say, "Hello, sit here. Eat something." (どうかな。鳥は「こんにちは、ここに座って。何か食べて」って感じじゃないよ。)
チャンドラー: You pick one. ((じゃあ)お前が選べ。)
ジョーイ: All right, how about the ladybugs? (わかった、あのテントウムシはどうだ?)
チャンドラー: Oh, so forget about the birds, but big red insects suggest fine dining? (おぉ、それじゃあその鳥は忘れてくれ、でも大きな赤い虫は素敵な食事を示唆するんだな?)
ジョーイ: Fine! You want to get the birds? Get the birds! (いいさ! お前は鳥(柄の机)を買いたいんだな? (じゃあ)鳥(柄)を買えよ!)
チャンドラー: Not like that, I won't. [pauses] Kip would’ve liked the birds. [Joey turns and gives Chandler a dirty look] (そういうんじゃない、俺は買わないよ。[間があって] キップなら鳥を気に入ってくれてただろうに。[ジョーイは振り返り、チャンドラーに怒った顔をする])

Will you pick one? と言った後、Just pick one. と続けています。
このように命令形に just を付けると、「ただ〜しろ、つべこべ言わずに(とにかく)〜しろ」というニュアンスが出ます。

So what? は「それが何だよ? それがどうしたって言うんだよ?」という感覚。
日本語でも「それが何か?」と言うと、「それが何か問題でも?」というような相手に挑む感じが出ますが、それと同じようなニュアンスがあります。

Like people are gonna の Like SV は「SがVするみたいな(こと)」という感覚。
Fine. は、怒っている時の不満な気持ちを表現した言葉。
パティオ(中庭)のテーブルを選んだジョーイに対して、チャンドラーは鳥の柄のテーブルを示します。

ジョーイの I don't know. について。
I don't know. と言うと、「知らない、わからない」という意味がまず頭に浮かびがちですが、今回の場合は「(それは)どうかな」という日本語が似つかわしいでしょう。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
I don't know
used to show that you disagree slightly with what has just been said
例)"I couldn't live there." "Oh, I don't know. It might not be so bad."


つまり、「たった今、言われたばかりのことに対して少し意見が合わないことを示す時に使われる」。
例文は「私はそこには住めないわ」「あぁ、(それは)どうかな。そんなに悪くないかもよ」

チャンドラーが鳥柄を提案したところ、ジョーイは「ここに座って、何か食べて」って感じじゃないと否定し、チャンドラーは You pick one. と言っています。
命令文は通常、動詞の原形で始まりますが、このようにわかりきった主語の You をつけることで、命令文をさらに強調する効果が生まれます。
主語をわざわざつけた感じを出すために、日本語でも「お前が選べ(よ)」のように「お前が」をつけると、そのニュアンスを表現することができるでしょう。

ladybug は「テントウムシ」。
big red insects は「大きな赤い虫(昆虫)」。
テントウムシのことを、わざと「大きな赤い虫」と表現しています。
鳥を却下しておいて、代わりに出してきたのが「ムシ」かよ?! と怒っているのを表現するため、insects 「虫(ムシ)」の部分を強調しています。

You want to get the birds? Get the birds! について。
「お前が〜したいなら、〜しろ」は、"You want to 動詞? 動詞の原形(命令形)" という形になるために、get the birds というフレーズが2回繰り返されることになります。
最初は疑問文なので上がり調子、後の命令形は下がり調子になりますが、同じフレーズの繰り返しが面白いリズムを作り出していると感じます。
日本語で言うと「買いたきゃ買え!」というところで、ここでは怒りながら言っているので、「お前の好きにすればいいさ」的な投げやりなニュアンスが感じられます。

Not like that は「そういうのではない」ということですから、まさに日本語の「そういうんじゃない」という感覚。

Kip would’ve liked the birds. は「(元ルームメートの)キップなら、鳥柄を気に入ってくれただろうに」。
would には、もしキップなら、という仮定の意味が込められています。
キップなら俺の決めたことに素直に賛同してくれたのにな、と前のルームメイトと比較しているセリフで、前にもキップの名前を出した時にやきもちのようなことを言っていたジョーイは、今回もその名前を聞いて怒った顔をすることになります。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 11:13| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月04日

could have+過去分詞 フレンズ1-12改その9

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は8位、「にほんブログ村」は18位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
にほんブログ村 英語ブログへ


0:10:48
モニカ: What happened? (何があったの?)
フィービー: He came in for a massage... and everything was fine until... (彼(パウロ)がマッサージのために(部屋に)入ってきて…それで、すべては順調だったのよ、その時までは…)
マッサージ中にフィービーの脚(太もも)を触っているパウロの映像。
ジョーイ&チャンドラー: Whoa! (おー!)
ロス: Oh, my God. (なんてこった。)
モニカ: Are you sure? (確かなの?)
[Flashback: Paolo, lying on massage table, grabs Phoebe's butt]
フラッシュバック:マッサージ台に寝ているパウロがフィービーのお尻を掴む。
フィービー: Oh, yeah, I'm sure. [Flashback resumes while Phoebe does voice-over] And all of a sudden, his hands weren't the problem anymore. [Flashback continues: Paolo rolls over, Phoebe looks down, then quickly looks up, bites lip, shakes her head] (ええ、確かよ。[フィービーの声がボイスオーバーしながら、フラッシュバック映像が再開する] それから突然、彼の手はもう問題ではなくなってたの。[フラッシュバックが続く:パウロは寝返り[うつぶせから向きを変え]、フィービーは視線を下にやる、それから急いで視線を上に向ける、唇を噛んで、頭を振る])
モニカ: Was it...? (それが…だったの?)
フィービー: Oh, boy scouts could've camped under there. (ボーイスカウトがその下でキャンプできたでしょうね[できそう(なくらい)だったわ]。)
男性陣: Ooh. (ウー。)
[Rachel runs over]
レイチェルが走ってくる。
レイチェル: "Ooh," what?(ウー、何?)
フィービー: --ma (Uma) Thurman. ((ウー)マ・サーマン。)
モニカ: Oh! (あぁ!)
ロス: The actress! (あの女優!)
みんな: Uma Thurman! (ウーマ[ユマ]・サーマン!)
[all talking indistinctly, high-fiving]
みんなは何やら(不明瞭に)話し、ハイ・ファイブする。
ロス: Thanks, Rach. (ありがとう、レイチ。)
[Rachel walks away]
レイチェルは歩き去る。
チャンドラー: So what are you gonna do? (それでフィービーはどうするつもりだ?)
ロス: You have to tell her. You have to tell her! It's your moral obligation as a friend, as a woman. I think it's a feminist issue. Guys? Guys? [waiting for guys to chime in] (レイチェルに言わなきゃだめだよ。彼女に言わなきゃ! 道徳的責務だよ、友達として、女性としての。フェミニスト問題だと思う。(そうだろ?) 男性陣? 男性陣? [男性陣が同意するのを待ちながら])
チャンドラー: Oh, yeah. You have to tell her. (あぁ、そうだ。彼女に言わなきゃだめだ。)
ジョーイ: Feminist issue? That's where I went. (フェミニスト・イシュー? そこ、俺が行った場所だ[そこに俺、行ったよ]。)
フィービー: She is gonna hate me! (レイチェルに憎まれちゃうわ!)
ロス: [sympathetic yet...] Yeah, well. ([同情的なようだが…] そうだね、まあ。)

前回解説したシーンで、「(レイチェルの恋人である)パウロが私にちょっかいをかけてきた」とフィービーが言い、その後の話を(レイチェル以外の)フレンズたちが聞いているところ。
He came in for a massage... and everything was fine until... を聞こえた通りにイメージすると「彼(パウロ)はマッサージのために部屋に入ってきた…そしてすべては順調だった、〜までは」となるでしょう。
「〜までは順調だった・問題なかった」という話の流れから、until の後に何かしらの問題が語られることが想像できます。
until の後、フィービーはその場にいるフレンズたちに対して、口頭で状況を説明したでしょうが、画面ではその時の様子を映像で見せる形のフラッシュバック形式をとっています。
映像の通り、まずはフィービーの脚(太もも)をお触りしてきたパウロですが、モニカが「確かなの?」と尋ねた後、フラッシュバック映像が再開し、今度はお尻をぐっと掴む様子が映ります。
脚に触れた程度ではなく、お尻をぐっと掴まれたんだから私の勘違いなんかじゃない、というところですが、Oh yeah, I'm sure. 「ええ、確かよ(間違いないわ)」と言いながら、何だかちょっと嬉しそうに一瞬笑顔を見せるのにも笑えます。

And all of a sudden, his hands weren't the problem anymore. は「それから突然、彼の手はもう問題ではなくなっていた」。
私の脚やお尻を触ってきたという「手」はもはや問題ではなくなってた、ということから、問題はお触りだけではなかったことが察せられます。
お触り以上の問題については、その後のフラッシュバック映像でフィービーが見た視線の先に問題があったことがわかりますが、それをフィービーは、boy scouts ... と表現しています。
Boy scouts could've camped under there. は「ボーイスカウトがその下でキャンプできたでしょう[できそう(なくらい)だった]」。
camp はここでは動詞で「キャンプする、テントを張る、野営・野宿する」。
could have+過去分詞は「(もし〜だったら)…できただろう(に)」というニュアンス。
「やろうと思えば、ボーイスカウトがその下でキャンプができたでしょうね、キャンプできそうなくらい[ほど]だった」ということで、ボーイスカウトがキャンプをするために立てるテントのように、パウロの大事な部分を覆ったタオルが、その部分だけ大きく盛り上がっていたことを示唆しています。
日本語でも「ズボンにテントを張る」のような表現があったりするので、「テント」のことだとわかればイメージも湧きやすいでしょう。
フィービーのお尻を触ったのはアクシデントや偶然ではなく、パウロはフィービーを誘う気満々だった、ということがわかるということです。

フィービーのその表現を聞いて男性陣が Ooh. 「ウー」と言ったのを聞いて、その場にはいなかったレイチェルが寄ってきて、"Ooh," what? 「ウー、って何?」と尋ねます。
レイチェルの恋人パウロがフィービーを誘おうとしていたとも言えず、フィービーはとっさに、「ウー」に続ける形で、--ma Thurman. と答えます。
Uma Thurman は「ユマ・サーマン」。「パルプ・フィクション」「キル・ビル」などで有名なアメリカの女優さん。
日本では「ユマ」と表記されていますが、実際の英語の発音は「ウーマ」が近いです。
「ウー」と言っていた会話の内容をごまかそうと、ウーのつくものを探し、ちょうどウーで始まる、「ウーマ・サーマン」の名前を出した、という流れです。
名前の読みを「ユマ・サーマン」だと思っている日本人には、ちょっとわかりにくいジョークだったかもしれません。

レイチェルが去り、ロスは「フィービーはそのことをレイチェルに言わなきゃだめだ」と強く主張しています。
moral obligation は「道徳的義務・責任」。
issue は「問題(点)、争点、論点」。

feminist は「男女同権主義者」。
少し前の日本では「女性に甘い、女性に優しい男性」という意味でフェミニストという言葉が使われていたような気がしますが、英語の feminist にはそういう意味はありません。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
feminist : someone who supports the idea that women should have the same rights and opportunities as men
つまり、「女性は男性と同じ権利と機会を持つべきだという考えを支持する人」。

マッサージという仕事中にエッチなモーションをかけるなんてことは、女性を性的対象としてしか見ていない、男女同権者にとっては大問題になるような行為だ、とロスは言おうとしていることになります。
レイチェルが好きなロスとしては、今回のパウロの行為が元で、レイチェルがパウロを嫌い別れたらいいと思っているのは明らかですが、そういう本音を隠すために「女性としてそんなことをされたら怒るべきだし、同じ女性であるレイチェルにそれを告げるべきだ」という男女同権論を建て前にしているということです。

ロスは「僕は男性としてそう進言する。他の男性陣もそう思うよな?」という感じで、一緒に聞いていたチャンドラーとジョーイに Guys? Guys? と同意の言葉を求めます。
チャンドラーは(いつものようにジョークにすることはなく)「フィービーはレイチェルに言うべきだ」と素直に同意し、その後でジョーイは Feminist issue? That's where I went. と続けます。

そのジョーイのセリフ、Feminist issue? That's where I went. について。
このセリフを直訳すると「フェミニスト問題? それは俺が行った場所だ」になるでしょうか。
That's the place where I went. のように「場所」を意味する先行詞が省略されていると考えればわかりやすいでしょう。
went、つまり原形だと go は、超基本単語なので、状況によってさまざまなニュアンスで使われることが可能で、漠然と「俺が行ったところ」と表現することで「俺もそれ(そういう問題)を経験した(ことがある)」のような意味で使っているという可能性もなくはない、とも思います、、が、この時のロスの反応を見ていると、ジョーイがトンチンカンなことを言っている描写に私には思えました。

ジョーイがちょっと得意げにそう言った後、ロスはジョーイの方を見ながら、一瞬固まり、軽くうなずいてから、まあいいやというような顔で、フィービーの方にまた顔を向けている、、という流れになっていると私には見えたので、ロスが期待した答えではなかった、ピント外れの答えだったので、もういいや、という感じでジョーイの答えをスルーする感じでフィービーとの会話に戻った感じがしたわけです。

、、ということで、私も確信があるわけではないのですが、この Feminist issue? That's where I went. というのは直訳通りの「フェミニスト・イシュー? そこ、俺が行った場所だ」という意味だったように思います。
相手が言った言葉に対して、「なにそれ? おいしいの?」と言ったら、「それを食べ物と勘違いしている→それが何なのか全くわかってない」ことを示すという会話のお約束みたいなものがありますが、今回のジョーイのセリフも「聞き慣れない難しい言葉を、どこかの店か何かの場所だと勘違いしたことを示した」という気がしたということです。

ジョーイのこの発言の後、大爆笑という感じではないですが、観客からはラフトラック(笑い声)が起こっています。
この状況で笑い声が起こる、つまりジョークであるとすると、「ジョーイがその言葉の意味を勘違いしている」と考えるのが一番自然だろうと。
また、先ほどの解説で
チャンドラーは(いつものようにジョークにすることはなく)「フィービーはレイチェルに言うべきだ」と素直に同意し、
と書きましたが、チャンドラーが何のひねりもない(ごめん)返しをしたということは、その後のジョーイの部分にジョークのオチがあるからではないかとも思いました。
大爆笑ではないので、そんなに見事なオチでも面白いオチでもないという気はするのですが、「チャンドラーのセリフ(笑いなし)、ジョーイのセリフ(笑いあり)」という流れからもジョーイのセリフはジョークのオチであり、フェミニスト問題に興味なさそうなプレイボーイのジョーイが言うオチのセリフとしては、「別のものと勘違いしている」と解釈するのが一番妥当だと思ったということです。

(長くなりましたが、フィービーのセリフに戻ります。)
フィービーは「(パウロのことを話したら)レイチェルは私を嫌いになるわ、憎むわ」と言います。
それに対してロスは Yeah, well. と言っていますが、その言い方と表情から「そうだけど、それがどうしたの? まあしょうがないよね」というニュアンスが感じられる気がします。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 17:14| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月30日

口説く、ちょっかいをかける フレンズ1-12改その8

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は7位、「にほんブログ村」は17位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
にほんブログ村 英語ブログへ


10:05
[Phoebe enters]
フィービーが入ってくる。
ジョーイ&チャンドラー: Hey Phoebe! (やあ、フィービー!)
ロス: Hi, Pheebs! (はーい、フィーブス!)
レイチェル: Pheebs! (フィーブス!)
フィービー: Fine! (いいわ[結構よ]!)
モニカ: Phoebe, what's the matter? (フィービー、どうしたの?)
フィービー: Nothing! I'm sorry. I'm just, I'm out of sorts. (何もないわ! ごめんね。私はただ、イライラしてるのよ。)
客: Hey, can we get some cappuccino over here? (ねぇ、こっちにカプチーノをもらえる?)
レイチェル: Oh, right! That's me! (あぁ、そうね! 今のって私(のこと)だわ!)
ジョーイ: Hey, Chandler, that table place closes at 7. Come on. (なぁ、チャンドラー、あのテーブル屋は7時に閉まるんだ。行くぞ。)
チャンドラー: Fine. [Joey and Chandler walk towards the door] (わかったよ。[ジョーイとチャンドラーはドアに向かって歩く])
モニカ: Phoebe, what is it? (フィービー、何なの?)
フィービー: All right, you know Paolo? (いいわ、パウロ、知ってるでしょ?)
ロス: I'm familiar with his work, yes. (やつのやり口はよく知ってるよ、ああ。)
フィービー: Well, he made a move on me. (その……彼が私にちょっかいをかけてきたの。)
[Joey and Chandler come back]
ジョーイとチャンドラーが引き返してくる。
ジョーイ: Whoa, store will be open tomorrow. (ほら、店は明日(も)開いてるし。)
チャンドラー: More coffee over here, please? (こっちにさらにコーヒーを頼むよ。)

セントラルパークにフィービーが入ってきて、みんなが口々にフィービーに挨拶しますが、フィービーは怒ったような口調で Fine! と言ってソファに座ります。
fine は、How are you? I'm fine, thank you. という挨拶の例で学ぶように、「元気で」という意味があり、「素晴らしい、結構な」という意味もありますが、怒っている時に不満な気持ちを表現するのに使うこともできます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
fine [adjective] : ANGRY used when you are angry because you really think that something is not good or satisfactory at all
例)Fine, then, I'll do it myself.

つまり「(怒っている)何かが良くない、または全く満足できないと自分が本当に思っていて怒っている時に使われる」。例文は「いいわ、それなら、私が自分でするわ。」

日本語の場合でも「いい、結構」という良い意味の言葉を「いいわ、結構よ」と怒った調子で言えば不満の気持ちが表現できますので、日英同じ感覚だと言えるでしょう。

表情が硬く様子がおかしいフィービーを見て、モニカは what's the matter? 「どうしたの?」と問いかけます。
I'm out of sorts. の be out of sorts は「イライラしている、不機嫌である」という意味。
LAAD では、
out of sorts : feeling a little upset, annoyed, or sick
例)Mandy's been out of sorts all week.

つまり「少し、動揺、イライラ、うんざりした気持ちでいる」。例文は「マンディは1週間ずっとイライラしている」。

そんな話をしていると、離れた席にいる客が Hey, can we get some cappuccino over here? 「ねぇ、こっちにカプチーノをもらえる?」と言います。
その発言の後、1秒くらい経ってから、それってウェイトレスの私に言ってたんだ、と気づくレイチェルも面白いです。

That table place は「テーブルを売ってるあの店」みたいな感覚で、あえて shop などと言わずに、漠然と place という言葉を使っています。
具体的な施設の名前(shop, restaurant など)を言わずに、「どこかの場所」を指す場合に使える便利な表現で、日本語で言うと「場所、ところ」というニュアンス。
所有格をつけると「誰それの家、住まい、部屋」という意味になり、my place なら「うち、俺んとこ、私ん家(ち)」という感覚。

7時に閉まる、と言われた後、また Fine. という言葉が登場していますが、チャンドラーがため息と共に嫌そうな感じで言っていることから、今回もどちらかと言うと不満なニュアンスが感じられます。
「よーし、OK!」という前向きな返事というよりは「わかったよ、しゃーねーな」という感覚が近いでしょう。

I'm familiar with his work の work は「行為、やり方、やり口、手並み」のようなニュアンスで考えるとよいでしょう。
be familiar with は「(〜の様子)をよく知っている」。
you know Paolo? のように know という動詞を使ったフィービーに対して、同じように「知っている」ことを意味する形容詞 familiar を使って返したことになります。
「やつのやり口をよく知ってる」のように表現することで、パウロのやることなすことが気に入らない様子が伝わります。

make a move on ... は「…をナンパする、口説く、ちょっかいをかける」。
LAAD では、
put/make a move on somebody : (informal) to try to start sexual activity or a sexual relationship with someone
つまり「(インフォーマル)誰かと性的行動や性的関係を始めようとすること」。

テーブルを買いに行こうと出口に向かっていたジョーイとチャンドラーが、move という言葉を聞いて戻ってくるのも面白いです。
More coffee over here, please? とコーヒーを頼んでいることで、席についてしっかり話を聞こうじゃないかと思っている様子も伺えます。

なお、今回のシーンでは、店が開く・閉まるという話で、open/close の単語が以下のように登場していました。
that table place closes at 7 「あのテーブル屋は7時に閉まる」
store will be open tomorrow 「店は明日(も)開いてる」

上の文は「〇時に店が閉まる」つまり「閉店する」ということで、その場合は自動詞 close が使われます。
逆に「〇時に店が開く」という意味の「開店する」だと自動詞 open が使われます。

下の文は「店が(その時間)開いている・営業している、開店している」ということで、be open の open は「開いて(いる)」という形容詞。
逆に「店は(その時間)閉まっている・営業していない、閉店している」だと、be closed となります。

これが、be open に対して be close だったり、または、be opened / be closed のように、どちらも -ed のつく過去分詞形が使われたりするのであれば間違えにくいのですが、open は動詞「開く」、形容詞「開いている」という両方の意味があるため、be open でOKで、close の場合は形容詞で「閉まっている」という意味はないため、closed と -ed の形にしなければならないという点に注意しておきましょう。
つまり、対義語として見ると、
「開店する/閉店する」は open / close
「(店が)開いている/閉まっている」は open / closed
になるということです。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 17:09| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月15日

ブログ17周年

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は7位、「にほんブログ村」は16位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
にほんブログ村 英語ブログへ


2005年6月15日に開始したこのブログ、今日で17周年を迎えることができました。
17年間、このブログを続けることができましたのは、このブログを読んで下さり、応援し続けて下さった読者の皆様方のお蔭と心より感謝しております。
本当にありがとうございます<(_ _)>

今もブログランキングの上位にいさせていただけていることも大変ありがたく思っております。
ランキングクリックで応援して下さっている皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。

ブログ16周年以降では、2021年7月16日に、KADOKAWA から『Avengers: Age of Ultronで英語が話せる本』を出版することができました。

AoU_333px_mt.jpg

これで通算10冊の本を出させていただいたことになります。

ブログを始めた頃は、自分が本を出すことになるとは夢にも思いませんでしたし、1冊目の著書を出版できた時はそれが最初で最後だろうとも思っていました。
今こうして10冊の本を出すことができていて、しかも近年の本はどれも「ドラマや映画のセリフ」を例文として使う形式のものになっていること、本当に嬉しくありがたく思っています。

今日、BTSがグループ活動の休止を発表したニュースが話題になっています。
英語が流暢なBTSのリーダーRMさん(ナムさん)が「フレンズで英語を学んだ」と公言されているのは以前から有名な話でしたが、今年は例年以上にその話が話題になった気がします。
4月のグラミー賞で、司会トレバー・ノアさんがRMさんに "Did you really learn how to speak English from watching Friends?" 「フレンズを観ることで英語を学んだっていうのは本当?」と尋ねるシーンがあり、ノアさんとの会話の中でジョーイやチャンドラーの名前も出るなどして、フレンズファンの一人としてとても嬉しい気持ちで観ていました。
その会話の記憶も新しいうちに、6月1日には、ホワイトハウスに招かれ、バイデン大統領と対談。
ここでもRMさんは流暢な英語を披露されていて、「フレンズで英語を学んだ」という言葉の重みがさらに増した気がしました。

「フレンズ」はアメリカで1994年9月開始、2004年5月が最終回だったので、現在で開始から28年、終了からでも18年経っていますが、RMさんの発言が話題になることで、フレンズを観てみたいと思ってくれる方が増えるといいな♪と思っています。

動画配信サービスの発達のおかげで、ドラマや映画を観る環境はどんどん便利になっています。
昔の人気作品を見ることも容易になりましたし、海外ドラマや洋画で英語を学ぶ方がもっともっと増えて下さることを心から願っています。

ドラマや映画で生きた英語を学ぶ楽しさやその効果を一人でも多くの方に伝えることができるよう、これからも頑張ります!
ブログの読者の皆様、17年間本当にありがとうございました。
これからも引き続き、どうかよろしくお願いいたします。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 21:57| Comment(4) | 節目となる出来事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする