2022年06月15日

ブログ17周年

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2005年6月15日に開始したこのブログ、今日で17周年を迎えることができました。
17年間、このブログを続けることができましたのは、このブログを読んで下さり、応援し続けて下さった読者の皆様方のお蔭と心より感謝しております。
本当にありがとうございます<(_ _)>

今もブログランキングの上位にいさせていただけていることも大変ありがたく思っております。
ランキングクリックで応援して下さっている皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。

ブログ16周年以降では、2021年7月16日に、KADOKAWA から『Avengers: Age of Ultronで英語が話せる本』を出版することができました。

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これで通算10冊の本を出させていただいたことになります。

ブログを始めた頃は、自分が本を出すことになるとは夢にも思いませんでしたし、1冊目の著書を出版できた時はそれが最初で最後だろうとも思っていました。
今こうして10冊の本を出すことができていて、しかも近年の本はどれも「ドラマや映画のセリフ」を例文として使う形式のものになっていること、本当に嬉しくありがたく思っています。

今日、BTSがグループ活動の休止を発表したニュースが話題になっています。
英語が流暢なBTSのリーダーRMさん(ナムさん)が「フレンズで英語を学んだ」と公言されているのは以前から有名な話でしたが、今年は例年以上にその話が話題になった気がします。
4月のグラミー賞で、司会トレバー・ノアさんがRMさんに "Did you really learn how to speak English from watching Friends?" 「フレンズを観ることで英語を学んだっていうのは本当?」と尋ねるシーンがあり、ノアさんとの会話の中でジョーイやチャンドラーの名前も出るなどして、フレンズファンの一人としてとても嬉しい気持ちで観ていました。
その会話の記憶も新しいうちに、6月1日には、ホワイトハウスに招かれ、バイデン大統領と対談。
ここでもRMさんは流暢な英語を披露されていて、「フレンズで英語を学んだ」という言葉の重みがさらに増した気がしました。

「フレンズ」はアメリカで1994年9月開始、2004年5月が最終回だったので、現在で開始から28年、終了からでも18年経っていますが、RMさんの発言が話題になることで、フレンズを観てみたいと思ってくれる方が増えるといいな♪と思っています。

動画配信サービスの発達のおかげで、ドラマや映画を観る環境はどんどん便利になっています。
昔の人気作品を見ることも容易になりましたし、海外ドラマや洋画で英語を学ぶ方がもっともっと増えて下さることを心から願っています。

ドラマや映画で生きた英語を学ぶ楽しさやその効果を一人でも多くの方に伝えることができるよう、これからも頑張ります!
ブログの読者の皆様、17年間本当にありがとうございました。
これからも引き続き、どうかよろしくお願いいたします。


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posted by Rach at 21:57| Comment(4) | 節目となる出来事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月09日

私が知らないわけにはいかない フレンズ1-12改その7

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8:31
フィービーが働いているマッサージ店。
ジャスミン: You've got a couple changes in your schedule. Your 4:00 herbal massage has been pushed back to 4:30. And Ms. Summerfield canceled her 5:30 shiatsu. Okay? (あなたの予定に少し変更があったわ。4時のハーブ・マッサージは4:30になった。それから、サマーフィールドさんは5:30の指圧をキャンセルした。オッケー?)
フィービー: Thanks. [Jasmine leaves, then walks back in] (ありがとう。[ジャスミンは去るが、その後、戻ってくる]
ジャスミン: Oh, here comes your 3:00. I don't mean to sound unprofessional, but-- Yum! [walks out, Paolo enters] (あぁ、あなたの3時(の予約の人)が来たわ。プロらしくないような発言をするつもりはないけど、でも…おいしそう!)[出ていくと、パウロが入ってくる]
パウロ: Buon Giorno, Bella Phoebe! (ボン・ジョルノ[こんにちは]、可愛いフィービー!)
フィービー: Oh, Paolo! Hi! What are you doing here? (まぁ、パウロ! はーい! ここで何してるの?)
パウロ: Uh, Racquela tell me you massage, eh? (あー、ラケレが僕に言う、君、マッサージする、そう?)
フィービー: Well, Racquela’s right, yeah! (えぇ、ラケレは正しいわ[ラケレの言う通りよ]、ええ!)
[Paolo speaks Italian]
パウロがイタリア語を話す。
フィービー: Oh, okay, I don't know what you just said, so let's just start. (あぁ、いいわ。あなたが今言ったことわからないから、(とにかく)始めましょう。)
パウロ: Uh, I am, uh, being naked? (あー、僕、裸になる?)
フィービー: Um, that's really your decision, I mean, some people prefer, you know, to take off...oh whoops! Being naked! (あー、それは本当にあなたが決めればいいの。ほら、その、服を脱ぐ方が好きな人もいるし…あらまあ! (もう)裸になってるのね!)

push back は「延期する」。「〜を後ろに押しやる、後退させる」という意味から、スケジュール・予定を延期する」という意味になります。
今回は予定が30分遅くなった、ということです。
shiatsu は日本語の「指圧」。
Wikipedia 英語版 : Shiatsu にも「指圧」という日本語表記が書いてあり、Tokujiro Namikoshi さんの名前も出ています。
「指圧の心は母心、押せば命の泉湧く。」で有名な浪越徳治郎さんについては、以下の日本語版ウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版 : 浪越徳治郎
指圧療法の創始者で、マリリン・モンローやモハメド・アリを指圧したこともあり、日本語版ウィキペディアにも、
国内外の著名人を治療したことにより、日本はもとより全世界に指圧(SHIATSU)を普及させた。
と説明されています。
今回のセリフのようにマッサージ店の会話でも shiatsu という単語が普通に使われており、世界に普及した言葉であることがよくわかります。
今回のエピソードでは hibachi(火鉢)、shiatsu(指圧)など、日本語が語源となっている単語が複数登場しているのも面白いところです。

here comes your 3:00. を直訳すると「あなたの3時がここに来た」というところ。
Here comes the sun. 「ほら、太陽が顔を出す」というような決まり文句と同様に、Here comes+主語. の語順になっています。
主語が「あなたの3時」となっていますが、状況から「あなたの3時の予約のお客さん」であるとわかります。

I don't mean to sound unprofessional, but は「プロではないように聞こえるような発言をするつもりはないけど」。
先にこれを言っておくことで、この後にプロらしくない・プロにはあるまじき発言が続くことが予期されます。

yum は yummy と同じで「おいしそう、おいしい」という意味。
プロのマッサージ師がお客を品定めするのはいけないことだってわかっているけれど、セクシーな人なの、と言いたい気持ちが出ており、彼女がおいしそうだと言ったのは、レイチェルもぞっこんになっているパウロであるとわかります。

なお、フィービーと話している女性のキャラクター名は Jasmine と言いますが、ジャスミンを演じているのは Cynthia Mann(シンシア・マン)という女優さんで、フレンズ1-1 で、セントラルパークのウェイトレス(The Waitress)として出演していました。
過去記事、そして俺は百万ドル欲しい フレンズ1-1改その5 でもそのことについて触れていますが、ウェディングドレス姿のレイチェルに、
ウェイトレス: Can I get you some coffee? (コーヒーいかがですか?)
と声を掛けた人でした。

部屋に入ってきたパウロは、イタリア語まじりのカタコトの英語で話しています。
bella はイタリア語で「美しい」という意味なので、知り合いであるフィービーに「きれいな/可愛いフィービー」と声を掛けた感覚になるのでしょう。
Rachel という名前をイタリア語風に Racquela と発音したパウロの発言を受けて、「(私がマッサージしてる[マッサージ店で働いてる]と言った)彼女の発言は正しいわ、その通りよ(She's right.)」という意味で、フィービーも Racquela’s right と返します。

ガウンを着ているパウロは裸になるのかどうかをフィービーに尋ねています。
some people prefer, you know, to take off は、you know が挿入されていますが、prefer to take off 「服を脱ぐ方が好き」ということ。
そんな話をしている間にパウロは勝手にガウンを脱いでしまい、フィービーはバスタオルで彼の下半身を隠すことになります。


9:34
[Scene: gang sitting at Central Perk]
シーン」フレンズたちがセントラルパークで座っている
レイチェル [to Ross]: I can't believe you don't want to know. I mean, I couldn't not know. I mean, if, if the doctor knows, and Carol knows, and Susan knows-- ([ロスに] 知りたくないなんて信じられないわ。だって、私が知らないなんてことはできない[知らないわけにはいかない]もの。ほら、もし、もしお医者さんが知ってて、キャロルが知ってて、スーザンが知ってるなら…)
モニカ: And Monica knows. (そしてモニカも知ってる(なら)。)
ロス: Wha, heh, how could you know? I don't even know! (わ、え? どうやってお前が知ったりできるんだよ? 僕すら知らないのに!)
モニカ: Carol called me to thank me for the lasagna, I asked. She told me. (キャロルがラザニアのお礼で私に電話してきて、私が尋ねたの。キャロルは私に言って[教えて]くれたわ。)
ジョーイ: So what's it gonna be? [Monica whispers in Joey's ear. Ross gets up and waves arms frantically in protest] (それで赤ちゃんの性別は何になるって? [モニカはジョーイの耳にささやく。ロスは立ち上がり、抗議のため必死に腕を振る])
ロス: Wait--oh--hey--huh? Oh, great! Now he knows and I don't know. (待って、あー、ちょっと、は? あぁ、最高だよ! これで彼(ジョーイ)が知って、僕は知らない(状態だ)。)
モニカ: I'm sorry. I'm just excited about being an aunt. (ごめんね。私はただ、叔母さんになるってことにワクワクしちゃって。)
ジョーイ: Or an uncle. (または、叔父さん(になるってことに)。)

会話が「あなたが知りたくないなんて信じられない」で始まっていて「何を」知りたくないのか具体的な言葉は出ていませんが、「キャロルのお腹にいる赤ちゃんの性別」の話であることはこれまでの流れからわかります。

I couldn't not know というのは見た目的に不思議な表現ですが、「"not know" という行為は、私にはできない(だろう)」という意味で理解すると良いでしょう。
この couldn't は can't の過去の意味「できなかった」ではなく、仮定のニュアンスが込められたもの。
その後に if 節を使い、「もし(担当の)お医者さんが知ってて、キャロルが知ってて、スーザンが知ってるなら」と続けていますので、「もしその複数の人たちが知っているのなら、私には”知らない”なんてことはできないでしょう」と言っていることになります。
医者、キャロル、スーザンの名前が出た後、それを受けるようにモニカは And Monica knows. と言っています。
内容としては「私も知ってる」ということなので (And) I know. でも良いわけですが、レイチェルが「もしこの人たちが知ってるなら」と言った流れに付け加える感じで、自分のことも客観的に人物名で表現したことになります。
if the doctor knows, and Carol knows, and Susan knows-- and Monica knows. ということですから、この「モニカが知ってる」も「もしモニカが知ってるなら」という if の意味が続いていると考えるのが自然だと思います。

モニカも知ってると聞いて、ロスは how could you know? と言います。
直訳すると「どのようにしてお前(モニカ)が知るってことが可能なんだよ?」というところ。
知らない僕を飛び越えて、どうして妹のモニカの方がその情報を知ってるんだよ、どうやって知ることが可能なんだよ、ということです。
モニカはシンプルに「キャロルがお礼の電話をしてきた。私が尋ねた。キャロルが教えた」と説明しています。

So what's it gonna be? の it = the baby で、「赤ちゃん(の性別)はどっちになるの?」という質問。
モニカがジョーイに教えてしまい、妹だけではなく友人の方が先に知ってしまうという事態に、ロスは皮肉っぽく Oh, great! 「最高だよ!」と言います。

I'm just excited about being an aunt. は「叔母さんになる[叔母さんである]ことについてただワクワクしてるの」。
叔母さんになると思うと嬉しくて、お腹の子の性別を知りたいと思っちゃうの、ということ。
血のつながりがあるんだから、知りたいと思う気持ちをわかって、というところですが、その後ジョーイが Or an uncle. と続けているのが面白いです。
モニカが「叔母さんになるということでワクワクして」ということなら、俺の場合は「叔父さん」ね、と言っていることになりますが、ロスの妹のモニカは赤ちゃんの叔母さんになるけれども、ロスの友達であるジョーイは何ら血縁関係はないので、叔父さんにはなりません。
女性のモニカが「叔母さん」と言ったから、男性のジョーイが男性版の「叔父さん」という単語を出したわけですが、トンチンカンなことを言っているジョーイを見て、ロスは唖然とした様子で目を見開き、首を振っているのも楽しいです。


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posted by Rach at 14:52| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月17日

かなり大きなコミットメント フレンズ1-12改その6

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7:55
ジョーイ: Okay, okay. How about if we split it? (わかった、わかった。俺たちで割り勘するってのはどう?)
チャンドラー: What do you mean? Like, buy it together? (どういうこと[意味]だよ? それって、一緒に買うってことか?)
ジョーイ: Yeah. (あぁ。)
チャンドラー: You think we're ready for something like that? (俺たちにはそういうことに対しての(心の)準備ができてると思うのか?)
ジョーイ: Why not? (どうしてできてないと思うんだよ?)
チャンドラー: Well, just that it's a pretty big commitment. I mean, what if one of us wants to move out? (ほら、ただ、それってかなり大きな、深いかかわり合いだと思うんだよ。ほら、もし俺たちの片方が引っ越したいと思ったらどうする?)
ジョーイ: Why, are you moving out? (なんだよ、お前は引っ越すつもり[予定]なのか?)
チャンドラー: I'm not moving out. (俺は引っ越さないよ[引っ越すつもりはないよ]。)
ジョーイ: You'd tell me if you were moving out, right? (もし引っ越すつもりならお前は俺に言うよな?)
チャンドラー: Yes, yes, it's just that, look, my last roommate, Kip-- (あぁ(言うさ)、ただ、ほら、俺の前のルームメイトのキップが…)
ジョーイ: Oh, I know all about Kip. (あぁ、キップのことは全部知ってるよ。)
チャンドラー: We bought a hibachi together and then he ran off and got married, and things got pretty ugly. (俺とキップは一緒にヒバチ[焼き肉用コンロ・グリル]を買って、それからやつは出て行って結婚して、ことがかなり厄介になったんだ。)
ジョーイ: Let me ask you something. Was Kip a better roommate than me? (ちょっと聞かせてくれ。キップは俺よりもいいルームメイトだったか?)
チャンドラー: Oh, don't do that. (あぁ、そういうのはやめてくれよ。)

How about if ...? は「〜したらどうですか?」と提案する表現。
split は「〜を割る、分割する」という動詞で、「壊れた机を買う」話をしているこの会話では「割り勘にする」という意味になります。
split the bill 「請求書を分割する」=「割り勘する」という感覚で、テーブルの支払いを二人で分け合おうということです。

チャンドラーは、split it というのは、buy it together ということだよな? と確認しています。
ready for thatは「そのことに対して準備が出来ている」ということ、つまり、「お金を出し合って一緒にものを買う、という覚悟があるのか」という感じ。
一緒に机を買うことについて「心の準備」の話をされたので、ジョーイは Why not? 「どうして準備ができてないと思うんだよ?」と返します。

a pretty big commitment の pretty は形容詞「可愛い、プリティな」ではなく、「かなり」という意味の副詞であることに注意しましょう。
形容詞 big を「かなり(大きな)」と強める役割を果たしています。

commitmentは「深くかかわり合うこと」というニュアンス。
commitment の日本語訳を英和辞典で調べてみると、「かかわり合い、献身、傾倒」「本気で深く関与すること」「特定の人と交際すること」などと書いてあります。
動詞 commit の名詞形なので、まずは commit という動詞から見てみましょう。
日本語で様々に訳される単語は、英英辞典でそのイメージを確認してみることも大切です。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) での commit の基本的な意味は、
commit :
2. SAY YOU WILL DO SOMETHING
to say that you will definitely do something or that you must do something

「絶対に何かをする、または何かをしなければならないと言うこと」
3. RELATIONSHIP
to decide to have a long permanent relationship with someone

「誰かと長く永続的[恒久的]な関係を持つことを決めること」

続いて、名詞の commitment も見てみましょう。
同じく LAAD では、
commitment :
1. a promise to do something or to behave in a particular way

「何かをする、またはある特別な方法で振舞うという約束」
2. the hard work and loyalty that someone gives to an organization, activity etc.
「ある人が組織や活動に与える勤勉や忠誠」
3. someone's decision to have a permanent relationship with another person, especially a decision to get married
「ある人が別の人と永続的な関係を持つという決心、特に結婚するという決心」
4. something that you have promised you will do or that you have to do
「すると約束したこと、またはしなければならないこと」

「約束、忠誠」などが「献身、傾倒」のイメージで、3. の「ある人との(結婚を意識したような)永続的な関係」が「特定の人と交際すること」というイメージに繋がると言えるでしょう。

フレンズはラブ・コメでもあるので恋愛がらみの話が多く、commitment というと、そういう恋愛関係にある人物間の relationship での意味、「特定の人と深く真剣に交際すること」というニュアンスで使われることが多いです。
言葉を変えると「深いかかわり(拘り、関わり、係わり)合いを持つこと」「深入りすること」「退っ引きならない(のっぴきならない)関係になること」「引くに引けない関係になること」「遊びではなく真剣に付き合うこと」などと様々に表現できるでしょうか。

遊びのつもりで軽く付き合うこと、というのとは正反対のイメージで、今回のエピソード、フリング(軽いお遊び)はフリングされてる(ポイされてる)はずでは フレンズ1-12改その2 に出てきた、fling 「遊びで軽くつきあうこと、短期間の情事、長続きしないロマンス」と正反対の意味だと言えるでしょう。
二人で一緒に物を買ったりして、一人が引っ越す気になった時、どうするんだよ? と言っていますが、結婚する時に二人でお金を出し合って家財道具を買うと、離婚時にどちらがどれを取るかでモメる、というイメージが、チャンドラーの頭の中にあるようです。

「もし片方が引っ越したいと思ったら」という発言を聞いて、ジョーイは Why, are you moving out? と返しています。
この現在進行形は「(今)〜している」という意味ではなく、「決まった近い将来の予定を表す」現在進行形になります。
「お前は引っ越すつもりなのか? 引っ越す予定なのか?」と訳すとよいでしょう。
問われたチャンドラーの方も同じく「予定」を表す現在進行形を使って、「俺は引っ越すつもり・予定はない」と返しています。
You'd tell me if you were moving out, right? の You'd は You would ということで、仮定法過去が使われていることになります。
「もし引っ越すつもりなら、お前は俺に(引っ越すことを)言うだろう…な?」というニュアンス。
「実際には引っ越さないとお前は今言ったが、それに反して、もし引っ越すつもりなら」と現実とは反対の仮定をしていることから仮定法過去(were)が使われているということです。

「引っ越すつもりならもちろんお前に言うよ」という意味で yes と答えた後、「(引っ越すとかじゃなくて)ただ前のルームメイトのキップが」と、名前を出しています。
それを聞くや否や、ジョーイは立ち上がり、「キップのことなら全部知ってるよ」と返します。
名前を聞いた途端にそう反応した様子から、チャンドラーが前のルームメイトであるキップの話をあれこれジョーイに話すこと、ジョーイはそのキップの話をされるのはうんざりだと思っている様子が伺えます。
「またキップの話かよ。もう嫌ってほど聞いてるよ」という感じです。

チャンドラーはキップとの間にあった出来事を説明しています。
hibach は見た目の通り、日本語の「火鉢(ひばち)」が語源です。
アメリカでは、バーベキューなどで肉を焼く時に金網を乗せて使うコンロ・グリルを指すようです。
LAAD では、
hibachi : a small piece of equipment for cooking food outdoors, over burning charcoal
つまり、「燃える炭の上で外で食べ物を調理するための小さな器具」。

bought, ran off, get married 「(二人で)買って、(やつが)出て行って結婚して」という流れがテンポ良く説明され、その結果 things got pretty ugly と言っています。
ugly は「醜い、不細工な、見苦しい」という意味で、「悪い、厄介な、面倒な」という意味でも使われます。
この場合は「物事がアグリーになった」ということなので、「こと・状況が厄介になった」と理解すればよいでしょう。
got pretty ugly の pretty も、今回の記事で最初に説明した a pretty big commitment と同じく、後に続く形容詞を強調する副詞「かなり」という意味になります。
カタカナで「プリティ/アグリー」と書くと「可愛い/醜い」という対義語が並んでいるようにも見えて「??」となりそうですが、これはあくまで意味を強調する副詞であって「可愛い」という意味は全くないということです。

一緒にヒバチを買ったのに、彼は逃げて他の女と結婚して…みたいに言っていますが、まるで「一緒に家財道具を買ったのに、彼は自分を捨てて他の女に走った」と恨み言を言う「元恋人」の発言のように聞こえてしまうところもポイントです。
それを聞いたジョーイは、こちらも真剣な様子で「キップは俺よりもいいルームメートだったか?」と尋ねています。
「そういう質問はやめてくれ」とチャンドラーは返していますが、ジョーイの質問もまた「自分よりもその元恋人の方が良かった?」と嫉妬心むき出しみたいな発言になっているのも面白いところです。


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posted by Rach at 13:01| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月13日

想像の余地もないほど一目瞭然 フレンズ1-12改その5

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7:30
[Scene: Chandler and Joey's apartment. Joey and Chandler use their knees as a table to support the lasagna]
シーン:チャンドラーとジョーイのアパートメント。ジョーイとチャンドラーはラザニアを支えるために自分の膝をテーブルとして使っている。
チャンドラー: Okay, so just because it was my table, I have to buy a new one? (よし、それでそれが俺のテーブルだったからって理由だけで、俺が新しいテーブルを買わないといけないのか?)
ジョーイ: That's the rule. (それがルールだよ。)
チャンドラー: What rule? There's no rule. If anything, you owe me a table. (何のルールだよ? ルールなんかない。むしろ(何かあるとすれば)、お前が俺にテーブルを買う義務がある。)
ジョーイ: How'd you get there? (どうしてそういうことになるんだよ?)
チャンドラー: Well, I believe this piece of furniture was fine until your little breakfast adventure with Angela Delveccio. (そうだな、お前がアンジェラ・デルベキオとちょっとした朝食の冒険をするまでは、この家具は問題なかったはずだと思うからね。)
ジョーイ: You knew about that? (そのことをお前は知ってたのか?)
チャンドラー: Well, let's just say the impressions you made in the butter left little to the imagination. (そうだな、お前がバターに残した痕跡は想像の余地もなかった(ほど一目瞭然だった)と言っておこう。)

このシーンの最初のセリフで、「俺のテーブルだったから、俺が買わないといけないってか?」のように聞き返していることから、その前にジョーイが、「テーブルが壊れたから、チャンドラー、新しいテーブルを買ってくれよ。元々お前のものだろ?」と言ったであろうことが想像できます。
「持ち物が壊れたら、持ち主が買うのがルールだ」とジョーイは言いたいようですが、チャンドラーはそんなルールはない、と言います。
相手が「それがルールだよ」と言ってきた場合に「ルールって何だよ? そんなルールなんかないぞ」と反論することは日本語の会話でもありそうな流れですが、その場合には今回のように、That's the rule. - What rule? There's no rule. と返せば抗議のニュアンスが出ることもわかります。

if anything は「どちらかと言えば、むしろ」という決まり文句で、ここではそういう意味とも取れますし、if there’s any rule 「もし何らかのルールがあるとすれば」という意味にも解釈できるかもしれません。
俺に言わせれば、何らかのルールに則(のっと)るとすると、お前がテーブルを買うべきだと思うね、という感じです。
You owe me a table. は「お前は俺にテーブルの借りがある、お前は俺にテーブルを買って返すべき義務を負っている」ということ。
猫は貸しにしておく フレンズ1-7改その19 に出てきた You owe me a cat. と同じ使い方になります。

How'd you get there? について。
このセリフの表記は、
DVD : How did you get that?
ブルーレイ : How did you get there?
Netflix : How'd you get there?
となっていました。
音声を聞くと、that ではなく there に聞こえるので、How did you get that? または How did の部分を短縮した How'd you get there? が正しいと思われます。

get にはいろいろな意味がありますが、<get to+場所>が「(場所)に行く・到達する」という意味であることから、get there だと「そこに行く・到達する」となります。
there 「そこに」の「そこ」とは、「お前が俺にテーブルを買う義務がある、テーブルを買うべきなのはお前の方だ」というチャンドラーの出した「結論」だと考えられますので、「どのようにしてお前はその結論に到達したんだよ?」→「どうしてそういうことになるんだよ」というニュアンスで使っていると考えればよいでしょう。

どうしてそういう結論になるかということを、チャンドラーは、I believe 以下で説明しています。
this piece of furniture は「この家具」、つまり「壊れたテーブル」のこと。
furniture は集合的に「家具」を表す集合名詞なので、不可算名詞になります。
ですから、「家具1点」と言いたい場合は、a furniture ではなく、a piece of furniture と言わなければなりません。
昔の学校英語では、a furniture となっている間違いを探すような正誤問題によく出てきた単語でした。

was fine until... は「…するまでは fine だった、壊れるような状態ではなく良好な状態だった、問題なかった」。
つまり、until 以下のことが起こってから、テーブルの調子が悪くなったということ。
プレイボーイのジョーイに対して「ある女性との、朝のちょっとした冒険」という表現を使えばそれは、女性とのエッチな行為であると想像できます。
ちなみに、フレンズ1-5 にアンジェラというジョーイの元カノが登場して、ヨリを戻していましたので、今回のアンジェラ・デルベキオはそのアンジェラなのかもしれません。

その時、現場にいたわけでもないのに、どうしてお前はそのことを知ってるんだ? と問うジョーイに対してのセリフ、Let's just say the impressions you made in the butter left little to the imagination. について。
let's just say... は「…と言っておこう」、the impressions you made in the butter は「お前がバターに残した[作った]痕跡」。

left little to the imagination は「想像への余地をほとんど残さなかった」。
leave little room for... 「…の余地がほとんどない」というフレーズと似た感覚で、「想像へほとんど何も残さない」ということから、「ほとんど何も想像の余地がない」という意味になるわけです。
想像の余地がない、ということはつまり、想像しなくてもわかる、想像するまでもない、一目瞭然、ということ。

ですから、直訳すると「お前がバターに残した痕跡は、想像の余地がないほど一目瞭然だった、と言っておこう」ということになるでしょう。
つまり、チャンドラーは、ジョーイとアンジェラとの現場を見たわけじゃないけど、バターの痕跡を見てわかっちゃったよ、と言っているわけです。

この部分、DVDの日本語訳は、
バターが異常に 減ってたもん/あぁ、ちょっと想像力使えばわかるさ。バターが異常に減ってたもん。
となっていました。
英語のセリフが指している内容もおそらくそういうことで、バターを使ったプレイをしていた、ということを示唆しているように思います。
ちょっとハードな話になりますが、「食べ物を体に塗って舐め取る」(lick it off)的なプレイを示唆するセリフがフレンズには結構出てきます。
ネタバレしないようにエピソード番号だけ挙げておくと、フレンズ1-14, 3-21, 8-15 などに出てきますが、どれも「セリフそのものは結構エッチなことを言っているけれど、映像でそれをダイレクトには見せない」という形で使われていて、そこが「フレンズ」っぽいところだなぁと思います。

「バターを見りゃわかるよ」みたいに言ったことで、そういうものを使ったプレイをしていて、その激しい行為のせいで机が壊れちゃった、ということを観客に連想させて笑いを取る、というジョークのようです。
いきなりバターの話なので、ピンときにくいところではありますが、ジョーイはプレイボーイである、という設定から、「バター」という単語でそういうことをイメージさせることができるということなのでしょう。


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posted by Rach at 16:15| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月06日

Everything's A-OK. フレンズ1-12改その4

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明けましておめでとうございます。
本年もどうかよろしくお願いいたします。


6:15
[Susan enters]
スーザンが入ってくる。
スーザン: Oh, hello, Ross! (まぁ、こんにちは、ロス!)
ロス: Susan. (スーザン。)
スーザン: So? So did you hear? (で? それで(あなたは)聞いたの?)
ロス: Yes, we did. Everything's A-OK. (あぁ、聞いたよ。すべては完全にオーケーだ。)
スーザン: Oh, that's so... [Susan hugs Carol, they giggle, Ross steps away] It really is. Oh, and do we know? (あぁ、それってすっごく… [スーザンはキャロルをハグし、二人はくすくす笑う。ロスは一歩離れる] 本当にね。あぁ、それでわかってるの?)
キャロル: We certainly do, it's going to be a-- (えぇ、確かにわかってるわ、赤ちゃんは…)
ロス: [flailing arms in protest] Oh, hey hey hey, ho ho ho, hello? See a guy who doesn't wanna know standing right here. [抵抗するように腕を振りまわしながら]あぁ、ねえねえねえ、おいおいおい、もしもし? ねぇ、知りたくない男がここに立ってるのが見える?)
スーザン: Oh, well, is it what we thought it would be? (あぁ、そうね、赤ちゃん(の性別)は私たちがそうだろうと思っていたものかしら?)
キャロル: Mm-hmmm [Susan and Carol hug, giggling. Ross stands back, reaches out and lightly taps Susan's shoulder] (ん−ん。[スーザンとキャロルはハグして、くすくす笑う。ロスは後ずさりして、手を伸ばし、スーザンの肩を軽く叩く])
ロス: Ok, what, what...ok, what did we think it was going to be? (よし、どうなるだろうって君たちは思ってたのかな?)
キャロル&スーザン: It's a--- (赤ちゃんは…)
ロス: [interrupts] No, no ,no. I don't want to know. Don't want to know. Ok, you know, I should probably, I should probably just go. ([さえぎって] いやいやいや。僕は知りたくない。知りたくない。よし、ねぇ、僕は多分、多分僕はただ出ていくべきだよね。)
キャロル: Well, thanks for the books. (えぇ、本をありがとう。)
ロス: No problem, ok, mmmwa [kisses Carol] oh, mmmwa [kisses Carol's stomach, then punches Susan's shoulder] Susan. [Ross leaves.] (いいんだよ。よし、ん−んまっ [キャロルにキスする]、あぁ、ん−んまっ [キャロルのお腹にキスして、それからスーザンの肩を(軽く)パンチする]スーザン。[ロスは出ていく])
スーザン: All right, who should we call first? Your folks or Deb and Rhona? [intercom buzzer rings] (いいわ、最初に誰に電話すべきかしら? あなたのご両親? それともデブかローナ? [インターコムのブザーが鳴る])
キャロル: Hello? (はーい?)
ロス [on intercom] Uh, never mind. I don't wanna know. [Carol and Susan laugh] ([インターコムで] あぁ、気にしないで。僕は知りたくないんだ。[キャロルとスーザンは笑う])

So did you hear? は「それであなたは聞いた?」ということ。
具体的に何を聞いたかという目的語がありませんが、少し前にロスに羊水の結果が出たことを伝えていましたので、今日は羊水の検査があることをパートナーのスーザンは当然知っていて、帰るとすぐに「例の結果を聞いた?」という意味で目的語なしの「聞いた?」という表現を使ったことになるでしょう。

先にキャロルから結果を聞いていたロスは、キャロルが答える前に「僕らは結果を聞いた」と言い、Everything's A-OK. と続けています。

A-OK は「エイ・オーケー(オウケイ)」と発音されていますが、これは「万事OKで、とても良い」という意味。
アカデミックな英英辞典である LAAD (Longman Advanced American Dictionary) にも載っていて、以下のように説明されていました。

A-OK [adjective] (informal) : in very good condition
例文)Everything's A-OK.

つまり「(インフォーマル)とても良い状況で」。

Macmillan Dictionary では以下のように出ています。
A-OK [​ADJECTIVE] (​AMERICAN ​INFORMAL)
perfectly OK
例文1)Everything is A-OK.
例文2)The sandwich is A-OK.

つまり「(アメリカ英語、インフォーマル)完璧にOK」

ロングマンやマクミランの英文にロスのセリフと同じ Everything を主語にした文が載っているように、A-OK はこのような形で使われることがよくわかると思います。

LAAD には Etymology (Word Origin) つまり語源も載っていて、以下のように説明されています。

A-OK
1900-2000 all (systems) OK


オール・オッケーのことだとわかれば、日本人にもピンときやすいですね。

なお余談になりますが、OK という言葉自体の語源には諸説あるようです。
Wiktionary : OK に詳しい説明がありますが、一般的に受け入れられている説としては、all correct をわざと(コミカルに)oll korrect と綴ったのだとする説があり、もしそうであるならば、LAAD の A-OK = all OK という説明は、A-OK = all all correct ということになり、何だか面白いなと思いました。

検査の結果が良好だとわかり、スーザンはキャロルにハグしています。
喜び合っている二人にはロスが全く見えていない感じで、ロスは少し二人から離れます。

その後の二人の会話、
Oh, and do we know?
We certainly do, it's going to be a--
について。
and do we know? も、シーン最初の So did you hear? と同じく、具体的な目的語が語られていませんが、「羊水検査の結果が出て、良好だった。そしてある件について知っている/わかっているかどうか」という話になれば、それは赤ちゃんの性別の話であることが想像できます。
今日、そういう検査をして赤ちゃんの性別がわかる(かも)ということが共通認識としてあるために、「(例の件は)わかってるの?[わかったの?]」と表現するだけでお互い何を指しているかわかるということです。

it's going to be a-- は主語が it となっており、これは「まだ性別のわからないお腹の中の赤ちゃん」を指していると考えるとよいでしょう。
赤ちゃんの性別はどっち? と質問する場合に Is it a boy or a girl? 「赤ちゃんは男の子? それとも女の子?」と尋ねるのが定型フレーズとなっているように、今回の場合もまだ性別のわからない赤ちゃんを(性別のない)中性代名詞 it で表現しているということです。
そして、少し前の会話で「赤ちゃんの性別は生まれてから知りたい」と主張していたロスが、it's going to be a-- つまり、it's going to be a boy または it's going to be a girl かのどちらかをキャロルが言おうとする寸前に、腕を振って止めたことになります。

See a guy who doesn't wanna know standing right here. について。
who は a guy を先行詞とする関係代名詞で a guy who doesn't wanna know は「知りたくない男」、standing right here は a guy を後置修飾している分詞と捉えることもできるでしょうし、see a guy standing right here のように「目的語が〜しているのが見える」と捉えることもできるかと思います。
前者の場合だと「ここに立っている、知りたくない男を見て」、後者の場合だと「知りたくない男がここに立っているのを見て」になるでしょう。
いずれにしても、ロスがいるのを忘れたかのように赤ちゃんの性別の話をしようとしている二人に対して、「もしもし、ここに性別を知りたくない人間がいるんだけど、僕のこと忘れてない?」とアピールしたことになります。

知りたくないと言っている人のそばでダイレクトに性別の話をしてはいけないと思ったらしいスーザンは、はっきりと性別そのものを尋ねるのではなく、is it what we thought it would be? とキャロルに尋ねています。
単語だけを見ると簡単なものばかりですが、このような遠回しな言い方はノンネイティブの口からはなかなかすっと出てきそうにない表現になっているなと感じます。
聞きたい内容は「今回判明した性別は、私たちが思っていたものだった?」ということですが、それを is it what we thought it would be? つまり直訳すると「赤ちゃん(の性別)は、赤ちゃん(の性別)がそうなるだろうと私たちが思っていたものかしら?」と表現したことになります。
多分こっちね、と二人の中で想像していた性別があれば、「そうなるって思っていたほうだった?」と尋ねるだけで結果がわかる、ということです。
キャロルは微笑みながら Mm-hmmm と言っているので、二人が思っていた性別が当たっていたことが見てとれます。
予想通りだったということで、また二人は嬉しそうにハグしていますが、それを見ていたロスは、知りたくないと言いつつも聞かずにはいられなくなったようで、キャロルと幸せな気分に浸っているスーザンの肩をトントンと叩き、「君たちはどっちになると思ってたの?」と尋ねます。
そう尋ねるロスに二人が性別を言おうとすると、またロスは我に返ったように「いや僕は知りたくない、知りたくない」と言って、「僕はここを出る・離れる方がいいよね」と言って、帰ろうとします。

キャロルは別れ際に thanks for the books. とお礼を言っていますが、本というのはロスがキャロルの家を訪ねてきた時に I brought all the books 「本を全部持ってきた」と言っていたことを受けたもの。
お礼を言われたロスは No problem. 「いいんだ、大したことないよ」と返していますが、Thank you. と言われたことに対してはこのように No problem. と返すことも多いですね。
「お安い御用さ」というニュアンスで返すイメージだと理解すると良いでしょう。

別れ際、キャロルの頬にキスして、お腹の赤ちゃんにキスした後、スーザンに対してはまるで男に挨拶するかのように肩を小突いて去っていくのが面白いです。

ロスがいなくなった後、「最初に誰に電話しようかしら?」と相談する二人。
folks は「人々」という意味がありますが、特に somebody's folks と所有格がついた場合はもっぱら「両親」の意味になります。
ここでも「あなたのご両親」という意味で使っていると考えればよいでしょう。

その後、インターコムが鳴り、キャロルが出ると、ロスの声が聞こえます。
Never mind. は「気にしないで。今のは忘れて」。
Never mind. は自分が何か発言した後、そのことについて深く追求されるのを避けるため、もしくは自分が言ったことを忘れて欲しい時などによく使われます。

LAAD では、
never mind : used to tell someone that somthing was not important, that you do not want to say something again, or that they should ignore what you said
例)"What did you say?" "Oh, never mind."

つまり「何かが重要ではなかった、何かをもう一度言いたくない、自分が言ったことを無視すべきだと誰かに言う時に使われる」。例文は「何て言った?」「あぁ、気にしないで」。

自分でインターホンを押しておきながら「気にしないで。僕は聞きたくないんだ」と言っているところに、実は赤ちゃんの性別が気になってしょうがない様子が見えるのが面白いです。


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posted by Rach at 21:37| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする